京子「ちっづる~♪ちゅっちゅ~♪」ダキッ
千鶴「……」
京子「あれ?殴らない…?」キョトン
千鶴「……」
京子「おーい、何か言ってよ~…」
千鶴「もう、気が済んだ?」ハァ…
千鶴「じゃあ私、もう行くから」スタスタ
京子「は、はぁ…」
元スレ
千歳「ホンマ、歳納さんは凄いで」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349190131/
生徒会室
京子「という訳なんだけど…」
綾乃「あの千鶴さんが歳納京子にちょっかいだされて…」
結衣「何も反撃しないってのは、確かに変だなぁ」
京子「でしょ?絶対おかしいよね」
結衣「千歳は何か心当たりないの?」
千歳「うーん、うちに対しては何も変わっとらんけどなぁ」
千歳「でも、何か悩み事抱えてそうな感じはしたような」
結衣「その時何か言ってあげなかったの?」
千歳「一応「悩んでたら相談に乗るで~」って言っておいたけど」
千歳「千鶴はああ見えて繊細な子やから、あんま深くは聞かないでおいたんやけど…」
綾乃「千鶴さん、一昨日あたりから元気無いわよね」
結衣「一昨日に何かあったの?」
京子「その日って、私と綾乃が喧嘩して、仲直りした日じゃん」
結衣「え?」
千歳「その日は船見さん風邪で休んでたもんなぁ」
京子「いやね、私が綾乃の特上フルーツプリンを盗み食いしちゃったら、綾乃がカンカンに怒っちゃってさ…」
―
―――
―――――
生徒会室
綾乃「ちょっと、歳納京子!!」
京子「あれ、綾乃じゃん」(モグモグ
綾乃「それ…私の特上フルーツプリン…」ワナワナ
京子「あれ、もしかしてコレ、そんな大事なヤツだった…?」
綾乃「うっ!…それは、その…」アセアセ
綾乃「と、歳納京子なんてもう知らないんだからっ!!!」ダッ
―――――
―――
―
京子「こんな感じで…」テヘヘ
結衣「テヘヘ、じゃねぇだろ」
結衣「それで、その後どうなったの?」
京子「それがさー…」
―
―――
―――――
教室
ガラッ
京子「あれ、綾乃じゃん」
綾乃「……」
京子「もしかして、まだ怒ってるの…かな?」
綾乃「べ、別にいいわよ、たかがプリンの一つくらい…」
綾乃(それに、元々あのプリンは…)ボソッ
京子「?」
綾乃「と、とにかく!今回だけは、特別に許してあげる…」
京子「ホントに良いの!?わーい!」
綾乃「その代わり、今度美味しいプリン奢りなさいよ…」///
京子「えー?私が奢るの~?」
綾乃「た、食べ物の恨みは怖いのよっ!!」
―――――
―――
―
京子「という感じで…」
結衣「なんだ、その…ゴメンな、綾乃」
綾乃「い、いえ…別にいいわよ」
千歳「まぁ、丸く収まった事だし良かったやん」
京子「んで、何の話しをしてたんだっけ」
結衣「千鶴の話だろ」
京子「でも千鶴の様子が変になったのは何でだろ?」
結衣「今の話を聞く限りじゃ、千鶴は関わってなかったような気がするんだけど…」
京子「なら、直接聞き出してやろう!」
綾乃「ちょっと、そんな強引に…」
京子「まぁ、京子ちゃんに任せておきなさいって♪」
千歳(……………)
河川敷
京子「千歳の話によると、千鶴は帰りに文房具屋に寄るらしいから…」
京子「ここで待ち伏せしておけば…」
京子「!…あれって…」
千鶴「………ん?」
京子「ちっづる~ん♪」ダキッ
千鶴「………」
京子「ちづるぅ~…」スリスリ
京子「えっと、その…何かあったの?」
千鶴「…え?」
