1 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:12:50 0Jq 1/50


友紀「冬は、あたしの季節だと思うんだよね」

P「ほう?」

友紀「だってさ、友紀だよ、ゆき。ほら、今年もいっぱい降ってるじゃん!」

P「……あぁ、雪のことね。発音はちょっと違うけど」

友紀「同じようなもんだよ! ゆーぅきやこんこっ、あーられーやこんこっ」

P「ユッキがたくさん降ったら、さぞやかましい冬になるんだろうな……」

友紀「いっぱい降って、賑やかにしてあげるからね♪」

P「1人で間に合ってるから結構ですぅー」

友紀「ちぇー」

元スレ
姫川友紀「あたしの季節」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1536930770/

2 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:13:30 0Jq 2/50


P「ていうか、お前降ってくるとかどういう状況だよ、それ」

友紀「そりゃあ……こう、ふわふわーって。飛行石的な」

P「随分神秘的な降り方するんだな」

友紀「親方! 空から担当アイドルがっ」

P「受け止めるの俺かい」

友紀「え。受け止めて、くれないの……?」

P「……いや、まぁ、受け止めてやらないこともない、けど」

友紀「よかったー。女房役なんだから、そこんとこよろしくね!」

P「はいはい…」

友紀「受け止めてよ? 約束だからね!?」

P「分かったって」

3 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:13:44 0Jq 3/50


結城晴「なー、今オレのこと呼んだ?」にゅ

友紀「あ、晴ちゃん」

P「おん? いや、呼んだ覚えはないけど」

「あれ、っかしーな。気のせい?」ゴソゴソ

P「流れるように炬燵に入るんだな……」

「だって足寒いし。あったら入るだろ、コタツ」

P「わかる」

「てか、コタツでパソコン叩いてるやつに言われたくねーよ」

P「それもそうだな、ははは」

「はー、あったけー…」

友紀「晴ちゃんも降る?」

「は?」

P「話しの振り方が唐突すぎる」

友紀「お、雪だけに降り方って? うまい!」

P「そんなつもりじゃなかった」

「……何の話してんだよ」

友紀「空から降ってこようね、って話!」

「何の話だよマジで」

P「違うでしょ。冬の話だったでしょうが」

4 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:14:02 0Jq 4/50


P「雪が降るんだから友紀の季節だって、自分で言ってただろう」

友紀「そうだったそうだった」

「……いや、友紀は降らないだろ。フツー」

P「うん。冷静なツッコミありがとう」

友紀「……それはどうかな?」

「え?」

友紀「あたしが降ってこないなんて、本当に言い切れる?」

P「一体何を言っているんだお前は」

友紀「最後まで何が起きるか分からないのが、野球。ならあたしにだって、最後まで何が起きるかは分からない……!」

「…っ! 確かに。サッカーだって、ロスタイムの最後の瞬間まで勝ち負けはわからねえもんな!」

友紀「そういうこと!」

P「落ち着け晴。ノせられるんじゃない」

5 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:14:15 0Jq 5/50


友紀「それにさ。余所から見ても、冬が似合うって言われてるんじゃないかと思うんだよね、あたし」

「へー?」

友紀「ほら、前にやった雑誌の企画で、冬のカバーガールとかやらせてもらったでしょ?」

「ああ、アンケートのやつだっけ」

友紀「そうそう! ウィンタースポーツが似合うアイドルランキング、って」

P「んー……スポーティなイメージが功を成した、ってところかな」

友紀「雪山でスノボ、楽しかったなぁー!! また行きたい!」

「あ、いいなー! スノーボード、カッコいいじゃん! オレ、スケボならちょっとはできるんだけど……」

友紀「初めてだったからいっぱい転んじゃったけど、でも楽しいよ? 今度、晴ちゃんにも教えてあげる!」

「やりィ! 行こうな、山!!」

友紀「うん!」

P(……雪ある内に、どこかで日程空けられるよう調整してみようか)

