1 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 01:51:32.62 R2IT9UP50 1/260

「なんで!」

「うむ。お前がこれから行く学校は所謂上流階級のご子息が学ばれる場所なのは知っておろう」

「う、ん……」

「無論、学力も並大抵では入れん。そんな中でお前は猛勉強して入学に成功したな」

「まぁ、そうだけど……それと何の関係があるって言うのさ!」

「まぁ、まて落ち着け。あそこには代々受け継がれる伝統があってな」

「伝統?」

「うむ。代々学年から1~3人。その学年で特に美しい男たちが女装するという慣わしがあるのだ!」



元スレ
男「僕が女装して男子高に!?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309798292/

4 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 01:56:55.72 R2IT9UP50 2/260

「な、そ……そんなの聞いてないよ!!」

「では行くのをやめるのか? あんなに入りたがっていて猛勉強していたではないか」

「う……そ、それは」

「まぁどんな理由があるのかは聞かんが。これも運命だと思え。父としては鼻が高いぞ」

「じ、冗談じゃないよ! 第一僕はそんな、き、綺麗ってわけでもないし!」

「まぁ確かに。お前は庶民の中で美しいが、それもあの中に混じれば大したものではないな」

「じゃあなんで――?」

「どうやら、庶民が一般入試で合格というのは大変珍しいそうだ。という訳で見世物としての効果もあるのだろう」

「……嫌だ」

「頑張れ。荷物は纏めてある。明日から寮生活だ辛いとは思うが……」ポンッ

「父さん……今はちょっと、一人にさせて」トタトタ...バタンッ


7 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:01:13.61 R2IT9UP50 3/260

「……女装だなんて聞いてないよ……」ボフンッ

「大体僕女物なんて持ってないし……あ、それは支給されるのか。金持ちどもが行く学校だもんな」

「……はぁぁ……」コロンッ

「……あの人にもう一度会う為に頑張ったのに……こんなんじゃ……」

「……頑張らなきゃ」グシグシ

「こんなことで挫けてたまるか!」

「よし! やるぞ! 女装がなんだってんだ! 僕はやるぞー!」ウォォォオオオオ

(なんだかよく分からんがやる気になってくれてよかった! 金ががっぽり入る!)


14 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:06:28.17 R2IT9UP50 4/260

「頑張れよ」ブロロロロ.....

「……ついた」

受付「男様でございますね。こちらが寮の部屋鍵となります。番号は……」

「あっ、はい。ありがとうございます」

受付「それでは、部屋につきましたらお召し物がありますのでそれを着てもう一度こちらへいっしゃってください」

「あ、はい……」

「……女装する為の服だろうな…………」

「はぁ。気が滅入るよ……」ガチャ

美男「……あ」

「えっ……」バタン

「間違えたかな……いや、合ってるよね」

「……」ガチャ

美男「よっ」


18 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:10:28.51 R2IT9UP50 5/260

「……」バタンッ

美男「ちょ、ちょ! 閉めんなよ!」ガチャ

「うわああ! なんですか! 僕何も金目の物なんて持ってません!!」ヒィィヤァァア

美男「ちげーよ! 強盗でも泥棒でもないって!」

「じ、じゃあなんですか!? 人の部屋に勝手に入ってるなんてチンピラですか!?」

美男「ち、チンピラ……俺をチンピラ呼ばわり……」

「と、とりあえず出てってくださいよ!!」グイグイ

美男「わっ、馬鹿! 押すな! 俺もこの部屋の住人だっつーの!」

「知りませんよーそんな事ー!! って……えっ……?」

美男「はぁ。やっと話聞いてくれたか」


21 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:13:26.63 R2IT9UP50 6/260

「えっ、だって一人だって……」

美男「まぁ普通はな」

「ど、どういうことですか?」

美男「俺もお前と同じ女装に選ばれた人間って事さ」

「あっ……なるほど……」ジッー

美男「どうだ? 美しいだろ?」パサッ

「あ、はい。そうですね。で? なんで僕達は共同なんですか?」

美男「まぁ、それは防犯ってとこかな」

「防犯?」


26 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:17:29.58 R2IT9UP50 7/260

美男「勿論この寮はガードマンが何人も居て、厳重に警備されてるんだけど」

美男「ほら、俺って美しいじゃん? んでしかも女装を義務付けられる。んでここは男子高で寮生活」

美男「いくら躾られた犬でも、発情期には敵わないってね」

「あ、ああー……なるほど」

美男「まぁ、そうそうそんな事はありえないんだけど……万が一のことも考えて女装役に選ばれた人間は大抵共同になる」

「昔、そんな事があったんですかね?」

美男「らしいね。数人で取り押さえて……って事があったみたいだ。それ以来こういう制度になったのさ」

美男「だから俺たちに近づくのはすげー難しいことなんだぜ? 俺達に気に入れられて尚且つ学園がOKを出さないと触れることもできないんだ」

「へぇ……厳しいんですね……それにしてもよく知ってますね。同じ、一年ですよね?」


28 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:21:18.73 R2IT9UP50 8/260

美男「ああ、俺の親父がここの学園長だから」

「へえ……ってえええええ!!?」

美男「ふふっ。やっぱり驚くよな。だからさ、俺の機嫌損ねないように気をつけた方がいいよ」ニッ

「……」(この人なんか嫌だなぁ……)

美男「にしても君が一般で入学した子かぁー!」クルクル

「な、なんですか……? なんで僕の周りをまわってるんですか?」

美男「おっ、この角度。この角度いいね、ベストショットだよ」クイッ

「は、はぁ……」

美男「まぁまぁ可愛い子で良かったよ。俺醜いもの見ると虫唾か走って仕方ないからさ」

「そ、そうですか」

美男「んじゃぱぱーっときがえて下降りようぜ」スタスタ


30 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:25:12.04 R2IT9UP50 9/260

(うっ……なんか人前で脱ぐの恥ずかしいな)

「……」モジモジ

美男「何してんだよ。早く着替えないと駄目だぜ」ヌギヌギ ポイッポイッ

「あ……」(綺麗な体……凄いな)ジッー

美男「……ん? どうした? そんなに俺の体気になる?」

「えっ、あ! いや! 全然そんな事ありません」バッ

美男「はは。可愛いな」

「か、かわ……!?」ビクッ

美男「うん。なんか反応が新鮮。これが庶民か……取り乱しちゃって可愛いよ」

「や、やめてくださいよ! 僕男ですから!」ササッ


31 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:28:53.73 R2IT9UP50 10/260

美男「普通だったら赤面してさ。そのまま俺に口説き落とされてベットへ行くとこなんだけどなぁ」

「ふ、不潔ですよ!!」

美男「俺とするの嫌?」クイッ

「い、嫌ですよ! 嫌に決まってるでしょ!」ドンッ

美男「うおっ」ヨロッ

「僕に近づかないで下さい! この変態っ!」

美男「変態……くくっ。アハハハ!」

「何がおかしいんですか……? 頭おかしいんですか?」

美男「いやぁー俺そんな事言われたの初めてだったから。君結構毒舌だね」

「いや、これが普通ですから……」


32 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:31:27.81 R2IT9UP50 11/260

美男「それにギャアギャアうるさいし……」

「うッ……す、すいません」

美男「へえ。割と素直なとこもあるんだね」キョトン

「……僕を動物か何かだと思ってません?」

美男「あはは。当たり。よくわかったね」ケラケラケラ

「……」ヌギヌギ

美男「あっ? 怒っちゃった?」

「怒ってませんよ別に! さっさと着替えて下行きましょ!」

美男「分かりやすい嘘だなぁ~」プチプチ


34 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:34:57.50 R2IT9UP50 12/260

「……なんだこのピンクのフリフリ」

美男「おっ、中々可愛いじゃん。着てみなよきっと似合うぜ?」

「ち、近づかないでって言ったじゃないですか」サササッ

美男「あっ、ひでーなぁ。これから長い付き合いになるんだから仲良くしよーぜ」

「……先に変な事してきたのはそっちじゃないですか」

美男「変なこと?」

「そ、その……キスしようとしたり……とか」

美男「そんなに変なことかな?」

「は、はあ?」

美男「気に入った子にするのなんて当たり前だと思うけど」

「り、理解できない……」


35 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:38:02.70 R2IT9UP50 13/260

「おい! 遅いぞ何やってんだ!」

美男「やっべ。先輩が来た。急いで着替えろ!」

「えっあ、うん!」

美男「い、今いきまーす!」

「たくっ……早くしろよ!」

美男「終わったか?」

「う、うん」

美男「あ、微妙に崩れてるぞ……じっとしてろ」

「……」

美男「よしOK。俺もいいよな? うん。完璧。今いきまーす!」


39 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:40:20.44 R2IT9UP50 14/260

女装「着替えるのにいつまで時間かかってんだ馬鹿!」

美男「すいません……」

女装「たくっ……ほら、急げ。時間までもうそんなに時間がないぞ!」

美男「はーい。ほら、行こうぜ」グイッ

「あ、うん……手引っ張んないでよ」

美男「ん? 嫌?」

「別に……握ってなくたって迷子になんかなりませんから」

美男「そう? じゃあ離すけど」パッ

(もしかして純粋な好意としてやってくれたのかな……)

「よくわかんないな……」


40 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:43:15.52 R2IT9UP50 15/260

「どこ行くんですか?」

美男「受付しただろ? あそこで服装のチェックして、お披露目」

「お披露目?」

美男「そ。入学式で俺達は壇上に上がって新入り女装として全校生徒お披露目するのさ」

「ああ……いやですね」

美男「別に俺は注目されてるの慣れてるけど。君はいやなの?」

「あ、まぁ……あんまり得意じゃないです」

美男「そっか。まぁ適当にやってりゃ平気だろうから安心しなよ」

「うん……そうですね」


41 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:46:01.04 R2IT9UP50 16/260

美男「さっきから気になってるんだけどさ、その敬語。やめようぜ」

「えっ?」

美男「これから俺たち本当に長い付き合いになるんだからさ。もっと打ち解けて欲しいんだよ」

「あ、うん……わか、った」

美男「うんうん。良い感じ。俺たち女装役は学園生活で友人なんて呼べる人間は出来ないんだ」

「あっ」

美男「だから、こうやって同じ境遇の女装役たちだしか仲良くなる事は出来ないからさ。俺君と仲良くなりたいもん」

「うん、わかった。よろしく」

美男「うん。よろしくな!」

(最初はびっくりしたけど、悪い人じゃないみたいだな)


44 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:50:43.15 R2IT9UP50 17/260

受付「OKです」

美男「ん。じゃあ後は裏で待機だな」

「はぁ。なんかドキドキするね」

女装「お前ら、恥じかきたくなかったら大人しくしてろよ」

「あ、はい」(なんかこの人高圧的で怖いな……)

女装「いいか、俺が合図したら、袖から出て……進行は……」

(あ、この人色々教えてくれる良い人だ。面倒見いいな)

美男「まぁ要するに適当に愛想振り撒いてればいいんですよね?」

女装「んーまぁ。そうだな」

美男「楽勝楽勝♪」

「うー……緊張する……」


46 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:54:55.45 R2IT9UP50 18/260

女装「緊張するか?」

「あ………はい。気恥ずかしさもあるし……」

女装「大丈夫大丈夫。俺も最初はいやで仕方なかったけどさ。慣れるもんだよ」

「そうですかね……」

女装「それに俺も最初失敗なんて沢山したから。最初は誰でもするんだー位の気持ちで挑む方が楽さ」

「それでは続いて女装役達の紹介です」

女装「おっ、出番だな。よし。俺が先に出るから後から適当に真似してろ」

「は、はい」

女装「みんなぁー! 今年も2学年は僕が担当するよ! よろしくねー!」

「わぁあああ!!!」 「ひゅーひゅー!!」

美男「あんな感じか」

「うわ……真似したくない……てか本当にお坊ちゃま学校なの?」


48 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 02:58:08.49 R2IT9UP50 19/260

「続いて新女装役の入場です」

美男「良し。俺はもっとエレガントにクールに決めてくるぜ」

「あははは……」

美男「……」カッカッカッ

美男「……ふっ」チラッ ニコッ

「お……ぉぉ……」 「すげえ……」 「……惚れちゃったかも」 「お兄様ー!」

美男「ふっ。早くも決まってるな。流石俺」

「う、僕も行かないと」

「……」トコトコ

(は、恥ずかしい!!)


49 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:01:06.45 R2IT9UP50 20/260

(しかもこの服邪魔だし……靴も歩きづらいし!)

(ああ、もう! 早く終わってくれ――――)グラッ

女装「!」

「あっ!」(あ、足が! こ、ころぶー!)

美男「っ!」グイッ

「うわあ!」(う、腕引っ張られ)

美男「ほっ!」スクッ

「わあああああああ!!!」

「えっ……なに? なに?」


51 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:03:51.43 R2IT9UP50 21/260

美男「ご無事ですか? お嬢様」パチンッ

「えっ? あ、あああ! あっ!」バッ

(大声だしちゃ駄目だ……てか、今の状況ってもしかしていや、もしかしなくても)

(お姫様抱っこぉぉおーーーー!!!???)

「退場です」

「わーわー!!」 「ひゅーひゅー!」 「お兄様ー!!」
 
美男「よいしょっと。ふぅ。危ないところだったな」ニッ

「あ、う……ああ……」

美男「ん? どうした?」


54 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:11:57.08 R2IT9UP50 22/260

女装「よくやったぞ美男! 良い機転だったな!」

美男「まぁ、これくらいやれないとね」

女装「こいつぅ!」

美男「アハハハ!」

「……あ」(そうだ。僕転びそうになったところを助けてもらったんだ)

「び、美男君……その、ありがと」

美男「ん? いいってことよ。これで俺も随分とアピールできたし一石二鳥ってな」

「あはは。助かったよ」

女装「まぁこれで大分二人とも印象付いただろうな。もしかしたら今この瞬間にはもうファンクラブが出来てるかもしれないぞ」

「ま、まさかぁ……」


56 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:16:27.26 R2IT9UP50 23/260

女装「んじゃ寮に戻るとするかぁ」

美男「先輩皆の前だと性格変わりましたね」

「あはは。本当にね。全然違ったよね」

女装「うるせーなぁ……いいんだよこんなもんで。媚びうるのが仕事なんだからよー」ヒラヒラ

美男「ん? なんか寮の前が騒がしいな」

「なんだろうね?」

女装「いや、まさかとは思うが……」

「わぁぁああ!」 「来たぞー!」 「本物だあああ!!」 「お兄様ー!」

「えっ……何これ……」オロオロ

美男「あー……ファンクラブって奴か」

ドドドドドド゙ド


59 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:21:00.40 R2IT9UP50 24/260

女装「うお! 囲まれるぞ! こっちだ!」

美男「はーいよ!」

「えっ、あっ……ま、待って!」ガッ

「うわっ!」ドシャ

「また転んだ!」 「可愛いぃぃい!!」 「俺たちが起しに言ってあげようぜ!」

「う、うわぁ!」

美男「チッ……!」ダッ

女装「あ、おい!」

美男「はいはいはいはい! この俺に用があるんだろ? さぁどんどんこっちへこいよ」

「うわあああ!」 「こっち着たぞー!」 「美しい! 神が創った芸術だ!」 「お兄様ー!」

「あっ……や、あ……」

女装「ほら、こっちこい!」グイッ


61 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:23:25.00 R2IT9UP50 25/260

「えっでも……」

女装「馬鹿か! わざわざお前の為にあいつは行ったんだ! 見つかる前にずらかるぞ!」

「あっ……はい」タタタッ

美男「……」(上手く逃げれたみたいだな)

美男「んー? 好きな食べ物? 君たちみたいな子達かな。今すぐ食べちゃいたいよ」

美男(すぐに警備員がくると思うけど……まぁその時まで我慢我慢)


63 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:27:50.47 R2IT9UP50 26/260

女装「とりあえず俺の部屋こい。消毒するから」

「はい」

女装「えーと確か。ここに……あっあった。ほら、ちょっと沁みるけど我慢しろよ」

「うん……いてて……」

女装「我慢しろ。男の子だろ。……まぁ、この格好じゃ説得力ねーけどよ。ほい。終り」

「あ、ありがとうございます」

女装「ん。なんかあったら俺の部屋こいよ。お前のとこのすぐ真上だから」

「はい……あの、美男君は……」

女装「ん? ああ、あいつはお前と違って慣れてそうだし適当に捌いてるだろうよ。それにそのうち騒ぎを聞きつけて職員がくる……」

「あ、そっか……良かった」

女装「まぁ収まるまで俺の部屋でゆっくりしてな。ほら、林檎食うか?」

「あ、いえ……おかまいなく」

女装「そうか。美味いのに」シャリッ


65 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:32:34.18 R2IT9UP50 27/260

「……なんでこんな伝統あるんでしょうね」

女装「ん? ああ、最初からあるわけじやなかったみたいだぜ」

「へえ」

女装「ま、皆年頃の少年青年だからな。風紀の乱れがあったんだと」

「風紀の乱れ?」

女装「…………ズッコンバッコンやってたって事だよ」

「ず、ずっこんばっこん……こ、言葉を選んでくださいよっ!」カァア

女装「んでそれを嘆いた当時の学園長がこの制度を作ったと。思いの外効果的だったらしく今も続いてるそうだよ」

「そ、そうなんですか……」

女装「ま、これが一種の名物みたいなもんだしな。お前もそのつもりで入ったんじゃなかったのか?」

「ち、違いますよ! 僕は、その……」

女装「なんだよ。気になるな、言えよ」シャクシャク


67 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:37:52.11 R2IT9UP50 28/260

「ええ……嫌ですよっ」

女装「ああん!? 先輩に逆らう気かよ!?」ズイッ

「そんな女装した姿ですごまれても……」

女装「たくっ。いいじゃんかよ。これも親睦を深める為だよ」シャリッ

「う、うーん……」

女装「ほら、言えって」モグモグ

「先輩、青色の襟章って何年生だかわかりますか?」

女装「ん? そりゃ俺の学年。2年だよ」ゴクン

「そ、そうなんだ……」

女装「ははーん。さてはお前、見も知らぬこの学園の生徒に惚れたんだな?」ニヤニヤ

「う、うるさいですよ……」


69 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:41:07.31 R2IT9UP50 29/260

女装「ビンゴかよ! ヒュー! 今時珍しいねえ!」

「うう……だから言いたくなかったんです」

女装「ははは。悪い悪い。まさかでもなぁー……一途だなぁオイ。どんな出会いだったんだよ」

「そこまで言うんですかぁ?」

女装「もうここまで来たらどこまでいおうと同じだよ! 大体ここでやめるなんて許さねえ。聞くまで帰さねえからな」

「ハァ……分かりましたよ」

女装「わくわく」

「アレはですね……僕が電車で痴漢に会った日でした」


70 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:43:43.52 R2IT9UP50 30/260

(はぁ……満員電車って疲れるなぁ……)

おっさん「……」チラチラ

(早くつかないかなぁ……)

おっさん「……」ソッー サワサワ

(えっ!?)ビクッ

おっさん「……」スリスリ ムニムニ

(えっ嘘!? 痴漢? 僕に? 制服着てるのに?)ゾワワ

おっさん「はぁはぁ……」サワサワ

(ぅうう……気持ち悪い……誰か助けて……)


71 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:46:24.51 R2IT9UP50 31/260

(男なのに痴漢されてるなんて言えない……)

おっさん「はぁはぁ」

「うっ」(ち、ちんちん触るつもりだ!)

