~日曜日。赤座家~
あかり「最近ちょっとずつ暖かくなってきて少し春っぽくなってきたなぁ……」ポーッ
あかり「でも、今日は何の予定もないし……」
あかり「うーん、ちょっとお散歩でも行こうかなぁ……」
ピンポーン
あかり「わわっ、誰だろ……、ちなつちゃんかな?」
あかり「はーい、今行きまーす!」アッカリアッカリ
~玄関~
櫻子「あかりちゃーん! あーそーぼっ!」
あかり「あれ……、櫻子ちゃん、どうしたの?」
元スレ
あかり・櫻子「日曜日!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1362477044/
あかり「えっと……、櫻子ちゃんがあかりの家に来るなんて珍しいね?」
櫻子「いやー、家でゴロゴロしてたらねーちゃんにほっぽり出されちゃってさ」
櫻子「向日葵は家族で出掛けちゃってたし、どうしようかなーって思ったけど」
櫻子「そこで、あかりちゃんの顔がパッと思い浮かんだってわけ!」
櫻子「それにあかりちゃんと一緒ならさ、何をやってても楽しそうだから!」
あかり「そ、そっかぁ……。そう言って貰えるのは嬉しいなぁ……」テレテレ
櫻子「で、あかりちゃん、今日は遊べるかな?」
あかり「ええっと、あかり今日はすることなくて……」
あかり「ちょっとお散歩でも行こうかな~って考えてたんだけど……」
櫻子「よし、それで決まり! あかりちゃん、一緒に行こう!」
あかり「え? でも……、そんなに楽しくなんて……」
櫻子「いやいや、今言ったじゃん! あかりちゃんと一緒なら何をしたって面白そうって!」
櫻子「だからさ、とりあえず外に出て、それから色々考えていこうよ!」
あかり「う、うん!」
あかり(ぶっひぇ~、櫻子ちゃんのペースにもう引っ張られちゃってるよぉ……)
あかり(でもそんな櫻子ちゃんがいるから……、毎日教室でも皆楽しそうなんだよねぇ)クスッ
………
櫻子「う~ん、いい天気だね、あかりちゃん」ノビッ
あかり「うん……」ニコッ
櫻子「……」ソーッ
櫻子「そりゃっ!」ギュッ
あかり「わわっ!? さ、櫻子ちゃん……?」
櫻子「うーん、あかりちゃんの割り箸を渡す手つきとか」
櫻子「ボタンの縫い付けをする手つきに熟練の技を感じるというか……」
あかり「?」
櫻子「その秘密がもしやこの手に秘められて、と思ったけど……」
櫻子「うん。普通の手だね」ケラケラ
あかり「あ、当たり前だよぉ、櫻子ちゃん」
櫻子「でもさ、手を繋いだ時」
あかり「?」
櫻子「すっごく気持ちがふわっとした!」
櫻子「なんかさ、こうやってると面白いことは二倍って感じがする!」
あかり「そ、そうなのかなぁ……」
櫻子「ボーナスタイム突入!」ドヤッ
あかり「櫻子ちゃん……、それ何かのゲームの台詞?」
櫻子「ありゃりゃ、バレたか……」
櫻子「でも……、気持ちがふわっとしたの、それは本当だよ!」ニコッ
あかり「そっか……」ニコッ
櫻子「あ……」
あかり「どうしたの?」
櫻子「いや、私とあかりちゃんって、背同じくらいだったんだなーって」
あかり「うん……、そうだねぇ」
櫻子「……」
あかり「……」
櫻子「あー何と言ったらいいのかな……」
あかり「?」
櫻子「なんかさ、あかりちゃんと似てるとこあるんだって思ったら、ちょっと嬉しいなって」ニコッ
あかり「うん……」ニコッ
櫻子「あ……」
あかり「今度はどうしたの?」
櫻子「……」ジーッ
あかり「?」
櫻子「いや、あかりちゃんってお団子が真っ先に印象に残るけどさ」
櫻子「その、ピョコンと跳ねてる髪の毛も可愛いな~、って思って」
あかり「そ、そっかぁ」
櫻子「うーん……」フム
あかり「櫻子ちゃん?」
櫻子「いや、そのピョコンと跳ねてる髪の毛っていつもどこかで見てるような……?」
あかり「?」
櫻子「……あ!」
あかり「な、何かわかったの?」
櫻子「わかった! 杉浦先輩に似てるんだ!」
あかり「あ、そういえば……」
櫻子「うーん……、私も真似してみよっかな?」
