月「お前は誰だ」
L「わたしの名前は、エルシィです。呼びにくかったらLと呼んでくれても構いません」
月「そういう意味じゃない」
元スレ
エルシィ「出番です、神様」月「ちょっと待て」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1311416669/
月「落ち着いて状況を説明しろ」
L「ちっとも落ち着いてないじゃないですか、夜神くん」
月「うるさい、だまれ」
月「いきなり空からほうきにまたがった人間が目の前に現れて落ち着いてるほうがどうかしている」
L「それもそうかもしれませんね、善処します」
月「流すな、せめて説明しろ」
L「説明も何も見たまんまですが?」
月「クエスションマークで聞き返すな。僕は空から降ってくる人間を簡単には信用したりはしないんだ」
L「注文の多い人ですね」
月「うるさい」
L「やれやれ、仕方ありません。順番は多少食い違いますが、わたしの正体を教えましょう」
月「…」ゴクリ
L「わたしは……Lです」
月「おい、それはさっき聞いたぞ」
L「すみません。わたし、人間界に来たの初めてでちょっと浮ついてるんです」
月「ああ、そうかい」
月「…………ってちょっと待て、人間界、だと?」
L「ええ」
月「おいおい、その言い方じゃあまるで、人間界以外にも別の世界があるみたいじゃないか」
L「その通りです。ちなみにわたしは死神界、地獄からやってきました」
月「地獄、だと?」
L「そうです、地獄です」
月「地獄の底からやってきた?」
L「底じゃないですが、まあいいです」
月「お前、まさか、ぬ~…」
L「ぼ~、ではありません」
月「っち」
L「舌打ちはやめてください、軽く傷つきます」
月「知るか」
L「それよりいつまでもこんな所にいる訳にはいきません」
L「帰りましょう、夜神くん」
月「おい、まさか家までついてくるつもりか?」
L「当然です。仕事ですから」
月「仕事って、僕を巻き込むつもりかよ」
月「冗談じゃない、会ったばかりの人間を家につれて帰るなんて。しかも男を」
月「家族に誤解されたらどうするんだ」
L「わたしにはあなたが言っている意味は分かりかねますが、少なくとも酷い侮蔑を受けているという認識をしました」
月「その通りさ。いいか?僕にも僕の家族にも絶対近づくんじゃない」
月「もし近づいたら、ただじゃおかないからな」
L「そうなんですか? それは困りましたね」
月「せいぜい困ってればいいさ、じゃあな」スッ
L「おっと夜神くん、あまりわたしから離れない方がいいですよ?」
月「しつこい奴だな、お前もさっさと家に帰った方がいいぞ」
L「離れないでください。じゃないと…………首が落ちますよ?」
月「!?」ピタッ
月「ひどい脅し文句だな」
L「しかし、事実です」
月「地獄の呪いって奴か?」
L「理解が早くて助かります」
月「………わかった。話してみろよ」
L「……」
そこから、エルシィによる説明がなされた。
どうやら地獄から駆け魂という悪魔たちが脱走したらしい。
脱走した駆け魂は人間の女に寄生し、力を蓄えて甦る算段をしているとのこと。
そこで駆け魂が人間に悪さを働かせる前に回収しようと結成されたのが
エルシィたち、駆け魂隊なのだそうな。
月「なんて狂ったご都合主義、まるでマンガやゲームじゃないか」
L「しかし事実ですので仕方ありません」
月「便利な言葉だな、事実って」
月「ふつう、こんなのには使われるハズないんだけど」
L「事実ですから」
月「はぁ」
月「それで、僕に接近してくるなんて、どういった了見なんだ」
L「それは……あなたにわたしのバディになって頂くためです」
月「バディ?」
L「協力者ですよ、人間界の」
L「いくら私たちが死神だとしても、自分たちだけで駆け魂をすべて駆除出来るとは考えていませんから」
