櫻子「あ~、楽しかった」
櫻子「たまには一人でデパートを見に行くのもいいよね」
櫻子「…はぁ、家に帰りたくないなぁ。ねーちゃんどっかに行かないかなぁ」
櫻子「つうか、あ~、もう。最悪だー」
櫻子「…どーすっかなぁ」
櫻子「あ、向日葵の家に泊めてもらえばいいじゃん」
櫻子「よっし、テルテル」
向日葵『もしもし。櫻子?どうしました?』
櫻子「今日泊めてー」
向日葵『は?』
櫻子「ちょっと家に帰りたくなくてさー」
向日葵『あなた、また何かしたのですの?』
櫻子「え~、今日はわたし悪くないし~」
元スレ
櫻子「あれ?家に帰れなくなっちゃった」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347978557/
~~回想~~
撫子「櫻子。ちょっと」
櫻子「なに?ねーちゃん」
撫子「あんた、プリン食べたでしょ」
櫻子「はぁ?食ってないし」
撫子「え?だって、冷蔵庫に入れておいたのに?」シャキッ
櫻子「しらねーって!?つうか、コンパスとか三角定規を向けんなよ!!」
撫子「おかしいわね」
櫻子「花子でも食ったんじゃないの?まったく。ほら、宿題するんだから部屋から出てってよ」
撫子「そう、ごめんなさい…あれ?櫻子。このゴミ箱に入ってるの…プリンの空容器じゃない?」
櫻子「え?あ…やば」
櫻子「ってことがあってさー」
向日葵『完全に櫻子が悪いじゃありませんの』
櫻子「え~、けど名前書いてなかったんだけどなぁ」
向日葵『まったく』
櫻子「ってわけで、家に帰りたくないから、泊めて」
向日葵『お断わりします』
櫻子「え~、なんでだよ~。宿題教えてもらおうと思ったのに~」
向日葵『そうですね、きちんと謝罪をしてきたら家に入れてあげますわ』
櫻子「いれてくれるだけ!?」
向日葵『まぁ、どうしてもというなら、泊めてさしあげてもよろしいですけど』
櫻子「よっし、言質とったー!」
向日葵『よく言質なんて言葉しってましたわね』
櫻子「昨日の刑事ドラマでやってた」
向日葵『はぁ…では、きちんと謝罪してくるのですよ?』
櫻子「はいはい」ブー
櫻子「はぁ、面倒だなぁ…」
櫻子「謝るったって、どうすりゃいんだよ…まったく」
櫻子「プリン食べたのは…そりゃわたしだけど…あんなに怒らなくたって」
櫻子「…あれ?あ、やばいやばい。考え事してたら行き過ぎちゃった」
櫻子「あ~、帰りたくね~」
櫻子「あ、そうだ。謝ったことにして向日葵の家に」
櫻子「…だめだ。きっと向日葵のことだから家に電話する」
櫻子「あ~、もう。うがー」
櫻子「あちゃ、また曲がり角通り過ぎちゃったよ」
櫻子「はぁ…ホントどうしよ」
櫻子「…あれ?」
櫻子「なんで?私、家に帰る道歩いてたよね?」
櫻子「…えっと、ここの角を曲がって…それで」
櫻子「えぇぇぇ!?あ、あれ?気づいたら…別な道だ…どゆこと?」
櫻子「今は考え事してなかったと思うけど」
櫻子「あれ?家に帰れなくなっちゃった」
向日葵『なんですのそれ?家に帰れないとか』
櫻子「だから、家に帰れなくなっちゃったんだって」
向日葵『意味がわかりませんわ』
櫻子「向日葵~、助けてよ~。わたしも意味がわからないんだって」
向日葵『はぁ。もう、一人で謝るのが怖いなら正直にいいなさいな』
櫻子「だから、そうじゃなくって、本当に」
向日葵『わかりましたわ。今、どこにおりますの?』
櫻子「えっと」
向日葵家
向日葵「…ふんふん。わかりました。今から行きますわ」
櫻子『向日葵ありがと~』
ツーツーツー
向日葵「まったく。ホント、櫻子はお子様なんですから」
向日葵「ちょっと出かけてきますわ。すぐに帰ってくると思います」
向日葵「行ってきます」
櫻子「向日葵~!」
向日葵「まったく。こんなことこれっきりですわよ」
櫻子「だから、本当に帰れないんだって!」
向日葵「またそんな嘘を」
櫻子「嘘じゃないもん!」
向日葵「はいはい。では、行きますわよ」
櫻子「うん」
向日葵「あ、謝罪はきちんと櫻子がするんですわよ」
櫻子「う…うん」
向日葵「はぁ」
向日葵「…あら?」
櫻子「な」
向日葵「どういうことでしょう…確かに櫻子の家へ行く道を歩いていたはずなのに」
櫻子「気づいたら通り過ぎてるだろ」
向日葵「えぇ」
櫻子「あ~、もう。どういうことだよ。これ」
向日葵「もう一回…今度は別な道から行ってみましょう」
向日葵「…ダメ。ですわね」
櫻子「きちんと電柱の数を数えたりしながら歩いてるのにな」
向日葵「なんだか空間が捻じ曲がっているというか、そこへ行く道から意図的にはずれて歩かされているような」
