シャニP(以下、P) 「よし……後はアルストロメリアの皆との打ち合わせくらいか」
P 「三人とも最近よく頑張ってくれてるしな……お休みにしてもいいんだけど」
P 「……よし、打ち合わせ早めに終わらせるか」
ガチャリ
P 「ただいま戻りましたー」
大崎甘奈(以下、甘奈) 「お帰りなさいませ、ご主人様っ♪」ニコッ
大崎甜花(以下、甜花) 「お、お帰りなさい……ませ」カァ
甘奈 「ひゃー☆甜花ちゃんメッチャかわいー♪」ダキッ
甜花 「な、なーちゃん……恥ずかしいよ」カァ
甘奈 「あー隠しちゃダメだってばー!」
P 「…………」
バタン
P 「おかしい、俺疲れてるのかな」ゴシゴシ
元スレ
【シャニマス】千雪「かわいい二人はメイドさん」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1538390800/
P 「そういえば、最近千雪にももっと休むように言われたな……」
P 「……ちょっとコーヒー買ってくるか」
ガチャリ
甘奈 「もー、なんで閉めちゃうの?」プクー
P 「いや、俺入り口間違えたんじゃないかなと思って」
甘奈 「え、事務所来たんでしょ?」
P 「少なくとも、俺が知ってる事務所にメイドは居ないんだが」
甘奈 「むぅ……ご主人様ノリ悪いよー」プクー
甘奈 「甘奈、せーっかくオシャレしたのに……」
P 「……いや、似合ってるよ?正統派って感じがするし」
甘奈 「……そ、そうかな?」
P 「ああ、それは間違いない」コクリ
甘奈 「そ、そんなに自信満々に褒められると照れるよ……」テレテレ
P 「それで、なんでメイド服着て――」
甘奈 「でもね、甜花ちゃんの方がもっと可愛いんだよ!」ガチャ
P 「お、おい甘奈!?」
甘奈 「ほら、見て見て!天使みたいでしょ!?」ビシッ
甜花 「な、なーちゃん……この衣装、小悪魔だよ?」
甘奈 「メッチャ可愛いって事だから良いの良いの!」ニコニコ
甜花 「あぅ……良いのかな」
P 「…………」
甜花 「プロデューサーさん……甜花、どう?」
P 「あ、ああ……似合ってるよ」
P 「そのブリムの所の飾り、衣装と同じ奴か?」
甜花 「うん……甜花、これ好きだから」コクリ
P 「そうか……うん、甜花らしくて良いと思うよ」
P 「元が白いメイド服によく映えてる」グッ
甜花 「にへへ……褒められちゃった」テレテレ
甘奈 「だよねだよねー!甜花ちゃんホント似合ってる!」
桑山千雪(以下、千雪) 「プロデューサーさん、おかえりなさい」
P 「ただいま……千雪、聞いても良いか?」
P 「なんで二人ともメイド服着てるんだ?」
千雪 「や、やっぱり気になりますよね……!」
千雪 「えっと……そんなに込み入った事情じゃないんですけど」
―――――
甘奈・甜花 「うーん……」
千雪 「あれ、甜花ちゃんに甘奈ちゃん?お疲れ様」
甘奈 「あっ、千雪さん!お疲れ様です!」
甜花 「お、お疲れ様です……」
千雪 「はい、お疲れ様です♪」
千雪 「……なんだか難しい顔してたけど、二人ともどうかしたの?」
甘奈 「えっとね……千雪さん、メイド喫茶って行った事ある?」
千雪 「え、ええっ?め、メイド喫茶?」
千雪 「そうね……ごめんなさい、私は行った事ないかな」
