あかり「知りたいなぁ」
元スレ
あかり「宇宙の真理が知りたいよぉ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1430835366/
あかり「ねぇ櫻子ちゃんは知ってる?」
櫻子「なにを?あかりちゃん」
あかり「宇宙の真理だよぉ!」プンスコ
櫻子「なにをそんなこと・・・」
あかり「やっぱり櫻子ちゃんは知らないんだね・・・」
櫻子「知ってるに決まってるよ」
あかり「本当にっ!?」
櫻子「うん、ついておいで」
あかり「わぁい!」
櫻子「ここの扉を開けるよ」
あかり「わぁ!なにこの扉」
櫻子「この世界の核へと通じてるんだよ」
あかり「すごい!そんなものがあったんだねぇ」
櫻子「秘密だよ、ここはせかいのおヘソみたいなものだからね」
櫻子「おへそを見られるとあかりちゃんも恥ずかしいでしょ」
あかり「恥ずかしいよぉ」
櫻子「それなら約束」
あかり「わぁい!約束だよぉ」
Hoffnung
esperanza espoir
ελπις
ümit håb
ожиданне
harapan
Esperança
あかり「この扉に書いてあるのは何なの?」
櫻子「私にわかるわけないよ!あかりちゃん」
あかり「えへへぇごめんねぇ」
櫻子「ううんいいよ!じゃあ行こう!」
あかり「わぁい!あかりが扉を開けるよぉ!」
あかり「ぴゃあ!まっくら!」
櫻子「扉も見えない!」
あかり「真っ暗な空間だよぉ・・・櫻子ちゃん・・・いるのぉ?」
櫻子「いるよぉ」
あかり「どこぉ・・・怖いよぉ・・・」
櫻子「あかりちゃん!ここだから!」
あかり「あっ・・・これ櫻子ちゃんの手・・・!」
櫻子「しっかり握ってて、あかりちゃん」
あかり「うんっ!」ギュッ
櫻子「私に掴まってて・・・怖くないよ」
あかり「櫻子ちゃん・・・」
宇宙が出来る前の世界
全が一として存在していた
いやそれよりもっと遡った原点
全は0だった
0であるからこそ全であることを保証する
数式上の世界がそこにあった
それが世界であり無であった
赤座あかりちゃんはそこにいた
櫻子ちゃんの手を握っていた
櫻子「これから始まるんだよ」
あかり「はじまるって何が?」
櫻子「みて、あそこ」
あかり「えっ?わぁ光だ!」
櫻子「あれがエネルギーだよあかりちゃん」
あかり「でもすぐに消えちゃうねぇ」
櫻子「うん。最小の瞬間だけ有が生まれてもいいんだよ。それがあのエネルギーなんだ」
あかり「最小の瞬間って?」
櫻子「0と全が一瞬だけ有限になろうとして、でもお互いがお互いを打ち消す瞬間だよ」
あかり「それが宇宙なの?」
櫻子「うん。揺らぎと言われてるよ。最小の瞬間でのみ有が生まれていい事になってるの」
櫻子「量子力学は例えば箱の猫が死んでるか生きてるか決まってないって話が有名でしょ」
櫻子「それと同じように世界は0か全であるけど」
櫻子「それが決まっていない揺らぎが最小単位で許されてるんだよ」
あかり「猫さんは生きててほしいよぉ」
櫻子「生きてる状態と死んでる状態が重ねあわせであるという」
櫻子「0と全が重ね合わさっていて」
櫻子「ふとした瞬間に打ち消し合う均衡が崩れ急激に傾いたもの」
櫻子「それが宇宙だよ」
櫻子「宇宙というより有限のエネルギーだね」
櫻子「宇宙はそういう例外からの現象の結果でしかないんだよ」
あかり「わぁ!凄い光が!!」
櫻子「ビッグバンだよあかりちゃん!」
ばーんっ!
