姉「あなたは大切なもの全てを手に入れたでしょう? もういいじゃない」
妹「いやだ、来ないで、来ないで!」
妹の部屋。
妹は一歩ずつ後退さる。
私は一歩ずつ妹を追い詰める。
最初は無知な父。
次は見てみぬ振りをしていた母。
そして、私の大切で大好きな人。
次は、
姉「お前も死ぬんだ」
妹「いや、いや! 助けて」
姉「誰が? ふふ、バカね。本当にあなたはバカだわ。こんなバカの癖にどうして、どうしてなの?」
私は怒りに任せて手を振り下ろした。
カンッ、と手に持っていた包丁がフローリングの床に突き刺さる。
手が滑ったのだ。
大切な、あの人の血で。
妹「ひっ!? やだ、助けて、おにい──」
姉「黙れっ!」
元スレ
妹「ほら見てお姉ちゃん。可愛いでしょ?」
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私は一気に妹との間合いを詰め、妹の腹目掛けて体当たりをした。
怯えていた妹は反応する余裕もなかったのか、鳩尾に私の肩が食い込み、その反動で後ろに倒れこむ。
倒れた先はベッドだったから、私も妹も次の衝撃は軽いものだった。
だがこんなもので許すわけがない。私は拳を堅め、倒れた妹の顔目掛けて思い切り振り降ろした。
姉「死ね! 死ね!」
続けて二回、三回と殴る。
一発は鼻。一発は頬、もう一発も頬に当たった。
その度に妹は声にならぬ声をあげ、苦悶に表情を歪めた。
四度目の拳を振り上げたところで、ようやく妹が自分の顔を両手で覆う。
そのまま振り下ろしても良かったが、妹の思い通りになるのは癪だったので、胸へと叩きつけた。
妹「う、ぐ──」
妹の顔が私の大切な人の血で濡れてしまった。
ダメだ、ダメだ。
姉「ごめん、ごめんね」
私は大切な人に謝りながら、自分の腕で妹の顔をぞんざいに拭いた。
少しして妹の鼻と口からから汚い血が溢れてくると、どちらがどちらともつかなくなってしまう。
それに憤りを覚え、私はもう一度妹の顔を殴った。ぐぅ、と低い唸り声をあげる。
人間の出す声には到底思えない。私はそれで少しだけ満足して妹から退いた。
『お兄ちゃん』というのは愛称なんだと思う。
それを妹だけが使えるのが羨ましかった。妬ましかった。恨めしかった。
妹は毎日のようにお兄ちゃんお兄ちゃんと私の大切な人に擦り寄る。
私にはそんな事はできなかい。
それは姉だったからというわけではない。私は甘えるのが生来苦手なのだ。
いや、やはり姉だったから──甘えるのが苦手だったのかもしれない。
常に私は二人を守る立場にいたのだから、甘えは許されなかった。
なのに、なのに妹は、そんな私を差し置いて、大切な人を奪った。
奪った。奪ったんだ。
妹はベッドの上で顔を押さえ、体を丸めて蹲った。
嗚咽が聞こえる。
泣けばいい。泣くがいい。
姉「泣いたって、お前を守ってくれる人はもういないんだよ」
そうもういない。妹を守る全てはもういない。
だから、妹を守れる人間はもう私しかいない。私だけ、私だけなんだ。
だから、妹は私に『助けて』と言うべきなのだ。
なのに妹は、お兄ちゃん──と私の大切な人を呼んだ。
私はフローリングの床から包丁を抜き取る。
思ったより深く刺さっていた為、引き抜いた瞬間に尻餅をついた。
痛む尻を摩りながら立ち上がり、妹に向かって足を踏み鳴らしながら近付く。
しかし妹は気づかない。
手で顔を抑えているのと自身の嗚咽のせいで、視覚と聴覚が遮られているからだろう。
怯えて欲しいのに。
私は仕方なく、妹の長い髪の毛を掴んで無理矢理引き起こした。
妹「あ──」
妹が顔から手を離して私を見た。
鼻から下が血まみれだ。醜い。
いい気味。いい気味。
私は包丁の切っ先を妹の頬に軽く突き刺す。
妹「いっ、いや──助けて、助けて!」
姉「ジッとしてないと殺すわよ」
どうせ最後は殺すんだ。遅いか早いかの違いしかない。
しかし妹は私の言葉を信じて押し黙った。
本当にバカな女である。私は小さく微笑む。
しかしこんなバカに私の大切な人を奪われたなんて思うと、胃がキリキリと痛んだ。
掴んだ髪の毛に包丁を宛がう。
彼がよく撫でていた髪の毛。
綺麗な綺麗な黒い髪。
でも、私と大して違いなんてないというのに、どうして彼は私の髪の毛は撫でてくれなかったのだろう?
