少女「え?」
男「母ちゃん!」
少女「は?」
男「母ちゃん俺だよ!」
少女「誰です」
男「やっぱりわからないか…」
男「まさか母ちゃんが中学生の時代に来ちゃうなんて…」
元スレ
男「母ちゃん会いたかった!!!」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242268477/
男「信じられないのもわかります」
少女「…」
男「俺もなにがなんだか…」
少女「…」
男「夢じゃないよな…」
少女「(この人…)」
少女「(この人頭がプッツンしてるんだわ…)」
男「時をかけた俺!母ちゃん俺時かけちゃった!エヘ!奇跡体験俺!!」
少女「うぁ…」
男「改めまして!母ちゃん、俺、未来から来たあなたの息子です!」
少女「…」
男「母ちゃんに会いに来たんだよ!…信じて!」
少女「(演技には見えない…やっぱり…)」
男「ああ…!本物の母ちゃんだ…!父ちゃんに見せてもらった写真と同じ」
少女「(プッツンしていらっしゃる…)」
男「母ちゃん!会いたかった!!」 ガバッ
少女「!!!!!!!!!」
少女「ピャ――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!」
男「あぁっ!!ご、ごめんよ母ちゃん!抱きついたりして!!!」 パッ
少女「ちくしょう!」
男「か…母ちゃん?」
少女「ちくしょうドキドキした!!ちくしょう!!」
男「母ちゃんびっくりさせてごめんなさい」
少女「こちらこそとりみだしてごめんなさい」
男「ところで」
少女「はい」
男「母ちゃん俺のこと信じてないよね?」
少女「はい」
男「ですよね」
少女「あたりまえだのクラッカーです」
男「まぁ無理もないです」
少女「順を追って否定させていただきます」
男「うぁなんか怖い」
少女「まず」
少女「子供どころかわたし彼氏もいない。だってまだ中学生だもん」
男「そうみたいだね。制服におさげかわいいです。」
少女「ピャ―――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!」
少女「とりみだしてごめんなさい」
男「いえいえ母ちゃんお気になさらずに」
少女「さっきから私のこと母ちゃんって呼んでますけど」
男「母ちゃん」
少女「やめれ。あなたどうみても私より年上ですよね」
男「母ちゃん俺20歳になったよ」
少女「完全におかしい」
男「うん。おかしい」
少女「(プッツン君相手に真面目に話してもダメなのかなぁ)」
男「母ちゃん俺お腹すいた」
少女「(ここでこの人を突き放して逃げるのは簡単…)」
少女「(だけど花子!それでいいの!?彼悪い人じゃなさそうだし)」
少女「(それにもしかしたら病院とか…抜け出して迷子になってるのかも)」
少女「(ほっておいたら心配だし…)」
男「母ちゃん心理描写が長いよーお腹すいたよー」
少女「ごめんもうちょいさして」
少女「(何より彼イケメンよ!)」
少女「(イケてるお面のメンズにご飯誘われたなんて)」
少女「(人生初じゃない!!花子史上初!!その時歴史は動いた!)」
少女「(ご飯くらいなら付き合ってあげてもいいか)」
男「母ちゃーんお腹すきましたよー」 グ~
少女「お待たせしましたご飯を食べに行きませうか」
男「わーい」
男「母ちゃん」
少女「なんです」
男「ごはん…」
少女「ごはん。」
男「これがごはん?」
少女「どれでも好きなのをどうぞ」
男「ここ駄菓子屋だよ」
少女「君。忘れてやいないかね。私は中学生と言ったはずですよ」
男「聞きました。制服とおさげかわい…おっと」
少女「?」
男「…ゴホン。続けてください」
少女「中学生にとって下校時のご飯といえば駄菓子です」
男「なるほど」
少女「私はたらたらしてんじゃねーよとらあめんばばあにします。さぁ君も選んで」
男「いや…ね?母ちゃん…俺は下校時のご飯ではなくてですね、」
男「そのあと家についてから食べる母ちゃんの手作り晩ご飯が食べたいのですよ」
少女「あっちょっと10円貸してください10円」
少女「公園行って食べましょう!公園!!」
男「ひ…ひもじい…」
少女「ブランコ!ブランコ!!」
男「でも母ちゃん楽しそうだし…いっか…」
少女「食べます!たらたらしてんじゃねーよ食べます!!」
男「母ちゃん…俺が息子だって信じてないよなぁ…」
少女「辛い!からい!!」
男「あの日…いつも通りバスに乗って」
男「居眠りしてたらここについた」
少女「水!水!!」
男「なんか夢を見てたような…どんな夢だっけ…」
少女「ムゴッ」
男「あぁ…親父…俺母ちゃんに会えたよ…」
少女「」
男「あれ?母ちゃん?」
男「ちゃんと見てなくてすみませんでした」
少女「調子こいて喉に詰まらせてすみませんでした」
男「母ちゃん俺何か飲み物買ってくるよ!何がいい!?」
少女「いいんですか?じゃあカルピスをお願いします!」 キリッ
男「(母ちゃんかわいいなぁ)」
少女「炭酸じゃないやつですよ!」 キリリッ
少女「(…なんか…あの人…)」
少女「(私のこと母ちゃんとか呼んで変な人だと思ってたけど…)」
