ーー3月31日 深夜
まどかの部屋ーー
まどか「お風呂上がりましたー」
さやか「これで全員お風呂終わったね」
ほむら「布団も敷き終わったわ。寝ましょう」
杏子「ああ。おやすみー」
さやか「えっ!? ちょ、ちょっと待ってよ!」
杏子「?」
さやか「お泊まりはまだこれからでしょーが!」
元スレ
マミ「恋話しましょう!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334502598/
ほむら「……わたしは眠くなったら寝るわよ?」
杏子「同じく」
さやか「それでもいいからさ! こういう場じゃないとできない話もあるじゃん!」
まどか「皆でお泊まりの夜ってなんかわくわくするよねー」
マミ「恋話しましょう!」
さやか「ちょ、直球ですね~……」
ほむら「あなたって意外とそういう話好きよね」
まどか「そういえばわたしも『魔法少女になったら普通の女の子みたいに恋もできなくなっちゃうよ?』
とか何回も言われたなー」
杏子「おーおー、何だマミ。欲求不満なのか?」
マミ「そりゃそうよ。だってわたし、三ヶ月も彼氏いないのよ?」
杏子「あー、そいつはきついなー」
ほむら「寂しさで死なないようにね」
まどか「あー、三ヶ月も……って、……えっ?」
まどか「(三ヶ月も……? それって逆にいえば普段は……)」
さやか「えー、三ヶ月くらいマシでしょ!」
まどか「(さやかちゃん! や、やっぱりそうだよね!)」
さやか「あたしなんて今五ヶ月以上彼氏いないよ?」
まどか「……はい?」
さやか「ん? どした、まどか」
まどか「ちょ、ちょっと待って! さやかちゃんは上条くん一筋じゃなかったの!?」
さやか「そりゃ今はそうだけど流石に恭介が初恋じゃないよ」
まどか「(そういう……ものなの……?)」
さやか「それよりあたしはマミさんの話を聞きたいなー」
マミ「前の彼氏の話はしたわよね? 魔女退治で忙しくて会えなくて別れたのが三ヶ月前」
さやか「うんうん」
まどか「(前の彼氏……そんな話全然……)」
マミ「実はあれから二回告白されたの」
さやか「うひょー! さすがマミさん! モテますねぇ」
マミ「一人目は人づてに手紙を渡してきたの」
杏子「けっ、ヘタレだねー」
マミ「でも断ったわ」
ほむら「何で? 彼氏欲しがってたじゃない」
マミ「あの子はいい人だとは思ったんだけど、何かピンと来なかったのよ」
さやか「わかるわかる。そーいうタイプいますよね」
マミ「でも二人目はちょっと気に入ったのよ。だからまずはデートくらいならいいよって言ったの」
まどか「え? 付き合う前にデートするん……ですか?」
さやか「? 何言ってんのまどか」
まどか「(あれ、何か的外れなこと言っちゃったかな……?) ……ううん! 何でもないよ!」
ほむら「じゃあその彼とは上手くいったんじゃないの?」
マミ「それが……変な噂が立ってね。わたしが前に告白してきた子と付き合ってるとかいう」
さやか「うっわー最悪」
マミ「そのせいか、結局距離を置かれてしまったわ」
マミ「わたしの話はこれくらい! 美樹さんはどうなの?」
さやか「あたしはマミさんみたいに高嶺の花っていうか、付き合ってくださいー! って言われるタイプじゃないんだよね」
ほむら「そんな気がするわ」
さやか「ひょっとして馬鹿にしてる? まあとにかく、最初は友達として遊んで、気がついたら付き合ってるってパターンが多いんだ」
杏子「でもそれだと結構メンドいことあるだろ」
さやか「そうそう、勘違いされやすいんだよねー。とくに陰キャラの人たちとか」
まどか「(その人たち、かわいそうだな……)」
さやか「で、あたしの今の狙いが恭介ってことは皆さんご承知のとーりだけど、中々持ってきにくいんだよね」
マミ「幼馴染なんでしょう? それだと逆にそういう関係にシフトしにくいんじゃないかしら」
