<ごらく部室>
京子「みなさんに質問があります」
結衣「なんだよ急に」
ちなつ「どうしたんですか」
京子「私のこと、ものすごく可愛いと思いませんか?」
ちなつ「へ?」
結衣「なっ…!!」
京子「ありえないくらい美少女だと思いませんか?」
ちなつ「何言ってんですか…」
元スレ
京子「歳納京子ちゃんは超絶可愛い!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327673684/
ちなつ「たしかに、黙ってればそれなりに…ですけど」
京子「本当に!?やったーーーー!!!」
京子「じゃ、じゃあ結衣は!?」
結衣「うっ」ドキ
京子「結衣は私のこと可愛いって思ってくれてる!?」キラキラ
結衣「……」
結衣「まさかー、京子はガキっぽいからなー」ハハハ
結衣(言えるわけないだろバカ)
結衣「ははは……お、おい?」
京子「」ズーン
あかり「落ち込まないで!あかり、京子ちゃんはすっごく可愛いと思うよぉー」
京子「あかり…」
ちなつ「それにしても何なんですか急に、自己愛に目覚めましたか?」
京子「いや、私の可愛さはずっと前から自覚してたよ」キッパリ
ちなつ「完全ナルシストじゃないですか」
京子「他にも絵とか得意だし、歌もうまいし」
京子「性格も明るくて実はしっかり者」
京子「なのになんで」
京子「どうしてみんな、こんな美少女を放っておくんだよー!!」ドーン
京子「こんなハイスペック少女が身近にいるのに!」
京子「普通なら誰かから告白の一つでもあってしかるべきではないのか!」
京子「どうなんだ結衣!!」ビシッ
結衣「えっ」
京子「お前は14年も私の何を見て来たんだ!!」
結衣「何って…」
京子「ずっと私と一緒にいて、こうは思わなかったのか!?」
京子「『人形のように可憐な歳納京子ちゃんを独り占めしたい』と!!」
結衣(まあ…思ってないこともないけど…)
ちなつ(今日の京子先輩、キャラを見失ってる…)
京子「私はずっと待ってたんだぞ!!」
京子「容姿端麗であり続けるために常に努力しながら!!」
京子「誰かが私の華麗さに憧れて告白してくる時を!」
京子「そしてそれは…」チラ
結衣「…」
京子「船見結衣!」
京子「お前だと思っていたんだがな…」
結衣(何これ、遠回しに告白されてんのか?私)
京子「だが結衣、もうお前には失望した」
京子「私があれほどアプローチをかけたというのに…」
京子「お前が部屋に泊めてくれた時」
京子「正直『もらった』とまで思ったのに…」
結衣「きょ、京子っ、あの…」
京子「私の容姿を評して、ガキっぽいなどとほざくとは…」
京子「お前は一生ブドウを天日に干しているのがお似合いだ!!」
結衣(なんだそれは…)
京子「さて、あかり、ちなつちゃん」
京子「君たちは合格だ」
京子「歳納ハーレムへ加わる権利を与えよう」
ちなつ「歳納ハーレム!?」
あかり「わぁーい!!」
ちなつ「ちょ、あかりちゃん、喜ぶところじゃない!!」
あかり「なんで?」
ちなつ「だってハーレムでは常に全裸で、主の欲望を満たすために奉仕しなくちゃいけないのよ!」
京子「ちなつちゃん、それ偏見だから…」
京子「私が目指すところのハーレムとは」
京子「哀れにも私の魅力に気付いてしまい、胸を苦しめている者たちを囲うための場所」
京子「結衣は俗世の毒にやられて、私という美しさがわからなくなってしまった」
京子「二度とこのような悲劇を繰り返さないために」
京子「君たちはハーレムという聖域に隔離しておかねばならない」
結衣(ダメだこいつ頭やられてる)
京子「私の親友、諸君らの愛してくれた船見結衣は死んだ、何故か!」
結衣「死んでねえよ」
京子「坊やだからさ」フッ
結衣「聞けよ」
京子「さて」
京子「私は生徒会に行ってハーレムを拡大してこよう」
京子「結衣、残念ながらもうお前と会うことはないだろう…」
京子「最後にひとつ言っておこう」
結衣「…?」
京子「ブドウを天日に干したら、ラムレーズンを作って私に送れよ」
結衣「そもそもそんな作業しねえよ」
京子「さらばだ!」ダダダダ
