妹「お兄ちゃん!」
男「な、なんスか?」
兄「告白なら他所でやれ!消えろ!」
男「なんだとー!」
バキッドカッ!
男「けっ!」
兄「…ち、ちくしょう」
妹「お兄ちゃん弱いくせに…もういいよ守ってもらわなくて」
兄「だめだ!ガキの頃からの約束なんだから…絶対守る!」
妹「は、恥ずかしいよ…大きな声で言わないで」
兄「お前は大切な妹だ!命に代えてでも守ってみせる!」
妹「よくそんな恥ずかしい台詞言えるね…」
兄「さぁ帰ろう。俺の背中を見つめておけ」
妹「いいよ…並んで帰ろうよ」
兄「俺から離れるなよ!妹は俺が守る!!」
妹「ただいまー」
兄「危ない!段差だ!」
ひょい!
妹「きゃ!触んないで!」
兄「よし!妹は無事だった!」
妹「お兄ちゃん家の中でも守らなくていいよ…」
兄「できない相談だ」
妹「もう!お兄ちゃんなんか嫌い!」
兄「待て妹!」
バタンッ
兄「いもうとーーー!いもうとよーーー!」ドンドンッ
妹「入ってこないで!」
兄「なぜそんなに嫌がる妹!俺はお前を守ろうと!」
妹「10年も前の話だよ!もう自分で生きていけるから!」
兄「嘘をつくな!お兄ちゃんがいないと何もできないだろう!」
妹「もうあっち行って!」
兄「い、妹」
妹「寝ちゃった…お兄ちゃん晩御飯できてるー?」
妹「あれ?リビングに誰もいない…」
妹「いいすぎちゃったかな?部屋でイジケてるのかな?」
妹「…わーい!久しぶりに好きなの作ろーっと!」
妹「お兄ちゃーん、ご飯できたよー」
シーン
妹「…寝ちゃったのかな?」
妹「お風呂入ろーっと!…あっ!」
―――
兄「待て妹!」
妹「きゃー!入ってこないでーーー!」
兄「火傷でもしたらどうする!温度を測りにやってきた!」
妹「あっちいってーーー!」
―――
妹「…」
しーん
妹「来ない…べ、別に来なくていいもん!ふんっ!」
妹「いい湯加減でした。あれ?」
妹「お兄ちゃんご飯食べてない…」
妹「お兄ちゃーん!ご飯冷めちゃうよー?」
しーん
妹「な、なんで返事してくれないの?」
妹「そ、そんなに傷ついちゃったのかなぁ?」
妹「!! …ま、まさか …自殺なんてしてないよね」
ダダダダダダダダダ!
妹「お兄ちゃーーーん!」
ドンドンッ!
妹「お兄ちゃん!?お兄ちゃーん!」
ガチャガチャ!
妹「お兄ちゃん開けて!生きてるなら返事してお兄ちゃん!」
ドンドンッ!
しーん
妹「お、お兄ちゃん… あの、言い過ぎちゃってごめ… はっ!」
―――
妹「ごめんねお兄ちゃん。いつでも守ってくれていいから」
ガチャ!
兄「そう言ってくれると思ってたぞ妹!わっはっはっはっは!」
―――
妹「…その手には乗らないよお兄ちゃん!一生引き篭もってなさい!ふん!」
すたすたすた!
翌日
妹「んー…おはよーおにいちゃ」
妹「あれ?…いない。お兄ちゃーん?」
妹「学校遅刻するよー?」
しーん
妹「…もう勝手にして!お兄ちゃんなんか大嫌い!」
妹「…いってきまーす」
すたすたすた
妹「…ちょっと、身の周りが寂しいかな」
すたすた
妹「…」
すたすた…すたたたたたたたたたたた!
妹「ふぅ、ふぅ…」
妹「走っても怒られない…」
妹「追いかけてこない…」
妹「わーい!」
すたたたたたたたたたた!