少女「(気遣ってくれるし、やさしい)」
男「うおおお!!母ちゃ~ん!カルピス!買って!きたよぉおお~!!」 タタター
少女「賢そうには見えないけど…普通にいい人ですね…」
男「サイダーじゃ!ないのを!!買ってきたよおおお!!!!!!!!!!!」
男「母ちゃんカルピスおいしいですか」
少女「はい母ちゃんカルピスおいしいです。ありがとうございます」
男「(母ちゃんが自分のこと母ちゃんって言った…//)」
少女「そういえばあなたの名前きいてませんでした」
男「そうでした」
男「(母ちゃん…この時代だと俺の名前も知らないのか…)」
少女「お名前は?」
男「太郎」
少女「太郎さん」
男「うん。花子に太郎なんて普通過ぎるよね、ハハハ」
少女「!!!!!」
男「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
少女「今…」
男「?」
少女「私の名前…花子って…」
少女「なんで!?教えてないのに…!?」
男「え?母ちゃんの名前?そりゃ知ってますよ息子だもん」 ニコニコ
少女「(この人…!)」
少女「(この人プッツンじゃない!!!!)」
少女「(間違いないこの人…)」
少女「(ストーカーだわ!!!)」
少女「(それで色々調べて、適当なこと言って近づいてきたんだ…)」
男「母ちゃん?どうかした?」
少女「太郎さん…わたしのこといつから好きなんですか…」
男「えっ」
少女「えっ」
男「母ちゃんどうした急に」
少女「私のことで知ってること全部吐いてください!!」
男「母ちゃんことはたいてい知ってますよ」
少女「うあ」
男「旧姓…つまり今の名字は山田、確か〇〇小学校卒で、1月19日生まれの山羊座A型、好きな食べ物は甘栗、嫌いな食べ物はレバー、キムタクのファンで…あと趣味は海に落ちてる角のとれたガラスを拾って集めること、現在は〇〇中学校に通ってて、あれ、未来のことまで言ってもいいのかな……怖いからやめとくね…母ちゃんの両親、つまり俺のじいちゃんとばあちゃんはもともとは〇〇県出身で、母ちゃんは生まれは〇〇県で育ちはどこどこの何何…ぺらぺ~らぺら」
少女「うあ」
少女「こんの変態がァああああああああああ!!!!」
男「ひぃ」
少女「貴様ロリコンこの野郎!イケメンだと思って油断した!!くそ!てめえ!どっから調べてきやがった!!」
男「ひぃ」
少女「気のぬけた怯え方してんじゃねぇええ!!!!」
男「ヒィイイ!!!!」
少女「そうそれでいいんだよ!!!」
男「よかった」
男「母ちゃん、混乱するのはわかります、でもちょっと話聞いて」
少女「母ちゃんて呼ぶなぁあ!!!警察!!呼ぶ!!ヘイポリース!!!!」
男「落ち着いて!警察とかやめて!」
少女「うぉらぁあああ!わしゃぁ何にも縛られたくないんじゃあああああ!!!」
男「母ちゃん!大丈夫だから!縛ったりしないから!落ち着いて!!」 ギュッ
少女「!!ピャ――――――――――――――――――――――――――――」
男「あぁもう」 ポンポン
少女「とりみだしてしまいました」
男「気持ちはわかります。俺も過去に来たってわかったときはパニック状態でした」
少女「パニックパニックパニックみんながあわててるー」
男「なにそれ」
少女「クレヨンしんちゃんです」
男「あぁそういや昔のはそれでしたねオープニング」
少女「あなたは私の息子」
男「そうです。俺は母ちゃんの息子」
少女「ストーカーではない」
男「もちろん」
少女「プッツンでもない」
男「もちろん。…なにそれ」
少女「あなたが私の息子で、未来から来たという証拠は?」
男「やっぱりそうきましたか」
男「未来のことは話したくないです」
少女「なんで」
男「なんか怖いもん。俺のせいで未来が変わったりしたらもう…考えるだけでちびる…」
少女「意気地なし」
男「…」
少女「証拠がなければやっぱり信じられない。未来から来ましたとか」
少女「ドラえもんかよオマエ」
男「母ちゃん…なんか冷たくなってない…?」
少女「とにかく私あなたのこと信じられません」
男「母ちゃん」
少女「おかしな人とはこれ以上関わりたくない」
男「母ちゃん、聞いて」
少女「もう日が落ちて暗くなってきたし…帰ります」
男「お願い母ちゃん、俺はただ」
少女「私はあなたの母ちゃんじゃない」
男「母ちゃん…」
少女「さよなら」
男「うぅ…」
男「母ちゃん…行っちゃった…」
男「信じてもらえなかった、やっぱり」
男「そうだよな…いきなり自分より年上の男がやってきて」
男「あなたの息子ですとか」
男「…なんか俺変な趣味の人みたい…?」
グウ~
男「こんな時でも腹は減るんだな…なんか食べなくちゃ」
花子の家
少女「ただいま」
シーン
少女「お母さん?いないの?」
少女「あ」
『花子へ 今日は母さんと父さんの結婚記念日です。二人でガストにディナーを食べに行ってきます。ごはんはチンして食べてね!母さんと父さんより』
少女「…」
少女「…もっといいとこ行けよ…」
ガチャ
少女「何をチンして食べればいいのだろ」
少女「…」
少女「何もないよ…お母さん…」
少女「お腹すいたよ…」
(男「母ちゃん俺腹減ったー」)
