~某駅前ロータリー~
モバP「だから、言っただろ? 765プロの先輩プロデューサーさんと飲むだけだって」
P(なぜか待ち合わせ場所にモバPと人気急上昇中のアイドルが居る…)
凛「…………」
P「はじめまして、渋谷凛さん」
凛「…渋谷 凛です」
P「あぁ、ゴメンね。初対面なのに馴れ馴れしくて。改めまして、765プロのプロデューサーのPです。名刺もどうぞ」
凛「…こ、こちらこそ、少し無愛想ですみません。モバPに担当してもらっている渋谷凛です。私のプロデューサーがお世話になってます」
P「いえいえ、ただの飲み友達ですよ(私の、か…)」
モバP「すみません。先輩と電話で飲み屋の話をしてたのを聞いてたみたいで急に一緒に行く、とか言い出して…」
P(ほほぅw)
P「でも、女の子と一緒だと入れないぞ」
凛「!!」
モバP「えっ!?」
P「入れない事は無いかもしれないけどスキャンダルになって写真週刊誌の一面を飾ったり、とか?」
凛「!!! 」
モバP「えっ!? 」
凛「…そんな所に行こうとしてるんだ、男2人で…」
P「他にも匂いが付いたりするし前みたいに朝までとかは勘弁してくれよな」
凛「……匂いがつく程密着したり朝までずっと一緒とか…」
モバP「えぇ~!?」
P「未成年の女の子に居酒屋はどうかと思うぞ。まぁ、ソフトドリンクとかもあるし食べ物は普通に美味しいけどな」
凛「えっ!?」
モバP「ですよね。なんか いかがわしい店のような言い方でびっくりしましたよ。ってか、凛はなんでそんな反応なの?」
P「多感なお年頃なんだからあんまり突っ込むなよ」
凛「つ、突っ込む…///」
モバP「顔が赤いけど大丈夫か?」
P「冗談でキャバクラとかそういう系を想像するように言ってみたけどBL系の方がお好みっぽい」
モバP「えっ!? そうなの? そうなの? 凛!」
凛「ち、違うから!たまたま!たまたまだから!」
P「天下の往来で人気急上昇中のアイドルがその単語を連呼はマズイよ?」
凛「///」
ピロリ~ん♪
モバP「恥ずかしがる凛の写メGet!!」
凛「……何してんの? 怒るよ!」
モバP「まぁまぁ、経緯は大体わかるから。腐女子のあいつか、同人誌描いてるあいつだろ?」
凛「なんか事務所のデスクに薄い本があって…」
P「手に取って見てみた、と」
凛「はい…」
モバP「よし、あの2人はちゃんと叱っておくから」
P「アッー!的な?」
凛「?」
P「今、この瞬間 凄まじいジェネレーションギャップを感じた…」
凛「表紙は高木×黒ちゃん、とか…」
P「」
モバP「?」
P「ゴメン、マジでゴメン…」
モバP「まさか…」
P「多分、うちの事務員…」
凛「スミベタの真っ黒でよく見えなかったので…」
P「あー、なんとか不幸中の幸い、なのか?」
モバP「とりあえず居酒屋行きましょうか」
凛「だね…」
P「えっ!?」
モバP「えっ!?」
凛「えっ!? ダメなの?」
P「う~ん… お酒を飲まなかったら良いんじゃないか? モバPも居るし」
モバP「念の為に言っておくけど俺と先輩はソレ系の店に行った事無いからな」
凛「……」ジー
P「さらに付け加えるとBL的な関係でも無いから」
凛「く、くわえる…///」
モバP「重症かも…」
P「なんか懐かしい感じだなぁ。思春期かー」
モバP「クールが売りの凛が先輩に翻弄されてる…」
P「って事は凛ちゃんはモバPの上着をクンカクンカはもうしたの?」
凛「えっ!? それはまだ…」
モバP「まだ!?」
P「するつもりではいる、と?」
凛「ち、違うの! 忙しく動き回ってるから汗臭かったりしないか心配で! 私の担当プロデューサーなんだから周りにも気を使って欲しいし!」
P「という訳だ。冬でも毎週、夏場は3日ぐらいでクリーニングに出せよ。ね、凛ちゃん」
モバP「わかりました。凛もありがとうな」
P「ナデナデしてあげたら?」
凛「!?」
モバP「あー。でも、そういうの嫌がりますよ。なぁ、凛」
凛「……しても……いなら……れば?」
モバP「ん?」
凛「どうしてもしたいならすれば!」
モバP「なんでキレてるんだ?」
凛「するの? しないの?」
P「また、アイドルらしからぬ発言 頂きましたー」
凛「…///」
モバP「とりあえず、人目につくんで居酒屋に入りましょうか?」