結衣(どうなってんだ…)
<生徒会室>
綾乃「~♪」
千歳「どしたん綾乃ちゃん、機嫌ええなー」
綾乃「今日は星座占いで1位だったのよ、おかげでいい1日だったわ」
千歳「へえー、じゃあ歳納さんとの恋愛運も…」
綾乃「ちょっ!何言ってんのよっ!!」カアアァ
綾乃(そういえば…今日はアイツと会話してない…)
ガラッ
京子「綾乃いるー!?」
綾乃「!?」
千歳「あっ、来たで!!!」キラーン
綾乃「と、歳納京子ぉー!! 何しに来たのよっ!!」
京子「綾乃、私のハーレムに入って?」
綾乃「いったい何言ってるのっ……ハーレム?」
京子「うん、綾乃も私のこと可愛いと思うでしょ?」
綾乃「ちょっちょちょななななっ」アワアワ
綾乃「何てこと言ってるのよぉー!!」ダッ
ダダダダダダダ
京子「あっ綾乃!どこ行くんだよー!」ダッ
千歳「 」ブシュウウウ ビグッビグッ
櫻子「い、池田せんぱーい!!」
綾乃「し、死ぬかと思ったわ…」ハァハァ
綾乃「それにしても急にどうしたのよアイツ…、は、はーれむ…とかっ…」
綾乃「思わず逃げ出しちゃったけど…」
京子「おーい綾乃どこー!?」
綾乃「!!」ビクッ
綾乃「どうしよう、見つかっちゃう…」
綾乃(いや、でも見つかった方がいいのかしら…)
綾乃(なっ、何考えてるのよ私!!)ダッシュ
ダダダダダ
京子「あっ、綾乃いた!待て―!!」
<学校の外>
結衣「……」トボトボ
結衣「京子に…正直に言ったほうがよかったかな」
結衣「本当は、ものすごく可愛いって思ってるんだけどな」
結衣「…」
結衣「何言ってんだ私」
結衣「あんな自意識過剰な奴に絶対言うもんか……ん?」
綾乃「いやああああ何で追いかけてくるのよー!」
京子「はーれむー!!」
結衣(なんかこっち来たー!)
綾乃「ふっ船見さん!助けてえ!」
結衣「お、おい綾乃…!」
京子「へへへ…さあ結衣、綾乃をこっちに渡せ―!」
結衣「ダメだ!綾乃が迷惑してるのわかんないのか!」
京子「いーや!綾乃は私のハーレムに入りたいはずだー!」
綾乃「!」
京子「だって綾乃、私のこと可愛いって思うだろー?」
綾乃「お…思う…本当に可愛い…」モジモジ
結衣(綾乃…どんだけ簡単に落ちるんだ)
京子「そうかー綾乃も私が好きか―!」
綾乃「うん…」ポッ
京子「じゃー行こう!大丈夫、ずっと綾乃の面倒見てあげるから!」
綾乃「やだっ…歳納京子のくせに…」ポワァー
綾乃「でも…全裸にケモノ耳でご奉仕とか、そういうのも…」
結衣「綾乃もなんか勘違いしてるぞ」
京子「ふっ、結衣も今さらうらやましくなったかー」
結衣「なっ」
結衣「確かに…」
京子「蟹?」
結衣「確かに私はお前のことを可愛いと思ってたけど!」
結衣「ハーレムを作るとか、いつもの京子らしくない!」
京子「結衣…」
京子「すっごくうれしい!」
京子「やっぱり結衣も可愛いと思ってくれてたんだ!」
結衣「う…」ドキ
結衣「だからってお前の…ハーレムに入るつもりなんてない!」
京子「大丈夫!結衣は本妻だから!特別扱いだよ!」
結衣「本妻?」
京子「そう!だから結衣も!」
結衣「そ、そんなこと言われたって…」
京子「寵愛してあげるぞー?」ニヤリ
結衣「お前、いい加減に…」
京子「んー?」
結衣「よろしく…お願いします…」モジモジ
<数日後 1年教室>
向日葵「歳納先輩のハーレム…すさまじいことになってますわね」
櫻子「七森中の大半が支配されるとはなー」
向日葵「それにしても一体どういうおつもりなんでしょう…」
櫻子「確かに歳納先輩はすっごく可愛いけどねー、私も加入しちゃおっかな」
向日葵「まあ櫻子なんか比べものになりませんものね」
櫻子「なっ!こっちのセリフだっつのー!この魔人!」
向日葵「何ですって!?」
櫻子「むむむむ…!」
櫻子「むむむ…あれ?杉浦先輩だ」
向日葵「本当ですわ…って」
綾乃「京子ぉ~京子ってばぁ~」トローン
向日葵(骨抜きになってますわ…)
向日葵「あっ、今度は船見先輩」
結衣「……」スタスタ
櫻子「船見先輩は普通だね」
京子「おーい結衣ー」
結衣「にゃーん!!」
櫻子・向日葵(!!!!!?)
