118 : 名無しさ... - 21/04/25 23:24:25 FUFv 1/13

ウサミン星

「菜々せんぱーい」

菜々「はぁーい?」

「ちょっと手を貸してください♪」

菜々「? こうですか?」

「そそ☆ あ、できればピースしてくれます?」

菜々「あ! そういうことですね! SNS用に写真を撮るんですね!」

「です☆」

菜々「キャハっ☆」

「あ、顔は大丈夫です。手だけください」

菜々「なんなんですか! なんなんですか!」

「いや、写っちゃいますよ。ウサミン星」

菜々「手だけにしときましょう!」

119 : 名無しさ... - 21/04/25 23:24:53 FUFv 2/13

菜々「えっと、こんな感じですか?」

「うん☆ そこにはぁともこうやって……」

菜々「わぁ! こういうのよく見ますよ! カップルとかがよくやってますよね!」

「菜々先輩とはぁとはカップルじゃないですけどね☆」

菜々「細かい事はいいんです!」

「えっと……『女子会☆』っと……」

菜々「皆さんの反応が楽しみですねぇ~」

菜々「ところではぁとちゃん、今日どうします? 泊まっていきますか?」

「お願いします☆ 女子一人での夜道は危険なんで☆」

菜々「じゃあお布団出してっと……」

「菜々おかあさん、いつもありがとー!」

菜々「小学生ですか。あとナナはお母さんじゃありません。17歳」

「うす」

120 : 名無しさ... - 21/04/25 23:25:26 FUFv 3/13

「おおぅ……。あっと言う間にすげぇリツイート数☆」

菜々「みんなどんな反応ですか?」

「……聞きたいですか?」

菜々「え、なにその反応」

「そんなに聞きたいなら読み上げますけど……」

菜々「まってまって!? なんかそんなヤバい事になってるんですか!?」

菜々「はっ!? もしかして炎上したとかですか!?」

「りあむちゃんじゃあるまいし手の写真撮ったくらいじゃ炎上なんてしませんて☆」

菜々「じゃあなんなんですか? もったいぶらずに教えてください」

「『いつものウサミン星』『親の顔より見たちゃぶ台』『女子会(笑)』『母ちゃん! 今録音中だって言っただろ!』などなど」

菜々「もっと親御さんの顔を見てあげてください。あとお母さんの声が入ったテープは宝物になりますよ」

菜々「って! なんですか、この反応!」

「まぁ菜々先輩とはぁとっすからねぇ。おしゃれ女子会にはならんでしょう」

「現にこうしてすすってるのは緑茶ですし。うめぇ☆」

菜々「おかわりいりますか?」

「お願いします☆」

121 : 名無しさ... - 21/04/25 23:26:08 FUFv 4/13

菜々「でもぐうの音も出ないですね……」

菜々「ナナも他のみんなのSNSとか見たりしますけど、本当にみんなキラキラした写真ばっかりですよね」

「映えるってやつですよ☆」

菜々「ナナにはむずかしい……」

「まぁまぁ☆ 実家のような安心感が菜々先輩の魅力ですから☆」

菜々「褒められてるんですよね? それ」

「もち☆ はぁとはパイセンを超リスペクトですから♪」

菜々「じゃあ良いですけど……」

「でもさー」

菜々「はい?」

「菜々先輩は本当にお母さんって言うか、身内って感じします☆」

「はぁとにお姉ちゃんが居るなら菜々先輩がいいですもん」

菜々「はぁとちゃん……!」

122 : 名無しさ... - 21/04/25 23:26:44 FUFv 5/13

「そしたら菜々先輩、はぁと、よっちゃんの美人三姉妹ですよ!」

菜々「わぁ! それいいですね! 地元で有名な美人三姉妹!」

「地元で有名からスカウトとか来ちゃうんですよ☆」

菜々「それでそれでユニット組んでアイドルデビュー! ですね!」

「ですね☆」

菜々「「今とあまり変わらない」」

「……私達って」

菜々「はい?」

「こうやって思い描く理想と言うか、妄想みたいなことをしてるんですよね」