甘奈 「そっかー……そうだよねー、行く機会ないもんね」
千雪 「メイド喫茶がどうかしたの?」
甘奈 「じ、実はね……文化祭でやる事になっちゃって」
千雪 「メイド喫茶を?」
甘奈 「うん……甘奈も、メイド姿の甜花ちゃんは可愛いなーって思ったんだけど」
甘奈 「いざやってみよう!って事になったら、何すれば良いのか分かんなくって……」
千雪 「そうだったの……」
甜花 「あぅ……誰か知ってる人、いないかな」
千雪 「……それなら、プロデューサーさんに聞いてみるのはどう?」
甘奈 「あっ、なるほど!そういうの、男の人は好きって言うもんね!」
千雪 「……プロデューサーさん、そういうのが好きなのかしら」ジッ
甜花 「千雪さん……顔、怖い」ビクビク
千雪 「あっ、ごめんなさい!」
千雪 「……雰囲気が分かれば良いのよね?」
甘奈 「うん……千雪さん、何か思いついたの?」
千雪 「うーん……あんまりいい案じゃないかもしれないんだけど」
千雪 「折角だから、実際にやってみると分かりやすいかなって」
甘奈 「あっ、それいいかも!一回やってれば、どういう感じかって分かるもんね!」
―――――
P 「学校の文化祭の練習、か……」
千雪 「すみません、ご迷惑でしたよね」
P 「いや、そういう事情なら喜んで協力するよ」
甘奈 「ホント?ありがと、プロデューサーさん☆」
P 「……っていっても、俺行った事ないしなぁ」
P 「どういう風にやればいいかとか分からないぞ?」
甘奈 「メイドさんがおもてなしするのがメイド喫茶なんじゃないの?」
甘奈 「なら、プロ……ご主人様をおもてなしすればいいかなーって☆」
P 「おもてなし、ねぇ……」
甜花 「が、頑張って御奉仕するから……!」グッ
P 「……そ、それじゃ頼む」
甘奈 「はーいおひとり様ごあんなーい♪」
甜花 「ご、ご案内しましゅ!あぅ……」
P 「相手はあくまで俺だからな、緊張しなくて良いんだぞ」
甜花 「が、頑張る……!」
甘奈 「ほーら、ご主人様!座って座って☆」グイグイ
P 「あぁ……なんか慣れないな」ポリポリ」
甘奈 「それじゃご主人様、ご注文をどうぞ!」
P 「注文……注文か」
P 「千雪、こういう時どういうの頼めばいいと思う?」
千雪 「そうですね……喫茶、なんですし軽食とかでしょうか」
P 「軽食か……」グゥウウ
甘奈 「もう……ご主人様、お腹鳴ってるよ?」
P 「わ、悪い……今朝食パン一枚食べたっきり食べてなくてな」ハハハ
千雪 「もう……しっかりご飯は食べなきゃですよ?」プクー
P 「すまん、次から気を付ける」
千雪 「はい、良いお返事です♪」
甘奈 「でも、そっかぁ……それなら、ちょっとでもお腹にたまるのが良いよね」
甘奈 「何が良いかなー……」
甜花 「あっ……なーちゃん、この前ドラマでやってた奴」
甘奈 「あっ、アレ?確かに、メイドさんが出してる場面あったかも!」
P 「俺には良く分からないが……そういう事なら、任せても良いか?」
甘奈 「うん!甘奈、ちょっと作ってくるね☆」
―――――
甘奈 「おっまたせー☆」
甜花 「じゃんけん、ぽんっ……あぅ」シュン
P 「あっちむいて……」グルグル
甜花 「っ……」クイッ
P 「ほいっ!」ビシッ
甜花 「あっ!……また負けちゃった」シュン