向日葵「キャラ崩壊の極みですわね…」
櫻子「歳納先輩恐るべし…」
向日葵「杉浦先輩のレベルを超越してましたわ」
櫻子「よっぽど愛情を表現したかったんだねー」
あかり「あっ、櫻子ちゃん向日葵ちゃん」
向日葵「あら赤座さん、ご覧になりました?歳納先輩の…」
あかり「京子ちゃんの?」
櫻子「そう、先輩のハーレム大変なことになってるよ!」
あかり「そうだねぇー…でもあかり、京子ちゃんは好きだけどハーレムとかは良くわかんないんだぁ」
櫻子「まあ、あかりちゃんにはわかんないよね」
あかり「ひどい!?」
あかり「そうだ櫻子ちゃん向日葵ちゃん」
向日葵「どうしましたの?」
あかり「京子ちゃんの髪の毛ってすごくサラサラなんだよぉ」
櫻子「へ?」
あかり「他にも目が大きくてキラキラしてて笑った顔がすっごくかわいいんだぁ」
向日葵(さ、櫻子これって…)チラ
櫻子(ひ、向日葵ぃー…)チラ
あかり「絵が歌が匂いが服が足が鼻が髪の色が声が歯並びが肌が喉が」
櫻子(あかりちゃんがおかしくなっちゃった…!)
京子「あっ、おーいあかりー」
櫻子・向日葵「!!」ビクッ
京子「部室行くぞー」
あかり「京子ちゃーん!どっきゅーん!ずっきゅーん!」
ダダダダダ ガバッ
京子「おいー抱きつくなよー」ハハハ
櫻子「間違いなく」
向日葵「赤座さんまで虜にされてしまっていますわね…」
ちなつ「京子せんぱーいっ!!」
櫻子「ちなつちゃん!?」
向日葵「吉川さん、どこから出て来たんですの…」
京子「おーちなつちゃーん」
ちなつ「もー、ちなちゅって呼んでくださいってばー!それより早く私を舐めまわしてくださいー!」
京子「ははは、ちなちゅは大胆だなー」
ちなつ「いやーん」キャアアアア
あかり「京子ちゃん、あかりのことも弄んでよぉー!」
櫻子(アカン)
向日葵(出来上がってしまっていますわ)
京子「ほらー部室行くぞふたりともー」
あかり「わぁーい」
ちなつ「やーん」
櫻子(歳納先輩怖い…)
向日葵(赤座さんに吉川さんまで…、どんな魔法を使ったんですの…)
京子「あっ」
京子「生徒会1年生ちゃんたち!」
櫻子・向日葵「!」ビク
京子「君たちも私のハーレム、どうかにゃー?」
向日葵「え…」
向日葵(言い方は可愛らしいですけれど)
向日葵(裏にものすごい威圧感を感じますわ…)
向日葵(返事次第では…私たちまずいですわよ櫻子)
櫻子「あっ別に大丈夫です、ごめんなさい」ペコリ
向日葵(この娘!!)
