妹「ちょっと、聞こえてますか?」
兄「……それは偶然じゃない、必然だ」
妹「え?それってどういう……あっ!?///もう!に、兄さんのバカァ……」
元スレ
妹「兄さん、背中に何か当たっているのですが…
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1306601993/
妹「でも兄さんがそういうことをしたいならというかそういう欲望が溜まって犯罪者になるかもしれないから……」ブツブツ
兄「おい……はあ、戻ってこい」ピシッ
妹「いたっ、なにするんですか!というか、早く退いてください!妹に欲情する変態で不潔な万年童貞やろー!」ドタドタ
兄「お前周りを見て見ろよ」
妹「そうやって責任逃れするつもりですか?最悪ですねこの馬鹿兄さんは!」
兄「はいはいなんでもいいから周り見ような」
妹「もう……って、え?電車の中?兄さんっ!いくら兄さんでも電車の中でなんて破廉恥です!この常識欠如ゆとり代表ダメ人間!私は失望しました!」
乗客A「なにあの兄妹……うるさいなあ……」
乗客B「うはwwwリアル痴漢プレイwwwパネェwww」
兄「チッ……黙れよボケ共。他人の行動に一々話題探すのに精一杯なんだな。窮屈な世間に生きてるよ」ボソッ
妹「兄さん早く離れて!私はこんな子に育てた覚えは無いです!」ギャーギャー
兄「……妹、すまんな」バッ
妹「~っ!ウーウーッ!(人の口塞ぐなあ!)」ジタバタ
兄「あのな、お前寝起きでボケけてるんだろうが、ここ満員電車。これでも俺隔壁として機能してる方」ヒソヒソ
妹「ッ!?………(やっちゃた……)」ガックリ
兄「お前は相変わらず寝起きボケてるな。ま、着くまで静かにしとけよ」
アナウンス「○○駅ぃー、○○駅ぃー」
兄「降りるぞ。手握れ。はぐれるぞ」
妹「(穴があったら入りたい……)」コクコク
乗客A「なんなのあの女w迷惑考えろってのw」
乗客B「そうでござるなwww常識無い人間は嫌いナリwww」
兄「豚どもがブーブーうるせえそしてくせえ。早く加工されろよ」ボソッ
乗客B「おいさっきの迷惑兄妹www今何か言ったかwww」
兄「……」チラッ スタスタ
乗客A「俺地獄耳だったから聞こえちゃったんだよ。迷惑かけたのお前らの癖に、その言い方はどうなの?」ガシッ
兄「……?」クルッ
乗客A「多めに見てあげようと思ってたけど、やっぱ社会のためにちょっと学んだ方が良いかもね?」
乗客B「ちょっとそこのトイレ来いよwww」
兄「……だそうだぞ妹」
乗客A「女の子に責任被せるとか最悪の男だね、君。ますます気に入らないな」
妹「……兄さん、なんでこんな気味悪い、というか単純に臭い人間もどきと口きかないといけないんですか?」
乗客B「うはwwwこいつうぜぇwww2人とも締めるかwww」
兄「出来もしないことを言うなよ……あ、そしたら生命維持活動の実況しかできないか」ボソッ
乗客B「あ?」ガシッ
乗客A「……いくら女といっても我慢ならないな。お前もこっちこい」グイッ
妹「きゃああああ!ちっかあああああん!」ビリビリ
乗客AB「!?」
兄「(やっぱこいつの声の通りは凄いな。めっちゃ向こうの奴らがガン見してるわ)」
お巡り「どうしましたかっ!?」
妹「急にこの二人が私にお前は電車の中でうるさかったから、教育が必要とかぬかしやが……言ってきて、手を捕まれたんです!」
乗客A「ち、違います!」
兄「いえ、僕も見てたので間違いありません」
乗客B「違うんですよ!!こいつが俺達の陰口を叩いて!!」
妹「私は現在進行形でバッチリ手を握られてるんですが、これは立派な証拠にはならないんですか!?」
乗客A「っ!」バッ
お巡り「とりあえず、話は署に来てからにしましょうか」
乗客B「これがリアル冤罪かwwwうぇwww」
兄「すみません、僕達急いでいるので先に行きますね。何か連絡があればここにお願いします」サッ
