男「……」
貞子「アナタ、呪いのビデオ見てから一週間すごしましたねぇ?」
男「……」
貞子「というわけで、死んでもらいまーす♪」
男「……あの」
貞子「命乞いとか見苦しいことはやめてくださいよぉ、もう♪」
男「俺、見てないけど?呪いのビデオなんて」
貞子「え?あれ?ここ三丁目の山田さんの家、ですよね?」
男「いや、ここ二丁目だし」
貞子「……すいません。間違えました」
元スレ
【納涼】貞子「お邪魔しまーす♪」【怖い話】
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1311755900/
男「……」
貞子「はあ……今月で三回目の間違い訪問……確実に怒られて……あ、これクビだ……たぶん」
男「あの……」
貞子「なんでしょうか……?」
男「こわっ!!そんな目を下に向けながら泣くな!!」
貞子「だって……」
男「……」
貞子「クビですよ?私、クビになるんでしょぉぉぉ???」
男「知るかよ!」
貞子「はあ……もういいや。死の……あ、私死んでた」
男「落ち着けよ」
貞子「落ち着けって……・というかアナタ、怖くないんですか?」
男「なんで?」
貞子「いや、いきなりテレビから出てきたんですよ?普通、うわーーーとかぬわーーーとか言いません?」
男「……その……あの……」
貞子「なんですか……?……げっ」
テレビ『あん!あん!!だめぇ!!もういっちゃうよぉ!!!』
男「AVから出てきたから……」
貞子「ぬわーーーーー!!!」
男「まあ、ちょっとビビったけど、そのテンションも軽いし。怖くないな」
貞子「あれですか!お前なんか貞子に向いてないとか思ってるんですね!!!」
男「いや、そこまでは」
テレビ『中で出して!中にぃぃ!!』
貞子「こっちもうっさいなぁ!!!」
バキ
貞子「―――――小指、いたいよぉ」
男「お前……」
男「……はい、応急処置はできた」
貞子「すいません。テレビを蹴ったばかりか手当てまで」
男「別に」
貞子「……(じー」
男「だからその黒髪の間から見つめるのは怖いからやめろ」
貞子「アナタ、変な人ですね」
男「そうか?」
貞子「ええ」
男「……なんだよ」
貞子「興味、出てきました」
男「興味って……」
貞子「アナタの名前は?」
男「男だけど?」
貞子「生年月日」
男「1986年の5月13日」
貞子「住所」
男「東京都練馬区石神井二丁目」
貞子「最寄りの駅」
男「石神井駅」
貞子「好きな女性のタイプ」
男「手料理が上手い人」
貞子「女性と付き合ったことは?」
男「ない」
貞子「童貞?」
男「……おい」
貞子「なんでしょう?」
男「なんか根掘り葉掘り聞き出そうとしてるけど、何の意味があるんだ?」
貞子「呪い殺すにはそれなりに相手のことを知らないとだめなんで」
男「呪い殺す気かよ!!」
貞子「だって私、貞子ですよ?」
男「いや、だからって俺は呪いのビデオみてねえし」
貞子「じゃあ、今すぐ見ます?ここにあるんですけど」
男「みねーよ」
貞子「そんなぁ……みてください!私を助けると思って!!」
男「俺が死んだろ!!」
貞子「別にいいじゃないですか!童貞として死ぬより、カッコイイと思います!!」
男「よくねえよ!!」
貞子「死ねよ!!」
男「嫌に決まってるだろ!!」
貞子「中々、強情な人ですね……」
男「あのなぁ……」
貞子「……あー手が滑って、呪いのビデオが、ビデオデッキ……あれ?」
男「俺の家にビデオデッキなんかない」
貞子「な、なんですか……これは……?」
男「ブルーレイプレイヤーだ」
貞子「なんと……」
ピッ
男「あ、おい!」
テレビ『あん!あん!!」
貞子「……わぁ!!!」
