1 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:38:13.68 iMQe5rYf0 1/149

「傭兵だ」

「ヨウヘイさんですか?」

「そうだ」

「ヨウヘイさんは何をしている人なんですか?」

「村を守っている」

「それは頼もしいです」

「そうか」

「でもなんで守っているのですか?」

「頼まれたからだ」



元スレ
村娘「あなたはどちら様ですか?」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1249735093/

2 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:40:37.45 iMQe5rYf0 2/149

「誰に頼まれたのですか?」

「この村の村長に」

「それはそれは、ご苦労様です」

「ありがとう」

「いえいえ」

「………」

「………」

「………」

「話しかけてくださいよ」

「俺が話す必要なんて無い」

「会話は大切です、コミュニケーションは大事です」


3 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:44:44.03 iMQe5rYf0 3/149

「もし明日にでもあなたが病気になったらどうするんですか」

「そんなもの、要らない心配だ」

「その間、あなたの畑の手入れはどうするんですか?生活は?」

「……お前は色々勘違いしていないか?」

「何をですか」

「俺は傭兵だぞ?」

「ヨウヘイさんなんですよね?」

「………」

「………」

「いや、もうどうでもいい」

「よくわかりませんが、わかりました」


4 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:49:01.30 iMQe5rYf0 4/149

「ともかく、会話は大事ですから話ましょう」

「俺に話せることなんて無いぞ」

「あなたに口は無いのですか?」

「俺の口は物を喰う為にある」

「それは詭弁と言うものだと思います」

「話なんぞ殆どしたことない」

「だからこそ、話すいい機会と考えるべきなのでは?」

「そう考える人ではないんだ」

「まったく、男らしくないひとですね」

「ペラペラ喋る男の方が少ないと、俺は思っている」

「まったく…」

「すまないな」


5 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:52:09.57 iMQe5rYf0 5/149

「さて、そろそろ日も落ちてきましたし」

「ああ、帰れ」

「なに命令してるのですか、あなたも帰りなさい」

「何を言っている」

「あなたこそ何を言っているのですか」

「……ともかく、帰れ」

「……ハッ!!」

「どうした?早く帰れ」

「なるほど、そういうことですか……」

「なんだ?」

「仕方ありません、私の家に来てもいいですよ?」

「何トチ狂っている」


6 : ローカル... - 2009/08/08(土) 21:55:26.34 iMQe5rYf0 6/149

「あなた、居場所がないのでしょう?」

「まぁ、そうだな」

「ですから、作ってあげましょうと言っているのですよ」

「別に要らん」

「なるほど、ヨウヘイさんは意地っ張りさんなのですね」

「………」

「まぁいいでしょう、それではまた明日」

「………」

「無返事は失礼ですよ?」

「……じゃあな」

「ま、追及点としておきましょう。では」


7 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:00:39.79 iMQe5rYf0 7/149

「おはよう御座います」

「……おはよう」

「いい天気ですね」

「まったくだ」

「こんなに晴れていると心もぽかぽかです」

「それはよかった」

「ヨウヘイさんは晴れて良いと思うことはないんですか?」

「遥か遠くまで見える、何が起こっているか解り易くなるところだな」

「それは、目が悪い私には羨ましいです」

「……そうか」

「この前も鍬とモップを間違えて土にピッタンピッタンと」

「お前は何をやっているんだ……」


8 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:05:35.70 iMQe5rYf0 8/149

「さて、私は田畑を耕してこなければなりませんが」

「そうか」

「他に言うことは無いのですか」

「……?」

「こんな貧相な娘が、今から鍬を持って畑に向かうのですよ?」

「……あぁ、頑張れ」

「あなたは人として大事な何かが欠落しています」

「そうか」

「ちなみに、胸が貧相とか思いましたらこの鍬で叩きますよ」

「娘、それは箒だ」


9 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:10:48.85 iMQe5rYf0 9/149

「……平和、だな…… 今は……」

「まったく、その平和を食い潰すのは悪いと解らないのですか」

「どうした、まだ昼だぞ」

「お昼休みです、この暑い日にずっとやってられません」

「朝は気持ちいいと」

「朝のあの瞬間と、今は時間が違いますよ」

「そうか」

「しかし、誰か手の空いている人が手伝ってくれませんかね」

「………」

「仕事もせずに、ダラダラしている人とかいませんかね」

「………」

「毎日のんびりしているだけで、食い潰している人とかいませんかね」

「………」


10 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:17:47.44 iMQe5rYf0 10/149

「さて、そろそろ仕事の時間です」

「そうか」

「それでは、失礼します」

「ああ」

「……まったく、本当に働かない方ですね」

「それは済まない」

「貴方がそれでいいならもういいです、では」

「ああ」

………

「ところで、鍬はこんなに重かったでしょうか?」

「ちゃんと見て掴め、杭を抜こうとするな」


11 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:20:11.29 iMQe5rYf0 11/149

「……今日も、何事もなかったな」

「ただ立っているだけで何かが起こると思っているのですか」

「時々な」

「まったく、そんなでは貴方はそのうちに死んでしまいますよ?」

「その覚悟は出来ている」

「な、なんて覚悟をっ!!」

「?」

「貴方は親に恥ずかしいと思わないのですかっ!!」

「そんなことは何回も考えた」

「……駄目だこの人、筋金入りです…」

「……?」


12 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:24:10.25 iMQe5rYf0 12/149

「世の中にあなたの様な人がいるなんて…」

「まぁ、住む世界が違うってことだ」

「そんな世界感は知りたくありません」

「俺も知って欲しくないと思っている」

「そんな他人事みたいに」

「……」

「貴方は労働の素晴らしさを知らないだけです」

「ふむ」

「あの開放感や充実感を味わったことがないのです」

「なるほど」

「まぁ、私は面倒ですとかつまらないですとか思いますが」

「お前は何が言いたいんだ」


13 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:28:21.20 iMQe5rYf0 13/149


「おはよう御座います」

「おはよう」

「さて、今日は働いてもらいますよ」

「わかった」

「昨晩私なりに……ってあれ?」

「どうした?」

「いや、わかった、と聞こえたような気がして…」

「聞えたもなにも、そう言ったんだ」

「……本当ですか」

「ああ」

「お母様、私はやりました」

「そこまで喜ぶものなのか…」


14 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:33:27.89 iMQe5rYf0 14/149

「で、俺は何をすればいい」

「では、この鍬で畑の残り半分を耕してもらいます」

「わかった、お前は?」

「私は、この種を蒔いております」

「そうか、ところで種って釜の中に入っているのか?」

「そんなわけないでしょう」

「わかったから一度家に帰れ」


15 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:36:22.29 iMQe5rYf0 15/149

ザクッ、ザクッ…

「終わったぞ」

「全然駄目ですね」

「駄目出しか」

「ただ力任せに振り下ろしてるだけですね、それではいけません」

「なら、どうすればいい」

「叩きつけるのではなく、掘るようにするんです」

「ほぅ」

「ちょっと貸してください」


16 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:44:06.80 iMQe5rYf0 16/149

ザクッ、ズッ… ザクッ、ズッ…

「こうです、わかりましたか」

「良く出来ているな」

「当たり前です、これで生活しているのですから」

「そうか」

「むしろ、なぜ貴方は出来ないのですか……」

「こんなこと、殆どやったことがないからな」

「なにとんでもないことを言っちゃってるんですか」

「おかしいか?」

「おかしいに決まってるでしょう」

「そうか」


17 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:50:10.84 iMQe5rYf0 17/149

「さて、お昼休みです」

「やっとか、中々大変だな」

「そうでもないですよ、慣れれば簡単です」

「そうか」

「今日のお昼ご飯です、どうぞ」

「いいのか?」

「いらないなら捨ててしまいます」

「なら貰う」

「はい、どうぞ」


18 : ローカル... - 2009/08/08(土) 22:56:57.29 iMQe5rYf0 18/149

モクモク……

「美味いな」

「しっかり体を動かせて働いた後の食事は美味しいものです」

「そういうものか」

「そういうものです」

「そうか」

モクモク……

「お茶をどうぞ」

「ありがとう」

……

「いい天気ですね」

「そうだな」

「先日より今日の方が気持ちいいでしょう」

「……そうだな」


19 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:05:46.44 iMQe5rYf0 19/149

「今日は一日、お疲れ様でした」

「ああ」

「お陰で仕事もはかどりましたよ」

「それはよかった」

「ということで、お礼をさせてもらいたいとおもいます」

「別にいらん」

「他人の好意を無碍にするのは失礼ですよ」

「そうか」

「ということで、家に招待しましょう」

「わかった」


20 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:08:42.13 iMQe5rYf0 20/149