先生「で、あるからしてー」
友「ボソ…妹、珍しく今日は糸電話ないね」
妹「え?」
―――
兄「おい妹。2分に一回は安心メールしてこい」
妹「なにそれ?」
兄「2分以上連絡がなかったら即この教室に駆け込むからな。」
妹「や、やめてよ!授業中は絶対だめ!」
兄「ではいつでもお前の声が聞けるよう糸電話を隣の校舎から繋げておく」
兄「2分に一度は「妹でした」と伝えろ」
妹「ちゃんと授業受けてよ…」
―――
妹「…うん。もう繋ぐこともないから」
友「ふーん」
池面「妹さん」
妹「は、はい」
友「わっ!学校一池面の池面くんだ!」
池面「あの、ちょっと話あるんだけどいい?」
妹「え?でも…」
友「ボソ…私のことはいいから!いっちゃえいっちゃえ!」
池面「話、いい?」
妹「え…は、はい」
池面「実はその… 一目惚れしてしまいました」
妹「…(いつものお兄ちゃんならここに割って入るけど)」
池面「あの、聞いてる?」
妹「え?」
池面「あの…僕とお付き合いしてください!」
妹「!」
池面「す、すぐに返事をくれとは言わない!」
妹「…(お兄ちゃん告白されちゃったよ?…なんで出てきてくれないの?)」
友「おかえりー! どだった?」
妹「うん…」
友「告白されたの!いーなーー!」
妹「…」
妹「ただいまー」
しーん
妹「お兄ちゃん?」
ドンドンッ
妹「まだイジケてるの?」
妹「…あのね!今日池面くんに告白されちゃったんだ!」
妹「どうしよーかなー?付き合っちゃおうかなー?」
しーん
妹「…もういいよ!」
prrr
妹「…あ、もしもし あの…池面くんいますか?」
池面「あ!俺だよ!考えてくれた!?」
妹「あの… ごめんね…付き合えない」
池面「え!?ど、どうして!?」
妹「ごめんね…」
池面「ごめんじゃわからないよ!理由言ってくれ!!」
妹「とにかくごめんなさい…ごめんなさい」
池面「ちょ、ちょっと待ってよー!俺こんな池面だぜ!?」
池面「勉強もスポーツも性格もトップクラスだし金だってあるし!!」
妹「ごめんね…見た目とか、そういうのじゃないの」
池面「…はっ!!やっぱりそうかよ」
妹「え?」
池面「お前、自分の兄貴が好きなんだろ」
池面「学校中ウワサだぜ? お前と兄貴がデキてるってよ」
妹「な、なにそれ…」
池面「もちろん勘違いじゃねーよな?本当なんだろ?噂じゃなくってよーーー」
妹「つ、付き合ってないもん!」
池面「まさかテメーの兄貴なんかに5冠王の俺が負けるとは…胸糞わりー」
妹「…」
池面「俺を告白したことも噂になってるみてーだし…お前明日学校でイジメられんぜ?
池面「しかも、フッたんだからなーーー!暴力どころじゃすまねーーかも知れねーーぜーー!」
妹「や、やめてよ!」
池面「せーぜー兄貴に守ってもらいな!じゃーーなーーー」
ガチャ!
妹「そ、そんな…お兄ちゃん…?」
だだだだだだだだだだだだ!
妹「お兄ちゃん!お兄ちゃーん!」
妹「!」
妹「…今更助けてなんて言えないよ」
妹「…池面くん …冗談言ったんだよね」
妹「明日…もう一回ちゃんと謝ろう」
翌日
妹「…今日もお兄ちゃん顔見せない…」
妹「ご飯も食べてないし…お兄ちゃん」
妹「…!」
女A~Z「にやにや」
妹「なんだろう…雰囲気違う… !!?」
ガッ!