少女「あの人…ご飯食べたかな」
少女「…」
少女「私には関係ないもん」
少女「こういう時はチキンラーメンです」
少女「生でポリポリ食べちゃおう、今日はお母さんいないし」
少女「誰にも怒られないもんね」ガサガサ
少女「あーーー」ポリポリ
少女「…」ポリポリ
少女「一人で食べたっておいしくない」
少女「そういえばあの人、今日どこで眠るのかなぁ」
少女「ホントに未来人だったりして…」
少女「…ないない!それはないですよ!」
少女「それにしてもさっきらあめんばばあ食べたからあんまし食が進みませんね」
ピンポーン
少女「!はぁい」
少女「お母さん達にしては早いな…誰だろう」
少女「どなた様ですか?」
?「花子私よ、開けて」
少女「この声、お母さん?」
?「うん、まぁ当たりだけど、開けたら少し驚かせてしまうかも」
少女「?何言ってるの?変なの」
少女「(どーせ忘れ物かなんかでしょ)」
少女「今開けるよ」
ガチャ
少女「!!!」
少女「お母さん!!」
花子母「あらー花子!なんだか久しぶりねぇー」
少女「ど…どうしたの!?なんで!?」
母「ごめんね、やっぱりびっくりさせちゃったねえ」
少女「なんで!?ほんとにお母さんなの!?」
母「フフッお母さんなかなかチャーミングでしょ?」
母「でも年とるとシワがたくさんできちゃってねえ」
少女「お母さんが…おばあちゃんになっちゃった…」
少女「嘘だ…なんで!?」
母「お母さんね、あんまり時間ないの。お家、入れてくれる?」
少女「うぁ…年とってるけどお母さんだ…」
少女「お母さん何で急にそんなシワシワに…?」
母「どっこいしょと!あんたそんな化け物見るような目で見ないでちょうだいよ!」
少女「(これどっかにどっきりカメラあるんじゃないか)」
母「ゴホン!はい説明するよ」
少女「お母さん…お母さんがシワシワ…しわしわに…うぅ…」シクシク
母「なんか腹立つからやめなさいそれ!お母さんシワシワだけどなかなかチャーミングなシワよ~気に入ってる!」
母「いいから話聞きなさい、ほら!泣くのやめる!」
少女「あ゙い゙…」 ズズッ
母「よろしい!花ちゃんは偉い子!」ナデナデ
母「さっきお父さんのこと言ってたけど」
少女「…うん」
母「お父さんはしわしわになってない」
少女「!よかっだぁ゙…」ズズッ
母「正確に言えばお母さんもまだしわしわになってない」
少女「…?どういうこと?お母さんシワシワじゃない」
母「おいてめぇ…いやそうなんだけどね」
母「お母さん花子に会いに来ちゃった、すごいわよ」
母「未来から来ちゃった」
母「どう?びっくりさせちゃった?」
少女「…」
少女「お母さん」
母「なあに」
少女「証拠は?」
母「そんなものないわよ~あんたイジワルねえ!」
母「でも年とってもお母さんは花子の母さんだよ!疑ってるんなら何だって聞きなさい」
母「納得いくまで答えてあげるわよ!」
少女「(あぁ…どうしようこの感じ…)」
少女「(この人間違いなく私のお母さんだ…)」
少女「信じる」
母「うん!ありがとうねえ~うちの子は本当素直でいい子なのよね~」
少女「うん…//」
母「そ!それで、お母さん今日はね」
母「どうしても言わなきゃいけないことがあってここに来たのよ」
少女「私に?」
母「YES」
少女「な…なに…?」
母「その前に約束してほしい。これから母さん驚くようなことばっかり言う」
母「すごくショッピングなこと言うよ」
少女「うんショッキングね」
母「それでも最後まで聞いて」
少女「…はい」
母「よしおりこうさん。それから、お母さんがこれから何を言っても」
母「決してその通りになるとは限らないってこと、頭に入れておいて」
少女「おうふ」
少女「ちょっと待って最後のとこ意味わかんない」
母「はいじゃいっきまーす」
少女「ちょおいまてよ」
母「なんだよ剛」
少女「そうなるとは限らないて何どういう意味」
母「聞いてりゃわかるから!お母さん時間ないのよ!」
母「早くしないと私とお父さんがガストから帰って来ちゃう」
少女「おうふ」
母「まずね」
母「あなたこれから先高校生になるわよね?」
少女「受かれば」
母「そのあと大学行くのよ」
少女「へえ」
少女「…!お母さんちょっとタンマ!」
母「んじゃお母さんは消しゴムバーリア!!」
少女「今そういうのいいから」
少女「お母さんもしかして私の未来の話するの?」
母「そーよ」
母「そのためにはるばる来たのよ」
少女「…でもそしたらお母さん…」
少女「未来変わらない…!?ぐちゃぐちゃになっちゃわない!?」
母「…ははーん」
母「さてはあんた誰か他の未来から来た人と話したわね?」
少女「ギクギクギクーン」
少女「どうしてそれを」
母「普通なら未来から来たって人には」
母「未来のこと聞きたがるもんでしょう!」
母「未来の日本の首相は誰とか」
少女「そこはあんまし気にならないかな」
母「ああそう」
母「お母さんだいたい見当ついてる」
母「あんたその人にも『未来から来た証拠出しなさいよムキーン!』とかってやったんでしょう!」
少女「う」
母「そしてその人は何も言えなかった。そうね?」
少女「ぅ」
