幼馴染「夜だねー」
男「そうだな」
幼馴染「田舎だから星が本当に綺麗」
男「うん」
幼馴染「男くんの家はこうして屋根の上に登れるからいいよね」
男「寒くない?」
幼馴染「当たり前でしょ」
男「だよね。でも、俺は寒い」
元スレ
幼馴染「ずっと一緒だよ」男「……」
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幼馴染「毛布かけてるじゃない」
幼馴染「温めてあげようか?」
男「遠慮しとくよ。そうだ、コーヒーでも買ってくるよ」
男「何がいい?」
幼馴染「なんでも一緒だよ」ニコッ
男「そうはいかないだろ?とりあえず、何か」
幼馴染「じゃぁ、ココア」
男「OK、じゃっ行ってくるよ」ヨッ
幼馴染「早く戻ってきてねー」
男「はいよー」
幼馴染「まだかな~♪ま~だかな~♪」
幼馴染「あっ!お~い!」
幼馴染「早く上がってきて~」
男「はい、あったかココア」
幼馴染「ありがと」
男「気をつけないとヤケドするよ」
幼馴染「心配ご無用♪」
男「だよね」
幼馴染「せっかくの夜空なのに、星座とかわかんないや」
男「別にいいじゃん。俺だって何も知らないけど」
男「結構楽しめてるぞ」
幼馴染「ふふっ、はい、じゃぁ新しく星座作っちゃおうか!」
男「どうぞ、お好きに」
幼馴染「あれとあれを…あとあれ!」
男「いや、どこを指してるのかさっぱりわからんのだが」
幼馴染「全部つなげると!なんと幼馴染ちゃん座の完成で~す♪」
男「ふ~ん」
幼馴染「あれれ、笑うところだよ?」
男「幼馴染ちゃん座ねぇ」
幼馴染「なによぉ」
男「なんでもない。あつ!」
幼馴染「ココア攻撃!」
男「やめろよ!缶を押し付けるな!熱いだろ!」
幼馴染「えへへ、参ったか!」
男「そうだなぁ……」
男「変わらないのな。お前」
幼馴染「そう?♪」
男「あぁ……何一つ」
幼馴染「……変わりたくないもん」
男「俺は随分と変わったよ。この先ももっと変わっていくと思う」
幼馴染「どれだけ変わってしまっても」
幼馴染「男くんと私はずっと一緒だからね?」
男「……」
男「無理言うなよ」
幼馴染「無理じゃないよ?だって、こうして二人でいるじゃん」
男「そうだけど……」
幼馴染「だったら、問題ないでしょ」
男「……」
男「悪い、今日はこのへんにしよう」
幼馴染「眠くなった?」
男「うん」
幼馴染「それじゃぁ、また明日ね♪」
男「あぁ」
次の日
学校
男「」クラッ クラッ
女「ちょっと!」
男「ん?なに?」
女「また寝不足?」
男「まぁな」
女「はぁ……。大丈夫?」
男「大丈夫、大丈夫」
女「毎日、毎日、夜遅くまで何してるの?」
男「秘密」ウトウト
夜
屋根
男「今日も寒いな」
幼馴染「だんだん寒くなってくるね」
男「よく言うよ」
幼馴染「それくらいわかるもん!」
男「そう」ウトウト
幼馴染「眠そう」
男「大丈夫、そんなことないよ」
幼馴染「そう、よかった」ニコッ
プルルル
幼馴染「?」
男「あぁ、悪い!ちょっと電話」
幼馴染「はいはい」
男「何?」
女『ほら、また夜更かし!』
男「どうしてわかる?今の今まで寝てたかもしれないだろ」
女『下見てごらん』
男「へ?」チラッ
女「にっしっし~」ピース
男「ちょ!お前!」
男「お前!何してんだよ!」ヒソヒソ
女「あたしも眠れなくてね♪コンビニ寄ってたのよ」
女「あんたこそ、屋根の上で何してるの?」
男「いいから!お前は帰れよ!」ヒソヒソ
女「やだ!」
男「もうっ!」クルッ
幼馴染「電話は終わった?」
男「あ、うん。ちょっとコンビニ行ってくる」
幼馴染「うん」
コンビニ前
男「全く、夜遊びもほどほどにしろよ」
女「あんたには言われたくないわね」
女「で、何してたの?」
男「星空見てた」
女「ぷっ、どうしてまた」アハハハ
男「最近、心が病んでてね」
女「そう……やっぱりまだ、あの子のこと」
男「あいつは関係ないよ!」
女「…なんか、ごめんね」
男「謝るなよ」
女「あたしでよければ相談のるから」
男「あぁ、ありがと」
幼馴染「」ショボーン
男「はい、ココア」ポンッ
幼馴染「おそいよ!」
男「悪い」
幼馴染「ふふ」
男「どうした?」
幼馴染「えへへ、幸せだなって♪」
男「どうしたんだよ急に」
幼馴染「男君とふたりきりでいれて幸せだなって」ニコッ
男「……」
次の日
放課後
男「なんだよ?急に」
女「だから!少し用事に付き合いなさいって!」