あかり「ぎゃあああああああああああああああああ」
櫻子「あびゃあああああああああああああ」
あかりちゃんと櫻子ちゃんはバーンという音と共に
吹っ飛んでいった
ビッグバンの威力を舐めていた
すごい爆発が起きてあかりちゃん達は嵐に舞う紙屑のように
吹き飛ばされていった
でも繋いだその手は決して離さなかった
あかりちゃん達はお互いの存在を
手の中で感じ取って爆風に吹き飛ばされるままに
それがおさまるのを待った
あかり「ぶっひぇー凄い爆発だったよぉ」
櫻子「わたしもびっくりだよ、あかりちゃん」
あかり「櫻子ちゃん!髪が爆発してるよぉ。あかりが梳いてあげるよぉ」
櫻子「ありがとうあかりちゃん」
あかり「綺麗な色だよぉ櫻子ちゃんの髪」
櫻子「あかりちゃんもお団子が素敵だよ」
あかり「わぁ!あかりがとう」
櫻子「きっとこの宇宙で一番素敵なお団子だから私たちは助かったんだよ」
あかり「お世辞がすぎるよぉ」
櫻子「あははは」
この世界に光が満ちた
それが櫻子ちゃんの髪を朝陽のように照らしていた
大気が覆う事のない宇宙は
鮮明に櫻子ちゃんの髪を輝かせていた
激烈な光は
まるで古い時代からの約束のように
櫻子ちゃんをこの宇宙に浮かび上がらせた
太古の宇宙は光こそが輝く生命そのものだった
櫻子「この世界はねあかりちゃん」
あかり「うん」
櫻子「水素とヘリウムしかなかった時代から」
櫻子「核融合反応を得て様々な分子を創りだす時代なんだよ」
櫻子「原初ここには水素しかなかったんだよ・・・いまでも宇宙にたくさんあるのは水素だけど」
櫻子「こんな始まりに命とか神とか生命とか」
櫻子「想像するにもあり得ない世界だったんよだって水素しかない単純な世界だもの」
櫻子「笑えるよねあかりちゃん」
あかり「(水素ってなにかな)」
櫻子「だから私は海王星が好きなんだ」
あかり「あの青い星?」
櫻子「うん厳密に言うとメタン惑星だけどさ」
あかり「うん」
櫻子「海とか水とかそういうものを連想させて」
櫻子「綺麗で汚れてなくて」
櫻子「なんだか私たちが生まれる前のそのものって感じするじゃん!」
あかり「よくわからないけどあかりも青い惑星は綺麗だと思うなぁ」
櫻子「だよね!」
核融合反応は
お互いの分子が影響し合って最も安定した形を
とろうともがき苦しんだ結果だった
それが他の分子に変質してしまうことも
果ては重金属という形になったとしても
お互いがお互いを受け入れて
進化していく
有の世界では変化すること
変化を受け入れる事を当然とした
それが有の世界
櫻子「この宇宙はねあかりちゃん」
あかり「うん」
櫻子「変化する事を当然としてるんだよ」
あかり「変化・・・」
櫻子「そうだよ。常に変化する事がこの世界の」
櫻子「宇宙が例外から生まれたということも合わさって」
櫻子「それは原初の法則なんだよ」
あかり「変化が宇宙の本質なの?」
櫻子「ううん。それだけの話じゃないよ」
櫻子「おいで、あかりちゃん」
あかり「うんっ!」
あかりちゃんは櫻子ちゃんの手を幾億年の原子の結びつきのようにしっかりと握る
櫻子「この世界の最小の世界だよ」
あかり「櫻子ちゃんが存在を保ってないよぉ」
櫻子「そういうあかりちゃんだって!」
あかり「ぴゃあ!あかりの体が万華鏡のように変化するよぉ!」
櫻子「ここは多次元だよあかりちゃん」
あかり「多次元?」
櫻子「三つの空間と一つの時間軸しか現在の宇宙に伸びなかったけど」
櫻子「三つより上の高次元は小さく折りたたまれて存在してるの」
あかり「小さいなら広い宇宙で見つけられないよぉ!」
櫻子「そういうことじゃないよあかりちゃん」
あかり「ぴえっ?」
櫻子「逆さまのピラミッドみたいなものだよ」
あかり「▽?」
櫻子「うん上のあたりが三次元で下の部分が高次元だよ」
櫻子「小さいけど三次元宇宙のどの空間にもつうじてるんだよ」
あかり「なるほどだよぉ」
あかり「あかり達はいまそこいるのぉ?」
櫻子「そうだよあかりちゃん」