さやか「そーなんですよー……。もう友達としての関係で固定されてるっていうか」
ほむら「それはもう、告白するしかないじゃない」
さやか「やっぱそれしかないかー! 告白するのってあんまやったことないんだけどな」
マミ「鹿目さん、口数が少ないみたいだけど、具合でも悪いの?」
まどか「だ、大丈夫です。ティヒヒ……」
さやか「杏子はどうなの?」
杏子「あたしか?」
マミ「実は前々から気になってたのよね」
ほむら「そう……あなたがどこで男と知り合っているのか」
杏子「はは、そりゃそーだな。あたしはあんたらみたく学校にも行ってない」
さやか「でもやたら知り合い多いよね」
杏子「まあ男の場合はチャラめの高校とかの前をウロついてれば声掛けられんだよ」
まどか「えっ、それってつまり……」
杏子「いわゆるナンパだな。気に入ったら飯食いに行ったりして、気が合えば付き合う」
まどか「それ……危なくないの?」
杏子「魔法少女に身の危険の心配をするつもりかい?」
まどか「そ、そうだけど……」
杏子「……ああ! そういうことね。身体の方は許してないから安心しなよ」
まどか「身体……?」
マミ「良かった……。そこんとこ結構心配だったのよ」
ほむら「手軽な女として有名になってやしないかとね」
杏子「あんたらあたしをどういう目で見てんだよ……」
まどか「(身体……、ええっ!? そ、そんな……///)」
杏子「ま、今も一応彼氏はいるよ。中々いいヤツさ」
さやか「今度会わせてよー」
杏子「わかったわかった。ほむら、あんたはどうなのさ」
ほむら「わたし?」
まどか「(ほむらちゃん……)」
ほむら「わたしはそんなにコロコロ彼氏を替えるタイプではないの」
マミ「確かに、一途そうね」
まどか「そうだよ! なんたってほむらちゃんは」
ほむら「それでだけど」
まどか「(あれ、わたしを助けるために何度もループしてくれたって話をしようと思ったんだけど、遮られたような……)」
ほむら「彼氏はとても優しかった。入院中のわたしにいつも会いにきてくれて……」
さやか「あたしみたいに?」
ほむら「少し黙りなさい。それで、外での色んな話をしてくれたり、プレゼントを持ってきてくれたりした」
まどか「(その頃から彼氏いたんだ……)」
ほむら「彼がいなければわたしは入院生活を乗り切れなかったと思う」
まどか「へ、へぇ~」
さやか「で、今はどうしてんの?」
ほむら「それは……」
さやか「あっ……」
ほむら「……」
さやか「わ、悪かったって! ごめん、変なこと訊いて」
ほむら「わたしと彼が別れるはずがないじゃない~!!」ニマア
さやか「うわ、あんたそんな笑顔出来たんだ……」
ほむら「この前なんてね、わたしの誕生日に(ry」
杏子「わかった。あんたらがどんだけバカップルなのかはよくわかった」
まどか「(´・ω・`)」
ほむら「……そうね。これ以上ののろけはあなたたちの気分を害する恐れがある」
さやか「……かもね」
ほむら「……さて」
杏子「ふむ」
さやか「そうだね」
マミ「ええ」
まどか「……ん?」
さやか「ん? じゃないよこの~!!」
まどか「え? え?」
ほむら「あなたの秘密主義は結構有名なのよ」
さやか「とぼけなさんなって! まどかくらいかわいけりゃ告白なんてしょっちゅうされてるはずなのに、
そういう話を全く聞かない。これが秘密主義じゃなくて何ですか!!」
まどか「え……ええっ!?」
さやか「今日こそは話してもらいますからね~」
まどか「(そ、そんなぁ……)」
まどか「(告白なんてしたこともされたことも一回もないよ!)」
まどか「(わたしは仁美ちゃんのラブレターを割と本気で羨ましがってた人間だよ!?)」
まどか「(でも……)」
まどか「(皆今まで数人と付き合ってきたことを前提に話してるよね……)」
まどか「(これでわたしだけ彼氏いたことないなんて言ったら……)」
まどか「(……よし。この場は適当なことを言ってごまかそう!)」