月「ふうん、随分殊勝じゃないか」
月「全部でどのくらいいるんだよ、その駆け魂ってのは」
L「先週までで、残り約6万匹です」
月「6……万?」
L「ええ、ですから死神界も焦っていましてね」
L「そこで急遽選ばれたのがわたしというわけです」
月「なるほどね」
L「ただ、わたしも聊か数が多すぎると感じていましてね」
L「一人でやるより人間の協力者がいた方が捗るだろうと」
月「それで、僕に白羽の矢が立ったってわけか」
L「そうです」
月「ふざけるなよ」
月「確かに僕は頭も顔も良くてスポーツ万能、おまけに警察官のエリートである父と、優しい母、可愛い妹にも恵まれたこれ以上ないくらい素晴らしい人間さ」
L「自分で言ってて恥ずかしくないですか、それ」
月「けどな、だからと言って、そんなごたごたに巻き込まれるのはごめんだ」
月「僕は将来、父のような立派な警察官になるんだ」
月「それなのに、人間ですらない死神の戯言なんかにいちいち構ってられるか」
L「……そうですか、残念です」
月「分かればいいよ、僕も声を荒げて悪かった」
L「いえ、夜神くんの言うとおりです。わたしがいけなかった」
L「確かに夜神くんがバディになってくれたら、どんなに楽だろうという下心がありました」
L「死神失格です」
月「いや、なにもそこまで…」
L「いえ、思えばわたしが悪かったんです」
L「駆け魂があなたのご家族に寄生してしまったから、きっとあなたは快く引き受けてくれるだろうと、今考えれば浅はかでした」
月「なに?」
L「すみません、夜神くん。わたしは別のバディを探します」スッ
月「ちょ、ちょっと待て!どういうことだ?僕の家族って?」
L「言葉どおりの意味ですが?」
月「本当か?」
L「死神は冗談は言っても嘘はつきません」
月「くそっ!」
L「ま、バディになってくれない夜神くんには関係のない話でしたね。では」スッ
月「……」
月「っち!」
L「……」
月「わかったよ、死神。バディになってやる」
L「そうですか」フフ
そんなこんなで。
僕は自称死神のエルシィことLと家に帰ったのだった。
月「それで、駆け魂を出すにはどうすればいいんだ?」
L「そうですね、いろいろやり方はありますが、一番手っ取り早いのはsexでしょうか」
月「ぶふぉぉ」
月「おま、いったい何を?」
L「わたしはいたって真面目です」
L「いいですか?駆け魂というのは、人の隙間を寝床にしているんです」
月「それがなんでsexに繋がるんだよ」
L「話は最後まで聞いてください」
L「いいですか?隙間に住んでいるのなら追い出す方法は至ってシンプル」
L「隙間を埋めてやればいいんです」
L「嫉妬、復讐、恋愛…」
L「心の隙間は人それぞれですが、どのパターンにもかなりの確率で埋める事の出来る方法があります」
L「それは、愛」
月「」
L「仮初でもいいので、肉体にだけでも愛情を注ぐと女性という生き物は不思議で心も満たされる場合が多いようです」
月「多いようですって、お前…」
L「今までの実験結果からも証明されています、安心してください」
月「お前ら、そんな実験してたのか」
L「なるべく効率よく駆け魂を出したかったものですから」
L「それに、今までのバディの皆さんも喜んで実験に協力してくれましたよ?」
月「悪魔め」
L「いいえ、死神です」
L「おっと、妹さんが帰ってきたみたいですよ」
L「頑張ってください」
月「が、がんばれってお前なあ」
L「ぐっどらっく」グ
月「くううぅ」
さゆ「あれ~お兄ちゃん。そんなとこで何やってんの?」
月「さ、さゆ」
月(どうする、前々からさゆとは一発やりたいとは思っていたが、まさかこんな事になるなんて)
さゆ「お兄ちゃん?」
月(くそぅ、兄妹として最後の一線だけは決して越えないように妹もののDVDでひたすら我慢してたってのに)
月(なんという運命のいたずら!?)
