良子「良、まちカドまぞくの最終回がわかったかもしれない」
シャミ子「まちカドまぞくの最終回?」
桃「……」
リリス「どうなるのだ?」
良子「じゃあ説明するね」プロジェクターのスイッチオン
シャミ子「(妹がハイテクすぎてついていけない……)」
元スレ
みかん「シャミ子!良ちゃんからお話って何?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1581668113/
良子「まず最初にこのせいいき桜ヶ丘の設定をおさらいしておくね」
良子「この町は千代田桜さんが守っていた」
桃「……」
良子「でも桜さんは私たち一族、主にお姉の呪いを緩和するために力を使い弱体化した」
シャミ子「おかーさんが言っていましたね」
良子「弱体化した桜さんはおとーさんと共闘してこの町を守ることにした」
桃「うん……」
良子「ここからが本題」
良子「バクさんは10年前の12月25日に桜さんに会ってる、これが生身の桜さんをみた最後の情報」
良子「その3日後の10年前の12月28日、バクさんは桜さんのコアである猫を目撃している」
桃「……」
良子「つまり、10年前の12月25日から12月28日のあいだに何らかの事件が起こったと考えるのが自然」
みかん「まぁ、普通に考えればそうよね」
リリス「それは誰でもわかるぞ」
良子「ここでポイントとなるのがバクさんと桜さんが最後に会ったときの会話」
シャミ子「……なんでしたっけ?」
良子「『今から天災みたいなのが来るから2、3日戸締りしておいて!外出もしないで!』」
みかん「2、3日……ふ~ん、つまり10年前の12月25日から12月28日のあいだに天災?があったのね」
良子「そこ!そこ重要!」
シャミ子「……?」
良子「絶対とは言えないけど、バクさんはまぞくだから闇の一族に襲われるとは考えづらい」
シャミ子「じゃあ光の一族、魔法少女がきたんですか?」
良子「たぶん違うと思う、もし過激派の魔法少女が襲撃して来るのであればより警戒を促すために魔法少女がくると教えるのが普通だと思う」
みかん「……ちょっと待ってじゃあ何がきたの?」
良子「天災」
みかん「天災っていわれても、天災って何?」
良子「はっきりとはわからないけど桜さんがバクさんに警戒を促したことから闇の一族と敵対関係にある存在だと思う」
シャミ子「……もしかして、リコさんを店長に預けたのもすぎこしの結界がある安全なところに避難させる意図があったんでしょうか?」
桃「だとするとその天災っていうのは光の一族」
良子「……それ以上の存在かもしれない」
みかん「それ以上の存在?」
良子「ここでお姉の精神をさらった蛟さんの言葉を思い出して」
シャミ子「蛟さんですか?」
良子「『天地開闢の荒ぶる大魔力はとうの昔に静まり、全能の存在は人に融け込み消え去った』」
良子「『神話の時代に定められた決まりごと…世界の矩だけが、蛇の抜け殻のようにこの世界に残っている』」
桃「……」
良子「天災はもしかして全能の存在を強く残したナニカ、人、物、自然現象、森羅万象の類じゃないかな?」
良子「蛟さんの話だと、全能の存在は人に融け込んだんだから人の可能性が高い」
みかん「だとするとその天災っていうのは神話時代に定められた決まりごと……」
みかん「光の一族の定めし世界の矩から外れたものたち、つまり闇の一族を排除する存在ってわけね」
みかん「まぞくである店長さんたちが危険だったってことね」
良子「桜さんはバクさんと最後に会ったときすぎこしの結界のバージョンアップもしたって言ってた」
桃「なるほど、天災からまぞくを守るために結界を強化したんだね」
良子「それでおとーさんと桜さんは天災と対峙したんだと思う」
シャミ子「おとーさんと桜さんは共闘してましたもんね」
良子「対峙した場所はみかんさんのご家族が昔経営していた工場だったんじゃないかな」
みかん「……話し合いで決着がつかずに戦うことになったのね、それで私の記憶にはまだあったはずの工場が吹き飛ばされてなくなってたんだ」
良子「たぶんそうだと思う、それから」
良子「お姉がおとーさんの武器、ナントカの杖を見つけたのもその工場だったよね」
シャミ子「そうですけどそれがなにか?」
良子「おとーさんは天災との戦いの最中に武器を落としたんだと思う」
シャミ子「なるほど!」
良子「そしておとーさんの武器がある場所に導いてくれたのは」
シャミ子「桜さんです!桜さんとおとーさんは一緒に戦っていたからおとーさんが武器を落とした場所を知っていたんですね!」
