あかり「なにかいい事起こらないかなぁ」
元スレ
あかり「つまんないよぉ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1399986066/
櫻子「らんららららん」
あかり「あっ櫻子ちゃんだ!」
櫻子「あかりちゃんじゃん!なにしてるの?」
あかり「する事なくてつまんないから自販機の横で座り込んで通行人を威嚇してるよぉ」
櫻子「やべぇ!暇人だ!」
あかり「櫻子ちゃんも仲間に入らない?」
櫻子「んーじゃあ私も暇だからちょっとならいいよ」
あかり「わぁい!」
櫻子「こうやって座ればいいんだね」
あかり「そうだよ。金髪だしスケバンみたいで様になってるよぉ」
櫻子「えへへ、ありがとうあかりちゃん」
あかり「どういたしましてだよぉ」
あかり「オラオラオラオラ」
櫻子「オラオラオラオラオラ」
あかり「オラオラオラオラ」
櫻子「オラオラオラオラ」
櫻子「・・・・・・・・・」
あかり「・・・・・・・・・」
櫻子「・・・・・・・・・」
あかり「・・・・・・・・・」
櫻子「ねぇ、あかりちゃん」
あかり「なぁに、櫻子ちゃん」
櫻子「これって面白いの?」
あかり「さぁ?暇つぶしで始めただけだからね」
櫻子「そっか」
あかり「・・・・・・・・・」
櫻子「・・・・・・・・・」
櫻子「つまんないね」
あかり「人生の大半なんてつまらないものなんだよ」
櫻子「そっか」
あかり「あっ、鳥さんが飛んでる」
櫻子「つばめさんだね!もうこんな季節か!」
あかり「わぁい!渡ってきたよぉ!」
あかり「お空ってさ」
櫻子「うん」
あかり「なんか空漠としてて何もない感じだけど」
櫻子「そうだね」
あかり「なんだか人生より多くのものが在りそうな気がするよ」
櫻子「そうかな?」
あかり「そうだよぉ。そうじゃないと、つばめさんも何回も大空を渡ったりしないよ」
櫻子「そっか」
あかり「たぶん」
あかり「最近暑くなって来たねぇ」
櫻子「もう夏みたいだ!」
あかり「ちょっとジュース飲みたいよぉ」
櫻子「となりに自販機あるから買えば?」
あかり「お金がないんだよぉ」
櫻子「ありゃ」
あかり「世知辛い」
櫻子「世知辛い」
あかり「消費税上がって値上がりしたね」
櫻子「許すまじ」
あかり「税抜き価格には殺意を覚えるよぉ」
櫻子「レジ行ったときね」
あかり「思ってたよりかかるよね」
櫻子「特に居酒屋とか団体でまとまったお金支払う所は・・・」
あかり「え?」
櫻子「なにもないでやんす」
あかり「お子様は10円20円の値上がりに泣くよね」
櫻子「その視点はなかった」
あかり「あかりたち中学生だよぉ。お小遣いの死活問題だよぉ」
櫻子「打倒政府」
あかり「ちびっこ革命軍」
櫻子「向日葵泣いてないかな」
あかり「製作スタッフ変わるから!お引越しするから!」
櫻子「スローガン決まった」
あかり「なになに?」
櫻子「面白さ前年比108%!」
あかり「すごい微妙だねぇ」
櫻子「そんなにうまくなかった」
あかり「期待はしてなかったよぉ」
あかり「だらだらだね」
櫻子「何の目的もなくいるからね」
あかり「暖かくなるとお外に出たいってのはあるよねぇ」
櫻子「冬は出てられないもんね」
言ってしまえば世界は無目的な体系でしかなかった
聖書と正義と民主主義で理由付けした非常に物理的な現象でしかなかった
あかりは毎朝起きる度に
自身の手を見つめる度に
空を見上げる度に
シナプスの伝達作用で知覚される電気的反応で捉える世界を
つまんないなぁと思っていた
ちゅまんないちゅまんない
お団子をにぎにぎ
お団子をもぎもぎ