P「だな。まだ早い時間だけど打ち合わせ的な感じで店の方に話は通しておくよ。個室だし業界の人も御用達の店だから大丈夫だろう」
凛「個室…」
モバP「凛が居るから個室なんだぞ。普段はチェーン展開してる安くて美味しい居酒屋とかだからな」
P「凛ちゃんが引っかかってるのは多分、ソコじゃないぞ」
~居酒屋 個室~
モバP「先輩はビールで良いですか?」
P「やっぱり最初はビールだな。凛ちゃんはオレンジジュース?」
凛「…いつからちゃん付けになったかわからないくらい自然…」
P「そこらへんはまぁ、色々ね」
凛「…ノンアルコールカクテル」
P「カクテルって付いてるけどジュースだからね、凛ちゃん」
凛「……」
モバP「お姉さ~ん! 生中二つとノンアルコールカクテル一つ、あと枝豆に焼鳥盛り合わせと大皿サラダお願いします!」
モバP「デビュー当時は超クールだった如月千早ちゃんを担当してだけありますね」
凛「…765プロの歌姫」
P「千早なぁ。クールというか…歌が好きでそれ以外はほとんど嫌いで歌だけを見てその他は見ないようにしてたな」
モバP「最近はすっかりまるくなったというか柔らかくなりましたね、雰囲気が。たまにテレビ局で会いますけどこの前は挨拶されましたよ」
P「親友と事務所の仲間のおかげで色々良くなったよ。前は絶対拒否してたグラビアも出てくれるようになったし。ツインテールに白と青のミニワンピで手でハートマークだぞ!」
モバP「あれは可愛かったですよね!」
P「なんかネテロ会長を思い出した」
モバP「それは駄目でしょ!」
凛「……最低」
店員「お待たせしました~」
P「来た来た。じゃあ乾杯!」
モバP「くぅ~!」
P「これにて完結ですw か?」
凛「ンフッ」
モバP「またか! あいつの悪影響か?」
凛「…ほむらのコスプレ勧められた」
P「イイね!」
モバP「絶対コスプレしないと思いますけど」
P「そこは仕事の都合でしょうがなく、必然的に~みたいな?」
凛(絶対にしないから!)
モバP(こいつ…直接脳内に!)
モバP「しないようです」
P「ツインテールは?」
モバP「あっ! それは凄く見てみたい!!」
P「絶対似合うよ! しぶりん!」
凛「凛ちゃんからしぶりんに…もう好きに呼べばいい…」
モバP「一回だけで良いから! 一回だけ! ホントに! 先っちょだけで良いから!」
P「後半なんか違うぞ」
凛「…んな……いなら……て……げる…」
モバP「ん? なになに?」
凛「そんなに見たいなら見せてあげるって言ってんの! は、恥ずかしいから二人きりの時だけだよ…」
モバP「またキレた!?」
P「アイドルにあるまじき発言Part3! 今回は予測出来たのでー」
ピッ
ICレコーダー「そんなに見たいなら見せてあげるって言ってんの! は、恥ずかしいから二人きりの時だけだよ…」凛ボイス
凛「!?」
モバP「!」
P「このICレコーダーのしぶりんボイス入りマイクロSDカードを!」
モバP「言い値で買います!!」
凛「…引退する…アイドル辞める…」
モバP「ちょ…おま…」
P「という事で! 誰かが幸せになれば代わりに誰かが不幸になるのは俺としても意図する所では無いのでー」
モバP「この場を丸く治める提案があるんですか?」
凛「……」
P「しぶりんのツインテールをこの目で拝めたのならこのしぶりんボイスは消去しよう! 俺はしぶりんのツインテール姿が見れてモバPはしぶりん引退を阻止しぶりんも引退しなくて済む! 誰も損をしない、Win-WinならぬWin-Win-Winの関係!」
モバP「しぶりん って言いたいだけなんじゃないですか?」
凛「…髪を縛るヘアゴムとかリボン無いし」
P「備えあれば憂いなし! ここに黒のヘアゴムと白いレースのリボンが!」
モバP「なんで持ってるんですか?」
P「リボンといえば」
ICレコーダー「天海春香ですっ!」
春香ボイス
モバP「ICレコーダーを活用して楽しんでますね~」
凛「二人は得するけど私は得しない…」
ピッ
ICレコーダー「そんなに見たいなら見せてあげるって言ってんの! は、恥ずかしいから二人きりの時だけだよ…」凛ボイス
P「この音声を電子の海に消し去るというのに?」
凛「わかった! わかったから再生しないで!」
P「しぶりん、はいヘアゴムとリボン♪」
凛「…写メ禁止ね。撮ったら怒るよ」
モバP「動g 凛「動画も禁止!」
