1 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:33:54 B7Z 1/31


結城晴「うーっす」

姫川友紀「……」

「あれ? 誰もいねーのかな……」

友紀「……」カチカチ

「なんだ、友紀いるじゃんか。おっす」

友紀「あぁ うん、おかえりー」カチ

「いや おかえりって……オレ今日事務所来たの初めてなんだけど」

友紀「……んぁ、晴ちゃんか。ゴメンゴメン」

元スレ
姫川友紀「ホームランをダービーするやつ」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1562420034/

2 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:35:37 B7Z 2/31


「ったく、なにボーっとしてんだか。何してんの? パソコン?」

友紀「うん」カチリ

「へー。珍しいな、友紀がパソコン触ってるなんてさ」

友紀「まぁねー」

「何調べてるんだ? ……って、なんだよ野球じゃん。ゲーム?」

友紀「そそ、今ちょっとホームラン打ってるの」カチカチ

「ふーん」

友紀「おおぅ……露骨に興味失ったね……」

「だって野球だろ? またいつものパワ○ロ……」



「……ん、あれ? よく見たら、なんか違うくね? なんだこりゃ」

3 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:38:12 B7Z 3/31


友紀「うん。今日はこっちの気分だったんだ」

「いつものやつじゃねえんだ?」

友紀「ちっちっち。パソコンで○ワプロはできないんだな、晴ちゃんや」カチリ

「それは知らねーけど。……お、打った」

友紀「ちぇ、届かないかー」

「どっかで見たことある後ろ姿が草野球やってんな……」

友紀「そうそう、赤と黄色のクマがね、森で」

「……なぁ、これ映して大丈夫なヤツか?」

友紀「へーきへーき、ゲーム自体はちゃんと公認のだし」

「なら良いんだけど。ウチの事務所、こんなゲーム置いてあったんだ」

友紀「いや、これインターネットのやつ」

「へ? ネット?」

友紀「"ぶらうざげーむ"っていうらしいよ。よく分かんないけど」

「あー……、"ふらっしゅ"ってヤツ? 前に橘が言ってたような気がする。よくわかんねーけど」

友紀「ありすちゃんが言ってたなら、多分合ってるね」

「多分な」

4 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:42:02 B7Z 4/31


「……で? 友紀はなんで、急にこんなのやってんだよ。パソコンでゲームするようなタイプだったっけ」

友紀「普段は全然しないけどねー。なんとなく、もう1回やりたくなっちゃってさぁ」

「前にやったことあるやつなのか」

友紀「うん、何年か前だけど。ただ……」カチカチ

「ただ?」

友紀「終わっちゃうんだってさ。これ」

「え?」

友紀「近々サービス終了して、もうできなくなるんだって。最近知ったの」

「あー……」

友紀「今まで続いてたものが終わっちゃうのって、妙にさみしいよねぇ……」カチリ

「まぁな……」

友紀「サービス終了って、なんか他人事じゃないような気もするしさぁ」

「……何の話だ?」

友紀「あたしたちもさ、いつ急に終わるか分からないじゃん?」

「何が」

友紀「歌って踊る方もあるし、お隣の件もあるし。今あるこの瞬間を大事にしていきたいよね」

「わかんねえ……友紀が何言ってるのかわっかんねーよ……」

友紀「そう?」

「この辺でやめとこうぜ、この話。なんかこえーわ」

友紀「そっか」

5 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:44:34 B7Z 5/31


友紀「ともかく、なんか懐かしくなっちゃってさ。それでね」

「なるほどな」

友紀「晴ちゃんもやってみない? ハマると、けっこう楽しいよ?」

「いや、オレは別に……」

友紀「ふーん、そっか。これが最後の機会かもしれないのになぁ」

「……」

友紀「さびしいなぁ。晴ちゃんとゲームしたかったなぁ」

「……まぁ? 見てるぐらいなら、付き合ってやるよ」

友紀「はいはーい♪ いつでも代わるから、やりたくなったら言ってねっ」

「だからやらねーってば……」

友紀「♪」カチカチ



――



6 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:47:12 B7Z 6/31