(やだっ! やめてくれ!)

「おい」ガシッ

おっさん「あっ……な、なんだね君」

「……」ギロッ

おっさん「ひっ……」

「……」グイッ

「あっ」ドンッ


72 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:50:03.19 R2IT9UP50 32/260

(あっ、た、助けてくれたんだ……)

「大丈夫?」

「は、はい……」ドキドキ

「暫くここにいなよ」

「あ、ありがとうござい、ます……」ドキドキ

(なんでだろドキドキする……胸あったかい……この人の鼓動が聞こえる)

(どんな人なんだろ……)チラッ

「……」

(あっ、か、かっこいい……どこの制服だろうか。凄い……)

(電車……駅につかなきゃいいのに……)

ゴトンガダン カタンタカン


73 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:53:39.08 R2IT9UP50 33/260

「て、まぁ……その、こんな感じで……」

女装「初恋に落ちましたと」

「うッ・……」

女装「はぁ~初恋が男とはお前も中々ねえ~」

「こ、恋に国境なんてないんです! 愛に性別も関係ないですよ!」

女装「はは。熱愛だなぁ。んで? どんな特徴なんだ?」

「えと……かっこよくて、凄く綺麗で……」

女装「わかんねーよ」

「う、うう……正直ドキドキしすぎて全然顔見れなくて……覚えてないんです。覚えてるのは襟章と制服くらいで」

女装「はぁ。そいつぁつ探すのも一苦労だな」

「で、でも! 顔見たらすぐに思い出せると思います!」

女装「だといいね~あ。ジュース飲む?」チュー


75 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 03:56:54.85 R2IT9UP50 34/260

「いいです」

女装「そ。でもまぁ、電車か」

「?」

女装「いや、電車で通学なんてそうそうそんな奴いないからさ。大抵はきちんとしたお出迎えがあるし」

「あっ……そう言えば。でも確か丁度一年前でしたから……」

女装「んー……寮にいる奴かなぁ……とりあえず探してみるか。それっぽい奴」

「あ、ありがとうございます!」

女装「いいってことよ。ほら、離してよかっただろ?」

「はい! 凄く僕楽しみです!」

女装「ういうい。ほら、そろそろ平気だろ。部屋に戻れよ」

「それじゃよろしくお願いしますね!!」バタンッ

女装「元気な奴……」


78 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:01:41.12 R2IT9UP50 35/260

「ふんふふーん♪」

「ただいまー!」ガチャ

美男「おう。お帰り……」

「? お疲れだね」

美男「そりゃそうだよお前……元気そうだな」

「良いことがあったからね!」

美男「あ、そう。良かったじゃん。助けた甲斐があったってもんだよ」

「あ……ありがとう。あの時。二回も助けられちゃったね」

美男「んー……いいよいいよ。俺は頼れる優しいお兄様を演出したいの」

「君って良い人だよね。僕好きだよ。仲良くなれると思う」

美男「………本当にそう思う?」チラッ

「うん。なんで?」

美男「別に……」


80 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:05:45.34 R2IT9UP50 36/260

「早くこの服脱ぎたいな……」

美男「あー……確かクローゼットの中に制服あるから。それなら着てもいいって話だぜ」

「ほんと? じゃあ着替えよーっと」

「って……女物の制服……」

美男「仕方ねーだろ。俺達は女装役なんだから」

「そりゃそうだけど……なんかおかしくなりそうだよ」ヌギヌギ

美男「でも着替えるのか」

「今の格好よりはマシだからね」

美男「ふーん。俺はどっちでもいいかな」


81 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:09:40.91 R2IT9UP50 37/260

美男「ところでなんでそんな機嫌いいんだよ」

「えっ、あ…・・いや、それは」

美男「別に言いたくないなら言わなくてもいいけど」

「んー……まぁ話すよ。信頼の証としてね」ポフッ

美男「俺の事そんなに信頼していいと思ってんの?」

「?」

美男「そうやって無防備に隣に座ったりしてると、襲われるかもよ?」

「あー…………ないない。そういう人じゃないってこの短時間でもすぐわかるよ」

美男「あ、そ……」


82 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:14:34.85 R2IT9UP50 38/260

「僕この学校に来た理由は、初恋の人を追っかけてなんだ」

美男「へえ……」

「それで、先輩に聞いてみたら2学年だって言うからさ。しかも探してくれるって言うし、嬉しくって」

美男「なるほどね」

「そう言うこと」

美男「そんな風に一途に愛しつづける事ができるって凄いな」

「そうかな」

美男「大体そいつと大して喋ったこともないんだろ?」

「うん」

美男「よく追っかける気になるな。俺にはできねーや」

「別に簡単な事だと思うけどなぁ……」


83 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:17:35.56 R2IT9UP50 39/260

美男「ま、いいや。今日はちょっと昼寝する俺」

「あ、うん。ありがとう。お疲れ様」

美男「あいよ。おやすみ。飯になったら起してくれ」

「飯って……何時?」

美男「……しらね。7字くらいじゃねーの」

「まぁ。いいや。じゃあ6時くらいに起すよ」

美男「ふぁ~あ……おやすみ」

「おやすみ」

「……本でも読もうかな」


85 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:20:02.99 R2IT9UP50 40/260

「……ふぅ。面白かった」パタン

「って、もう時間だっ起さないと!」

「美男君おきて!」ユサユサ

美男「う、うあああ……?」

「時間だよ!」

美男「……なんつー起し方だ」

「え? 普通じゃん」

美男「あ、あー……そっか。お前庶民だもんな」

「……その庶民って言い方やめてよ」

美男「ん? 悪い悪い。んじゃ飯でも食いに行こうぜ」ファーア


86 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:23:34.56 R2IT9UP50 41/260

「うわぁ……食堂広いね。それにしても沢山……」

美男「俺たち高等部だけでなく中等部の奴もいるからな。寮は違うけど」

「なるほどね」

女装「……」ボッー

「あっ、おーい!」

女装「?」ニコッ ヒラヒラ

「? なんかいつもと感じ違う」

美男「他の奴もいるからだろ。俺腹減った」

「なるほど……まぁ、ほら一緒にご飯食べようよ!」グイグイ

美男「ええー……飯なんか一人でも食えるだろ……」トボトボ


87 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:26:36.21 R2IT9UP50 42/260

「どうしたんですかこんな所でぼーっとして」

女装「待ち人」

「へぇ。ご飯でも一緒にって思ったんですけど……」

女装「いいよ。勿論僕はね。一人知らない人が加わるけど君たちはいいの?」

「いいですよ。ね?」

美男「あ? あー……うん。はい」

女装「そっか。良かった」ニコッ

(全然キャラ違う……凄いな……)

女装「あっ、来た! おーい!」ブンブン

「……」チラッ

「えっ……」


88 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:28:40.46 R2IT9UP50 43/260

女装「遅かったね。ちょっと待ったよ」

先輩「悪い」

女装「たくっ……」

「……」パクパク

美男「?」

女装「どうしたの?」

「ぼ……」

女装「ぼ?」

「僕が探してた人です……」

女装「ええっ!?」バッ

先輩「…………? なんだ」


89 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:31:50.78 R2IT9UP50 44/260

「あ、会いたかった……」ブワッ

美男「お、おい! こんなとこで泣くなよ!」

「うぇっ……ひぐっ……ふぐっ……会いたかったょぉぉ……」グズッグズッ

女装「ち、ちょっと! どうにかしてよ!」

先輩「俺が?」

女装「そうだよ!」

先輩「……わかった」ポンポン

「うえっ……?」ナデナデ

先輩「大丈夫?」

「あ……は、はい……」ポッー

女装「まるで恋する乙女だね」

美男「まるでじゃなくてそうなんだろ」


90 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:34:35.29 R2IT9UP50 45/260

「……抱きついていいですか?」

先輩「えっ……………あー……」チラッ

女装「いいよ別に」

先輩「じゃあいいぞ」

「やったぁ」ダキッ

先輩「うおっ……」

「懐かしい……この感じ……やっぱりあの人だ……」

先輩「……あ、君はもしかして……」

「! 覚えててくれたんですか!?」

先輩「電車で……会った事あるよね」

「あ……う、嬉しいです僕。覚えててもらってて凄く……」ギュッ


91 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:37:10.01 R2IT9UP50 46/260

先輩「……」ポリポリ

「……良い匂い」

先輩「困るっていうか、照れるな」ナデナデ

「……会いたかった。ずっと」

美男「はいはいはい。そこまでにして。これ以上は人だかりができちゃうよ」グイッ

女装「感動の再会はまた今度ね」

「あっ……」

先輩「……」ニコッ

「っ……」カァアア モジモジ

美男「……ほら、早く飯食おうぜ」


92 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:39:53.52 R2IT9UP50 47/260

女装「僕達は食事をここで好きなようにオーダーして、部屋に持ってきてもらうんだ」

「へえ……そうなんですか」

美男「んじゃ俺はこれとこれと……」

女装「全部僕の部屋に持ってきてもらおうか。今日は皆で僕の部屋で食べよ」

「あ、はい!」

女装「じゃあ、僕はこれと……どうする?」

先輩「なんでもいい」

女装「そう。じゃあこれにしよ」

「はぁ……豪華な料理ばっかりだ……僕はこれでいいや」


93 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:42:03.56 R2IT9UP50 48/260

女装「料理もついたし、それじゃ食べようか」

美男「おっ、美味そー」

「いただきまーす!」

先輩「……」モグモグ

女装「美味いなぁ、相変わらずここの飯は」

「ほんとだ美味しい!」

美男「ま、普通かな」モグモグ パクパク ムシャムシャ

「なんていう割りには良く食べるね」

美男「うるせ。腹減ってるんだよ」

女装「ははは!」


94 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:45:46.35 R2IT9UP50 49/260

「そう言えば……普通朴達女装役と一般生徒は触れてもいけないんですよね?」

女装「そうだけど」

「なんで二人は……? しかも一緒の部屋で食事だなんて」

女装「あーその事か。この学年で女装役俺一人だって知ってる?」

「まぁなんとなくは」

女装「そうするとお前らみたいに助けてくれる人いないだろ?」

「そうですね」

女装「だから特別に性格的にも腕っ節も、俺が気に入るかどうか学園はどうかとか。色々考えて決まった警護役がこいつ」

先輩「……」モグモグ

「ああ、なるほど……」

女装「部屋もすぐ隣だ。でもまさかお前の思い美とがこんなすぐ近くにいるとは……」

「僕もこんなに早くに見つかるだなんて驚きですよ」


95 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:48:31.27 R2IT9UP50 50/260

女装「けど……その、悪いな」

「?」

女装「そのさ……言っちゃなんだけど……」

「なんなんですか?」

女装「そのー…………」チラッ

先輩「……俺たち、付き合ってるんだ」

「えっ…………?」カチャン

女装「そう言うわけなんだ。悪いな……なんか」

「あ……や、別に……僕は、平気です」

美男「……」


96 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:51:43.95 R2IT9UP50 51/260

美男「それ今言う必要ありますか?」

女装「ん………もっともなんだけど。ほら、こいつ……全然隠さないだろ? 好きってこと」

「はい……会う為に入学したようなもんですし」

女装「だから、その……抱きついたりされるの……俺が嫌、なんだよね。ごめん身勝手で」

「いや、いいんです。僕の方こそ……」

女装「ん。悪いな」

「いえ……」

女装「……お、俺ちょっと散歩行ってくるよ!」ガチャ

「あっ! ご飯……」

美男「んじゃ俺もトイレ」スクッ


98 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:55:39.22 R2IT9UP50 52/260

「……」カチャカチャ

先輩「ごめんな」

「あっ、いえ……気にしてませんから」

先輩「……」ポンポン

「……?」

先輩「今のこの時間だけは俺はお前のものになってあげられるよ」

「……先輩」ギュッ

先輩「……」

「キス、してください」

先輩「……わかった」

「ん……」


101 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 04:59:30.19 R2IT9UP50 53/260

「……ありがとう」

先輩「こんな事しか出来なくて」

「いいんです。僕これだけでもう幸せです!」

先輩「そっか」

「だから、ち、ちょっとだけ……胸……もう一度だけ貸して……くだっ」

先輩「うん」ダキッ

「ひっく……ひっく……」グスッ

先輩「……」

「ううっ……うぁあ……好きでしたぁあ……」

先輩「うん。俺も……出会うのがあともう一年早かったら」

「うわああああああん!!!」


美男「……大泣きですね」

女装「だな。胸が痛いよ……」


103 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:02:45.60 R2IT9UP50 54/260

美男「じゃあ譲ってあげますか?」

女装「まさか。それとこれとは話が別だよ」

美男「あ、そう」

女装「あいつは誰にも渡さないさ。そう誰にもね……」

美男「先輩って割と重い感じですね」

女装「ん? ああ……そんな気はするよ。手言うかお前こそ妙にあいつに肩入れするじゃないか」

美男「別に。俺は誰にでも優しいですよ?」

女装「本当か? 気になってんじゃねーのか?」

美男「……そんな事ないですよ。ふつー。別にあいつ可愛いわけでもないし」

女装「ま、それもそうか。俺も奪われる心配はしてないよ」

美男「……」


105 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:05:56.03 R2IT9UP50 55/260

「すっきりした。ありがとうござまいす」

先輩「ん。いつでも俺の部屋に遊びに来ていいからな」

「はい。それじゃ」ガチャ

美男「あ」

「ふ、二人とも……いたの……?」

女装「あはは。丁度今二人で帰ったとこだよ」

「……はぁ。ありがとうござました。それじゃ僕、部屋に戻ります」

女装「おう」

美男「あっ、待てよ! 飯……たくっ」タタタッ

女装「しっかり追いかけてんじゃねーか」


106 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:09:59.03 R2IT9UP50 56/260

女装「ただいま」

先輩「おかえり」

女装「なにされた?」

先輩「抱きしめて、泣いて」

女装「それ以外にもなんかやっただろ。俺に嘘ついたり隠し事するなよ」

先輩「……キスした」

女装「うえっ。マジかよ……」チュッ

先輩「……」

女装「消毒消毒。ほら、次は俺の分。お前から俺にキスしろよ」

先輩「わかったよ」チュッ

女装「んー……好きだ。絶対離さないからな。お腹減った。飯食わせてよあーん」

先輩「……」スッ

女装「んーんまい。お前は俺だけのものさ……」スリスリ


107 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:14:14.42 R2IT9UP50 57/260

先輩「……」

女装「どうした? 浮かない顔して。なんか不服?」

先輩「別に……」

女装「何度も言ってるだろ。お前は俺だけのものなんだって。俺の許可なく二人で会ったりしたら駄目だからな?」

先輩「それはちょっとな……俺はお前のお人形じゃない」

女装「たく……我儘な奴。ほら、飯。とまってるよ」

先輩「……」

女装「もぐもぐ……口移しで食べさせてよ」

先輩「……わかった」

女装「やっぱりお前って最高。絶対絶対誰にも渡さない」

女装「俺だけのものだ」


108 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:17:06.79 R2IT9UP50 58/260

「……」ガチャッ ダダダダッ ボフンッ!!!

「……ぐすん」

美男「男……」ガチャ

「……なに」

美男「いや、その……元気出せよ」

「………………出るとでも思ってるの?」

美男「いや、まぁそりゃそのとおりだけどさ」

「……」

美男「隣、座っていいか?」

「……やだ」

美男「あ、そう……じゃあ床に座ってる」


111 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:21:06.36 R2IT9UP50 59/260

美男「失恋なんてさ。よくある事だよ。気にすんなって」

「っ! 美男君はそうでも僕は違うんだよ! 遊んでる美男君と一緒にしないでよ!」 

美男「……別に遊んでなんかいないけど、俺そう言う風に見られてたんだ」

「……ごめん」

美男「別にいーよ。俺も悪かったし……けどさ、いつまでもくよくよしたって仕方ねえよ」

「……」

美男「新しい来いでも探した方が建設的だぜ?」

「新しい恋なんてっ……」

美男「ほら、目の前にさ。いるじゃん最高にかっこいいのが」

「は?」

美男「真顔やめろよっ」


112 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:24:06.93 R2IT9UP50 60/260

「ああ、冗談ね」

美男「いや、全部全部冗談って訳でもねーんだけどさ……」ボソボソ

「えっ? なに?」

美男「なんでもないよ。まぁ、そうだな。今から食堂行って、暖かいココアでも飲もうぜ」

「……なんで?」

美男「そうやって部屋に篭ってるより気持ちがずっと楽になるからだよ」

「動きたくない」

美男「じゃあまたお姫様抱っこしてやろうか」

「……」

美男「ほら、行くぞ」

「うん」


124 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:41:39.56 R2IT9UP50 61/260

美男「ホットココア二つ」

「……」

美男「ほい。んじゃ行こうぜ」

「あれ? ここで飲むんじゃないの?」

美男「いや、ここだと人目につく。ゆっくりできないだろ?」

「結局部屋か……」

美男「違う違う」

「?」

美男「ちょっと歩けど、いいとこがあんだ。こいよ連れてってやる」


128 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:44:34.19 R2IT9UP50 62/260

「……」

美男「ふふーん」

「ねえ? まだ?」

美男「もうちょぃもうちょぃ」

「こんな森の中なんか歩いて……薄気味悪いよ」

美男「わくわくするだろ?」

「全然。怖いよ」

美男「ははは。怖がりだなぁ。月明かりでこんなにも明るいじゃないか」

「暗いよ……あっ、あんまり先行かないでよ!」タタッ

美男「ん。悪い悪い」

「もう……」


133 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:48:25.12 R2IT9UP50 63/260

「僕疲れてきたよ」

美男「もうちょいだって」

「それ何度目のもうちょいだと思ってるのさ」

美男「ほら! ついた! こっちこっち!」

「あっ……」

美男「なっ、綺麗だろ?」

「凄い。こんな所に湖なんてあるんだ……」

美男「めっちゃここの水が澄んでて、夜になるとこうして月明かりが映って綺麗なんだ」

「わぁ……」

美男「静かだろ。ここなら」

「うん……綺麗だ」

美男「へへ。連れて来た甲斐あったよ」


135 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:52:49.33 R2IT9UP50 64/260

美男「さっ。ココアでも飲もうぜ」

「うん……」ズズ

美男「美味いな」

「アイスココアになっちゃったけどね」

美男「はは。悪い悪い」

「ううん。いいよ。こんな綺麗で凄いところに連れて来てくれたんだもん。僕嬉しいよ」

美男「そっか」ポリポリ

「好きだな……」

美男「えっ!?」

「この場所。静かで涼しくて気持ち良い」

美男「あ、ああ……うん。俺の取って置きの場所なんだ」


137 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:55:37.78 R2IT9UP50 65/260