P「写メと動画の禁止。その二つの条件は必ず守ろう、しぶりん」
凛「…じゃあ洗面所で髪形変えてくる」
パタン
モバP「先輩、凛をからかい過ぎですよ~」
P「ゴメンゴメン、なんか楽しくなってきてな」ガサゴソ
モバP「何やってるんですか?」
P「ん? カメラの用意」
モバP「撮るの禁止されてますけど?」
P「写メと動画はな。これはフィルムを使うカメラだし。お前はツインテしぶりんの写真欲しく無いの?」
モバP「欲しいですけど…」
P「じゃあ、しぶりんが来たら可愛い可愛いと褒めまくれ。喋る隙を与えないで押し切るんだ」
凛「…ただいま」
P「おー、想像以上に可愛い!な! モバP!」
モバP「凛、凄く可愛いよ! 今まで見た中で1番可愛いかも!」
凛「///」
モバP「ホントに可愛い!」
凛「…カメラがあるのはなんで?」
P「可愛いしぶりんの写真を残す為さ!」
凛「…写メと動画じゃないから…って事?」
P「さすが賢い、賢くて可愛い!」
モバP「絶対誰にも見せないから!」
凛「騙された感が凄まじいけど良いよ…ホントに誰にも見せないでね」
P「なんか諦めた?」
凛「…敏腕プロデューサーには勝てないなと思っただけ」
P「アンニュイな表情で遠くを見てるしぶりんマジ天使!」
~15分後~
P「高感度フィルム三本使い切ってしまった」
モバP「撮影しだしてからノリノリだったな、凛」
凛「…どうせ撮るんならちゃんとしたかったし」
P「じゃあ約束通り、データは消去しよう」
~データ消去~
モバP「あっ!」
凛「…なに?」シュルシュル
モバP「ツインテール取っちゃった…」
凛「ま、また見たかったら事務所で…誰も居ない時にね」
ピッ
ICレコーダー「べ、別にアンタの為じゃないんだからね!」伊織ボイス
凛「ツンデレとかじゃないし!」
P「クールらしいけどパッションぽいよなー、しぶりん」
モバP「たまにそんな意見を聞きますね」
P「でも、しぶりんはしぶりんらしく。良い所も悪い所も全部含めてしぶりんだからな」
凛「…今日、初めてのプロデューサーっぽい発言だね」
P「一応、プロデューサーだからな」
モバP「さっき撮った写真はいつ出来ます?」
P「明日にでも撮影スタジオに行くからその時にやってもらうよ。信用出来る人だから写真が流出とかは無いし安心してくれ」
モバP「あっ! 先輩に渡す物が有ったのを忘れてた」ガサゴソ
P「そう言えばなんか言ってたなー」
モバP「うちの事務所のアイドル達のトレーディングカードですよ。サンプルなんでファイルに入ってますけど」
凛「…なんで? 765プロも出してるよね?」
P「今ある物だけで満足せずに常に上を目指す事も時には必要なんだよ。その為の市場調査の一環かな?」
凛「…また、プロデューサーっぽい」
P「プロデューサーだから! それにしても、しぶりんのしか無いな」パラパラ
モバP「事務所の中で他のプロデューサーと交換して凛をコンプリートしました」
P「トレーディングカードたる由縁だな」
凛「…なんで私だけなの?」
モバP「凛のプロデューサーだから」
凛「…そ、そう…///」
P「なかなか良いね。しぶりんが可愛いのもあるけど日常生活の写真もあるのが良いな」
モバP「かなりリアルに近い設定で企画したんでこの花屋で犬を抱いてるのは凛の実家ですから」
P「しぶりん、実家は花屋さん?」
凛「…そう。抱いてるのはハナコ」
P「花とかよく買うからしぶりんの花屋さんをこれから使わせてもらうよ。行ったらハナコ触らせてな」
凛「あ、ありがと。ハナコも毎日居るから大丈夫…」
モバP「これ、花屋の住所です」ピラッ
P「このトレカのファイル借りて良いか?」
モバP「プレゼントしますよ。同じのがあと3セットあるんで」
P「しぶりん愛凄いな。色々参考にさせてもらうよ」
モバP「そろそろ未成年はマズい時間になるんでお開きにしましょうか?」
P「じゃあ、解散しよう。しぶりんもお疲れ様!」
凛「…い、いろんな話が聞けて面白かったよ」
モバP「いじられただけだけどなー」
P「しぶりんはもっともっと高みを目指せるポテンシャルはあるはずだから牽制だよ、あはは。もう少ししてから帰るから先に帰って良いぞ」
モバP「ご馳走さまでした」
凛「ご馳走さまでした」
~居酒屋 個室~
P「まっすぐ帰ってしぶりんとうちの事務所のアイドルと絡む企画でも考えるとするか!」
おわり