6 : 名無しさ... - 18/09/14(金) 22:14:33 0Jq 6/50


友紀「サンタもやったね! しゃららんらー♪ って」

P「そうだそうだ。先月は、本当にお疲れ様」

「ん? なんかあったのか」

P「スケジュールぎゅうぎゅうでな。イベントに撮影に、オファーがたくさんあって」

友紀「ほんとだよ! 忙しくって、毎日サンタ服着てたような気がする…」

P「悪かったよ、ゴメン。でも、その分評判はすこぶる良かったし。内容も完璧だった」

「ふーん。良かったじゃん」

友紀「……それで?」

P「え」

友紀「サンタさんなあたしの印象、それだけだった?」

P「あ、あぁ。冬の女ってのも、あれを見れば確かに納得だな。良いサンタっぷりだったぞ? なぁ?」

「いやオレに訊かれても」

友紀「……まあいいか。うん、オッケーってことにしたげる」

P「?? お、おう」

友紀「ふふ。あそこの商店街にも、また行けるといいなぁ」

8 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:24:14 BCQ 7/50


友紀「ね? あたしってば、やっぱり冬の女じゃない?」

P「そうだなぁ……」

友紀「……ちょっと、テキトーに返さないでよー」ブー

P「あぁいや、何て言うか……こうして思考とか行動が停滞しがちな冬だからこそ、元気で活発な子がより映えるのかなぁ、なんて思ってさ」

友紀「なるほどっ。良い解説だったね」

「コタツでぬくぬくしてる今のどこが活発なんだ?」

友紀「今は良いんだよぉー。晴ちゃんだって、こたつ入ってるじゃーん♪」

「まあなー」

友紀「本業の野球はオフシーズンだけど……その分、野球以外のはつらつプレーで冬を楽しんで、乗り越えていくんだよ! それが、あたし流の冬っ!」

P「本業はアイドルの筈では……」

9 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:26:58 BCQ 8/50



愛野渚「話は聞かせてもらったよッ!!」バーン

友紀「ひゃっ」

「うお?!」

「どーもッ!」

P「な、なんだ、渚か……どうした?」

「ふっふっふ……野球以外で溌剌プレー。私聞いた、聞いちゃったよ友紀さん」

友紀「へ?」

「ズバリ! 外で野球ができなくて、むずむずしていると見たッ!」

友紀「な、なにー! そうだったのかーー!!」

「他人事みたいに言うんだな……」

10 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:28:43 BCQ 9/50


「この雪だもん。外に出たって雪合戦するくらいで、キャッチボールもやれてないんでしょ?」

友紀「そうだねぇ…」

「レッスン以外でも身体を動かしたくて仕方ないッ! そうでしょ、友紀さん!?」

友紀「ぐ……そこまでバレてるなんてっ」

「ここでクイズです。そんな友紀さんにオススメな、冬でもできる球技といえばー?」

友紀「「バスケットボール」ッ!」

「正解!!」



「……なぁ、急に何なのこのノリ」

P「さあ? でも、大体いつもこんな感じだぞ」

「マジかよ」

P「体育会系の部活出身同士、通じるものがあるんじゃないかな」

「ふーん……室内だったら、フットサルだってあるのにな……」ボソ

11 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:30:16 BCQ 10/50


「だったら、答えは1つッ!」

友紀「よしゃ! バスケしに行こっか、渚っち!」

「決まり! コートはもう、取ってあるんだ!」

P「すげえや、今の会話でそこまで意思疎通が成り立つのか」

「体育会系こえー…」

「ほら、晴ちゃんも! 部屋でこたつむりしてないで、バスケで汗かこーよッ! ね?」

「え、オレも? でもオレ、手ェ使う競技って苦手なんだよな……」

「じゃあ、ドリブルからだね。教えてあげるからさッ!」

友紀「大丈夫、あたしもあんまり上手じゃないし。それに、渚っちは教えるのも上手いから!」

「んー……よぉし。やってやろーじゃん」

「そう来なくっちゃ! プロデューサーは?」

P「見てお分かりの通り、俺まだ仕事中なので」

「まぁ、そうだよね。お疲れ様!」

P「あいよ。しばらくしたら様子見に行くから、それまでよろしくなユッキ」

友紀「はいはーい、任せて!」

12 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:32:19 BCQ 11/50

「なーなー、行く前にコンビニ寄っていいか? オレ腹減ってさ」

「お、買い食い? あんま食べ過ぎると、晩ごはん入らなくなるぞ?」

「今から消費するから平気だし。成長期ナメんな?」

「あっはは! そうだったね、ゴメンゴメン!」

友紀「飲み物も買っていこっか。おねえさんが奢ったげるね♪」

「マジ!? サンキュー!」

「ゴチになりまーすッ!」

友紀「それじゃプロデューサー、行ってくる!」

P「はい行ってらっしゃい、寒いから準備運動しっかりな」

友紀「はーい♪」



ドタドタ……


P「……ふぅ。急に静かになっちゃったな」

13 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:33:58 BCQ 12/50


prrrr♪


P「ぬ、ちひろさんだ。はいもしもし?」

P「……は? バラエティで、バンジージャンプ? この真冬に? 正気かよ」

P「いえなんでもないです 口が滑りました。や、でも、急にバンジーの企画だなんてそんな……」


P「……あー」

P「うん。そうだね」


P「ちひろさん。その仕事、ウチの部署に任せてもらえませんか?」



【このあとめちゃくちゃ友紀が降った】