甘奈 「……あれ?二人とも何やってるの?」
甜花 「んと……ご主人様と、『あっちむいてほい』してた」ニヘヘ
P 「小難しいのよりルール分かりやすいからな」ハハハ
甜花 「でも……ご主人様、強くて」シュン
P 「甜花が素直だったからな……次向く方が何となく分かったんだ」
甜花 「それって……甜花が弱いって事?」ウルウル
P 「うーん……あっちむいてほいが強くてもそんな得する事ないと思うんだけど」
P 「……うん、素直な方が甜花らしくて良いんじゃないかな」
甜花 「そ、そう……?」
P 「ああ、俺は素直な甜花の方が好きだ」
甜花 「にへへ……そっか♪」テレテレ
千雪 「……プロデューサーさん、随分と手馴れてるんですね?」ニコニコ
P 「い、いや……別に慣れてるとかそんな事ないぞ?」
千雪 「本当でしょうか……」プクー
甘奈 「甜花ちゃん、良いなー……今度甘奈ともしようね!」
P 「あ、ああ……勿論だ」
P 「……それで、何しに行ってたんだ?」
甘奈 「えっへへ……じゃーん☆オムライス作ってたんだー!」
P 「おぉ……こりゃまた美味そうなオムライスだな」
P 「それじゃ早速……いただきま――」
甘奈 「あっ、待って!」
P 「えっ……お預けなんてずるいじゃないか」
甘奈 「ふっふーん……甘奈はメイドさんなんだよ?」
P 「……というと?」
甘奈 「甜花ちゃん、ケチャップとって!」
甜花 「うん……はい、なーちゃん」
甘奈 「ありがとー甜花ちゃん!よーし、それじゃあ……」スッスッ
千雪 「わぁ……甘奈ちゃん、上手に書くのね?」
甘奈 「えっへへ……そうかな?褒められるとちょっと照れちゃうかも」
甘奈 「……よし、でーきたっ!ご主人様、どうかな?」
P 「お、おぉ……ハートか、メイドさんっぽいな」
甘奈 「でしょー?一度やってみたかったんだ☆」
P 「……じっくり見ると、なんだか照れるな」ハハ
甘奈 「甘奈のたーっぷりの愛情、込めたつもりだよっ!」ニコッ
甜花 「…………」モジモジ
甘奈 「甜花ちゃん、どうかしたの?」
甜花 「……甜花、なんもやってない」ショボーン
千雪 「あら……」
甘奈 「大丈夫だよ甜花ちゃん!最後にとーっておきのおまじないするんだから!」
甜花 「お、おまじない……?」
甘奈 「うん!えっとね……」ゴニョゴニョ
甜花 「ふぇっ、でも……恥ずかしい」
甘奈 「甘奈も一緒にやるから、ね?」
甜花 「な、なーちゃんも……?」
甘奈 「うん、最後の仕上げ☆」
甜花 「わ、分かった……甜花も、頑張る!」グッ
P 「……俺食べていいか?冷めるとアレだし」
甘奈 「まーだ!行くよ、甜花ちゃん!」
甜花 「う、うん!……せーのっ」
甘奈 「萌え萌え~♡」ニコニコ
甜花 「きゅ、きゅん?」カァ
甜花 「あぅ……や、やっぱり恥ずかしかった」
甘奈 「そんな事ないよ、甜花ちゃんホント可愛かったー!」ダキッ
P (二人ともウチに来てくれたりしないかな)ボーッ
甘奈 「……もしもーし、ご主人様―?」
甜花 「……ひょっとして、嫌だった?」シュン
P 「はっ!そ、そんな事ないぞ!?ただ驚いてただけだからな!」ドキドキ
甘奈 「ホントかな~……?」ズイッ
P 「か、顔を近づけるんじゃあない!」
P (ダメだ、なんか緊張する!?)ドキドキ
甘奈 「あっ、照れてる~……」