母「そこであんた嘘つき呼ばわりしたんでしょう。『信じられない』とか言って」
少女「ウ」
母「まぁ気持ちはわかるけどねえ…その子大丈夫かしらねえ」
少女「ゥ」
母「その子の分もお母さんが説明するね、」
母「どうしてだかわからないけど私達は未来から今日に来た」
母「タイムオーバーってやつよ」
少女「なんか違くない」
母「こまけぇこたぁいいんだよ」
少女「続きどうぞ」
母「あんたね、大学卒業と同時に」
母「結婚するのよ」
少女「うららららららららららららららららららら」
母「エキサイトしてるわねえー」
母「あんたねえそのあと子供産むのよ」
母「春の~♪」
少女「うららららららららららららららららららら」
母「の~♪す~みだが~わ~♪」
少女「とりみだしました」
母「そのようですね」
少女「こ…子供ってもしかして…」
少女「男の子…!?」
母「YES BOY!!!」
少女「あちゃー…」
母「(太郎ちゃんと接触したのは間違いないようだわねえ)」
母「(あの子もアレで来たのかしら)」
少女「お母さん!私実はさっき変な男の人に会ったの!!」
母「うん」
少女「その人私より年上なの!!それなのに私のこと母ちゃんって呼ぶの!!」
母「うん」
少女「でも未来から来たとか信じられなかった!だからストーカーと勘違いしたりプッツンいってる人と思ったりしたの!!」
母「うん」
母「(プッツンいってる人て何かしらねぇ)」
少女「じゃああの人は…」
母「かわいいあんたの一人息子」
少女「」
母「かわいい私の初孫」
少女「」
母「太郎ちゃんもね、あんたに話したいことがあって来たのよ」
少女「…どうしよう私すごくひどいことを…」
母「やべ私が旦那と帰ってくるやっべ」
母「とにかく、あんたはもう一度太郎ちゃんに会いなさい」
母「ちゃんと親子で話しなさい」
母「もうお母さん行くよ!時間みたい」
少女「えっ!もう行っちゃうの!?」
母「あっ!あんたチキンラーメンそのまま食べるのもうやめなさいよ~!やかん火にかけとくから!」
少女「やだまだ行かないで」
母「それからくれぐれも帰ってきた私とお父さんに今の話しないこと!」
少女「まだ聞きたいことたくさん…」
母「まぁ言ってもどうせ信じないとは思うけどねぇ、あんたちゃんと火見てなさいよ!ピーてなったら火止めるのよ!」
少女「ちょまてよ」
母「なんだよ慎吾」
少女「私の旦那さんは?どんな人!?」
母「あんたそういうのばっかり!マセガキねぇ~」
少女「なんて名前!?どんな顔!?かっこいい!?」
母「あんた今、自分は将来絶対結婚できるって思ってるね」
少女「?できるでしょ?」
母「高校も受かるし大学にもいけると思ってる」
少女「?うん、そうでしょ?」
母「子供も産めると思ってる」
少女「だって息子っていう人見たもん!!」
母「お母さんが最初に言ったのはこれ」
母「もう起こることだと知ってしまったら」
母「あんた安心しちゃうでしょう」
少女「あふん」
母「高校もどうせ入れるんだからって受験勉強しないでしょ」
少女「あふん」
母「大学も一緒」
少女「あふん」
母「母さんが未来のことをあんたに言いにきたのは、あんたがそれを今知っとかなきゃいけないからなのよ」
少女「どういうこと?」
母「孫はいくつになってもかわいいってこと!あとは太郎ちゃんに聞きなさい」
母「いい?あんたの未来はあんた自身のがんばりで出来上がってんだから」
母「今ので安心して怠けて過ごしたら結婚どころか高校もいけないよ」
母「そんな未来にしたらあんた…太郎ちゃん生まれてこれないんだからね!!」
少女「…わかった」
少女「ちゃんと頑張ります。お母さんが過ごしてる未来になるように」
母「……」
母「…お母さん、ずいぶんと偉そうなことたくさん言ったけど」
母「本当は別の未来でもいいんだよ」
少女「…?」
母「あんたが…花子が幸せならなんだっていいんだよ」
少女「お母さん…」
母「お母さんは花子の味方!花子がいつも笑ってられるようにするのがお母さんの仕事!」
母「もう行くね!」
………
……
…
少女「行っちゃった…」
シーン
少女「急に静かになった」
少女「夢でも見てたみたい」
ピィイイイイイイイイイイ―――――
少女「あ」
少女「夢じゃない」
カチッ
母「……」
母「これでよかったのよね…」
母「あとは太郎ちゃんとあの子の問題だし、私の役目はここまでだわねえ」
母「…」
母「あの子が幸せなら私もその幸せに協力しなくちゃ!!」
母「それがどんなかたちのものでも…」
母「さぁて!帰ってじじいとオセロでもやるか!お見舞いがてら!」
母「ヘイバス!」
ピンポーン
ガチャ
花子母「ただいまー!」
花子父「ただいまー!」
花子母「はなこー?ただいまー?いないのー?」
花子父「母さんこれ」
『お母さんお父さんへ。ちょっと用事ができました。出かけてきます。晩ご飯はちゃんとお湯をかけて食べたからね!!結婚記念日おめでとう 花子より』
花子母「お湯かけて食べた…?」
花子母「あの子ハンバーグにお湯かけて食べたのかしら」
花子父「あ」
花子母「何今の『あ』って」
花子父「ハンバーグ?」
花子母「花子のご飯にって作っておいといたのよ」