櫻子「あ!ひょっとして世にも奇妙な世界不思議発見ってやつ?なんかこんなのあったかも」
向日葵「あんなの創作ですわ」
櫻子「けどさぁ」
向日葵「…う~ん…櫻子、家に電話をして迎えに来てもらうとか」
櫻子「だとしても、同じ結果になるような」
向日葵「そうですわね…けど、やってみる価値はあるのでは?」
櫻子「え~、今のねーちゃんが素直に迎えに来てくれるかなぁ」
向日葵「そこは、きちんと事情を話して」
あかり「あれ?櫻子ちゃんと向日葵ちゃん!どうしたの?こんなところで」
櫻子「お~、あかりちゃん」
向日葵「赤座さん…あら、こちらは」
あかね「あかりの姉のあかねです」
あかり「今日はねお姉ちゃんとお買い物行ってきたんだ~」
櫻子「へぇ。いいなぁ」
向日葵「お姉さんと仲がいいのですわね」
あかり「うん!」
櫻子「あ、そうだ。ねぇねぇ、あかりちゃん、わたしの家知ってるよね?」
あかり「え?うん、知ってるけど」
櫻子「お願い!私を家まで連れていって!」
あかり「ん~?」
あかね「どうかしたのですか?」
櫻子「…と、言うことがありまして」
向日葵「嘘のようにきこえるかもしれませんが…私も同じように櫻子の家には辿り着けなくて」
あかり「えぇぇぇぇ!?そ、そんなことあるの?」
櫻子「だから、お願い。あかりちゃん。私たちを誘導してみて」
あかり「う、うん…ごめん。お姉ちゃん、先に帰ってて」
あかね「ううん。私もお付き合いするわ」
あかり「いいの?」
あかね「もちろん」
あかり「じゃあ、あかりの後ろを着いてきてね」
櫻子「ありがとー」
あかり「あれー!?」
櫻子「ダメかー」
向日葵「やっぱり」
あかり「なんでー?え?だって、そこの道を曲がって」
櫻子「もう1時間以上もこうやってぐるぐるぐるぐる」
向日葵「…櫻子やっぱり家に電話してみなよ」
櫻子「う~…わかった」
・
・
・
櫻子「あれ?誰も出ない」
向日葵「みんなで出かけてるの?」
櫻子「そんなこと言ってなかったのに」
あかね「う~ん…これは」
あかり「お姉ちゃん、何か知ってるの?」
あかね「…迷い牛かな」
櫻子「迷い牛?」
あかね「うん。まぁ、一種の怪談話みたいなものなんだけどね」
あかり「へぇ、どんなお話なの?」
あかね「これは、家に帰りたくない人を蝸牛さんが、迷子にさせて家に帰れなくするって話なんだけど」
櫻子「かたつむり?牛じゃないの?」
あかね「蝸牛って漢字でこう…書くのだけれど、ほら、牛って入ってるでしょ?」
櫻子「ホントだ」
あかり「うわぁ、すごい。お姉ちゃん、何でも知ってるんだね!」
あかね「何でもは知らないよ。知ってることだけ。けど、あかりのことは何でも知ってるわよ」
あかり「ホント!?えへへ、なんか嬉しいなぁ」
あかね「つまりこの場合、誰かがこの蝸牛に憑かれたってことなんだけれど」
向日葵「…」ジー
あかり「…」ジー
あかね「…」ジー
櫻子「え?わたし?」
向日葵「それしか考えられませんわね…それで、解決方法と言うのはご存知でしょうか?」
あかね「う~ん。その物語では、新しく出来た道路を取れば迷わないって…オチだったけど」
向日葵「ここら辺は昔からあまりかわっておりませんわ」
あかね「それなら…う~ん」
あかね(そもそも、あの話では蝸牛に憑かれた女の子は幽霊だったはずよね…なら)
向日葵「あら?撫子さんから電話ですわ」
あかり「私は…これ誰の電話番号だろう?」
向日葵「はい。もしもし…え?」
あかり「はい。あ、花子ちゃん…うん…えぇぇぇぇ!?」
向日葵・あかり「「櫻子(ちゃん)が、意識不明の重体!?」」
櫻子「…え?」
向日葵「え?あの、櫻子なら…ここに」
あかり「さ、櫻子ちゃん!?か、体が薄くなって…あかりみたいになっちゃうよ!?」
櫻子「…そうだった…わたし、家を飛び出して…それで」
向日葵「櫻子!!」
あかり「櫻子ちゃん!!」
櫻子「…横断歩道を…青だったのに…車が」
向日葵「ダメ、ダメですわ!!櫻子ぉ!!」
櫻子「えへへ…ごめん。向日葵。帰れないの、やっぱりわたしのせいだった」
向日葵「大丈夫です、きっと帰れます。だから、だから!」
櫻子「…バイバイ」
向日葵「さくらこぉぉぉぉ!!」
病院
向日葵「櫻子は…櫻子はどこですの!?」
あかり「向日葵ちゃん。落ち着いて」
撫子「…ひま子」
向日葵「櫻子は」
撫子「…集中治療室…信号無視で突っ込んできた車に…」
向日葵「…っ!?」
あかり「そ、それで。大丈夫なんですよね?櫻子ちゃんは」
撫子「意識が戻らなければ…危ないって」
あかり「そんな」
撫子「…っ…バカだ…私がバカだったんだ…たかがプリンごときであんな」
撫子「こんな…こんなことがあってたまるものか」