美男「教えたの、お前が初めてなんだぜ」

「そうなんだ」

美男「ああ」

「ありがとう」

美男「ん……どういたしまして」

「……」

美男「……」

「ずっとここに居たいなぁ……全てを忘れられそう」

美男「俺も、ずっと居たい」

「うん。優しい音だね」


138 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 05:58:42.07 R2IT9UP50 66/260

美男「……隣、座ってもいいか?」

「うん」

美男「よっ。良いだろ。いつでも来ていいぜ。俺とお前だけの秘密の場所だ」

「僕と美男君だけの?」

美男「そう。二人だけの」

「……なんか良い響だね。明日もまた来ようよここ」

美男「そうだな。次は何もってく?」

「何もいらないよ」

美男「そうか?」

「うん。枕でももってく?」

美男「ははは。遅刻しちゃうよ」


140 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:02:43.39 R2IT9UP50 67/260

「僕今日色々助けられっぱなしだね」

美男「全くだな」

「色々ごめんね」

美男「いいんだよ別に。俺が好きでやってることなんだから」

「ありがとう。僕みたいな初対面の人にこんな良くしてくれるなんてやっぱり美男君は良い人だね」ニコッ

美男「良い人……か……」

「うん?」

美男「なんでもないよ」

「そっか」

美男「……」

「……」

美男「そろそろ戻らないと」

「あ、うん……名残惜しいな……」

美男「また明日来るんだろ?」

「うん。そうだね……じゃあ帰ろっか」


141 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:05:36.60 R2IT9UP50 68/260

美男「よいしょ」スクッ

「よっ、ととっうわぁ!」グラッ

美男「あっおい!」ドッ

「てててて……」ドサッ

美男「……っぅ……どいてくれよ」

「あ、ご、ごめん」

美男「あ……ま、待って」

「え?」

美男「ど、どかなくていい」

「?」

美男「……」


143 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:08:37.14 R2IT9UP50 69/260

美男「……男ってさ」

「うん」

美男「先輩の事……好きなんだろ。どれくらい?」

「えっ……あっ……」

美男「……」

「あ………きっと、死ぬまで忘れられないくらい」

美男「っ……………じゃあ、もう恋はしないのか?」

「わからない。けど今はできないと思う」

美男「……それはきっと、まだ先輩ってのが心を占めてるからだよな」

「う、うん……」

美男「じゃ、じゃあさ……」


145 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:11:06.93 R2IT9UP50 70/260

美男「どうしたら、忘れられるんだ?」

「わからないよ。そんなの……」

美男「そ、そっか。そう、だよな……」

「……なんでこんな意地悪な事聞くの?」

美男「あ、ごめん……」

「……」

美男「ごめんな」

「いいよ。別に……ねえ、もうどいていい?」

美男「あ、う、ん……」

「帰ろう?」スッ

美男「……ああ。帰るか」


147 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:16:17.65 R2IT9UP50 71/260

「どうしたの? 立たないの?」

美男「……………………なぁ」

「うん?」

美男「愛とか恋とか。なんなんだろうな」

「……さぁ」

美男「皆自分勝手に相手に押し付けてばっかりだよな」

「そうかもね……うん。僕も、そうなのかも」

美男「……俺は違う」

「?」

美男「俺は違う。断言できる。俺は、好きな人を包み込んでやる。どんなものも全部」

「かっこいいね。僕にはできないよ」

美男「でも、好きだ、って言える事は……多分できない」

「あっ。美男君恋してるんだ?」


148 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 06:19:34.29 R2IT9UP50 72/260

美男「うん。自分でも馬鹿みたいに。なんでかわかんないけど」

「へえ。以外。美男君そんな感じ全然しないと思ってたよ」

美男「俺も突然だよ。なんでかなぁ……」

「あはは。じゃあ今度は僕が美男君の恋愛相談乗ってあげる」

美男「俺そんな事したっけ?」

「今日のお礼だよ」

美男「あ、なるほどね」

「嫌かな?」

美男「全然。寧ろ楽しみなくらい」

「そう。良かった」

美男「うん」

「じゃあ、帰ろうよ。ほら、手握って。起してあげるから」スッ

美男「……おう」ギュッ


259 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 19:41:35.36 R2IT9UP50 73/260

美男「うわっ門限まであとちょっとだ! ほら、急げ急げ!」ガシッ

「わっ! ち、ちょっと手引っ張んないでよ!」

美男「今回は握ってないと迷子になっちゃうだろ?」タタタッ

「ま、まぁ……そうだけどさぁ」

美男「うし。んじゃ握ってる」

「別に後を追うくらいできるのに……まぁいいか」

美男(俺の手よ。どうか汗かきませんように……)


261 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 19:45:53.13 R2IT9UP50 74/260

美男「ギリギリセーーーフ!」ズザァア

「はぁ……はぁ……つ、疲れた……」ヘナヘナ

美男「ん? おいおいどうした」

「ひぃ……ひィ……ち、ちょっと……休、ませて…・…」ハァハァ

美男「たくっ。だらしねえぁ……体力もっとつけろよ」

「はぁ……はぁ……勉強……しかして……なかった……はぁ……から……はぁ……」

美男「もやしだな。明日からあそこに行く時は走るとするか」

「じ、冗談でしょ………?」

美男「さーて、どうでしょうか」

「死んじゃうよ……」フラフラ


263 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 19:49:38.88 R2IT9UP50 75/260

美男「大丈夫か? 立てるか?」

「う、うん。大分楽になったかも」

美男「辛かったら俺が負ぶってやる事もできるけど」

「い、いいよ!」

美男「そっか」

「後は、部屋でゆっくり休もう……」ヨイショ

美男「OK。んじゃ戻るとするかぁ……っと」ドンッ

後輩「うわっ!」ドサッ

美男「あ、悪い悪い。大丈夫か」スッ

後輩「あっ……」ポッー

美男「ん?」


265 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 19:53:09.62 R2IT9UP50 76/260

後輩「お……」

美男「お?」

後輩「お兄様ー!!」ダキッ

美男「どわぁっ!」ドンッ

「!?」

後輩「お兄様! お兄様!」スリスリスリスリスリ

美男「えっ、はぁ……えーと……なに?」ポンポン

後輩「はぁああああ!! お兄さんのお手で頭をぉおおお」

「な、何この人……」ビクッ


269 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 19:57:08.90 R2IT9UP50 77/260

「ていうか美男君に弟っていたんだ」

美男「いや、いない」

「は? じゃあ……」

後輩「お兄様! お会いしたかったです! あの日の事を僕は忘れられません……」

「………うわぁ……美男君……」

美男「ち、ちげーよ! 誤解だよ!」

「ふぅん……へぇ……やっぱり遊んでたんだ……僕、先に戻ってるね」

美男「だぁら! 違うって! 信じてくれ!」

「……」ジィー

美男「やめて! その蔑んだ目! でもちょっと気持ちいいのが悔しいっ」


271 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:01:17.60 R2IT9UP50 78/260

美男「ま、まぁちょっと落ち着け!」グイッ

後輩「あうっ……お、お兄様……ここでですか? やっぱり大胆な人ですね……」

美男「いや! 違うから! 何誤解を招くような事言ってんだよ」

美男「……」チラッ

「……」

美男(む、無表情ーーーー!)

後輩「どうしましたお兄様」

美男「いや、待て。えーっと……君は……襟章が……中等部の子か」

「中等部? なんでそんな子が僕達高等部の寮に?」


美男「それに門限だって中等部はとっくに過ぎてるはずだぞ……」


274 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:09:12.18 R2IT9UP50 79/260

後輩「はい!! 僕中等部の後輩です!」

美男「後輩……」

後輩「仰られる通り中等部の門限はもう過ぎています……けれど、今日お兄様が居ると聞いていても立ってもいられなくなり……」

後輩「こうして人目を忍んで参ってしまいました。どうかお許しください」

美男「いや、別に俺はいいんだけどさ……とりあえず、どうするか。俺の部屋まで連れてくか」

後輩「!! お兄様の部屋まで……」ドキドキ

美男「いや、いかがわしい事はしないから安心しろ」

後輩「僕は全然構いませんよ」

美男「あ……あー……」(可愛いなこいつ……でも)チラッ

「……なに?」

美男「いや、別に……」(無表情こえーよおお!)

美男「と、とりあえずここに居たらいずればれるし、見つからないようにそっと部屋まで移動するぞ」

後輩「はい! お兄様!」

美男「しっー! 静かにな! そっーとな!」


278 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:13:48.02 R2IT9UP50 80/260

美男「ふぅ。なんとかバレずにすんだな」ガチャ

「この子が小いさくてよかったね。丁度美男の陰に隠れる感じになったよ」

美男「ま、俺は身長高いからな。んで? どうしたの?」

後輩「……」ジッー

「? なに?」

後輩「なんで貴方も同じ部屋にいるんですか? ここはお兄様のお部屋ですよね?」

「あ、あー……それは、その」

後輩「何でさも当然のようにお兄様と一緒なんですか?」

(敵丸出しってやりにくい……)

美男「見てわかるだろ。同じ女装役だよ。あ、お茶のむ?」

後輩「女装役!? この人が? あ、いただきます」

「僕も」

美男「へーい」カチャカチャ


279 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:19:31.89 R2IT9UP50 81/260

後輩「……」ジロジロ

「う……な、なにかな?」

後輩「ふぅん……」フッ

(は、鼻で笑った! 鼻で笑われた!)

美男「どーぞ紅茶です」

後輩「あ、いただきます。んー……美味しい」ズズ

美男「……」ズ

(この二人……紅茶を飲む仕草もどこか気品さって言うか上品さを感じるな……)

(やっぱりここはお坊ちゃま学校なんだなぁ……)ズズ

美男「はぁ。んじゃ、ゆっくり話すとするか」


282 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:25:29.12 R2IT9UP50 82/260

美男「君は……えーと、なんで俺に会いに?」

後輩「お兄様、覚えておいででないのですか? 二年前のことを」

美男「二年前?」

後輩「はい。アレは雪が降る肌寒い冬のことでした……」

美男「あ、いいよ。うん。回想はいらねーわ。手短にね」

後輩「僕が雪の中で一人友人を待っていると、お兄様が偶々通りかかったんです」

後輩「突然の雪でしたし、僕はお忍びでしたから大した用意はしてなかったんです」

後輩「それで雪に震える僕の姿を見てお兄様がそっと、コートを掛けて下さり」

後輩「友人が車での間話し相手になってくださいました。あのときのお兄様の体温は今でもこの胸に残っています……」ポッ

美男「あ、あー……あの時か!」


284 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:30:51.26 R2IT9UP50 83/260

後輩「僕はもう、その時恋に落ちていました……」

後輩「潤んだ瞳でお兄様を見つめると、鬼様はふっと、微笑みなられて」

後輩「そっと、僕の唇に……ぁああ! お兄様!」ダキッ

美男「うわっ! 馬鹿、引っ付くな!」

「やっぱり遊んでたんだ」

美男「遊んでた訳でもないし! 遊びでもない!」

「じゃあ本気って事?」

美男「えっ……いや、それとは違う、けど……」ゴニョゴニョ

「じゃあ遊びだ」

美男「だから、違うってば……」


286 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:34:53.56 R2IT9UP50 84/260

後輩「そのまま、流れるように僕を……」

美男「わー! わぁー!!」ブンブン

後輩「?」

「……」

美男「違うって! 誤解だ! 確かに、キスはしたけど……その後何もやましい事なんかしていない! な!?」

後輩「はい……ちょうど僕の友人が間の悪い事にきてしまい……そこで……」クッ

美男「な? な?」

「うん……でもキスは……」

美男「え、変かな? いやか?」

「嫌っていうか……まぁあんまり、って感じだよね」

美男「そ、そうか……んじゃ今日からそういうのやめる」


288 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:39:16.87 R2IT9UP50 85/260

後輩「あれ以来僕はずっとお兄様を探していました!」

後輩「まさかこの学園に入学してくださっていただなんて! 夢のようです!」スリスリ

美男「ははは……」

「まぁお二人で楽しんでなよ。僕は先輩の所にでも遊びに行って来る」

美男「せ、先輩のとこ!?」

「う、うん……なんで?」

美男「えっ、いや、だって……その…………」

「ああ、ただ遊びに行くだけだよ。先輩それならいいって言ってくれたし……」

「それに、僕は少しでも先輩と一緒に居たいしね。同じ境遇としてもその子の気持ちはわかるんだ」ガチャ

美男「あ、ああ」

「それじゃ、ごゆっくり」バタン


291 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 20:45:03.17 R2IT9UP50 86/260

美男「……」

後輩「お兄様……」ジッ

美男「はぁ…………どうしたもんかな」

美男(いつもの俺だったら、迷わずここで口説き落としてるな……)

美男(こいつちょろそうだし、可愛いし。きっと良い声で喘ぐだろうな)

美男(俺の所有物としての証を刻み付けてやりたいとこなんだけど……)

美男「はぁ~……」

後輩「どうしました? お兄様?」

美男「別に。お前可愛いなって思っただけだよ」

後輩「か、可愛い……お兄様……僕お兄様の為ならどんなこともできます……」ヒシッ

美男「……」(困ったなぁ。こういう事するとあいつ、怒るっていうか、嫌がりそうだし………)


294 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:00:04.72 R2IT9UP50 87/260

後輩「お兄様……」

美男「……」

後輩「折角やっと二人きりになれたんですから、あの日の続きを……」

美男「あ、ああー……」

後輩「お兄様、僕の事……ベットへ押し倒してください」

美男「……いや、その……」

後輩「そして、服を脱がして……」

後輩「お兄様のものにしてください……」

美男「……」


296 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:06:33.55 R2IT9UP50 88/260

美男悪(据え膳食わねばなんとやらだろ!)

美男善(男一筋一途に生きると決めたではないですか!)

美男悪(んな事言ったってバレやしねえよ! 大体そのためにあいつは出てったようなもんだろ!)

美男善(違います! 信頼の証です!! ここで手を出したら絶対に後悔しますよ!)

美男悪(大体なぁ! 目の前の後輩のことも考えてやれよ!)

美男善(な、なんですって?)

美男悪(やっとの事で思い人に出会えて、しかも一途に思いつづけて! 勇気を出して誘ってんだぞ!)

美男善(うぐっ)

美男悪(ここでやるのが男気ってもんよ!)

美男善(し、しかし……それでは……)

美男悪(あいつも先輩の部屋でどうせやる事やってんだよ! 失せろ偽善者!!)ビビビ

美男善(うわああああああ!)BOM!

美男「はっ」


299 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:11:38.31 R2IT9UP50 89/260

後輩「……」プルプル

美男「悪いな、こんなに待たせちゃって」チュッ

後輩「あ、お、お兄様……」

美男「ほら、俺に全部任せて」ドンッ

後輩「ああっ」ボフンッ

美男「今夜は、寝かせないからな」

後輩「あ、ああ……お兄様……」ギユッ

美男「体中にキスマークをつけてやる」


302 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:15:50.74 R2IT9UP50 90/260

コンコン

先輩「どうぞ」

「こ、こんばんわ……」

先輩「ん? ああ、着たのか。適当に座っててくれ」

「あ、はい」

先輩「お茶でも出すよ」

「あ、お構いなく」

先輩「日本茶でもいいよな? それとも紅茶の方が好き?」

「えと、日本茶で」

先輩「俺も日本茶の方が好きだ」

「そ、そうなんですか……」(こんな事でも一緒だと嬉しい……)ドキドキ


303 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:18:33.26 R2IT9UP50 91/260

先輩「はい、熱いから気をつけて」

「いただきます」ズズー

「美味しい」

先輩「そっか。よかった」

「……」

先輩「……」

(どうしよう……来てみたはいいけど、話すことがない)

先輩「……」ズズ

(でも、黙ってても一緒にいるだけで気持ちいいな)

(やっぱり僕、この人好きだ。諦められないよ)


306 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:21:57.11 R2IT9UP50 92/260

「あ、あの……先輩」

先輩「……ん?」

「その、警護役は自分から進んでなったんですか?」

先輩「ん……まぁ、な」コトッ

「そ、そうですか……」

先輩「……」

「すいません、なんか失礼な事聞いちゃって」

先輩「いや、いい」

「……」

先輩「俺が警護役に進み出たのはある理由があるんだ」


309 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:27:50.78 R2IT9UP50 93/260

「理由?」

先輩「ああ。実はな、俺の父親が事業に失敗してな」

「えっ?」

先輩「多額の借金をおったんだ。まぁ……その結果没落というか。金が足りなくなった」

先輩「あいつとは中学からの付き合いでなま、中学と言っても大した接点はなかったけど」

先輩「それで女装役一人だったから丁度警護役探してる所でな。あいつの家は超がつくほどの金持ちだったから」

先輩「取り入れる事ができれば、俺の家も助け出せるかも。なんてな」

「……」

先輩「最初はそんな邪なな気持ちでやり始めたんだ。気に入られるよう色々やったさ」

先輩「お陰で今は援助して貰えて、俺もこうしてこの学園にいることができるって訳だ」

「そうだったんですか……」

先輩「……喉が渇いた」ズズ


312 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:32:01.10 R2IT9UP50 94/260

「じゃあ、嫌々……って言うのもなんですけど、そう言うところはあるんですか?」

先輩「勿論」

「そう、だったんだ……」

(まだ僕にもチャンスはあるかも)

先輩「けど、俺は別に嫌々あいつの恋人やってる訳じゃない」

「えっ?」

先輩「あいつは寂しがりやなんだ。いつもあいつの先の家柄とか金とか。そう言うものしか見てもらえなかったから」

先輩「一人ぼっちなんだと言ってたよ。まぁ、俺もその一人な訳だけどな」

先輩「だけど、あいつと接してる内にどうも情が沸いて。俺を必要としてくれるから……俺も嬉しいんだ」


314 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:35:50.04 R2IT9UP50 95/260

「そうですか……」

先輩「うん、悪いな」

「あっ、いえ! 別に、そんな事気にしてませんよ。もう吹っ切れましたから」ニコッ

先輩「……そうか」

「……」ズズ

(冷たくなっちゃったな)

先輩「……」

「……」

先輩「けど俺もたまには息抜きしたい時もあるから」

「えっ?」

先輩「それじゃ駄目かな?」


315 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:39:55.38 R2IT9UP50 96/260

「えっ、そ、それって」

先輩「……」ズズ

「う、浮気……って事ですよ……ね?」

先輩「ああ」

「だ、駄目ですよ……そんなの。いけませんよ……」

先輩「嫌?」

「あっ、いや。僕はそうじゃなくて……その、先輩もバレたりしたら……」

先輩「ばれなきゃいいさ」

「……」

先輩「嫌?」

「嫌、じゃないです……」

先輩「そっか。こっち来て」

「はい……」


318 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:43:24.03 R2IT9UP50 97/260

先輩「可愛いよ」

「や、そ、そんな……」

先輩「キス、していいか?」

「あ……」チュッ

先輩「ごめん。我慢できなかったから」

「あ、あ……は、い」

先輩「……可愛いな。ほら、俺の膝に乗って」

「……」チョコン

先輩「ん」ダキッ

「……」ドキドキ


320 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:47:34.23 R2IT9UP50 98/260

