1 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 02:53:15.97 r03wniZh0 1/52

「嘘だろ?」

「本当です」

「証拠は?」

「証拠ですか。そうですねー」 キュイイイン

「……な、なんだよこれ!? 俺の頭に直接流れ込んでくる、このイメージは!?」 

「証拠ですよ。あなたが要求したんじゃないですか」

「やめろ! こんな、人が、人が溶けて、崩れてく……うぐっ、うげぇェ」 ビチャビチャ!

「汚いですね」

「やめろ! もうやめろ! 見たくない!! こんなの見たくない!!」

「そうですか。それではやめます」 キュウウウン

「あ、ああ、あんなの、あんなのありあえない…・・・」

「でも、あなたが妹をレイプしないと、そうなるんです」

「信じられるかよ!」



元スレ
神「あなたが妹をレイプしないと世界が滅びます」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1274637195/

6 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 02:59:22.44 r03wniZh0 2/52

「もう、あなたは信じてるじゃないですか。そろそろ気付いたら、どうですか?」

「何にだよ、僕が一体何に気付いてないんだよ?」

「私は誰ですか?」

「神だろ。……え、どうして僕はお前が神だなんて」

「面倒なので、信じさせました。神ですから」

「なら、どうにかしてくれよ、未来を変えてくれよ!!」

「できません。神のルール上、直接の干渉はできないのです」

「だからって、どうして僕が妹をレイプしなきゃならないんだよ」

「説明すれば長いですし、人間には理解できません。ただ、そうすれば世界が滅びないのは確かです」

「僕には、できない。絶対にできない」

「ええ、お好きにどうぞ。それでは」 スー

「あ、おい! 待てよ!!」


7 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:05:00.97 r03wniZh0 3/52

「……ははっ、僕は気が狂ってるのか。あんな、あんなもの、全部僕の妄想だよ。そうさ、そうだよ」

「一つ言い忘れましたが、期限は今日中です。今日の24時までに妹をレイプして中出ししなければ、世界は滅びます」

「……今度は幻聴か」

「ついに僕は狂っちまったんだ。ああ、もうダメだ」

「発狂したんだ」

「キチガイになったんだ」

「…・・・やめろよ」

「やめろ!」

「やめてくれ」

「気が狂ったんだと、思われてくれよ……どうして、自分が正気だとわかっちまうんだよ、やめてくれよ」


9 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:13:37.61 r03wniZh0 4/52

「……今は正午か」

「世界が滅びるまで12時間なんて、冗談みたいだ。今日は日曜日で、外は晴れてるし」

「数分前までは、普通の休日だったのに」

ガチャ 「お兄ちゃん、何してるの?」

「うわっ、な、何って、何も、何もしてないよ!」

「? そんなに慌てて、どうしたの?」

「だから、何でもないよ! そう……ちょっと考え事してただけだよ」

「ふーん。本当はやらしい本でも読んでたんじゃないの?」

「バカ。そんなわけないだろ。それより、どうしたんだよ?」

「どうしたって……今日は映画に連れてってくれる約束でしょ? 忘れてたの?」

(映画か。そういえば、約束してたな。でも、今はそれどころじゃ…・・・)

「あ。あぁ。そうだったっけ。でも」

「早く準備してよね。私、ずっと楽しみにしてたんだから」 バタン

「あ、おいっ」


11 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:21:25.90 r03wniZh0 5/52

「行っちまった」

「どうすればいいんだ」

「妹をレイプしなきゃ、みんな死んじまうなんて」

「……ここにいても、気が滅入るだけか。外に出れば、何かわかるかもしれないし」

「それに、妹をレイ…・・・口にしたくもないな。妹としなきゃ世界が滅びるんだから、妹と一緒にいれば何かわかるかもしれない」

「うん。原因がわかれば他の方法も見つかるかもしれないし、妹と出かけよう」

「嫌な汗でシャツが濡れちまったし、一旦脱いで、着替えてから……よいしょ」 ズリズリ

ガチャ 「ねぇ、まだ…・・・っ! ご、ごめんなさいっ!!」 バタン

「……普通の女の子だよな、どう見ても」


13 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:31:50.96 r03wniZh0 6/52

ガチャン 「いってきまーす」

「はいはい、いってらっしゃい」 バタン

「ねぇ、何観る?」

「決めてたんじゃないのか?」

「うん。でもね、お兄ちゃんと一緒にお出かけするから、二人で決めようと思って」

「そっか。んー、そうだなぁ。ジョニーが出てる、あの映画とかは?」

「あれは前に一緒に行った時に観たでしょっ!」

「ご、ごめん。そういや、そうだったな。うーん、でも僕、最近の映画って他に知らないなぁ」

「もう、しょうがないなー。ほんと、お兄ちゃんってダメダメだよね。女の子と出かける時は、男の子がリードしなきゃダメなんだよ」

「あぁ、悪かったよ、ごめんごめん。今度から気を付けるって」

「わかったなら許してあげる」

(やっぱり、こいつが原因で、あんな事が起きるなんて思えない。あんな、あんな酷い光景が)