菜々「そうですねー……。ナナも時々夢の中に居るのかなって思っちゃいます」

「つねりましょうか?」

菜々「ノウッ! これが現実ってちゃんとわかってますから」

「……はい☆」

123 : 名無しさ... - 21/04/25 23:27:29 FUFv 6/13

菜々「はぁとちゃんは考えた事ありませんか?」

「何をですか?」

菜々「もしも、アイドルになれていなかったらって」

「……考えないわけないですよ」

「菜々先輩もでしょ?」

菜々「……はい」

菜々「やっぱりナナ達はいい歳ですからね」

菜々「現実を見なきゃいけない歳ですし、嫌でも現実が見えてしまう歳でもありました」

「崖っぷち☆ とか茶化して言って、なんとか自分を鼓舞してましたけど」

「やっぱ見えちゃうんですよね、現実」

菜々「……ナナ達は本当に幸せですね」

「うん……☆」

「って! しんみりははぁと達に似合いませんて☆ なので楽しく考えましょう☆」

菜々「じゃあはぁとちゃんはアイドルじゃなかったらどんなお仕事したかったですか?」

「んー、やっぱ服とかそっち方面ですかね?」

菜々「はぁとちゃん、器用ですもんね!」

「服飾関係のスキルに関してはちひろちゃんのお墨付きです☆」

124 : 名無しさ... - 21/04/25 23:28:00 FUFv 7/13

「だから……、きっと多分、自分でブランド持ってアイドルに提供したりとか、アイドルの衣装作ったりしたいです」

菜々「はぁとちゃん……」

「やっぱりはぁとにとってはアイドルが一番なんで☆ 『しゅがーはぁと』が一番なんです☆」

「それはやっぱり菜々先輩もでしょ?」

菜々「……はい」

菜々「ナナも……。アイドルじゃなかったら、アイドルになれなかったらって何度も考えました」

菜々「アイドルにならなかったら、きっと普通に就職して、普通に暮らして、でもずっと心のどこかでアイドルに恋焦がれていると思います」

菜々「それこそ、はぁとちゃんと同じようにアイドルや声優になれるってチャンスが少しでもあれば、いくつになっても飛びつくと思います」

「結局、私達はアイドルから離れられないんですね☆」

菜々「ですねぇ……」

125 : 名無しさ... - 21/04/25 23:28:36 FUFv 8/13

「だから……やっぱり今が一番良いんですよ」

「地元の友達がどんどん結婚して、女の子として幸せになっても」

「私にとっての一番の幸せはこうして『しゅがーはぁと』としてアイドルやってることですから☆」

菜々「ナナもです! ナナもアイドルとしてステージに立てる今が一番幸せです!」

菜々「あ、でもはぁとちゃん、プロデューサーさんとはどうなってるんですか?」

「……さて、そろそろ遅い時間ですし、はぁとは帰ろうかな」

菜々「露骨に話を反らさないでください。それにもう遅いですよ」

「……菜々パイセンがイジワルな顔してるぅー!」

菜々「ふっふっふ。いつもはイジられっぱなしのナナですけど、主導権を握れる時はちゃんと握りますよ!」

「くっ……!」

菜々「で、プロデューサーさんとはどうなんですか?」

「アイドルだしぃー……」

菜々「……あぁ、だいたいわかりました」

「え? マジ?」

菜々「ナナだってちひろさんと遊びに行ったりするんですよ」

「なんかすんません」

126 : 名無しさ... - 21/04/25 23:29:18 FUFv 9/13

菜々「『心さんが心さんが』って。はぁとちゃんのお話ばっかりですよ、ちひろさん」

「やぁん♪ はぁとってば人気者☆」

菜々「愚痴ですからね!?」

「わかってます。ごめんなさい」

菜々「はぁ……。でも、本当になんにもないんですか?」

「んー……。まぁ何にも?」

「やっぱりアイドルとプロデューサーですし、なんかあってもそれはそれでどうなんだーって感じだし」

「今は一緒に居られるだけで充分かなって♪」

菜々「うわぁ、甘酸っぱいといっていいのかなんなのか……」