妹「っ!」
女「ごめーんボールとってー」
ぽたっ
妹「…血」
すたすたすた
女「ごめーんねーいたかったー?」
妹「…」
女「ごめんねーーわざと投げたら顔面にあたっちゃったーーー」
妹「…だ、大丈夫です」
女「そっ 大丈夫ならよかったーーー じゃねーーー」
妹「…」
友「!? どうしたの妹!」
妹「ううん…なんでもないよ。転んだの。」
友「転んで鼻血なんか…保健室いこ?」
妹「ほ、ほんとに大丈夫だから…」
友「大丈夫じゃないって!ほら行こうっ!」
妹「友、ほんとに大丈夫だから…心配しなくても―――」
友「…いいから来いよ、…なぁ」
妹「!」
友「来いって…」
妹「…はい」
ドンッ!
妹「痛…っ!」
友「せっかく池面くん譲ったのに…何フッてんのあんた?」
友「そんなにお兄ちゃんが恋しいわけ?もしかしてもうセッ○スしたとか?」
妹「…しない」
友「いつもあんた見てたからわかるけど…兄貴とばっかツルんでんじゃん」
友「兄貴以外考えられないでしょ…もうヤッてるとしたら」
妹「してない!ほんとにお兄ちゃんとは何にもないの!信じて友!」
妹「友が池面くんを好きなことも知ってた!だから私…」
友「なにそれ?情けでもかけたっていうの?最低…人をなんだと思ってんの?何様?」
妹「友…ごめんなさい」
友「謝らないでよ。私が悪いみたいじゃない。なにあんた、いつまでヒロインぶってんの?」
友「もうあんたなんか知らない。」 すたすたすた
妹「友…友ぉ…」
ガラーーー
女「妹さーーん。ちょっとこっちきてーーー」
妹「…」
女1「呼んでんじゃーーーん早く行きなよーーー」
女2「あははははははははは」
妹「…友」
友「えーーーあの先輩はないってーーー」
女3「きゃははははは」
妹「…お兄ちゃん」
女「早くきてよーーー昼休みおわっちゃうーーー」
体育館裏
妹「…なんですか?」
女「池面君に告られた気分、どうだったーーー?」
女4「にやにや」
女5「にやにや」
妹「…」
女「池面くんにあんな思いさせた恨みもあるんだけどさーーー」
女「それ以前に前からあんたが気にくわなかったのよねーーー」
女「ねーーーこれ、なんだと思う?」
妹「…竹刀?」
バシッ!
妹「ッ!」
バシッバシッ
女「きゃははーーーーーははーーーーー!!どうーーーいたいーーーー!?」
女「痛いなら痛くないっていってーーーーー!!」
女「痛くないなら痛いっていってーーーーー!!」
女「ねーーーーどうなのーーーー!?解釈できるーーーーー!?ねーーーーー!?」
女「きゃはーーーーはーーーーはははーーーーー!!!楽しーーーーーーー!!!」
バシッバシッ
女4「やれやれー!」
女5「頭はやめときなよ女ーーーきゃははーーー!」
バシッバシッ
妹「ッ!ッ!(お兄ちゃんが助けにきてくれる!助けにきてくれるもん!)」
バシッバシッ
妹「(お兄ちゃんは…ヒーローなんだもん!)」
妹「お兄ちゃん助けて…!助けて!!お兄ちゃーーーーーーーーーーーん!!!」
女「ひゃっはははーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
バキッ!
妹「ッ!?」
…どさっ
女「あ、あれ…?」
女4「ちょ…!頭殴っちゃまずいっていったじゃん!!」
女5「ねえ動かないよ!?やばいよ!!逃げよ!!」
・
・
・
助けにきて…くれなかった…
ずるっ
妹「う…うう…」
・
・
・
なんだろう…なんか地面ぬるぬるしてる…
ずるっずるっ
妹「あううあああ…」
・
・
・
なにこれ… バッドエンド…?