友紀「ほい12本。クリアだね」

「へぇー……やるじゃん!」

友紀「まぁまぁ、まだ3人目だし。このくらいはね」

「いやすげーよ、なんか緩急すごかったのに、あっさりクリアするんだからさ」

友紀「へへー♪」

「てか、これでまだ前半なのか? まだまだ後ろに控えてそうな感じだけど」

友紀「うん、あと5人かな」

「ほぉ~ん……」

友紀「どうどう? やりたくならない?」

「……ちょっとだけ」

友紀「よしきた! カモン、晴ちゃん!」

「おうよっ」

7 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:51:59 B7Z 7/31


友紀「操作は大丈夫?」

「動かしてクリックするだけだろ? 見てりゃわかるぜ、ヨユーだっての」

友紀「じゃあまずは、手始めに最初の……」

「ほいっと」カチ

友紀「お、おぉ~……いきなりカンガルーいっちゃう? 攻めるね……」

「チュートリアルとか嫌いなんだよな、オレ」

友紀「いやでも、難しくないかな……」

「だーいじょうぶだって! やってる内に掴めるって……」


「……」



目標:12本


8 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 22:54:58 B7Z 8/31



ホームラン:3本


「なんだコレ……めちゃくちゃにムズいじゃねーか……」

友紀「だから言ったのに」

「なんだあのボール! ぐにゃぐにゃしやがって! マンガかよ!?」

友紀「漫画みたいなモンでしょ、原作も」

「だからって、あの動きはありえねーだろうが!」

友紀「そういうゲームなんだよねコレ」

「これでホントに前半なのか? 12本も打てるかよこんなの!」

友紀「初めてで3本打っただけでもすごいと思うけど」

「マジか……うおぉ、やりづれえ……」スカッ

友紀「リトライはするんだね……」

9 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:00:34 B7Z 9/31


ガチャ


相葉夕美「お疲れさまですっ♪」

友紀「あ、夕美ちゃんに飛鳥ちゃん!」

二宮飛鳥「やあ」

友紀「やほー! レッスン帰り?」

飛鳥「そんなところだね」

夕美「ミステリックガーデン、久々のレッスンでしたっ」

友紀「いいねー! ユニット活動、頑張ってるねぇ」

夕美「えへへ♪」

10 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:04:07 B7Z 10/31



飛鳥「キミたちは、デスクで何を? これはどういう状況なんだい」

友紀「今、晴ちゃんとゲームしててさ!」

飛鳥「へぇ、珍しい」

夕美「2人で一緒に座って画面見てるなんて、仲良しだね」

友紀「いいでしょ~? 晴ちゃん良い匂いするんだ」

「おい! 気持ち悪いこと言うな友紀! 気が散るだろ!」

友紀「へへー」

「ったく……うぁっ、スカった」

夕美「ゲーム……野球の?」

友紀「そうそう! これなんだけど」

飛鳥「これは……成程」

夕美「あ、見たことあるよこれ! クマのだねっ」

飛鳥「ハチミツ飲むヤツだな」

11 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:08:01 B7Z 11/31


友紀「2人とも知ってるんだ?」

夕美「なんとなくね? やったことはないんだけど……」

飛鳥「同じく。ボクはネットで知った」

友紀「じゃあ話が早いね!」

飛鳥「サービス、終了してしまうんだろう? 昨日聞いたよ」

夕美「へぇ……じゃあ、もうやれなくなっちゃうの?」

友紀「うん。最後にやっておこうかなって思ってさ」

夕美「終わっちゃうのは……ちょっとさみしいね」

飛鳥「あぁ。どうにも他人事として切り捨てられないな」

友紀「やっぱそう思う? だよねー」

「その話、また掘り返すのかよ……っおりゃ! どうだ!」


12 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:15:32 B7Z 12/31



ホームラン:13本


友紀「おぉー! やったね」

「どーよ、これくらいヨユーだぜッ」

夕美「すごーい! 流石だね!」

飛鳥「反射神経と動体視力が重要と見ている。晴は適任だね」

「だろ? 任せとけって!」

友紀(1回ポシャってるんだけどね……。言わないでおこう)