花子父「すごくおいしかったです」
花子母「えっ」
花子父「えっ」
花子母「あなたガストで何食べました」
花子父「トリプルハンバーグ」
花子母「その前に家で何食べました」
花子父「母さんの手作りハンバーグ」
花子母「ちょっとこっち来い」
花子父「母さん母さん」
花子母「それにしてもあの子どこ行ったのかしら」
花子父「母さん右目が見えないよ母さん」
花子母「用事ができた、って」
花子父「母さん口から血の味がするよ母さん」
花子母「もしかしてボーイフレンドかしら!?」
花子父「なん…だと…!?」
花子父「母さん花子が!父さんの花子が~!!」
花子母「…」
花子母「なんかよくわかんないけど大丈夫よ!そんな気がする」
花子父「うぅっ…花子…汚されてしまうのか…そこらへんのチンポコで物事を考えているような奴らに…」グスッ
花子母「そんなことよりガストおいしかったわねえー!でもあの偽札騒ぎは何だったのかしら。レジでもめてたけど」
花子父「花子マイラブ…うおお…父さんの天使……」
花子母「あのお兄ちゃん悪い人には見えなかったけどねぇ」
………
……
…
男「はぁ…はぁ…」
男「ゼィゼィ」
男「ふぅ~~~~っ…」
男「やっと逃げ切れた…こ…怖かった……」
男「ガストの店員さん足早すぎだよ…何者だよ…」
男「ハァ」
男「この時代はまだ夏目漱石だったんだなあ…」
男「いやぁうっかりしていた」
男「いつのまにかさっきの公園に戻ってきてしまった」
男「…母ちゃんブランコ乗って楽しそうだったな」
男「…母ちゃん…」グスッ
少女「はい」
男「!!!!!!!!」
男「かかかかかか母ちゃん!!?どうしてここに」
少女「ここに太郎さんがいるかと思って」
少女「来てみたらやっぱりいました」
男「なんで…?え…?」
少女「さっきはすみませんでした」
少女「誤りにきたんです」
男「なんで!母ちゃんはなにも悪くないのに」
少女「信じてあげられなかったから…私は太郎さんの母ちゃんなのに」
男「Oh...」
男「信じてくれたの?!俺が母ちゃんの息子って!?」
少女「実は斯く斯く然々」
男「あらま便利な表現」
少女「というわけであなたも信じることにしました」
男「ばあちゃん…ありがとう…」
男「(でもばあちゃんどうやって来たんだろう…?)」
少女「太郎さん」
男「はい」
少女「あなたは私に何を伝えに来たんですか」
男「俺は…」
男「俺、母ちゃんの未来を変えようと思う」
男「そのために母ちゃんに会いに来た」
少女「Oh」
少女「私の…未来変えちゃうんですか?」
少女「えっ?さっき私の話聞いてた?」
男「うん聞いてた」
少女「お母さんは未来を変えないように努力しなさいって言ったんですよ」
男「うん」
少女「それを太郎さんはしないということですよね?」
男「むしろ未来を変えちゃうための努力をしようと思います」
少女「ピャ」
少女「どうしてそんなことするんですか!?」
男「…」
少女「さっきは太郎さんだって言ってたのに!未来のことを喋ってしまったら」
少女「自分のせいで未来が変わっちゃうかもしれないから怖いって!考えただけでオシッコ出ちゃうぅあぁん とか言ってたじゃないですか!!」
男「…言ってないです最後らへんのは…」
男「怖いのは本当です」
男「未来のどこがどう変わるのかもよくわからない」
男「でも俺がいる未来を変えてほしいんです。チャレンジしてほしい、母ちゃんに」
少女「…太郎さんは未来に不満があるんだ」
男「…変えたい未来があります」
男「どうしても変えたい」
少女「ずるい」
少女「自分が不満だからって他人まで巻き込んで未来変えちゃうんですか」
男「……」
少女「お母さん言ってました」
少女「毎日の頑張りで未来ができてるんだって」
少女「太郎さんも今日からやっていけば明日からの未来は変えられます」
少女「そうやって未来を変えればいいのですよ」
男「ダメなんだ母ちゃん」
男「明日からの未来じゃだめなんだ」
男「ばあちゃんは母ちゃんに言ってないことがある」
少女「なんですそれ」
男「母ちゃんは今ある未来がベストだと思ってる」
少女「思ってますよ」
男「…ベストじゃない」
男「俺が全部だめにしちゃったからベストじゃなくなっちゃったんだ」
少女「えっ」
少女「話が読めない」
少女「もうちょいヒント」
男「俺が19歳、1年前のことでした」
少女「あコレヒントどころじゃないな回想入っちゃったなコレ」
男「…続けていいですか」
少女「あっ心理描写にすんのわすれてた」
男「俺その日母ちゃんと大げんかしたんです」
少女「その日ってどの日」
男「まぁまぁ」
少女「どんな理由で」
男「俺が浪人やめて大学諦めて働くって言ったから」
男「母ちゃんは『絶対できるから最後までガンバレ』って言ってくれたのに」
男「その時俺変だったんです…母ちゃんの言葉が今の俺の頑張りが甘い、まだまだだって言われた気がした」
少女「…」
男「俺、皮肉れて言ったんです。もっと優秀な子供が欲しかったんでしょ?俺みたいなので残念だったね、って…」
少女「…」
少女「それで私怒ったんですね、太郎さんのこと」
男「そうです」