あかり「え?」
櫻子「いや、真似したら私もあかりちゃんと杉浦先輩みたいになれるのかなーってさ」
あかり「うーん、髪型は関係ないと思うなぁ……」
櫻子「そっかぁ……」
あかり「あ、でも……」
櫻子「?」
あかり「なんだか杉浦先輩とちょっと似てる部分があるって思ったら、少し嬉しかったかも……」ニコッ
櫻子「あっ、さっきの私とおんなじだね!」ケラケラ
あかり「杉浦先輩、かっこよくてハキハキして……、憧れるなぁ……」
あかり「あかりもあんな感じになれたら……」
櫻子「いやいや、あかりちゃん、そんなこと思わなくってもさ」
あかり「え?」
櫻子「あかりちゃん、もう既にかっこいいじゃん! 自信持ちなよ!」
あかり「そ、そんなこと……」
櫻子「何と言うか……、人を助けてるあかりちゃんって、すごくかっこいい!」
あかり「そ、そうなのかなぁ……」テレテレ
櫻子「あ、漫画とかゲームでよくあるけどさ」
櫻子「なんかさ、良いことをしてる人なのに辛い思いするのって、わかんないなーって、思うようになったんだよね」
あかり「あ、確かに……」
櫻子「良いことをしたら、その分良いことが戻ってきたっていいじゃん、ってさ」
あかり「うん……、そうだねぇ」
櫻子「うーん、だからその……」
櫻子「あかりちゃんには、ずっと優しくてかっこいいままでいてほしいなーって……」
あかり「うーん……、でも……」
櫻子「あかりちゃん……、まだ目立たないなんて気にしてるの?」
あかり「う、うん……」
櫻子「大丈夫だって! 私が保証するからさ!」
櫻子「それにあかりちゃんを悪く言う人なんていないし、もしいたら私が怒ってあげるから!」
櫻子「だからあかりちゃん、胸を張りなよ! すごくスッとするからさ!」シャキッ
あかり「うん……!」シャキッ
あかり「あ、確かにスッとしたかも……」ニコッ
櫻子「……」ジーッ
あかり「櫻子ちゃん、どうしたの?」
櫻子「あ、いや、何でもないよ?」アタフタ
あかり「?」
櫻子(ま、まさか……)
櫻子(あかりちゃんのおっぱい……、私より少し大きい……?)グヌヌ
あかり「……」グーッ
櫻子「……」グーッ
櫻子・あかり「あ……」
あかり「えへへ……」
櫻子「うん……。同時だったね」ケラケラ
櫻子「何か食べに行こうか」
あかり「うん」
櫻子「あ……」
あかり「どうしたの?」
櫻子「いや、ちゃんと遊びに行こうって確認とっておけたら、家から何か持ってきて」
櫻子「このぽかぽか陽気の中でお昼食べられたのに、って思ってさ」
櫻子「それに、突然あかりちゃんの家に行って悪い事しちゃったかな、って……」
あかり「そんなことないよぉ。あかり、櫻子ちゃんとお話出来てすごく楽しいから」ニコッ
櫻子「うん……。ありがと、あかりちゃん」ニコッ
あかり「それはまた今度にしようよ! お弁当とか作ってくるから!」
櫻子「うん! 約束だよ!」
あかり「その時はちなつちゃんと向日葵ちゃんも誘って一緒に遊ぼうね!」
櫻子「……!」
あかり「あれ? どうしたの?」
櫻子「あ、うん! そうだね! 今度はそうしよう!」
櫻子「そろそろお店探そっか!」ギュッ
あかり「う、うん……!」ギュッ
櫻子(そう……、だよね)
櫻子(あかりちゃんは皆と一緒の方が楽しいよね……)
櫻子(でも……、いつか……)ギュッ
あかり「……?」
~ファミレス~
櫻子「あかりちゃん、何頼む?」
あかり「ええっと……、この白身魚のフライにしよっかな……」
櫻子「……」ジーッ
あかり「むー、櫻子ちゃん、何か変なこと考えてない?」プー
櫻子「いやー、あっさりしたものを選ぶなぁ、と……」ニヤニヤ
あかり「もーっ、さっきはああ言ってくれたのに……」プンプン
櫻子「あはは、ごめんごめん。味の好みと存在感なんて関係ないよ!」
あかり「……」ムスッ
櫻子「あ……」
あかり「……」モグモグ
櫻子「……」チラッ
あかり「……」プイッ
櫻子「ありゃりゃ……」クスッ
あかり「……」モグモグ
櫻子「いや、その、私も一口それほしいなー、なんて……」