・
・
―――
友「いつまでヒロイン気取りなのよ」
―――
・
・
あーーーそっか…お兄ちゃんきてくれると思ってたんだっけ…
・
・
・
妹「…か、帰らなきゃ…おうち…お兄ちゃん…」
ずるっずるっ
妹「お兄ちゃん…見て…私こんなんだよう…」
ずるっずるっ
妹「死んじゃうよう…やだよう死にたくないよう…」
ずるっずる…
ガチャ
妹「はぁ、はぁ…おうち着いた…お兄ちゃん、お兄ちゃん…」
ずるっずるっ
妹「もうすぐ…もうすぐお兄ちゃんの部屋…見て…お兄ちゃん私を見て…ねえ…」
ドンドンッ
妹「お兄ちゃん…開けて?おにいちゃ…」
ドンドンッ
妹「おにいちゃ…おにいちゃ…」
ドンドンッ
妹「おにいちゃ…おにいちゃ…」
ドンドンッ
妹「おにいちゃ…おにいちゃ…」
ドンドンッ
妹「おにいちゃ…おにいちゃ…」
ドンドンッ
妹「おにいちゃ……おにいちゃ…」
ドン、ドンッ
妹「おにいちゃ……おにい、ちゃ…」
ドン
妹「……………」
…ガチャ
兄「・・・」
兄「妹に近づくな!」
妹「…!」
男「な、なんスか?」
兄「告白なら他所でやれ!消えろ!」
妹「あ、あれ?」
男「なんだとー!」
バキッドカッ!
男「けっ!」
妹「…」
兄「…ち、ちくしょう」
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「くそ!また負けてしまった!こんな力では妹を守れない…妹!無事か!?」
妹「おにいちゃ…お兄ちゃーーーーん!!」
ぎゅ!
兄「な、なんだ!?いったいどうしたというんだ妹!!?」
兄「…おい妹。俺はお前が何をいっているのかさっぱりわからない。」
妹「だ、だから!私死んだんだよう!」
妹「それで何故かまたここに戻ってきて…それから」
兄「まて。俺が部屋に引き篭もって守るのをやめた、といったな」
兄「ありえん話だ。まったくもってありえん!!そしてよくわからん!!」
妹「私もワケわかんないよー!なんで戻ってきたのか…」
兄「ふむ。つまり妹、お前は疲れているのだ。家に帰ろう、話はそれからだ。」
妹「ただいまー …!!!」
兄「危ない!段差だ!」
サッ!
兄「なぜよけた!?」
妹「…やっぱり同じだ」
兄「まるで未来でもわかるような言い方だな妹よ!」
妹「お兄ちゃん…家の中でも守らなくていいよ」
兄「できない相談だ」
妹「できない相談だ」
妹「…うん。やっぱり…」
兄「待て妹!なぜ俺の言ったことがわかった!!」
妹「本当ならね…ここで私が怒って部屋に入っちゃうの」
妹「それからお兄ちゃんに色々文句言って…そしたら」
兄「?」
妹「…ううん。なんでもない。…ご飯にしよ?」
兄「なんだ気になるじゃないか!最後まで言いたまえよ!」
妹「お腹空いちゃった!今日は私が作っていい?」
兄「いかんいかん。俺の仕事を奪わないでくれないか。」
妹「今日くらいいいでしょ?だめ?」
兄「むむ!そんな目で見るんじゃない!しょーのない妹だ!!」
妹「もぐもぐ。おいしいね!もう一生食べれないかと思っちゃった!」
兄「…」
妹「もぐもぐ …なーにお兄ちゃん?」
兄「妹よ。ちょっとお兄ちゃん気になってしまったぞ。」
妹「んー?なにがー?」
兄「経緯だ。ここでお兄ちゃんに文句をうんたらかんたらが気になる。」
妹「…うん」
妹「―――引き篭もって…」
妹「―――2日間…」
妹「―――池面くん告白…」
妹「―――池面くんに電話…」
妹「―――女の子集団で…」
妹「…死ぬ」
兄「それが本当だとすればまさに大変なことだ。」
妹「明日になんないとわかんないけど…でも…」
兄「安心しろ妹!お兄ちゃんが命に代えても守ってみせる!!」
妹「…久しぶりに聞いたなぁ」
兄「ん?」
翌日-2回目-
妹「…周りも最初と何の変わりもない」
兄「よし、では行こう。お兄ちゃんの背中を見つめて―――」
すたたたたたたたたたた!