飛鳥「? 何か言ったかい?」

友紀「何でもないっ」

「次はどいつだ? かかってこい」

13 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:22:12 B7Z 13/31


友紀「2人はどう? やってみない?」

夕美「う、うーん……」

飛鳥「やらない……と、言いたいところだが」

友紀「だが?」

飛鳥「ここで出会ったのも何かの縁だろう。ボクの中のボクが、今日くらいは悪くないと言っている気がする」

友紀「おお!」

飛鳥「普段のボクなら絶対に断っているだろうけれど、事情が事情だ。電子の波に消える前に、記憶に残しておくことにしようか」

友紀「そうこなくっちゃ! 夕美ちゃんは?」

夕美「やってみたいのは山々なんだけど……私、これから用事があって」

友紀「ちゃちゃーっとやってけば? ワンプレイならすぐ終わるし」

夕美「そう? なら、ちょっとだけ……」

「っくぁーーー!? なんだお前! 変なボール投げるんじゃねえ!!」

14 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:24:33 B7Z 14/31


ホームラン:2本


「ダメだ……初見殺しすぎる……」

友紀「ドンマイ」

飛鳥「では夕美さん、お先にどうぞ」

夕美「うん、やってみる!」



夕美「……私も同じ気持ちだよ、飛鳥ちゃん」

飛鳥「ふむ?」

夕美「花びらが散っちゃう前に、いちばん綺麗に咲いてる瞬間を見ておきたいもんね」

飛鳥「……ああ。終わりの刻が理解っていればこそ、より輝いて感じられるモノもあるだろう」

夕美「最後にひと花、咲かせてあげたいっ」

「おい、なんか始まったぞ」

友紀「うんうん、ユニット間の熱い友情タッグだね」

「絶対違うと思う」


15 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:30:33 B7Z 15/31


夕美「私たちだって、いつかは終わりが来ちゃうのかもしれないし」

飛鳥「永遠に続くものなんて、存在しないさ」

夕美「だからこそ、それまでの時間、今を大事にしていきたいよ」

飛鳥「フフ。その言い方だと、ボクらまで休止するのが確定しているようだね」

夕美「あ。そ、そっか、違うよ? そういう意味じゃなくってね?」

飛鳥「大丈夫、理解ってるさ。そう簡単に終了したりしないだろう、此方は」

友紀「攻めるなぁ」

「やめろやめろ、色んな方向に矛先を向けるのは」

飛鳥「もちろんそうなったとしても、ボクらはボクららしく、最後まで歩き続けるだけだ」

夕美「だねっ!」

友紀「二宮と相葉が言うと、言葉の重みが違うね……」

夕美「そうかなぁ」

「そうなんだよ! なぁ、やめとこうぜこの話も。誰かに怒られる前にサ」

飛鳥「そう」

「何なんだよみんなさっきから……怖くて仕方ねえよ、イエローどころか下手すりゃ一発退場だろ」

夕美「よぉし、頑張っちゃうからねっ」

飛鳥「検討を祈るよ」



目標:15本

16 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:33:05 B7Z 16/31


夕美「えいっ」スカ

夕美「あれっ」スカッ

飛鳥「なんだこれは」

「わかるぜ、その気持ち」

夕美「む、難しいね……やあっ」ブンッ

友紀「やっぱ最初は難易度低い方からやった方が……」

飛鳥「ボールが加速している……これがマグヌス効果か」

友紀「違うんじゃないかな」

「理不尽だよな。こっちは普通にスイングしてるだけなのに、あんな球放るなんてよ」

友紀「まぁ……だからこそやりがいがある、って見方もできるし……」

18 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:39:24 B7Z 17/31


飛鳥「難易度がおかしいとのウワサは本当だったんだね……」

「えー! そうだったのかよ」

飛鳥「子供向けとは到底思えないレベル、とは話に聞いていた。特に最後の2人が」

「嘘だろ……全クリできんのかな……」

友紀「……飛鳥ちゃん、それもネットで見たの?」

飛鳥「? そうだけど、それが?」