あかり「……、冷やかしたりしない?」プー
櫻子「もうしないってば! 私のも一口あげるからさ!」
あかり「うん……、それなら……」ニコッ
櫻子「……」ジーッ
あかり「どうしたの?」
櫻子「いや、むくれた顔よりもやっぱり……」
櫻子「笑ったあかりちゃんってすごく可愛いな~、って思って……」
あかり「そ、そうかな……?///」
櫻子「うん! 自信持っていいよ! あかりちゃん!」
櫻子「胸は張らないでいいけど……」ボソッ
あかり「?」
櫻子(そっか……、だから歳納先輩は……)
櫻子「それでは、一口いただきます!」パクッ
櫻子「うん、おいしい……」モグモグ
あかり「……」ジーッ
櫻子「どうしたの? あかりちゃん?」
あかり「櫻子ちゃん……、顔にソース付いちゃってるよぉ」フキフキ
櫻子「あ、ありがと、あかりちゃん///」テレテレ
櫻子「いやー、しかし……」
あかり「?」
櫻子「店の紙ナプキンを使えばいいのに、わざわざ持ってきたティッシュを使うなんて……」
あかり「あ……、ついうっかりしてたよぉ」
櫻子「いや、すごいなって思うな……」
あかり「え?」
櫻子「だってさ、学校にいる時と変わんないじゃん」
櫻子「日曜日でも同じ事が出来るって、すごいことだと思うけどな~」
あかり「そ、そっかぁ……」テレテレ
櫻子「うーん、あかりちゃんにはお世話になりっぱなしだな……」
あかり「そ、そんな大袈裟な……」
櫻子「……そうだ!」ピコーン
櫻子「おめでとうございます! たった今、あかりちゃんの櫻子ポイントが貯まりました!」
あかり「?」
櫻子「豪華景品として、なんと午後に私はあかりちゃんのお願い事を一つ聞いてあげちゃいます!」
櫻子「さっ、あかりちゃん! 考えて!」ワクワク
あかり「え、えーと……」タジッ
櫻子「……、今すぐじゃなくたっていっか」クスッ
あかり「うん……。そうだねぇ」クスッ
………
櫻子「うーん、ご飯食べた後って眠くなるな~」ポーッ
あかり「うん……」ポーッ
櫻子「ちょっとベンチで一休みしよっか」
あかり「うん」
あかり「うーん、何だか懐かしいな~」ノビッ
櫻子「どうして?」
あかり「うん。この辺りでよく、小さい頃は京子ちゃんと結衣ちゃんと一緒に遊んでたんだぁ」
あかり「京子ちゃん、あの頃は今と全然違っててね」クスッ
櫻子「へー、歳納先輩って前からあんなんじゃなかったんだ……」
あかり「うん。小さい頃はちょっとしたことで泣いちゃったりしてたんだけど……」
あかり「いつからか泣かなくなって……」
あかり「今では引っ張ってもらってばかりになっちゃったなぁ」クスッ
櫻子「あの歳納先輩が……、すぐ泣く人だったなんて……」
あかり「うん……、驚いちゃうよねぇ」
櫻子「うーん、それってさ」
あかり「なぁに?」
櫻子「あかりちゃんがいたから、今みたいになれたんじゃないの?」
あかり「そうなのかな?」
櫻子「あかりちゃんって、泣いてる人とか困ってる人がいたらさ」
櫻子「すぐに飛ぶみたいに駆け付けていくじゃん」
櫻子「で、あかりちゃんに助けて貰った人ってさ、すごくニコニコしてるの」
あかり「そ、そうかな……」
櫻子「うーん、私にはそう見えるけど……」
櫻子「それで……、それを毎日毎日続けてたらさ」
櫻子「きっと誰だって、明るくなれるんじゃないかな?」
あかり「そっか……、何だか、自信がついてきたなぁ……」ニコッ
櫻子「うん……」ニコッ
あかり「二人が先に中学生になっちゃった時……、あかりはすごく悲しくって」
あかり「嫌だ嫌だ、って駄々こねちゃってね」クスッ
櫻子「へー、あかりちゃんがそうなるのって意外……」
あかり「でも、二人はごらく部であかりを待っていてくれて……」
あかり「本当に二人と友達になれてよかったな、って……」
櫻子「……」
櫻子(あかりちゃんと幼馴染ってちょっとズルい……な……)
櫻子(いや……、そんなこと、考えちゃダメだよね……)
あかり「櫻子ちゃん?」
櫻子「あ、いや、何でもないよ!」アタフタ