14 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:34:44 BCQ 13/50

―――

――



15 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:37:12 BCQ 14/50


友紀「春は姫川っ」

P「清少納言かな」

友紀「ようよう強くなりゆく球際!」

P「『白くなりゆく山際』だよ なんで平安時代に守備練習やってるんだ」

友紀「え? 春になったら、球際に強くなるよねって話じゃないのコレ」

P「おいそれマジで言ってんのか? 下手すりゃ中学の国語の教科書だろ」

友紀「でも、けまりとかやってたんでしょ? ならボール使った練習もどこかでしてたんじゃないの」

P「……やってたかもしれないけど。少なくとも枕草子は、当時の練習の様子を綴る熱血スポ魂エッセイではなかった筈だ。絶対に」

友紀「細かいことは良いの! どんなスポーツでも、実戦練習は大事なんだよ、うんうん」

友紀「昔の人たちもきっと、雪で外に出られなくて練習できなかった分、春になったら気合入れて練習してたに違いない!」

P「……まぁ、確かに?」

友紀「そういえば、平安時代ってグローブとかあったのかな?」

P「だから野球の話じゃねっつーの」

16 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:38:56 BCQ 15/50


大槻唯「ちーっす。2人で何の話してんの?」

P「お、唯」

「よっすー! プロデューサーちゃん、おっつっつー♪」

友紀「唯ちゃん唯ちゃん! 丁度よかった、1つ聞きたいことがあってさ!」

「ふぇ? ゆ、ゆっきー、いきなりどしたん?」

友紀「現役高校生の唯ちゃんにだから聞ける、重要なことがあるんだよ!」

「確かに、ゆいは現役JKだけどー。そこ、そんなに大事なの?」

友紀「とっても!」

「ふーん。……なになに? もしかして、コイバナ!? ゆっきーもコイバナしちゃう?!」キャー


友紀「平安時代に、野球ってあったと思う?」

「それJK関係なくない?」

P「気にしないでやってくれないか。春の陽気で頭もユルくなっちゃったんだろう。きっと」

17 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:40:38 BCQ 16/50


「……せーしょーなごん?」

友紀「そうそう。学校でやったんじゃないかなと思って」

P「おい、唯は唯で大丈夫なのか? 漢字怪しい人のイントネーションじゃなかったか」

「むー。プロデューサーちゃん、ゆいのこと疑ってるのー?」

P「今の聞くまでは信用してたよ」

「んもー! まくらのそーしぐらい分かるって! 授業でちゃんと習ったもん!」

友紀「本当!?」

「ホントだってば! 良い? いくよ?」



「春はあげぽよ☆」

P「ダメだこりゃ」

「よーよー白くなりゆく……えと、なんだっけ。生え際?」

P「急に悲しいテーマになったな……」

「yo yo!」

P「ラップっぽく言ってもダメです」

友紀「あー…」

P「おいコラちょっと待て。あーじゃないんだよなんでそんな目でこっち見るんだ よく見ろまだ全然元気だっつーの」

「イエーイ! チェケラ♪」

18 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:43:24 BCQ 17/50


友紀「野球部の話じゃなかったんだね」

P「当たり前だろう」

「アゲアゲな白髪おじさんのお話でもなかったのかー」

P「性別すら変わってるし……いやそれはそれでちょっと読んでみたいけど!」

友紀「あたしもそれにあやかって、ノックでも受けようかと思ったのになぁ」

P「残念でした」

「んん? ねぇねぇゆっきー、まくらのなごちゃんが、なんで野球の話になるワケ?」

P「おいおーい、ついに混じっちゃったよ。ウチの子たちがほんとすみません、清少納言さん……」

友紀「外でボール使った練習ができるようになるから、春になると球際に強くなるんだと思ってさ」

「タマギワ?」

友紀「えっとね、捕球の瞬間的な判断力っていうか。速いボールへの対応の上手さ、みたいな感じ」

「へー。むつかしい言葉があるんだねぇ…」

友紀「ボール使った練習じゃないと、こればっかりは鍛えられないから!」

19 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:44:56 BCQ 18/50


友紀「冬の間は室内練習ばっかりだった球児たちが、雪が融けると一斉にグラウンドで練習を始めるじゃん? あたし、あのフレッシュな雰囲気好きなんだよねぇ……」

P「ああ、それは分かる気がする」

友紀「でしょ! なんかさ、こう……やる気に満ちてる! 待ってました! って感じ。たまんないよね!」

「ふーん。ゆいにはよくわかんないや」

友紀「せっかく春なんだもん。あたしも外に出て野球したい! ボール触りたい!」

「えー、まだ寒くない? もうちょっと中でのんびりしてようよー」

友紀「ちっちっち、甘いよ唯ちゃん」

「甘い?」

友紀「甘い甘い、その手に持ってるキャンディーより甘い!」

「マジ?! 激甘じゃん、やったねー☆」

P「喜ぶべきところではないと思う」

20 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:48:24 BCQ 19/50

友紀「『春といえば野球、野球といえば春』……こんな言葉を知らないかい」

「知らなーい。プロデューサーちゃん、知ってる?」

P「初耳だな」

友紀「春のセンバツにオープン戦、プロ野球の開幕。新年度と一緒に、野球もまた新たなスタートを切るのが、何を隠そうこの季節! 今年のシーズンは、もうとっくに始まってるんだよ!」