あかりちゃんは3みたいな口で
なんとなく二週間に三度くらいの割合で思っていた
あかり「そうだ結衣ちゃんちに行こう」
櫻子「船見先輩のいえ?」
あかり「うん。飲み物もくれるし」
あかり「何よりご飯出てくるよタダ飯だよ」
櫻子「意地きたねぇや!さすがあかりちゃん!」
あかり「こないの?」
櫻子「勿論行くよ!」
あかり「わぁい!」
※
結衣「で、来たわけか」
あかり「お腹すいたよぉ。小腹を空かせた可哀相なアメリカバイソンだよぉ」
結衣「雑草でも食え」
櫻子「失敗しちゃったね」
結衣「・・・・・・・・・・・・はぁ~」
結衣「今オムライス作ってやるから待ってな。櫻子ちゃんも食べておいで」
櫻子「わぁい!ありがとうございます!」
あかり「さすが結衣ちゃんだよぉ」
パクパクパクリン
あかり「うめぇうめぇ」ガツガツ
櫻子「ホントに良く食べるねあかりちゃん」
あかり「あかり結衣ちゃんのオムライス本当に好きなんだぁ!」
結衣「・・・・・・まったく。調子いいんだから」
櫻子「でも本当に美味しいですよ!感激です!」
結衣「あはは、ありがと、櫻子ちゃん」
櫻子「向日葵にも食べさせてやりたかったなぁ・・・・・・」
結衣「ちょっ!まだ生きてるでしょ!」
あかり「お乳の自重に潰されるなんてね・・・」
最終決戦兵器OCHICHI
古谷向日葵のおっぱいから着想を得たとされるその兵器は
核分裂の方向性を余剰次元にまで及ぼし
指数的にエネルギーの相乗効果を増幅させる
世界唯一の惑星破壊規模兵器として誕生した
あかり「ご馳走さまだよぉ」
結衣「おそまつさまでした」
あかり「あかり二ロールも食べちゃった」
櫻子「え?ロール単位なの?」
あかり「しらないけどなんとなくだよぉ」
結衣「あかりの発言は半分戯言だと思ってくれ」
櫻子「そうなんですか」
あかり「櫻子ちゃんと一緒だねぇ」
櫻子「え?」
あかり「それじゃあ、あかり達は行くよぉ」
結衣「本当に食べに来ただけだな」
あかり「結衣ちゃんも行く?」
結衣「いや。どうせ目的もなくプラプラするだけだろ?」
あかり「それ以外何かあると思う方が間違いだよぉ」
結衣「じゃあ、いいや。なもクエやりたいし」
あかり「わかったよぉ。ありがとうね、結衣ちゃん。今度あかりからお礼するよぉ」
結衣「はいはいー期待せずに待ってるから」
あかり「行こう、櫻子ちゃん」
櫻子「ありがとうございました、船見先輩」ペッコリン
結衣「またね、櫻子ちゃん」
プラプラプラリン
あかり「栄養も補給したし何しようか、櫻子ちゃん」
櫻子「んーまた自販機の影からオラオラ言う?」
あかり「それはもう飽きちゃったよぉ」
櫻子「とりあえず公園行って遊具の中で避暑しよう!」
あかり「わぁい!賛成だよぉ!」
テクテク
ちなつ「あれ?櫻子ちゃん?と・・・なんだ団子か」
あかり「んもぅー団子とはなんだよぉ!」
ちなつ「珍しい組み合わせだね」
櫻子「あかりちゃんに誘われて自販機の影からオラオラ言ってたんだっ!」
ちなつ「またこの団子は意味わからんことを・・・」
あかり「んもうぅー!ちなつちゃんひどいよぉ!」プンスコ
ちなつ「それで今から何処行くの?」
あかり「あてもなくプラプラして公園の遊具を武装占拠しようと思ってるよぉ」
ちなつ「これまた、暇なこって」
櫻子「ちなつちゃんも行く?」
ちなつ「・・・まぁ、私も時間持て余してたし少しならいいけど・・・」
あかり「わぁい、じゃあ公園に行くよぉ!」
公園
遊具の中
ちなつ「蒸し暑い・・・」
あかり「盲点だよぉ・・・」
櫻子「やばい・・あと公園の土って臭いよね」