甘奈 (いつもとちょっと違うプロデューサーさん……ちょっと可愛いかも♪)
千雪 「甘奈ちゃん、どうかしたの?」
甘奈 「なんでもないよー♪」
P 「……よ、よし!それじゃ食べ」
甘奈 「えっ、ダメだよ?」
P 「えっ?」キョトン
P 「……え、なんかゲームに勝たなきゃいけないとかか?」
甘奈 「まっさか、そんなイジワルしないってー!」アハハ
P 「それじゃ、一体どうして……」
甘奈 「メイドさんといえば、これでしょ?」スッ
甘奈 「はい、あーん♪」
P 「……は、恥ずかしいからやめとかないか?」
甘奈 「それじゃ練習にならないでしょ!?そ、それに……」
P 「?」
甘奈 「あ、甘奈も恥ずかしいんだから……」カァアアア
P 「…………」ゴクリ
甘奈 「ほら、ご主人様!あーんして!」
P 「あ、ああ……」
甘奈 「あー……ん」
P 「あ、む……」モグモグ
甘奈 「……どう、かな?」ドキドキ
P 「……滅茶苦茶美味いじゃないか!こんな美味いオムライス初めて食べたよ!」パァアアア
甘奈 「!そ、そっか……」カァ
P 「俺が作ったとしてもこんな美味くならないぞ……なにか隠し味とかあるのか?」
甘奈 「へっ、隠し味?」
P 「……ないのか?」
甘奈 「……えっへへ、あるよ!でも、ナイショ!」
P 「良いじゃないか、教えてくれよ」
甘奈 「ダーメ、時間かけて考えてみてね☆」ニコニコ
甘奈 (いっぱいの『愛情』、詰まってるもん♪)
甜花 「…………」ジーッ
甘奈 「……甜花ちゃん、どうかしたの?」
甜花 「て、甜花もあーん、したい……」ムスー
甘奈 「ご、ゴメンね!はい、スプーン」スッ
P 「甜花、無理しなくても良いんだぞ?」
甜花 「だ、大丈夫……」スーハー
甜花 「……はいっ、あーん」プルプル
P 「あ、あーむ……」パクリ
甜花 「ひゃぅ!」ピクッ
千雪 「甜花ちゃん、大丈夫!?」
甜花 「ちょ、ちょっと驚いちゃっただけ……大丈夫」
P 「…………」モグモグ
甜花 「……ご主人様、どう?」ジッ
P 「……ああ、美味しいよ」
甜花 「な、なーちゃんのおかげだから……」
P 「確かに、このオムライスだけでも凄く美味しいけどな……」
P 「甜花が食べさせてくれたから更に美味しく食べれたんだぞ?」
甜花 「そ、そうなの?」
P 「そう、だから甜花のおかげでもあるんだ」
甜花 「そ、そっか……にへへ」テレテレ
甘奈 「…………」プクー
P 「……甘奈?なんで膨れてるんだ」
甘奈 「……甘奈の時はそんな事言ってくれなかったじゃん」ムスッ
P 「!?いや、言い損ねただけで思ってない訳じゃ」
甘奈 「甜花ちゃん、もう一回スプーン貸して!」
甜花 「う、うんっ」スッ
P 「ほら、甘奈落ち着いて!な?」
甘奈 「『甘奈が食べさせてくれたから美味しかった』って言わせてみせるから」
甘奈 「……覚悟してよね、甘奈のご主人様♪」ニッコリ
―――――
P 「ふぅ、食った食った……」
甘奈 「ペロっといっちゃったねー?」
P 「まぁ、お腹も空いてたし……それに」スッ
P 「可愛いメイドさんが食べさせてくれたしな」ナデナデ
甜花 「にへへ……♪」
千雪 「…………」
P 「この調子なら文化祭も順調じゃ……って、千雪?」
千雪 「なんですか?」