「おぉー」

友紀「つまりだね? 春といえば野球。イコール、春といえばあたしの季節!」

「いよっ! 春ゆっきー!」

友紀「今年のキャッツも今までとは違う! 目指せ首位奪還!」

P「去年も同じようなこと言ってたような……」

友紀「そこ! 野暮なこと言わないの!」

P「へーい」

友紀「待ちに待った球春到来なんだよ……! 今野球をやらずに、いつやるんだ!」

「今でしょ☆」

友紀「よく言った! なら唯ちゃん! あたしと今から、一緒に公園行こうっ!!」

21 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:51:15 BCQ 20/50


「え? 行かないよ?」

友紀「えっ」

「だってゆい、今日は春休みの宿題やりにきたんだもーん」

友紀「え、ぁ……えぇ…」

22 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:54:26 BCQ 21/50


P「あー、まだ終わってなかったのか」

「そーなの! 先生ってば、酷いんだよ? 課題マジ多すぎ、やんなっちゃう!」

P「学生の宿命だよな……頑張れ頑張れ」

「プロデューサーちゃーん! ゆいの問題集、代わりにやってよぉー」

P「嫌でーす。自分でやりなさい」

「えー、けち!」ブー

P「ケチで結構。社会はそんなに甘くないのだ」

「じゃあさー……終わったら、何かご褒美ちょーだい!」

P「えぇ、なんで俺が……」

「いーじゃんいーじゃん! 社会がダメなら、プロデューサーちゃんが甘やかしてよぉ!」

P「代役としての荷が重すぎる」

「あーあ、宿題やりたくなーい。このままじゃ、宿題出せなくて学校にアイドル辞めさせられちゃうよー」

P「またそういうこと言う……」

「えーんえーん、どうしよう。ご褒美あれば、ゆいもやる気出るんだけどなー?」

P「……分かった分かった、考えておくよ」

「きゃっほー! 約束ね? とびっきりあまーいの、よろよろ~♪」

23 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:56:49 BCQ 22/50


「それじゃゆい、おこたで宿題やってるから!」

P「あ ちょ、それそろそろ片付けようと思ってたんだけど……」

「ヤダー! あったかいから、まだ仕舞わないでー!」

P「……はいよ」

「ごめんねゆっきー。遊ぶのは、また今度☆」

友紀「……うん。宿題、頑張ってね」

「はーい! プロデューサーちゃん! 甘いの、絶対だかんね? 絶対!!」

P「はいはい」

「ごっほぉーび、ごっほぉーびー♪」



友紀「ぷ、ぷろでゅーさぁ…」

P「ユッキも、古典の勉強でもする?」

友紀「え、遠慮しておきます……」

24 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 08:58:02 BCQ 23/50


―――

――



25 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:00:13 BCQ 24/50


友紀「夏だーーー!!」

P「声でかっ」

友紀「いやぁ、夏だねえ! 太陽ギラッギラで、シーズン真っ盛りって感じだねっ!」

P「朝からうるさいよ……テンションたけえ……」

友紀「んんーー? なになに、プロデューサー元気ないね? 夏バテ? もうバテてる??」

P「いや、そんなことは無いけ

友紀「そっか! 昨日応援してるチームが負けちゃったんだね? なら仕方ないよねぇ、うんうん」

友紀「まあでもさ。シーズン143試合もあって、まだまだ先は長いんだから! 1つ落としたくらいで凹んでちゃダメだよ? あっははは!」

P「う、うざぁ…」

友紀「それに比べて、昨日のキャッツはすごかったねー! 見た? あの逆転劇! 7回の流れるような5連打がさぁ…」

P「分かった分かった、キャッツが勝ってゴキゲンなのは分かったから。もちょっとボリューム落としてくれ……」

友紀「継投もドンピシャでハマってね? もう、完璧な試合運びでさ!!」

P「話聞けよ!」

26 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:02:48 BCQ 25/50


友紀「夏なんだよっ、プロデューサー!」

P「さっき聞いた」

友紀「今年は何処に行く? 海かな、山かな、どっちもかな! みんなでバーベキューとかも良いよねっ!」

P「うおぉ……このクソあちぃ時に、元気なことで」

友紀「なんだよー。冷房効いてるってのに、元気無いんだから全く」

P「これから外に出なきゃならんから参ってるんだよ……あーぁ」

友紀「ほらシャキっとする! 猫背直して!」

P「はいはい」

友紀「返事は一回っ!」

P「はーい…」

27 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:09:42 BCQ 26/50


P「……ほんっと、今日は元気だな。暑くないの?」

友紀「……暑い! あたしだって、できればここから出たくないっ」

P「えぇ」

友紀「でもあたし、暑いの自体はそんなに苦手じゃないし。むしろ、暑い方が元気まである!」

P「はは、確かにそんな感じする。羨ましいよ」

友紀「灼熱の夏、宮崎で育ったあたしを舐めないでよ? これくらい、全然へっちゃらなんだからっ」

友紀「今この瞬間だって、プロ野球選手も全国の球児たちも、上を目指して頑張ってるんだ! だったら、あたしも負けてられないからね……!」

P「流石だ、熱量がもうすごい」

友紀「暑さになんか負けない! 夏はあたしの季節、あたしのものだ! どうだ! 参ったか!」

P「ははー、参りましたー」

友紀「わーい! じゃあ、ばしーっと気合入れて、今日も1日頑張ろうね!」

P「……よっしゃ、やるか!」

友紀「おー!」

P「それじゃ早速なんだけど。次の仕事のことでユッキに提案があって……」



タタタ……


友紀「ん? 何の音……」

28 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:17:18 BCQ 27/50


バァン!!