妹「早く行こう、兄さん」ザッ
兄「ああ……では、失礼」タッコツコツ クルッ ニヤッ
乗客AB「っ!」イライラ
妹「兄さん、あなたという人は……いつまでたってもこういうことばかりして……」ハア
兄「言いたいことをいえない世の中が間違っているのさ。他人を気遣うばかりで気苦労だけ溜まる世界なんぞ、全く価値がない」
妹「そうですかっ。そう思うのは勝手ですけど、私は巻き込まないでくださいよ」ムーッ
兄「寝ぼけたお前が悪い」
妹「な、それを言うなら腕力0の非力な兄さんが周りの圧力に耐えれなかったのが原因でもありますよ!」カーッ
兄「はいはい、俺が悪かったよ。巻き込んでごめんな」ニコッ
妹「っ///そ、そうですよ兄さん!本当にあなたはいつまでも子供なんだから!反省しなさい!」ドキドキ
兄「はいはい。んで、今日の飯はなんだ?」
妹「今日はオムライスですよ」
兄「美味しそうだな。楽しみにしてるよ」
妹「そ、そうですか(何でこういうことはサラッと言うんだろう……嬉し……じゃなくて、あー、もうやめやめっ///)」
兄「……」ボーッ
妹「……?」トントン
兄「…………」ボーッ
妹「…………っ///(兄さんそんなに見られたら料理に集中できないですよ///)」コンコンパカッ
兄「……………………」ボーッ
妹「~っ///兄さん、何か言いたいことでもあるんですか!?///」クルッ
兄「いや、良い姑になりそうだと思って」
妹「 」プチッ
兄「俺の頭はライスじゃないぞ」
妹「いいえ、兄さんにはそれで十分ですよ。あ、晩御飯がですよ?」ニコニコ
兄「すまん、その晩飯の生卵一個、さっき顔に当たって破裂し
妹「じゃあ兄さん、新しい晩御飯よ」ビシュッ
兄「こ(の速度は死ぬ)」バキッ
兄「……んっ……?」パチパチ
妹「目は覚めましたか?というか頭は冷めましたか?(良かったぁ……)」
兄「ああ……俺……死んだのか」
妹「はい?なぜです?(ああ、兄さんを膝枕する日がくるなんて……)」
兄「妹に膝枕されるとか、こんな夢みたいなことある訳ないからさ」
妹「それって……(兄さん、私のことが好きって遠まわしに言ってるの?ああ、ダメよ私、でも……でもっ!いや、今しかない言っちゃえ)に」
兄「こんな「悪」夢が続き続けるというのは地獄に違いなガッ
兄「二回失神するのは流石にヤバい」
妹「自業自得ですっ(期待した私が馬鹿だったのよね……って、期待なんてしてない///)」
兄「そのせいで脚はガクガク、風呂に入れるかどうか怪しい……」ズーン
妹「知りませんっ!(私が手伝って……いや、そんなのある訳ないですよね。ふふ、馬鹿みたい)」
兄「だから、すまない。嫌だとは思うが手伝ってくれないか」
妹「仕方ないですね。わかりまし……今、なんて?」
兄「風呂入るの手伝ってくれ」
妹「な///な、ななな!(な、ななななな)」
兄「嫌だったろ?ごめんな、じゃあ1人で入ってく
妹「いや、その、失神させた責任は私にあるんだから、責任は取ります///他意はありませんから、勘違いしないようにっ///(きゃああ////)」
兄「本当か?ありがとうな」ニコッ
妹「ふ、服はどうしますか?(ま、まさか脱ぎ脱ぎも出来るのかな///いや、今なら一押しすればさせてくれるはず!)てつだ」
兄「いや、流石に服は自分で脱げる」
妹「……当然そうですよね。私にそれを頼んだら、一日に失神する回数を更新するところでしたよ……」
兄「おお怖い怖い。入ったら呼ぶから、扉の前にいてくれ」
妹「わかりました。あまり私を待たせちゃ嫌ですよ」ガチャ
兄「ああ、わかってる。……すまないな……妹……」
兄「よっと。おーい妹ー、入ってきていいぞー」
妹「は、はーい///(私、勇気を出しなさい!今が兄さんとの仲を進展させられるチャンs……だめよ!だって)兄さんは家族兄さんは家族兄さんは家族……」ブツブツ
兄「またトランスモードに入りやがった……ほら、しっかりしろ」ガラガラ ピシッ