男「再生すんなよ」
貞子「なるほど……最近お姉さま方の業績が上がらないのはVHSが廃れてきていたからなんですね……」
男「よくわからんが貞子って何人いるんだ?」
貞子「私は第19期生なんですけど、同期だけでも46人ぐらいはいますね」
男「五百人以上は貞子いるんだな」
貞子「はぁ……もういいです。帰ります」
男「そうか。達者でな」
貞子「はい。色々、すいませんでした」
男「まあ、別にいいけど」
貞子「……あれ?」
男「どうした?」
貞子「テレビの中に入れません」
貞子「どうして?」
ザ……ザザ……
男「なんだ?勝手にテレビが……」
貞子「これは……!!」
先輩貞子「貞子ぉぉぉ?」
貞子「ぎゃああああ!!!」
男「こええええええ!!!!」
先輩「また間違えたみたいね」
貞子「すいません……」
先輩「というわけで、もうクビになってもらうから」
貞子「そんなぁ!!!」
先輩「当たり前でしょ。アナタ、もう何回関係ない人を心臓麻痺させてるか知ってる?」
貞子「それは……」
先輩「34人よ?34人!もうフォローできないって」
貞子「でも、あのオーディションを勝ち抜いて……」
先輩「でももう決定したから」
貞子「えええ!?」
先輩「社長もマジギレだし」
貞子「うぅぅ……」
先輩「じゃあね」
貞子「あ、せんぱーい!!」
貞子「そ、そんなぁ……」
貞子「男さん、これから私……あ」
男「」
貞子「男さん!?男さーん!!!!」
貞子「ま、まずい……」
貞子「こ、こういうときは……」
貞子「じ、じんこう……こきゅう……(ごくり」
男「」
貞子「もう私は貞子じゃない……人を救う貞子になります!!」
貞子「で、では……いきます……」
男「」
貞子「……(ドキドキ」
貞子「……んー……」
男「……」
貞子「……」
貞子「って、できなーい!!!」
貞子「し、心臓マッサージだけでもしときますか」
グッ……グッ…
男「……う……」
貞子「あ、男さん!?大丈夫ですか?!」
男「あ、ああ……あ、れ……どうしたんだっけ?」
貞子「私が解雇されました」
男「え?ああ、そんな話だっけ?」
貞子「行くあてもありません」
男「そうか」
貞子「……」
男「……何を期待してやがる」
翌日
貞子「結局、追い出されてしまいました……」
貞子「どうしましょう……はぁ……」
小学生「はやくしろよー!」
小学生「まってよー」
小学生「一番にプール入るぜー!」
貞子「そういえば今は夏でしたね……」
貞子「プールかぁ……」
貞子「私もいってみようかなぁ」
貞子「……暑いし」
小学校 夏休みのプール開放日
男「おらー、ちゃんと準備体操しろー」
生徒「はーい」
男(昨日、無理矢理追い出したけど、アイツ大丈夫かな?)
男(まあ、幽霊だし行き倒れることはないだろうけど)
生徒「おわりましたー」
男「じゃあ、まずはバタ足からな」
生徒「はーい」
生徒「きゃぁ!つめたーい!」
生徒「わーい」
生徒「ちょっと!水かけないでよぉ!」
貞子「あはは、油断きんもつぅー」
生徒「やったなぁ!えい!」
男「お前ら、遊ぶなって」
生徒「すいませーん」
男「ビート板はもったな?」
生徒「はーい」
男「じゃあ25メートルバタ足な」
生徒「分かりましたー」
男「四人並べー。いくぞー」
ピッ!
バシャバシャバシャ……
男「間隔あけて次いくぞー」
ピッ!
バシャバシャバシャ……
貞子「うー……緊張する……」
女子生徒「大丈夫だって」
貞子「でも私、泳いだことなくて……」
女子生徒「そなの?っていうか、えっと何組の人かな?」
貞子「19期生です」
女子生徒「19期生?」
貞子「はい」
女子生徒(どういうことかな?)
男「おーい、次だ」
ピッ!