みかん「決定じゃない!うちの工場で桜さんとシャミ子のお父さんが共闘して天災と戦ったのよ!」
桃「……」
良子「それから、うちのすぎこしの結界おかしいよね」
シャミ子「……おかしいですか?」
良子「バクさんのお店にもしたんだから、桜さんは天災にそなえてこの町に住む知り合いのまぞくが使ってるすぎこしの結界を全部バージョンアップしていったはず」
みかん「うん、そうね、そうしないと危険だものね」
良子「だとするとうちの結界も例外ではないはず」
シャミ子「……?」
桃「そうか、白澤さんの店にある結界とシャミ子の家にある結界では痛み方が全然違う、シャミ子の家の結界はボロボロすぎるんだ」
みかん「でも良ちゃんの予想が正しければ同じ時期に作った結界のはずよね」
良子「うん、ここで天井のお姉さんの言葉を思い出そう」
良子「『シャミ子ちゃんが望めば魔法少女と会える…』」
良子「『でもそれを繰り返すと結界の定義がどんどん薄れていっていずれは完全に破けちゃう…』」
みかん「……どういうこと?」
良子「おとーさんが天災と対峙したことによって結界の定義が薄れて一気に磨耗したんだと思う」
桃「……そうか、天災から闇の一族を守るために強化した結界だからヨシュアさんが天災と対峙したことによって結界の定義が薄れたんだね」
シャミ子「それっておとーさんが天災と対峙した証拠ってことですよね」
シャミ子「……?小倉さんっていったいなんなんですか?」
良子「どういう人かはわからないけど、おとーさんの知り合いだと思う」
シャミ子「おとーさんの知り合い?」
みかん「どうしてそう思うの?」
良子「天井のお姉さんがまぞくに興味があるだけならお姉につきまとうだけでいいよね」
桃「……」
良子「でも天井のお姉さんは良にも防犯ベル(小倉スイッチ)をくれた」
桃「小倉がつきまといたい、もとい見守りたいのはシャミ子じゃなくて吉田家、ヨシュアさんの関係者ってことか」
シャミ子「あっ!もしかして小倉ヘルプボタンをうちの家の柱に取り付けたのはおかーさんも押せるようにですか!?」
シャミ子「それに思い出しました!うちの結界が無くなると困るって小倉さんが言っていました!」
シャミ子「それに小倉さんはこの町の平和を守ろうともしています!」
良子「それはおとーさんがこの町の平和を守ってたからじゃないかな?」
シャミ子「おとーさんと小倉さんの関係とはいったい……」
みかん「小倉さんの話はおいといて、桜さんとヨシュアさんの天災との対峙はどうなったの?」
みかん「まぁ町が無事なんだからどうにかなったんだと思うけど」
良子「たぶん、天災はまだ残ってると思う」
桃「……?」
良子「おとーさんが天災の動きを封じて、桜さんがおとーさんごと天災に封印を施したんだと思う」
桃「……その結果ヨシュアさんはダンボールに封印されることになった」
みかん「ちょっと待って、なんで天災も封印されたと思うの?」
良子「天災はたぶん、この町の結界そのものなんだと思う」
桃「!?」
シャミ子「……?」
良子「この町を守る結界はたぶんおとーさんと桜さんが天災と対峙し封印したときに作られた結界だと思うの」
良子「天災の力を使って」
良子「もし桜さんだけの力でこの町を守る結界作れるのなら天災だって防げたはず」
みかん「……それはちょっとムリがないかしら、話が飛躍しすぎているわ」
良子「天災との対峙、そして町を守る結界の製造、魔力を使い尽くした桜さんはコアになった」
良子「桜さんはお姉の命をつなぐためにコアを託したときこう言った」
良子「『この町に当面災いは来ないだろう』」
桃「……ッ!」
みかん「な、なるほど、災いが来ない理由が新しく作られたこの町を守る結界の存在だったってことね」
良子「そして……、お姉や桃さんたちがごせんぞをつれて奥々多魔にいったとき天井のお姉さんはこう言ってる」
良子「『ようやく「あそこ」が調べられる』」
桃「小倉はこの町の結界の核がある場所を知っている?」
シャミ子「仮に封印された天災があったとして、それをどうすればハッピーエンドになるんですか?」
シャミ子「この町の結界の核でもあるんですよね?どうすることもできませんよ」
良子「でも説得するしかないと思う」
みかん「どうやって?」
良子「そのためにジキエルがいるんだと思う」
シャミ子「ジキエル?」
みかん「紅玉の元ナビゲーターよ、ほら金魚の」
シャミ子「あ、はいはい思い出しました、でもジキエルさんがいるとどうなるんですか?」