男「どうしてまた」
女「いいから♪いいから♪」
男「暗くなる前には帰るからな」
女「はいはい♪」
男「で、なんでバーガーショップ?」
女「腹ごしらえよ♪腹が減っては戦はできぬって言うでしょ?」
男「いや、何と戦うつもりだよお前」
女「さぁて、行きますか!」
男「あれだけ食べておいてよくそんなにも動けるな」
女「動かないと太っちゃうでしょ~」
男「はいはい、そうですね」
ショッピングモール
女「どう?似合う?」
男「微妙だねぇ」
女「はぁ?そこはお世辞でも似合ってるよっていいなさいよ」
男「そもそも、こういう可愛いお店よりあっちの店の方が女にはあってるんじゃない?」
女「どれ?」
男「あそこ」
女「って!あれは男の子の服の店でしょ!」
男「」プッフフフ
女「ふぅ、」
男「ん?」
女「やっと笑ったね」ニコッ
男「//////」ドキッ
男「な、なんだよ///いきなり//」
女「最近の男が全然元気ないから」
女「あたしが元の調子に戻してあげようってね♪」
男「それで、買い物に誘ったわけか」
女「まぁね。で、ホントのところどうなの?これ、似合ってる?」
男「微妙」
女「えぇ!なんでよー」
夜
男「やべぇ!すっかり暗くなっちまった!」
女「急いでるの?」
男「まぁな」
女「どうして?また、天体観測?」
男「そんなところ」
女「……ダメ」グイッ
男「なっ」
女「行かせない」
男「今度はなんだよ」
女「あたしは本気であんたのこと心配してるの……」
女「近頃の男、絶対おかしいって!いったい何してるの?」
男「だから、屋上で」
女「それがおかしいのよ!やっぱり幼馴染ちゃんのこと引きずってるんじゃないの?」
男「おいやめろよ」
女「あんたは何も悪くないじゃない!ねぇ!」
男「だからやめろって!!!!!!」
女「あんたはあの時、ただ幼馴染ちゃんを公園に呼んだだけじゃない!!」
幼馴染「」チラッ
男「」ゾクッ
女「どうしたの?」
男「い、いや……」
屋根の上
幼馴染「今日は遅かったね」
男「あ、あぁ」
幼馴染「もう来てくれないのかと思った」
男「まさか、そんなことしないさ」
幼馴染「そうだよね」
男「あぁ」
幼馴染「ところで今日は何してたの?」
男「それは別に…」
幼馴染「女ちゃんとデート?」
男「……」
幼馴染「嘘は良くないよ?」
男「う、嘘ってわけじゃ」
幼馴染「」
幼馴染「」スタッ
男「…な、何?」
幼馴染「」スタスタ
男「ひっ…」
幼馴染「」ギュッ
男「え?」
幼馴染「もう……いいよね?」
男「幼馴染……」
幼馴染「もう寂しくなんかないよね?」ウルウル
男「なに、言ってるんだよ?なぁ?」
幼馴染「あたしがいなくても大丈夫だね」ウルウル
男「ずっと一緒って言ったのはお前の方だろ?何を……」
幼馴染「だって……」
幼馴染「あたしがいないと男君が……寂しそうだったから…」ギュッ
あぁ……そうだった……
俺は幼馴染に告白するために公園に呼んだ
ところが幼馴染は公園にくるまえに事故で死んだ……
その後、俺はショックでずっと立ち直れずにいた
寂しくて寂しくて辛くて……できることなら、ずっと幼馴染と一緒にいたいと思った…
そんな俺のワガママが彼女の魂をこの世につなぎとめていてくれたのだろう……
男「ごめん……」ウルウル
男「俺のせいで……ずっと天国へも行けずに…」
幼馴染「ううん、男くんと一緒にいれて幸せだったよ?」
男「やっぱり、お前は何も変わってないな」
男「優しすぎるよ……」ギュッ
幼馴染「男君はこれから、もっともっと!変わっていくんだよ!」
幼馴染「いつまでもくよくよしてちゃダメだから!」
男「あぁ」ウルウル
幼馴染「もしも、また寂しそうにしてたら」
幼馴染「化けてでてくるからね!」ニコッ
男「もう、お前に心配はかけないよ」
幼馴染「……もう、お別れだね」ウルウル
男「ずっと、一緒だろ?また、すぐ会えるさ」
幼馴染「だめ!すぐに会いに来たから怒るからね!」
幼馴染「男君の人生はこれからなんだから!」
男「じゃぁ、長くなるけど待ってってくれ」
幼馴染「うん!ずっと待ってる!あと、女ちゃんを泣かせたら許さないよ!」
男「あぁ」
幼馴染「それじゃ…またね」チュッ
―――
―
夜
女「綺麗な星空ねぇ♪」
男「あっ」
男「あれとあれを…あとあれ」
男「幼馴染ちゃん座」クスッ
女「あれ?何か言った?」
男「いや、何も」エヘヘ
女「もうっ!絶対何か言った!」
男「なんでもないって♪」
おわり