バシャバシャバシャ……
貞子「おぶ!おっぷ!!」
男「なんだ、あいつ。古いタイプのスクール水着を着てるし……」
貞子「うっぷ!あぶ!!」
男「全然、前に進んでないし」
貞子「あ……ぶくぶくぶく……」
女子生徒「せんせー。足付くのに溺れてるー」
男「なんで!?」
男「おい!大丈夫―――って、貞子!?」
貞子「あ、男さん……。先生だったんですか」
男「何やってんだ!?」
女子「先生の知り合い?」
男「ま、まぁ」
貞子「うぷ……」
男「どうした?」
貞子「う、うんどう……したから……うぷ……きぶんが……」
男「おいおい、大丈夫か?」
貞子「うっ……だ、め……みた、い……」
男「まて!我慢しろ!!」
貞子「―――おぇぇぇ」
女子「うわ!吐いた!!」
保健室
男「……」
貞子「あー……ずいまぜん……」
男「もういいから、休んでろ」
貞子「はい……」
男「何やってんだ、小学生に混じって」
貞子「暑かったので」
男「それだけ?」
貞子「はい」
男「バカ野郎か、お前」
女子「せんせー、あのー貞子さん大丈夫ですか?」
男「ん、ああ。こいつは死なないからな」
貞子「死んでますからね」
男「じゃあ、俺はプールに戻るからなんかあったら知らせてくれ」
女子「はーい」
男「悪いな、こんなこと頼んで」
女子「い、いえ……せんせーの言われたことならなんでもやります……///」
男「え?」
女子「な、なんでもありません!」
男「そうか。じゃあな」
貞子「はーい……」
女子「……大丈夫?」
貞子「少し楽になりました」
女子「そっか。じゃあ、少しお話しよ?」
貞子「え、はい」
女子「―――先生とはどんな関係なの?」
貞子「うぇ?」
女子「……」
貞子(なんか怖い……)
女子「ねえってば」
貞子「あ、いえ、家を間違えて訪れて出逢っただけで」
女子「は?」
貞子「いえ、ホントは別の人の家にお邪魔するはずが、何故か男さんの家に着いてしまって」
女子「なんで先生の家に?」
貞子「だから、間違えて―――」
女子「間違えた先が先生の家なんて都合が良すぎない?」
貞子(この子、怖い)
女子「というか、アナタ誰なの?」
貞子「貞子です」
女子「名前じゃなくて」
貞子「貞子って名前じゃないですよ?」
女子「え?」
貞子「貞子はまあ、その通り名というかリングネームというか」
女子「はあ?」
貞子「まあ、つまるところ生前の名前なんて忘れたわけでして」
女子「暑さで頭でもやられたの?」
貞子「え?」
女子「意味分かんない」
貞子(そっか。今時の小学生って呪いのビデオも知らないですよね……)
女子「とにかく、もう先生には近付かないで」
貞子「まあ、もう家を追い出されたので近づきようがないですが」
女子「追い出されたって……家に入ったの?」
貞子「まあ、はい」
女子「……」
貞子「あ、あれ?急に立ちあがってどうしました?」
女子「……(ごそごそ」
貞子「あのー?その戸棚になにかあるんですか?」
女子「……」
貞子「……なんですか?この錠剤?」
女子「飲んでみるといいよ」
貞子「はい?」
女子「はい、お水」
貞子「はあ、では……(ごくごく」
女子「……」
女子「……どう?」
貞子「どうっていわれましても……あれ……?」
女子「……眠い?」
貞子「は、はい……」
女子「風邪薬っていっぱいのむと眠くなるんだよ?知ってた?」
貞子「しりません・・・・・・あ……」
女子「……」
貞子「……ぐー」
女子「……ふふ」
男「おーい、女子」
女子「あ、せんせー♪」
男「貞子はどうした?」
女子「帰りましたー」
男「そうか。ってアイツに帰るとことかあったのか?」
女子「そんなことよりせんせー、補習授業してほしいですぅ」
男「え?補習授業?お前の成績ならいらないだろ」
女子「夏休みの宿題で困ってるのー」
男「そうか、じゃあ着替えてから職員室にこい」
女子「はーい」
貞子「ん……」
貞子「んー?」
貞子(う、うごけない!?)