先輩「俺の事好き?」

「す、好きです」

先輩「二番目だけど、いい?」

「……い、良いです。僕、一緒に居られるだけでも……」

先輩「そう」ギュゥゥ

「……」ドキドキドキドキ

先輩「俺も好き」

「あ……」ツー

「あ、あれっ……な、なんで涙が……」ポロポロ

先輩「……」ナデナデ


322 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:52:04.87 R2IT9UP50 99/260

「ご、ごめんなさいっ……僕、嬉しくて」

先輩「いいよ」カプッ

「あうっ」

先輩「……」ハムハム

「み、耳……く、くすぐったいですよっ」

先輩「んー?」ペロッ

「うひゃっ!」

先輩「……」サワサワ 

「あ、せ、先輩……や、やめっ」

先輩「俺に触られるの嫌?」

「あっ、や、いや……じゃないです」

先輩「そう」


325 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 21:56:04.56 R2IT9UP50 100/260

先輩「服の上からじゃなくて、直に触りたいんだけどさ」

「あっ、は……はい」

先輩「やっぱり嫌だよね。ごめんな」

「い、いえ! 嫌じゃないです!」

先輩「本当?」

「はい! 先輩が喜んでくれるなら、その……」

先輩「ふっ。可愛いな」

「あ、ありがとうございます……」

先輩「そういうとこ。凄く可愛いよ」

「……や、そんなこと……」

先輩「じゃあ、服の中手入れるよ?」

「は、はい」


331 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:07:47.14 R2IT9UP50 101/260

「あ、あうっ」

先輩「……」モゾモゾ

「ん……はぁ……」

先輩「乳首弱いんだな」クリクリ

「あっ……んっ……」

先輩「乳首立ってるよ。そんなに体よじらせて気持ちいい?」

「はぁ……き、気持ちいい……です」

先輩「ん。良いよ」スッ

「あっ……」

先輩「今度は下触らせてよ」

「えっ……?」


335 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:13:10.04 R2IT9UP50 102/260

先輩「太ももとか」サワリ

「うひゃぁ! く、くすぐったいですよ!」

先輩「……」サワサワ スルスル

「あっ……そ、そこは……」

先輩「お尻触られるの嫌? 嫌ならやめるけど」

「あ、ううん。大丈夫です……ち、ちょっと気持ち良いくらいですから……」

先輩「お前って本当に人を誘うの上手いな」グイッ

「うわっ!」ドサッ

先輩「……こうやって好きな人に組み伏せられるのってどんな感じ?」

「……あ、その……」

先輩「言って」

「う、嬉しい……です……」

先輩「そう」チュ


337 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:16:45.60 R2IT9UP50 103/260

先輩「……」プチプチ

「えっ? なんで、ボタン外してるんですか?」

先輩「ここから先でやる事って言ったら一つだろ?」

「……」

先輩「俺が脱がしてやろうか」

「や、ま、待ってください……!」

先輩「ん?」

「そ、その……こ、心の準備が……」

先輩「そんなの関係ないよ」ズイッ

「うわっ」

先輩「俺の事好きだろ?」

「す、好きです」


346 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:33:02.02 R2IT9UP50 104/260

先輩「俺のモノになりたくないの?」

「も、モノ……」

先輩「俺以外見えない体にしてあげるよ」

「っ……!」ドンッ

先輩「うぉっ」グラッ

「……最低です! 貴方は、そんな人じゃないと思ってたのに……!」ダッ

先輩「あ、ま、待てよ!」

「さよなら!」バタンッ!

先輩「……少し急ぎすぎたかな」

「馬鹿! 馬鹿! くそっもう知らない! くそっくそっ!」ポロポロッ


348 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:38:35.27 R2IT9UP50 105/260

「くそっ! ただいま!!」ガチャ!

美男「あっ」

後輩「あっ! はぁ! お兄様ぁ!」

「………っ」

美男「あ、いや、これはその!」アタフタ

「っ~……」バタンッ

美男「あ……」

後輩「はぁはぁ……お兄様……?」

美男「泣いてた……」

後輩「?」

美男「悪い、また今度な!」ダッ

後輩「あっ! お、お兄様!」


350 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:41:05.82 R2IT9UP50 106/260

「はぁっ……はぁっ……」タタッ

「はぁ……はぁ……」

「……」

「意味わかんないよ。なんなんだよここ」ポスン

「なんなんだよ……」

「……」

「……」グシグシ

「はぁ……」テクテク


351 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:43:45.34 R2IT9UP50 107/260

「……ついた」

「この湖は静かでいいな」

「……」ヒョイ

「……」ヒュッ

「はぁ……僕って馬鹿みたいだ」ポチャン

「……あの人も所詮僕の体目当てかぁ……」

「……」

「……やってらんないよ」


352 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:45:47.60 R2IT9UP50 108/260

美男「な、なんとなくだけど!」タッ

美男「あそこに居る気がする……!」

「……」

美男「はぁっ……はぁっ……い、居た!」

先輩「……」ジャリッ

美男「!? あんたは……」

先輩「……」チラッ ザッザッ

美男「お、おい待てよ!」


355 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:49:36.90 R2IT9UP50 109/260

美男「お前だろ! あいつ泣かしたのどういう事だよ!」ドンッ

先輩「ってぇな……離せよ」

美男「てめぇ……」

先輩「離せっつってんだろ」ドゴッ

美男「ぐ、ぅぅ……」ズルッ

先輩「後を追って来たはいいけど、まさか邪魔が入るとはな」

美男「……な、何するつもりだよ」

先輩「何って……優しい愛の囁きだよ」

美男「はぁ……?」

先輩「まぁ、お前はそこで見てろよ」ジャッ

「!?」ビクッ


357 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:52:38.27 R2IT9UP50 110/260

「な、なんでここに!?」

先輩「ごめん……謝りたくて……追いかけてきた」

「それ以上近寄らないでください!!」

先輩「……わかった」ピタッ

「……今更なんですか」

先輩「さっき言った通り謝りたくて」

「嘘つけ。どうせそうやって僕を油断させて、その気にさせて……体目当てなんでしょ」

先輩「違う!」ザッ

「そ、それ以上近寄るな!」ジャリッ

先輩「……」ザッザッ

「あ、う……あ……」


359 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 22:58:13.92 R2IT9UP50 111/260

先輩「ごめんな」ギュッ

「う……あ……」

先輩「怖い思いさせたよな。悪かった」

「……」

先輩「俺、君の事好きだから。早くそう言うことしたいとばっかり思ってた」

先輩「確かに体目当てに見えたかもしれない。けど、これからはそんな風じゃなく付き合えると思う」

「……」

先輩「もう一回やり直しじゃ、駄目かな?」

「うっ……ひぐっ……えぐっ……」ギユゥッ

先輩「ん……」ポンポン 


363 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:00:34.23 R2IT9UP50 112/260

先輩「じゃぁもう時間だし、戻ろう」

「あ、はい……」

先輩「どうした? 戻りたくないの?」

「……その、部屋には……」

先輩「じゃあ俺の部屋で今日は泊まりなよ。大丈夫手出さないから」

「……」

先輩「信用できないならいいよ。女装のとこに頼めばいいさ」

「いえ、信じます……」

先輩「そっか。ありがとう……帰ろう」

「はい」


366 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:05:02.07 R2IT9UP50 113/260

先輩「仲直りにキスしたいんだけど、やっぱり駄目だよな」

「……」

先輩「悪いな。なんかさっきから」

「いいですよ……キスだけなら。それより先は許しませんけど」

先輩「本当? 嬉しいな」チュッ

「……ん。くすぐったいです」

先輩「俺も。あっ! なんか落し物したみたいだから先に行って待ってて、すぐ追いつくから!」

「えっ、あ……はい」

先輩「……」ザッザッザッ......

美男「……」


371 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:11:35.75 R2IT9UP50 114/260

先輩「よお」

美男「……」

先輩「気分はどうだい」

美男「……」

先輩「お前に出る幕はないよ。あいつは俺ものって決まってんだ」

美男「……」

先輩「大人しく後輩と乳繰り合ってな」

美男「……」

先輩「この負け犬が」ゲシッ

美男「……」

先輩「ははははは!」ザッザッザッ.....

美男「……」

美男「……」


375 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:19:21.54 R2IT9UP50 115/260

先輩「ごめん、待った?」タタタッ

「いえ、大丈夫です」

先輩「俺たち恋人になったんだからさ、敬語じゃなくてもっと親しい感じにして欲しいな」

「あ、うん。わかった……」

先輩「うん。男、好きだよ」

「ぼ、僕も。僕も好きだよ……先輩のこと……」

先輩「手握って帰ろう」

「うん」ギュッ

「僕、今幸せ……かも」

先輩「……かもじゃなくて幸せなんだよ。俺も嬉しいから」

「……うん」ギュゥッ


379 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:27:07.55 R2IT9UP50 116/260

美男「……」ガチャ

後輩「あ、お兄様お帰りなさい!」

美男「うるさい……」

後輩「わっ! わっ! どうしたんですか額! 泥だらけですよ!」

美男「……」

後輩「えっーとえっーと! タオル! タオルタオル!」

美男「うるさいんだよ!」

後輩「っ」ビクッ

美男「出てけ!」ドンッ

後輩「あっ! お兄様!」

美男「……」ガチャン

後輩「あ……」

後輩「お兄様、何か悩み事があるのでしたらこの僕に言ってみてください。大した力にはなれないだろうけど……」

後輩「お休みなさい、お兄様」トントントン..

美男「……」


382 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:37:11.49 R2IT9UP50 117/260

先輩「パジャマとか……どうする?」

「えーと……下着で寝る」

先輩「そんな格好してると襲っちゃうよ」

「ええー。じゃあ、貸して」

先輩「いいよ。はい。俺が昨日まで使ってた服」

「……」

先輩「冗談だって。洗ってあるの渡すよ」

「別にこれでいいよ」

先輩「そう? じゃあ、それ着て」

「うん。そう言えば女装さんは大丈夫なの?」

先輩「ん? ああ。今夜は平気だ」


385 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:42:08.31 R2IT9UP50 118/260

「なんで?」

先輩「月に何度か女装役の代表は会長のとこ行って色々やらんといけないのさ」

「へえ………会長って? ていうか女装さん代表だったんだ」

先輩「生徒会長のこと。まぁ、三年は面倒だって押し付けてるのさ。だからお前が2年になったらどっちか代表になるぞ」

「へえ……」

先輩「それより早く着替えろよ」

「あ、うん」ヌギヌギ

先輩「……」ジッー

「そ、そんなに見ないでよ。恥ずかしいし怖いよ」

先輩「あ、ごめんごめん。あっち向いてるよ」クルッ

「ん…………」


388 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:46:53.28 R2IT9UP50 119/260

先輩「どう?」

「え……先輩の匂いがする」

先輩「そうじゃなくてサイズとかだよ」

「あっあ! え、えと……ちょっとていうか大きい……」

先輩「だろうな。にしても俺の匂いがする、ね………」

「わ、忘れてよ………」

先輩「こっちこいよ。一緒のベットで寝ようぜ」バサッ

「あ、うん」モゾモゾ

先輩「生の俺の匂い嗅げるよ?」

「へ、変なこと言わないでよ!」

先輩「ははは」


392 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:52:14.79 R2IT9UP50 120/260

「……」スンスン

先輩「ん? 匂い嗅いでるの?」

「うん……」

先輩「どう?」

「良い匂いだよ。先輩の匂い好き」

先輩「可愛いなぁもう」ダキッ

「て、手出したら女装さんと教員言いつけるからね!」

先輩「大丈夫大丈夫。安心して俺の胸の中で匂いかいで」

「なにそれ。まるで僕が嗅ぎたいみたいじゃないか」

先輩「違うのか?」

「……違くないかも」クンクン


394 : 以下、名... - 2011/07/05(火) 23:54:44.65 R2IT9UP50 121/260

「……」スーハー

先輩「……」

「……」グリグリ

先輩「顔押し付けるの好きだね」

「うん」

先輩「俺の太ももになんか当たってるんだけど」

「僕のお腹にもなんか当たってるよ」

先輩「……」

「手出したら駄目だからね」

先輩「生殺しかよ」


396 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:00:09.31 dxeaqgL00 122/260

「すぅ……すぅ……」

先輩「……」サワッ

「……んん……」

先輩「……」

「むにゃむにゃ……」

先輩「はぁはぁ……顔にぶっかけとくか」シコシコ

「すぅすぅ……」

先輩「くっ……唇いいぞ。頬も気持ち良い」スリスリ

「……んんー……」

先輩「くっ……はぁ」ドピュッ

先輩「髪がベタベタになってるな。ふふふ、おやすみ」ゴロンッ

「すぅ………すぅ……」


400 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:03:56.27 dxeaqgL00 123/260

「ふぁ~あ……おはよう」

先輩「おはよう。ぐっすりだったな」

「あ、うん……」(手出してこなかったな。やっぱり信用してもいいかも)

先輩「顔洗ってこいよ」

「うん」

「……?」バシャバシャ

「なんだろう。髪が……」

「? まぁいいや。洗っとこう」パシャパシャ

先輩「……」ジッー

「ん……? どうしたの先輩」

先輩「水に濡れたお前も可愛いなってさ」

「……ふーん」

先輩「……」チュ

「ん。僕も好きだよ」チュッ


408 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:14:08.87 dxeaqgL00 124/260

先輩「次はさ、もっとえろい事していい?」

「だめ! 絶対駄目!」

先輩「ちぇっ」

「キスだけだよ今は。まだ全部を信じてる訳じゃないんだからね!」

先輩「わかったよ。じゃあさキスなんだけど」

「うん?」

先輩「ディープキスしたいんだけど」

「えっ………あ、えと、その」カァアア

先輩「駄目?」クイッ

「う……い、いいよ」

先輩「じゃあ今する」

「えっ、そん……んっ」


411 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:18:53.49 dxeaqgL00 125/260

「んぁ……はぁ……はぁ……」グッタリ

先輩「どうした? 腰砕けちゃった?」

「う……」

先輩「俺の舌どうだった?」

「……変態」

先輩「俺は変態だよ。お前の前だけ」グイッ

「ん……」

先輩「どうだった?」

「気持ち良かった。もっと……その、して」

先輩「OK。ほら、こっち向いて……」


415 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:22:02.63 dxeaqgL00 126/260

先輩「そろそろ時間だな」

「ふぁ……?」

先輩「あいつがそろそろ帰ってくる。めんどうな事になる前に部屋に戻れ」

「あ、うん……」

先輩「もっとしたかった?」

「べ、別にそんなこと……」

先輩「ふふ。また今度会えるからその時までお預けな」

「うん……」

先輩「じゃあな。愛してるよ」チュッ

「ん。僕も」

先輩「またな。見つからないように気をつけてな……」バタン

「……はぁ。部屋に戻るの憂鬱だなぁ……」


418 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:27:48.11 dxeaqgL00 127/260

「……」トコトコ

「あっ」

女装「……」

「……ここ通らないと部屋戻れないのに……どうしよ……」

「誰かと話してるのかな……?」

女装「だからついてくんなって言ってんだろ」

会長「……」

女装「チッ……」

会長「道中何かあったら大変だ」

女装「ある訳ねぇーだろ! アホか!」


421 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:34:16.89 dxeaqgL00 128/260

会長「紳士たるもの見送るのは当然のこと」

女装「俺は男だろうが! 格好がそうだからって女扱いするんじゃねえよ!」

会長「しかし他の人間はそうは見てくれないだろう」

女装「……いいんだよ! 俺には頼れるSP様がついてんだから」

会長「……」

女装「なんだよ」

会長「あいつはあんまり信用しない方が良い」

女装「は? 喧嘩売ってんのか? 殺すぞ?」

会長「個人的な意見だ」

女装「……いいからついてくんじゃねーぞ!」ドスドス

「わっ!」ドンッ

女装「うおっ」ユラッ

会長「……」サッ ダキッ


422 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:37:21.08 dxeaqgL00 129/260

会長「大丈夫か?」

女装「気色悪い。離せ」

会長「わかった」ソッ

女装「まぁ、助かったから礼は言う………って、なんでお前がこんな時間にこんなとこにいんの?」

「え、えーと……」

女装「お前、もしかして――」

会長「……」サッ

女装「あ、あんだよ」

会長「どうぞ、お手を」

「あ、す、すいません。ありがとうございます」


424 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:40:34.40 dxeaqgL00 130/260

「えーと……その、適当に散歩してました」

女装「本当だろうな?」

「本当です」

女装「……まぁ、お前程度なら心配する必要もないか」ボソッ

女装「疑って悪かったな。今帰るとこか?」

「あ、え、えーと……まぁ、そんなところです」

女装「そうか。んじゃ気をつけて……そうだ! お前こいつ見送ってこい!」

会長「……」

女装「俺はもうすぐだし。こいつは新入生手だなんもわかってねーから俺よりよっぽん危ないぜ。んじゃ、任せるわ」スタスタ

「えっ? あっ、ち、ちょっと!」

会長「……」


427 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:45:32.56 dxeaqgL00 131/260

会長「では行きましょう。部屋まで送りますよ」

「え、あ。悪いですよ」

会長「お気になさらず。私の自己満足ですので」

「あ、はぁ……」

会長「それでは行きましょう」

「はい……」トコトコ

(メガネかけて、きりっとしてて、なんか生徒会長って感じみたいな人だなぁ)

「って、もしかして生徒会長さんですか?」

会長「ええ。そうです」

「あ、やっぱり……僕は一年の女装役の男です。よろしくお願いします」

会長「3年の会長です。よろしく」


428 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:48:12.49 dxeaqgL00 132/260

「ぷっ。あははは。会長さんって面白い人ですね」クスクス

会長「そうですか?」

「ええ。よく言われませんか?」

会長「いえ。初めてですね。堅物とはよく言われますが」

「へえ」

会長「意外ですか?」

「いえ、全然。見た目どおりって感じです」クスクス

会長「……何かおかしな事を言ったでしょうか」

「あ、いえ。ごめんなさい。真面目な顔で言うものですからおかしくって……」

会長「そうですか。ふむ」

「?」


431 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:52:34.44 dxeaqgL00 133/260

会長「やはり私は怖い顔してるでしょうか」

「……? いえ」

会長「そうですか。よく能面やらクールだの言われるので。私としてはそんなつもりはないんですけどね」

「ああー……なんとなく分かりますね」

会長「そうですか。やはりつまらない男に見えるでしょうか」

「そういう風には見えないと思いますけど、ほら、もっと笑顔で居る方が楽しいですよ」ニコッ

会長「……難しいですね」

「笑顔でいると心まで気持ち良くなりますよ。周りもぽかぽかしてきますし、笑顔って魔法みたいだと僕は思うんです」

会長「魔法……」

「はい。あはは………少しロマンチック過ぎましたね」

会長「いえ、そんな事ないと思いますよ。笑顔の魔法ですか。ふむ」


433 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 00:56:12.56 dxeaqgL00 134/260