龍崎薫「なっつだーーーっ♪」ぴょーん

友紀「ぐへぁっ?!」ドスン

P「どわっ!」

友紀「ってて……び、ビックリした……薫ちゃん……?」

「友紀ちゃんおはよっ!」

友紀「あ、うん。おはよ……」

「せんせぇも、おっはようございまー!」

P「おはよう薫……。急にオレンジの物体が飛び込んで来たかと思ったら、薫だったのか……」

「えへへ! 友紀ちゃん、ないすきゃっちだったね!」

友紀「ま、任せといてよ……キャッチは得意、だか…ら……がくっ」

「あっ」

P「友紀ーーー!?」

29 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:18:59 BCQ 28/50


相葉夕美「ちょ ちょっと、薫ちゃん!? 駄目だよっ、そんなに勢いよく飛び込んだら!」

友紀「あれ、夕美ちゃんも?」ムクリ

「起きた!」

P「なんだ生きてたか」

夕美「ほら、友紀ちゃん尻もち付いちゃってる! 大丈夫?」

友紀「うん、へーきへーき」

夕美「もうっ! 急に走り出したと思ったら……」

P「あんまりヤンチャすぎるのもいかんぞ、薫」

「ごめんなさい……」

友紀「あたしだから良かったけど……他の人には、あんまり飛びついちゃダメだからね?」

「はーい」

友紀「よろしい! よい、しょっと」

「ふぁ……っ、すごーい! 友紀ちゃん力もちー♪」

30 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:21:12 BCQ 29/50


P「2人して一体どうしたのさ」

夕美「あ、うん。レッスンの前にちょっとだけ事務所に寄って行こうかと思ったら、薫ちゃんも来ててね? 2人で行こうか、ってなったんだけど……」

P「うん」

夕美「階段登ってたら、友紀ちゃんの声が聞こえてきて。『夏だー』とかだったかな」

P「マジか……下まで聞こえてたんか……」

夕美「そしたら、『友紀ちゃんの声だ!』って薫ちゃんが飛び出しちゃったの。追いかけるの、大変だったよ……」

P「犬みたいな子だな…」

夕美「もう、汗だくになっちゃった……素直にエレベーターで来ればよかった……」

P「お疲れ様……。ちょっと休んでいきなよ」

夕美「そうするね、ありがとうっ」


友紀「そーれ肩車だっ」

「わーー! たかーーい!」

P「ああしてると姉妹みたいだな」

夕美「ふふ、本当に!」

「あははっ! かおる、せんせぇよりおっきくなっちゃったー♪」

P「あーあ、背ぇ越されちゃったかー」

31 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:29:51 BCQ 30/50



P「それで? なんで薫はあんなに勢いよく部屋に入って来たの」

「友紀ちゃんの声がきこえたから! なつだーーって!」

友紀「聞こえてたのかぁ」

「かおるも夏、好きだよ! だから走ってきちゃった」

P「マジで犬みたいな理由だった……」

「夏はね、花壇にひまわりがいっぱい咲くんだ! かおる、ひまわり好きなの!」

夕美「ヒマワリ! 夏のお花の代表、サンフラワー! 私も好きだよっ」

友紀「はいはーい、あたしも! お揃いだね」

夕美「あと、夏といえば……アサガオにスイレン、グラジオラス、それからそれから……」

友紀「おぉー! 流石、詳しい!」

「あさがおは、かおるも育ててるよ! 絵日記つけてるんだ!」

夕美「うふふ、そっか! 大切に育ててあげてね?」

「うん!」

32 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:34:53 BCQ 31/50


友紀「薫ちゃんは、今年の夏休みは何したい?」

「えっとね、プール! かおる、プール行きたい!」

友紀「いいねぇ。学校の?」

「学校のも良いけど……事務所のみんなとも、いっしょに行きたいな!」

友紀「よし決まり! 今度、みんなで行こうか!」

「やったー!」

P「まだ先の話だろ? そんな即決しなくてもいいんじゃないか?」

友紀「そんなことないよ! 好球必打、チャンスは逃さないで狙っていかなきゃ!」

「いかなきゃー♪」

夕美「でも良いね、プールっ! みんなで行くなら、広いところが良いよ!」

友紀「せっかくなら、貸し切りとか?!」

「かしきりー!」

P「しまったパッションしかいない 話がズンズン進んでいく」

夕美「だって、私もプール行きたいからっ!」

友紀「あたしも!」

P「……ま、みんなが楽しめるなら、それで良いんだけど」

33 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:38:13 BCQ 32/50


夕美「この間買いに行った新しい水着も早速着れるね、友紀ちゃん」

友紀「そうだね!」

「え! 友紀ちゃん、水着買ったの!? いいなー!」

P「へぇ。2人で?」

夕美「うん! 友紀ちゃんのも、私が一緒に選んだんだ!」

P「相葉セレクションか……ほうほう」

友紀「……ちょっと、なにニヤニヤしてんの」

P「いやいや。夕美先生チョイスの姫川水着は、どんなものかなーと思って」

夕美「花柄でかわいいの、選んじゃいましたっ」

P「ほほーん、なるほどなるほど……」

友紀「えっち」

P「えっちじゃないです。人聞きの悪いこと言うな」

友紀「人の水着姿想像するとか、えっちだよ! プロデューサーのえっち!」

P「目の前で会話されたら、そりゃ嫌でもしちゃうでしょうが」

友紀「嫌でもって何さ! ひどい!」

P「言葉の綾だろ……」

34 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:40:58 BCQ 33/50


「せんせぇ、えっちなの?」

P「がハッ」

友紀「うわー! 吐血したー!?」

「ねえねえ夕美ちゃん、えっちってなぁに?」

夕美「な、何でもないよ、薫ちゃんは気にしなくていいから!」

「んー? そう?」

夕美「そうそう! 気にしない、気にしないっ」

友紀「純ってこわいね……」

P「危ない危ない……うっかり死んじゃうところだった……」

友紀「ゴメン……」

夕美「ゆ、友紀ちゃん、水着絶対似合ってるよね! もちろん、私のもっ」

P「そ、そっかそっか。その内、見れると良いね……ははは……」

「かおるも、かわいい水着ほしいなー」

P「……じゃあ、今度の仕事先で、いくつか紹介してもらえないかお願いしてみようか」

「ほんと!? やったー!」

35 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:42:59 BCQ 34/50


夕美「仕事……。もしかして、水着で?」

P「あぁ、今度海辺でLIVEフェスやるんだと。ウチからも1人参加できないかって」

友紀「海かー! 夏だもんねっ」

P「水着の話も出たことだし、丁度良いか……。この話、友紀に振ろうかと思ってたんだ。出てみないか」

友紀「あたしが?!」

「おぉー!」

P「お前、今日これから時間あるでしょ?」

友紀「う、うん。空いてるけど」

P「どんなステージでやるか、とか。チーム内の方向性とか他の子とのバランスとか。今日も打ち合わせすることが色々あって、一緒に動いてくれる人だとスゲー助かるんだよね」