貞子(真っ暗だし!!)
貞子(え?!なに?!これなんです!?)
女子「せんせー」
男「おう来たか」
女子「お願いしまーす」
男「分かった。で、何を聞きたいんだ?」
女子「自由工作のことなんですけど」
男「おお。得意分野だ」
女子(先生が工作得意なのは知ってたからね♪)
男「……まあ、ここをこうすればいいんじゃないか?」
女子「なるほど。流石、せんせー」
男「そ、そうか?」
女子「そういえば、せんせーって今日は宿直でしたよね?」
男「ああ、ってなんで知ってんだ」
女子「えへへ」
男「えへへじゃなくて」
女子「今日こそ一緒にお泊りしてもいいですか?」
男「ダメに決まってるだろ」
女子「なんで?」
男「俺の人生が終わる」
貞子「んー!!んー!!」
貞子(ダメだ……)
貞子(手足はガムテープでぐるぐるまきにされてるし)
貞子(そもそも、狭い……)
貞子(でも、こんなことができるのは……)
女子「秘密にするから」
男「ダメ」
女子「せんせーのいくじなし」
男「アホか。ほら、これで終わりだ。早く帰れ」
女子「はーい」
男「ったく」
夜 宿直室
男「はぁ……暇だなぁ……見回り以外やることあんまりねえしな」
トントン
男「え?」
女子「せんせっ♪きちゃった♪」
男「おまえ!?何時だと思ってんだ!!」
女子「うわ、ここ地デジ対応してないんだぁ……ていうか、これなんてテレビですか?
男「それは昔ながらのテレビデオ……・ってそうじゃなくて帰れ!!」
女子「えー?でももう来ちゃったし」
男「あのなぁ……」
女子「せんせーの迷惑はかけないから」
男「もう迷惑だ」
貞子(……はぁ)
貞子(いつまでこうしていればいいのでしょう……)
貞子(よし!一か八か……)
貞子(関節を外して……!!)
貞子(ふぬぬぬ……)
貞子(って、外し方知らないや)
男「帰れって。親御さんが心配してるぞ?」
女子「お父さんは出張中。お母さんはお友達と旅行でいないもーん」
男「な……!?」
女子「だから、せんせっ?」
男「なんだよ」
女子「泊めて?」
男「ダメ」
女子「ぶー」
男「はあ……あ、これから見回りだから、とりあえずここにいろ」
女子「はーい」
男(バレたら終わりだぞ、これ……)
女子「ふふん」
女子(先生、困ってる困ってる♪)
女子(かわいいなぁ)
貞子(体を思いっきり揺らせば……!!)
貞子「んんんん!!!!」
ガッコンガッコン!!
貞子(お……!揺れてる!!これはいけるかも……!?)
貞子「んんんん!!!」
ガッコン……グラァ……
貞子(おや……?)
ドッターン!!
男「なんだ!?今の音!!?」
男「上の階から聞こえてきたな……」
貞子「んー!……ぷはぁ!口のガムテープとけた!」
貞子「よし。このまま尺取り虫の要領で移動していけば……!」
貞子「んーしょ、んーしょ」
貞子「……疲れた」
貞子「でも、ここは学校みたいですねぇ」
男「ここは空き教室だよな……」
男「……よし!」
ガラ!
シーン
男「……なんだ、本が棚から落ちただけか」
男「ふう、びっくりした」
貞子「やっと、扉まで辿り着いた……」
貞子「んーしょ、頭で扉を……あけ、て……!」
ガラ
貞子「おー、開いた」
貞子「んーしょ、んーしょ」
貞子「ここは……トイレ…?」
貞子「そっか。私は掃除用具のロッカーに閉じ込められてたんですね」
カサカサ……
貞子「!?」
ゴキブリ(……よ!元気?)