「あ、ここです。すいません送ってもらっちゃって」

会長「いえいえ。私も楽しい一時を過ごせましたので感謝しています」

「僕も会長さんとのお話楽しかったですよ。時間が経つのが早かったです」

会長「それでは。お気をつけて」

「はい。あ、会長さん!」

会長「?」

「またお話しましょうね」ニコッ

会長「……」

会長「ええ。また」ニッ

会長「……」カッカッカッ

「笑えるじゃん。しかもかっこいいな」


436 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:03:40.48 dxeaqgL00 135/260

「……ただいまー……」ガチャ

「……? 後輩の姿が見えないな……って」

「うわ……部屋がぐちゃぐちゃだ……でも僕のとこだけ綺麗だ」

美男「……」

「び、美男君?」

美男「!」ガバッ

「わっ!」

美男「……朝帰りか」チラッ

「え?」

美男「いや、なんでもない……」

「……どうしたの?」

美男「なんでもないよ」


439 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:06:41.61 dxeaqgL00 136/260

「なんでこんな散らかってて……」ガサゴソ

美男「……」

「かってに片付けるよ?」

美男「うん。いいよ」

「えーと……これはこっちで……」

美男「……」

「こっちはここでいいかな。うわっこれもう使えないよ……もったいないなぁ……」

美男「男!」ダキッ

「えっ、な、なに……」ビクッ

美男「あいつとやったんだろ!?」ドンッ

「うわぁ!」ボフンッ

美男「くそっくそっ!」ビリビリ

「や、やめて! 誰かぁ!」


442 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:10:52.89 dxeaqgL00 137/260

美男「はぁはぁ……」

「ひっ!」

美男「あいつとやったんだろ……汚されたんだろ? 俺が綺麗にしてやるから……」

「い、嫌だ! 来ないで! やめてよ!!」

美男「くそっくそっくそっくそっ!! あいつは良くて俺はいやなのかよ!」

「ひっ……だ、誰か! 誰か助けて!」

会長「どうしました!」バタンッ

美男「……っ」ピタ

(緩んだ、いまだ!)ゲシッ

美男「うっ」

「……か、会長さん! た、助けて!」ダダッ


446 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:15:02.56 dxeaqgL00 138/260

会長「……後ろへ」

美男「なんだよお前……お前も俺たちの邪魔するのか」

会長「……」スッ

「えっ? 会長さんファイティングポーズなんかとって……」

会長「見た目からは予想できないでしょうが、私少々武道を嗜んでおりますから」

「合気道ですか?」

会長「……よく分かりましたね」

「いや、予想通りすぎます」

美男「……何楽しそうにお話ししてんだよ……ふざけんなぁ!」ダッ

会長「ふっ!」グリッ

美男「う、うわっ!」ドンッ

会長「確保」ギリ

美男「い、いてててて!!」


450 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:22:30.56 dxeaqgL00 139/260

「はぁ……助かった……」ヘナヘナ

会長「……困りましたね」

「?」

会長「女装役が女装役を襲うというケースは初めてです」

「そうなんですか?」

会長「ええ。まぁ過去にも何度かあったでしょぅが、こうやって明るみに出たのはただの一度もありません」

会長「ですから、どう対処したらいいものか」

「……」

美男「畜生……もうどうにでもしろよ……」

「は、離してあげてください」


452 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:25:59.78 dxeaqgL00 140/260

美男「……」

会長「……」

「美男君も、その……今はちょっとおかしいだけで……本当は良い人だってわかってるから」

「その、僕から騒いどいてなんですけど……見逃してもらえませんか……?」

会長「できません」

「っ」

会長「これは風紀の問題です。例え彼が女装役であろうと学園長の息子であろうと君が許そうと」

会長「私はこの学園の法の番人として頂点に立っている。それはできません」

「……そう、ですか。でも……!」

美男「……いいよ。男。ありがとう」

「美男君……」


459 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:30:34.19 dxeaqgL00 141/260

美男「被害者なのに、俺を庇ってくれて嬉しいよ。ごめんな」

「美男君……」

美男「ごめんな……ごめん……ありがとう……」グスッグスッ

「美男君……!」

会長「見逃す事は絶対にできません」

「っ―!」

会長「ただし、もし私が後ろから何か鈍器のような物で殴られ、失神し犯人が思い出せなかったら」

会長「それは仕方がありませんね。被害者が黙っているのではどうしようもありません」

「か、会長さん!」

会長「今回は特別に見逃しますが、次はありませんよ」パッ

美男「あ……ありがとう……」

会長「それじゃお願いします」


460 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:34:09.37 dxeaqgL00 142/260

「えいっ!」ドゴッ

会長「ぐっ!」

「い、いたそー……」

会長「くっ……私の気持ちを納得させる為だけのただの通過儀礼ですから、そんな強くやらなくても良かったのですが……」

「えっ、あ…・………す、すいません!」

会長「い、いえ。大丈夫です」フラフラ

「ぼ、僕の部屋で休んでてください!」

会長「いえ、そうも行きません……貴方の悲鳴を聞いた人たちに弁明しないといけませんので」

「あ……」

会長「まぁ適当にホラー映画でも見てたことにしときましょう。それでは、お大事に」バタンッ

「お大事には僕のセリフだよ……」

美男「……」ポケッー


462 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:40:25.83 dxeaqgL00 143/260

「……美男君。どうしたの?」

美男「あ、うん……ごめん」

「ごめんじゃわからないよ」

美男「………俺、お前の事好きなんだ」

「えっ? ……あ、ああ。僕も好きだよ」

美男「違うよ、そうじゃなくて。お前が先輩の事好きなように俺もお前のこと好きなんだ」

「……」

美男「本当は昨夜も見てたんだ。けど勇気が出なくて……」

美男「そしたらお前が朝帰りしてきたから……俺、もう頭の中わけわかんなくなっちゃって……」

美男「ごめん……全部俺の身勝手だ。ごめん……」


464 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:44:08.73 dxeaqgL00 144/260

「僕の事好きって本気なの?」

美男「えっ、あ……うん」

「じゃあなんで昨日、部屋で後輩と……その、してたの」

美男「それは……言い訳にしか聞こえないだろうけど……ていうかいいわけだけど」

美男「俺の事思ってくれたなら、気持ちに応えなきゃって。それに……その、可愛かったし」

「美男君って正直な人だよね。言わなくてもいいことまで言うし」

美男「う……」

「でも、ごめんね。美男君の気持ちには応えられないよ。僕、先輩の事本気で好きなんだ」

美男「……」

「だから今はごめんね。でも友達としてじゃ駄目かな?」


466 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:47:48.10 dxeaqgL00 145/260

美男「友達として、嬉しいよ。こんな俺を見捨てないでくれるのが嬉しい」

「当然じゃないか。だって友達なんだし」

美男「うん……でも、お前に嫌われるかもしれないし、ただの嫌味に聞こえるかもしれない」

「うん?」

美男「でも言わせてくれ。これは、本当に友達としての純粋な忠告として受け取ってくれ」

「うん……」

美男「先輩、あいつはやめた方がいいよ……詳しくは言わないけど……よくない」

「……」

美男「……ごめん。これだけ」

「ん。いいよ! 全然。僕も何となくあの人を信じれないところは沢山あるし」

「けど、何ていうのかな。思い出補正って奴? どうしても、影の部分より明るいところに目が行っちゃうんだ」

「本当は気付いてるのかも。けど気付きたくないだけ……なのかもしれない。わかんないや」


467 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:51:58.34 dxeaqgL00 146/260

美男「そっか……羨ましいな。お前にそんな風に思われる先輩が」

「ん……恥ずかしいよ」

美男「俺も……いや、なんでもない。もしお前を泣かすような事があったら、次は絶対許さないから」

「次?」

美男「だから、頼りないし力にもなれないかもしれないけど、同じ悔しさって言うか、悲しみを俺にも負わせてくれ」

「……」

美男「うん。なんか言いたい事いったらスッキリしたな! 飯、くいに行こうぜ!」

「うん。今日は何食べようかな僕」ガチャ

美男「俺はパンだなぁ」バタン


471 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 01:58:29.03 dxeaqgL00 147/260

「って僕着替えなきゃ!」

美男「うおっ! すまん!」

「いやぁすっかり忘れてたよ……

美男「よく気付いたな」

「なんか、こう。はっ、とね。電波みたいなのが」

美男「なんだそれ」

「この制服動きやすくて好きだったんだけどなぁ……」

美男「うぐ……す、すまねえ」

「罰として美男君の方の制服貰うからね」

美男「はーいよ」

「まぁ、まぁまぁかな……」


472 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:02:24.53 dxeaqgL00 148/260

女装「……」

先輩「どうした?」

女装「……変なにおいがする」

先輩「は?」

女装「……お前の部屋、変な匂いがする」

先輩「気のせいだろ」

女装「……」

先輩「疑ってるのか? 俺の事」

女装「ああ」

先輩「俺はお前だけのものだよ」チュッ

女装「ん。そうだよな。俺だけのものだよな……疑ったりして悪かったな」

先輩「気にするなよ。それより今からベットでしゃれ込まないか?」

女装「お前がそうしたいなら……いいぜ。しよう。俺もしたい気分だ。先にシャワー浴びてくる」


474 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:06:59.10 dxeaqgL00 149/260

「女装さーん先輩ー」

美男「いないんじゃねーのか?」

「一緒にご飯食べようと思ったんだけどなぁ……」

美男「まぁ、後は先輩の方の部屋にいるとか」

「あ、そっか」

美男「先輩方ー飯くいに行きませんかー?」コンコン

女装「……い、イクっ! イク!」

美男「……いくみたいだぜ?」

「じゃあ早く行きましょうよー。僕お腹減りましたー」

先輩「ほらっ! イケ! 俺もイク!!」

「……?」

美男「まぁ、とりあえず俺たちだけで行こうぜ」

「そうだね」


479 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:12:12.22 dxeaqgL00 150/260

美男「どのパンがいいかなぁー……」

「僕は朝はご飯派……ってあ! おーい!」

会長「……?」

美男「あっ、馬鹿! 俺たち女装役は特定の人間を呼んじゃ駄目なんだよ……って会長か」

「会長はいいの?」

美男「ああ、会長はほら、特別な役割だからな。大抵どんなことも許されるよ」

「ふーん……」

会長「やあ。朝食ですか」

「はい。あの、さっきはご迷惑おかけしました」

会長「いえいえ」

「会長は? ココアだけですか?」

会長「いえ。これはコーヒーです。私朝はコーヒーをこの時間にこの場で飲むと決めておりますので」


482 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:16:36.59 dxeaqgL00 151/260

「へえ。会長らしいですね、おかしいです」クスクス

会長「そうですか。おかしいですかね」

「あっ、いえ。そう言う意味じゃないですよ。なんだか会長って感じだなぁって」

会長「なるほど。まぁ、もし朝に何か用事があるときはこの場に着て頂ければ大抵はいますので」

「はい。分かりました。そのときはよろしくお願いしますね」

会長「いえ、こちらこそ」

美男「ほら! さっさと飯決めて食おうぜ!」

「あ、待ってよ美男君」タタッ

会長「私もご一緒してよろしいでしょうか?」

美男「は?」

「もちろんですよ! 食事は多ければ多いほど楽しいですしね! ね?」

美男「ああ。それもそうだな」


485 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:20:26.13 dxeaqgL00 152/260

後輩「兄上! 勝手に行かないでっていつも言って……」

美男「あっ」

後輩「お、お兄様! まさかこんな場でお会いできるなんて! 正に運命としか言い様がありませんね!」

美男「ああー……その、昨日は悪かったな」

後輩「いえ。僕は全然気にしてませんよ。お兄様が少しでも元気になられてるようで安心しました」

美男「そつか。サンキューな」

「兄上…………って事はもしかして?」

会長「ええ。弟です」

後輩「どうも。改めて紹介させていただきます」

「あ、うん」

後輩「時期会長候補の後輩です。よろしく」

「時期会長候補?」


486 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:25:47.71 dxeaqgL00 153/260

美男「生徒会長は3学年で一番の名門家が務める事が仕来りとなってるからな」

会長「と、言っても勿論選挙はしますけどもね。しかし絶大な支持と人気がある対抗者がいなければ自動的に我々で決まりますが」

「なるほど……」

美男「だから、名門だからな。会長って座はようするにこの学園で一番偉いお父様をお持ちって事なんだよ」

会長「学園長の父を持つ貴方も人の事は言えないと思いますが」

美男「まぁ、それもそうだな」

後輩「それにしても僕朝食をお兄様とともにできるだなんて……ああ、眩暈がしてきました」フラッ

会長「他の生徒の邪魔になるからやめなさい」ガシッ

後輩「兄上! 僕はお兄様に受け止めて貰いたかったのです! 邪魔しないで下さい!」

会長「ここは朝食を食べる場だ。そう言うのは後にしなさい」

「あはは。なんか面白いね」


487 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:30:12.79 dxeaqgL00 154/260

「うまうま」モグモグ

美男「……」カチャカチャ

後輩「……男様、お兄様のようにもう少しお上品に食べられないのですか?」

「え? あ、ごめん……」

後輩「全く……」

会長「こら。すみません……うちの弟が。礼儀がなっておりませんもので」

「あ、いや。テーブルマナーとか僕が分かってないのがいけない訳ですし……」

会長「それでは私が指導させていただきましょう。よろしいですか?」

「あ、本当ですか? 助かります!」

会長「それでは私の開いてる時間は……夜ですか。うーむ……遅くなってしまいますね。やめにしますか?」

「迷惑でなければ是非ともお願いします」

会長「分かりました。では今夜……」

美男「別にそんなの俺でも教えてあげられるのに……」


489 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:35:50.87 dxeaqgL00 155/260

女装「これと、それ……あとこれも……」

「あっ、女装さんだ。おーい!」

女装「……」ニコッ トコトコ

女装「どうしました……ってまたこれは嫌なメンバーが……」

会長「あなたも一緒に食事はどうですか」

女装「お断りします。僕は朝食を頼みに来ただけですから」

「……? 先輩は?」

女装「ああ、あいつは部屋で待ってる」

会長「……何のための警護役だと思ってるんですか」

女装「あーあー。うるさい。いいんだよ別にこんなとこ来る位一人で充分だろ」

女装「てことで、ごめんあそばせ」オホホ

会長「……ふぅ。困ったものですね」


491 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:40:28.24 dxeaqgL00 156/260

「何がですか?」

会長「ああ、彼の警護役ですよ」

「……」

会長「女装役ですから生徒からの支持があります。また家が私たちと負けず劣らない名門ですから」

会長「その発言力と存在はとても大きいものなのです。警護役ならばどんな所でも警護していなければいけないというのに」

会長「あまつさえ、彼の力を後ろ盾に最近は尊大な態度も見られるというではないですか。まったく許せない事です」

「……」カチャカチャ

会長「おっと。すいません……食事の場で言うようなことではなかったですね」

「あ、いえ……」

美男「ほら、おしぼりをこうやるとな……」

後輩「わぁ! お人形さんが出来ました! 流石ですお兄様!」


495 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:47:55.81 dxeaqgL00 157/260

「その……先輩の悪い噂ってどんなものがあるんですか?」

会長「そうですね……これといったものはないかと」

「あ、そ、そうなんですか」ホッ

会長「ただ、誰も口にしないだけかもしれません」

「?」

会長「名門家の女装役という大きな後ろ盾がありますからね。また彼は警護役を溺愛していますし」

会長「報復を恐れてでしょう。まったく……彼はあの警護役の言う事を何でもかんでもほいほいと信じすぎなのです」

会長「一時期その所為で多くの生徒が……まぁ、いいでしょう。この話はお終いにしましょう」

「あ、はい。そうですね」

美男「こうやって足を畳むと……」

後輩「わぁ! 今度はお人形さんが体育座りしてます! 凄いですお兄様!」


497 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:51:32.45 dxeaqgL00 158/260

会長「おっと、時間だ。それでは私はここで失礼」

「あ、はい」

会長「それでは今夜私の部屋へきてください。お待ちしております」

「わかりました。お願いします」

後輩「あっ! 僕も戻らないと! お兄様、またお会いしましょう!」

美男「お、おう」

「……僕達も部屋に戻ろっか?」

美男「そうだなぁ」


499 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:55:01.76 dxeaqgL00 159/260

美男「はぁ~……暇だなぁ」

「学校が始まるまでまだ休みが大分あるもんね」

美男「……そうだ。クラブ活動とか調べてみようぜ」

「いいね」

美男「それも、普通のじゃない。黙認されててでも有名な感じの奴」

「そんなのあるかなぁ……」

美男「あるかどうかわからないから探すんだろ!」 

「なるほどね。確かに」

美男「ほら行こうぜ! 2学年を聞き込みだ」

「あ、ま、待ってよ!」


500 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 02:59:07.89 dxeaqgL00 160/260

女装「それで俺のとこ来たのかよ」

美男「そんな露骨に嫌な顔しないで下さいよ~」

女装「はぁ。あのなぁ……俺たち女装役は学校が始まったら地獄のような日々が待っているんだぞ」

「そうなんですか?」

女装「そうだよ。毎日毎日どうでもいい奴らに媚び売って尻尾振って……あー! めんどくせえ!」

美男「まぁそんなことはいいから教えてくださいよ。大して時間取らないでしょ」

女装「この時期くらいなんだよ……休めるのって……はぁ。そうだなぁ……黒薔薇の会とかかな」

美男「黒薔薇の会ぃ~?」

女装「まぁ、俺は教えた。後は自分で調べろ探偵諸君」バタン

「なんだろうね、黒薔薇の会って」

美男「糞みてえな匂いがぷんぷんしやがるぜ」


501 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:02:32.43 dxeaqgL00 161/260

先輩「黒薔薇の会? ああー……部長に聞けよ。部屋は……ここな」

「ありがとっ!」

先輩「おう、どういたしまして」

美男「…………ほら、早く行こうぜ」グイッ

「あ、待ってよ引っ張んないでよ! ま、またね!」

先輩「………」ヒラヒラ

先輩「あいつを落とすのも楽そうだな」ガチャン


505 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:11:11.58 dxeaqgL00 162/260

「あのー」コンコン

部長「やあ! 君達が新しい女装役か。どうぞどうぞ中に入って!」グイグイ

「わっわっ!」ズイズイ

部長「さぁ、何にする? 紅茶がいいね。そうだそれがいい! それと上等なクッキーを用意しよう!」

「な、なんか凄い人だね……」

美男「こいつの部屋すげーな……ぬいぐるみだらけだ」

「うわぁ……なんか一気にメルヘンな国に迷い込んじゃった気分だよ」

部長「やぁ! 砂糖はいるかい!? いや、いらないよ! 茶を楽しめなくなるからね!」

「しかもマライヒみたいな髪型してるよ……」

美男「マライヒ?」

「あっ、なんでもない。僕の好きな漫画の登場人物」

美男「ふーん」


509 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:21:28.22 dxeaqgL00 163/260