男「それで俺、追い打ちかけるように言っちゃったんです、『生まれてきたくなかったのになんで産んだ』って…」
少女「…それで…?」
男「俺家を飛び出してました」
少女「そうですか…私もあと追い掛けて行ったんですか?」
男「はい…」
男「時間も遅くて雨も降ってました」
男「俺後ろに母ちゃんいるの分かってた」
男「振り切ろうと思って道路横切ったんです」
少女「…」
男「俺が飛び出した時に走ってきた車が、ハンドルを切って…」
男「…でっかい音たてて後ろで事故を起こしました」
男「俺の後ろで事故が起きたんです」
少女「…」
男「…」
男「…母ちゃん…」
少女「……大丈夫です話してください」
男「……母ちゃんはその車の事故に巻き込まれました。俺を追い掛けてたばっかりに。俺が道路に飛び出たせいで…」
男「その事故のせいで…母ちゃんは……」
男「―――………」
少女「ありがとう」
少女「辛いことを話させてしまいました。ごめんなさい」
少女「………」
少女「…そうだったんですか…」
男「だから俺は母ちゃんに会いにきたんです…」
男「どんな未来になってもいい、今ある未来よりましなものになるなら」
男「母ちゃんは俺がいなければあんな事故に合わずにすんだはずです」
男「母ちゃん」
少女「…はい」
男「俺が生まれない未来を生きてください。それが伝えたかったことです」
少女「本気ですか」
男「はい」
男「本気です。俺は母ちゃんの未来にはいない方がいい」
男「だから消してください…俺は生まれない方が母ちゃんは幸せになれる」
少女「…」
少女「…なんなのもう」
少女「太郎さん」
少女「あなたの気持ちはよくわかりました」
男「母ちゃん…本当にごめんなさい」
男「俺…誤っても誤りきれない…母ちゃんと最後に交わしたのがあんな悲しい会話だなんて…ずっと後悔してて…うぅ」グスッ
少女「太郎さん」
男「母ちゃんにとっても辛い思いをさせてしまうのはわかってるけど―…」
男「俺みたいなやつは産まないでいいから…」グスッ
少女「おい、ちょっとこっち見ろ」
男「え」
バチン!
男「あぶし!!」
少女「答えはNOです」
男「か…母ちゃんがぶった…」
男「親父にしかぶたれたことないのに…」
少女「…ごめんなさい」ジンジン
少女「でもあなたが生まれない未来はだめです。無しなし」
男「へっ」
男「母ちゃん、でも…」
少女「正直あなたのせいで私が事故にあって死のうがなんだろうが私にとってはどうでもいいことです」
男「ピャ」
少女「その原因はなんだっていいんです。私の未来がそうなら納得しなきゃいけないんです!」
少女「ただあなたを残して逝かなくちゃいけないのが心残りです」
男「いや母ちゃん、それはね…」
少女「もう!やだ!ネガティブ思考は聞きたくない!!ちょっとオマエしゃべんな!」
男「」
少女「よし!!」
少女「私は私の自分の意志でやっていきます」
少女「自分で未来を作ります」
少女「誰かに言われて作り変える未来なんて偽物です!きっとどこかでポロ…ボロが出る」
男「(ポロリが出るって言いそうになったけどごまかした母ちゃんかわいい)」
少女「わかりましたか?」
男「いやあのねかあちゃ…そうじゃなくて」
少女「わかりましたか?」キッ
男「ハイ!」
少女「わかったらあなた今すぐもとの時代に帰りなさい」
男「へっ」
少女「帰って目標のためにやれることやってきてください。大学入るんでしょう?」
男「う…はい」
男「なんでまだ浪人してるって分かったの」
少女「母親の勘です」
男「母ちゃん…」
男「母ちゃん、俺は母ちゃんの息子に生まれて幸せです!」
少女「うん」
男「母ちゃんのごはんが世界一だと思ってる」
少女「うん」
男「将来は母ちゃんみたいな人をお嫁さんにする」
少女「うん」
男「ていうか正直中学生の母ちゃん連れて帰ってお嫁にしたい」
少女「ピャ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
少女「もうやめて私を惑わさないで」
男「調子こきました」
少女「さあもうお別れの言葉もたくさんもらったから」
少女「そろそろお帰り」
男「うん」
男「母ちゃん俺帰り方知らない」
少女「えっ」
男「えへっ」
少女「そいつは困りましたね」
男「困りましたね」
少女「じゃぁ来るときは何でどうやって来たんです?」
男「バスで」
少女「えっ」
男「なんか居眠りしてて…夢を見て…起きたらここに」
少女「なにそれこわい」
男「俺はいったい何番線に乗ればいいのだろうか」
少女「とりあえず降りたバス停に行ってみましょう」
男「母ちゃん手つないでいい!?手!!ほら!!ねっ!?」
少女「(この人本当に二十歳かなぁ…)」
男「母ちゃん母ちゃん!俺!道路側に立つよ!母ちゃん見て!ジェントルな俺!見て!!」
少女「ここ?」
男「ここ」
少女「もうこんな時間だから普通は運行してないですけど…」
男「うーん…」
少女「おーいバスー連れてきたんだから帰りも責任とれー」 ブンブン
男「(母ちゃんかわいい本当に連れて帰ろうかな)」
男「(いや親父に殺されるか)」
ピカッ
少女男「「ん?」」
ブォオオン!!