友紀「その……あんまり変な影響受けないようにね」

飛鳥「ああ、それなら大丈夫さ。板まで踏み込んだことはまだ無いから」

友紀「あ、そう? なら良いんだけど」

「なんかまた怪しい話してないか……?」

友紀「だいじょぶだいじょぶ、こっちの話だから!」

「ホントかよ……」


夕美「やった! クリアっ♪」

「えっ?!」

19 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:47:33 B7Z 18/31



ホームラン:16本


友紀「え、すごっ」

飛鳥「あそこから巻き返したのか……」

夕美「ギリギリだったけど、何とかなったよ! ぶいっ」

「スッゲー! 夕美、天才かよ!」

友紀「すごいすごい! 夕美ちゃん、才能あるんじゃない?!」

夕美「えへへ」

「くっそー! オレ2本しか打てなかったのに! なあ、どうやったんだ!?」

夕美「えっとね……」

20 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:53:08 B7Z 19/31


夕美「ノルマ達成無理だなって途中でわかっちゃったから、F5押したのっ」

飛鳥「あっ」

友紀「あー」

「? なんだそれ」

飛鳥「いつの間に……」

友紀「ずるい大学生だ……」

夕美「だ、だって、時間短縮って大事じゃない?!」

友紀「失敗しても一応経験値は入るんだけどね……」

夕美「ほら、私たちは今の時間を大切にしないとっ」

友紀「そこに繋げていくんだ」

飛鳥「物は言いようだな」

「?? よくわかんねーけど、スゲーな!」

21 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:58:25 B7Z 20/31


「オレ、もっかい勝負する」

友紀「リベンジ?」

「おう。負けっぱなしでいられるか、良いだろ飛鳥?」

飛鳥「ご自由に」

夕美「頑張ってね! 慣れればどうってことないよっ」

飛鳥「フフ。2周も打ってた人は言うことが違うな」

夕美「に、2周もやってないもん」

友紀「じゃあ3周?」

夕美「違いますー! もう、2人ともからかわないでよぅ……」

友紀「あはは、ゴメンゴメン」

飛鳥「だが、攻略法としてはあながち間違いでも無いような気がするな。効率重視で、プレイヤー側の経験値を積む方にシフトしていく方が、結果的にてっとり早いかもしれない」

友紀「え、そこまでガチで極めにいく……?」

飛鳥「何を言う。どうせやるのなら、徹底的にだよ」

夕美「げ、ゲームって奥が深いんだね……」



砂塚あきら「……あの、失礼しまーす」


23 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/06 23:59:56 B7Z 21/31


夕美「あ! あきらちゃんっ」

あきら「あ、ハイ。どーもデス」

飛鳥「やあ」

友紀「どしたの? 入ってくれば?」

あきら「ええと……良いんデスかね。なんだか立て込んでるのかな、って」

友紀「そんなことないよ? おいでおいで」

あきら「はあ、そーデスか」

夕美「そんなに改まらなくても良いのに」

あきら「んー……その、まだちょっと慣れてなくって」

友紀「わかるー! ルームに入る時って、なんか職員室みたいだよね」

あきら「そうかな……それとはちょい違うような……近い、のかな……?」

24 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:05:51 auQ 22/31


あきら「ところで。Pサンかちひろサン、いません?」

飛鳥「いや、今日は見ていないけれど」

友紀「2人とも留守だよ? プロデューサーは外回りで、ちひろさんは社長の付き添いで出掛けちゃった」

あきら「ありゃ。タイミング悪かったかな」

夕美「何か用事?」

あきら「渡したいものあったんデスけど。まぁ、机に置いておけばいいか……」

友紀「書類?」

あきら「ハイ。配信とかチャンネルの収益について、事務所通すのと通さないのとで色々あるから、契約書諸々に目を通してハンコついて欲しいって。Pサンから宿題出されてましてね」