「こちらが私の家です」

「普通の家だな」

「私は普通の人ですから」

「そうだな、俺は何を言っているんだか」

「偶然話しかけてきた女性が、実は高貴な生まれであわよくば結婚して」

「それは何の話だ」

「貴方の脳内計画を」

「それは無い」


21 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:11:24.57 iMQe5rYf0 21/149

「お食事の時間ですよ」

「ありがとう」

「いえ、余りかたくならずにしてください」

「そうか」

「これは昼間のお礼ですから、気を使われると寧ろ嫌です」

「そうか、なら出来る限り楽にさせてもらうよ」

「そうしてもらえると、こちらも楽です」

「ところで、お前の食事はパンだけなのか?」

「失礼な、ちゃんとスープもありますよ」

「そうだな、俺にはスープだけしかくれないのかと思った」


22 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:14:27.65 iMQe5rYf0 22/149

「ご馳走様」

「はい、お粗末さまです」

「美味しかったよ」

「それは体をしっかり動かしたからですよ」

「いや、それだけじゃない」

「他に何があると言うのですか」

「お前の料理が上手かったからだろう」

「にゃにおいってるのですか」

「噛んでいるぞ」

「コホン、何を言っているのですか」

「思ったことをそのまま言っただけだが」

「でしたら、その言葉を素直に受け取っておきます」

「そうか」


23 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:18:00.91 iMQe5rYf0 23/149

「本日はありがとう」

「いや、しかし大丈夫なのですか?」

「世話になりっぱなしは悪いし、これくらいの方が丁度いい」

「そうですか、まぁベッドで寝たい時がありましたら部屋を貸してあげますよ」

「ありがとう、その時はよろしくお願いするよ」

「はい、それでは御自愛を」

「あぁ」

バタンッ

………

「家ってこんなに暗いところでしたっけ?」

「お前は何をしてる」

「あれ?ヨウヘイさんはなぜ室内にいるのですか?」

「娘、ここは外だ」


24 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:28:57.41 iMQe5rYf0 24/149

「おはよう御座います」

「おはよう」

「今日もいい天気ですね」

「そうだな」

「気分もいいので、張り切ってご飯を作りましょう」

「それは楽しみだ」

………

「ところでなぜヨウヘイさんがここに?」

「一々夢遊病の者を連れて行くのが面倒でな」

「それはお疲れ様です、大変でしたのですね」

「誰のせいだと思ってるんだか」

「ところでなぜここに?」

「自覚なしか、そうか」


25 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:33:41.92 iMQe5rYf0 25/149

「さて、今日も働きに行きましょうか」

「あぁ、頑張れ」

「………」

「なんだ」

「貴方もですよ」

「なに?」

「働かざる者喰うべからず、です」

「ふむ」

「朝食を食べた貴方に拒否権はありません」

「なるほど、今度から気をつけよう」


26 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:36:20.80 iMQe5rYf0 26/149

「さて、畑までやってきました」

「今日は何をするんだ」

「主に水撒きと苗植えです」

「なるほど」

「ヨウヘイさんはバケツで水を汲んできてください」

「わかった、ところでバケツはどこだ」

「あそこにあるじゃないですか」

「あれはゴミ箱だ」


27 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:42:47.42 iMQe5rYf0 27/149

ドスンッ

「水だ」

「有難う御座います、やはり力仕事は男手が一番ですね」

「否定はしないがな」

「それは、不本意であるということですか」

「安易だということだ、現に俺は俺よりずっと力の有る女性を見たことがある」

「それは女性といいませんよ」

「そうか、素晴らしい女性だったぞ」

「そうですか」

「最初会って、80歳の婆さんに投げとばされた時はショックだったがな」

「それは人間ではありません」


28 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:50:31.87 iMQe5rYf0 28/149

「さて、流石に水が余ったな」

「本当ですね、こういう時は」

「どうするんだ」

「道に水撒きでもしましょう、涼しくなりますし面倒も少なくなります」

「なるほど」

「ということで、水撒き先に居ると濡れてしまいますから気をつけてください」

「ああ、わかった」

「行きますよ、えいっ!」バシャッ ドンッ

ギギギギ………

ドゴォ ザッバァァァ……

「……水撒きとはこんな豪快なものだったか」ポタポタ…

「ゴメンナサイ、悪気はありませんでしたが水溜を倒してしまいました」

「そうだな、ついでに俺も巻き込まれた」ポタポタ…

「そうですね」


29 : ローカル... - 2009/08/08(土) 23:57:26.99 iMQe5rYf0 29/149


「さて、お風呂の準備が出来ました」

「ありがとう」

「いえ、私が悪いので気にしないで下さい」

「それでは、湯を貰っていくぞ」

「どうぞ」

ザバッ…

「ありがとう、では」

「ちょっとなに考えてるのですか」

「おかしいか?」

「片手のバケツにお湯を汲んで、なにかのギャグですか」

「え?」

「え?」


30 : ローカル... - 2009/08/09(日) 00:00:53.96 iMQe5rYf0 30/149

「ちょっと待ってください、いつもお風呂はどうしているのです?」

「そこの川で水を汲んで、布で体を」

「なるほど、それで今日は目の前にお風呂がありますよ」

「だから、湯を貰って今日は暖かい布で体が拭けると」

「冗談はいいのでお風呂に入ってください」

「……?」

「え、じゃなくて」

「……そういえば、風呂とはなんだ」

「………え?」


31 : ローカル... - 2009/08/09(日) 00:07:11.91 iMQe5rYf0 31/149

「……これが、風呂か…」ホカホカ

「どうでしたか」

「落ち着かん、今度からは遠慮する」

「なんと贅沢な」

「ところで俺の服はどうしたんだ」

「今洗って乾かしてあげてますよ」

「このヒラヒラした服はなんだ」

「それは、私の父のものです」


32 : ローカル... - 2009/08/09(日) 00:09:54.63 iMQe5rYf0 32/149

「そうか、なんか落ち着かんな」

「そうですか?案外似合ってますよ、可愛く見えて」

「可愛くなんかない!!」

「ひっ、どどどうしましたか!?」

「可愛くなんか、僕は、違う!俺は可愛くない、可愛く……」

「あ、あの、ヨウヘイさん?」

「………取り乱した、すまない」ガクガクブルブル

「は、はぁ…」


47 : ローカル... - 2009/08/09(日) 01:52:34.12 iMQe5rYf0 33/149

「さて、そろそろ遅いですし寝ましょう」

「あぁ、そうだな」

「寝る時はソチラの部屋を使ってください」

「わかった」

「それでは、おやすみなさい」

「おやすみ」

バタンッ

「……そういえば、なんで俺はここに居るんだ?」

………

「仕事もしていなかったな、この頃」


48 : ローカル... - 2009/08/09(日) 01:56:29.29 iMQe5rYf0 34/149

ザザザッ……

「A点、異常なし」

ザザザッ……

「B点、異常なし」

ザザザッ……

「C点、異常なし」

ザザザッ……

「人影……?」スッ…

コツッ……コツッ……

「歩幅、格好から女性と認識、というか……」

「クー、クー……」コツッ…コツッ…

「なにやってるんだ」

「ここは農民の村です……クー、クー…」

「どんな寝言だ」


49 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:01:22.46 iMQe5rYf0 35/149

チュン……チュンチュン…

「おはよう御座います」

「ああ、おはよう」

「さて、朝食の準備をしましょうか」

「いや、いらない」

「え、どうしましたか?」

「今日は手伝わない」

「……なるほど、でしたら今日の食事は一人分の支度でいいんですね」

「あぁ、それでは」

ガチャ バタン

………


50 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:05:19.50 iMQe5rYf0 36/149

「異常はなし、と……」

………ぐぅ~

「……そういえば、飯を取ってなかったんだったな」

………

「まぁ、一日食わなかったくらいで死ぬこともないだろう」

「ですが、心を貧しくします。食事は大切ですよ」

「……こんにちは」

「まったく、こんなことだと思ってましたよ」ホイッ

「……これは?」

「お昼ごはんの余りです」

「貰っていいのか?」

「食べないのでしたら、捨てるだけです」

「……ありがとう」

「どう致しまして」


51 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:10:26.89 iMQe5rYf0 37/149