「……大丈夫、お兄ちゃん? なんか怖い顔してるよ」

「あぁ、大丈夫だよ。ほら、早くしないとバスに遅れるぞ。急ごう」

「…・・・うん」


16 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:44:05.82 r03wniZh0 7/52

「あ、あのバスじゃない?」

「やべ、走るぞ!」

「待ってよぉ、お兄ちゃん! 置いてっちゃやーだー!!」

「いいから急げってば!」


「どうにか間に合ったな」

「はぁ、はぁ……」 ジトー

「睨むなよ。ちゃんと待っててやったろ? 僕が先に行かなきゃ、バスも行っちゃってたよ」

「本当に置いてかれると思った」

「はぁ。わかったよ。映画代はおごってやるからさ、機嫌直せよ」

「ふふーん、じゃ許してあげる」

「ありがとうございます、お嬢様。ささっ、席が空きましたので、どうぞお座りください」

「くるしゅうない」 ポスッ

(無防備だな、まったく。座った途端に胸元を扇いだりして。胸が見えるってーの。……僕は本当に、こいつとするのかな)


19 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:51:25.91 r03wniZh0 8/52

「映画館に着いたー!」

「着いたな」

「喜ぼうよ」

「うれしー」

「ノリ悪いなー。それで、どれ観るの?」

「んー。タイトルだけ観ても、全然わからん」

「ふっふーん。じゃ、私が説明してあげる」

「わー、すごーい」

「まず、一番左のハゲが主役のやつはね、戦争するの。ババーンって撃って、ズガガーンってなるの」

「ハゲとか言うな。あと全然意味わからん」

「えー。じゃあね、隣のはね」

「言われんでもわかる。子供向けアニメだし、却下」

「お兄ちゃんわがまま」

「お前に言われたくない」

「ひどーい!」


21 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 03:58:57.26 r03wniZh0 9/52

「いいから次、次」

「次はね、世界が滅ぶの」

「……えっ?」

「よくわからないけど、世界が滅んじゃってね」

(世界が滅ぶ? 世界が、滅ぶ? そうだよ、世界が滅ぶのに、僕はこんな普通にしてていいのか? どうにか、どうにかしなきゃ、ダメなのに)

「聞いてる? お兄ちゃん」

「え、うん。聞いてるよ」

「もうっ。ちゃんと決める気ないなら、私が決めちゃうからね! 今日はこれ、これを観るの!」

「いやでもそれ、ラブロマンスじゃん。そんなの観ても……」

「もう決めたの!」

「あーもう、わかったから怒るなよ。ほら、チケット買いにカウンター行くぞ」

「ふっふーんっ♪」

「前向いて歩く、スキップしない。ほら」 ギュッ

「わ、わかってるもん」

「どうだか」


23 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:10:00.61 r03wniZh0 10/52

(……全然内容が頭に入らない。何もせずにじっとしてると、余計に考えちまうな)

「だめっ、そんなの……彼からの電話に出なきゃ……」

(こいつは楽しそうだな。……頭が痛いな、色々考えすぎかな。でも、あんなの見せられたら、誰だって)

(どうすればいいんだろ。どうして俺なんだろ。俺にだけ、あんなこと教えるなんて)

(気持ち悪い。頭がぐるぐるする)

「お兄ちゃん……」

「ん、どうした」

「えっと、ね。……飲み物、なくなっちゃったから、買ってくる」 スッ

(ふぅ。あいつは気楽だな。……本当に、どうしたらいいんだろ。あいつとするなんて、考えられないし。……もう少し情報が欲しい)

(にしても、遅いな。道に迷ったりしてないよな。……少し様子見に行ってくるか) スッ

「さて、と。あいつはどこにいるんだ? 売り場にはいないみたいだけど」


28 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:18:57.10 r03wniZh0 11/52

「ん、いねぇな。本当にどこに行ったんだ?」

「……ブツブツ。邪魔だ、どけっ!!」 スタスタスタ

「うぉ! ……なんだ、あいつ? 怖い顔して、何か、言ってたような」

(よく聞き取れなかったけど、世界が、どうとか……それに、レイ……)

「! まさかっ!! ……あいつは向こうに行ったはずだ!」 タッタッタッ

「……っ、やめてぇっ!!」

「世界の、世界のためなんだよぉぉぉおおっ!!!」

「ここは、女子トイレか……くっ、構ってられるか!! 妹!! 大丈夫か!!」

「お兄ちゃん!!」

「お、お前は、世界を救う邪魔をするのかぁぁ!!!」

「うるせぇ!」 ガンッ

「うぐっ」

「行くぞ!!」

「う、うん」 タッタッタッ


30 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:29:13.91 r03wniZh0 12/52

「大丈夫だったか? 何もされなかったか?」

「うん……う、うあぁぁ、怖かったよぉっ!!」 ギュッ

「おい、しがみつくなよって。大丈夫、大丈夫だから」 ポンポン

「うっ、うっ。……本当に、怖かったんだもん」

「ああ、わかってるって」

「……男の人って、みんな、あんな風なの?」

「いや、違う違う。さっきの奴は頭がおかしいだけだから」

「でも、急にトイレに入ってきて、おっぱい触ってきた」

「だから、本当にああいうのはおかしいの。普通はそんな事しないからな」

「……なんか、私、男の人怖い」

(下手な事を言うと、傷付けちまいそうだな。あんな事があった後だし)

「あ、でもね。お兄ちゃんはね、怖くないよ」

「え?」

「助けてくれて、ありがとね、お兄ちゃん。……大好きだよ」

「……ははっ、いいから涙拭けよ、良い女が台無しだぞ」


32 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:38:03.16 r03wniZh0 13/52

「うん!」

(とは言ったものの、さっきの奴の言ってた、『世界を救う』って話。ただ頭がおかしい、っていうにはタイミングが良すぎる)

(多分、神様が言ってた事と、関係あるんだろうな)

(今からでも、あいつから話を聞きたいけど……)