あかり「ワンワンのフンがまじってるからねぇ」
ちなつ「やめて!考えたくないから!」
ちなつ「そういえばどうなのよ」
櫻子「どうって?」
ちなつ「向日葵ちゃんとの仲よ。何か進展ないの?」
櫻子「は、はぁ?向日葵と何が進展するっていうんだよ!」
ちなつ「ははぁーん。心の中ではわかってるくせにシラを切るのね」
櫻子「ちょ、ちょっと。・・・あかりちゃんからも何か言ってやってよ」
あかり「え?アリさんを土の塀で囲って閉じ込めるの夢中で聞いてなかったよぉ」
ちなつ「さぁ観念しなさい。向日葵ちゃんの事どう思ってるのか」
ちなつ「百合百合な話をして私の鼻息を荒くさせるのよ!」フンフンッ
櫻子「わわわっ!アメリカバイソンみたいだぁ!」
向日葵「櫻子?」
櫻子「向日葵!?」
向日葵「櫻子の声が聞こえたから来てみたものの」
向日葵「アメリカバイソンって一体なんですの?」
櫻子「それは、ちなつちゃんが・・・」
ちなつ「え?何のこと?急に雑草くいてぇとか言い出してちーなビックリしちゃった」
向日葵「櫻子・・・あなた頭がおかしくなったんですの?」
櫻子「い、いや、それはちがくて・・・!あ、あかりちゃん!」
あかり「えっ?あかり、アリさんの近くを指で突ついて慌てふためかせるのに夢中で聞いてなかったよぉ」
向日葵「全く。花子ちゃんが櫻子を探しておりましたわよ。なんでも約束があったとかで」
櫻子「やべぇ!ちょっとのつもりがこんな時間だ!」
向日葵「はぁ。この子は。さぁ、一緒に帰りますわよ」
櫻子「ん」
向日葵「・・・なんですの?その手?」
櫻子「お買いもの袋半分持ってあげるから」
向日葵「あら、それじゃあ、頼もうかしら」
櫻子「急がないと!」
向日葵「花子ちゃん怒っておいででしたわよ」
櫻子「ごめんね、あかりちゃん、ちなつちゃん、また!」
あかり「はぁい!」
ちなつ「またね」
決して背の高くない中学生の二人
重そうな買い物袋を片方ずつ持って
まるで仲のいい姉妹のように
アスファルトの先へと消えていく
少し強くなった太陽の光と
照り返す街の熱気が
そろそろ夏が来ることを
並んで歩く二人の背中に伝えていた
ちなつ「二人きりになっちゃったね」
ちなつ「って!何!城!?」
あかり「わぁい!砂で作ったアリさんの為の宮殿だよぉ!」
ちなつ「アリさん埋もれて動けてないじゃん・・・」
あかり「名前はセント・アント・レント・フラットだよ」
ちなつ「意味わからん」
あかり「あかりはダラダラするだけだよぉ」
ちなつ「はぁ・・・時間が許す限り付き合ってあげるわよ」
あかり「わぁい!ちなつちゃん大好き!」
ちなつ「・・・・・・・・・まったく//」
あかり「こんなだらけた感じでも案外何かしらあるもんだねぇ」
ちなつ「次は何があるのかしらね」
あかり「それはきっと、とっても素敵な事だよ」
ちなつ「ほんと?」
あかり「うん。だってこれからあかりちゃんという女の子が」
あかり「ちなつちゃんという女の子をお家にご招待するはずだから」
ちなつ「・・・・・・・・・そう」
ちなつ「・・・それはとっても素敵だね」
あかり「そうだよぉ。だから目の前のこの手を・・・」
ちなつ「うん」ギュッ
あかり「きっと楽しい所へ誘ってくれるよぉ」
ちなつ「期待してる」
あかり「えへへ、行こっか、ちなつちゃん」
ちなつ「うん、あかりちゃん」
手を引いて
まるで王子様のように
あかりはちなつちゃんを導く
妖精が踊る様に
二人は道を歩いて行く
少し暑さが陰りを見せ始める頃合いだったとしても
この季節はまだまだ明るく
楽しい時間がもっと続くようにと
夏は始まろうとしていた
おわりん
寝るりん