P 「……ちょっと怒ってないか?」
千雪 「別に、怒ってないですよーだ」プクー
P 「本当か?それなら良いんだが」
千雪 「本当です!私、お皿洗ってきますね」スッ
甘奈 「えっ、そんな悪いよ千雪さん」
千雪 「良いのよ、練習続けて?」
甜花 「いいの……?」
千雪 「ええ、頑張ってね」ニッコリ
甘奈 「千雪さん、ありがとう!」
甘奈 「……って言っても、何しよう?」
P 「他に何かやる事とか決まってないのか?」
甜花 「ううん……メイド喫茶するって、決まっただけ」
P 「そうか……」
甘奈 「うーん……何かメイドさんとしたい事とかないの?」
P 「したい事?」
甘奈 「ほら、男の人ってメイドさんとか好きなんでしょ?」
P 「そりゃ……嫌いじゃないけどさ」
甘奈 「でしょ?だからメイドさんが居たらやりたい事とかないのかなーって!」
P 「やりたい事、なぁ……」
P 「……でもさ、メイド喫茶って癒される為に行くもんだろ?」
P 「そういう事なら……うん、俺としては癒しが欲しいかな」
甘奈 「癒し……癒しかー」
甜花 「どういう風に……ご主人様は、癒されたいの?」
P 「そうだなぁ……耳掃除、とか」
甘奈 「へっ?」
P 「あ、悪い……忘れてくれ」
P 「最近してないだけなんだ、気にするな」
甘奈 「でも、して欲しいんでしょ?」
P 「……そりゃ、まぁ」
甘奈 「ふっふーん……それじゃ、ちょっと待ってて!」
P 「…………?」
甘奈 「えーっと……確か、この辺に」
甘奈 「あった☆」スッ
P 「なんで今耳かき持ってるんだ!?」
甘奈 「んー、甜花ちゃんにしてあげたら気持ち良いかなーって思って」
甘奈 「でも丁度良かった、そういう事ならしてあげられるよね☆」
P 「とはいえ、アイドルに耳掃除なんてお願いするのは……」
甘奈 「もー、違うでしょ?甘奈はメイドさんなんだよ?」
P 「……分かった、お願いするよ」
甘奈 「はーい☆」
甘奈 「ほら、プロデューサーさん!こっち寝っ転がって!」ポンポン
P 「……え?」
甘奈 「どうかしたの?」
P 「……いや、なんでもない」
P (膝枕……嫌じゃないのか?)
甘奈 「ほーら、早く早く!」
P 「……それじゃ、失礼するぞ」
甘奈 「ひゃっ……」ピクッ
P 「……やっぱりやめとくか?」
甘奈 「う、ううん!全然大丈夫☆」
P (……膝枕なんて、何年ぶりだろう)
P 「……ん?」
甜花 「…………」ジーッ
P 「……じっと見られてると落ち着かないんだけど」
甜花 「あぅ……ご、ごめんなさい」
P 「……でも、そうか。耳掃除の間やる事ないもんな」
P 「何かいい案は……ふわぁ」
甜花 「……ご主人様、眠いの?」
P 「あ、ああ……仕事の疲れでも出たのかな」
甘奈 「耳掃除されながら寝ちゃっても良いんだよー?」
P 「そりゃまた、魅力的な提案だな……」
甜花 「……よし」スクッ
P 「甜花?」
甜花 「なーちゃん……後、お願いね」
甘奈 「甜花ちゃん?どこか行くの?」
甜花 「うん……甜花にしか出来ない事」
甜花 「……終わったら、呼びに来るね?」スタスタ
P 「何しに行ったんだ?」
甘奈 「甜花ちゃんにしかできない……あっ、そっか☆」
P 「?甘奈には心当たりがあるのか?」
甘奈 「まーねー☆」
P 「……教えてくれたりとか」