「ムグムグ……」

「まったく、働かずに食べる食事は美味しいですか?」

「美味いとは思う」

「そうですか」

………

「私は、考えを変えました」

「なんだ」

「色々と、大目に見ようと思います」

「………」

「貴方に野垂れ死にされると私の心によくありませんからね」

「それは有難う」

「まぁ、食事には来て下さい。無理矢理働けなんていいませんから」

「いいのか?」

「好意を無下にするのは無礼ですよ?」

「……ありがとう」

「ふふっ、どう致しまして」


52 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:14:55.21 iMQe5rYf0 38/149

「まったく、私はなにを考えているのでしょうか……」

コツコツ………

「ああいう人は、甘い顔をすればその分駄目になるというのに」

コツコツ………

「でも、ほおっておけませんし……貧乏くじですよ」

コツコツ……

「明日からまた二人分作らなければならないのですか」

コツコツコツ……

「まぁ、せっかくですから頑張りましょうか」

コツコツコツ……

「って、なんで頑張らなきゃならないんですか……ふむ…」


53 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:18:45.06 iMQe5rYf0 39/149

「よし、完璧です」

グツグツ……

「パンもありますしスープも、でも他に一品くらいつけちゃったりしても…」

………

「って、私はなにを考えているんですか! たかが夕食になにしちゃってるんです!!」

グツグツ……

「……で、でも、食べてくれるのでしたら美味しいと言ってもらいたい、そう!そういうことです!!」

トントントン……

「それに、男の人はたくさん食べるって……」

トントン ガチャ

「夕食を貰いに来たのだが、迷惑か?」

「そういう事を言ってしまうと、本当に迷惑だと思ってても言えないものですよ」トントン……

「そうか」

「しかし、貴方も間が良いですね。丁度準備が終わりましたよ」カタッ

「カツオブシはナイフで作るものなのか」


54 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:21:58.63 iMQe5rYf0 40/149

「ご馳走様でした」

「お粗末様でした」

「相変わらず美味しかった」

「褒めたところで何も出ませんよ」

「そんな期待、していない」

「まぁどうでもいいです」

「明日は手伝うぞ」

「そうですか、でしたら早めにお休みになった方が良いですよ」

「そうだな」

「では、お先におやすみなさい」

「うん、おやすみ」


55 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:26:57.18 iMQe5rYf0 41/149

………

「………」

「………」

「なんでここに居る」

「私の家です、どこに居ようと勝手です」

「そうだが、さっき寝ると」

「いつ寝るかも私の勝手です」

「そうか」

………

「何か話してください」

「いきなりなにを言う」

「会話は大事なコミュニケーションです」

「まったく…」

「つまらないのです、何か娯楽を提供してください」

「俺をなんだと思ってるんだ」


56 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:31:48.63 iMQe5rYf0 42/149

「……つまり貴方のご両親はご立派な方だったと」

「立派なんてものじゃないよ」

「ご立派ですよ、それなのに貴方はこんな……」

「そうか、でも俺と親父は似たようなものだったぞ」

「ダメ息子は大抵そういう事を言うものですから」

「耳の痛いことだ」

「少しは自覚してください」

「そうだな、すまない」

「私に謝られても困りますよ」

「それじゃ、俺はどうすれば良いんだ?」

「そうですね、父親さんに笑われないようにしろ、としか言えませんね」

「なるほど」

………


57 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:35:18.43 iMQe5rYf0 43/149

「さて、本当にそろそろ寝ます」

「そうか」

「ヨウヘイさんも早く寝てくださいね」

「あぁ」

………

「……ヨウヘイさん」

「なんだ」

「話し相手になってくれて、ありがとう」

「……あぁ」

「では、おやすみなさい」

バタン

………

「…………仕事に行こう」


58 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:40:48.87 iMQe5rYf0 44/149


「おはよう御座います」

「……おはよう」

「今日はヨウヘイさんより早く起きられました」

「そうだな」

「ということで、食事に手間をかけてみました」

「それは楽しみだ」

「そういってもらえると嬉しいです」

「ところで今は何時だろうな」

「お昼時ですかね……」

「寝すぎだな」

「貴方もですね」


59 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:45:03.51 iMQe5rYf0 45/149

「さて、朝の分を取り戻すために頑張りましょう」

「あぁ、そうだな」

「ヨウヘイさんにもたくさん仕事を回しますので、そのつもりで」

「あぁ…」

「どうしましたか?」

「なんでもない」

「そうですか、それではこのスコップをもって下さい」

「それは物干竿だ」


60 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:49:18.20 iMQe5rYf0 46/149

「暑いな」

「仕方ありませんよ、遅くなった私たちが悪いのです」

「そうだが、それでもな」

「確かにこれは気が滅入りますね……」

「水でも汲んでくるか」

「それをどうするんですか」

「地に撒けばマシになるだろう」

「なるほど」

「お前が昨日言っていたことだぞ」

「そうですね、ならお願いします」

「わかった」


61 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:53:07.53 iMQe5rYf0 47/149

ザバァ

「これでいいか」

「はい、十分です」

「今度は倒してくれるなよ」

「当たり前です、同じことを二度もやるお馬鹿さんではありません」

「そうか」

「まったく、少しは信用してください」

「あぁ、悪かった」

………

「どうしたんだ」

「……背が届かないんです」

「………そうか」


62 : ローカル... - 2009/08/09(日) 02:58:24.57 iMQe5rYf0 48/149

「だから、俺がやると言っているだろ」

「いいえ、これは私がやります」

「効率悪いぞ」

「そういう問題ではありません、これは意地です」

「……まぁ、頑張ってくれ」

「はい」


グググッ……

「その梯子から落ちるなよ」

「そんなことあるわけ」ズルッ

ドボンッ……

………

「……水溜の中に、か… 助けなきゃな……」


63 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:02:16.64 iMQe5rYf0 49/149

「ハァ、ハァ…… し、死ぬかと思いました……」

「そうか」フイッ

「た、助けてくれて有難う御座います」

「気にするな」フイッ

「まったく、お陰でビショビショです」

「あぁ、さっさと服を変えて来い」フイッ

「いえ、涼しくなりましたのでこれでいいと思います」

「いいから変えて来い」フイッ

「……なんでこちらを見ないのですか?」

「……透けてるぞ、それ」

「………」


64 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:06:18.16 iMQe5rYf0 50/149

「……見ましたか?」

「見てない」

「見たのですね?」

「見てない」

「嘘はおやめ下さい、見たのですね?」

「見てないし、見えてもいない」

「私の胸は見えるほど大きくもない、とでもいいたげですね」

「それはない」

「どうせ胸はありませんよ! あんなものはただの脂肪の塊、邪魔です!」

「ならどうしてそう固執する」

「えいっ」

――――――――――――

「おはよう御座います」

「……おはよう」

「もう夕刻ですよ、あなたは寝ぼすけさんですね」

「そう、みたいだな」


65 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:09:08.07 iMQe5rYf0 51/149

「すまないな、一日寝てただけみたいだな」

「気にしないで下さい、私も余り気にしてませんので」

「そうか」

「さて、ご飯にしますよ」

「あぁ、ところで質問なんだが」

「どう致しましたか」

「頭が痛いのだが、なにか心当たりはないか?」

「知りません」

「そうか、些細なことでも」

「知りません」

「そうか」

「そうです」

………


66 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:12:15.20 iMQe5rYf0 52/149

「今日はすまなかった」

「いえ、過ぎてしまったことですから気にしないで下さい」

「そういうわけにはいかないだろう」

「う~む…」

「俺はどうすればいい」

「でしたら、なにか面白い話をしてください」

「お、面白い……」

「あぁ、そこは気にしないで下さい 何でもいいので娯楽を提供してください」

「……まぁいいか」


67 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:17:21.38 iMQe5rYf0 53/149

「親父はプレゼントを持って家の前に立ち、静かに待った」

「そ、それで……」ワクワク

「人の気配を察知してから、飛び出して『付き合ってくれ』と言おうとした」

「それでっ!」ワクワク

「だがそこに立っていたのは相手の父親で……」

「な、なんですかその落ちは!」

「いや、そんなことを言われても……」

………

「もう遅いですね」

「そうだな」

「それでは、そろそろ寝ましょう」

「あぁ、おやすみ」

「はい、おやすみなさい」

バタンッ

「……俺は、なにを話しているんだ」


68 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:20:15.83 iMQe5rYf0 54/149

「おはよう御座います」

「おはよう」

「さて、朝の食事ですよ」

「あぁ」

「今日はパンスープです」

「………」

「た、食べたことないんですか?パンスープを」

「素直に言え」

「パンを落としてしまいました、すみません」


69 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:24:38.01 iMQe5rYf0 55/149