「ね? 良い女になった?」

「なったなった。すげぇ美人」

「でしょ?」

(こいつを一人にできないし、今会っても冷静に話せないだろう)

「もう3時か。帰るか」

「うーん、でも泣いたらお腹減っちゃった」

「ったく、切り替えが早いっての」

「良い女は立ち直りが早いんだよー。お兄ちゃんには特別にね、良い女にご飯をおごる権利をあげる!」

「そりゃどうも」

(まっ、元気が何よりだな。……相変わらず、例の件は進展がないけど)


34 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:48:25.05 r03wniZh0 14/52

「お前なぁ、加減しろよ。晩御飯もあるんだぞ?」

「だって、食べたかったんだもん」

「はぁ。別にいいけどな、晩飯残したら母さんが怒るぞ」

「残さないもん。全部食べるもん」

(妹ながら、ガキっぽい奴だな。俺の前だと特にガキっぽい気もするけど、歳相応に振る舞えないもんかね)

「ねっ、また一緒に出かけようね」

「……お前がいいなら、いいけどな」

「いいに決まってるじゃん。映画観てー、美味しいご飯食べてー……お兄ちゃんのお金で」

「今度はおごらないぞ。僕だってお金ないんだからな」

「えー! お兄ちゃんのけち!」

(甘えてくれてる、ってことだよな。そう考えりゃ、可愛いもんだな。……やっぱり、現実感ないなぁ、あんなの)

(本当にあんなこと、起きるのかな。確かに、あの光景は怖かったけど、でも、僕には信じられない)

(神様のクセに妙にうそ臭いっていうか、変だったし。僕に神様を信じさせるなら、最初からあの光景を信じさせればよかったんだ)

(そうだ。あれが全部嘘の可能性だって、あるんだ。信じて、妹に変な事してからじゃ遅いんだ)

「お兄ちゃん、歩くの速いよ! 待ってってば!!」


37 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 04:57:52.95 r03wniZh0 15/52

「うっ、うああああああああああああああああ!!!!」 ブンッ

「いっ!?」 ガツンッ

「お兄ちゃん!?」

「来るな!」

「お、お前は、世界を救う、邪魔をする、悪魔だぁぁああ!!」 ブンッ

「くっ!」

「やだ、やだよぅ! お兄ちゃん、一緒に逃げて!!」

「いいから逃げて人呼んで来い! 警察もだ!!」

「おぁあああああああ!!」 ブンッ! ブンッ!

「ちっ……早く!!」

「わ、わかった!」 タッタッタッ

「はぁ、はぁ」

「……あんたも、神様に会ったのか?」

「そ、そうだ! 神が私に、言ったんだ! あの少女を犯せと、言ったんだ!!」

「少し落ち着いてくれ。話がしたいんだ」


42 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:05:29.50 r03wniZh0 16/52

「話? 話だと?」

「そうだよ。僕も混乱してるんだ。本当にあんな事が起こるのか、信じられないし。第一、あの神様自体、胡散臭いよ」

「は、はははっ……あれが、信じられない? あれが?」

「ああ、だって、あんな事が起こるはずないじゃないか」

「ははっ。……やっぱり、お前は悪魔だ」 ブンッ

「ぐっ!」 ガンッ!!!!

(やばい、意識が。こいつを野放しにしたら、妹が危ないんだ。それに、まだ話を聞き終わってないのに……)

「くそっ……」 バタンッ

「お、俺は、悪魔を、悪魔を殺すんだっ!!」 グッ

「こっちです!」

警官「おい、お前! そこを動くな!!」

(声が遠い、もうダメだ……意識が、落ちる……)


46 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:15:17.03 r03wniZh0 17/52

(なんだろ)

(僕、死んだのかな)

(……違う、気がする。でも、いつもと、感じが違う)

「そうだね。君は死んでないよ」

(お前! おい、なんだよ、あいつは!!)

「答えてもいいけど、そんな事を聞いている暇、あるの?」

(……っ! そうだ、あの光景は現実なのか? 他に防ぐ手はないのか?)

「ああ、そうだねぇ。……そろそろかな」 キュイイイン

(うっ。また、……うっ、うわああああああああああああっ!!!)

「それを観終えるまで待ちましょう」


(うっ、うあっ、あああっ……ああ、あー、あぁ……)

「お疲れさまです。では、そろそろ私は失礼します」


47 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:21:35.46 r03wniZh0 18/52

「ああああっ!!」

「きゃっ!」

「あっ、あぁっ……」

「だ、大丈夫?」

「こ、こは?」

「病院よ。あんた、頭を殴られて気絶したのよ。覚えてる?」

「……今何時だ」

「え、っと。何時かしら」

「早く答えろ!!」

「ど、どうしたの? そんな大声出さなくても大丈夫よ」

「いいから答えろ!」

「え、えぇ、11時ね。ちょうど」

「ぐぅぅぅ! 妹はどこにいる!?」

「家にいるはずだけど……」

「くそっ!!」


49 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:28:49.99 r03wniZh0 19/52

「ちょっと、寝てなきゃダメよ!」 ガシッ

「うるさい!!」 ブンッ! タッタッタッ!!

(時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない)

「おいタクシー、止まれ!!」

運転手「うわっ、死ぬ気か、このガキ!!」

「いいから俺を乗せて走れ! 一秒でも早く行け!!」 

運転手「うっ。わ、わかった」 ブーンッ!