兄「まてーーー!またんか妹ーーー!」
妹「!」
兄「走るな!事故でも起こしたらどうする!!」
兄「ちゃんと左右確認して徒歩でゆけ。」
妹「あ …そっか」
友「妹っ!おはよー!」
妹「!!」
友「? どうしたのそんな驚いた顔してー」
妹「う、ううん!なんでもないよ!」
友「おにーさんもおはよっ!」
兄「うむ。」
友「相変わらず仲いいよね二人とも!もしかして付き合って(ry」
妹「ないない!絶対ないよ!?友!もうおかしな勘違いしないで!ね!?」
友「…う、うん…?」
兄「そんな否定せんでもいいじゃないか」
先生「で、あるからしてー」
友「ボソ…妹、相変わらず糸電話ばっちりねー」
妹「え?」
友「糸電話だよ!2分に一回でしょ?妹も大変ね!」
妹「…うん。」
妹「…ボソ 妹でした」
友「ぷっ!」
妹「///」
妹「(あ…この時間って)」
池面「妹さん」
妹「(きた…!)」
友「わっ!学校一池面の池面くんだ!」
池面「あの、ちょっと話あるんだけどいい?」
妹「(私はありません!…じゃだめだよね、ど、どうしよう)」
友「ボソ…私のことはいいから!いっちゃえいっちゃえ!」
池面「話、いい?」
妹「え…は…は(ry」
兄「なんだね君は」
池面「え?」
兄「お兄ちゃん!」
池面「え!?こ、この人が!?」
兄「用があるなら俺を通してからにしてもらおうか池面」
妹「お兄ちゃん…///」
池面「い、いやその…と、友ちゃんちょっといいかな!あはは…!」
友「え!?私!?いきますいきますーーー!」
すたたたたっ
兄「妹、大丈夫か?」
妹「ありがとうお兄ちゃん」
兄「ふむ。たしかにお前が言った通り池面が現れたな。」
妹「これで多分…池面くんに電話をすることはなくなったと思うけど…」
妹「そっか…これって運命を変えるってことなんだね」
兄「しかしこの先がわからなくなってしまったぞ。」
妹「大丈夫だよ!未来なんてわからない方がきっといいもの…」
兄「さあ、アフターに行こう」
妹「うん」
ボソボソ…
妹「?」
いっつもだな…
ガチで付き合ってるんじゃねーの?
毎日同じベッドで…
近親…
妹「…あ」
―――
池面「学校中ウワサだぜ? お前と兄貴がデキてるってよ」
妹「な、なにそれ…」
池面「もちろん勘違いじゃねーよな?本当なんだろ?噂じゃなくってよーーー」
妹「つ、付き合ってないもん!」
―――
妹「…」
兄「どうした妹。」
妹「う、うん…」
兄「はっはっはっはっは!」
妹「笑い事じゃないよ!」
兄「俺とお前が付き合っているかだって!おもしろい!実におもしろい!」
妹「噂になってるんだよ!笑い事じゃないでしょ!」
兄「俺にとっては好都合だ。お前を如何わしい目で見る男どもから守る糧となる!」
妹「…池面くんの例があるんだけど」
兄「む、そうか。あいつは特別だったな。」
兄「つまり自分のステータスで俺から寝取れると考えていたのだ。最低だ。死ね。」
妹「そんなことよりどうするの!?このままでいいのお兄ちゃん!」
兄「心配するな妹。所詮ただの噂だ。俺たちは付き合ってなどいない。」
妹「…うん。…付き合ってない、よね。」
妹「ただいまー」
兄「うう!俺はおしっこ漏れてしまうぞ!」
だだだだだだだっ!