友紀「ふんふむ」

P「姫川友紀を、夏の女と見込んだ上でお願いしたい。どうかな」

友紀「……おっけ、分かった! あたしやる! やるよ!」

P「よし、決定」

「やったね友紀ちゃん!」

夕美「LIVE、頑張って!」

友紀「うんっ」

P「じゃあ、細かい話はまた後で。よろしくな」

友紀「はーい!」

36 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:47:09 BCQ 35/50


友紀「……ところで。新しい水着とか、仕事用に準備したりするの?」

P「あぁ、してもらうことになると思うけど」

友紀「そっかそっか。それならそれで良いんだ、うん」

P「なんで?」

友紀「いやー。早くも、今年2着目の水着を見ることになるのかなって。去年のクリスマスみたいだよ」

P「……忙しい夏になるなぁ」

友紀「うん、頑張る! よろしくね!」

P「こちらこそ。お互いにね」

友紀「どんな水着かな……もしかして、プロデューサーが選んでくれるとか?」

P「んー……候補として考えてるのは、一応あるんだけど」

友紀「例えば?」

P「サメとか」

友紀「鮫?!」

37 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:49:00 BCQ 36/50



―――

――



38 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:50:55 BCQ 37/50


友紀「はぁ……」

P「……イスが消えたと思ったら、お前が持ってきてたのか」

友紀「あ、プロデューサー。おかえり」

P「ん、ただいま」

友紀「ごめんね、返すよ」

P「あぁいいよ座ってても。それより、窓際で黄昏てるとは珍しいな。何の影響?」

友紀「別に……」

P「なんかあったのか? 悩みなら聞くけど」

友紀「ううん、何でも」

P「なんでも無い人が溜め息なんかつかないでしょ」

友紀「……何ていうかさ、」

P「うん」



友紀「秋だなぁ、って」

P「……なんかあったのか?」

友紀「失礼じゃない?」

39 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:53:23 BCQ 38/50


P「いやはや。ユッキにも、秋を憂う瞬間があったとはね」

友紀「むー。あたしだって、たまには色々考えますよーだ」

P「例えば?」

友紀「急に肌寒くなったなぁ、とかさ」

P「あー……。そうだな、いつの間にかみんな長袖だ」

友紀「朝晩寒いよねぇ……あんなに暑かったのに」

P「まさか、まだ腹出して寝てたりしないだろな」

友紀「してないし。信用ないなぁ」

P「一応だよ、一応。風邪ひかないようにするんだぞ?」

友紀「分かってるって、プロデューサーもね」

P「うむ」

40 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:55:00 BCQ 39/50


友紀「なんか……甲子園が終わった辺りから、急に夏も終わっちゃったみたいで」

P「あ、それは分かる」

友紀「ねー。いやぁ……今年も熱い夏だったよ」

P「フィーバーしたっけな。将来が楽しみな選手がたくさんだった……」

友紀「ペナントレースも、そろそろ終了って感じだし」

P「いやいや、キャッツはまだ終戦してないだろ」

友紀「良くてCSでしょー。今年も優勝はできなかったなぁ……」

P「……なんか去年もそれ聞いた気がする」

友紀「あはは。あたしも言った覚えあるや」

P「また来年、ってところ?」

友紀「んー……優勝消えても、応援するのはやめないけどねー」

P「はは、それも去年も言ってたっけ」

友紀「……来年かぁ」

P「?」

41 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:56:07 BCQ 40/50


友紀「来年はもう、いない選手もいるんだよなぁ」

P「引退の話か」

友紀「うん。あっちも引退、こっちも引退。やんなっちゃうね、毎年」

P「まぁ……ベテラン組の引退発表が増えるのは、時期的にしょうがない」

友紀「戦力外とかもね。何かと寂しい時期だよ、ほんと」

P「子供の頃のヒーローも、年や故障には勝てずに現役を去っていく。栄枯盛衰、盛者必衰ってやつだな……」