(時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない)

運転手「ここでいいか?」

「あぁっ!」

運転手「おいちょっと、金はどうしたんだよ! こっちは商売なんだぞ!?」

「ちっ、ほらよ、財布ごとやるから勝手にしろぉっ!!」 タッタッタッ

運転手「え、おい! ……行っちまった」

(11時13分10秒……11秒……12秒……時間がない時間がない時間がない時間がない時間がない)




51 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:39:04.72 r03wniZh0 20/52

ガタンガタンッ!! 「家に鍵が……鍵は、財布の中だ……くそがっ! おい、開けろよ!!」 ピピピピピンポーン!!! ピンポーン!!!

「どうする、どうする、どうする? あああああ、もう時間がないのに!! こうなったら、もう! おりゃあああああ!!」 バリーンッ!!

「よし、これで家に入れる。……居間は暗いな。妹は一人でいるのか。あの男が犯してくれていればいいが」

「もしいなかったら……くそっ! 早く、早く僕が行かなくちゃ、あんな、あんな光景が……くそっ!!」 ダッダッダッ!!

「おい、妹! 妹!」

ガチャッ 「お兄ちゃん?」

「いたか妹!?」

「お兄ちゃん、良かった!! 急にね、下でドアがドンドンってして、何度も呼び鈴がなって、割れる音がして」

「そんなのはどうでもいいんだ」

「うん、お兄ちゃんがいればね、大丈夫だもん。頭の傷、大丈夫?」

「そんなのもどうでもいいんだ」

「どうでもよくない! 私、心配したんだよ。本当に、すっごくすっごく心配したの。あの人はもう警察に捕まったけど、私、絶対に許さないもん。お兄ちゃんに……」

「妹」

「? 何?」

「俺はお前をレイプする」


54 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:45:59.24 r03wniZh0 21/52

「何、言ってるの?」

「僕は世界を救うんだ」

「や、やめてよ。そんな冗談、面白くないよ」

「本当なんだ。僕は世界を救わなきゃいけないんだ」

「あ、あははっ、そんな真剣な顔で冗談言わないでよ。笑っちゃった」

「冗談で、冗談でこんな事が言えるか!! 僕は、僕は、お前をレイプするんだ!!」 ガシッ!

「いた、痛いよっ! やめ、やめて、本当に痛い!!」

「時間がないんだよ!! あと、あと45分しかないんだ!!」

「お兄ちゃん!!」

「早く脱げ!!」

「お願いだから、いつもの優しいお兄ちゃんに戻ってよ……そしたら、私」

「くっ、もういい!!」 ビリッ!!

「ひっ、やだぁ!!」

「うる、さいっ!!」 ビリッ!! ビリビリッ!!!

「いやぁああああああ!!」


58 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 05:55:17.44 r03wniZh0 22/52

「早く、挿入しなきゃ」 グッ!

「痛いっ! 痛いよ!!」

「あぁ、くそっ! どうして濡れないんだよ!!」

「うっ、もうやだぁ……」

「やだじゃないんだよ!! 僕はお前をレイプして世界を救わなきゃならないんだ!」

「ひっ、怖い、怖いよぉっ!!」

「ちくしょう、濡れてないし、僕のも勃起してないから入らないぞ……妹、僕のを舐めろ!」

「や、やだっ……」

「妹っ!!」 ドンッ!!

「ひっ! 壁叩かないで、怖いよ。わかったから、舐めるからぁ……う、うぅ」 ペロ

「そんなんじゃ足りない、もっとしっかり舐めるんだ。ほら、皮を剥いたから早くしろ!」

「や、やだっ、なんか汗臭いし、おしっこの匂いもするよ」

「……」

「な、舐めるから、だから怒らないで……」 ペロペロッ


68 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:12:48.57 r03wniZh0 23/52

「足りない……もう時間がないんだ……」 ガシッ!!

「んぅっ!?」

「もっと、ちゃんと、動かせ!! わかったか!?」 グッ! グッ! グッ!

「んっ、んぅっ! んんっ!! んんぐぅっ!!? ……げほっ、げほげほっ!!」

「ちっ、あと二十分しかない。半立ちだけど、やるしかないか」

「も、もう許して……お願い、お願いだから」

「無理だ。僕は世界を救うんだ。あれを防がなきゃ、防がなきゃいけないんだよ」 ググッ

「痛っ、痛いっ、無理、無理、むっ、ぃいっ!!?」 ブチッ!!

「や、やった!! 入ったぞ!!」

「……っ!! ひっ……ひっ、たい、のに……うっ、う、ぁあっ!! やめっ、動かないでっ!」 ズッ! ズッ!

「ダメだよ、僕はお前の中に出さなきゃいけないんっ、だ」 ズチュ!! ズチュ!!

「痛いのぉ!! 痛いのぉ!! 本当に、痛いんだってばぁ!! うっ、あぁっ!」 ズチュ!! ズチュ!!

「すぐに出すから、もう少し、もう少し我慢してくれよ。……ほら、血で滑りがよくなってきた」 グチュ!! グチュ!!

「……やだっ!! 私、こんなのやだよっ!! 違う、こんなの違うぅ!!」 グチュグチュ!!


72 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:22:31.27 r03wniZh0 24/52

「くっ……後少しで、出る。時間は……間に合うか!? くそ、もっと早く!! 早く!!」 グチュ!! グチュ!!

「うっ、うっ……。……っ」

「出る、出るぞ!! く、うわぁぁっ!!」 ビュク!! ビュクビュク!!!

