茜「何なにプロちゃん、何の話?アイドルらしからぬ単語が聞こえたのはきっと茜ちゃんの気のせいだよね?」
P「ほら、この間の定期公演の時ぷっぷかプリンで漫才やったろ?あれの反響がすごくてな」
茜「やだなープロちゃん、まさかとは思うけどまた麗花ちゃんと漫才をやれだなんてそんな事は言わないよね言うはずがないよねえ?」
P「茜は麗花と漫才するのは嫌なのか?」
茜「嫌ってわけじゃないよ?ただ麗花ちゃんの自由なボケのために思わず練習中マツキヨまでひとっ走りしちゃった事を思い出しただけだよ?」
P「ははっ、まあ安心してくれ。麗花にこの話を持ちかけたら」
麗花『うーん……茜ちゃんと漫才するのは楽しいんですけど、今は口内炎気味なので次の公演まではちょっと厳しいですねー』
P「って事だから今回麗花は漫才はしない」
茜「理由が酷い!というか、麗花ちゃんに断られてるのに何で茜ちゃんに今その話が来てるの?」
P「もうセトリにバッチリ入っちゃってるんだ。幸い相方をやってくれる人にはもう話をつけてあるから」
茜「当事者そっちのけでそこまで進んでるの!?……まさかとは思うけど、代わりの相方って美也ちゃんじゃないよね?」
P「ん?美也だと何かまずいのか?」
茜「いやいや、まずいってわけじゃないよ?ただ美也ちゃんって麗花ちゃんと同じ方向性じゃん?せっかくなら違うタイプの相手と組んでみたいかなーって」
P「ああ、それなら心配ない。ちゃんと茜のニーズに応えられる人材を用意してある。おーい、入ってくれー!」
千早「失礼します」ガチャッ
茜「何やってんの千早ちゃん」
元スレ
【ミリマス】P「次の公演での漫才の事なんだけど」 茜「え?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446649917/
P「麗花の代理は千早にやってもらう事になった。じゃあ、俺は営業に行くから二人でゆっくりネタ合わせでもしててくれ」バタン
茜「ちょっ、プロちゃん?プロちゃーん!?」
千早「野々原さん、私、まだ漫才の右も左もわからないけど……次の公演まで、よろしくお願いします」
茜「千早ちゃんも一体どうしたの?プロちゃんに弱みでも握られてるの?」
千早「……それはやっぱり、私なんかが漫才をやるなんておかしい、という事かしら?」
茜「うーん……ぶっちゃけた話、千早ちゃんって真面目だからふざけるの嫌いじゃん?漫才が千早ちゃんの好きな歌の役に立つわけでもないしさ」
千早「確かにふざけるのは好きではないけれど……漫才は、お客さんのために真剣に、笑わせる事に全力を尽くすものでしょう?それに……」
茜「それに?」
千早「私は、漫才が歌に生きないとは思わない。この劇場で過ごして、あらゆる経験が表現を豊かにする事に繋がっているんだって感じるようになって」
茜「千早ちゃん……」
千早「だから、私は新しい事に挑戦してみたい。野々原さん、ダメかしら?」
茜「…………よーしわかった!千早ちゃんがそこまで考えてるなら、茜ちゃん一肌脱いじゃうよ!全力でお客さんを沸かせてやろうよ千早ちゃん!」
千早「ふふっ……ありがとう、野々原さん」
茜「気にしない気にしない!この茜ちゃんがついてるんだから、千早ちゃんは大船に乗った気でいていいよ!」
千早「ええ、頼りにしてるわ、相方」
茜「へへーん、そっちこそビシバシしごいちゃうからちゃんと付いて来てよ、あ・い・か・た?」
千早「はい、よろしくお願いします」
茜「ところでところで、千早ちゃんはお笑いに関してはどうなの?」
千早「と、言うと」
茜「んー、たとえば好きな芸人さんとかは?」
千早「その、ごめんなさい。これまであまりそういったものを見る機会がなくて」
茜「おぉう……さすがの茜ちゃんでもよくそこから漫才やる気になったもんだと改めて思うよ」
千早「それほどでもないわ」
茜「褒めてはないからねー。それじゃあとりあえずネットでいくつか見てみて千早ちゃん好みのお笑いスタイルを探して行こっか」
千早「今はそういう事もできるのね……」
茜「そうだねー最初はやっぱり正統派のボケとツッコミがきっちりしてるのからにしよう」
――――
――
P「うんうん、上手くやれてるみたいだな。千早に」
千早『野々原さんの事をもっと知ってみたいんです。掴みどころがなくて、周りをよく見ていて、いつも自由な彼女の……その、何かいい方法はないでしょうか?』