部長「さぁ、どうぞ! 紅茶とケーキだよ!」

「あ、ありがとうございます」

美男「さっきクッキーって言ってたよな?」

「う、うん」

部長「それで、美しい二人さん。一体僕に何の用かな?」

「その、黒薔薇の会について……」

部長「入部希望者か! いや君たち女装役二人が加わればまさに百人力! しかしああ、かなしいかな! 女装役はクラブ活動に参加できないのだ!」

美男「いや、そうじゃなくてですね、どんな活動をしてるのかなーと」

部長「うん?  ああ、そんな事か。主に美少年狩りしてるよ」

「美少年狩り?」

部長「ああ。美しくて可愛い少年たちは正に宝だ。そんな天使たちを僕達が愛でるのさ」

美男「へぇ……構成人数は?」

部長「僕と副部長のみさ」


513 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:25:42.60 dxeaqgL00 164/260

美男「はぁ……活動記録は?」

部長「僕が確か去年で16人。副部長が3人だったかな」

「えっそれって」

部長「もちろん愛でた人数さ。可愛らしい声で彼らは喘ぐんだ。まだ声変わりもしていない声でね」

美男「はぁ……凄いですね」

部長「ふふ。僕は美しいものが大好きなんだ。そして可愛いものはもっとすきなのさ」

「世の中本当に意味がわからないものが沢山あるんだなぁ…………」ブツブツ

部長「まぁ、とは言っても。懐かれたらそこでお終いさ。ゲームだからね所詮は」

美男「酷いですね」

部長「まさか。一時の夢を見せたんだ。感謝してもらわなきゃ」


515 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:31:11.26 dxeaqgL00 165/260

部長「そうだ! 副部長を呼ぼう! うん、それがいい! 生の二人見せてあげよう!」prrrr

「あ、いや……僕達もう」

部長「はい! 元気かい! ああ、勿論僕は元気さ! ところで見せたいものがあるんだ! とっても良いものだよ!」

美男「人の話聞かない人だな」

「うん……」

部長「ああ、とってもいいものだ! それは見てからのお楽しみさ! ああ、僕も愛してるよダーリン!」プッッ

「あ、終わった」

部長「こっちへ来るってさ。すぐに来るよ」

美男「どんくらいかかりますかね?」

部長「あと10秒くらいかな?」

「まっさかぁ」

副部長「見せたいものってなんだい」ガチャ


517 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:36:33.79 dxeaqgL00 166/260

「ほんとにすぐ来た!」

部長「そりゃそうだよ。部屋は隣だもの」

美男「じゃあ電話するなよ!」

副部長「おお、新入生の女装役か。俺は副部長だよろしく」

「あ、よろしく」

美男「なんかまともそうだなこの人」

「うん。けどわからないよ……」

部長「どうだい! 美しいだろ! この二人! 僕を訪ねに着たんだ!」

副部長「へえ。そりゃ凄い。うちの活動内容でも聞きに来たのかい?」

「は」

部長「そうなんだよ! 凄いね流石ダーリンだよ! なんでそんなすぐにわかるんだい!?」

副部長「おいおい。俺を舐めるなよ」

部長「ああ! 素晴らしいよ! また惚れ直しちゃいそうだ! ああ! 大好きだよ!」

副部長「よせ、照れるだろ」


519 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:41:24.44 dxeaqgL00 167/260

副部長「俺も好きだよ。愛してる」

部長「ああ! 僕もだよダーリン! 今この場で抱いて!」

副部長「OK」

「ち、ちょっと待ったぁー!」

部長「なんだい……盛り上がってたところに……無粋だね」

美男「いや! おかしいでしょあんたら!」

部長「もしかして彼の魅力を聞きたいのかい? ならそうと言いなよ!」

美男「そんな事言って」

部長「まずこの肉体美! みてごらんこの筋肉! ああ美しい! いくらでも頬擦りできる!」

副部長「よせよ」

部長「そして内面だよ! 内面の美しさだ! 彼は本当に素晴らしいんだ!」

部長「外面の美しさなんて紛い物さ! そんな意味のないモノなんかには手の届かない場所にあるんだ!」

部長「ああ! 素晴らしいよ! 大好きだマイダーリン!」


524 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:46:05.02 dxeaqgL00 168/260

副部長「俺もだよ。さぁベットへダイブだ! 今日は日が暮れるまで楽しもう!」

部長「ダーリン! もっと力強く! 荒々しく激しく!」

副部長「おおう! 任せろ!」

美男「か、帰ろうぜ……マジでハッスルつもりだぞあの二人」

「そうだね。帰ろう……おじゃましました」

部長「あっあっ! 待ちたまえ!」

「?」

部長「君、確か先輩と付き合ってるんだろ?」

「!? な、なんでそれを……」

部長「ふふ。僕たちの情報網を舐めちゃいけないよ」


525 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:50:36.02 dxeaqgL00 169/260

部長「彼ね、やめた法がいいよ。んぁっダーリン凄い!」

「……なんでですか?」

部長「うふふ。彼は僕がもっと嫌いな醜いものだからさ。あっあっあっ!」

「……」

部長「彼は、下衆だ。内面の醜さ、アレはまさに汚物そのものだ! ぁああ~……ダーリン……駄目だよ」

「ご忠告、ありがとうございます」

部長「気をつけなよ。んぁ! ダーリン! もっとぉ!」

「……」バタン

美男「戻ろうぜ」

「ん……」


527 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 03:57:15.55 dxeaqgL00 170/260

美男「いつのまにか日が暮れてるぜ。あの二人日が暮れるの明日になるじゃねえか」

「うん……」

美男「どっかでお茶でもするか」

「うん」

美男「それともまたあの湖でも行くか?」

「うん」

美男「あー今もの凄くお前犯したい。襲ってもいい?」

「うん」

美男「あ、先輩だ」

「えっ!? どこどこ? って、あ……」

美男「はぁ。お前って分かりやすすぎ」


532 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:01:38.10 dxeaqgL00 171/260

美男「気になるなら、今夜会長に色々聞いてこいよ」

「う、うん……でも、怖いな」

美男「んでその後あいつに問い詰めれば良いだろ。まぁ、お前じゃ適当にはぐらかされそうだけど」

「そうかな」

美男「ああ。しかも話術で見事あいつの全てを信じ込んでしまいしたってのが落ちだな」

「……僕はそんな安い人間じゃない」

美男「まぁそれでもいいんじゃねえの。今こうして抱えてるより、スッキリするでしょ」

美男「それが本当でも嘘でもね。気持ちを吐くって大事」

「うん……聞いてみるよ今日」

美男「うん。それがいい。それでお前が判断して、そうやって出した結論ならきっと最善さ」


533 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:04:42.14 dxeaqgL00 172/260

「ありがとう、美男君」

美男「どういたしまして」

「君は僕の最高の友達だよ」

美男「……はぁ。突き刺さるよ」

「ごめんね」

美男「いいよ別に。まぁ、いつか君が取れる日を楽しみにしてるさ」

「それじゃ、そろそろ行って来るね」

美男「まだちょっと早いんじゃないのか?」

「五分前行動五分前行動」

美男「二十分くらいはえーけど……まぁ、焦ってんだろうな。あいつも」


535 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:10:34.30 dxeaqgL00 173/260

「確か会長の部屋は……」

「ここらへんに……」バンッ!!

「? 何の音だろ」

女装「冗談じゃねえよ! いい加減にしてくれ!」

会長「俺はお前を思ってるんだ」

女装「何が俺の事だよ! もう放っておいてくれよ!」

会長「お前は騙されてる。気づけ」

女装「うるさい! うるさいうるさいうるさい!!」

会長「女装!」パンッ

女装「っ……ううっ」

会長「落ち着け。取り乱すな見苦しいぞ」


536 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:14:44.82 dxeaqgL00 174/260

会長「お前はあいつに良いように利用されてるだけだ。事実お前の支援であいつの言うは持ち直した」

会長「その後お前に上手く取り入り、気に入られ、学園での立場も手に入れてる。それだけだ」

女装「嫌だ嫌だ……聞きたくない……」

会長「あいつに依存したところでなんの利益もない。目先の快楽に惑わされるな」

会長「いいか。お前は名門家の跡取なんだぞ。今のうちからこんなモノに囚われていてどうする」

女装「……」

会長「はぁ。全く……」

女装「なんだよ……なんで俺なんかに構うんだよ……」

会長「お前が好きだからだ」


538 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:18:16.29 dxeaqgL00 175/260

女装「……」

会長「俺では不服か。あいつにはないものも俺にはあるぞ」

女装「……俺はゆっくりしたいだけなんだ……」

会長「俺だったらいくらでもそんな時間与えてやる」

女装「違う、そう言うことじゃない。もう、溺れるだけでいい関係が楽なんだ」

女装「わかってる。わかってるよ……俺が利用されてるだけだなんてわかってる」

女装「けどあいつは今の俺を必要としてくれてる……もう一人は嫌だ……」

女装「どうせお前はすぐに俺を捨てる……性処理道具に情が湧いてるだけだ……」

会長「ふぅ。困った子だ。とりあえず、部屋に戻ろう。話はそれからだ」バタンッ

「……み、見ちゃいけないものを見てしまった……」


541 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:21:17.43 dxeaqgL00 176/260

「時間は……五分前か……」

「部屋に来ててもおかしくないよな。この時間帯なら」

「けど、入りにくい……どうしよう」

「……」

「時間になっちゃったよついに……あ、あと五分待とう!」

「…………」

「十五分過ぎたけど出てこない……」


543 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:24:23.51 dxeaqgL00 177/260

「とりあえず、ノックだけでもしておこう」

「か、会長さーん遅れてしまいました……」コンコン

「……」

会長「やあ。来てくれましたか」ガチャ

「あ、あれ?」

会長「? どうしました?」

「い、いやなんでもないです」

会長「そうですか。では、どうぞ中に入ってください」

「あ、じゃあ……お邪魔します……」キョロキョロ

(女装さんがいない……?)


545 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:29:27.09 dxeaqgL00 178/260

会長「ではテーブルマナーや礼儀作法について教えましょう」

「あ、はい」

会長「まずはですね……」

「……はい……」

会長「次に……」

(おしっこしたくなってきた)

「……あ、あの」

会長「はい?」

「お、おしっこ……したいんですけど」

会長「ははぁ。困りましたね……私の部屋は今ちょっと故障しててトイレが使えないんですよ」


546 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:32:26.65 dxeaqgL00 179/260

「えっ、あ……そうなんですか」

会長「はい。そうすると……うーん。共同トイレですね少し遠くなりますが大丈夫ですか?」

「え、えーと……まだ我慢できそうです」

会長「教えてる間に漏れたりしたら大変です。今行っておいたほうが楽ですよ」

「そ、そうですね」

(女装さん……トイレにいるってことかな……)

会長「さ、どうぞ」ガチャ

「じ、じゃあ行って来ます」

会長「はい」


548 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 04:39:27.64 dxeaqgL00 180/260

「……適当なところで隠れてみよう」

「……きた!」

女装「……」フラフラ

会長「ふぅ……危ないところだったな。時間を忘れていたよ」

女装「……もう部屋に返してくれ……」

会長「駄目だ。今日は俺の部屋に一日いろ」

女装「……」

会長「ほら、それより早くしろ。もたもたしてると帰ってくるぞ」

女装「っ……」スッ

会長「そうそう。そうやって、跪いて、上目遣いでだ。くっ……いいぞ上手くなったな……」

女装「……」

会長「ああ……最高だ。やっぱりお前はあいつなんかには渡したくない。絶対に俺のモノにしてやる」


553 : さるくらった - 2011/07/06(水) 05:02:47.41 dxeaqgL00 181/260

会長「どうだ? 誰かに見られるかもしれない……そんなすれるがたまらないだろ」

会長「よし。そろそろ出すぞ。全部飲め」

女装「んぐっ………!」

会長「く……はぁ」

女装「ん、ぐ……」ゴクン

会長「ふぅ……ふぅ……まだ帰ってきてないな。良し、お前はトイレに戻ってろ」

女装「……」フラフラ

会長「……」キョロキョロ

「……」サッ

会長「誰も見てないな……」 バタンッ


741 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:36:25.53 dxeaqgL00 182/260

「……僕はどうすればいいんだろうか」

「と、とりあえず戻ろう」

「た、ただいま戻りました」ガチャ

会長「早かったですね」

「あ、はい。全速力で行って来ましたから」

会長「なるほど。よほど切羽詰っていたのですか」

「いやぁ、それほどでは……」

会長「それでは引き続き頑張っていきましょう」

「は、はい」


745 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:41:54.20 dxeaqgL00 183/260

会長「もうそろそろ時間ですね」

「つ、疲れたぁー……」バタッ

会長「紳士ならばこういうところでもきちんとしなければいけません」

「あっ、はい!」バッ

会長「そうそう。気が緩んでいいのは誰も見ていないときだけです」

「……」

会長「それでは私は用事がありますので、解散としましょう」

「わかりました。今日はどうもありがとうござまいした」

会長「いえ。では、見送りは今日はできませんがお気をつけて」ガチャ

「……はい。ありがとうごさました」


755 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:50:52.06 dxeaqgL00 184/260

「……」バタン

「どうしようどうしようどうしよう」オロオロ

「女装さん助けないと……び、美男君に……いや、でもそしたら女装さんが……」

「でも僕一人じゃ解決できないよ……」

「よ、よし! 美男君に相談しよう!」タタタッ

「あ、待てよ……先輩に……」ピタッ

部長『彼は、下衆だ』

「……」

「や、やっぱり美男君にしよう」タッ


758 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:52:35.29 dxeaqgL00 185/260

「美男君!」バタン

美男「んぁ? どうした?」

「そ、その相談したい事があるんだ」

美男「相談! 男が? 俺に!?」

「う、うん」

美男「いいよいいよ! 全然OK! ほら、なんでも俺に任せて!」

「えっと……その、女装さんの事なんだけど……」

美男「えっ? 女装?」

「うん」

美男「あ、ああー……うん。わかった……うん、 なに? どうしたの」

「えっと……会長も関係してるんだけどさ……」


762 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:56:19.68 dxeaqgL00 186/260

美男「会長がねえ……女装さんを?」

「うん」

美男「にわかには信じられないよなぁ……あの真面目そうな会長がなぁ」

「ほ、本当なんだってば! 信じてよ!」

美男「あ、いや。勿論信じてるよ俺は男の言う事」

「本当?」

美男「本当だよ」ニッ

「ありがとう美男君!」ニパァ!

美男(くぁー! この笑顔! かぁーやられちまう!! 顔がにやける!)

美男「そ、それじゃ会長のとこ張り込みに行こうぜ!」

「あ、ま、待ってよ!」


764 : 以下、名... - 2011/07/06(水) 23:59:12.33 dxeaqgL00 187/260

美男「まだこの時間帯は動かないだろうな」コソコソ

「そ、そうなのかな」

美男「ああ。よくわかんねーけど会長さん随分と歪んだ愛情をお持ちみたいだし」

「うん……」

美男「おそらく夜中、深夜に女装先輩を連れ出してなんかするだろうよ」

「当たるかなぁ」

美男「当たるさ。俺だったらそうする」

「えっ?」

美男「い、いや! なんでもない!」


767 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:04:51.99 G7UsuXpj0 188/260

「ふぁ~あ……まだかなぁ……」

美男「ん……もう一時だ。そろそろ動くと思うんだけど……」

「それにしても会長さんの部屋だけ特別だよね。周りに他の部屋ないし」

美男「そりゃあ御曹司様だからな。まぁ、今は誰も来ない事に感謝ってね……」

「うん……僕お腹減っちゃった。食べても良い?」

美男「ああ、いいよ。なっ持ってきて良かっただろアンパンと牛乳」

「うん。流石美男君だね……美味しいー」モグモグ

美男「張り込みにあんぱんと牛乳は必需品だからな……」ジッー

「うまうま……ん? どうしたの見つめて。僕の顔になんかついてる?」ペタペタ

美男「あ、いや。なんでもないよ。うん」プイッ


769 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:09:55.44 G7UsuXpj0 189/260

会長「……」ガチャ

美男「……! きた!」

「えっ? なにが?」

美男「馬鹿、会長だよ。ほら、食うのやめろ」

「あ、う、うん!」ガサガサ

会長「ほら、来い」グイッ

女装「……っ」ジャラッ

美男「……首輪……と鎖か。ははぁ、中々良い趣味してんじゃん」

「うわぁ……会長さん良い人だと思ってたのに……」

美男「誰にでも隠し事や異常性癖の一つや二つあるもんさ。さ、追うぞ」


775 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:18:21.97 G7UsuXpj0 190/260

会長「……」テクテク

女装「……」ジャラジャラ

美男「それにしても随分と従順だな……」

「……美男君、こんな時になんだけどなんだか尾行って楽しいね」

美男「ん? あ、ああ。そうだな」

「なんか、二人の共同作業みたいな……って不謹慎だったねごめん」

美男(そういや言われてみると今こいつと二人きりか……)

美男「や、やば……なんかドキドキしてきた」

「?」ピッタリ

美男「み、密着すんの止めろって」

「えっ。なんで? こうしないと僕見えないよ」

美男「そ、そりゃそうだけど……俺が困るんだよ」


777 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:22:47.26 G7UsuXpj0 191/260

美男「あっ、外に出たぞ」

「……もっと慎重にならないとね」

美男「ああ。音を立てやすくなるからな。充分な距離を持たないと……」

「任せてよ。僕目はいいんだ」

美男「よし、頼むぞ」

会長「……」テクテク

女装「……あっ」ガッ

女装「っぅ……」ドサッ ジャラッ!