「……」

「く、あぁ……や、やった、間に合った。やったぞ!! やったんだ!! これで世界は救われたんだ!」

「……」

「なぁ、妹! やったよ、世界は救われたんだ。おい、やったんだよ!!」

「……うん」

「は、ははっ、やった! あと3分で、世界が救われたとわかる!! なぁ……あ、れ」

「……」

「世界が、救われた、んだよな。あれ。あれ。あれ。なのに、なんだよ、これ」

「は、ははっ。なんだよ、これ。僕、なんで妹を、レ、レイプしてるんだよ」

「……」

「なんで、妹が、こんな、こんな何も見てない目で、僕を見てるんだよ」

「なんだよこれ! なんなんだよこれはっ!!!!」


73 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:24:00.07 r03wniZh0 25/52

24時を迎えた世界は、白い光に包まれた


76 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:28:35.32 r03wniZh0 26/52

「おめでとうございます」

「……何が、めでたいんだ」

「世界は救われました」

「どこが、救われたんだよ」

「すぐにわかります、すぐに」

(何が救われたんだ。どこが、あれのどこが、救われたんだ。……僕は、どこにいるんだ。ここは、どこだ)


ガチャ 「お兄ちゃん、何してるの?」

「え?」

「? そんなに驚いて、どうしたの?」

「……これは、なんだ?」

「何誤魔化してるのよ。本当はやらしい本でも読んでたんじゃないの?」

「なぁ、妹。これは、何なんだ? 僕はどうしちまったんだ?」

「どうしたって……今日は映画に連れてってくれる約束でしょ? 忘れてたの?」

「違う、そんな事は聞いてない!!」

「急に怒鳴らないでよ、何? ……もう、何でもいいから早く準備してよね。私、ずっと楽しみにしてたんだから」 バタン


86 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:38:21.54 r03wniZh0 27/52

「これは何なんだよ」

「だから、世界は救われたんですよ」

「また声だけか。……お前は一体何なんだ」

「だから、神ですよ」

「ふざけるな。僕に、僕にあんな事をさせておいて!! 大体、この状況は何なんだよ」

「何度も言ってるじゃないですか。世界は救われたんです」

「これの、どこが救いなんだ? 僕には悪夢としか思えない」

「えーと、そうですね。人間にわかるように説明するとですね、世界は滅ぶ予定だったんです」

「……それは最初に聞いた」

「はい。世界は滅ぶ予定でした。人間の過ちにより滅ぼされる予定でした。ですから、世界は救われました」

「もっとわかりやすく説明しろ……僕はな、心底腹が立ってる。生まれて以来、今ほど切れたことはない。早く続けろ、でなきゃ……」

「あなたには何もできません。ま、いいです。続けますと、世界をひと繋ぎにしたんです。これで世界は滅びません」

「は?」

「時間軸を歪めたんです。これで世界は滅びを迎えません。永遠に、決して」

「……は、はははっ。そんなことに、何の意味があるんだよ……」


91 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:45:56.84 r03wniZh0 28/52

「これで世界は滅びません」

「それだけじゃないか! 滅びないだけじゃないか! こんなの、何の意味もない……」

「では、やめればいいです」

「やめるって、何をだよ」

「世界を救うのを、です」

「何を、言ってるんだ?」

「あなたが妹をレイプしないと世界が滅びます」

「……待ってくれ。……今、お前は、なんて言った」

「そのままの意味です」

「僕は、した。自分の意志とは思えないし、思いたくないけど、妹を、レイプした」

「はい。しましたね。一つ前の今日の世界で、正午から24時までの間に、あなたを妹をレイプしました。ですから、あなたは世界を救いました」

「……」

「だから、あなたは今回も世界を救えます。妹をレイプすれば」

「……そんなの、できるか」

「えぇ、強制はしません。ただ、世界が滅びるだけです。あなたと妹を含む、数十億の人々が死ぬだけです」


97 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 06:51:46.74 r03wniZh0 29/52

「それだけ、って……」

「それだけです。前回は、確信の持てなかった世界の滅びが、今のあなたには理解できるでしょう? 自由に選んでください」

「ぼ、僕は、そんなの……そ、そうだ、あの男は、あの男はどうなったんだ!!」

「あの男?」

「妹を襲った奴だよ!! あいつは、あいつが妹を襲ったら、世界は!」

「救われません」

「え?」

「あれは関係ありません。単なる狂人でしょう」

「でも、あいつは、確かにお前に会ったって」

「神に会った、と言ったのでしょう。狂人の口癖です。世界を救えるのは、あなただけです。では、さようなら」

「おい、待て、待てよ!!」


105 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:06:46.28 r03wniZh0 30/52

「は、ははっ……そんなの、選べるわけ、ないだろ」

「数十億人の、しかも俺と妹の命もなくなるのに」

「そんなの、選べないだろ……もう、僕は、僕は」

ガチャ 「ねぇ、まだなの?」

「あぁ。もう、決まったよ」

「それなら早く……」 ガシッ

「妹」

「な、何?」

「僕はお前をレイプする」


BAD END





110 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:16:07.11 r03wniZh0 32/52

>>97からの続き

「どうしろ、って言うんだよ」

「こんなの、どうしようもないじゃないか」

「僕に、何ができるって言うんだよ」

ガチャ 「ねぇ、まだなの?」

「……うん。まだ、ちょっと」

「早くしてよー」

「うん、もう少し」

「もー」 バタン

(何か、おかしい。何か。違和感がある。何だ、この違和感は?)