妹「あはは!」
prrrr
妹「もしもし?」
池面「あ!妹さん?あの…池面だけど」
妹「え…?」
池面「ごめんね急に…あの…言いたいことがあってその(ry」
ガチャ!
妹「な、なんで…!?」
prrrrr prrrrr
妹「ごくっ …もしもし」
池面「あ!待ってきらないで!すぐ終わるから!」
妹「な、なんでしゅか?」
池面「あの…電話でこういうのもなんだけど… 俺、君のことが好きなんだ!」
妹「ちょ、ちょっと待って… ボソッ お、お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
兄「なんだーーー!今お兄ちゃん小便が止まらんおだーーーー!!」
妹「あ、うう…」
池面「すぐ、返事がほしいんだ…答えて妹さん…」
妹「(結局ここに行きついちゃった…どうしたらいいの…どうしたら…)」
池面「ねえ…早く答えてくれよ…」
池面「付き合ってくれる…?無理?ねえどっち?どっちなの?ねえ?ねえ?」
池面「俺は君を守るよ絶対にね。命がけで守るよ。一緒になってよ。」
池面「ずっと好きだったんだ…ほんと君が幼女だった頃からずっと見てきたんだ…」
池面「いいだろ?顔、性格、成績、スポーツはトップクラス。金だってある。」
池面「何不自由させないよ…?」
妹「い、いや…やめて…」
池面「もしフラれちゃったら俺、ショックだなーーーあっはは」
妹「(ここで断ったら…また…)」
池面「ねえ!!聞いてる!?付き合ってよ!!俺の女になれよ!!」
妹「… …」
池面「おい!!!」
バッ
兄「またお前か」
妹「! お兄ちゃん!」
兄「いい加減諦めろ。妹はお前などに興味はない。」
池面「…はっ!!やっぱりそうかよ」
兄「…」
池面「お前、自分の妹が好きなんだろ」
池面「学校中ウワサだぜ? お前と妹がデキてるってよ」
兄「ほーう」
池面「もちろん勘違いじゃねーよな?本当なんだろ?噂じゃなくってよーーー」
兄「だったら何だ?」
池面「まさか妹の兄貴なんかに5冠王の俺が負けるとは…胸糞わりー」
兄「…」
池面「俺を告白したことも噂になるぜ…?お前の妹、明日学校でイジメられんぜ?」
池面「しかも、フッたんだからなーーー!暴力どころじゃすまねーーかも知れねーーぜーー!」
兄「妹は俺が守る。それだけだ。」
池面「せーぜー守ってやりな!じゃーーなーーー」
ガチャ!
兄「…」
妹「…? お兄ちゃん?なんだったの?」
兄「うむ。ビビってきりよった。弱虫な池面であった。」
翌日-2回目-
すたすたすた
兄「…」
妹「お、お兄ちゃん待って!なんで今日はそんなに急いで歩くの!?」
妹「ご飯も食べなかったし…ねえ、お兄ちゃん!」
妹「…!」
女A~Z「にやにや」
妹「あ… これ…」
兄「…! 危ない妹!!」
ガッ!
妹「っ!」
女「ごめーんボールとってー」
妹「お兄ちゃん!」
ぽたっぽたっ
兄「…いたい。」
すたすたすた
女「ごめーんねーいたかったー?」
兄「…」
女「ごめんねーーわざと投げたら顔面にあたっちゃったーーー」
兄「…だ、大丈夫…」
女「そっ 大丈夫ならよかっ(ry
兄「んなわけねーーーーーだろおおおおおおお!!!!!」
バキッ!!!
女「ぼはっ!!!」
妹「えーーーーーーーー!?」
兄「てめーーー…妹にあたるとこだったろーーーがあああああああ!!!」
女A~Z「きゃああああああああ!」
女「ひ、ひいーーー!」
兄「わざと狙っただとーーー…いい度胸しとるじゃないか、ええーーー!?」
すたすたすたすた
妹「…」
女「ひっ!ち、ちがう違うの待って!池面くんが…」
兄「俺は嫌いなものが二つある!一つは嘘!!!もう一つも嘘だーーーーーー!!!」
女「きゃあーーーーーーー!!!」
兄「待てーーーーー!!!」
だだだだだだだだだだっ!