P「って聞かれてノリで漫才勧めちゃった時はどうなるかと思ったが……この分なら何とかなりそうだな!」
――数分後――
千早「あはっ、あははっ!はっ、ひーっひーっ!かはっ……」プルプル
茜「プロちゅぁーん、こいつぁ前途多難だぜ……」
――――
――
P「……大丈夫、だよな?」
――当日・舞台袖――
茜「いよいよだねー千早ちゃん、準備はオーケー?」
千早「……ええ、大丈夫よ」
茜「…………ねえねえ千早ちゃん千早ちゃん、これ何だと思う?」
千早「え?……誰かの髪の毛、かしら?」
茜「これね、ミキプルーンの苗木」
千早「……」
茜「……」クイックイッ
千早「……?」チラッ
美希「ん?」
千早「………………………………!~~~~っ!あ、茜~~っ!」プルプル
茜「リラックスリラックス。やるのは慣れない事かもしれないけど、待ってるのはいつものステージで、いつものお客さんだからね」
千早「!…………そうね。歌う時に比べて、肩に力が入ってしまっていたかも。ありがとう、茜」
茜「いいのいいの!今ならさらに茜ちゃんをナデナデする権利をあげよう」
千早「ふふっ……はいはい。さてと、もう出番みたいね」ナデナデ
春香『えー続いては、なんと!我が765シアターの誇る歌姫千早ちゃんと、芸能界きってのウザカワ娘茜ちゃんが漫才コンビを組んじゃいました!』
紗代子『ぷっぷかプリンで慣れてる茜ちゃんはともかく、千早ちゃんが漫才っていうのは新鮮だね』
亜利沙『二人とも熱心に練習してましたからね!完成度はありさが保証しますよ!』
春香『それじゃあ行っちゃいましょう!「眠り猫」のお二人です、どうぞー!』
イズガンガンガンガンガンガンガンガンガンガーン オオッ オオッ
茜「はいどーもどーもー!可愛い可愛い茜ちゃんでーっす!」
千早「どうも、如月千早です」
茜・千早「「二人合わせて『眠り猫』ですよろしくお願いします!」パチパチパチー!」
千早「早速だけど野々原さん、聞いてもらってもいいかしら?」
茜「いいよ!何なに?」
千早「では……ゴホン。チョットだけ♪チョーットだけ♪ホンキだしちゃうねー♪」
茜「ちょっ!ストップストーップ!千早ちゃんいきなりどうしたの!?」
千早「え?『聞いてもらってもいいかしら?』って確認したじゃない」
茜「あれ歌の話だったの!?茜ちゃん完全に漫才始めるもんだと思ってたよ!」
千早「ごめんなさい……野々原さんの曲を歌う事でもっと野々原さんの事を理解できるんじゃないかと思って」
茜「千早ちゃん……」
千早「普段どんな神経で歌っているんだろう、って」
茜「言い方!貶されてるようにしか聞こえないよ!」
千早「それはそうと野々原さん、私最近社会経験のためにアルバイトをしてみたいと思ってるの」
茜「へぇーいいじゃんいいじゃん。どんなバイトがいいの?」
千早「『出し子』っていう仕事がお給料がいいらしくて、言われた通りにお金を下ろすだけで5万円も貰えるらしいのよ」
茜「ストォーップ!千早ちゃん、それ犯罪の片棒担がされてる!」
千早「そうなの……?それなら、不特定多数の男性会員に思わせぶりなメールを送るお仕事とか」
茜「それ出会い系サイトのサクラだよ!せめて合法な奴にしてよ!」
千早「じゃあ、とあるドリンクを指定された時間に指定の場所に届けるお仕事は?」
茜「それもアウトだよ!ヤの付く人に利用されてるだけだよ!」
千早「そんな……ヤクルトレディーもダメなら私はどうすればいいの!?」
茜「ヤクルトおばさんの事だったの!?確かにヤの付く会社が元締めかもしれないけど!最初は無難にコンビニ店員とかがいいんじゃないかなー?」
千早「コンビニ店員……わかったわ。じゃあ、私は品出しをやるから野々原さんはレジをお願い」
茜「オッケー!」
スタスタ
千早「……ガサガサ」
茜「いらっしゃいませー」
千早「……ガサガサ」
茜「お次のお客様どうぞー。えー、あんパンが二点、牛乳が二点、ストローはお付けしますか?はい、では合わせて562円になりまーす」
千早「……こちら失礼します」
茜「はい、5020円お預かりしまーす。こちらお釣り大きい方から1,2,3,4000円と」
千早「……あら、もうお昼なのね」
茜「458円のお返しです。ありがとうございましたー」
千早「野々原さーん、先に休憩入りますねー」
茜「おいっ!」
千早「野々原さん、急にどうしたの……?」
茜「二人とも店員で別々の作業してたら何一つ面白い事なんか起きないよ!」