L「あっ、そうだ言い忘れてました」ニュ
月「ばっ」
L「大丈夫ですよ、いま羽衣の力で夜神くん以外の人間には見えないようにしてあります」
月「そ、そうか」
さゆ「?」
月「それで?」
L「ああ、はいはい」
L「駆け魂を出した後は、いざこざが発生しないように記憶を改ざんするようなっていますので、安心して近親相姦してください」
月「!?」
月「本当か?」
L「勿論です」
月「信じるからな?」
L「どうぞ、信用してください」
さゆ「?お兄ちゃんさっきからなにブツブツ一人で…」
月「さゆ!」ガバッ
さゆ「ぎゃっ!?」
さゆ「お、お兄ちゃん?」ドキドキドキドキ
月「さゆ、好きだよ」
さゆ「え、え?」
月「だから…」スッ
さゆ「ちょ、ちょっと顔近いって!」
月「さゆ…」
さゆ「わ、わ、わ、わ」
月「さゆ」チュッ
さゆ「あ、あああぁぁぁ」トローン
月「はぁ、はぁっ、はぁっ」チュチュチュ
さゆ「や、やあぁぁ」
月「さゆ、どう?」
さゆ「ど、どうって」トローン
月「嫌なら抵抗しても良いんだよ?」
さゆ「べ、別にいやなわけじゃ…」
月「本当?」
さゆ「う、うん」カァァァ
さゆ「お兄ちゃんにキスされるのそんなに悪い気はしないっていうか」
月(なんだ、さゆのヤツ、まんざらでもないじゃないか)
月(これなら……やれる)
月(さよなら、童貞。初めまして、新世界)
月(僕は、新世界で賢者になる!)
さゆ「お兄ちゃん?」
月「おっとごめんよ」
月「さゆがあんまりにも可愛いから思わず見とれてた」
さゆ「も、もう!ばか」
月「さゆ、ここじゃなんだし続きは僕の部屋でしないか?」
さゆ「え、つ、続きって?」
月「分かってるくせに」
さゆ「あ、あうぅ」
月「さっ、行こう」
さゆ「う、うん」
~~~月の部屋~~~
さゆ「ど、どうも」
月「いらっしゃい」
さゆ「ふ、ふつつか者ですが」
月「そんな畏まらないで」
さゆ「う、うん」
月「さてと、じゃあまずは……」スッ
さゆ「ん」ピクッ
月「さゆはやわらかいな」
さゆ「やあぁ、お尻に硬いモノが当たってるよぅ」
月「おっと、これは失礼」
さゆ「お兄ちゃんがこんな変態さんだったなんて」
月「嫌いになった?」
さゆ「そ、そうじゃないけど」
さゆ「ほ、ほら一応わたしたち兄妹だし?」
月「関係ないさ、そんなの」バッ
さゆ「ぎゃっ」
月「僕は妹だからさゆが好きなんじゃない。さゆがさゆだから好きなんだ」
さゆ「お、兄ちゃん」
月「……さゆ」
さゆ「お兄ちゃん」
月「さゆ」
さゆ「き、来て」
月「分かってる」
さゆ「や、優しくしてよ?」
月「ああ」
クチュ
さゆ「あっ」
月「さゆ」チュッ
さゆ「んん!!!」ピクッ
月「さゆ!!!!!」
さゆ「あんっ!?」
ドシュウウウウウウウウウウウウン!!!!