友紀「推し球団とか関係なく、クるものがあるよねぇ……」



友紀「……秋だなぁ」

P「秋かぁ……」

42 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:57:45 BCQ 41/50


P「……ふふ」

友紀「なに? あたしが黄昏てるの、そんなに変?」

P「いや、スマン。お前と居てこんな静かなのも、あんまり無いなと思ってさ」

友紀「……ふーん」

P「友紀も年がら年中元気な訳じゃないんだなぁ」

友紀「ふんっ。どうせうるさい女ですよーだ」

P「誰もそこまで言ってないでしょ……大人しい姫川友紀も、たまには良いよなってだけで」

友紀「へぇっ?!」

P「全然変なんかじゃないぞ? 物静かなお澄ましユッキも良いもんだ」

友紀「な、何を……」

43 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 09:59:41 BCQ 42/50


P「まぁ、今ぐらいはしんみりするのも悪くないんじゃないの」

友紀「そ、そう?」

P「うむ。秋ってそういう季節だし。物憂げで、儚くて……色んなものが朽ちていく季節で」

友紀「…」

P「だからこそ、終わりを迎えるものに想いを馳せる時期は、秋がうってつけなんだ。……って、これは俺が勝手に思ってるだけなんだけど」

P「そういう感覚、俺は大事にしていきたいなと思ってるし。大事にできる子は素敵だなって思う。今の友紀みたいにね」

友紀「…そうかな」

P「だから、たまにはこんな日があっても良いんだよ、きっと」

友紀「……ん! そっか」

44 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:02:38 BCQ 43/50


P「それにさ。秋って、ただ寂しいだけの季節じゃないでしょ」

友紀「え?」

P「果物とか美味しいし。俺は葡萄が好きかな」

友紀「おー…」

P「友紀は何が好き? 秋の食べ物、はいどうぞ」

友紀「んー……サンマ!」

P「お、いいねー。やっぱ王道の塩焼きかな」

友紀「うん。大根おろしと、あの緑のレモンみたいなやつでキュっと」

P「それ多分"すだち"な」

友紀「それだ! ビールがまた合うんだよなぁ……」

P「ビールといえば、この時期は茸もアリだね」

友紀「あ! 焼きキノコ、好き!」

P「なんか、話してたら食べたくなってきたな……机の下から取って来ようか」

友紀「う、うーん……勝手に取ったら、輝子ちゃん怒るでしょ」

P「だろうなぁ。じゃ、後で飯にでも行くか」

友紀「わーい!」

45 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:04:44 BCQ 44/50


P「紅葉にはまだちょっと早いけど、山のモミジなんかも見に行ける時期だし」

友紀「また山にハイキング行くのも良いねっ」

P「あぁ。あの時は撮影だったな、懐かしい」

友紀「山歩き、結構良い運動になるんだよなぁ……」

P「運動か……涼しくなったからこそ、外で身体動かしやすくなるって考え方もできる」

友紀「雪が降る前に、キャッチボールしておかなきゃね」

P「そうだな」

友紀「あ! あたし、1回焼き芋やってみたいなぁ」

P「おぉ良いじゃん、今度みんなでやってみようか。落ち葉集めてさ」

友紀「やたっ♪」

P「他にも探せば、まだまだたくさんあるんじゃないかな。秋だからこそやれることとか、秋の美味しいものとか」

友紀「おぉー…。なんだか、わくわくしてきた」

P「ほら、さみしいばっかりじゃないだろ?」

友紀「うんっ」

46 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:09:58 BCQ 45/50


友紀「なんか……いいヤツだね、秋」

P「な?」

友紀「楽しいことも憂鬱なことも全部まとめて受け止めてくれる、こんなに懐の大きいヤツだったのか」

P「ははは、面白い例え」

友紀「うん、言われて気付いた。秋も悪くないね」

P「そりゃ良かった」

友紀「他には何があるかな。紅葉狩りはさっき言ったし……お月見?」

P「ハロウィンも秋だな」

友紀「学生のみんなは、球技大会に体育祭の季節か。何でもあるね」

P「後は、お前の誕生日とか」

友紀「そうそう、たんじょう……」


友紀「……ほぁ? 誕生日?」

P「え、違うの」