千早「言われてみればそうね……じゃあ、私は食品コーナーをやるわ。野々原さんは雑誌コーナーをお願い」
茜「嫌だよ!結局持ち場違うじゃん!むしろ茜ちゃんが喋れない分もっと静かになっちゃうよ!」
千早「じゃあ、二人でレジにしましょう。それならお客さんがいない間は無駄話ができるわ」
茜「千早ちゃんお願い!コンビニネタの基本は客と店員だって事を思い出して!」
千早「客と店員……そうね、そうだったわ。私、いつの間にか大切な事を忘れてたみたい」
茜「そんな大袈裟な事じゃないけどね!わかってくれたみたいで良かったよ」
千早「それじゃあ、私は品出しをするから野々原さんは雑誌コーナーで立ち読みしててちょうだい」
茜「オッケー!」
スタスタ
茜「……ペラッ」
千早「……ガサガサ」
茜「♪~ペラッ」
千早「すみませんこちら失礼します」
茜「……」スッ
千早「……あら、もしかして野々原さん?」
茜「あれ、千早ちゃん?」
千早「野々原さん、申し訳ないのだけれどそこのコーナーは18歳以上でないと……」ヒソヒソ
茜「バカ!何で茜ちゃんがエロ本立ち読みしてるのさ!」
千早「あら、この女優さん百瀬さんに似てるわね」
茜「ナチュラルに覗くんじゃないよ!あと莉緒やんに謝れ!」
千早「うわっ……うわー……こ、こんなポーズまで……///」カアァ
茜「興味津々か!そういうのイメージダウンに繋がるからやめてね!」
千早「……何故かしら、やっぱり何か違う気がするわ」
茜「だろうねえ一般的に漫才のコンビニ店員はレジにいるからねえ」
千早「確かに……じゃあ、私がお客さんをやるから野々原さんレジをお願いします」
茜「オッケー!……って待った待った待った!千早ちゃんそもそも何でこんな事してるか覚えてる?」
千早「北上さんが口内炎で漫才ができないから私が代理に選ばれたのよね」
茜「そうだけどそうじゃない!千早ちゃんがアルバイトをしてみたいってとこから始まったんでしょー!?千早ちゃんがお客さんやってどうするの!」
千早「あったわねそんな話……」
茜「泣くよ?茜ちゃん人目もはばからず泣いちゃうよ?」
千早「私の胸で良ければ貸すわよ」
茜「できれば泣かせない方向で手を打ってほしいかなーって」
千早「となると、この後に予定されていた野々原さんへのサプライズは中止ね」
茜「えっ、なっ……ちょっ、急にそれ言われて茜ちゃんなんて反応するのが正解なの!?」
千早「つべこべ言わずに黙って店員をやればいいのよ」
茜「急にキャラ変えないで!わかったよやればいいんでしょやれば!」
スタスタ
千早「ウィーン」
茜「いらっしゃいませー」
千早「はい、はい……ええ、では下ろした中から報酬は頂くという形で……ふう。すみませーん、ATMの使い方って教えていただけますか?」
茜「だからそれ犯罪!もういいよ!」
茜・千早「「どうもありがとうございましたー!」」
パチパチパチパチパチ
――楽屋――
茜「いやー千早ちゃんお疲れ!」
千早「茜もお疲れさま」
茜「どう?初めて人前で漫才やった感想は?」
千早「……不思議な気持ちね。マイクの前に立つと、自然と言葉が出てきて……あと、お客さんの笑顔がよく見えたわ」
茜「そっかそっか。千早ちゃんにとってちゃんといい方に転がってくれたなら良かった良かった」
千早「……茜は、次の公演からはまたぷっぷかプリンで漫才を続けるのよね」
茜「まあねー茜ちゃん優し過ぎて頼まれたら断れない性質だからねー」
千早「……ねえ、茜。それなら、時々でいいからまたこうして」
茜「千早ちゃーん!それより茜ちゃん、急にナデナデされながら千早ちゃんの歌聴きたくなっちゃったなー!どうしよっかー!」
千早「……ふふっ。わかったわ。茜、こっちに来て。では……ゴホン」ナデナデ
♪~~
――後日――
P「茜。千早とのコンビ、すごく良かったぞ!」
茜「この茜ちゃんが千早ちゃんと組んだんだもん、とーぜんでしょ?」
P「お客さんの反響もかなり大きくてな、色々要望が届いてるんだ」
茜「プロちゃん、茜ちゃんちょっとプリンのストックが切れてた事を思い出してちょっとちょっとプロちゃんアイドルの首根っこはそうやって掴むもんじゃないよ」
P「次の公演での漫才なんだが――――」
おわり
15 : ◆48hmBD0EUg - 2015/11/05 00:44:51.26 lgMD+1490 14/14お粗末様でした
ちはあか漫才でした
またちはあかで書くかもしれないし他の相方で書くかもしれないです