京子「いやさ、いつもだったら鉄拳なりチョップなりしてくるはずなのに…」
千鶴「…別に、何でもない」
京子「…んまぁ、千鶴が言いたくないなら、無理には聞かないけど」
京子「一昨日から千鶴元気ないじゃん?それでちょっと心配に…」
千鶴「心配?…私を?」
京子「そりゃそうだよ、あの千鶴が無表情で無抵抗だなんて、逆に怖いよ」
千鶴「…」イラッ
京子「お、千鶴の表情がやっと変わった♪」アハハ
千鶴「!!//」アセアセ
京子「あはは、千鶴ったら照れてやんの!」
千鶴「う、うるせぇ!!///」バキッ
京子「あべしっ」
千鶴(あれ、いつの間にか私……)
京子「まー、千鶴もいつも通りの千鶴に戻ったことだし、今日のところはこの辺で~」
千鶴「あ…歳納…」
京子「ん、どったの?」
千鶴「いや、何でもない…」
京子「ははーん、さてはお腹が空いてたりして?」
千鶴「へ?」
京子「さっき一昨日の件で綾乃のお返しプリンを買った時、ラムレーズンもついでに買ったんだけど…」
京子「これ、千鶴にあげるね!」
千鶴「あ、あの…私はそんな…」
京子「遠慮すんなって!じゃあね~」タタタッ
千鶴「行っちゃった…」
千鶴(…歳納………)
―
―――
―――――
一昨日
生徒会室前
千鶴「…あれ、姉さんと杉浦さんだ」
千鶴「何を話しているんだろう?」
生徒会室
千歳「綾乃ちゃん、そんな落ち込むことないで」
綾乃「でも…歳納京子に怒鳴っちゃった…うぅ」
綾乃「元々あのプリンは、歳納京子にプレゼントするために用意してたのに…」
綾乃「どうしてあんなにムキになっちゃったんだろ…」グスン
千歳「あ、綾乃ちゃん…」
千歳「ほ、ほら、うちも一緒に付き添ってあげるから…」
綾乃「別に、いいわよ……千歳には迷惑かけられないもの…」
千歳「そんな、迷惑なんて思ってないで!むしろ…綾乃ちゃんの役に立てるなら、それでええねん」
綾乃「…………」
千歳(うーん、どないしよ…、綾乃ちゃん本気で落ち込んどるなぁ…)
千歳「そんなら、むしろ開き直ったほうがええんちゃう?」
綾乃「え…?」
千歳「いっその事、「今回は許してあげるから、その代わり今度何か奢りなさーい!」…なんて」
千歳「…どうやろ?」
綾乃「うん…何かそっちの方が楽かも」
綾乃「でも、やっぱり不安だわ…歳納京子に嫌われてでもしたら…」
千歳「大丈夫や、うちがしっかり影で見守っとるから」
綾乃「うん…ありがと」
千鶴(………)
一昨日
夜 池田家
千鶴「姉さん」
千歳「千鶴、どしたん?」
千鶴「姉さんは、歳納の事、どう思ってる?」
千歳「歳納さんの事?」
千歳「そうやねぇ、歳納さんはうちの大切な友達やけどなぁ…」
千歳「凄いと思うわ」
千鶴「え?」
千歳「いやな、今日歳納さんが、綾乃ちゃんのプリンを盗み食いしてもうて、綾乃ちゃんが怒鳴ってしもて…」
千歳「綾乃ちゃん、凄く落ち込んでしもたんよ」
千歳「そのプリンは、ホンマは綾乃ちゃんが歳納さんにプレゼントするはずの物やったから、余計な…」
千歳「うちはうちなりに励ましたつもりやったんやけど、全然笑ってくれなかったんや」
千鶴「………」
千歳「あはは、情けない話やろ?いっつも側にいるのに、肝心な時に役に立たなくて…」
千歳「けどな?歳納さんとこ行ってみたら、途端に笑顔になったんよ」
千歳「まぁ、綾乃ちゃんは歳納さんの事好きなのは分かっとるけど…」
千歳「うちが幾ら励ましても元気にならんかったのに…」
千歳「ホンマ、歳納さんは凄いで」
千歳「歳納さんがおるだけで、周りのみんなが明るくなるんや」