まどか「あ、あのさ。わたし、あまり話をまとめるの得意じゃないから、質問形式にしてくれるかな」
さやか「りょーかい! じゃ、今まで何人と付き合ってきましたか?」
まどか「(どうしよ……あんまり適当なこと言うとバレそうだから……)」
まどか「ふ、ふたり?」
さやか「」
まどか「うん。ふたりかな?」
さやか「……あー、はい。ふたり……ね」
まどか「(何か今、ヘンな間が……)」
まどか「(ひょっとして、早くもバレた!?)」
まどか「(ふたりじゃダメなの? じゃ、じゃあ……)」
まどか「あ、ふたりっていうのはちゃんとした告白の後付き合った人数で、
何となくのを入れると6人かな!」
さやか「」
まどか「……」
さやか「……全部で6人、ね」
ほむら「今は彼氏いるの?」
まどか「う、うん! いるよ!」
ほむら「どんな人?」
まどか「……背が高くて、優しい人だよ!」
ほむら「出会いは?」
まどか「向こうから告白してきてくれたよ?」
ほむら「」
ほむら「……そう」
まどか「(我ながらよくまあこんなにでまかせがペラペラと……)」
ほむら「はい、そこの3人集合!」
杏子「あいよ」
さやか「ラジャー!」
マミ「はい」
ほむら「~~」
杏子「~~」
さやか「~~」
マミ「~~」
まどか「(……何だろう、皆で集まってひそひそ話……)」
まどか「(やっぱりまだ疑われてるのかな?)」
まどか「(きっとわたしの発想が子どもっぽいからバレちゃうんだ……)」
まどか「(よし、もっとオトナな恋の話をしないと!!)」
(ひそひそ話)
ほむら「(ちょ、どうすんのよ!?)」
マミ「(今はすでに午前0時を回って4月1日)」
さやか「(皆で恋愛経験豊富なのを装ってまどかを驚かせようって話だったのに……)」
杏子「(まさかアイツが本当に恋愛経験豊富たぁな……)」
ほむら「(で、どうするのよ!?)」
さやか「(そりゃ……ここまできたら聞き遂げるしかないっしょ!)」
ほむら「(……)」
ほむら「あー、お待たせしたわね、まどか。ちょっとあなたの話に驚いていたの」
まどか「大丈夫だよ。さ、続き続き!」
マミ「逆に付き合ってて困ったことはある?」
まどか「そうですねー、一回浮気されたことがあって」
マミ「!? へ、へぇ……」
まどか「まあ許してあげましたけどね。浮気は男のサガっていうか、ある程度しょうがないものですし」
マミ「(そういうものなのかしら……)」
マミ「じゃあ、彼のどこが気に入ってるの?」
まどか「そうですねー、オトナの男の色気っていうか、ちょっとエロチックな雰囲気が……」
マミ「そ、そう……」
マミ「(佐倉さん、代わってもらえるかしら……めまいが……)」
杏子「(よし、任せな)」
杏子「休日とかはどうしてるんだい?」
まどか「普通に遊園地とかかな」
杏子「そうか……」
まどか「(うーん、まだ反応悪いなぁ……)」
まどか「(まだ子供っぽいってこと? よーし、それなら……)」
まどか「あ、あとねー。家に両親がいないときはエッチしたり」
杏子「……は?」
ほむら「……まどか、もう一度言ってもらえる?」
まどか「え……恥ずかしいなぁ……。エ、エッチしたりとか……///」
ほむら「」
マミ「」
さやか「」
ほむら「……」
さやか「(ちょ、どこ行くのさ!)」
ほむら「(その彼氏とやらを●しに……)」
さやか「(落ち着けって! だいたい彼氏が誰かもわかんないだろ!)」
ほむら「(……それもそうね)」
ほむら「まどか、彼氏さんの氏名を教えてもらっていいかしら」
まどか「えっ!? あ、うん。彼ね……」
まどか「(どうしよう、こんな基本的なことを考えてなかった……でも、もたついてると怪しまれる!)」
まどか「と、豊臣家康くんだよ!」
杏子「……」
マミ「豊臣……」
さやか「……家康ぅ?」
まどか「(し、しまった……!!)」
ほむら「……まどか」
まどか「ひゃ、ひゃいっ!」
ほむら「聞かない名前だけど、他の学校の人かしら」