「ご馳走様でした」

「お粗末さまでした」

「仕事だったな」

「はい、今日は雑草を取り除く作業をしてもらいたいと思います」

「わかった、どうすればいい」

「まずは手で大きなものを抜いて、細かいものはこれで掘ってしまえば」

「で、お前はなんで壁を叩いているんだ」

「器具を取ろうとしているだけです、2,3個もあるのに触れられませんが」

「……娘、これは何本に見える」ヒョイ

「三本ですね」

「一本だ馬鹿、寝てろ」


70 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:27:48.72 iMQe5rYf0 56/149

「はふぅ…」

「熱があるんだ」

「目がまわります……」

「我慢しろ」

「でも仕事が…」

「俺がやる、安心しろ」

「でも……」

「こういうときの為に、俺がいるんだろう」

「………」

「任せろ」

「……任せました」


71 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:31:31.09 iMQe5rYf0 57/149


………

「もう、何時間たったのですか……」

………

「あぅ、頭が痛い……」

………

「………」


「……グスッ…やだ……」

……

「パパ、ママ……グスッ…・・・

  置いて行かないでぇ……」


72 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:33:09.21 iMQe5rYf0 58/149

ガチャッ

「戻ったぞ」

「………」

「おい、大丈夫か?」

「え……あ、だ、大丈夫です」

「そうか、ならよかった」

「は、はい…」

「今は熱を下げることに集中しろ、いいな」

「はい……」

「飯は俺が作る、熱を下げる草も取って来たしな」

「食事を作れるのですか」

「食える物、ならな」


73 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:35:26.30 iMQe5rYf0 59/149

「ご馳走様でした」

「あぁ」

「なんとも言いがたいものでしたね」

「言っただろ、食える物だと」

「もう少し料理に関心を持つべきだと思います」

「次はこれを飲め」

「なんですか?」

「熱を下げる効果がある」

「でしたら、いただきます」

コクッ…… バフンッ!

「ゲフッ、ゲフッ…… これは何ですか」

「薬、というものだ」

「人の飲み物ではありません、拒否します」

「いいから飲め」


74 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:38:01.52 iMQe5rYf0 60/149

「不味い物は滅べばいいんです……」

「後は安静にしていろ」

「わかりました」

「欲しいものはあるか」

「水と娯楽です」

「なにを言っている」

「今日一日暇だったんです、何か話をしてください」

「……まぁ、わかった」


75 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:40:56.23 iMQe5rYf0 61/149

「ということで親父は母親の名前を叫んで突っ走ったんだ」

「ほ、ほぅ……」ドキドキ

「そして母親も親父に向かって走り出し…… そして」

「………」ドキドキ

「親父を殴り飛ばした」

「なんでですかっ!!」

「いや、俺に言われても」

………

「いや、楽しかったです」

「それは何よりだ、そろそろ寝るだろ」

「はい」

「じゃあ、俺は行くぞ」

「はい、おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

バタンッ


76 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:43:34.17 iMQe5rYf0 62/149

………

「………」

………

「………怖くない、怖くない……」

………

「怖くなんてない、怖くなんて……」

………


77 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:45:43.80 iMQe5rYf0 63/149


「おはよう」

「お、おはよう御座います」

「……目も赤い、まだ悪いのか」

「いえ、もう大丈夫です」

「少し待て」ピトッ

………

「まだ熱は有る、寝ていろ」

「本人は大丈夫と」

「いいから寝ていろ、仕事は俺がやる」

「……はい…」


78 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:49:56.48 iMQe5rYf0 64/149

………

「なにも……することがない…」

………

「私は、動かなくていい」

………

「私は……居なくていい……?」

………

「だから、捨てられた……?」

………

「って、駄目です、違います、そうじゃない!」

………

「私は…… 要らなくないです……」


79 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:51:56.07 iMQe5rYf0 65/149

「こんなところか……」

ザクッ……

「雑草は無、根から殲滅した、立て直すことはないだろう

  って、俺はなにをしているんだか……」

………

「まぁ、いいか」

「良くないですよ」

「……なにしているんだ」

「まだ甘いです、まったく…… 私が居ないと駄目ですね」

「そんなことを聞いていない、帰れ」

「ここは私の畑です。あなたに任せっぱなしでグチャグチャにされては困ります」


80 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:53:39.44 iMQe5rYf0 66/149

「それは悪かった、どうにかする」

「初心者の方にそんなことは出来ません」

「指示だけ出してくれ、それだけでいい」

「それだけでよければこんなことになっていません、働きます」

「熱がなければそれでもいい、だが今は駄目だ」

「この程度で大事になると? そんなわけありません」

………

「わかった、勝手にしろ」

「はい、勝手にさせてもらいます」

「ああ、俺も勝手にする」

「………」

コツ、コツ、コツ……

「勝手に家へ連れて行かせてもらう」ピタッ

「……?」


81 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:55:24.57 iMQe5rYf0 67/149

グググッ!

「え、えっえええ!!」

「やはり軽いな」

「こ、これって、お、お姫様抱っこって、さ、触らないで下さい!」

「拒否する」

「いや、その、ええと……」

「今のお前はおかしい、連れて行ってやらなければなにをするか不安だ」

「でも、あの、あぅ……///」

「静かにしていろ」

「……はぃ///」


82 : ローカル... - 2009/08/09(日) 03:59:05.05 iMQe5rYf0 68/149

「いいな、寝ていろ」

「………」

「寝なければ、治るものも治らん」

「……寝たくありません」

「馬鹿を言うな」

「本気です、働きたいんです」

「仕事は俺がやる、気にするな」

「……なんで、ですか…」

「……?」

「なんでそんなこと、するんですか……」

「世話になっているからだ」

「私がそれを望んでいないのに?」

「死ぬかもしれないのに、放っておくことは出来ない」


83 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:03:19.94 iMQe5rYf0 69/149

「…私が、死ぬことすら望んでいたらどうするんですか」

「それは関係ない」

「なんでですか」

「俺がそれを望んでいないからだ」

「……身勝手です」

「だが本心だ」

「………」

「さて、俺は仕事に行ってくるぞ」

「………話を聞いてください」ギュッ

「何の話だ」

「……聞けば解ります」


84 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:07:22.12 iMQe5rYf0 70/149

「馬鹿を言うな、畑仕事があるだろ」

「そんなの、いいです」

「良くないだろ」

「いいから、ここに居てください」

「俺にそうする理由がないぞ」

「元々、働く理由もないはずですよ」

「……どうしたんだ」

「ここに、居てください……」

「……わかった」


85 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:09:17.86 iMQe5rYf0 71/149

「………」

「………」

「………」

「………おい、娘」

「私、お父さんとお母さんが居たんです」

「いや、当たり前だろ」

「ここでみんな一緒に暮らしてて、とても楽しかった

  私の畑も、家も父と母の残していったものです」

「……ん…」

「お父さんは夜遅くまで働いて、私はお母さんの料理を手伝ってて

  お裁縫や家具作りなんてこともやってました」

「ふむ」

「でも、父と母は私を捨てたんです」

「捨てた?」

「そうじゃないのですけど、ね……」

「……訳が解らん」


86 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:13:47.86 iMQe5rYf0 72/149

「父と母は、何か悪いことを考えていたようです

  それが村の人にばれて、捕まってしまい…… 多分殺されたのだと思います」

「なるほど」

「私は両親から何も聞かされておらず、色々ありましたがこうして村に暮らせています」

「ふむ」

「私を、娘を巻き込まない為に事情を話さないという、両親の愛に包まれた子だと思いますか?」

「さぁな」

「私は、一緒に死にたかった」

「……何を言っている」

「私は、親に隠し事をされていたんですよ?

  家族が、親が世界の全てでした、でもそれに騙されたんですよ?」

「それは、騙されたとは違うだろ」

「それくらいわかってます! でも、結局は違わないんですよ!」


87 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:16:16.48 iMQe5rYf0 73/149

「一番信じていた親に、結果として裏切られたんですっ!」

「………」

「私は何を信じればいいんですか? なにに縋っていいんですか?