妹「…お兄ちゃんつおい」
すたすたすた
兄「はあ、はあ…」
妹「お、お兄ちゃん大丈夫?…女ちゃんは?」
兄「殺した。」
妹「そんな殺さなくても…!」
兄「冗談に決まってるだろう妹。ほら遅刻するぞ。」
友「あ!お、お兄さんどうしたの!?血が出てる!」
兄「うむ。ボールを当てられてしまったのだ。」
友「ほ、保健室いこ!?そうした方がいいって!」
妹「(ラッシュ…)」
兄「いやいい。いきたくない。」
友「だめだって!妹もそう思うでしょ!?」
妹「え?」
兄「いいといっとろーが。しつこい女だ貴様は。」
友「…いった方がいいっていってるじゃん」
妹「!」
兄「いかん」
友「いけよ」
兄「いや」
友「いけって」
兄「やだ」
友「いけ」
妹「(…私もこうすればよかった…)」
妹「と、友!大丈夫!私がつれてくから!」
友「いけーーーーーーー!!!」
兄「いかーーーーーーん!!!」
ずささささささささっ
兄「…邪魔だ包帯など。」
妹「凄いねお兄ちゃん。なんかギャグみたいだった。」
兄「おもしろかった?」
妹「おもし… …ふふ」
妹「私…1回目あんな風に回避できなかった」
兄「俺だからできることだ」
妹「うん… …ぐすっ」
兄「なぜ泣く妹よ。」
妹「心配だった…もしかしたら、今度死ぬのはお兄ちゃんじゃなかったのかって…」
妹「一回目は私で…二回目はお兄ちゃん…」
兄「俺は死なん。お前に大切な男ができるまで死なん。」
妹「…お兄ちゃん」
ぎゅ
兄「? なぜ抱きつく。」
妹「わからない…でもこうした方がいいような気がして…」
兄「じゃあそうしていろ。」
妹「うん…」
兄「…」
妹「お兄ちゃん…」
兄「なんだね?」
妹「私のこと…好き?」
兄「妹としてか?」
妹「女として…」
兄「お、おいなんだね妹…その目は。」
妹「お兄ちゃん…」
兄「なにを考えてる妹!そんな風に育てた覚えはないぞ!!」
妹「お兄ちゃん…」
兄「…こ、これは… 回避できんのか?」
妹「うん」
ちゅ
兄「ま、待て妹!早まるな!!」
妹「だって…」
兄「ここは保健室だ!しかももう授業が…」
妹「大丈夫だよ…」
兄「俺はお前の兄だ!こんなことしてはいかんのだ!!」
妹「お兄ちゃん…」
兄「あとで後悔することになる!!やめろ妹!!考えなおせ!!」
ギシッ!
妹「お兄ちゃん…」
兄「だめだっていってるだろーーー!!」
バッ!
妹「きゃ!」
兄「こんなことする為にやり直しにきたんじゃないだろう妹!!」
妹「…」
兄「俺にはできん…すまん妹。」
妹「…がんばったのに」
妹「こんなことまでして頑張ったのに…!」
妹「もういいよ!お兄ちゃんなんか…大っ嫌い!!!」
兄「妹!待て!!おい!!!」
妹「…ぐすっ」
女「いーもーうーとーちゃーーーーーーん」
体育館裏
妹「(また…ここにきちゃった…)」
妹「…なんですか?」
女「さっきは痛かったわーーーお兄さんに殴られてーーー」
女4「にやにや」
女5「にやにや」
妹「…」
女「お兄さんの件もあるけどさーーー」
女「それ以前に前からあんたが気にくわなかったのよねーーー」
女「ねーーーこれ、なんだと思う?」
妹「…知らない」
バシッ!