112 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:21:20.56 r03wniZh0 33/52

ガチャン 「いってきまーす!」

「はいはい、いってらっしゃい」

「ねぇ、何観る?」

「ああ。そうだなぁ……」

(何か、決定的ずれてるというか、勘違いをしてるような)

「ねぇ、聞いてるの?」

「ん、あぁ……ごめん」

「もう! 別にいいけど、ちゃんと聞いてよね!」

(本当に、ごめん。あんな事しちまって。許してもらえないけど、本当に、ごめん)

「少し、急ごうか。バスに遅れる」

「え、うん」


115 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:27:49.66 r03wniZh0 34/52

「危なかったよね、あのバス。もう少し遅かったら乗り遅れてたよー」

「まぁ、ね。それより、何を観るんだ」

「えーとね」

「ハゲのやつか? それとも、アニメか? それとも、世界滅亡の……あぁ!!」

「え、どっ、どうしたの? お兄ちゃん、そんなに観たいの、それ?」

「違う、違うんだ。そうだ、そうだよ!」

(あいつは24時以降に世界が滅んだって断言してたけど、僕はあいつに見せられた映像以外で、世界が滅んだのを見ていないんだ!)

「そうだ、そうだよ」

「? それ、観るの?」

「いや、それよりラブロマンスを観よう。お前、観たかったんだろ?」

「うん、そうだけど……どうして知ってるの?」

「なんとなくな」

「ふーん……ふふっ♪」

「はいはい、はしゃがないの」

「はーい♪」


119 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:48:07.08 r03wniZh0 35/52

「……お兄ちゃん」

「飲み物ないんだろ。買ってこいよ」

「う、うん」 スッ

(さて、と) スッ

「トイレに行きたいって気付いてくれればいいのに、もう!」 スタスタ

(今の所、問題はないな。あいつは、どこにいる?)

「……ブツブツ」

(……いたっ!)

「……そうだ、あいつは……あいつのせいで、俺は……」

「おい、お前っ!!」 ガシッ!!

「何だ?」

「お前は、世界を救うのか?」

「……この世界は、救えない。この世界に、神はいない。気付け、気付くんだ」

「何を言ってるんだ。僕が聞きたいのは、そんな事じゃ」

「気付け! 早く気付け! 気付かなくちゃ……ブツブツ」


122 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 07:52:55.15 r03wniZh0 36/52

「何だったんだ。妹の方とは、逆に行っちまった……」

「あ、お兄ちゃん! どうしたの?」

「いや……なんでもない? それより、飲み物は買わないのか?」

「え? あ、それは、だって……」 カァッ

「赤くなって、どうしたんだ?」

「知らないもん!」 スタスタ

「別に、トイレぐらい恥ずかしい事でもないだろ。まったく、何なんだか」

(さっきの奴、前と違ったな。本当に、ただの狂人だったのか? でも、それなら前と同じはずだし)

「あれ以上聞いても無駄だろうし、今は妹の側にいるとしよう」

(俺に妹の隣にいる資格は、もうないけど……この状況をどうにかするまでは)


125 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 08:04:13.47 r03wniZh0 37/52

「面白かったね!」

「あぁ、そうだな」

「だよね! ……あの、キスシーンとか……うぅ」 カァッ

「赤くなったり、赤くなったり、忙しい奴だな」

「だって、お兄ちゃんと一緒に、観たから……」

「? それがどうかしたのか?」

「……いいよ、もう」 スタスタ

「本当に、何なんだ?」

(あいつの様子も心配だけど、それより、この状況をどうするか、だ)

(世界は本当に滅びるのか? もし滅びるなら、どうしようもない。でも、滅びないとしたら……)

(滅びないとしたら、どうして、僕らは時間を戻ってるんだ? 何より、あの神様は、どうしてこんな事を?)

(……もしかして)

「お兄ちゃん!!」

「え?」

「……女の子とデートする時は、男の子がリードするのっ!!」


129 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 08:15:50.66 r03wniZh0 38/52

「満足してもらえましたか?」

「うむ、くるしゅうない」

(もう、5時か。映画終わった後に少し食べ歩いたら、もうこんな時間か)

「……ねぇ、お兄ちゃん」

「ん、なんだ?」

「何か、悩んでるの?」

「……どうして、そう思うんだ?」

「だって、朝からずっと変だし、私が話しかけても、返事、してくれないし」

「……うん、実はな。少し、悩んでる」

「私に、関係ある?」

「なくはない」

「そっか。私、力になれる」

「……お前は、ずっと力になってくれてるよ。側にいて笑ってくれるだけで、頑張ろうって思える」

「そ、っか。じゃ、私、笑う」

「うん、頼んだ」


137 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 08:28:24.36 r03wniZh0 39/52

「家に帰ってきたはいいけど、どうするかね」

(大体の検討は付いたというか、もし違ったら、もうどうしようもないな)

「でも、どうすればいいのか、さっぱりわからない」

コンコン 「……お兄ちゃん、入っていい?」

「ん、ああ」 ガチャッ

「ん。お邪魔します」

「どうぞ、何もない部屋ですが」

「本当に何もないね」

「はいはい、ごめんなさいね」

「謝るなら、今度からはお菓子とジュースくらいは準備すること」

「それは台所から持ってこい。……で、どうしたんだ?」

「……うん」

「本当、何もないからな。こんな部屋に来ても」

「なんか、不安なの。……お兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなりそうな気がして、怖いの」

「……僕は、僕だよ」


139 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 08:36:10.89 r03wniZh0 40/52