友紀「ぁ いや、違くないけど。それ、秋のイベントに加えちゃっていいの?」

P「良いでしょ」

友紀「良いんだ…」

P「秋の懐が大きいって言ったの自分だろ? 折角なんだから、楽しいことはとりあえずカウントしとけ」

友紀「……わかった、そうする!」

P「よろしい」

47 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:13:31 BCQ 46/50


P「でもそう考えたら、友紀もすっかり秋の人になっちゃうな」

友紀「うーん……あんまりピンと来ないけどなぁ」

P「そう? むしろ決定的になったと思ったんだが」

友紀「そ、そんなに秋のイメージある?」

P「あるある、山で撮った時なんかすげー良かったじゃん。ああいうのも、良いもんだ」

友紀「……プロデューサーがそう言うんなら、そういうことにしておこっか」

P「おう。秋っぽい仕事、また何か持ってきてやれると良いな」

友紀「ふふ、秋ゆっきーの売り込みも、よろしくね♪」

P「はいよ」

48 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:17:57 BCQ 47/50


友紀「……うん、なんかいける気がしてきた。9月生まれの、秋色なあたし。秋は、あたしの季節!」

P「そっか、良かった」

友紀「プロデューサーと一緒なら、それだけで何でもできるし、どんなマウンドにでも立てる気がしてくるね」

P「そ、それは言い過ぎだろ…」

友紀「そんなことない! 本当だよ?」


友紀「プロデューサーと組むバッテリーだから、どんなあたしでだって勝負できる。どんどん飛び込んでいけるんだ」

友紀「絶対受け止めてくれるって分かってるから。そう言ってくれたでしょ?」

P「受け止めて…」



P「……あぁ、そうだ。あの時」

友紀「ま、まさか、忘れちゃったの……?」

P「いや、覚えてるよ。忘れるもんか」

友紀「よかった! 覚えてなかったら、どうしようかと思ったよ」

P「大丈夫、分かってる。約束したもんな」

友紀「うん!」

49 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:20:15 BCQ 48/50


友紀「いつでもあたしらしく居られるのも、プロデューサーが居てくれるからだもん。ホント感謝してる」

友紀「今もこうして励ましてくれたし。ありがとね」

P「買い被りすぎだよ……俺はただ話してただけ」

友紀「それでも良いのっ! 元気出たから!」

P「……それを言ったら、お互い様だ。元気貰ってるよ、いっつも」

友紀「へへ、同じだね」

P「そういうこと。ありがとな」



友紀「……これからもあたしのこと、受け止めてくれる?」

P「当然。ドンと来いだ」

友紀「ふふふ。頼りにしてるね!」

P「こちらこそ。頼りにするから、よろしくな」

友紀「任せて!」

50 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:21:43 BCQ 49/50


友紀「よぉし! そうと決まったら、秋ゆっきーの研究、早速2人で進めてみようか」

P「いや研究って。気が早いな……」

友紀「試合に勝つためには、対戦相手の研究が大事なんだよ? 現代野球の基本でしょ」

P「具体的には?」

友紀「秋の女になるには、もっと秋を知らないといけない。ズバリ、秋を探しに行くんだよ!」

P「おーおー、すっかり元気になっちゃって」

友紀「まずはさっき話した食べ物からかなっ! 食欲の秋とも言うし……秋の美味しいもの食べに行こうよ、プロデューサー!」

P「……」

友紀「ん? どしたの、変な顔して」

P「……さっきまではスゲーそれっぽかったのに。アンニュイな秋の姫川は、もうちょっと先かなこりゃ」ボソ

友紀「え、なに? 聞こえないよ?」

P「何でもない。腹が減っては何とやらとも言うし?」

友紀「はーやーくー! お腹空いたー!」

P「分かったって……」


P「……また1年、賑やかな時間になりそうだな」




おわり

51 : 名無しさ... - 18/09/15(土) 10:26:30 BCQ 50/50


おしまいです
日跨ぎする羽目になってしまいましたが、折角なので最後まで投稿することにしました

ユッキ誕生日おめでと!

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