「それにまったく何にもないわけじゃないんですよ!」

菜々「え!? そうなんですか!?」

「はい♪ 最近は出来るだけプロデューサーと一緒に帰ってます☆」

菜々「……はいはい、そーですかそーですか」

「ちょっ☆ ちひろちゃんみたいな反応やめてください☆」

菜々「ちひろさんが『くだらねぇ』って言う気持ちがよーくわかりました」

「ちひろちゃんそんな事言ってるんですか☆」

菜々「えぇ、まぁそれはもう頻繁に」

「しかも頻繁なのか☆」

127 : 名無しさ... - 21/04/25 23:30:19 FUFv 10/13

菜々「ま、ナナははぁとちゃんらしくて良いと思いますけどね」

「菜々お母さん……!」

菜々「お母さんじゃないです」

「はい」

菜々「はぁとちゃんもナナも……」

「はい?」

菜々「夢を叶えたばかりですもんね」

「……はい」

「だから、今はこの叶えたばかりの夢を見ていたいです。新しい夢はもうちょっと先で見ます☆」

菜々「はい」

「さて。んじゃそろそろご飯の用意でもしませんか? あんまり遅く食べると太っちゃいますし☆」

菜々「そうしましょうか」

菜々「あ」

「どうしました? 冷蔵庫開けて固まってますけど」

菜々「はぁとちゃん、大問題です。食材がなんにもありませんでした」

「マジすか☆」

「んじゃ、今からスーパー行きましょうか☆」

菜々「はい!」



128 : 名無しさ... - 21/04/25 23:30:57 FUFv 11/13



翌日 事務所

ちひろ「……」

「おっはよー☆」

菜々「おはようございまーす」

「ん? どしたの? 頭抱えて」

ちひろ「お二人共。この写真に見覚えは?」

「?」

菜々「どれですか? ……あっ!」

『地元のスーパーにウサミンとしゅがは居るんだけどw なんで二人ともジャージw 撮影かこれw』

菜々「「……」」

ちひろ「買い物行くなとは言いませんよ。言いませんけど!」

ちひろ「行くならもっと変装とか周囲を気にしてください! あなたたちこれでもアイドルですよ!? 住所とかバレたらどうするんですか!?」

ちひろ「しかも菜々さん! 手に持ってるのビールですよね!? 6本パック!」

ちひろ「あなた自分の設定わかってます!?」

「ごめんなさい」

菜々「はぁとちゃんと一緒だからつい気が抜けちゃって……」

129 : 名無しさ... - 21/04/25 23:31:26 FUFv 12/13

ちひろ「まぁ菜々さんがお酒持ってるのは『いつもの』とかってスルーされてるからいいですけど……」

菜々「『いつもの』!?」

ちひろ「お二人とも適当な格好してても美人なんだから目を引くのいい加減理解してくださいよ……。こうやって勝手に写真撮る方も撮る方ですけど……」

ちひろ「いいですか、お二人ともアイドルですからね!」

ちひろ「……なにニヤニヤしてるんですか、心さん」

「ん~? ちひろちゃんが『美人』って褒めてくれたから嬉しくて☆」

ちひろ「あぁ!?」

「ごめんってば☆」

菜々「あはは……」

ちひろ「ちょっとは反省してください! まったく……」

「まぁまぁ☆ いーじゃんいーじゃん、別に炎上してるわけじゃないんでしょう?」

ちひろ「心さんに甘い態度取ると調子に乗るんでダメです」

菜々「ふふっ」

ちひろ「急に笑ってなんですか」

菜々「あ、いや。昨日はぁとちゃんと話してた事を思い出して」

「なんでしたっけ?」

菜々「ナナにとってははぁとちゃんもちひろさんも可愛い妹みたいだなって事ですよ♪」

End

130 : 名無しさ... - 21/04/25 23:35:06 FUFv 13/13

以上です。

さて…
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では、お読み頂ければ幸いです。

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