妹「いたっ!もう、何するのよ兄さん!」ムーッ
兄「……1人でブツブツ言ってんな。早く入って来いよ」
妹「わかり……まし……た///(そういえば私バスタオル一枚で勇気出してきたんだった。コレ……やっぱり恥ずかしい)失礼……しま……す///」ガラガラ
妹「(私はこんなに緊張してるのに、兄さんは無反応なんだ……ええい、もうヤケクソよ!緊張するな私!)」
兄「じゃあまずは髪から洗ってくれるか」
妹「わかりました。では、失礼します」ワシャワシワャ
兄「……――――――……」ブツブツ
妹「痒いところはありませんか?(兄さん何か呟いてる?この距離じゃ聞こえないわ……)」ムニュッ
兄「」ピクッ
兄「あ、ああ……後頭部が痒いかな……――――――――」ブツブツブツブツ
妹「え?ごめんなさい、聞こえなかったので、もう一回言ってもらって良いですか?(あとちょっとで聞こえそう……)」ムニュニュッ スリスリ
兄「」ピシピシ
兄「後―人の存在意義について考えよう胸―頭―いやそんなのはむいみおっぱい―部――だが人間の本質は所詮動物乳――」ブツブツ
妹「後頭部ですね、わかりました。(所々しか聞こえなかったけど、思考遊び?やっぱ私といても楽しくないのかな……)」サッ
兄「………オッケー。もう流して貰っても良いか」
妹「はーい」ジャーッ ワシャワシャ
兄「体は自分で流すよ」
妹「え?まだトリートメントがあるじゃないですか?」
兄「いや、実は俺使わない主義でさ」
妹「だめですよ、面倒くさがったら。私は髪ガサガサの見苦しい兄さんなんて見たくないですからね(本当は兄さんの髪にもっと触りたいからだけどね///)」
兄「……そうか。じゃあかかってこい。準備は万端だ」
妹「かかってこいって、戦うわけじゃないんですよ?兄さんったら」ニコッ
兄「」
妹「それじゃ、洗っていきますね」ヌルヌル
妹「……んっ……んっ(人の頭洗うのってこんなに難しいのかあ……つっかえちゃって無駄に力入っちゃう)気持ち……んんっ……良いですか?」ヌルワシャ
兄「」ピキピキピキ
兄「気持ち良いよ……13571113171923293137……」ブツブツ
妹「良かったです……んっ……しょっ……(素数?はあ……私って本当に魅力ないんだ……)」ショボーン
兄「もう良いから、流してくれっ」
妹「そ、そんな急に大声で言わなくても良いじゃないですか……(きっと洗うの下手だったんだろうな……)」ショボーン
兄「あ、いや、その、トリートメントに慣れてないから、何か変な感じしちゃったからさ……ごめんな、妹」
妹「あ……そうなん……ですか?というか、無理に勧めた私がいけませんでしたね。ごめんなさい、兄さん」テヘッ
兄「」
兄「……体流すから、一旦でてもらって良いか?」
妹「わかりました。なにかあったらすぐ飛んでいきますからね。失神の責任はちゃんととりますよ」ニコッ ガチャ
兄「……母さん、父さん、俺は妹にこんなことを頼んだ自分を恨むよ。本当に悪夢だ……」ゴシゴシ
兄「はあ……」ジャー
兄「妹、洗い終わったぞ。心配ありがとう」ニコッ
妹「///(本当に綺麗な、私の大好きな、兄さんの笑顔///)はい、兄さんは本当にあぶなっかしいんですから!気をつけないとダ……は……は……クシュンッ」
兄「湯冷めしちゃったみたいだな。俺の変わりに入れよ」
妹「いえ、私は至ってけんこ……クシュンックシュンッ」ズズッ
兄「無理すんな、ほら、入れ……あれ……」ジャボン
妹「兄さん?急に湯船に入ってどうしたんですか?まさか、失神?」
兄「」グテー
妹「兄さーん?だめ、私の力じゃ湯船から出せない……」
妹「頬を叩いて起こすしかないか……」
妹「湯船に入らないとちゃんと頬叩けないな……よいしょ」ジャボジャボ
妹「兄さん!兄さん」ピシピシ
兄「ん……?あれ?なんで俺湯船に?」
妹「良かった……って兄さん……っ///」
兄「ん?」ジーッ
兄「」