甘奈 「ダーメ!甜花ちゃんが折角用意してくれるんだから楽しみに待ってて!」
P 「用意?……まぁ、分かったよ」
甘奈 「ほら、甘奈たちも始めよっか!」スッ
P 「……ん?それ、さっきの耳かきか?」
甘奈 「違うよ~、最初は綿棒から」
P 「綿棒ならいつも使ってるんだが……それとは違うのか?」
甘奈 「白い奴でしょ?それとはまたちょっと違うんだって」
P 「へぇ……?」
甘奈 「動いちゃダメだよ……?」スッ
ペトペト
P 「……っ!?」ビクッ
甘奈 「あっ、もうダメだって言ったでしょ~?」プクー
P 「ちょ、ちょっと待ってくれ甘奈」
P 「その綿棒、なんかベトついてないか!?」
甘奈 「そだよ~?ちっちゃいのならこれで取れるでしょ☆」
P 「耳かきも奥深いんだな……」
甘奈 「……ホントは膝枕じゃない方が取れやすいらしいんだけど」ボソ
P 「え、そうなのか?それなら体勢変えて……」
甘奈 「い、良いから!このままで!」アワアワ
P 「いや、だが……」
甘奈 「あ、甘奈はこっちの方がやりやすいの!」
P 「そうか……分かった、続きも頼むな」
甘奈 「まっかせて☆」
甘奈 (本当は、ちょっとだけやりづらいけど……)
甘奈 「……膝枕、してあげたかったんだもん」
P 「どうかしたか?」
甘奈 「……ううん、なんでもないよ♪」
ペタ ペトペト
甘奈 「……おー、ご主人様溜まってますねー♪」
P 「そ、そんなにか……?」
甘奈 「うん、一本じゃ足りないかも」
甘奈 「もっと普段から掃除しないとダメだよ?」
P 「は、はーい……」
甘奈 「うん、よろしいっ♪」
P 「……なんか、メイドさんってか母親みたいだな」
甘奈 「もう、甘奈そんな年じゃないのにー」プクー
P 「悪い、そんなつもりで言ったんじゃないんだ」
P 「なんというか……安心感があるっていうか」
甘奈 「……そっか♪」
P 「なんで嬉しそうなんだ?」
甘奈 「えっへへ……なんでだろーねー?」ニコニコ
P 「?」
甘奈 「……よし、これでオッケー!」
甘奈 「それじゃ、今から耳かき使うねー」
P 「あ、ああ……」
甘奈 「……今度は本当に動いちゃダメだよ?」
P 「わ、分かった……」
甘奈 「すー、はー……よし」
カサカサ
P (耳の中になにか……?)
甘奈 「……っ」クイッ
P 「……っ」ピクリ
甘奈 「あっ、痛かった!?」
P 「だ、大丈夫だ……続けてくれ」
甘奈 「痛かったらすぐ言ってね?」
P 「ああ、分かった」
甘奈 「……よし」コリコリ
P (さっきより力が強くなった……!)
甘奈 「力抜いててねー……」スッ
カサ ペリッ
P 「!」
甘奈 「ふー、とれたー……プロデューサーさん、もう起きていいよ☆」
P 「ああ……どうなったんだ?」
甘奈 「うん、こーんなおっきいの取れちゃった☆」
P 「げっ、道理で聞こえづらかったわけだ……」
甘奈 「少しはマシになった?」
P 「ああ、バッチリだ」
甘奈 「……良かった♪」
甘奈 「それじゃ、反対側やるからこっち向いて寝転がって」
P 「いや、でもそれだとお腹に顔が」
甘奈 「大丈夫だから、ね?」
P 「……分かった、任せるよ」ドサッ
甘奈 「わっ……」ドキ
P 「…………」
P (……これ俺も恥ずかしいな!?)