京子「そっかー残念、じゃあ行こっか」
櫻子「おつかれさまでーす」
向日葵「……」
向日葵「あなたバカじゃないですの!?」バチーン
櫻子「!?」
櫻子「なんで叩くんだよおー」
向日葵「あなた、物をハッキリ言いすぎですわ!」
向日葵「明らかに歳納先輩、裏で何かしてますわよ!」
櫻子「ええー!」
向日葵「でなきゃ赤座さんたちが、あんなになるなんて考えられませんわ!」
櫻子「そ、そうだけどー…」
櫻子「でも歳納先輩、普通だったじゃーん」
向日葵「ま、まあ確かに…」
櫻子「歳納先輩は悪いことする人じゃないよ!だから大丈夫だっ!」バーン
向日葵「また根拠もなく…」
向日葵「でもまあ、歳納先輩が悪事をなさっているとは考えたくありませんわね」
向日葵(先輩と櫻子って似たところがありますし)
向日葵(悪い方ではないと思うのですが)
向日葵「じゃあどうして…」
櫻子「カモン向日葵」
向日葵「へ?」
櫻子「歳納先輩が何やってるか突き止めるんだろー?」
向日葵「そりゃあ知りたいところですけど…どうやって?」
櫻子「只今よりごらく部室への潜入を行います」
<ごらく部室 入口>
櫻子「というわけでやって参りました、ここが先輩の愛の巣です」
向日葵「なんでリポート風なんですの」
櫻子「ここに絶対に何か秘密があるんだよ」
櫻子「あかりちゃんがあんなにメロメロになるなんて変だよ!ちなつちゃんはともかく」
向日葵「あなた吉川さんを軽い女扱いしてません?」
櫻子「そんなことないってば!ほら行くぞー…ん?」ドン
櫻子「足元に何かある…?」チラッ
千歳「」ゴロン
向日葵(いやああああああああああああ)
櫻子「い、池田先輩!?」
向日葵「」ガタガタ
千歳「」グターッ
櫻子「よかった…鼻血の出し過ぎで気を失ってるだけみたい」
向日葵「あ、安心しましたわ…」
向日葵「池田先輩…いつも妄想で鍛えていらっしゃるのに」
櫻子「ふむ、名探偵櫻子はよっぽどスゴイことが行われていると見たー!」バーン
向日葵「誰でも気付きますわ…、しかもアバウトな推理ですし」
櫻子「とりあえず中を覗いてみよう」
向日葵「お気をつけなさいよ」
櫻子「」コソコソ
櫻子「」ジー
向日葵「……」
櫻子「」ジー
向日葵「ど、どうですの…?」
櫻子「と、歳納先輩が…!!」
向日葵「…!」
櫻子「いない」キリッ
向日葵「ふざけないでくださいます?」
向日葵「じゃあどこへ…」
『いやあああああああ』
櫻子・向日葵「!!!」
櫻子「今の…」
向日葵「杉浦先輩の声ですわ!」
綾乃『やめてえええええええん』
櫻子「庭の方だ!行くよ、向日葵!」ダッ
向日葵「ものすごい妖艶な声出てますわ…先輩」
櫻子「杉浦先輩!!」ザッ
向日葵「どこですの、杉浦先輩!!」
京子「まんまとかかったなー、君たちー」
櫻子(後ろに…!!)