「わかってる、けど」

「……ほら、こっち来て」 クイクイ

「え」

「ここ」 ポンポン

「でも、もう私、子供じゃないもん」

「いいから。……嫌なの?」

「う、ううん! 嫌じゃ、ないもん」 ススッ ゴロンッ

「よしよし。お兄ちゃんの膝枕は気持ち良いか?」 ナデナデ

「うん……気持ち、良い」

「そうか。じゃ、目を閉じて、ゆっくりしていいからな?」 ナデナデ

「う、ん。……そう、する。…………すぅ、すぅ」

(確かに、僕が僕じゃなくなるかもしれない。また、あの時みたいにされたら、どうしようもない。でも……多分、やらない気がする)

「だってお前の望みは、そうじゃないだろ」

「……あぁ、確かにそうだね」


140 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 08:46:50.70 r03wniZh0 41/52

「ああ、やっぱりそういう風に出てくるんだな」

妹?「まぁ、ねぇ。それにしても、わかってる事を一々聞くのって、馬鹿馬鹿しくないの?」

「妹の口で、そういう物言いはやめてくれ」

妹?「って言っても、こっちが地だしね。あんな馬鹿丁寧な喋り方、神様の真似事でも、もうごめんだね」

「……黙れよ、悪魔」

悪魔「ふーん。君は、悪魔、と呼ぶんだね。呼び方なんて、どうでもいいけどね。そうだねぇ、参考までに聞いておこうか? 君の結論」

「……お前は、神様じゃない。なぜなら、万能じゃなく、ルールに縛られてるからだ。例えば、お前はこの世界に、直接干渉しない」

悪魔「趣味じゃないからね。それが許されるなら、この遊びは成り立たないよ」

「それに、意識の弱い時にばかり現れる。朝、起きたばかりの時や、気絶した時にしか現れなかった」

悪魔「面倒だからねぇ。遊びに本気になっても、面白くないだろ?」

「……最後に。お前は人を操るような薄汚いやり方をする、最低のクズだからだ。そんな奴が、神様であってたまるかよ」

悪魔「大正解。素晴らしいね。人間の癖に頑張ってるよ、本当に。誉めてあげたいくらいだ」

「嬉しくないな。お前みたいな奴に、誉められたって」

悪魔「あははっ、そうかい。ま、皮肉抜きにしても、ここまでは上出来だ。ヒントはあげたが、それだけじゃ大半の奴には辿り着けない答えだよ」


143 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:02:23.67 r03wniZh0 42/52

「大体、妹を……レイプして、世界が救われる理由がない。理屈も何もないじゃないか」

悪魔「そりゃそうさ。意味のある事なんか面白くないだろ?」

「何よりも、あの男や僕が、妹を襲った時の様子がおかしすぎた。あれは全部、僕に妹を襲わせるための罠だろうが」

悪魔「あー、うん。もうごたくはいいからさ、早く聞かせてくれないかな? わかってるだろ、僕が尋ねている事は」

「……それは」

悪魔「君は賢いねぇ。素晴らしいよ。ははっ! ……で、だから何なのさ? それがわかったから、何? 何か変わるのかい?」

「……」

悪魔「わかってるよね? それがわかったところで、君に何かを変える力がないことくらいさ。君は、自分の妹に何をした?」

「……それは、お前が」

悪魔「僕がけしかけた、と。それで君の罪が消えるのかい? 消えないよね。それは君自身が一番よくわかってるはずだ」

「……」

悪魔「さて、僕が答えを求める問いは、一つだけだ。君は、この世界を脱け出せるのか? これだけだ。無理だよねぇ。君には、絶対に」

「それでも、僕は、諦めない」

悪魔「勝手にしろよ。僕の箱庭で、好きに遊んでいればいいさ……ほら、お姫様が目覚めるぞ」


144 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:10:40.26 r03wniZh0 43/52

「……んっ。あ、おはよう、お兄ちゃん」

「……あぁ、おはよう」

「朝ぁ?」

「まだ、夜だよ。……11時だ」

「うん……夜なんだね」

「あぁ、まだ夜だよ。朝は、いつ来るかな」

「もう一回寝たら来るよ?」

「だったら、良かったんだけどな」

「?」

「あー。もう、どうしようもないのかね」

「……困ってるの?」

「あぁ、とっても困ってる」

「私が相談に乗るよ」

「お前が?」

「不満なの?」 プクー


146 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:17:24.91 r03wniZh0 44/52

「はいはい、頬を膨らませないの。可愛くなくなるよ」

「じゃ、やめる」

「よくできました」

「……ねぇ、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんの力になりたいの」

「……そう、か。じゃ、話そうかな」

「うんっ!」

「ある所に、仲の良い兄妹がいました」

「私とお兄ちゃんより?」

「同じくらい仲の良い兄妹がいました。そこに悪魔が現れました」

「どんな悪魔さん?」

「すっごく性格の悪い悪魔さん。この悪魔さん、仲の良い二人に不幸になる呪いをかけました」

「でも、二人でいたら、不幸にならないよ?」

「だからね、二人が……喧嘩するように、呪いを掛けたんだ」

「ひどーい!」

「あぁ、でもね、その呪いを解く方法がわからないんだ。どうすればいいのか、お兄ちゃんにはわからないんだ」


148 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:26:35.81 r03wniZh0 45/52

「簡単だよ!」

「ほ、本当か?」

「妹に相談すればいいんだよ。悩んでる時は、一人で悩まない方がいいの」

「……うん、この話のお兄ちゃんも、妹に相談したんだ」

「ふーん。でも、やっぱり簡単だよ?」

「……」

「あ、信じてないでしょ? 本当に簡単なんだからね!」

「へー」

「もう! そんなだから、お兄ちゃんにはわからないんだよ!」

「そうなの?」

「そうなの! 私の気持ちがわからないお兄ちゃんには、絶対にわからないの!」

「……そっか。それは、困ったな」

「しょうがないなぁ。ヒントをあげる! 仲の良い二人を見て、きっと悪魔は嫉妬したんだよ。あんなに仲が良くて羨ましいなー、って」

「? それのどこがヒントなんだよ」

「えー! お兄ちゃん、まだわかんないの?」


149 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:36:11.83 r03wniZh0 46/52