  私は弱い人間です、縋れるものがなければ生きることも出来ないんです」

「……お前は…」

「そうですよ? 結局世話をしているのも、あなたに話しかけているのも

  私のためです、『立派な私』に酔ってるだけです! それがなんなんですか!?」

「……そうか…」

「わかったら、行ってください…… さよなら……」

………


88 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:19:14.18 iMQe5rYf0 74/149

………
「なんでまだ居るんですか」

「……俺はどうすればいい?」

「………え?」

「お前は何を必要としているんだ?」

「え、ええと……」

「今までの生活を続けられればいいのか?」

「え? そ、そうです……」

「そうか」


「え? ……え?」

「なんだ? 結論は出ただろう」

「……私、酷いことを言ってますよ?」

「俺はそう思わなかった」

「………」

「他に話すことはあるか?」

「……ないです」


89 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:23:21.97 iMQe5rYf0 75/149

「でも…… なんといいますか……」

「聞いてくれ」

「は、はいっ」

「もし、お前の『縋る』という行為が、今までの生活にあったなら

  今までどおり縋ってくれ」

「……いいんですか?」

「その方が、俺も助かる」

「……そう、ですか…」

「そうだ」

「そうですか」

「そうだ」

「……有難う御座います」

「礼を言われるようなことをされた憶えはないぞ」

「茶化さないで下さいよ」


90 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:26:15.16 iMQe5rYf0 76/149

………

「飯はあり合せの物だがな」

「それ、私の物なんですけどね」

「まぁ気にしないでくれ」

「まったく…… 有難う御座います」

「気にするな」

「気にしますよ、それではいただきます」

「あぁ」

………

「なんでしょう、全くすくえません」

「娘、それはナイフだ」


91 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:28:33.03 iMQe5rYf0 77/149

………

「それでは、おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

バタンッ

「………」

………

「………怖くない、怖くない……」

………

「本当に怖くない…… 私は単純なのでしょうか……」

………

「まった……く…… クー……」

………


92 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:32:23.95 iMQe5rYf0 78/149


「おはよう御座います」

「……おはよう」

「ご飯の準備が出来ました」

「そうか」

「終わりましたら、早速畑に行きますよ」

「元気そうで何よりだ、ところで」

「なんでしょうか」

「外はまだ暗いぞ」

「その分、仕事がありますよ?」

「………」

「張り切ってご飯も作りましたので、頑張りましょう」

「……わかったよ…」


93 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:34:51.36 iMQe5rYf0 79/149

ガチャッ

「さあ、行きましょうか」

「あぁ」

「どうしましたか」

「もう完調だな」

「当たり前のことを言わないで下さい」

「…そうだな」

「なんですか」

「気にするな」

「気にしますよ」

「そうか」

………

「とりあえず、靴を履こうか」


94 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:37:34.14 iMQe5rYf0 80/149

数日後



「さて、今日も一杯働きましたね」

「……そうだな」

「どうしましたか」

「すまないが、明日は抜ける」

「そうですか、わかりました」

「あぁ、済まない」

「気にしないで下さい」

「そうか」

「その分、仕事が増えるだけですから」

「………」


95 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:40:34.11 iMQe5rYf0 81/149

ガサガサッ

「……足跡…か……」

ガサッ

「丁寧に人の形跡まで残しやがって……」

………

「……」

………

「伝達前に、やれるか……」


96 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:42:49.87 iMQe5rYf0 82/149


「おはよう御座います」

「……おはよう」

「元気がないですね」

「こんなものだ」

「そうですか、とにかく食事にしましょう」

「あぁ」

「まったく、元気がないですね」

「……すまないな」


97 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:44:09.98 iMQe5rYf0 83/149

………

「まさか、あそこまで近くに居たとはな……」

………

「こんにちは、働かない男さん」

「それは誰のことだ」

「ヨウヘイさんのことです」

「まったく……」

「そんな貴方にお昼ご飯をもってきてあげました」

「……ありがとう」

「回ってワンとお鳴きなさい」

「いらん」

「冗談です」


98 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:45:30.64 iMQe5rYf0 84/149

「あなたはそんなにここに居たいのですか」

「まぁな」

「まったく…… もう慣れましたけど」

「お前はなんでここに来たんだ」

「貴方みたいな人をほっとけないからですよ」

「それは済まない」

「言葉が違いますよ」

「……ありがとう」

「いえ、どう致しまして」


99 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:46:43.50 iMQe5rYf0 85/149

「さて、私はもう一働きしてきます」

「あぁ」

「これからは力仕事が多いですね」

「……済まない」

「……まったく、いいですよ」

「今夜の分はいらない」

「言われなくても作りませんよ」

「そうか」


100 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:47:59.73 iMQe5rYf0 86/149

「なんであれを冗談か何かと思ってくれないのでしょうか」

………

「本当に来ないとは思っておりませんでした」

………

「そういえば、あの方はそういう人でしたね……」

………

「仕方ないのでいただきましょう」

モグモグ……

「…んくっ……まったく、一人の食卓は寂しいですね」


101 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:50:20.73 iMQe5rYf0 87/149

「おはよう御座います」

「おはよう」

「まったく、昨日は何をしていたのですか」

「向こうの森に居た」

「そうですか」

「済まない、朝飯もいらない」

「え、な、なぜです?」

「忙しいからだ、じゃ」

バタンッ

「……忙しい……?」


102 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:53:06.75 iMQe5rYf0 88/149

………

「まだ、動きはない まだ、な」

………

「まったく、またここですか」

「娘、か」

「忙しいと言ってなにをしているのかと思えば…… まったくです」

「……お前、荷は?」

「に?なにを言っているのですか?」

「なん……だと…!!」

「どどどどうしましたここ怖いですよ!」

「……すまない、気にするな」

「は、はぁ……?」


103 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:55:09.13 iMQe5rYf0 89/149

「………」

「今日は隣の人もなんだか忙しそうにしておりましたよ」

「そうか」

「ところで、ヨウヘイさんは今日なにをしていたのですか」

「村長の所に行っていた」

「そうですか、まぁ内容は気にしないでおきましょう」

「なぁ娘、一緒にこの村を離れないか?」

………

「え?」

………

「なに真っ赤になっているんだ?」

「……知りません!」


104 : ローカル... - 2009/08/09(日) 04:58:50.92 iMQe5rYf0 90/149

………

「なるほど、村が襲われそうになっているのですか」

「あぁ、村にはもう伝わっている、まさかお前に伝わってないとは……」

「そうですか」

………

「まぁ、伝わってよかった」

「そうですね」

「さっさと準備しろ」

「なにを言っているのです、私は残りますよ」


105 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:01:47.72 iMQe5rYf0 91/149

「…馬鹿を言うな」

「いたって真面目です」

「今から襲われるんだぞ!」

「らしいですね」

「…死ぬぞ」

「ヨウヘイさん、質問です」

「なんだ」

「全てを捨てて生きるのと、全てを守って死ぬのは、どちらが幸せだと思いますか?」

「死ねば、どんなことも戯言だろ」

「私はそんな人ではありませんので」

「………」


106 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:04:20.53 iMQe5rYf0 92/149

「この土地には、どんな形でも私の父や母が眠っています

  父や母の思い出全てが詰ってます。といえば聞こえはいいですが

  ここがあるから、今の私が存在出来ます

  ここを捨てたら今後『私』として生きていけません

  外見だけ私に似た、『全てを捨てた私』として生きなければなりません」

「下らん」

「ですが、私には命をかけるに値します」

「そんなものの為に死ぬのか! それでいいのか!?」

「私は、それでいいと思います」

「……クソが……」

「同い年くらいの子がなにを言ってますか」


107 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:07:00.81 iMQe5rYf0 93/149

………

「ここに残るんだな?」

「はい」

「狂っているのか」

「いたって普通ですよ」

「怖くないのか」

「そんなわけないじゃないですか」

「なら……!」

「ここを失うことの方が、ずっと怖いんですよ……」

「……っ」

「私だって、死にたくないんですよ、気付いてください、バカ……」

「……」


108 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:09:52.80 iMQe5rYf0 94/149

「さて、晩御飯にしましょうか」

「そうか」

「今日はもっと美味しいのを作ってみせますよ」

「それは期待だ」

「既に貴方が食べることが決まってるのですか」

「だめか」

「構いませんよ」

「ありがとう」

「いえ、こちらこそ有難う御座います」


109 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:13:19.61 iMQe5rYf0 95/149

「その時、私のお母さんがですね……」

「ふむ」

………

「もう、遅くなりましたね」

「そうだな」

………

「それでは、おやすみなさい」

「あぁ」

ガチャ バタン

………

「………」


110 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:15:00.68 iMQe5rYf0 96/149

ガチャ

「………」

「……寝れなくて、こっちに来た」

「……身勝手ですね」

「あぁ、すまない」

「まったく」

………

「怖く、ないのか?」

「怖いです、今も震えてます」

「そうか」

「でも、外に逃げる勇気もないんです」

「そうか」


111 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:17:09.64 iMQe5rYf0 97/149