貞子「きゃぁぁぁぁ!!!!」
男「!?」
男「今の悲鳴は……!?」
男「アイツ!?」
貞子「ひぃぃぃ」
ゴキブリ(アイツ、あんな体勢でよく動けるなぁ)
貞子「はひぃぃ!!これは不味いです……!」
貞子「早急に手足のガムテープを剥がさないと……」
男「おい!!」
女子「あ。先生」
男「なに悲鳴あげてんだ!!」
女子「すいません。ちょうど、怖い番組やってて」
男「はぁ……」
貞子「んーしょ……んーしょ……」
貞子「ってこれ、私はどこに向かえば……」
貞子「んー……とりあえずこっちに行ってみよう」
貞子「んーしょ」
男「はあ……なんで見回りにまで付いてくるんだよ」
女子「そっちのほうがせんせー的にもいいかなって?」
男「まあ、勝手に悲鳴あげられるよりはな」
女子「えへへ」
男「えへへじゃない」
貞子「おや?あそこの部屋に灯りが……」
貞子「んーしょ、んーしょ」
貞子「ふぬぬぬ……」
ガラ
貞子「開いた♪」
貞子「ここは?」
テレビデオ『』
貞子「おー♪テレビデオだ♪」
貞子「おお?!更にハサミまである♪」
貞子「よし、これで……んー……」
ザク
貞子「ふう……半日ぶりの自由です……」
貞子「さてと、このテレビデオに呪いのビデオを仕掛けときますか」
貞子「くふふ。これが成功すれば、貞子に返り咲けるかも」
貞子「よしよしセットセット」
貞子「これでよし」
貞子「さてと、折角ですし探検でもしましょうか」
貞子「夜の学校も趣がありますね」
男「ここも異常はないか」
女子「あとはどこを見るんですか?」
男「向こうのトイレで終わりだな」
女子(……大丈夫かな?)
男「えっと……んな!?」
女子「え?!」
男「ひでえ、ロッカーが倒れてる」
女子(いなくなってる!?)
男「とりあえず起こすか、手伝ってくれ」
女子「は、はい……」
貞子「……これは……?」
貞子「おーい、生きてます?」
人体模型「」
貞子「……死んでる」
貞子「次、行きましょう♪」
男「ったく、誰があんなことを」
女子「……」
男「どうした?」
女子「い、いえ」
男「……?」
女子(どこにいったんだろ……)
男「さてと、帰ってこれたな」
女子「あの……私、帰ります」
男「え?そうか。それは助かる」
男「じゃあ、ちょっと待ってろ」
女子「え?」
男「車、用意するから」
女子「送ってくれるんですか?!」
男「流石にな」
女子「わーい」
男「じゃあ、ここに居ろよ?」
女子「はい」
貞子「ここは、職員室?」
貞子「お邪魔しまーす♪」
貞子「……ふんふん」
貞子「ん?この席は男さんのだ」
貞子「おや、机の上にカギがありますね」
貞子「全く、男さんもうっかりさんですね。これじゃあ、家に入れないんじゃ……」
貞子「よし!私が届けましょう!」
男「あれ?ないぞ……」
男「おかしいなぁ……机の上に置いてたはずなのに……」
男「あっれー?」
女子(家まで送ってもらえるなんて、うれしいなぁ♪)
女子(……そういえば、このテレビ……なんかビデオとか入ってるのかな?)