そんな事を考えながら、包丁を左右に動かす。
なかなか切れやしない。
しかし数十本ずつ、ふつふつと千切れていく。
妹は泣いている。汚い涙。
頬まで垂れて、彼の血と混じった。
彼の血をお前なんかの涙で穢して欲しくない。
私は激しい怒りを覚えて包丁を振り切る。
髪の毛が分断されて妹はベッドに倒れた。
私の手には髪の毛が残る。
こうしてみると、妹の綺麗だった髪が汚く思えてくる。
まるで細長い寄生虫のように思え、私は妹の汚い顔にそれを塗りつけた。
妹の顔が寄生虫に塗れる。とてもお似合いだった。
姉「ねぇ、ここでしたの?」
私は聞いた。
妹は反応しなかった。
私は妹の耳の傍まで口を寄せて、彼の名を言った。
妹は身を強張らせる。
姉「どうなの? ここでエッチしたの?」
優しく問う。
すると妹は強く顔を左右に振った。
姉「嘘つきね。聞いてたんだから。あんた声が煩いのよ、アンアン、アンアン、よくもまぁあんなに鳴けるものね?」
妹は再び顔を左右に振る。
実際どうなのか、私は知らない。
けれど妹は狡猾な人間だから、家族がいないときに彼としていたに違いないのだ。
私は妹のブラウスの胸倉を掴むと、思い切り左右に割った。
妹は身をよじって逃げようとしたが、包丁を首筋に当てると大人しくなった。
ブラはつけていなかったから、すぐさま乳房が現れた。
以前と比べて大きくなった胸。色素の薄い乳首が見える。
私は乳首を摘んで、ぐいと捻りあげた。
一瞬、妹はビクリと体を反応させたが、痛いとは言わなかった。
きっと顔の痛みの方が酷いのだろう。
面白くないので、そこに包丁を宛がい、思い切り引き降ろした。
妹「ひっ!? い、いた──」
姉「うるさいのよ!」
包丁を持った手で拳を作り、妹の頬を殴りつける。
すると妹は黙って痛みを堪えた。
姉「あら、痛くないの?」
妹「痛い、痛いよ」
蚊の羽音のような、消え入りそうな声で妹はそう言った。
姉「喋るな。今度口を聞いたら、もう片方も切るからね?」
妹は黙った。
私は妹の乳首を握っている事に気づき、一度口で噛んでから、妹の顔目掛けて吐き付けた。
姉「ふぅん、痛くないんだ?」
そしてまた問う。
妹は震えて押し黙ったままだ。
姉「痛くないなら、もう片方も切っていいよね?」
乳首があるもう片方の胸の先端をつまみあげ、包丁を宛がう。
妹は押し黙ったままだったので、ゆっくりと引いた。
すぅ、と切れ血が滲む。
妹「や、やだ! 切らないって言っ──っ!!」
力を込めて、思い切り引く。
姉「あーぁ、喋っちゃダメって言ったのに。ふふふ」
切り落とした乳首を妹の胸に宛がう。
直りはしない。戻りはしない。もう戻れないのだ。
これでもう、妹は女ではない。
胸からも血が垂れる。
純白の肌が、赤く染まっていく
妹は私よりも肌が白い。
きっと彼は、そこが好きだったんだ。そうに違いない。
妹自身が好きだったわけじゃない。
そう思わなければ私は救われない。
いや──救われなかったからこうしているのだ。
私は立ち上がって、妹の腹を踏みつけた。
鳩尾。下腹部。
妹が体を丸めて横になったので、横腹を思い踏んだ。
仕舞いには背を向けて丸くなったので、妹の股間目掛けて、つま先を立てた足を振り上げた。
妹は尻尾を踏まれた猫のようにのた打ち回った。
気色が悪い。
どうしてこんな人間が生きているのだろう。
もういい、もういい。
幾分気が晴れた。
ケがれた私の心は、この祭事によってハレたのだ。
ならばもう、仕舞いとしよう。私にはすべきことがある。
私は妹の足元のマットレスに包丁を突き刺し、暴れる妹の腹に尻から押し乗った
妹「ふぐっ!」
妹は嘔吐するような声を出した。
いや、ヒキガエルの鳴き声に似ている。
赤い血と黒い髪に塗れた顔。
やや血が固まって、より赤黒い。
私はその汚らしい顔と、体の間にある細い首に両手を伸ばす。
ぎゅう、と力を込めていく。
妹の白い顔が内側から真っ赤に染まっていく。
徐々に腫れていく。醜く醜く顔が変形していく。
妹の手が私の手首を掴んだ。
引き剥がそうと力を込めるが、体重をかけて首を絞めている私の手が解ける筈もない。
私は徐々に前のめりになって、より力を首にかけた。
妹の手の平が、私の腕を掴む。
爪を立て、掻き毟る。
痛みが這うが、私は止める事はない。
妹の顔がさらに赤くなる。もはや赤黒い。
死ね。死ね。と私は心で念じる。
強く、強く。
その度に妹の表情は苦しさと醜悪さを増し、
その度に私の心は癒されていく。
ふっ、と妹の視線がどこか遠くに飛んでいく。
私の腕から、妹の手が離れた。
その手がどこに行くかと思えば、四方八方に暴れ出した。
短くなった髪の毛を掻き毟ったり、私の手を握ったりとどうにも意思が感じられない。
さらにその力が思いの強くて思わず手を離しそうになったが、私は根気良く締め続けた。
背後で足がバタつく。
酷く煩くて、私は黙れとばかりに、懇親の力を振り絞って妹の首を握り締めた。
そうして妹は死んだ。
最後に出した声は『ふぐっ』。
とてもおかしい。
愚かな妹にふさわしい死に様である。
私は高らかに笑った。
同時、階下で赤子の泣き声が聞こえた。
姉「今、お母さんが行くからね」
私はそう言って、動かなくなった女の上から退いた。
19 : 以下、名... - 2011/07/10(日) 17:08:23.58 ns4dop+t0 12/12おわりです。
短いですが、読んでくれた方ありがとうございます。