「……生きていたいです」

「………」

「でも、私、臆病だから、思い出も大事だから、動けないんです……」

「………」

「助けて……」

「………」

「…………よし! 弱音は全部、吐きました これで大丈夫です」

「…そうか」

「そろそろ本当に寝ますよ」

「そうか、なら俺も寝よう」

「はい、おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

バタンッ

………

「大丈夫なわけ、ないだろうが……」


112 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:18:07.72 iMQe5rYf0 98/149


「おはよう御座います」

「おはよう」

「さぁ、食事にしましょうか」

「……悪い、娘」

「話はご飯を食べてからです」

「…あぁ」


113 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:19:08.60 iMQe5rYf0 99/149

「で、なんですか?」

「俺は行く」

「それは当たり前でしょう、あなたもなんて許しませんよ」

「それで、万が一の話なんだがいいか?」

「なんでしょうか」

「もし生きてたら、また飯を食いに来てもいいか?」

「とんでもない身勝手ですね」

「すまない」

「まったく、もう諦めてますよ」

「それは残念だ」

「まったく……なんで好きに……」ブツブツ

「なんだ」

「なんでもないです」


114 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:22:10.11 iMQe5rYf0 100/149

「それでは、これはお弁当です」

「ありがとう」

「どう致しまして」

………

「それじゃ」

「それは追及点です」

「……?」

「もっと良い言葉を考えてください」

「ええと?……じゃ、また」

「まったく、酷いですね」

「それはすまない」

「ギリギリ合格にしてあげますよ、また会いましょう」

「うん、また」

ガチャ バタンッ

「……さて、色々と備えなければですね」


115 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:23:57.09 iMQe5rYf0 101/149

「さてと、備えも終わった」

………

「罠も全部作った、武器はありったけ……まったく…」

………

「親父、女性は人をダメにするって本当だな」

………

「多弁になったし、餓鬼っぽくなった……」

………

「でも、アンタの言うとおり幸せな気持ちだよ、ったく……

  俺は、アンタが誇れる息子になっているか?」

………

「……命に代えても、村には通さねぇ」


116 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:26:23.98 iMQe5rYf0 102/149

「……今日で4日目、ですか…」

………

「畑、大丈夫でしょうか……」

………

「ちょっと外に出てみましょうか」

………

「えっと、お鍋のふたと鍬を……」

………


117 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:28:21.31 iMQe5rYf0 103/149

「これで一週間でしょうか、本当に狙われているんでしょうか」

………

「まぁ、用心するに越したことはないでしょう」

………

「用心、用心…ようじん……」

………

「グー……グー……」


118 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:30:19.19 iMQe5rYf0 104/149

「ん、なんか外が騒々しいですね」

ガチャッ

「あれ…… 皆さんが戻ってきていますね」

………

「ということは、もう安心していいのでしょうか?」

………

「まったく、何事もありませんでしたし、人騒がせな話ですよ」

………

「さて、こうしては居られませんね、あの人がまた食事に来るでしょうから」


119 : ローカル... - 2009/08/09(日) 05:44:37.93 iMQe5rYf0 105/149

「……遅いですね」

………

「女性を待たせるとは、やっぱり悪い男です」

………

「なんで来ないんですか、まったく……」

………

「……来て、くださいよ…」


134 : ローカル... - 2009/08/09(日) 21:26:02.39 iMQe5rYf0 106/149

………

「村の入り口…… ここはあなたのお気に入りの場所じゃないんですか?」

………

「私はここに居るんですよ?」

………

「ひょっこり、待たせてゴメンなんて、言いに来ないんですか?」

………

「そうですか……」

………

「そっちがその気なんでしたら、こっちも黙っていられません」

………

「この街で、貴方を待ち続けてあげますよ、まったく…」


135 : ローカル... - 2009/08/09(日) 21:33:35.59 iMQe5rYf0 107/149

ずっと後のある日




「まったく、隣町まで足を伸ばしても

  今回もそれらしい情報はありませんか……

  どこに居るというのですか」

………

「まぁ、約束ですので仕方なく待たせてもらいますよ……ブツブツ」

………

「っと、誰か来たようですね 前みたいに粗相のないようにしなければ……ええと」

コツコツコツ………

「んん、コホン。 おはよう御座います、ここは農民の村です」

end


139 : ローカル... - 2009/08/09(日) 21:51:12.56 iMQe5rYf0 108/149

人生に於いて、ほんの短い時間を過ごした場所だった

でも、目を瞑ればその瞼に、写らない日など無い

俺は、今日そこに帰る

「今まで有難う、本当に助かったよ」

??「だが、やっぱりわかんねぇなぁ? 俺達ぁ救世主様だぜ?」

???「その辺の討論はもう済んだでしょう?」

??「だがなぁ!」

???「でも、確かに気になるなぁ。 なにか、大事なものがあるのかい?」

「あぁ、俺の、何より大事なものだ」

あいつは相変わらずなのだろうか、笑っているのだろうか、泣いているのだろうか

それとも、怒っているのだろうか

「それじゃ、ここでお別れだね」

これから、彼らは英雄として生きていくだろう

俺も望めばそこに行けるらしい、だが

「あぁ、じゃあまたな」

どうやら、俺は平凡に、合格点を貰って生きたいようだ

muriyari happy end


140 : ローカル... - 2009/08/09(日) 21:54:26.46 iMQe5rYf0 109/149

今まで見てくれて有難う御座いました
>>139の最後は、自分がとにかくハッピーなの大好きなので
無理矢理作ったものです、脈絡ないです、酷い出来です

でも、書かずにいられなかった俺を許してくださいorz
一応、>>135で終りです。ですから、コレは無いと思った方は
見なかったことに(-w-; ゴミンナサイ

では、これからバイトがあるので失敬させてもらいますm(_ _)m
お付き合いしていただいた皆様、本当に有難う御座います


158 : ローカル... - 2009/08/13(木) 14:56:21.85 8JpJCIKG0 110/149

夏ですねぇ、調子に乗って蛇足を書いてしまいました >>1です
ひっそりとやらせてもらいますよ


160 : ID違うのはご愛嬌 - 2009/08/13(木) 15:00:20.75 8JpJCIKG0 111/149

幼女「ねぇ、お姉ちゃん」

「………」

「お姉ちゃんってばっ!」

「…お姉ちゃんとは、私のことですか」

「ほかにだれがいるの?」

「誰も居ませんね」

「でしょ」

「…ところでなんでしょうか」

「お姉ちゃんはなにをしてるの?」

「待っているんですよ」

「まってる?」

「はい、鈍感で、馬鹿で、どうしようもない人を待ってます」

「??」


161 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:04:19.84 8JpJCIKG0 112/149

「ふふっ わからないって顔をしていますね」

「ええと…… どうしようもないひとをまってるの?」

「そうですよ」

「それってボクのおとうさん?」

「コラコラ、違いますよ」

「それじゃあだれ?」

「それは、秘密ですよ」

「えぇ~! 教えてよ!」

「ふふっ ……好奇心が猫を殺すって知ってますか?」

「…ごめんなさい……」ビクビクッ


162 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:07:39.49 8JpJCIKG0 113/149

「まったく、乙女に秘密の一つや二つは持たせてください」

「でも、おねえちゃんなんでおこったの?」

「怒った…… いえ、怒ってませんよ」

「うそだぁ、ぜったいおこったもん!」

「そんなわけないでしょう」

「……わかった! おねえちゃんのまちびとってこいびとさんだ!」

「なにいってやがりますか」

「そうでしょ?」

「違いますよ」

「ぜったいそうだよ! そうでしょ!?」

「……好奇心は…」

「ごめんなさい」

「はい、まったく……」


164 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:36:10.16 8JpJCIKG0 114/149

「私のことよりも貴女です」

「ボク?」

「はい、何か御ありですか?」

「なにって、なにが?」

「……いえ、なんでもありませんでした」

「えぇ! なにそれ、きになるよっ!」

「それより、甘いはちみつパンなんて如何ですか」

「たべるっ!!」

「はい、でしたら準備いたしますね」

「ありがとう、おねえちゃん!」

「いえいえ、どう致しまして」


165 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:39:43.02 8JpJCIKG0 115/149

「んーっ! おいひぃ!!」

「それはよかったですよ」コポコポッ

「はむはむっ」

「そんなに急いで食べますと詰まってしまいますよ、お茶です」コトッ

「はひはほー!」

「口に物をいれて喋らないでくださいよ、まったく……」

「んくっ、んくっ…… ふー、もういっこちょうだいっ!」

「それで御夕食が食べられるならよろしいですよ」

「……ん~っ…たべるっ!」

「いえ、その顔は食べられないけど魅力に負けそうな顔です」

「だ、だいじょうぶだよっ!」

「それでは、もし食べられなかったらハリ千本飲みますか?」

「うっ……ええ~と…」

「まったく…… ふふっ♪」


166 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:43:46.08 8JpJCIKG0 116/149