女子「……よし、覗いちゃえ♪」
ピッ
ザザ……ザザー……
貞子「……むむ!誰かが呪いのビデオを見てる!!」
貞子「チャーンス」
貞子「汚名挽回といきますよ!!」
女子「なにこれ?変なビデオ……」
女子「もういいや」
ピッ
男「はあ……」
女子「あ、先生」
男「悪い、車のカギがない」
女子「え?失くしたんですか?」
男「わからん。とりあえず、自転車で送ってく」
女子「分かりました」
男「じゃあ、帰るか」
女子「はい!」
男「じゃあな。もうこんなことするなよ?あと二人乗りも本当はダメだからな?」
女子「はーい」
男「ったく」
女子「せんせーあいしてるー」
男「はいはい」
女子「はぁー自転車の二人乗りも悪くなかったかも……」
女子「さてと、ブログ更新してねよっかな」
トゥルルルル
女子「電話だ。お母さんかな?」
女子「はい、もしもし?」
貞子「……見ましたね?」
女子「え?」
貞子「見ちゃいましたよね?」
女子「な、なにを……?」
貞子「……では、一週間後に……」
ブツ……ツーツー……
女子「……な、なに……いまの……!?」
男「ふいー、酷い目にあった」
貞子「あ、男さん」
男「おわ!!貞子!?お前、まだ学校にいたのか!?」
貞子「聞いてくださいよ!誰かに閉じ込めれれて、大変だったんですから!」
男「はあ?」
貞子「あ、ビデオ回収しとこ」
男「おい、なんだそれ?」
貞子「呪いのビデオですけど?」
男「俺を殺そうとしたのか!?」
貞子「いえ。無差別なので男さんを狙ったわけではないですよ?」
男「性質わりいな、おい!」
貞子「貞子ですし」
男「お前、解雇されたんだろ?」
貞子「え?でも、呪いのビデオはありますし」
男「お前、テレビの中に帰れなくなってたじゃねーか」
貞子「あれま」
男「あれまじゃねえ」
貞子「でもでも、呪いのビデオを誰かが見たのは感知できましたしぃ」
男「ふーん。まあ、能力の残りカスみたいなもんか?」
貞子「ひどっ」
男「今日はもうここに泊ってけ。夜道は暗いからな」
貞子「心配してくれるんですか?!」
男「歩いてる人がお前見て卒倒するかもしれないだろ?」
貞子「なるほど」
男「ほら、ねるぞ」
貞子「はーい」
男「なんでこっちの布団に入ってくるんだ?」
貞子「え?ダメなんですか?」
男「いや、別にいいけど」
貞子「ではでは、遠慮なく♪」
男「何がしたいんだ……?」
貞子「まあまあ」
男「まあいいか。電気消すぞ」
貞子「はい」
男「……」
貞子「……」
男「……(こいつ、本当は寂しいのか?)」
貞子「呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪……(ブツブツ」
男「違ったか」
翌日
貞子「ふあぁぁ……」
男「起きたか」
貞子「あれ?なんか目の下にくまができてますよ?」
男「てめえの念仏のせいだよ」
貞子「ああ。すいません、歯ぎしりが酷くて……」
男「あれ歯ぎしりなのか!?」
貞子「お恥ずかしいです」
男「お前、才能あるよ」
貞子「え?そうですかぁ?」
男(こいつをこのまま外に放置するのもダメだな。無差別に呪いのビデオ見せまくりそうだ)
貞子「きっとくる~♪」
男「なあ」
貞子「はい?」
男「……一緒に住むか?」
貞子「いいんですか?!」
男「……お前は危険だからな」
貞子「わーい!ごはん代うくー」
男「お前なぁ……まあ、いいか」
貞子「わーい♪」
女子「はあ……昨日のなんだったんだろう……」
女子「先生に聞いてみようかなぁ」
女子「悪戯だと思うけど……」
女子「よし。学校にいこう。まだ、先生居るよね」
女子「まだ、宿直室かなぁ」
女子「……あれ、声が聞こえる。よかった、まだいるみたい」
女子「せん―――」
貞子「じゃあ、今から私用の歯ブラシとかぁ、お皿とか買いにいきましょう」
男「そうだなぁ。そういうのも必要……必要なのか?」
貞子「歯磨きぐらいしますよ」
男「マジか」
女子(う、そ……)
女子(貞子さん……と、せん、せい……)
女子(ゆ、ゆるさない……!)
女子(そ、そうだ……携帯のカメラでこの現場を……!!)