綾乃『あっはーん、うっふーん』
綾乃「こんな声色を使えばあなたたちをおびき出すことなんて、簡単マンハッタンよ!」
向日葵「杉浦先輩…!」
京子「歳納ハーレムの秘密を探りに来たみたいだけど、それは無駄だよ」
向日葵「ど、どうしてですの…」
綾乃「それは『愛』だからよ!!」ビシィ
向日葵「愛…?」
綾乃「そうよ、見なさいこの愛くるしい歳納京子の姿を!!」
京子「えっへん」バァーン
綾乃「こんなに可愛かったら、愛情があふれて困っちゃうチャオプラヤ川に決まってるじゃない!!」
京子「もー綾乃、京子って呼んでよー」
綾乃「きょ、京子…」ポッ
向日葵「ちょっと待ってくださいます!?」
向日葵「杉浦先輩に関してはその理由で納得ですが、赤座さんたちは何なんですの!?」
向日葵「赤座さん、尋常ではないメロメロっぷりでしたわ」
京子「あかりもちなつちゃんも私にゾッコンだったんだよー」
向日葵「そんな様子はありませんでしたが…」
向日葵「あなたもおかしいと思いますわよね、櫻子!」
櫻子「…愛」
向日葵「櫻子?」
櫻子「あ、愛…!!」
向日葵「櫻子…まさか櫻子!!」
櫻子「愛!!杉浦先輩かっこいいー!!」
向日葵「へ」
櫻子「さすがっす!!いかしてますよ!!」キラキラ
京子「そーだろー、じゃあちっぱいちゃんも歳納ハーレムに…」
櫻子「あっそれはお断りします」
向日葵「あなたブレませんわね」
綾乃「ハーレム入りを断るとはいい度胸ね!」
綾乃「そんなの、いくら大室さんでも許さないわ!」
綾乃「きょ、京子の可愛さを認めなさいよ!!」
櫻子「そう言われても―」
向日葵「そうですわ!いくら歳納先輩が可愛いからって…っ!?」グラァ
向日葵(くっ…!)クラッ
向日葵(可愛いと言った瞬間に強烈な目まいが…?これは…)
櫻子「ひ、向日葵?どうしたの…?」
向日葵「な、なんでもありませんわ…」
向日葵(一体なんでしたの…さっきのは)
綾乃「聞き分けのない後輩ね…仕方ないわ」
綾乃「船見さん、この二人をこらしめてあげて!」
向日葵「船見先輩!?」
結衣「……」フラァ
向日葵「くっ、すさまじい威圧感ですわ」
向日葵「船見先輩…ずっと歳納先輩と一緒だっただけにすごく強そう」
櫻子「よーし向日葵、その胸のおもりを外して本気を…」
向日葵「外せませんわ」
櫻子「片方50kgある自慢のパワーチェストを投げ捨てろ―!」
向日葵「何言ってますの」
結衣「…」ジリ
向日葵「くっ…!」ズサッ
結衣「にゃーん!!!京子ー!!!」
櫻子「へ」
結衣「きょうこーきょうこおー」
綾乃「なっ、なにやってるのよ船見さん!早くあの二人を…」
結衣「やだ、離れたくない、京子のそばにいたい」
京子「そうかーよしよし」ナデナデ
結衣「きょうこー」スリスリ
向日葵「戦闘力ゼロでしたわ」
櫻子「うん」
綾乃「こうなったら私が…!」
京子「綾乃、力任せはよくないよ、話し合いで解決しよう」
綾乃「う、うん、わかったわ」
京子「ねーねー二人はさー」
櫻子・向日葵「…!」ゴクリ
京子「私のこと『可愛い』って思うでしょー?」
向日葵(歳納先輩、やけに『可愛い』という言葉を強調しますわね…)
向日葵(それにさっき私が感じた目まい…もしかして!!)
向日葵「いけませんわ櫻子!その質問に答えては!」
向日葵「おそらく『可愛い』という言葉で発動する催眠術のようなっ…!」
櫻子「そうですねー先輩は可愛いですよー」
向日葵「なっ」
櫻子「すっごく可愛いと思いますよー」
向日葵「ちょ、櫻子っ…!」
京子「そうだろそうだろー、じゃあ私の」
櫻子「だからハーレムはいいですってばー」キッパリ
京子「!?」
京子「またまたご冗談を」ホホホ
櫻子「毎日3食ステーキとお寿司!あとお菓子たくさん出してくれるなら!」
向日葵(交換条件…しかも食べ物ですわね…)ハァ
京子「くっ…!!」ガクガク
向日葵「あらっ、先輩の様子が…!?」
京子「な、なぜ…!!」
櫻子「だめですかー?じゃあお菓子はやめますよおー」
京子「……!!」シューモクモク
向日葵「なんですの、この音…?」
櫻子「あっ!先輩のリボンカチューシャから煙が!」
向日葵(読めましたわ…!)