妹「ッ!」
バシッバシッ
女「きゃははーーーーーははーーーーー!!どうーーーいたいーーーー!?」
女「痛いなら痛くないっていってーーーーー!!」
女「痛くないなら痛いっていってーーーーー!!」
女「ねーーーーどうなのーーーー!?解釈できるーーーーー!?ねーーーーー!?」
女「きゃはーーーーはーーーーはははーーーーー!!!楽しーーーーーーー!!!」
バシッバシッ
女4「やれやれー!」
女5「頭はやめときなよ女ーーーきゃははーーー!」
バシッバシッ
妹「ッ!ッ!(もうやだよ…また死んじゃうの…?)」
バシッバシッ
妹「(どうすることもできない…結局は死んじゃう運命なの…?)」
妹「やだ…やだよ…助けて…助けて!!お兄ちゃーーーーーーーーーーーん!!!」
女「ひゃっはははーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
バキッ!
女「ッ!?」
…どさっ
女4「な…」
兄「しつこいなお前らも」
女5「またアンタ…」
妹「お兄ちゃん!」
兄「よう妹よ。ヒーローは遅れて現れる。お前がピンチになるのをずっと見てたのだ。」
妹「み、見てたの…?」
女5「お、女の喧嘩に割り込んでこないでよ!!」
兄「それがどうした。俺は女にしか手を出せない最低な兄だ。それだけだ。」
女4「かっこよくないわよ!!女、大丈夫!?」
女「調子のりやがってこのクソきょーだいがああああ…」
兄「妹よ!今のうちに逃げるんだ!ここは俺にまかせろ!!!一度言ってみたかったー!!」
妹「お兄ちゃん!」
兄「心配するな。行け。」
妹「はあ、はあ、…あ!せ、先生!!」
先生「どこだ!?」
妹「こっちです!」
妹「お兄ちゃん!!」
先生「!?…なんだこれは」
妹「…!! …なに、この血… お兄ちゃん?どこ…?」
先生「おい!これは… !? おい妹くん!!」
だだだだだだだだっ
妹「お兄ちゃん!?まさか…」
自宅
妹「お兄ちゃん!?…いや…こんな…血…」
ガチャ!
妹「!」
兄「…ふっ。妹よ。」
妹「いやああああああああ!!お兄ちゃん!!」
兄「うるさいなお前は…。学校はどうした、まだ途中だろう…。」
妹「どうして…どうしてジッとしてなかったの!」
兄「まさか女どもの裏であんな男どもが潜んでいたとは…無念。」
兄「急いで逃げ帰ってきたというわけだ…」
妹「そんな…びょ、病院…いや、お兄ちゃんが…お兄ちゃんが…」
妹「待っててお兄ちゃん…!今病院に電話するから!」
だだだだだだだだっ
兄「ま、待て妹…俺は…」
兄「ふっ。…こんな所では死ねんのに…」
兄「まだまだ妹を守る使命が… うう、いたい。」
兄「ああ…お前の花嫁姿の横に…誰が立つ…」
兄「………」
兄「………」
―――ドンドン、ドンドン
…なんだ?
ドンドンッ
おにいちゃ…おにいちゃ…
ドンドンッ
兄「…妹?」
ドンドンッ
おにいちゃ…おにいちゃ…
兄「…妹」ずるっずるっ
おにいちゃ……おにい、ちゃ…
ドン
兄「い、妹…!」
…ガチャ
兄「…」
妹「…」
兄「妹…」
妹「…」
ぎゅ
兄「…大丈夫。…もう、大丈夫だ妹。」
―――
兄「…」
妹「お兄ちゃん…!」
男「あ、あの…なんすか?」
兄「…もう未来のこと知ってんだろ妹」
妹「え…?」
兄「なーに大丈夫だ。未来を完全に知ってるもん同士。怖いもんなんかないぞ。」
妹「…今度は死なないでよ!」
兄「お互い様だ。」
おっしまーい