……カシャ
一週間後
校長「これは問題だよ。生徒のブログにこんな写真が載っていてはね」
男「はい……」
校長「この子は?」
男「……」
校長「学校の生徒ではない女児を連れ込んで、何をしていたのかね?」
男「……」
校長「黙ってても分からないよ?」
男「……すいません」
貞子「今日はオムライスに挑戦しますよー♪」
貞子「男さんもきっとよろこんでくれる……!」
貞子「おりゃぁぁぁ!!!」
男「ただいま」
貞子「おかえりまさい……どうかしました?」
男「……」
貞子「あの……」
男「やっぱり、お前をつっぱねるべきだった」
貞子「え?」
男「……もう出ていってくれないか?」
貞子「あ、え?」
男「悪い……一人に……してくれぇ……」
貞子「……オムライス……つくったんですけど……」
男「……」
貞子「……冷めないうちに、食べてください。では、これで失礼します……」
女子「ふふ、これでいい。これでいいの」
女子「先生は私の気持ちを踏みにじったんだから……」
女子「ふふふ……」
女子「痛い目をみればいい……」
トゥルルル
女子「ん?電話だ……」
トゥルルル
女子「おかーさん!でんわー!」
トゥルルル
女子「あ、そっか買い物にいってるんだ……はぁ……」
トゥルルル
女子「はいはい。……もしもし?」
貞子「……殺す」
女子「っひ!!」
ガチャン!!……ツーツー……
女子「え?な、なに……?」
女子「なんなの……!?」
トゥルルル
女子「……!!」
トゥルルル
女子「い、いたずらもいい加減にして!!」
母「なにが?」
女子「あ、お母さん……なに?」
母「いやね、お昼は何がいいかなぁって」
女子「じゃあ―――」
貞子「……」
女子「……」
母「もしもし?どうしたの?もしもし!?」
女子「な、なによ……どこから入ってきたの……!?」
貞子「……」
女子「な、なに?もしかして先生と破局でもしたの?」
貞子「……」
女子「い、いいきみよ!」
貞子「……」
女子「な、なんとか言いなさいよ!!」
貞子「―――知ってる?」
女子「な、なにを……?」
貞子「……」
女子「なによ!!」
貞子「腕、千切られたら痛いって、知ってた?」
女子「え?」
ガシッ!!
女子「ひ!さ、さわらないでよ!!」
女子「は、はなして!!」
ギリギリ……
女子「いた……!い、いい加減にし、て!」
ギチギチ……
女子「痛い!!いたい!!!!はなして!!!!」
ブチブチ……!
女子「ひぎぃいい!!!!!ちぎれる!!!!ちぎれる!!!いだい!!いだいいい!!!!」
貞子「……いい気味」
女子「……!?」
―――ブシュウゥゥゥゥ!!!
女子「ぎゃぁぁあああああぁああああうで!!!うでがぁあああ!!!!!」
貞子「……」
女子「きゃぁああ!!!!うで!!!うでぇぇ!!!!!かえじで!!!うで!!」
貞子「うるさいなぁ……」
女子「しぬ!!しぬ!!!!ちがちがぁぁぁ!!!」
貞子「……」
女子「あぁぁ……ごめんなさい!!ごめんなさい!!!」
貞子「……」
女子「お、おね、がいい!!!ゆるして!!!なんでもいうこと!!きくから!!!」
貞子「……なんでも?」
女子「うん!!うん!!!!だからぁぁ!!!」
貞子「じゃあ……」
ガシッ
女子「え?何……?」
貞子「頭を一度360度回したかったの。ありがとう、私の望みを聞いてくれて」
女子「あ……ああああ……あぁぁああぁああああ!!!!!」
貞子「90度……180度……」
女子「やめでぇぇ……!!!!」
貞子「181度……182度……」
ギリ……ギリ……
女子「あがぁあああ!!!それ以上はだめぇぇ!!!だめぇぇ!!!!」
貞子「ダメ?」
女子「だ、だめ……はぁ……はぁ……」
貞子「じゃあ、一気にまわそ」
女子「あ?」
―――ゴリギリボギゴキ!!
女子「ひゃぐぅ!!!」
貞子「……死んじゃった」
貞子「呪いじゃなくても、人は死ぬんだ……」
貞子「そっか……じゃあ、これからはこうやって殺していけばいいんですね……ふふ……あははははは!!!」
END