向日葵「櫻子、そのカチューシャを壊すんですの!」
櫻子「おっけーい!!」
バキッ
向日葵「みんなを操っていたのはあのカチューシャのはずですわ」
向日葵「おそらくこれで…」
京子「あれ…?私何してたんだー?」パチクリ
綾乃「うっ…あれ私、なんでごらく部の部室に…」
櫻子「歳納先輩!杉浦先輩!」
あかり「うぅーなんか頭が痛いよぉ」
ちなつ「なんか嫌な夢を見ていたような気が…」
その他大勢の生徒「あれ、私たちどうしてこんなところに…」ゾロゾロ
櫻子「わぁーい、みんな元通りだー!!」
向日葵「やはりあのカチューシャが原因でしたわね…」
<1時間後 保健室>
西垣「調べたところ…このカチューシャは空間干渉式脳波増幅器だとわかった」
櫻子「く、食うか…?の、のりまき…ぞうに…?」
向日葵「食べ物しか頭にないんですわね」
西垣「おそらく、少しでも歳納のことを可愛いと思ってしまったが最後、その脳波は増幅されて」
西垣「もはやその思考から抜け出せなくなってしまうんだ」
西垣「おそらく歳納自身もその影響を受けて自己愛を発現させてしまったんだろう」
綾乃「でも何でそんな謎の機械がこんなところに?」
西垣「なんでって…ゆるゆりはSF漫画だろ?」
綾乃「何言ってんですか」
西垣「ニュータイプの歳納が戦う話じゃないのか?」
綾乃「違います」
京子「まあまあ、結局元通りになったんだし」
ちなつ「それ当事者が言うセリフじゃないですから」
京子「それにしてもこれで、私がみんなに好かれていることが証明されたわけだが」
綾乃「ふんっ、そんなのあの機械のせいじゃない、デタラメよ!」
京子「ホントかー?やっぱ実のところ綾乃は私のことが…?」
綾乃「な、なに言ってんのよ歳納京子ー!」
千歳「…!」ブシュウ フラフラ
向日葵(池田先輩、満身創痍ながらも鼻血出してますわ)
向日葵「そういえば櫻子」
櫻子「なにー?」
向日葵「あなた、歳納先輩に可愛いって言っても何の影響も受けてませんでしたわよね」
櫻子「あ、そだねー」キョトン
向日葵「いったいどうしてですの…?」
櫻子「うーん…」
櫻子「先輩の他に、もっと可愛いって思える人がいるからじゃないかなー」
向日葵「へ…?そ、それって…」カアアアッ
櫻子「私のことだけどねー」エッヘン
向日葵「…!」
向日葵「ばかっ!」バチン
櫻子「何で叩くんだよー!向日葵だって別に効いてなかったじゃんかー!」ブー
向日葵「はっ…そういえば目まいがしたくらいですわ…」
向日葵「ということは…」
向日葵(私…無意識的に歳納先輩よりも…)チラ
櫻子「なんだよー」
向日葵「認めたくありませんわ」
櫻子「はあ!?意味わかんないって!」
向日葵「櫻子には教えて差し上げませんわ」
ガラガラ バァン!!
結衣「……」ユラァ
あかり「あっ!結衣ちゃ…ん…?」
ちなつ「きゃああ結衣せんぱ」
結衣「きょーうこー!!」ガバッ
ちなつ「へっ?」
綾乃「なっ、なっ、抱きつくっ…とかっ…なっ…!」アワワワ
京子「うおっ、結衣!?」
結衣「きょうこー!!」スリスリ
京子「いやまさか結衣がこんな行動をするはずがない」
京子「きっと大きな犬か何かだよ、目をつぶって開けばほらそこには」
結衣「にゃあー!」
京子「結衣!?」
西垣「船見…、スイッチがONに入ったきり戻らなくなったみたいだな」
結衣「きょうこにゃー!」
おしまい