あかり「?」
櫻子「そういえば……、もう三学期も終わりだね……」
あかり「うん……」
あかり「二年生になったら、どんな感じなのかな……」
櫻子「うーん、想像出来ないや。まぁ、その時はその時というか……」
あかり「うん……。櫻子ちゃんの言う通りだよね」クスッ
あかり「あ……」
櫻子「何? あかりちゃん」
あかり「先輩達が三年生になったら……、あんまり一緒に遊べなくなるのかな……」
櫻子「あ……」
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが高校生になったら、また泣いちゃうかな……」
櫻子「……」
櫻子「そんなことないよ!」
櫻子「だってさ、私だってちなつちゃんだって向日葵だっているじゃん!」
櫻子「それに一年離れたって……、きっとまた皆でワイワイやれるよ!」
櫻子「だから、もうこの話は止めにしよ! 私ららしくない!」
あかり「うん……。そうだね」ニコッ
………
あかり「……」ウトウト
櫻子「あかりちゃん、眠い?」
あかり「うん……、ぽかぽか陽気と小鳥さんの鳴き声がいい感じに……」ポーッ
櫻子「あ、なんかわかるなー」クスッ
櫻子「それにあかりちゃんって、何となく動物と話せそうな気がする!」
あかり「そ、それって褒めてるのかなぁ……」
櫻子「勿論!」
あかり「そ、そっかぁ……」
櫻子「そうだ!」
あかり「?」
櫻子「あかりちゃん、私に寄り掛かって寝ちゃいなよ!」
あかり「ええ……、でも……」
櫻子「いいっていいって、ファミレスでした約束とはノーカンだから!」
櫻子「あかりちゃんにはお世話になりっぱなしだから、私にもカッコつけさせてよ!」
あかり「いやいや……」ポーッ
櫻子「口ではそう言ってもふらふらしてるよあかりちゃん……」クスッ
………
……
…
………
あかり「……」スースー
櫻子「結局寝ちゃった……」
櫻子「ちょっと一休みしたら、またあちこち歩き回ろうね。あかりちゃん」クスッ
櫻子「……」
櫻子「あかりちゃんの前じゃ嘘ついちゃダメとは思うんだけど……」
櫻子「ちょっと嘘ついちゃった」
櫻子「ねーちゃんに家から出されたことと、向日葵が出掛けてたってこと」
櫻子「あれ実は嘘なんだよね」
櫻子「私あかりちゃんに会いたくて会いたくて。月曜日まで待ちきれなくなっちゃった」
櫻子「学校じゃ勉強なんて全然しないくせにね」クスッ
櫻子「おかしいって思われそうで、隠しちゃった」ケラケラ
櫻子「あかりちゃんと手を繋いで気持ちがふわっとしたこと」
櫻子「あかりちゃんと背が同じくらいで嬉しかったこと」
櫻子「あかりちゃんが優しくてかっこいいってこと」
櫻子「あかりちゃんが目立たなくなんてないこと」
櫻子「あかりちゃんの笑った顔が可愛いってこと」
櫻子「それは全部、ほんとのことだよ」
櫻子「歳納先輩だって船見先輩だってちなつちゃんだって向日葵だって」
櫻子「ほんとはいつだってちゃんとあかりちゃんの事を見てること。それも知ってるよ」
櫻子「けど、嬉しいはずなのに何だかちくちくする」
櫻子「私、あかりちゃんが先輩の事を話す時、すごくモヤモヤしちゃったんだ」
櫻子「あかりちゃんの中での私の順番なんてわかんない」
櫻子「皆があかりちゃんを私と同じみたいに見てるかなんてわかんない」
櫻子「考えても考えてもわかんない」
櫻子「あかりちゃんのことを考えると、わかんない事ばっかり」
櫻子「だけど、これから私のほんとの気持ち、隠さずあかりちゃんにぶつけ続けていくから……」
あかり「……」スースー
櫻子「これからも仲良くして、色んな事を教えてね……」
櫻子「あかりちゃん……、大好きだよ」チュッ
おしまい
54 : 以下、名... - 2013/03/05(火) 20:30:42.59 GlCdcIhwO 38/38思い付いたのを片っ端から突っ込んでよくわからなくなってしまった
とりあえずあまりベタベタしないのを書きたかった
支援して下さった方ありがとうございました