撫子「櫻子が…居なくなるなんて」
向日葵「撫子さん」
あかり「櫻子ちゃん…お願い…あかり、まだ櫻子ちゃんといっぱい遊びたいよ」
向日葵「私もですわ…櫻子…早く、目を覚ましなさい…バカ」
撫子「…櫻子…」
櫻子「…ん」
撫子「櫻子?」
向日葵「櫻子!」
あかり「櫻子ちゃん!!」
撫子「櫻子!戻って来い、お前はまだまだ私の妹をやらないとダメだろう…だから」
撫子「まだ、まだ…いっぱい…いっぱい…お前には…私が」ポロポロ
櫻子「…ねーちゃん?」
撫子「~~っ!櫻子!!!」
櫻子「…あれ…わたし」
撫子「…よかった…櫻子…良かった・・・本当に…あぁ…」ポロポロ
櫻子「あれ?ねーちゃん…泣いて」
撫子「バカ…見間違いだ…まったく、心配かけて…もう」
向日葵「…よかった」
あかり「…うん…そうだね」
櫻子「あれ?向日葵…あかりちゃん…ごめんね」
向日葵「え?」
櫻子「…よくわかんないけど…そう思った」
撫子「とりあえず、もう心配な無いそうだ」
向日葵「ほっとしましたわ」
あかり「うん」
あかね「よかったわね。あかり」
あかり「あれ?お姉ちゃん。今までどこに?」
あかね「ふふ。ないしょ。さぁ、これ以上居ると迷惑になるわ。帰りましょう」
あかり「うん」
向日葵「私ももう帰りますわ…また学校で」
あかり「うん。バイバイ」
あかね「ねぇ、あかり」
あかり「なに?」
あかね「富士桜って知ってる?」
あかり「なにそれ?」
あかね「かぐや姫は知ってるでしょ?」
あかり「うん!竹から生まれたお姫様で、最後は月に帰っちゃうやつ」
あかね「かぐや姫はね、帰る前に不老不死になれる薬をお爺さんにあげたの」
あかり「へぇ」
あかね「でもお爺さんは不老不死にはなりたくなかったから、それをある山に捨てちゃうの」
あかり「なんでぇ!?」
あかね「不老不死になってまで一人で生きたくはなかったんでしょうね…で、その山が今の富士山」
あかり「ひょっとして、不老不死の山だから?」
あかね「そう。その富士山が噴火した時に落ちた灰…その灰で咲いた桜が富士桜…不死の桜」
あかり「へぇ」
あかね「…いい名前よね。櫻子って」
数日後
櫻子「…ごめん。ねーちゃん」
撫子「何が?」
櫻子「プリン」
撫子「いいわよ…あんなものお金を出せばいくらでも買えるもの」
櫻子「…買って返す」
撫子「いらない」
櫻子「けど」
撫子「…アンタが居れば…それで十分だから///」プイッ
櫻子「ねーちゃん…私もねーちゃんが居て…本当に良かった」
おまけ…数ヵ月後
撫子「あんたまたプリン食べたでしょ」
櫻子「うん。今日のは中々美味しかった」
撫子「あんたねぇ…はぁ」
櫻子「ダイエットするって言ってたじゃん。だから、代わりに」
撫子「それとこれとは…あれ?」
櫻子「お。ひょっとして体重増えた?」
撫子「そうじゃない…体重計壊れたかな」
櫻子「わたしがさっき使った時は問題なかったよ」
撫子「だって…体重が5kgって」
おわり
60 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:39:17.06 LCVmaJTJ0 26/31突発で思いついた
知ってる人はすぐに気づいたでしょう。化物語の中の人クロスオーバーでした
ではアッカリーン
64 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:40:36.62 ZtSAB+BJ0 27/31乙
でも体重計のオチがよくわからない
67 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:43:12.14 LCVmaJTJ0 28/31おまけの体重計5kgも化物語ネタです
撫子の中の人のキャラが化物語でそういう怪異(怪現象)に見舞われるって話があるので
やっぱり、ゆるゆりと化物語は見る層が違うんですね
69 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:44:56.46 358U/Aer0 29/31撫子さんとガハラさんの中の人って同じだっけ
70 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:47:00.43 iaJiAJkXO 30/31櫻子じゃない?
71 : 以下、名... - 2012/09/19(水) 00:49:04.78 LCVmaJTJ0 31/31>>69,70
ゆるゆり 化物語
撫子 戦場ヶ原ひたぎ
櫻子 八九寺真宵
あかね 羽川翼
です