キキー
少女「…!」
男「あわわわ」
バタン!
運転手「ご乗車ですか」
少女「バスが…」
男「空から走ってきた…」
運転手「ご乗車ですか」
少女「あのすみません」
運転手「はい」
少女「このバスどこまで行きますか」
運転手「お客さんの行きたいところまでお運びいたします」
男「ピャ」
運転手「ブザーなどはございませんので、具体的な場所・時間はお客様の夢でお知らせしてもらっています」
少女「ピャ」
運転手「このようになんともお話を運びやすくする便利なしくみになっております」
男「ハリーポッターでこんなバスあったよな」
運転手「ピャ」
少女「よかった…じゃあ」
少女「お別れだね」
男「うん」
男「母ちゃん」
少女「はい」
男「産んでくれてありがとう」
少女「まだ産んでないけど、生まれてくれてありがとう」
男「…」ギュ
少女「………」ギュ
男「ピャ―しなくていいの?」
少女「うんいいの」
男「…それじゃ、行くね」
男「母ちゃん」
少女「なあに?」
男「俺、母ちゃんだったら未来を知っても怠けないで…ちゃんと同じ未来を作れると思うから、言うね」
少女「?」
男「母ちゃんの旦那さんになる人は、高校から母ちゃんと一緒で」
男「顔は俺に似てると思う、あっでも俺目は母ちゃん似みたいだけど―…」
男「あとね、目の下にセクシーぼくろがあって名前は…!」
運転手「ドア閉めまーす」
プシュー…ガタン
少女「えっ名前っ!太郎さん!」
男「あわわわ」
男「(い)」
男「(ち)」パッ
少女「えっ?人差し指…?なに!?」
男「(俺!俺!)」パッパッ
少女「ん??指差してる…何してるの!?」
運転手「発車しますご注意ください」
プシュー…ブォオオン!!
少女「あぁあ」
少女「…行っちゃった…」
少女「太郎さん…」
少女「……」
少女「太郎…」
男「あぁ…」
男「バイバイ、ちっちゃい母ちゃん」
男「…本当に可愛かったな、中学生の母ちゃん」
男「あんなに可愛いのになんで親父みたいなのと結婚したんだろ」
男「チッ」
男「…あ」
男「母ちゃんに大事なこと伝え忘れた…!!」
運転手「もう戻れませんよー」
男「うわああああ!!!…大丈夫かな母ちゃん…俺のバカ…」
………
……
…
運転手「ご乗車ありがとうございましたー、足元気をつけてお降りください」
ガコン!プシュー
ブォオオン…
男「うわお」
男「帰ってきちゃった」
太郎父「おいクソ息子!!てめぇどこ行ってやがった!!!」
男「あっクソ親父」
男「…ただいまこのやろう」
太郎父「おいクソ虫」
男「名前でよべ水虫」
太郎父「おめぇ今日何の日か忘れてねぇだろうな?」
男「…」
男「誰かさんがダラダラ遊んでる間に俺は1人で行ってきたよ」
太郎父「…何に気使ってんだか知らねえがお前ろくに行ってねえじゃねえか」
太郎父「母さんオマエ待ってる。今日はもういいから明日はちゃんと行けよ」
男「言われなくても行くよ!今から!!」ダッ
男「ばかやろー」
太郎父「母さん…太郎が帰ってきたよ」
病院
男「…」
男「母ちゃん」
男「来たよ」
男「…」
太郎母「…」スコースコー
男「事故にあって1年」
男「ろくに見舞い来なくてごめんね」
男「誕生日おめでとう」
男「母ちゃん俺ね」
男「母ちゃんに会いに行ってたんだよ」
太郎母「……」
男「ちっちゃい母ちゃんにも怒られた、やれることやりなさいって…ビンタもされたんだよ!」
太郎母「……」
男「……」
男「…俺母ちゃんの息子だからさ、大学受験もっかいちゃんと頑張るよ」
男「見ててね」
男「…」
太郎母「…」スコースコー
男「母ちゃんが目を覚ます頃には俺医者になってるよ!」
男「ふぁあ…」
男「今日はいろいろありすぎた…」
男「母ちゃん…おやすみ…」
zzzzz…
太郎母「…」スコースコー
男「zzz…zzz…」
男「ムニャ…母ちゃん…カルピス…ムニャ…zzz」
太郎母「……」
男「ムニャ…たらたらしてんじゃねえよ…グゥ…」zzz
太郎母「……」
太郎母「………」パチッ
太郎父「ふぁ~!!朝です!!」
太郎父「『DQN息子が帰ってきたけど質問ある?』のスレが大好評で」
太郎父「つい朝までやりこんじまった」
♪~♪~♪~
太郎父「ん!携帯鳴ってる」
太郎父「だれだこんな朝早くに…」ピッ
太郎父「もしもし…あっ!先生!これはどうも…」
太郎父「いつもお世話になって…はい?なんです?」
太郎父「えっ!?!?!?」
太郎父「いますぐ行きます!!!!」
…………
………
……
…
男「母ちゃん、来たよ」
太郎母「!」ニコッ
男「今日はタムシ親父も一緒に来たよ!…てめぇ病室入る前にちゃんと手消毒したか?」