櫻子「ここはね」
あかり「うん・・・」
櫻子「大丈夫あかりちゃん?顔青いよ」
あかり「酔ってきた・・・」
櫻子「ここは私たちがとても認識できる世界じゃないからねぇ」
あかり「うえええええ」
櫻子「ちょっ!ちょっとあかりちゃん!背中さすってあげるから!」
あかり「すまんよぉ」
あかり「それでこの世界はなんなのぉ」
櫻子「それはね、あかりちゃんこの宇宙の最も根幹の世界だよ」
あかり「根幹?」
櫻子「うん、変化する宇宙はその実」
櫻子「この最小の世界の法則で動いてるだけというのも」
櫻子「事実なんだよ」
あかり「ぴええ宇宙は操り人形だったんだぁ!ここにその法則があるのぉ?」
櫻子「宇宙に存在する四つの力、重力・電磁気・弱い力・強い力」
櫻子「それらがここで生み出されて」
櫻子「素粒子やエネルギーの在り方も」
櫻子「この最小単位の世界で決められているんだ」
あかり「ぴえええええええ」
あかり「宇宙は所詮▽の下の部分の影響で動く」
あかり「操り人形でしかないんだよぉ」
あかり「あかりたちはマリオネットにすぎないんだよぉ」
櫻子「ううん、そうとも限らないよ」
あかり「そうなのぉ?」
櫻子「うん、三次元物質影響が高次元へ伝わってその影響を三次元物質に伝えてと」
櫻子「お互いが影響し合ってるんだよ」
あかり「あかりには難しくてわからないよぉ」
櫻子「うん、まだ解明されてないからね全て説明できるときが統一理論の誕生の時だよ」
あかり「ひえええ」
櫻子「だけどねあかりちゃん」
あかり「うん」
櫻子「この宇宙最小の高次元は」
櫻子「ひもの動きでしかないんだよ」
あかり「ひもってひも理論のひも?」
櫻子「うん三次元的な綱引きの時の綱みたいなヒモじゃなくて」
櫻子「絶えず形を変える高次元のヒモだけどね」
あかり「ヒモの世界?」
櫻子「そうだよあかりちゃん」
櫻子「ひもはね絶えずまわりと共振してるの」
あかり「共振?」
櫻子「お互いがお互いを感じ取ってるんだよ」
あかり「調和」
櫻子「そういうことだね」
あかり「なんだか和むよぉ」
櫻子「その共振パターンで重力・電磁気・弱い力・強い力を生み出して」
櫻子「そうして宇宙は動いているんだよ」
あかり「共振がこの世界の真理?」
櫻子「そうだよあかりちゃん」
あかり「そうなの?」
櫻子「そうだよあかりちゃん」
あかり「・・・そうなの?」
櫻子「そうだよ!!」
櫻子「命だって」
櫻子「私たちは構成している60兆の細胞の」
櫻子「重合共振体でしかないんだよ」
櫻子「分子だって調和して形を変える」
櫻子「水素が重金属になるように」
櫻子「共振はパターンを変えて世界を変化させるけど」
櫻子「だけど共振は調和しようという動きでしかないの」
分子は数十億年の共振を得て
私たちの細胞になった
酸素と出会った生命は
その猛毒を取り込んで調和することを望んだ
重力はお互いを引き寄せ
私たちは広がる宇宙の中共振し合い
お互いがお互いを受け入れようともがく
ウラニウムの「強い力」が解放され
共振が増幅した時その力は莫大なエネルギーとなって
私たちの共振を襲う
そういう反発的なものでさえ
全ては共振だよ
だからね
櫻子「だから私たちは踊りたくなるんだ」
あかり「わぁ!」
櫻子「踊ろうよあかりちゃん」
あかり「うん!ワルツだね」
櫻子「そうだよ、あかりちゃん」
あかり「わぁい!ワルツ!あかりワルツだぁいすき!」
櫻子「おいで、あかりちゃん」
あかりちゃんと櫻子ちゃんはお互いに手をとる
あの日出逢い
宇宙で初めて水素分子となった
二つのH原子のように
あかりちゃんと櫻子ちゃんは手を結ぶ
荘厳な青と激烈な赤の光が迸る
原初誕生したばかりの宇宙
その舞踏で彩るは未来へと続く共振のワルツ
あかり「あかり櫻子ちゃんのおかげで何となく理解できたよぉ」
櫻子「うん宇宙はそうやって回るから」
あかり「あかりたちは希望を願うんだね」
櫻子「いつか世界が調和したら」
世界が全てワルツへと
おわり