会長「ん? 転んだのか」


779 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:26:35.73 G7UsuXpj0 192/260

会長「ほら、見せてみろ」

女装「い……痛くない」

会長「いいから」グイッ

女装「っ……」

会長「少し擦りむいてるな。舐めれば治る」ペロッ

女装「……や、やめろ!」

会長「……」ペロペロ

女装「……っ」

会長「よし。良いだろう。行くぞ」ジャラッ

女装「……」トボトボ


780 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:29:03.97 G7UsuXpj0 193/260

美男「どこまで行くつもりだ?」

「……さぁ」

会長「……」ジャリッ

女装「……」ピタッ

美男「とまった! ここで様子見るぞ」

「う、うん」

会長「ここまで来れば平気だろう……女装」

女装「……」

会長「跪け」

女装「……」ジャラ

会長「良い子だ」ナデナデ


782 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:34:09.39 G7UsuXpj0 194/260

会長「犬になれ」

女装「……」ザッ

美男「……四つん這いになった」

会長「行くぞ」ザッザッ

女装「……」ジャラジャラ

会長「……」ピタッ

女装「……」

会長「返事は?」

女装「……わん……」

会長「良し。行くぞ」ジャラ


784 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:37:38.46 G7UsuXpj0 195/260

会長「良し。ついた」

「あ、ここは……」

会長「良い所だろう。誰も来ない穴場だ……」

美男「……俺が見つけた湖じゃねえか」

会長「静かで誰にも邪魔されない。誰の目も気にする事はない」

会長「素晴らしい場所だ。お前もそう思うだろ?」

女装「ワン」

会長「良し良し。良い子だ……今日はお前に取って置きのプレゼントがある」

美男「……俺だけが見つけた場所だと思ってたのに……」

「ま、まぁ。次は二人で探せばいいじゃないか。ね?」

美男「二人で………そ、そうだな!」


785 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:40:51.38 G7UsuXpj0 196/260

会長「待ってろ」ゴソゴソ

「なんだろう」

会長「ジャーン。新しい首輪。どうだ? ほら、鈴付きだ」チリンチリン

女装「……」

会長「お前のために特別に作らせたんだ。きっと似合うぞ」カチャカチャ

女装「……」

会長「うん、良い感じ。ああ、凄く似合う……やっぱり俺の思ったとおりだ」

女装「く、苦しい……緩めてくれ……」

会長「……お前は犬だろ。犬なら犬らしく訴えるんだ」

女装「ぐ……わ、わんわん!」チリンチリン


790 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:44:41.95 G7UsuXpj0 197/260

会長「ははは。駄目だ、少しきつくするくらいがちょうど良い」

女装「……っ」

会長「苦痛に悶えるお前の姿……月明かりに照らされてとても綺麗だよ」チュッ

女装「……」チリンッ

会長「さぁ、犬ごっこはお終いだ服を脱げ」

女装「……」ヌギヌギ

会長「綺麗だ……とても。可愛いよ」

女装「……」チリンチリン

会長「さぁ俺に奉仕しろ……優しくな」

女装「はい……」


794 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:48:54.81 G7UsuXpj0 198/260

美男「ははーん……つかめてきたぞ」

「ど、どういうこと?」

美男「女装役の代表は月に数回生徒会長と面談することは知ってるか?」

「あ、う……うん」

美男「まぁ、面談ってのは名ばかりの……学園一のお坊ちゃまの性処理って訳だ」

「えええ!?」

美男「名門家からの寄付金は美味しいからな……ふぅむ……」

「そ、そんな事があるだなんて……」

美男「けどまぁ、あの会長さん。性処理にしては随分と優しく扱ってるように見える」

「そ、そうかなぁ………」

美男「ああ。もしかすると、本気で恋してんのかもな……」


796 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:53:18.04 G7UsuXpj0 199/260

「本気で? まさか。それだったらあんな事しないよ」

美男「いや、女装先輩には先輩って言う存在があるからな」

「あ、ああ……う、ん」

美男「……。まぁ、会長はああやって性処理目的でしか連れ出せないんだろうよ」

「……?」

美男「要するにだ。本当は彼氏になってイチャイチャしたいけど、相手には想い人がいる」

美男「しかし自分は立場を利用して相手とやる事やれる。だから、こうして人目を忍んで……」

「その、せ、性処理を名目に二人きりでいるってこと……?」

美男「そう言うこと。まぁ、歪んだ愛だな」

「なんだか……悲しいね」


800 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 00:57:38.09 G7UsuXpj0 200/260

会長「く……いいぞ。出すぞ」

女装「ん、ぐっ」

会長「全部飲め、俺のものを全部だ」

女装「んぐ……」ゴクン

会長「今日も良かったよ」スッ ナデナデ

女装「……」

美男「本番に突入するぞ」

「と、止めた方が!」

会長「さ、戻ろう。時間だ。これ以上は明日に響く」

「あ、あれっ?」


801 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:00:46.69 G7UsuXpj0 201/260

女装「……」チリンチリン

会長「苦しかっただろう。悪いな」カチャカチャ

女装「ごほっ……ごほっ……別に」

会長「そうか」チュッ

女装「……」

会長「……好きだ、愛してる」

女装「やめろ。もう性処理は終わっただろ……」

会長「ああ。そうだ」

女装「じゃあもうお終いだ。部屋に帰らせてくれ……」

会長「……そうだな」


805 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:03:46.98 G7UsuXpj0 202/260

女装「……」

会長「女装」

女装「なんだよ」

会長「好きだ」

女装「吐き気がする」

会長「愛してる」

女装「やめろ」

会長「俺は本気だ」

女装「……じゃあなんで一度も俺のケツを使わないんだよ」


808 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:07:37.42 G7UsuXpj0 203/260

会長「本気だからだ」

女装「違う! お前は俺を背負うのを恐れてるからだ!」

会長「……違うと何度言わせるつもりだ」

女装「いいや違くないね! 本気なら、じゃあなんで本気で奪いに来ない!」

女装「お前を俺の全てを包み込む自信がないからだ!」

女装「俺俺をただの性欲処理道具としてみてないからだよ! 懐かないネコが懐いたらそこでゲームは終りなんだろ!?」

会長「違う!!」

女装「いいやそうだ。お前はそうだ……俺を分かってくれる奴なんて誰もいないんだ……」ザッ

会長「女装!」

女装「俺にはあいつが居る……あいつは俺を絶対に捨てたりしない………」


809 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:10:13.62 G7UsuXpj0 204/260

会長「女装……わかってくれ」ガシッ

女装「いやだ! やめろ! 離せ!」ドンッ

会長「っ……」フラッ

女装「はぁ……はぁ……っ!」ダッ

会長「女装! 待ってくれ! 女装!」

女装「……」ダダダタッ

会長「……」ポツーン

「……会長さん……」

美男「これは……」

会長「……女装……」


810 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:12:54.18 G7UsuXpj0 205/260

女装「はぁ……はぁっ……!」ガチャ!!

女装「……はぁ……はぁ……いない……」

女装「……くそぅ……」

女装「何で追いかけてこないんだよ……何であいつは部屋にいないんだよ……」

女装「…………俺を助け出してくれるんじゃないのかよ……」ズルズル

女装「畜生……会長の嘘つき……」


821 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:32:36.21 G7UsuXpj0 206/260

「帰ろうよ」

美男「そうだな」

「僕達が関わるべき事じゃなかったのかな……」

美男「さぁ、な……」

「……」

美男「ただ、女装先輩の最後のあの言葉からさ」

美男「多分、本当は……会長のこと好きなんじゃないか」

「……」

美男「あの人、先輩に依存してそうだし」

「うん」

美男「いや、なんとなくなんだけどな」

「うん……」


822 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:36:35.56 G7UsuXpj0 207/260

「……ん? なんか、騒がしくない?」

美男「何が?」

「なんかさ、ほら。あっちの方向からなんか聞こえない?」

美男「獣とか鳥さんの類だろ」

「そうかなぁ……」

美男「気にすんなよ。ふぁ~俺緊張の糸が切れたから眠くなってきちまったよ」

「うん……」

美男「……気になんの?」

「うん」

美男「じゃあ、見てみるか」

「ありがと美男君」

美男「ん」


823 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:38:49.51 G7UsuXpj0 208/260

「確かこっちの……」

「ここらへんから……」

「……ろ! さ……る……!!」

「ほら! ほらね!」

美男「なんだか騒々しいな……喧嘩か? いゃ、この時間帯にこれって事は」

「……まさか」

美男「よし! 急ぐぞ!!」

「う、うん!」



825 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:44:14.63 G7UsuXpj0 209/260

「やめろ! こっちにくるな!」

「近いよ!」

美男「わかってる!」

「…………あ……」ピタッ

美男「うわっ! ど、どうしたんだよ突然止まっ……て……」

部長「や、やめろ! そ、それ以上僕に近づいてみろ!」

先輩「へぇ。近づいたらどうなるんだ?」

部長「だ、ダーリンがお前をボコボコにしてやる! 二度と社会復帰できないほどにだ!」

先輩「ハハハ! こいつは滑稽だ! 今この場で何かできると言う訳じゃないんだな!」

部長「くっ……」

先輩「ふ。それは今この場では何をしても良い……そう言うことだろ?」ザッザッ

部長「ち、近づくな……っ!」ドンッ

先輩「おっと。残念後ろは行き止まりだ」


826 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:45:48.38 G7UsuXpj0 210/260

先輩「鬼ごっこはもうお終いだ」

部長「い、嫌だ……ダーリン……助けて……」

先輩「ふふふ。良い顔だな……ここまで少しずつ少しずつ追い詰めてきた甲斐があったってもんだ」

部長「ひぃ! ぼ、僕に触るなぁ!」

先輩「そうだ、いいぞ! もっと抵抗しろ! 俺を愉しませるんだ!!」

部長「い、嫌だぁあああ!! ダーリン!! 助けて!!」ポロポロ

先輩「叫んだって愛しのダーリンはきやしないよ……お前がわざわざ遠くまで逃げてくれたんだからな」ガシッ

部長「ひっ……ぐすっ……ふぐっ」

先輩「今頃お部屋でぐっすりおやすみさ。お前がこんな事になってるとも知らずにね」

先輩「白馬の王子様は来ない……」ペロリッ


830 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:50:38.77 G7UsuXpj0 211/260

先輩「昔からお前には目をつけてたんだ。可愛い顔してるからな」

部長「ひぃ」

先輩「何人の美少年を食ったんだ? ええ?」

部長「た、助け」

先輩「美少年狩りで有名なお前を俺が狩る……ククク。最高じゃぁないか」

先輩「女装、あいつのお陰でお前らみたいなのは簡単に揉み消せるんだよ」

先輩「勿論、お前の愛しのダーリンも俺がある事ない事あいつに吹き込めば……」

部長「!!」

先輩「ふん。やっと立場を理解したか。ダーリンを助けたかったら大人しく俺を悦ばせろ」

部長「……ぼ、僕が……」

先輩「うん?」


833 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:55:04.70 G7UsuXpj0 212/260

部長「僕が、我慢すれば……ダーリンには手を出さないんだな……?」

先輩「ああ。勿論。ただしつまらない事をやってみろ、許さないからな」

部長「くっ……分かった。ダーリンには絶対に手を出すなよ……いいな! 約束だぞ!」

先輩「ああ、約束だ。それにしても健気じゃないか」

先輩「愛する人のために自分を犠牲にするだなんて……あははは! 最高だ! 正に王になった気分だ!」

部長「くそっ……下衆が……」

先輩「……言葉遣いに気をつけろ!」ドガッ!

部長「ぐぅっ……」ズサッ

先輩「あーあ、白い肌が赤くなっちまった……まぁいい、跪け」

部長「……ダーリン……ごめん……」ポロポロ

先輩「ははは……ゾクゾクするぜ……」


836 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 01:58:46.59 G7UsuXpj0 213/260

「……」

美男「あ……お、男……」

「……」グッ

美男「あっ! おい!」

「……」ザッザッ

先輩「!? だれだ!」

部長「き、君は……」

先輩「お、男……」

「……先輩」

先輩「あ、ああ……こ、これは違うんだ。その言い訳になるが、こいつが俺を誘って」チラッ

部長「……そうなんだ。僕が彼を誘ったんだ……」


839 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:02:50.94 G7UsuXpj0 214/260

「先輩」

先輩「ほら、な。こいつもそう言ってるだろ」

部長「嫌がる彼をどうしてもって僕が誘ったんだ。一夜だけで良いからって……」

「先輩……」

先輩「けど、お前が出てきて目が覚めたよ。やっぱりいけないな……こいういうことはさ」

「先輩!!!」

先輩「」ビクッ

「ふ、ふざけるなよ。いつも、いつもそうやって……嘘で、僕を騙してきたのかよ……」

先輩「嘘だなんてそんな……違う。言い訳にしか聞こえないだろうが嘘じゃ」

「全部! 見てたんだよ!! お前が脅迫してるところも! 全部!!」

先輩「……ああ、そう」


841 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:05:39.27 G7UsuXpj0 215/260

先輩「んじゃ隠す必要もないな。そうだよ俺がこいつを脅したんだ」

「っ」

先輩「で? どうするんだ? 俺と別れるか?」

「今はそう言う話をしてるんじゃない! 今すぐ部長さんを離せ!」

先輩「……だってよ。どうする?」

部長「……ぼ、僕は」

先輩「僕は?」

部長「僕は……彼と、寝る。僕が彼を誘ったんだ……」

先輩「だってさ。こいつ、どうしても俺と寝たいみたいだぜ」

「……」ギリッ


843 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:09:08.42 G7UsuXpj0 216/260

先輩「さ、散った散った。これからお楽しみなんだ」

「何を馬鹿なことを!! お前が!」

部長「よしてくれ!」

「ぶ、部長さん……?」

部長「僕が彼を誘った! そう言うことなんだよ! それでお終いにしてくれ!」

先輩「……」ニヤ

「な、なんで」

部長「迷惑なんだ!! 僕が我慢すれば全てが丸く収まるんだよ!」

先輩「そうだよなぁ。今ここで助けてもらっても、俺の後ろのご威光は消えたわけじゃない」

先輩「どんな報復があるか、分かったもんじゃないもんなぁ?」ダキッ

部長「っ……」


846 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:13:18.38 G7UsuXpj0 217/260

部長「……気持ちは嬉しいよ。けど、今日のことは……見なかったことにしてくれ……」

先輩「だってよ」

部長「お願いだ……この通りだから……お願い……」ジャリッ

「そ、そんな……や、やめてくださいよ!」

先輩「あはははは!! 高飛車なこいつが土下座してまでお願いしてるんだ! 頼まれてやれよ!」

「……そんな」

先輩「おら! 顔上げろ!」グイッ

部長「っぅ!」

先輩「よーく見とけよ男。こいつの綺麗な顔が涙と泥で汚れた顔を。美しいものを俺が汚したんだ」

先輩「どうだ? たまらないだろ? 俺はこの瞬間が大好きなんだよ」


848 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:18:06.59 G7UsuXpj0 218/260

「最低だ……お前って奴は屑だよ!!」

先輩「ふふふ。そうさ俺は最低だよ。けど誰もそんな屑に逆らえないんだ」

先輩「わかるか? 俺には女装が居るからな! あはははは!!」

部長「…・…ごめん……ダーリンごめん……」ブツブツ

先輩「ははははは! ははは……はぁ。そうだ、いいこと思いついた」ジッ

「……ひっ」

先輩「どうせだから今日お前もついでに食っちまおう。うん、それが良い」

「や、やだ……やめっ……」

先輩「お前って中々めんどうでなぁ。まぁ落とすのは簡単だったけどさ」ザッザッ ガシッ

「ひぃっ!!」

先輩「お前、どんな声でよがるんだろうな。お前の苦痛に満ちた顔、見せてくれよ」


850 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:22:11.19 G7UsuXpj0 219/260

「い、嫌だ! 助けて美男君!」

先輩「ああ? あの負け犬もいるのか?」

「美男君!! 助けて!」

先輩「……おんやぁ? 誰も来ないなぁ」

「そ、そんなっ……美男君! びなっ」ガッ

先輩「うるせえんだよ! ギャアギャア喚くんじゃねえ!!」

「う、あ…・…あう……」

先輩「あいつは逃げたんだよ! 俺にビビって! 俺が一回焼きいれてやったからな怖くなったんだろうよ!」

「う、あうう……ひぐっ…………えぐっ」グスグス

先輩「良~い顔だよ、男。可愛いよ。愛してる」チュッ

「ううっあああ………」

先輩「逃げんなよ。殴るぞ」


854 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:26:46.52 G7UsuXpj0 220/260

先輩「さーてと。ほら、男。部長と同じところに行け」ポイッ

「うぁっ……」ドサッ

先輩「ボサボサしてんじゃねえぞ! 俺を待たせるんじゃねえ!」

「……ご、こめんなさい……!」ズリズリ

先輩「ぷっ……あははは! そんなハイハイで行くほど怖かったのか? ごめんな」ソッ

「ひっ!」バッ

先輩「大丈夫大丈夫。殴ったりしないよ。ほら、立って歩きなよ可愛い服が汚れちゃうよ」

「は、はいっ」タタタッ

先輩「ん。従順な子は俺好きだからね」

部長「……ダーリン……ごめん……」

「美男君……美男君……」ガタガタ

先輩「さーて、どっちを先に食うかなぁー」


855 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:31:28.21 G7UsuXpj0 221/260

先輩「んー、こっち?」

部長「……」

先輩「それともこっち?」

「ひぃ……」

先輩「やっぱり部長はデザートだよなぁ」

「……あ、あ……」ズザズザ

先輩「んじゃいただきまーす」

美男「う、うわあああああああ!!!」ガンッ!!

先輩「がぁっ!!」

美男「お、男に触んな変態野郎!!」

先輩「てぇなぁ……誰かと思ったらてめぇかよ……」フラッ


857 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:36:05.80 G7UsuXpj0 222/260

先輩「お前誰に何やっのかわかってんのか? あ?」ギロッ

美男「くっ……う、うるせえ! 俺は護るって決めたんだ!」

先輩「そんな棒切れで……俺に勝てるとでも思ってんのかよ」

美男「こ、こいよ! ビビッてんのか!? あ!?」カタカタ
 
先輩「ビビッてんのはお前だろ。ぷるぷる震えてるぜ」

美男「っ……」

先輩「例えお前が学園長の息子でも……女装には敵わねえよ」コキコキッ

先輩「なんせあいつは名門の生徒会長様のお気に入りだからな。あれの力も俺のために役立つんだよ」

美男「し、知るかっんなこと! 俺は家とか金とかそう言うものじゃなくお前から男を護る!!」

先輩「チッ……うぜえ。調子に乗ってんじゃねー……ぞ!!」ドゴッ

美男「ぐふっ!」


860 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:39:29.03 G7UsuXpj0 223/260

美男「げ、げほっ! ごほっ!!」

先輩「あはは! お前相変わらず弱すぎ! だっせえ!」

美男「う、うるせえ……」

先輩「お前はそこで這いつくばってろ。俺はお前の大好きな男ちゃんを食べてくるから」ゲシッ

美男「ま、待てよ……!」ガシッ

先輩「……んだよ。離せよ」

美男「は、離さない……絶対にだ!」ギュッ

先輩「離せつってんだろ!」ガッガッ

美男「ぐぅっ……は、離さないっ……絶対に離すもんか!」ギリッ

先輩「く、くそっ! うぜえ!!」


862 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:43:06.24 G7UsuXpj0 224/260

先輩「離せよ!!」ガッガッ

美男「……」ギリッ

「び、美男君……」

先輩「離せ……ってんだよお!」ドガッ!