「そろそろ日が落ちますか…… さてと……」スッ

「ん、どうしたの?」

「待ち人さんが来ないので今日は帰ろうと思います」

「そっかぁ~」

「貴女は帰らないのですか?」

「う~ん、もう少しここにいるよ」

「そうですか、それではお先に失礼しますね」

「うん! おねえちゃん、またね~!!」

「はい、また会いましょう」

………

「……ひとりになっちゃったな…」


167 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:46:41.43 8JpJCIKG0 117/149

………

ガチャッ

「……ただいま…」

………

「おかあさん、ねぇおかあさんっ」

「………」

「おとうさんはどこ?」

「……知らない」

「まだかえってこないの?」

「知らない」

「……っ ご、ごめんなさい……」

………


168 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:50:34.81 8JpJCIKG0 118/149

………

「それじゃ、おやすみなさい」

………

「………」

てくてく……

ガチャッ バタンッ

………

「……ごめんね…グスッ…」


169 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:53:32.39 8JpJCIKG0 119/149

「うぅ…… 慣れない事はするものじゃないですねぇ、眠いですよってあれ?」

「あっ! おねえちゃん、こんにちわー!!」

「こんにちは、どうしましたか」

「ここでねてるときもちよくって、つい… てへへっ」

「なるほど、確かに良い場所かもしれないですね」

「それよりもっ! きょうはおねえちゃんのまってるひとくるかなっ!?」

「それはわかりかねますよ」

「えぇ~? なんか、今日は来るっ! みたいに思ったりしないのぉ?」

「そんな能力があったらいいですね」

「なんかつまんないのっ!」

「ふふっ、面白いものではありませんからね」


170 : ローカル... - 2009/08/13(木) 15:57:14.63 8JpJCIKG0 120/149

………

「そのときっ! いじめっこにボクのひっさつキックがさくれつした!!」

「おぉー」

「それでドロドロしたさんかくかんけいはおわりをつげたのだっ!」

「子供が何言ってるんですか」

「えぇ~、本当のことを言ってるんだよ~?」

「本当と思いたくない内容ですねぇ」

………

「ということもあったんだよっ!」

「ふむふむ、おっと忘れるところでした、お茶飲みますか」

「のむ!」

「今ならもれなくクッキーもついてきますが」

「たべる!!」

「はいはい」


171 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:01:26.59 8JpJCIKG0 121/149

「サクサク甘いよ~」

「お味の方はどうですか」

「んぐっ、んぐっ」

「それはよかったです」コポコポッ

「………っっっっ!!!」

「はい、お茶ですよ」トンッ

「ンクッ……ンクッ……っぷはぁ!!」

「まったく、ふふっ♪」


172 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:05:20.74 8JpJCIKG0 122/149

「ごちそうさまでしたっ!!」

「はい、お粗末さまでした」

「……ほんとはもっとたべたいけど…」

「ハリ千本飲みます?」

「ううんっ! いらないよ!!」

「まったく、っともう日が落ちますね」

「……うん、そうだねっ!」

「はい、それでは行きましょうか」

「……? どこに?」

「私の家にですよ」


173 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:09:31.99 8JpJCIKG0 123/149

「え? えぇ!?」

「あれ? 貴女の御母様にお話ししたはずなのですが……」

「聞いてないよっ!」

「そうですか…… それじゃ行きましょうか」

「えぇ!?」

「どうしましたか?」

「でも、だって、勝手に着いて行っちゃ……」

「大丈夫です、それなら私が無理矢理連れて行きますから」

「……え、ええ!? えええぇぇ!!?」

ズズズズッ……


174 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:15:47.32 8JpJCIKG0 124/149

「こちらが私の家ですよ」

「………」

「無返事は無礼ですよ」

「あ、はい…… じゃなくて!!」

「ん、なんですか?」

「ごういんだよ!」

「そうですね、ところで……」


「え? な、なに? もしかして……」

「はい、そうです」

「そんなぁ……ボク…さらわれちゃったの…?」

「晩御飯の手伝いをしてもらいたいと思います」

「ボクをさらっても…… え? ばんごはん?」

「そうです、どう致しましたか」

「……なんでもないよっ!」

「そうですか、ふふっ」


175 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:19:10.40 8JpJCIKG0 125/149

「さて、出来ましたね」

「うわぁ…… おいしそう…っ!!」

「幼女ちゃんにも手伝ってもらいましたから、上手く出来ましたよ」

「……じゅるっ…」

「と、さっさと食べないと冷めてしまいますね」スッ

「うんっ!」すっ

「はい、いただきます」

「いただきまーすっ!!」

ガツガツッ…!

「……やっぱり賑やかだといいですね」

「はぐっ…もぐもぐっ……?」

「なんでもないですよ」


176 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:22:30.53 8JpJCIKG0 126/149

「ごちそうさまでしたっ!」

「はい、お粗末さまでした」

「うんっ! おそまつさまでしたっ!」

「はい、ご馳走様でした」

「ひさしぶりにたべたよぉ」

「ふふっ、そんなに美味しかったんですか」

「うんっ!すっごくおいしかった!!」

「そういってもらえると、頑張ったかいがありましたよ」

「おなかいっぱいだよぉ~」

「それは、あんなに食べればそうでしょうね、ふふっ」

「ボクはせいちょうきだからいいんだもんっ!」

「そうですか、ふふっ」

「むねだっておねえちゃんとちがっていまから」

ゴゴゴゴゴッ………!!!

「……おねえちゃんといっしょでせいちょうきだからおっきくなるもん!!」

「フォローになってませんが、そうですか、ふふふっ……」


177 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:26:01.75 8JpJCIKG0 127/149

「なっ! はたけしごとにこんならくのしかたがあったの!?」

「様は、やることの順番と本質の捉え方ですね」

「な、なら! これはどう!!」

「残念ですが、2年程前に通った道です!」

………

「っと、もう遅いですね」

「そうだね」

「でしたら、寝ましょうか」

「うんっ!」

「部屋は、其方を使ってください」

「おやすみなさ~い!」

「はい、おやすみなさい」


178 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:30:33.45 8JpJCIKG0 128/149

………

ガチャッ

「寝ましたか?」

「………」

「寝てませんよね」

「……っ…」

「声をだして、泣いても良いんですよ」

「っ! …っく……ひっく…!」

「辛いんですよね、まったく……」

ギュッ

「うあっ、うああっ!あうっ、ひっく…!」

「よしよし……」


179 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:34:36.39 8JpJCIKG0 129/149

「くー……くー……」

「くすっ、可愛い寝顔ですね」

「……くー…」

「すっきりして、ぐっすり眠れていると」

ガチャッ

「…さて、お客さんですね…… おやすみなさい」

バタンッ

「どうもこんばんは、クソ爺」

長老「………


180 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:40:02.01 8JpJCIKG0 130/149

「相変わらずですね、吐き気がしますよ」

長老「………」

「どうせ、あの娘の親を『内通者』にするのでしょう」

長老「………」

「知ってますか? あの娘、友達も居なくなったんですよ」

長老「………」

「母親だって、子供を構ってやれないほど弱ってますし」

長老「………」

「何か喋れ」

長老「……仕方ないだろう」


181 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:44:56.82 8JpJCIKG0 131/149

「なにがですか?」

長老「人は、理由がないものを怖がる それが不利益を被るものならなおさら……」

「だから、村人を犠牲にしてでも理由をつけると」

長老「何度も、理由も無く攻められる村に安心して住めると思うか?」

「そうですか」

長老「家庭一つで済むなら…… 仕方の無いことなんだ…」

「黙れ」

長老「………」

「クソ爺、話があります そのために呼びました」


182 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:47:47.53 8JpJCIKG0 132/149

………

「おはよう御座います、起きてください」

「……ん、なに…?」

「事情が変わりました、帰ってください」

「…ん ……え?」

「はい、着替えて着替えて」

「え? ……え?」

「荷物は大丈夫ですか?」

「え? う、うん」


183 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:50:09.81 8JpJCIKG0 133/149

「それでは…… あ、あと…」

「?」

「私に二度と話しかけないで下さい、では」

ガチャッ バタン

………

「……ふぅ、これでよし」

「おねえちゃん、ボクまだそとにでてないよ?」

「……出てください」


184 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:53:32.01 8JpJCIKG0 134/149