あきら「このご時世、大事デスからね。契約とか」

飛鳥「あぁ、確かに」

夕美「大事だね」

友紀「ね」

「やめろやめろやめろ、その話題が1番闇深いわ」

夕美「そうかな?」

「そうだよ!」

25 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:08:30 auQ 23/31


あきら「お。どこかで聞いたことある曲だと思ったら、なつかしいのやってる!」

友紀「あきらちゃんも知ってるんだね!」

あきら「当然。実況主としてはハズせないタイトルだったよね、森でホームランをダービーするやつ」

「そんなに人気だったのか……」

あきら「一部の界隈でねー。人気っていうよりは……まぁ、話題性? 面白そうなのには喰い付いとけ、みたいな」

飛鳥「あぁ……うん。大体察したよ」

夕美「やったこともあるんだ?」

あきら「まあ、ちょっとだけ。数年前に」

友紀「へへ、同じだね」

あきら「あ、そうなんデスか」

友紀「ちょっとやってみようと思っただけだったのに、妙にハマっちゃってさぁ」

あきら「自分も、FPSの息抜きで。配信中にURL貼られたりとかされたっけ、あれは面白かった」

友紀「ハランデ……いや、何でもない」

あきら「今やってるってことは、サービス終了する話もご存じで?」

友紀「そうそう! またやりたくなっちゃって」

あきら「なるほど。納得」

26 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:16:54 auQ 24/31



あきら「みんなで攻略中ってところデスか? 見たところ、中盤は突破したようデスけど」

「おう! コツ掴めば、楽勝だったぜ」

飛鳥「やはり試行回数が肝か」

あきら「かもね。トライ&エラーが基本っしょ、こういうのは」

「タイミングに慣れてきたら、打てるようになったな」

あきら「それは何より。でも、こっからが本当の勝負だよ」

「うへぇ、やっぱり?」

飛鳥「流石。詳しいね」

あきら「あ、いや。なんかスミマセン、急に偉そうに……」

「なんでそこで謝るんだ」

飛鳥「ふむ……順番的にはボクの出番だが、キミはどうだい?」

あきら「……え、自分? いや、いいデスよ別に」

友紀「えー! やっていけばいいのにー」

あきら「でも……」

飛鳥「……まあいいか。ならば晴、交代だ」

「おーう」

飛鳥「フクロウか。相手にとって不足はない……!」

「鳥対決だな!」

飛鳥「わざわざ言わなくてもいいんだよ……」

27 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:25:50 auQ 25/31


夕美「もしかして、忙しかった? 私もこれから、用事があって帰っちゃうんだけど」

あきら「いえ、そういうワケでは。暇の極みデスね」

夕美「なら、遊んでいけばいいよっ」

友紀「そうそう!」

あきら「んー……居ても良いんデスかね、自分」

友紀「もっちろん!」

夕美「遠慮しないで♪」

あきら「遠慮というか、何というか……」

夕美「?」

あきら「なんか皆で攻略してる途中っぽい空気なのに、そのグループに自分が入るのはどうなのかな、みたいな」

友紀「細かいこと気にしないの!」



飛鳥「おい、なんなんだこれは」

「やっぱりマンガで読んだことあるぞ、こういう魔球。ジグザグするヤツ」

飛鳥「さっきから掠りもしないんだが」

「投げる側の台詞だったら超カッコよかったんだけどな、それ」




目標:19本

28 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:33:30 auQ 26/31


友紀「ていうかさ。あたしは、特に攻略目指してる訳じゃなくって、みんなでワイワイやりたいだけなんだよね」

あきら「はぁ……?」

友紀「そりゃ、クリアできれば1番良いけど。それよりも、まずは楽しんでからでしょ?」

あきら「……確かに」

友紀「あたしがたまたま始めただけなのにこうして盛り上がってくれて、こういうの、なんかすっごく嬉しいよね」

友紀「みんな良い感じに熱中できてるし、人数多い方が楽しいしさ。もう1人いれば、絶対楽しいと思うのになー」

夕美「苦戦してるみたいだし、ゲーマーとして助けるつもりでっ」

友紀「折角の機会だし、やれる内に遊んでおかない? どう?」

あきら「……なら、お言葉に甘えて」

夕美「やったね!」

友紀「イエーイ!」パチン

あきら「な、なんで2人がハイタッチしてるんデスか……」

夕美「え? うーん……なんでだろ。アハハ」

友紀「ノリだよノリ! あきらちゃんも、はい!」