美男「っ……!」

先輩(緩んだ!)「おらぁ!」バキッ

美男「ぐぁ!」プランッ

先輩「はぁ……はあ……しぶとい奴だったぜ……」

美男「う、ううっ……ま、待てよ……」ズリズリ

先輩「ちっ。気持ち悪い……ゴキブリかよてめえは……」ドンッ

美男「うぐっ! ぅぅう……」


863 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:46:08.34 G7UsuXpj0 225/260

先輩「いい加減にしろよ! お前にはなんもできねえんだよ雑魚が!」

美男「お、俺は……弱いけど……もう、充分だ……」

先輩「は……はぁ?」

美男「バーカ……死ね」

会長「……はぁ!!」

先輩「う、あ……うおっ!!」ドサッ

会長「……確保」ギリッ

先輩「ぐぁああああ!!! いてえ!! いてえええ!!」

「か、会長さん!!」

美男「も、もうだめ……」バタッ

会長「……時間稼ぎは充分でしたよ。頑張りましたね」


867 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:49:30.83 G7UsuXpj0 226/260

「な、なんで会長さんがここに?」

会長「彼、美男君が知らせてくれたんですよ。まぁ用件だけ伝えてまた直に行ってしまいましたが」

「あ……美男君がいなかったのそう言うことだったんだ……」

会長「少し遅れてしまいましたけども。大丈夫ですか? お二人ともお怪我は?」

「だ、大丈夫です!」

部長「……僕も、平気だよ」

会長「それは良かった。まぁ彼が突然来たのにはびっくりしましたが……」

会長「まぁ、私と話すのも終りにしましょう。彼の看病をしてあげてください。喧嘩もした事のない彼が勇気を出したんですから」

「あっ、はい!」タタタッ


869 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:52:28.91 G7UsuXpj0 227/260

「美男君! 大丈夫!?」

美男「……」

「美男君!? 美男君!」

美男「く、来るのおせーよ……馬鹿」

「あ、よ…………良かった……良かったぁ……」ポロポロ

美男「えっ……あ、なんで……泣いてんの」

「うええええん! 美男君ごめんね、ごめんね」ダキッ

美男「あ……う、うん」

「ぐすっぐすっ……ありがとう、美男君」

美男「……ださかったけど……役に立ててよかったよ」


872 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:56:33.96 G7UsuXpj0 228/260

「ださくなんかないよ! 凄くかっこよかったよ!」

美男「そ、そうかな」

「うん! 世界で一番かっこよかった!」

美男「へ、へへへ……そっか。良かった」

「美男君……」

美男「今度は、ちゃんと役に立てたよ。俺逃げなかった」

「……うん」

美男「これでさ……その、チャラとは言わないけど、あの時……襲っちゃった時の分ちょっとは返せたかな」

「もうちゃんと利子もついて返ってきたよ」ギュッ

美男「あ……うん」ギュッ

「美男君……ありがとう。僕、惚れちゃう位かっこよかったよ」

美男「!! や、そ……そんな……」


874 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 02:59:53.17 G7UsuXpj0 229/260

「……美男君」

美男「……ま、待って! 今俺全然美しくない顔だから! だ、駄目!」

「……うん。分かった」

美男「あ、その……俺、男の事、好き。大好き愛してる」

「ぼ、僕も」

美男「……俺、俺今超嬉しい」ジーン

「……」ポッ

美男「もう絶対騙されたりしないように俺が護っててやるからな!」

「う、うん。お願い。僕を放さないで」

美男「ああ! ああ! 絶対に離さない!」


878 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:03:19.55 G7UsuXpj0 230/260

会長「お熱い所申し訳ありませんが、どちらか誰か人を呼んできてくれませんか」

「あ、は、はい!」バッ

美男「いてっ!」ゴンッ

会長「すいません。彼を押さえつけることは出来ても逃げられたら困りますから」

「え、えーと……誰呼んでくれば……」

部長「ダーリンだ。ダーリンを呼んできてくれ」

「ふ、副部長ですか」

部長「彼ならこいつ位簡単に捻じ伏せられる」

「わ、分かりました! 行って来ます!」タタタッ


881 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:07:31.79 G7UsuXpj0 231/260

美男「なぁ会長」

会長「はい」

美男「利子ってなんだ」

会長「……さぁ」

美男「そうかぁ……なんだろ」

先輩「ククク……おいお前ら、俺をどうするつもりだよ」

会長「……」

先輩「女装が黙ってねえぜ。俺に何かやったら。そしたらお前は一生女装に嫌われたままさ!」

会長「黙れ」ギリッ

先輩「ぐぁ! ぐ……あ、あいつは……俺のために動く……忠実な犬なんだ! お前如きの愛であいつを縛られるもんか!」

会長「黙れと言っている!!」ギリリッ

先輩「ぐぁあああ!!」


882 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:09:38.04 G7UsuXpj0 232/260

会長「はぁ……はぁ……」

美男「か、会長」

会長「失敬。私としたことが取り乱してしまいました」

先輩「……」

会長「お前はしかるべきところでしかるべき処置を受けてもらう。決定事項だ」

部長「ああ、早くダーリンに会いたい」

美男「……」


883 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:12:45.05 G7UsuXpj0 233/260

「ふ、副部長さん!」ドンドンドン

副部長「誰だよこんな時間に……って君は昼の」

「そ、そのっ黙って僕について来てくれませんか!」

副部長「えっ? あ、ああ。駄目だよ、俺には心に決めた人が居るんだ。浮気は絶対に出来ないさ」

「そうじゃなくて! 部長さんの事でです!」

副部長「なんだって?」

「いいから来てください!」タタタッ

副部長「分かった」

女装「……」

「う、うわっ!」ドンッ


886 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:15:31.73 G7UsuXpj0 234/260

女装「わっ」ドサッ

副部長「おっと。危ない」ガシッ

「あ、ありがとうございます」

副部長「礼には及ばないさ」

女装「……なんでお前らこんな時間に。消灯時間はとっくに過ぎてるぞ」

「え、えっと……その」

女装「……なんでお前そんなに泥だらけなんだ」

「い、いや。そ、そのこれは……」オロオロ

女装「……俺もつれていけ」

「えっだ、駄目です!」


889 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:18:09.27 G7UsuXpj0 235/260

女装「そうか……あいつの事か……」

「ええ!? なんで先輩の事だと分かっ……あ!」バッ

副部長「君はうっかりさんなんだな」

女装「いいよ。分かってるさ。俺を連れて行けよいいから」

「う、で、でも」

女装「連れて行け。俺が居た方がスムーズに進む」

「……わ、分かりました……」

女装「ああ」

副部長「なんだかわからんが、もし何かするようだったら俺に任せといてくれ」


890 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:20:43.94 G7UsuXpj0 236/260

「つ、連れてきました」

会長「ご苦労様で……」

女装「……」

部長「ダーリン! 怖かったよおおおお!!」ダキッ

副部長「うおっ。よしよし……」

部長「うわあああん!!」

女装「……そう言う、ことか……」

先輩「じ、女装。助けてくれ!」

美男「て、てめえっ!」

会長「……」


894 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:24:24.43 G7UsuXpj0 237/260

先輩「女装!」

女装「離してやってくれ……」

会長「できません」

女装「頼む。このとおりだ。お前の恋人にも奴隷にでもなるから……」ジャッ

先輩「は、ははは! ほら! 離せよ!」

会長「土下座したって無駄ですよ」

女装「お願いだ、俺の……俺の全てなんだそいつは……頼むよ……」

会長「無理だと言っただろ、聞き分けろ!」

女装「っ」ビクッ

美男「なんで連れて来たんだよ……」

「ご、ごめん」


898 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:29:09.41 G7UsuXpj0 238/260

女装「一時的にでいいんだ。頼む、俺の部屋で二人きりに一度させてくれ」

会長「……」

女装「お願いだ、お願いだから……」

会長「部屋の前で待機しますよ。窓から逃げないように外にも配置します、いいですね」

美男「か、会長!?」

女装「あ、ありがとう! 恩に着るよ!」

会長「最後の別れです。これくらいは許してやってもいいでしょう」

「……」

会長「それじゃあ、女装の部屋までお願いします」

副部長「ああ、分かった。ただ、その前に一ついいか?」

会長「はい?」


899 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:32:28.30 G7UsuXpj0 239/260

副部長「離してくれ」

会長「……」パッ

先輩「……いてて。たく……やっと解放され――」バキッ

先輩「がっ! ひ、はがっ……」

会長「副部長!」

副部長「すまない。どうしても一発殴らないと気がすまなかったんだ……分かってくれ」

先輩「ひ、ひぃっ……じ、女装!」

女装「大丈夫。大丈夫だから……」

部長「ああ……ダーリン……かっこよすぎるよ……」

副部長「それじゃあ、連れて行こうか!」グイッ

先輩「ひ、ひい!」


902 : さるまたくらった - 2011/07/07(木) 03:39:44.58 G7UsuXpj0 240/260

会長「部長と副部長は外で。私たちは部屋の前で待機。いいですね?」

副部長「了解」スタスタ

女装「ああ」

会長「……まぁ最後の挨拶ですから」

女装「分かってる」バタンッ

美男「……いてて……」

「美男君大丈夫?」

美男「あー……明日は一日ずっと部屋に篭ってるよ」

「僕がつきっきりで看病してあげるよ」

美男「それは楽しみだなぁ」

「あはは」

会長「……」


904 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:43:49.13 G7UsuXpj0 241/260

女装「……」

先輩「いってえ……糞っあの野郎……絶対許さねえ」

女装「大丈夫か?」スッ

先輩「おい! お前の力であのでかぶつどうにかしてくれよ!」

女装「ああ、分かった」

先輩「たく……くそ。いてえ……畜生……」

女装「……」スタスタ

先輩「? どこ行くんだよ?」

女装「ちょっと、ね」カチャカチャ

先輩「あー……いてえー糞っ。たくっ……どうすんだこれから。どうやって切り抜ける?」


908 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:47:10.84 G7UsuXpj0 242/260

先輩「完璧に閉じ込められちまったけど、流石お前だな」ドスンッ

女装「ああ」カチャン

先輩「もちろん策はあるんだろ?」

女装「ああ」

先輩「ふぅ。頼むぜ。ここ切り抜けたら、また二人で愉しもうぜ」

女装「ああ」

先輩「……? 何で俺の後ろにぼけーっと突っ立てるんだ?」

女装「立って、こっち向いてくれ」

先輩「あ? ああ」

女装「好きだよ大好きだ愛してる」ドスッ

先輩「う……あ……あ?」


913 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:50:48.81 G7UsuXpj0 243/260

女装「……」ズボッ

先輩「が、がはっ……!」ズル....

女装「痛い? 大丈夫、俺もすぐ行くから」

先輩「げ、げはっ! な、なんで……」

女装「だって、もうどうしようもないじゃないか。もう逃げ切れないよ」

先輩「あ、熱い! 腹が熱い! いてえ! た、助けて!」ゴブッ

女装「もう駄目だよ……もう。こうなったら二人でずっと永遠になろう」

先輩「だ、誰か! 誰か助けてくれ!!」

女装「苦しい? もっと、刺した方がいい?」ザクッ

先輩「ひぎゃあ!」ブシュッ


918 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:53:40.67 G7UsuXpj0 244/260

会長「どうしました!」バンッ

先輩「ひ、ひぃい! た、助けてくれ!」ドクドク

会長「!?」

「う、うわあああああ!!」

美男「な、な……なんだよ、これ……」

女装「逃げちゃ駄目だ! もっと苦しくなるぞ!」ザシュッ!

先輩「うぎゃああああ!!」

美男「男! 駄目だ見るな!」バッ

会長「っ、ば、馬鹿野郎!!」ゲシッ

女装「あっ!!」カランカラン......


922 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 03:56:52.63 G7UsuXpj0 245/260

会長「大丈夫か!?」

先輩「さ、寒い……寒い……」ガタガタ

会長「くっ!」

美男「男、お前は外出てろ!」ドンッ

「うわっ! び、美男君!」ガチャン!

会長「……女装!」

女装「……」ヒョイ

会長「ば、馬鹿! やめろ!!」

女装「……」スッ

会長「やめろ! 頼む! 止めてくれ!!」

女装「ごめん、会長。お前が……俺の事、助けてくれないから」ドスッ

女装「ぐっ……っぁ……腹いてえ……」ドサッ


924 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:00:16.53 G7UsuXpj0 246/260

会長「女装! 女装!! しっかりしろ!」

女装「いてえ……でも、これあいつと同じ痛みなんだよな……」

美男「き、救急車! 救急車よばねーと!」ピポパポ

女装「そう思うと、なんだか心地良いな」スッ

会長「馬鹿! 寝るな! 目を開けろ!」パシッパシッ

女装「や、やめてくれよ会長……」

会長「くそっくそっ……止血、止血しないと……」ビリビリ

女装「……なんで泣いてんだよ……」

会長「うるさいっ馬鹿、喋るな!」ジワアァ

会長「くそっ……くそっ!」ギュッ


925 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:03:46.67 G7UsuXpj0 247/260

ピーポーパーポー

「患者はこっちに!」

「急げ!」

「……こっちはもう駄目だ」

「まだ助かる! 頑張れ!」

会長「頑張れ! 頑張れ女装! 死ぬな! 頼む死なないでくれ!」ガチャ

ピーポーパーポー

美男「お、終わった……」

「……」

副部長「何があったんだ?」

部長「ダーリンごめん。僕の所為で巻き込んじゃって」

副部長「あ、ああ。気にするな。愛してるよ」


927 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:06:08.92 G7UsuXpj0 248/260

美男「……大丈夫かな」

「……」

美男「……平気だと良いけど」prrr

美男「はい。はい……はい! そうですか! 男! 女装先輩生きてるって!」

「ほ、本当!?」

美男「ああ! 向うぞ!!」

「うん!」


930 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:09:28.66 G7UsuXpj0 249/260

女装「……」

会長「あ、二人とも……」

「女装さんは……?」

会長「大して深くなかったみたいで、無事だそうです。けど暫くは安静にとのことで……」

「よ、良かったぁー……」

会長「やはり自分でと言うのは知らす知らずの内にセーブを賭けてしまうみたいですね。ただ、彼は……」

「あ……」

会長「……まだ、可能性はあるみたいですが。それも……」

「先輩……」

会長「……」


933 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:14:28.69 G7UsuXpj0 250/260

看護婦「……」バタバタ

「? どうしたんだろう」

美男「さぁ……聞いて見るか。どうしたんですか?」

看護婦「あ、ああ。急患の容態かよくなくて……その、今輸血が足りないの」

美男「ええ!?」

看護婦「どうしよう……」

「それって、僕じゃ駄目ですか?」

美男「えっ?」

看護婦「……わかったわ。一緒に来て」

「はい!」タタタッ


935 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:17:24.59 G7UsuXpj0 251/260

―――――

「患者が吹き返したよ……峠は越えた。後は安定するさ」

「本当ですか!?」

「ああ、君のお陰だ。ありがとう」

「それじゃ」

先輩「……う……こ、ここは?」

「先輩……大丈夫ですか?」

先輩「男……」

美男「あんた感謝しろよ。男がお前に血わけなかったら死ぬとこだったんだからな」

先輩「……そうなのか」

「い、いえ……たまたま合ってて良かったです」

先輩「……ごめんな」


936 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:19:44.95 G7UsuXpj0 252/260

「先輩」

先輩「……幸せになれよ。いや、なれるか」

「……」

先輩「おい、お前。ちゃんと、護っててやれよな……俺みたいなの沢山いるぞ」

美男「分かってるよ!」

先輩「そうか。安心した」

「先輩……」

先輩「……あの時お前を助けたのは、本当にただの善意だ。それだけを俺の思い出にしてくれ」

「……」ギュッ

先輩「……寝る」


938 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:21:52.23 G7UsuXpj0 253/260

女装「……なんで助けたんだよ」

会長「お前が好きだからだ」

女装「なんで死なせてくれなかったんだ」

会長「お前を愛してるからだ」

女装「……ふざけんなよ」

会長「もう一度、一からやり直そう。俺とお前ならできる」

女装「一から……?」

会長「ああ。1からだ。お前と一緒に俺も転校するよ」

女装「そうか……」

会長「一人ぼっちは……寂しいもんな」

女装「……」

女装「ありがとう、会長」


941 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:25:39.85 G7UsuXpj0 254/260

学園長「いくら――わしの息子とは言え。この不祥事に目を瞑ることは難しい」

美男「わかってるよ」

学園長「君も同じだ。わかってるね?」

「は、はい」

学園長「適当なところを手配しておこう。文句はあるまい」

美男「あるよ。俺、こいつと同じとこが良い」

「えっえっ?」

学園長「……ふむ。まぁその程度良かろう」

美男「サンキュー。んじゃ部屋戻ろうぜ」

「あ、ま、待ってよ! し、失礼しました!」バタン

学園長「くくく……こいつと同じ所がいいか……」

学園長「あのガキが……立派に友達なんぞ持ちおって……」ハハハハ


943 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:29:46.63 G7UsuXpj0 255/260

部長「やぁ。旅支度かい?」

「あ、部長さん」

部長「僕たちは外に居たからね。偶々関係無いと判断されて厳重注意にすんだよ」

副部長「……仲良くなれると思ったんだがな。残念だよ」

「あ、ぼ、僕もです」

部長「ん。まぁ、別れの挨拶言いに来ただけなんだ、それじゃお元気で」

「短い間でしたけどありがとうございました」

部長「君ならどこでも美味くやっていけそうだよ。さ! ダーリン部屋に戻って愉しもう!」

副部長「おう! じゃあな!」

美男「……最後まで面白いなあの二人」

「あはは。個性的だよね」


945 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:31:47.44 G7UsuXpj0 256/260

「……」

美男「……」

「美男君」

美男「あ、ああ?」

「キス、してもいい?」

美男「!! い、いいよ」

「……」ドキドキ

美男「……」ドキドキ

「……」スッ

後輩「お兄様ぁあああ!!」バタンッ!!

「わっ!」バッ!


947 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:35:08.11 G7UsuXpj0 257/260

後輩「お兄様あああ!! 転校だなんて聞いてませんよおおおお!」

美男「ぐ……お前はまた間の悪いところで……」

後輩「うわああああん!!」

美男「おー良し良し。もう二度と会えなくなる訳じゃないから安心しろって」ナデナデ

後輩「ぐすんっ」

会長「やあ」

女装「……よう」

「あ、会長! それに女装さん! もういいんですか?」

女装「ん……まぁ、な。こいつが居てくれるし……」

会長「俺がちゃんと支えてやるからな」

後輩「いつのまにかあの二人すっかりお熱くなってるんですよ。僕の前でもイチャイチャイチャイチャ。恥ずかしいったらありゃしない」

「ははは……」


950 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:38:13.77 G7UsuXpj0 258/260

女装「悪かったな」

「あ、いえ」

女装「それだけだ。じゃあな、行こうぜ」

会長「ああ。たくっ……それじゃあ、またいつか縁がありましたら」

後輩「あ、待ってくださいよ兄上! それじゃお兄様またお会いしましょう!」バタンッ

「……」

美男「やっと静かになったな」

「うん」

美男「……なぁ、キスしよ――」チュッ

「…………」カァアア

美男「あ……ああ。今俺もしかしたら死ぬかもしれない」


952 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:42:06.13 G7UsuXpj0 259/260

「美男君もしてよ」

美男「ああ、勿論だ」チュッ

「んん。くすぐったいね」

美男「絶対に、絶対絶対絶対ぜーったいに幸せにしてやからな!」

「えへへ。僕もう幸せだよ」

美男「くそぉ! 可愛すぎんだよ!!」ダキッ

「うわあああ!」ボフンッ

美男「……今度は、いいよな?」

「ま、まだ駄目! もっと時間たってからだよ!」

美男「そ、そんなぁ……」

「なに? 僕は体目当てなの?」

美男「ち、違えよ!!」


955 : 以下、名... - 2011/07/07(木) 04:45:53.23 G7UsuXpj0 260/260

「じゃあ、我慢できるよね?」ニコッ

美男「う……わーったよ」

「ん。大丈夫だよ、僕達絶対長く続くと思う」

美男「長くじゃねーよ」

「?」

美男「一生だ。いや、永遠だな」

「美男君……いや、美男。大好きだよ」

美男「ああ、俺もだ」

「ずっとずっと愛してる!」


                                      ~fin~


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