千鶴「ね、姉さんだって、いつも杉浦さんに頼られてるじゃない…」
千歳「そりゃあ、綾乃ちゃんがうちの事頼ってくれるのは嬉しいけど…」
千歳「ただな、ちょっとだけ…歳納さんの事、羨ましく思うんや」
千鶴「…え?」
千歳「綾乃ちゃん、歳納さんと一緒におる時、とびっきりの笑顔になるんや」
千歳「今日だって、そう」
千鶴「姉さん…」
千歳「千鶴…うちは…」
千歳「うちは、歳納さんの代わりになることは出来へんのかな……?」
―――――
―――
―
千鶴(………)
千鶴「そうだ…歳納は、姉さんの幸せを邪魔するヤツ…」
千鶴「だから…こんなもの…」グッ
千鶴「こんな…」
―いやさ、いつもだったら鉄拳なりチョップなりしてくるはずなのに…―
(私にいつもちょっかい出してくる人なんて、そうそう…)
―一昨日から千鶴元気ないじゃん?それでちょっと心配に…―
(私の事を心配してくれる人なんて、姉さん位しかいないのに…)
―そりゃそうだよ、あの千鶴が無表情で無抵抗だなんて、逆に怖いよ―
―あはは、千鶴ったら照れてやんの!―
(私は…歳納なんか…)
夜 池田家
千歳「ちづる~」
千鶴「何?姉さん」
千歳「そのアイス、どうしたん?」
千鶴「!!こ、これは…別に、何でもない…よ…」アセアセ
千歳「そぉ?ならええけど」
千鶴「じゃあ、私はもう寝るから…」
千歳「ほな、おやすみ~」
寝室
―うちは、歳納さんの代わりになることは出来へんのかな……?―
千鶴(杉浦さんと姉さんがくっつくことが、私のシアワセ…歳納なんて、ただの邪魔者…なのに)
―あはは、千鶴ったら照れてやんの!―
千鶴(アイツの笑顔が、頭から離れない…)
千鶴(それに…アイツの顔を思いだす度に、胸がどきどきする…)
―歳納さんがおるだけで、周りのみんなが明るくなるんや―
千鶴(自分でも認めたくないけど…私は…)
千鶴(私は、アイツに…)
千鶴(姉さん、私は…どうしたらいいの?…)
台所
千歳「ん、このラムレーズン、歳納さんのやな」
千歳(千鶴…)
千歳(千鶴は、歳納さんの事を思ってるんやな、きっと)
千歳(何年双子やっとると思うとるんよ、あの反応じゃすぐ分かるわ)
千歳(確かに、うちは綾乃ちゃんと歳納さんがくっついてほしいけどな)
千歳(千鶴…別に千鶴が歳納さんに特別な感情を抱くのも、おかしい事やないんよ)
千歳(歳納さんの笑顔は、とっても素敵やからな)
千歳(確かに、綾乃ちゃんはうちの一番の友達)
千歳(綾乃ちゃんのシアワセが、うちのシアワセや)
千歳(けどな?千鶴だってうちのたった一人の妹なんやで?)
千歳(妹の幸せを願わないお姉ちゃんなんて、おるわけ無いやろ…)
千歳(なぁ…千鶴…)
翌日(夕方)
河川敷
千鶴「………」
千鶴(姉さん…私は…)
京子「お、いたいた♪」ヤッホー
千鶴「げ!?何でここにいると分かった!?」
京子「ふふ…それにはお答えできません」ニヤリ
千鶴「さては…姉さんが?」
京子「そそっ!!それには…おおお答えできましぇ…」
千鶴「…分かりやすい奴」フフッ
千鶴(あっ…また私…)
京子「お!また笑った!やっぱ千鶴は笑顔が可愛いよ♪」
千鶴「ぅ…るせぇっ…//」ボソッ
京子「あるぇ~?もしかして照れてる??」
千鶴「うるせぇ!!」バキャ
京子「ひでぶっ」
千鶴「なぁ、歳納」
京子「ん、何?」
千鶴「どうしてお前は、私に付きまとうんだ?」
京子「そりゃあ、「デレ」させたいからだよ!」
千鶴「?」(デレ…って何?)