良子「ジキエルと契約した魔法少女はまだよくわからないけどオートマ限定みたいな縛りがある」
良子「桃さんやみかんさんのような魔法少女とは厳密には違う魔法少女」
良子「それにみかんさんも言ってた」
みかん「あの子たちは秩序が乱れたときに自然にあらわれる、今風に言えばAIみたいなものだから」
良子「うん」
シャミ子「……?」
良子「ここでもう一度蛟さんの言葉を思い出すね」
良子「『神話の時代に定められた決まりごと…世界の矩だけが、蛇の抜け殻のようにこの世界に残っている』」
良子「ジキエルそのものが世界の矩の蛇の抜け殻に近い存在なんだと思う」
良子「決められたシステムに忠実に動いているだけの人工知能」
良子「みかんさんがいうには成長すると個性が出てくるらしいけど」
シャミ子「そのジキエルさんと天災がどう関係してくるんですか?」
良子「天災もジキエルと同じで決められたシステムに忠実に動いてるんだと思う」
良子「それでたぶん良、最終話付近でジキエルの魔法少女になると思う」
シャミ子「なんですと!?」
良子「みんなも協力してくれると思うけど、決められたシステムに忠実に動いている天災に接触するためには」
良子「決められたシステムに忠実に動いてるジキエルを介して接触するしかないと思う」
シャミ子「でもでも!それでも町を守る結界はどうすることもできませんよ!」
シャミ子「だって町を守る結界がなくなったらこの町が危険になります!」
良子「天災はたぶん莫大な魔力を有していると思う」
シャミ子「……?」
良子「その力が邪神像にふりかかれば、うちの一族の封印もとけると思う」
シャミ子「え?うちの一族の封印をとくには魔法少女の生き血が必要なんじゃないんですか?」
良子「お姉、設定をよく思い出して、お姉が桃さんの生き血を邪神像にささげたことで桃さんの魔力は大幅に減った」
良子「魔法少女の生き血は魔力を奪うための媒体、つまり封印をとくために本当に必要なのは生き血じゃなくて光の一族の魔力なんだよ」
良子「その証拠に天井のお姉さんもいってた、光の力で封印されし魂は光の命のエネルギーと等価交換で溶かすの一番効率がいいって」
良子「魔法少女は魔力を使いすぎると消滅する、つまり魔法少女にとって命のエネルギーとは魔力」
良子「天災がなんなのかはよくわからないけど、天災の魔力もきっと命のエネルギー」
桃「そ、それじゃあ!」
良子「お姉は呪いから解放されて超強いまぞくになることができる、そうすれば」
桃「お姉ちゃんのコアをシャミ子から分離させることができる!」
シャミ子「じゃあ、桜さんが復活するんですね!」
良子「うん、桜さんが復活するってことは桜さんが封印したおとーさんの封印もとくことができる」
シャミ子「本当ですか!?」
リリス「まてーい!それではまだ余が幸せになれんぞ!」
リリス「ゴミ拾いはいつまで続くんじゃー!」
良子「それも大丈夫」
リリス「なんと!本当か!?」
良子「蛟さんが封印されている山の所有者は桜さんだから桜さんと蛟さんは知り合い」
良子「桜さんが蛟さんを説得してくれればノルマが軽減されると思う」
リリス「その千代田桜とやらはもうあれだな、神だな」
シャミ子「疑問なんですけど、その場合この町を守る結界はどうなるんですか?」
良子「消える」
シャミ子「それって大丈夫なんですか?」
良子「お姉、よく考えてみて、桜さんが復活すればこの町は桜さんが守ってくれるんだよ」
みかん「私たちもいるわよ!」
桃「そうか、町を守る結界がなくなっても姉が消える前の町に戻るだけだから元に戻るだけなんだ」
桃「穏健派のまぞくにはすぎこしの結界をくばって安全を確保し」
桃「過激派のまぞくは私たち魔法少女三人で撃退すればいいんだ」
シャミ子「四人だ!私もこの町を守ります!」
良子「おとーさんもいるから五人だよ」
シャミ子「ハッピーエンドじゃないですか!」
シャミ子「もうこの道しかありませんよ!」
リリス「(……いや、この流れだとおそらく町を守る結界を維持する方法があるはずだ)」
リリス「(そしてそれは、天災の魔力を吸収するシャミ子……もしくは余だな……)」
シャミ子「……あれ?」
シャミ子「なんか大切な設定を忘れているような」
シャミ子「……あっ!」
シャミ子「良、桃が暗くなった理由はなんでなんですか!?」
シャミ子「確か桃が9歳くらいのころに何かあったはずなんですけど」
良「……」
良「……それは」
良「良、わかんない!」
シャミ子「こいつぅ!」
おわり