ジャヒー「え?うわっ、車がっ…!」
ききぃっ!
ジャヒー「…、あれ、我、今、道に落ちてた魔石拾おうとして、車に引かれたような…え?」
千代田桃「大丈夫?」
ジャヒー「え!?」
ジャヒー「(な、なんじゃこやつはっ、片手で車を止めておるぞっ、というか、その恰好、こやつ、魔法少女ではないかっ!?)」
ジャヒー「はわわ…」
元スレ
ジャヒー様「あんなところに魔石があるではないかっ」千代田桃「!?あぶないっ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1632063947/
桃「今度から前見て歩いて」
ジャヒー「あ、ああそうじゃな。助かった。それじゃわれはこれで…」
桃「あれ、その髪の部分、角にみえなくもない。ひょっとして君も魔族なんじゃあ…それにその恰好。Tシャツ一枚だけなんて…、着るものもってないの? …ちょっと来て」
ジャヒー「え?な、なんじゃおぬしっ!?」
桃「ただいま」
ミカン「あら、戻ってくるの早かったのね桃。ランニングに出るっていってからまだ少ししかたってないのに…」
ジャヒー「はーなーせっ、なんなんじゃおぬしはっ!」
桃「ミカン、この子にマッチするおさがりの服とか持ってないかな」
ミカン「え、どういうこと!?なんで小さい子抱えて戻ってきてるの、ていうかその子、魔族なんじゃないのっ!?」
ジャヒー「ひ、ひいっ、このかんじっ、こやつも魔法少女か!?魔法少女が2人もっ…、も、もうよいわっ!肉なり焼くなりすきにせいっ!」
…
シャミ子「桃ー、いるんですか、勝手に家に入りますよ。お昼を作りすぎたんで差し入れに…」
桃「このTシャツなんてどうかな、たまさくらちゃんの限定Tシャツ」
ミカン「やめてよ、クソださマウンテンだわ。わたしの小さいころのおさがりの服が確かここのあたりに…」
ジャヒー「あわわわ……」ガクガク
シャミ子「ええ…?」
シャミ子「え…ええ?な、何やってるんですか2人とも…ていうかその子はいったい」
桃「あれ、シャミ子。いつの間に。ああ、この子は私がさっき道で」
シャミ子「ゆ、誘拐してきたんですか…?」
桃「違います!見るからに恰好もみすぼらしくて、行く当てもなさそうだったから、保護したんだよ」
ジャヒー「み、みすぼらっ…!」
ジャヒー「みすぼらしいとはなんじゃー!我は魔界No2のジャヒー様じゃぞっ! 我は偉いんじゃ!魔石さえたっぷりあれば、貴様らなんざちょちょいのちょいで…!」
ぐうう…
シャミ子「あれ、ひょっとしてお腹が空いているんですか?」
ジャヒー「べ、別に腹なんぞ減っては…うう…」ぐうう…
シャミ子「あ、良かったら持ってきた差し入れ、食べませんか?」
ジャヒー「え…?」
ジャヒー「う、うまっ…、なんじゃこれっ」パクパク
シャミ子「おかわりもありますんで、遠慮なく言ってくださいね」
シャミ子「あ、あと、この小分け総菜もよかったら持って帰ってください」
ミカン「わたしのおさがりの服も持って帰っていいわ」
ジャヒー「(ええ、なんなんこの魔族の娘…、めちゃくちゃ優しいし…、こっちの魔法少女も親切じゃあ…)」
ジャヒー「(我…、我…、こんなに見知らぬ人に親切にされたの…久しぶりじゃあ…)」ポロポロ
ジャヒー様は、魔法少女にさらわれるという突然の出来事もあって精神的に涙もろくなっていた・・
シャミ子「え?な、泣いてるんですか、大丈夫ですか、どこか痛いんですか?」
ミカン「大丈夫?お薬もってこようか?」
ジャヒー「ち、違っ…、な、泣いてなんか…、泣いてなんか…!!」
桃「あー、あったあった。私からは、これあげる」どさっ
ジャヒー「え…?これは…」
桃「ダンベルだよ。わたしのおさがり」
桃「行く当てがないということはないみたいだけど。まぞくとしてこの町で暮らすなら多少鍛えたほうがいいと思うんだ。魔法少女って私たちみたいになあなあで済ますタイプばかりじゃないから」
桃「ダンベル?今もってみようか?」
ジャヒー「え?え?」
桃「持ち上げてみようか?」
ジャヒー「え…?」
ミカン・シャミ子「(ああ…)」
……
ジャヒー「ひい…ひい…」
桃「ダンベルあげ、あと30回。それと、それ終わったらスクワット50回ね」
ジャヒー「いやおかしいじゃろ!?急になんなんじゃおぬしはっ!」
ミカン「ご、ごめんね、この魔法少女、ちょっとアレなところがあって」
シャミ子「ちょ、桃!やめてください、この子は客人ですよ、桃の筋トレ好きに付き合わせるのはこれ以上…」
桃「いいね。なんだか不屈の精神が伝わってくるよ。わたし、シャミ子と一緒に君のことも鍛えてみようかな」
ジャヒー「いや急に何いっとん!?」
桃「シャミ子もその子と一緒に、今日のノルマ、はじめようか」
シャミ子「!?」
桃「それじゃあ二人でスクワット50回、はじめてみようか…って、あっ、どこ行くの!?」
ジャヒー「どうもこうもあるかー!、逃げるんじゃバーカバーカ! ほかの2人はともかく、貴様は次あった時にはたたじゃおかないからのっ!」
桃「ええ、な、なんで…!」ガーン
ミカン「ああ、あの子、わたしの服やシャミ子の小分け総菜、忘れて逃げちゃった」
シャミ子「住んでる家を聞いておいたので、後で届けに行きましょう、それにしても…あーあ、あの子にかわいそうなことをしました。誰かさんのせいで」チラ
桃「ええ…いや、シャミ子私のせいでは…」しょんぼり
……
ジャヒー「ひぐ…えぐっ…くそ…なんなんじゃあやつらは…」
ジャヒー「特にあの桃色魔法少女め…、助けてもらったとはいえ…やはり魔法少女は危険な存在じゃ…次に会ったら覚えておけ…ぐす…」
ジャヒー「しかし…、服と小分け総菜はもらって帰っておけばよかった…」
頑張れジャヒー様!桃色魔法少女はぶっきらぼうだが、話せば意外とわかるやつだぞ!
おしまい