月「な、なんだ、どうした!?」
L「出ました!」
月「へ?」
L「駆け魂!拘留します!」シュウウウウウウウウウウン
月「え、え?」
L「ふう、お疲れ様です、夜神くん」
L「見事駆け魂を捕まえるのに成功しました。ご協力感謝します」
月「ちょ、ちょっと待て!!!」
月「どういうことだ、エルシィ」
L「どうと言われましても」
月「僕はまださゆとsexしてないんだぞ?」
L「はあ」
月「なのにどうして、駆け魂が出るんだよ!?」
L「そりゃあ、心が満たされたからじゃないですか?」
月「そ、そんなバカな」
L「いやあ、お見事でした。あんな見事な場面展開されてしまったらsexする前に出ちゃいますね」
月「くっ、頑張ってムードを出し過ぎたのが仇になったか」
L「そのようです」
L「ちなみに言っておきますが、既に妹さんの駆け魂は出ていますから、これ以降も行為に及ぼうとすれば、それは只の近親相姦になりますよ?」
月「わ、わかってるさ」
月(っち。せっかくのさゆとの馴れ初めが…くそう)
さゆ「お、兄ちゃん?」
月「さゆ!」
さゆ「あ、あれ。あたしなんでお兄ちゃんの部屋に?」
月(本当に記憶が…)
さゆ「どうしたんだろ、わたし」
月「さゆ…」
さゆ「あ、はは。ご、ごめんね。お勉強の邪魔しちゃったのかな?」
月「……」
さゆ「お兄ちゃん、泣いてるの?」
月「!?」
月「な、泣いてなんかいないさ」ゴシゴシ
さゆ「ウソ!だって、すんごい目から汁が出てるよ!?」
月「こ、これは……!!!」
月「これは、さっき転んだからだよ」
さゆ「……」
月「部屋に戻れ、さゆ」
さゆ「う、うん」
月「じゃあな」
さゆ「?おやすみなさい?」
月「さよなら」
さゆ「?」
こうして、僕の童貞をかけた物語は幕を閉じた。
エルシィも駆け魂を捕まえて納得したのか姿を消した。
どうでもいいけど。
そして、数日後。
月(はあ、退屈だ)
月(毎日毎日、同じ事の繰り返し、嫌になる)
月(なにか面白い事が起こればいいのに)
パサッ
月(ん?なんだ、あれ)
月(ノート?)
月(いったいどこから……)
月「まあいい、どうせくだらないもんだろう」
月「それより……」
L「やっぱりノートなんかよりわたしの方がいいですよね?」
月「のわぁぁぁぁぁ!?」
月「え、エルシィ?」
L「はい」
月「ど、どうしてここに?地獄に帰ったんじゃなかったのか?」
L「まさか、だってまだ6万匹もいるんですよ?
L「捕まえたのを渡し一時的に帰っただけです」
月「は、はは」
L「さっ、一緒に駆け魂を捕まえに行きましょう、神にいさん」
月「なんだよ、そのにいさんってのは?」
L「そりゃ、さゆさんの彼氏としては夜神くんはわたしからすればにいさんですから」
月「お、お前、まさかさゆの記憶を…」
さゆ「あっ!お兄ちゃん」
月「さ、さゆ!?どうしてここに?」
さゆ「てへへ、早く終わったから来ちゃった」
月「き、来ちゃったって」
さゆ「紹介するね、わたしの彼氏の竜崎君!」
L「どうも」
月「え、エルシィ、きさっま~~~~~~~~!?」
L「さゆさん逃げましょう」
さゆ「え、なんで?」
L「なんででもです」
月「コラ待てL!!!待て~~~~~!!!!!!」
L「ふっふっふ、こんな世界もいいもんですよ」
さゆ「?」
エルシィ「出番です、神様」月「ちょっと待て」 完
94 : 以下、名... - 2011/07/23(土) 21:42:18.24 a/GL8Abe0 52/53終わりです
読んで下さった方ありがとうございました
97 : 以下、名... - 2011/07/23(土) 21:46:40.22 a/GL8Abe0 53/53ああ、そうだ
さっき禁書のSSも書いてたので禁書が嫌いで無い方はこちらも合わせてどうぞ
佐天「あらゆる穴をゆるくする能力かあ」
https://ayamevip.com/archives/36858633.html
datが読めない人はスレタイでググれば出てくると思います