京子「つまり、千鶴が私にデレてくれれば、私は幸せなんだよ!」
千鶴「…?それって…どういうこと?」
京子「うーん、例えば、いつも私が千鶴にしている事を…」
京子「逆に千鶴が私にするとか?」
千鶴「それって…こういう事?」ギュッ
京子「そうそうこんな感じにハグを…って、」
京子(ちちちちち…千鶴が私に、ハグしてるぅぅぅ!!??)///
千鶴(あれ、何でだろう…胸がどきどきしてるのに…)
千鶴(あの歳納と抱きついているのに…)
千鶴(全然、嫌じゃない…いや、むしろ…)
千鶴(なんだろう…この感覚…)
京子「えへへ~」///
千鶴「どうしたんだ」
京子「いや~嬉しくて嬉しくて…遂に千鶴をデレさせることが出来たんだし」
千鶴「…これが「デレる」ってことなのか?」
京子「まぁ、そんな所かな~」
京子「でも、それ以上に…」
千鶴「?」
京子「千鶴ってこう…至近距離で見ると…」
京子「すごい美人だよねぇ~」
千鶴「!!」///
京子「ふふ、夕日で見えにくいけど、照れてる千鶴も可愛いよ♪」ニコッ
千鶴「…」ドキッ
千鶴(そうか…)
千鶴(姉さんが、杉浦さんの笑顔に一目惚れしたって言ってたけど…)
千鶴(ちょっと、分かった気がする)
千鶴(…もしかして、歳納に私の居場所を教えた理由って…)
千鶴(まさか、ね…)
千鶴「歳納…」
京子「おりょ?」
千鶴「その…お前のお陰で、色々教えてもらったよ」
京子「うーん、私はそんなに何かを教えた覚えは…」
千鶴「歳納、ちょっと目を瞑ってて」
京子「ん、なになに~?」
千鶴「これは…そのお礼……」
――チュッ…――
京子「!?ち、千鶴…?い、今のってききき、キスぅ!?」///
千鶴「ほっぺなら良いでしょ…」///
京子「ねぇねぇ、もっとキスしてよ~♪」
千鶴(………)
千鶴(私は姉さんの事が大好きだ)
千鶴(けれど…)
千鶴(私は、こいつの事が好きなのかもしれない)
千鶴(でも、私がこいつに好意を持つと、杉浦さんの…姉さんの幸せの邪魔になってしまう…)
千鶴(けれど、私自身もこの気持ちは否定出来ない…)
千鶴(だから…こんな事は…)
千鶴「今日…これっきりな…」
京子「えー?明日はやってくれないの~?」
千鶴「明日どころか永遠だ」
京子「まぁ、千鶴がデレてくれただけで満足だよ♪」
千鶴「……」
京子「あ、そうだ!「今日これっきり」って事は、今日中はデレてくれるってこと?」
千鶴「うっ…」///
京子「じゃあ、一緒の帰り道では私のことを「京子」と呼ぶように!」
千鶴「何でそんなこと…」
京子「あれれ~?今日中はデレるんじゃなかったの~?」
千鶴「調子に乗るなよ!!…………京子//」ボソッ
京子「も~、素直じゃないんだからぁ~♪」
千鶴「うるせぇ!」
おしまい(やで!)
64 : 以下、名... - 2012/10/03(水) 01:52:56.68 GyCevnB50 37/37支援ありがとうございました
最近池田姉妹(特に千鶴)のSSが少なすぎやねん
ちなつ「たくさんの人に」
京子「たくさんの人にぃ!?」