神様「そいつには一生わからないさ」

「おまえっ!」

「え?」

神様「何だよ、僕は約束の時間が近いから出てきただけさ。何も邪魔はしないよ」

「神様、なの?」

「違う! そいつは悪魔だっ!!」

悪魔「はいはい、こういう悪魔らしい姿をすれば満足かい? 人間ってのは面倒臭いね」

「この人、悪魔さんなの?」

「ああ。最低の悪魔だよ」

悪魔「悪魔に最高も最低もないと思うがね。さっ、いよいよ残り数分だ。君は、健闘虚しく敗れ去るのかな?」

「……くそっ」

「ねぇ、悪魔さん?」

悪魔「なんだい?」

「悪魔さんは、寂しいの?」

悪魔「寂しくないよ」


156 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:43:55.16 r03wniZh0 47/52

「じゃあ、どうして意地悪をするの?」

悪魔「楽しいからね」

「ふーん。でも、私は意地悪しても楽しくないよ。そんなのよりも、楽しい事があるもん!」

悪魔「そうかい」

「あのね、私はね」

悪魔「聞きたくない」

「お兄ちゃんといる時がね」

悪魔「やめろよ」

「一番楽しいの!」 ギュッ

「あ、おい、抱きつくんっ」 チュッ

「んっ……」 チュッ 

悪魔「ああ、くそっ、こんなおままごとのために僕はこの世界を作ったんじゃない!!」


世界が、真っ白い光に包まれた


157 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:50:00.25 r03wniZh0 48/52

「……ん、朝か」

「何か、妙に疲れてるな。昨日は、普通に学校行っただけだよな? ……なんだ、この疲労感」

ガチャ 「お兄ちゃん、何してるの?」

「うわっ、な、何って、何も、何もしてないよ!」

「? そんなに慌てて、どうしたの?」

「いや……なんか、お前の顔を見るのが、妙に恥ずかしいというか」

「そ、そうなんだ……本当は、エッチな事でも考えたんじゃないの?」

「バカ。そんなわけないだろ。それより、どうしたんだよ?」

「どうしたって……今日は映画に連れてってくれる約束でしょ? 忘れてたの?」

「ごめん、今起きたところだから」

「早く準備してよね。私、ずっと楽しみにしてたんだから」 バタン

「まったく、慌しい奴だな」


159 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 09:55:33.30 r03wniZh0 49/52

「もう、バス乗り遅れちゃったじゃない!」

「悪かったよ、さっきから謝ってるだろ?」

「許さないもん」

「でも、さっきのバス混んでたしさ、こっちの方が空いてるし、いいじゃん」

「膝枕」

「は?」

「今すぐ膝枕して」

「いや、周りよく見ろよ。少ないけど、人がいるだろ」

「ひーざーまーくーらー!!」

「わかったから、大声出すなよ」 ポンポン

「んーっ……気持ちいー……」

「わかったから、少し寝てろ。騒がれると恥ずかしいんだよ」 ナデナデ

「ん、うん……すぅ、すぅ」


160 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 10:01:26.32 r03wniZh0 50/52

「ねむいー……お兄ちゃんのばか」

「しょうがないだろ。バス停に着いちゃったんだから」

「……ねむいー」

「はいはい、いいから行くぞ。こっちな」 ギュッ

「んー……」

「ほら、映画館着いたぞ。どれ観るんだ?」

「お兄ちゃん観たいの観る」

「じゃ、ラブロマンス」

「……どうして?」

「お前、観たいだろ?」

「うん。すごい、なんかお兄ちゃんと私、通じ合ってるみたい」

「かもな」

「あははっ、すごーい!」

「……あのさ」

「なに?」


161 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 10:07:49.51 r03wniZh0 51/52

「ごめんな」

「どうしたの、急に?」

「いや、わからないけど、ごめん。とにかく、ごめん」

「……お兄ちゃん?」

「許してもらえなくていいけど、謝らなきゃいけない気がするんだ。僕は、お前に謝らなきゃいけない」

「……」

「ごめん。本当にごめん。僕は……」

「許すよ」

「え?」

「お兄ちゃんだから、許してあげる。他の人なら絶対に許さないけど、お兄ちゃんは許してあげる。特別だよ」

「でも、僕自身も何を謝ってるのか、わからないのに」

「なんでも許すよ? だって、お兄ちゃんだもん。でも、また謝ったら怒るから。私は許したんだからね」

「うん。……ありがとう」

「どーいたしまして」


162 : 以下、名... - 2010/05/24(月) 10:13:06.90 r03wniZh0 52/52

「あ」

「うん?」

「でも、一つだけ言いたい事があるの」

「なんだよ」

「こっそり言いたいの! 耳、近づけて!」 

「一体なんだよ」 グッ

「あのね……」 チュッ

「あ、おい!」

「早くしないと、映画始まっちゃうよ!」 スタスタ

「ったく……何顔赤くしてるんだよ、僕は。あ、おいっ、何も買ってかなくていいのか! 後で喉渇いても知らないぞ!!」 スタスタ




HAPPY END 「平和な日常」


記事をツイートする 記事をはてブする