みぎて が やわらかいなにか に ふれている
兄「」
妹「ちょっと兄さん!?早くどけてください!」
兄「あ、ああ」サッ
妹「んんっ!///兄さんっ///……もっと優しく///(兄さんの手が、手が///)」
兄「すまん、わざとじゃないんだ」ピクッ
妹「いいんですよ///……謝らなくて……んっ///兄さん///」ボソボソ
兄「―――――――先上がっとく」バシャ ガチャ
その夜
妹「はあ……はあ……兄さん……んっ///あ、あん///(隣の部屋は兄さんなのよ?もっと声抑えないと……ダメなのに///)」クチュクチュ
妹「ん、んんっーーー!////」ビクッビクッ
妹「―――――――はあ……はあ……兄さん……兄さんは私のことどう思ってるのかな?」
コンコン
妹「兄さん!?は、入ってどうぞ」ドキドキ
兄「邪魔するぞ」
妹「は、はい(わ、私変じゃないかな?大丈夫だよね?よし、自分に自信を持て、私!!)」
兄「妹、今日はお前に質問があってきたんだ」
妹「質問……ですか?(まさか……さっきの声聞こえてた……の?)」ドキドキドキドキ
兄「唐突だが――――
兄「好きな人はいるか?」
妹「え?///そ、そんなの、兄さんが知ることではないでしょう?」
兄「………」
妹「兄……さん……?」
兄「……すまない、本当は聞くまでもなかったんだ」
妹「どういうこと……ですか?」
兄「お前は、俺のことを好きなんじゃないか」
妹「そ、そんなわけ無いじゃないですか。コレだから自意識過剰な馬鹿はいやなんです(なんでわかったの!?)」
兄「………」
妹「どうしました?やっぱり恥ずかしい間違いだっ「うるさい」
妹「え?」
兄「俺はお前が嫌いなんだよ」
兄「今まで我慢してたけど、もう無理だ。俺は出て行く」
妹「嘘……ですよね?だって私達、2人だけの唯一の家族じゃないですかっ!」
兄「……それがどうした?」
妹「それ……?家族の繋がりをそれ呼ばわりするんですか?兄さん、私はあなたを見損ないました!」
兄「そうか。じゃあ、俺のこと嫌いになったんだから、追い出しやすくなったろ?良かったじゃないk
妹「そんな訳ないじゃないですかっ!!」グスッ
妹「ええ、私は兄さんのことが好きです。だから、忘れられる訳ないじゃないですかっ!!」ポロポロ
兄「泣くな見苦しい。泣いたところで俺がお前を嫌いだっていう事実は変わらないし、俺はもう出て行くんだから」
妹「だって、だって!!嫌だよ!!独りぼっちは怖いよ!!置いてかないで!お兄ちゃん!!おにいちゃああん」
兄「……………」ガチャ
兄「これでいい。これでいいんだよな…………妹」
どうか幸せに
妹「なんで……なんでなの……兄さん……はは、もう、涙も出ないよ」
妹「そうだ……兄さんの日記帳があったんだ……なんで今まで気づかなかったんだろう……」
妹「探そう……」
妹「……」ガサゴソ
妹「あった」
【○月×日】
今日、両親が死んだ
2人とも仲良く首を吊ったらしい
遺書には、財産相続と妹を立派に育てるようにという旨が書いてあった
妹は、俺が守る
【○月○×日】
もう俺は両親のいない生活に慣れた
薄情な人間なのだろうか、俺は
妹は塞ぎ込んでいる
俺にはどうすればいいのかわからない
妹には支えてくれる親が必要だ
なら、俺が親になるんだ
【×月×日】
妹に元気がなかった
理由は、友達に、両親がいないと言うと、空気が重くなるらしい。すると、周りから距離をおかれるそうだ
空気とは何なのか
理解に苦しむ
【□月○日】
妹が元気になった
嬉しいことだ
最近世の中が下らないことに思えてきた
両親がいなくとも、金があればまだまだ子供の俺達は生き残ることができた
紙一枚がなんだというのか
それと、空気というものが何なのか学んだ
学んだら息が詰まった
こんな言いたいことも言えない世の中に、何の意味があるのだろう
△月○日
俺は妹が好きだということに気づいた
だが俺は妹の親なのだ。家族なのだ