まどか「あ、うん! 風見野中学の……」
杏子「風見野中ならあたしも一年のときまでいたけど、そんなやつはいなかったぜ?」
まどか「え……、あ、そうだ! 二年から転校してきたって言ってたな~!」
さやか「……」
さやか「ねえ、まどか」
まどか「はい」
さやか「そのエッチってやつ興味あるんだけどさ、詳しく教えてくれない?」
まどか「え……裸になって、キスして、一緒に布団に入って寝る……とか」
さやか「その寝るっつーのは言葉通りの意味で?」
まどか「? 言葉通りってどういうこと?」
さやか「……聞きましたか、皆さん」
マミ「白ね」
杏子「白だな」
ほむら「よかった……本当によかった……」
まどか「? ……?」
マミ「鹿目さん、もう嘘はつかなくていいのよ」
まどか「そ、そんなっ! 嘘なんて!」
マミ「……もういいの」
まどか「う……」
マミ「誰も鹿目さんを責めたりしないわ」
ほむら「だって今日はエイプリルフールだから」
まどか「エイプリルフール……? あっ、そういえばもう……!!」
まどか「っていうことは……!?」
杏子「ああ、さっきの恋話も」
さやか「フィクションでした」
まどか「……そうだったんだ」
まどか「……」
まどか「ごめんなさい、見栄張りました……」
さやか「ってことは彼氏6人ってのも?」
まどか「……嘘です」
さやか「むしろ彼氏いたことは?」
まどか「……ないです」
さやか「なんであんな嘘ついちゃったの?」
まどか「……あの雰囲気で彼氏いたことないって言うのが恥ずかしかったからです」
ほむら「もう、こっちはホントひやひやしたわ」
マミ「ドッキリしかけるハズが、こっちがドッキリさせられちゃったわね」
さやか「しっかし……wwwwwwww」
さやか「ちゃんと付き合ったのは2人wwwww実質6人wwwwww」
まどか「や、やめてよ……///」
さやか「彼はオトナの色気がありwwwwwwww」
まどか「うわあああああああ!!!!」
さやか「両親がいないときは?」
まどか「……家でエッチしたり……///」
さやか「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
まどか「うあああああああああ!!!!!!!」
さやか「ひーwwwひーwwwwお腹イタイwwwww」
ほむら「まどか、ここには既に掛け布団が敷いてあるわ。思う存分くるまりなさい」
まどか「うわああああん!!」
杏子「……ホントに布団被ってるし」
数分後
まどか「……でも皆ひどいよ! けっこうわたしその辺気にしてるんだよ?」
さやか「悪い悪い、まどかが風呂行ってるとき盛り上がっちゃって」
まどか「むー!」
さやか「だから悪かったって!」
まどか「……ところでさ」
まどか「さっきまでのお話は嘘だったけど、実際のところは皆どうなの?」
マミ「えっ?」
杏子「そりゃ……な」
ほむら「さーてもう寝ましょうか」
まどか「あっずるい!」
さやか「で、電気消すよ~」
まどか「そうはさせるかー!」
さやか「うわっ! まどか何すんのさ!」
まどか「ホントのとこ話してもらうまで寝かさないよー!」
さやか「うわっ、まどかっ、やめっ」
まどか「マミさんもだよ!」
マミ「も、もうこの話はいいじゃない……」
まどか「わたしだけ恥ずかしい思いして寝るなんてことにはさせないよ! 杏子ちゃんも!」
杏子「いっ!?」
ほむら「……」
ほむら「……そんな訳で今夜はまだまだ眠れそうにないけれど」
ほむら「残念ながらこのSSを続ける時間はもう残っていないみたいね」
ほむら「実際のところのわたしたちの恋愛事情に関しては……」
ほむら「ご想像にお任せする、とでも言って締めましょうか」
おわり
あ、別に眠くなったとかじゃなくもともと用意してたのがこれで終わりです
メタ発言で締めとかややこしいことはやめた方がよかったかね
悶えるまどかとノロケ中のほむら最高