「おねえちゃん、どうしたんだろう……」

………

「いきなりおウチにかえれ、なんて…」

………

「って、ついちゃった…… どうしよう…」

………

ガチャッ

「ただい……ま…」

「…おかえりっ」

………

「……パパ…?」

「うん、ただいま」

「っ! パパァ!! おかえりなさいっ!!!」


185 : ローカル... - 2009/08/13(木) 16:56:59.67 8JpJCIKG0 135/149

………

「今日は晴れましたねぇ、遠くまで見えそうですよ」

………

「しかしこのままでは暑いのですが、暑さ対策の麦わら帽子で解決です」

………

「ただ、何故か頭しか守れていないような気がするのですが何故でしょうか」

………

「おねえちゃん、それおふろのおけだよ……」

「………知っていました…」


186 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:00:37.70 8JpJCIKG0 136/149

「おねえちゃん、おはよぉ」

「私に何の用ですか」

「なにもないよ?」

「私に喋りかけるなと言ったでしょう」

「そうだったっけ?」

「いいから子供は子供と遊んできなさい」

「やだもんっ」

「嫌?」

「おねえちゃんといっしょのほうがいいもんっ」

「……少し嬉しいじゃないですか、まったく…」ボソッ

「なに?」

「なんでもないです」


187 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:04:31.08 8JpJCIKG0 137/149

「しかし、よく私と一緒に居られますね」

「なんで?」

「私は、貴方の家族を騙した悪女かもしれないのですよ?」

「うん」

「私が罪をなすりつけたせいで、貴方の父が捕まったのですよ」

「うん、おかあさんもそういってた」

「だったらさっさと消えて…」

「でも、わたしはおねえちゃんだいすきだもんっ」

「…意味が解りません」

「おねえちゃんは、そんなことするひとじゃないっておもうもん」

「……貴方がどう思うも何も、本人が認めて」

「おねえちゃんっ! きょうのおやつはなに?」

「……甘いお餅ですよ」


188 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:09:27.80 8JpJCIKG0 138/149

「はむはむっ……」

「まったく…… 私と一緒だと友達居なくなっちゃいますよ」

「んむっ だったら、おねえちゃんと一緒の方がいいもんっ はむはむっ」

「それは良くないですよ、仲良き事は素晴らしきかな、です」

「おねえちゃんとおともだちになっただけでいなくなっちゃうともだちなんていらないもん」

「だけでって…… 私は一応、村を売った悪女かもしれないんですから…」

「だって、おねえちゃんはわるいひとじゃないもん」

「……もういいですよ、平行線を辿るだけですし」


189 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:14:00.36 8JpJCIKG0 139/149

「まったく…… まぁ元気そうでよかったですよ」

「うんっ! ボクはげんきだよ!!」

「まった……く………?」

「ん、どうしたの? おねえちゃん」

「…………」

「あ、たびびとさんみたいだね」

「……すぅー、はぁー……すぅー、はぁー…」

「……?」


190 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:17:19.55 8JpJCIKG0 140/149

………

「こんにちは、ここは、農民の村です」

「むらですっ」

「……うん、知ってる」

「そうですか、旅の疲れを癒す宿屋ならあちらに、道具屋は向こうです」

「うん、知ってる」

「?」

「ここの宿では新鮮な野菜を使った料理を振舞います」

「ありがとう でも、ここで旅はやめる」

「そうですか、でしたら良い方法がありますが、条件が厳しいですよ?」

「その条件を、聞かせてくれないか」

「とりあえず一発殴らせてください」


191 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:21:57.27 8JpJCIKG0 141/149

パァンッ………!

「……っ!!…」

「……痛い」

「このくらいで泣き言言わないで下さい」

「そうだな」

「他には農業の手伝い、道具の手入れ、物品の購入……」

「まだ条件があるのか」

「……あと、とりあえず私の頭を撫でてください」

「………」

ギュッ

「誰が抱きしめろ何て言いましたか」

「……ごめん」

「……許してあげますよ、まったく…」

………

「お帰りなさい、ヨウヘイさん」

「ただいま」


192 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:27:12.81 8JpJCIKG0 142/149

………

「……ぉぉぉ…!!」

「……ところでこの娘は」

「私の友達さんですよ」

「そうか」

「ねぇ、おにいちゃんって、こいびとさん?」

「なにいってやがりますか」

「だったらいいと思ってる」

「……にゃににぃってやがりますか///」

「おねえちゃん、なんでかおをかくしてるの?」

「五月蝿いです知らないです気にしないで下さいっ!」


193 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:30:40.10 8JpJCIKG0 143/149

その後のことをどうこう言うのは、ちょっと無粋かなって思う


ともかく、ボクの村は平和だし、楽しいし、明るいところです!

だって、おねえちゃんが居てくれてるし

おにいちゃんが守ってくれてるし

「おねえちゃん、ただいまっ!」

「ただいまじゃありませんよ、ここは貴女の家じゃないんですから」

「きにしないでよぉ~、おにいちゃんっ! 例のやつ出来たっ?」

「あぁ、竹刀か。 十本程、用意したがこれでいいか?」

「うん、ありがとっ! コレで足りるよ! おにいちゃん大好きっ!」

「どういたしまして」

「何言ってやがりますか」

「それじゃ、いってきまぁす!」

みんなが居てくれてるから、とっても楽しいですっ!


194 : ローカル... - 2009/08/13(木) 17:35:00.47 8JpJCIKG0 144/149

こんなところで、終わりです
正直、練りが足らないと言われたらそうですねと言わざるをえない……orz

一応、コレで終わりです。これ以上は本当に蛇足以外のなんでもないので
続けない方がよかったって方、沢山いると思いますがごめんなさい

二度目ですが、見てくださった方、本当に有難う御座います
またじっくり何か作って行きたいと思います
ちなみに幼女がボクッ子なのは>>1の趣味からです、余り気にしないで


198 : ローカル... - 2009/08/13(木) 22:40:08.11 YwDMMwj30 145/149

乙!
すまんこ。クソゆとりは幼女出てきたあたりからついてけなかったorz
村の内情と娘の咳についてわかるやつ誰か説明してくんろ


201 : ローカル... - 2009/08/14(金) 08:04:25.08 5jr4av28O 146/149

>>1乙 久しぶりに面白いSSだったよ。出来れば内通者のあたりも詳しく聞きたい。


205 : ローカル... - 2009/08/14(金) 16:20:49.70 3YsDxmzy0 147/149

どうも、>>1です 村の内情わかんねぇよ~ というものがありましたので少々、

まず物語前から、
設定として もともとこの村は辺りの見晴らしが良く、障害物が離れた森くらいしかない
いったものがあります
そういうことで、結構この村は襲われることが多く、自衛隊なんかを作ったりしていたのですが
ある時、その自衛隊が壊滅的打撃をうけてしまいました

コレは、単に運が悪かっただけなのですが、
村人としては、大事な仲間が死んだのに理由なしってのは辛いので
何か理由があるに違いないと考える様になってしまいました

そこで、村長さんは一つの家庭を『内通者』に仕立て上げようと考えました
で、コレの犠牲者になったのが娘さんの両親です
村人は理由が欲しかったので、余り考えることなく彼らを『内通者』だと信じて
「彼らが俺たちの情報を漏らしたから、俺たちはこんなに仲間を失ったんだ」
そう考えました

その流れに逆らえず、娘の両親は『内通者』になることを受け入れ、代わりに娘の安全を懇願して
処刑されました

ってところが物語前のお話です


206 : ローカル... - 2009/08/14(金) 16:30:11.80 3YsDxmzy0 148/149

で、このままだと自衛隊も弱いし、マズイでしょってことで
ヨウヘイさんが呼ばれることになりました
ここが、物語中です

んで、蛇足部分は
長老さん言ってますが、こう何度も攻められる村ってマズくない?
って村人が考えてしまうことを恐れました
娘さんが出歩いているところから、別の村にも比較的簡単に行くことが出来ます

つまり、周辺の村と比べることが出来て、その結果この村攻められすぎ、危い!!
ってことがばれてしまう時代です
なので、今回も内通者が居たんだよ、この村のせいじゃないよ
って話に持っていこうとしてたのです。その犠牲者さんが、幼女ちゃんの父です

それを見てしまった娘が、私が内通者だったかもしれないって噂を流してください
と長老さんに頼み、
「娘が内通者みたいだけど、手を出せない」という空気を作らせて 終わり
ってところが蛇足部分です

余計わからなくなってたらごめんなさい


207 : ローカル... - 2009/08/14(金) 19:01:57.59 8GF477psO 149/149

>>206
なるほど。
納得です~、乙でした。


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