妹が偏見の目で見られないように、この気持ちは諦めよう
▲月□日
妹は俺のことが好きなようだ
心で思っていることが家では漏れ出てるのに気づかないのか
これはどうにかしなければならない
□△月○日
そもそも俺は妹に冷たくすることが無理だった
この問題の解決策がわからない
妹を好きな気持ちも消えない
下らない世の中で、これだけが光っている
【□○月○日】
解決策を思いついた
俺が出て行くしかない
妹に嫌いだといわなければならないことがどうしようもなく悲しい
【□○月×日】
決行予定日
今日は、妹の誕生日だ
こんな日を妹と縁を切る日に選んだ俺が恨めしい
これはここに置いていく
妹の事を思い出して、どうしようもなく辛くなるだろうから
妹「兄さん……私のために……こんな苦労してたんだ……」ポロッ
妹「あれ?もう枯れるほど泣いたのに、また涙が出るよ……」ポロポロ
妹「これは、嬉し涙だからなのかな?兄さんの苦労を見て嬉しいなんて、私ホント、おかしいな」ポロポロ
妹「でも、泣いてちゃだめだよ、私」ゴシゴシ
妹「兄さんに嫌われちゃうのだけは、いやですから」ニコッ
兄「(結局、妹への思いを、俺は断ち切れなかったんだろうな)」
兄「(あの日記を残したのも、妹に俺のことを忘れて欲しく無かったからなんだろうな)」
駅員「白線の内側までお下がりください」
兄「(でも、この一歩を踏み出せば、強制的に断ち切られる)」
駅員「まもなく電車が到着します、白線の……」
駅員「列車が到着しました」
兄「さようなら、妹。そして最後に、おめでとう妹」コツコツ
兄「最後は笑顔で」ニコッ コツ……
電車から降りてきた人間「お前はwwwあの時のwww」
兄「ん?」
乗客A「よお、あん時はお世話になったね」
乗客B「今日こそお前シメるからwww」
兄「先日の俺を呪うぞ……」ガクッ
兄「この電車には遅れられないんだ。どいてくれ豚共」
乗客A「はいそうですかっていくわけないよね?」
乗客B「遅らせてやんよwww」
駅員「ドアが閉まりますご注意下さい」
兄「マズい、ほら退きながら跪けカス共」ダッ
乗客AB「二人に勝とうとか無謀w」ガシッ
兄「な、冗談だろ?どけ!どいてくれっ!!」
駅員「発車します」
兄「な……………」
乗客A「はい、ドンマイ」
乗客B 「ざまあ見ろwww」
乗客A「じゃああとはゆっくりトイレで話そうか^^」ガシッ
「きゃああああ!ちっかあああああん!」ビリビリ
それはそれはよく通る声が俺の隣で聞こえた
当然周りの目は俺達に釘付けだ
乗客AB「なっ!」
お巡りさん「またお前たち、性懲りもなく同じことを……話は署でゆっくり聞くよ」
「兄さんは本当にいつまでこんなことをするつもりですか?私がいないとダメなんですから」ニコッ
だが、俺の目は乗客Aに腕を捕まれていた妹に釘付けだった
兄「……日記見たのか?」
妹「はい」
兄「俺は、妹、お前を、偏見の目で見られるようにしてしまう」プルプル
妹「気にしませんよ」
兄「式だって挙げられない」プルプル
妹「兄さんがいるだけで良いですよ」
兄「他にも他にも、沢山、お前に迷惑かけグスッ……るよ」プルプル
妹「兄さんがそばにいてくれないことの方が、よっぽど迷惑ですよ、私にとっては」
兄「妹……」 ポタポタ
妹「兄さんっ!」
俺たちの独壇場になったホームに
妹「私は」
よく通る俺の大好きな声が
妹「兄さんのことが」
鳴り響く
妹「大好きですっ!」
兄「妹っ!」
私の声に呼応して
兄「俺も」
私の大好きな力強い声が
兄「妹のことが」
不安定な私達を支えてくれる
兄「大好きだっ!」
言い終わると同時に妹が俺に抱きついてきた
これからの未来は辛く厳しいものになるだろうけど
妹「兄さん、背中に何か当たっているのですが」
今はこの幸福を噛み締めよう
だから
兄「妹、誕生日おめでとう」ニコッ
この瞬間の幸福を、この指輪に込めて
妹「ありがとうっ」ニコッ
君に贈るよ
fin