太郎父「ばかやろおめぇ!おれの清潔度はミューズも真っ青だぞ!…母さん!気分どうだい?今日もべっぴんだ!ワハハ!!!」
太郎母「」ニコニコ
男「母ちゃんに唾飛ばしながらしゃべんなよ!お前ちょっと母ちゃんから離れろ!バイ菌!!」
太郎父「だれがバイ菌だコラァアア!!それに俺タムシじゃねえぞ!!母ちゃん!俺いつでも大丈夫なようにきれいにしてあるからね!?安心して!!」
太郎母「…」…ニコッ…
男「母ちゃん引いてるよ親父」
太郎父「それにしても!母ちゃん今日はいつもより顔色もいいな! いやぁ~昨日は『昏睡状態だった妻が目覚めたけど質問ある?』ていうスレで俺大人気でさ~!!」
男「おぃ母さんネタにしてんじゃねえよ鼻糞」
太郎父「おいあんま言うと俺泣くぞ!!!繊細なんだよおめぇと違って!!!!」
太郎母「」ニコニコ
男「あっ!もう時間だ!母ちゃん俺予備校行ってくるねー!」
太郎母「」コクコク
男「帰ってきたら母ちゃんの誕生日のお祝いしようね!!」
太郎母「」コクコク
太郎父「チクショウ!お前なんか早く行け!!顔評価スレにお前の顔晒しとくからな!!バーカバーカ!!」
太郎母「」…フルフル
太郎父「母さんがそういうなら僕そんなことしない」キリッ
男「(…母ちゃんなんでこいつと結婚したんだろ…)」
………
……
…
少女「(太郎さんが帰ってから2日)」
少女「(私は夢でも見ていたんじゃないだろうか…)」
少女「はあ」
少女「もう一度会いたい」
少女「太郎さん…」
少女「優しくて…面白くて…甘えんぼで…かわいかったな…」
少女「顔もかっこよかったし……」カーッ
少女「!!」
少女「うわ!アタシ息子にときめいてる!うわ!!」
少女「ダメダメダメダメダメ禁断の愛よダメダメダメダメダメダメダメダメ…」
ドンッ!!
少女「!あがっ!」
少女「痛た…」
少年「うおっあんた大丈夫!?」
少女「はい…大丈夫です」
少年「トーストくわえながら猛スピードで角曲がったら危ないよ!?」
少年「少女漫画だったら誰かと恋に落ちちゃうところだよ」
少女「はい…すみません」
少女「(それを狙ってたんだもん…太郎さんが生まれる未来のために)」
少女「(運命の出会いをしなくちゃいけないんだもん)」
少年「変な奴だなー…そんで怪我なかったか?大丈夫か?」
少女「あ」
少年「?」
少女「あなた…その顔」
少年「へ?俺の顔なんかついてる…?……あ!!」
少年「お前な!!いっとくけどこの目のとこのこれ鼻糞じゃないからな!?」
少女「(この人!この人だ!!)」
少年「ちくしょう!初対面なのになんて失礼な奴だ!!なんて…おい可愛いななんだお前!!!!!」
少女「(太郎さんに似てる…!それに目の下にセクシーぼくろ…!!)」
少年「失礼だけど可愛いなお前!何者だ!!」
少女「(絶対この人が私の旦那さんになる人だ!)」
少女「(思い出せ!あの時、太郎さん…)」
少女「(い、ち、ってやってた…)」
少年「あんた同じ中学じゃねーな!?どこ中!?ねえ聞いてる!?どこ中!?」
少女「(…自分を指差したりしてた…)」
少年「俺!七分袖中学!!君の制服だと半袖中学!?!?ねえ!!」
少女「…………」
少年「ねぇねぇ!名前なんていうの!今日の放課後一緒に滑り台を段ボールで滑りに行かない!?」
少女「ちょっとお前うるさいだまれ」
少年「」
少女「太郎さんありがとう」
少年「えっ誰」
少女「なんでもないです。あなた」
少女「いち太郎君?」
少年「えっ」
少女「何で知ってるの…!?教えてないのに!?…でしょ?」
少年「(この子…)」
少年「(俺のストーカーだわ!!)」
少女「で、次はストーカーだわ!…でしょ?」
少年「!!!」
少年「なんか君おかしいよ…怖い」
少女「怖くない」
少年「今初めて会ったんだよな?何で俺のこと…」
少女「お互いよく知ってる人に会ったの」
少年「君と共通の知り合い…?誰?」
少女「私とあなたの大事な人!あなたによく似てるの、目以外は!」
少女「あとは内緒」
少年「(目…?)」
少年「君やっぱり変だよ」
少年「目以外似てるってなんだよ意味わかんね」
少女「でもあなた私に夢中になるよ」
少年「!!」
少女「そんで私もあなたに夢中になるんだよ」
少年「…///」
少年「(何この不思議っ子かわいい)」ドキドキ
少女「子供の名前ももう決まってるからね!!」
少年「子供?」
少女「うん。私とあなたの」
少年「ピャ――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!」
おしまい