甘奈 「あ、あんまり匂いとか嗅いじゃダメだからね?」カァ
P 「嗅がないから!じっとしておく!」
甘奈 「…………」カァアア
P (……でも、こうしてるとなんだか)ウトウト
甘奈 「プロデューサーさん?」
P 「………すぅ」スヤスヤ
甘奈 「……おやすみ、プロデューサーさん」ナデナデ
―――――
甘奈 「……終わったよ、プロデューサーさん♪」ポンポン
P 「…………ん」
甘奈 「気持ちよさそうだったねー?」ニヤ
P 「悪いな……重かったか?」
甘奈 「ううん、ぜーんぜん☆」
甘奈 「でも、折角寝てたなら……」
甘奈 (……もう少しだけ、このままでも良かったかな)シュン
P 「……甘奈?」
甘奈 「ひゃっ!?ど、どうかしたの?」
P 「甘奈こそどうかしたのか、心ここにあらずって感じだったけど」
甘奈 「べ、別にそんな事ないから!」
P 「?そうか……」
P 「それにしても、甜花は何処に行ったんだ?呼びに来るって言ってたが……」
甘奈 「甜花ちゃん、きっと寝ちゃってるんだよ」
P 「寝て……?」
甘奈 「うん、こっちこっち☆」グイグイ
―――――
甜花 「すぅ……すぅ……」スヤスヤ
P 「仮眠用のベッドで寝てるな……布団潜ってないけど」
甘奈 「きっと用意してる間に寝ちゃったんじゃないかな」
甘奈 「あんまり起こしたくないけど……甜花ちゃーん?」ユサユサ
甜花 「あぅ……あ、なーちゃん」
甘奈 「おはよう、甜花ちゃん☆」
P 「甜花、おはよう」
甜花 「あっ、ご主人様……おはよう、ございます」ペコリ
P 「何してたんだ?」
甜花 「お、お昼寝の用意……してた」
P 「お昼寝……え、昼寝?」
甘奈 「甜花ちゃんなりのベッドメイキングだもんねー☆」
甜花 「う、うん……甜花、気持ちいいお昼寝にできるように用意してたんだけど」
甜花 「て、甜花が寝ちゃってた……ごめんなさい」シュン
P 「俺の方こそ待たせて悪かったな……別に寝てても良かったんだけど」
甜花 「でも、なーちゃんも頑張ってるし……甜花も、頑張らないと」
P 「……そっか、よく頑張ったな」ナデナデ
甜花 「にへへ……」
P 「それで、お昼寝の環境は用意できたのか?」
甜花 「うん……ばっちり」ドヤッ
甘奈 「甜花ちゃん、さっすがー☆」ダキッ
甜花 「……それじゃ、ご主人様も寝てみる?」
P 「甜花お手製のお昼寝スポットは気持ちよさそうだけど……」
甜花 「気にしなくていい、から……あふ」
甘奈 「甜花ちゃん、眠い?」
甜花 「ん……」コクリ
甘奈 「そっか……」
P 「そういう事なら、甜花がこのベッドで寝れば――」
甘奈 「そうだ!そういう事なら――」
―――――
甜花 「にへへ……なーちゃんもプロデューサーさんも一緒」
甜花 「……あっ、呼び方間違えちゃった」シュン
甘奈 「もう良いんじゃない?甘奈たち、メイドさんっぽい事は十分したもん☆」
P 「……それで文化祭は大丈夫なのか?」
甘奈 「大丈夫、何となくだけど分かったから♪」
P 「……それなら、良いけど」
甜花 「プロデューサーさんも……甜花たちのお店、見に来てね?」
P 「ああ、見に行くよ」
P 「……俺入れるよな?」
甘奈 「どうだろ……頼んでみる!」
P 「不審者扱いされなきゃ良いんだけどな……」
甜花 「……あのっ、プロデューサーさん」
P 「どうした?」
甜花 「も、もうちょっとだけ……そっち寄っても、良い?」
P 「俺は構わないが……」
甜花 「や、やった……♪」ポスッ
甜花 「にへへ……あったかい」ホクホク
P 「……リラックスできるなら良かったよ」
甘奈 「甘奈もやーろっと☆」ダキッ
P 「おいおい……」
甘奈 「……だ、ダメ?」ジッ
P 「……良いよ」