あきら「え、ぁ、っとと……」ペチ


あきら「……ほんっと、変な人ばっか。へへ」

29 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:35:58 auQ 27/31


ホームラン:3本


飛鳥「ぐっ……」

「1周回って清々しいな、このゲーム。どうするよ?」

飛鳥「どうするもこうするもない……もう1回だ」

友紀「ハイハーイ! 次は、あきらちゃんがやるってさ!」

あきら「ドモ……」

「お、来たな」

飛鳥「ム。待ってくれ、今リトライしてしまったんだが」

あきら「ああ、ならその回終わってからでいいデスよ。その間に自分は……」

あきら「……あー」

夕美「うーん、なんだかこっち見てるのも楽しそうだなぁ……」

友紀「用事の方、行かなくていいの?」

夕美「んー……大丈夫、ギリギリまで居るね」

あきら「……ん、んん。コホン」

30 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:44:44 auQ 28/31



友紀「どうかした?」

あきら「えぇと、その……」

夕美「?」

あきら「……もし、もし良ければなんデスけど。写真、一緒に映ってもらっても……なんて」

「写真?」

あきら「ハイ。SNSに上げたいなと思って。駄目、デスかね」

夕美「私は気にしないけど。ね?」

「オレも」

飛鳥「ボクの惨めなスコアで良ければ、いくらでも撮るがいい」

友紀「あはは……あっ、あたしも撮っていいよ!」

あきら「そ、そーデスか。よかった……」ホッ

あきら「ありがとうございます。それじゃ、遠慮なく」パシャリ

31 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:48:38 auQ 29/31


あきら「アイドル垢が良いかな。ええと、#ゲーム #ホームラン #ひさしぶり #ダービー #開幕 #苦戦中 後は……」

「なあ、何かアドバイスくれよあきら。コイツどうすりゃ倒せる?」

あきら「え? うーんと……ブレてる軸の真ん中狙うしかないんじゃないかな。投げてから着弾までは遅い方デスし」

友紀「ボールをよく見てタイミング合わせないとね」

あきら「てかこの感じ、もしかしてステ強化してない? そういう縛りでやってたりする?」

「え! この熊パワーアップすんの?! 早く言えよ!」

あきら「あ、知らなかった系か。なるほど」

友紀「そういえば教えてなかったっけ。メンゴメンゴ」

あきら「スピードとパワー上げておけば何とかなるかも。困ったらハチミツ、これ常識ね。#ハチミツください」

飛鳥「なに、平気さ。もしもの時には、必殺のキーがあるからね」

あきら「必殺?」

飛鳥「教えてあげようか? F5というんだけれど」

夕美「ちょ、飛鳥ちゃん!」

あきら「……ふふっ、何デスかそれ。強制終了とかウケる!」

夕美「余計なこと言うんじゃなかった……」

32 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:53:24 auQ 30/31


「なーなー。さっきから言ってるボタンって、何のことだ?」

友紀「えーっと……試しに押してみた方が早いんじゃないかな」

「どれ?」

夕美「い、今押しちゃダメだよっ?!」

「え、そうなの」

飛鳥「問題ない。既に、クリア不可能な域まで達しているからね……」

友紀「ありゃ」

あきら「あははは。確かに、これはもう駄目そうデスね」

飛鳥「もういいよ、交代だ。あきら、キミの実力を見せてくれ」

あきら「あんまり買い被らないで……あ そうだ、最後に」



あきら「#事務所のみんなで……っと。へへ、送信っ」


33 : ◆uMEAzbBMSc - 19/07/07 00:57:33 auQ 31/31


「送ったのか?」

あきら「ハイ。気になったら、後で見ておいて」

「ん、今見るよ。どれだ?」

あきら「名前でアカウント検索すれば一発だと思う。あ、もし良ければ、ついでにフォローよろしくね。フォロバするし」

「えーっと。す、な、づ、か……」

「……たくさん出てきたんだけど。どれなんだよ」

あきら「あ そっか、ファッション垢にゲーム垢もあるから。併せてよろしく」

飛鳥「ちゃっかりしているな……」

「これか? いや、こっちかな」

夕美「見せて見せてっ」

友紀「あたしも見たーい!」

「ちょ、待てよ、押すなって……」

あきら「さてそれじゃあ……まぁ、よろしくお願いします……っと」カチ!



おしまい

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