甘奈 「えっへへ、やった♪」スリスリ
P 「……甘奈、最初から聞く気なかったろ」
甘奈 「プロデューサーさんなら許してくれると思ったんだもーん♪」
P 「……まったく、これじゃ落ち着いて眠れないじゃないか」
甘奈 「プロデューサーさん、ドキドキしてるの?」
P 「そりゃ、俺も男だしな」
P 「可愛い現役アイドル二人に抱きつかれたらドキドキするに決まってる」
甜花 「か、可愛い……にへへ」ニヤニヤ
甘奈 「……良かったぁ」ホッ
P 「……良かったってなんだ?」
甘奈 「なんでもないよー☆」
甜花 「……♪」スリスリ
P 「甜花はリラックスしてるな……昼寝するつもりなんだから当たり前か」ナデナデ
甘奈 「…………」ジーッ
P 「……甘奈も寝て良いんだぞ?」
甘奈 「ふぇっ?」ポカン
P 「だって、さっきから眠そうじゃないじゃないか」
P 「折角ベッドに潜ってるんだ、ゆっくり寝た方が疲れも取れる」
甘奈 「むぅ……それは、そうなんだけど」
甘奈 「……プロデューサーさんとこうする機会なんて、滅多にないんだもん」ボソリ
P 「機会……すまん、良く聞こえない」
甘奈 「良いの!気にしないで!」
P 「そうか?そういう事なら、追求はしないけど」
甘奈 「そのうち甘奈もちゃんと寝るって、大丈夫だよ☆」ニッコリ
P 「……ん、いい子だ」ナデ
甘奈 「えっへへ……♪」テレテレ
P 「……それにしても、懐かしいな」
甘奈 「懐かしい?」
P 「あぁ、親子3人川の字で寝た事を思い出してな」
P 「あの時はまだ小さかったんだけどな」ハハ
甘奈 「へぇ……甘奈、プロデューサーさんの子供の頃の話なんて初めて聞いたかも」
P 「面白い話じゃないからな、特にする機会がなかっただけだ」
甘奈 「……甘奈、聞いてみたいなー」
P 「……ホントに面白みのない話だぞ、良いのか?」
甘奈 「それでも、聞いてみたい事ってあるでしょ?」
P 「……分かった、また時間が合ったらな」
甘奈 「……うんっ!」
甜花 「すぅ……」スヤスヤ
P 「……娘二人、俺には勿体ないな」ナデナデ
甘奈 「へっ、娘……?」
P 「…………ぐぅ」スヤスヤ
甘奈 「……寝ちゃった」
甘奈 「娘、娘かぁ……」
甘奈 「……甘奈、お嫁さんが良かったなー」ツンツン
P 「んくっ……」
甘奈 「ふふっ、変な顔……」
甘奈 「……これからもよろしくね、プロデューサーさん」
―――――
七草はづき(以下、はづき) 「すみません、千雪さん~手伝わせてしまって」
千雪 「いえいえ……このくらいはお安い御用ですよ」
千雪 「私とはづきさんの仲じゃないですか」
はづき 「そう言って貰えると助かります~」ニッコリ
はづき 「でも、良かったんですか?さっき、何かユニットで打ち合わせをしてたんじゃ……」
千雪 「大丈夫ですよ、プロデューサーさんがいますから♪」
はづき 「……それもそうですね~」ニッコリ
千雪 「それじゃ、私そろそろ戻りますね」
千雪 (甘奈ちゃんも甜花ちゃんも……上手くやれてるかしら)
千雪 「……あら?誰も居ない?」
千雪 「どこ行ったのかしら……」
千雪 「お昼寝でもしてるのかしら」トコトコ
ガチャリ
千雪 「プロデューサーさ――」
P 「……ぐぅ」スヤスヤ
甜花 「にへへ……♪」ダキッ
甘奈 「えっへへー……♪」ダキッ
千雪 「…………」ポカーン
千雪 「……もう、仲良しなんだから」クスッ
おしまい
69 : ◆SESAXlhwuI - 18/10/01(月) 21:26:01 K3a 67/67という事で大崎姉妹ssでした、ここまで読んでくれた方ありがとうございました
初おーぷんなので拙い点はご容赦
お世話の腕はピカイチだけど甘える時はワガママななーちゃんに甘えられたい人生だった