ゴッ! ドサッ…
犯人「悪いな……」
被害者「な……ぜ……?」
犯人「あんたに生きてられると何かと都合が悪いんでね。死んでもらうことにした」
犯人「ま、化けて出てこないでくれよ」
被害者「う……うう……」
犯人「ん?」
被害者「うぐぐ……」
犯人「こいつ、血で俺の名前を……! させるかァ!!!」
元スレ
被害者「ダイイングメッセージを……残さないと……」犯人「させるかァ!!!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1614330319/
犯人「トドメを刺してやる!」
ガッ!
被害者「ぐはっ!」
犯人「しかも念入りになァ!」
ゴッ! ガッ! ガスッ!
犯人「これで……終わりだ」
被害者「ぐ、ぐぐ……」
犯人「なにっ!?」
被害者「お前の……名前を……書いて……」ググッ
犯人「なるほど、頭殴ったぐらいじゃ死なないってか」
犯人「だったら刃物だァ!」
グサッ!
被害者「ぐっ!?」
ドクドク…
犯人「動脈を切った。この出血量……助かるまい」
被害者「なんと……しても……」
被害者「ダイイング……メッセージを……」ググッ
犯人(まだ生きてるのかよ! このままじゃ俺の名前を書かれてしまう!)
犯人「ちょっと待ってろ!」
ダダダッ…
ババッ
犯人「待たせたな」
被害者「それは……日本刀……?」
犯人「実はこう見えて俺は居合の達人でね」
被害者「なに……!?」
犯人「こうやって鞘に納めてからの俺の一閃は――」
犯人「どんなものでも切り裂く!」
ズバッ!
被害者「ぐはァ!」
犯人「真っ二つだ」ニヤッ
被害者「う、ぐぐ……」ズルズル…
犯人「!?」
犯人「こいつ、真っ二つになっても生きてやがる!?」
被害者「名前を……書いて……」
犯人「だったらァ!」
犯人「銃で頭を撃ち抜いてやる!」
ドウッ! ドウッ! ドウッ!
被害者「……」ガクッ
犯人「頭を撃ち抜かれて死なない人間などいねえ」
被害者「ぐ……!」
犯人「な、なんだとォ!?」
被害者「なんとか……名前を……」
犯人「マジか! まだ生きてやがる!」
犯人「だったらァ!」
ドボドボドボ…
被害者「これは……!」
犯人「燃やしてやる!」シュボッ
ボワァァァァァッ!
被害者「ぐあああああああああああ……!」
犯人「ハッハッハ、燃え尽きちまいなァ! 骨は拾ってやるからよ!」
ブスブスブス…
被害者「……」
犯人「ふぅ、やっと終わった」
被害者「うぐぐ……ぐぐ……」
犯人「!?」
被害者「燃えカスで……名前を……」ググッ…
犯人「しつっこいんだよ!」
犯人「だったらこれだ! 液体窒素!」
ブシュゥゥゥゥゥゥ…
被害者「うぐっ!?」
カチーンッ
犯人「押してダメなら引いてみろ。燃やしてダメなら凍らせてみろ。凍結しちまえば、流石に……」
被害者「……」ピキーン
被害者「名前を……」ググッ…
犯人「凍ってても動けるのかよ!」
犯人「だったらあまりやりたくなかったが……」
犯人「お前を巨大ミキサーの中に放り込む!」ポイッ
被害者「何をする!?」
犯人「決まってんだろ? スイッチオン!」ポチッ
ギュィィィィィィィィン!
ギャルルルルルルルルルルルルルル!
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!
犯人「10分経過……そろそろいいか」
ドロッ…
犯人「すっかり人間ミックスジュースになってるな。だが、こんなんでくたばるお前じゃねえ」
犯人「これを……飲む!」グビグビグビ
犯人「ぷはぁっ!」
犯人「ハーッハッハ! なんの痕跡も残らない! これぞまさに完全犯罪だ!」
犯人「……」
犯人「う!」
犯人「俺の指が……勝手に……!?」ググッ…
犯人「なんだとぉ……!?」グググッ…
犯人(そうか、こいつ体内から俺を乗っ取って、体を操りダイイングメッセージを残そうというのか!)
犯人(このパワー……抑え込むのは無理だ!)
犯人(ちっ、吐き出すしかねえ!)
犯人「ゲボオオオオオオッ!」
犯人「くそっ、なんて生命力だ……」
被害者「ダイイングメッセージを……残すんだ……」ググッ…
犯人「しかも、まだ俺の名前を書こうとしてやがる!」
犯人(こうなったら跡形もなく消し去るしかないが……たとえ爆弾でも無理だろう……)
犯人「!」
犯人「ある! 一つだけこいつを葬れる方法があるじゃないか!」
犯人「おい」
被害者「ん?」
犯人「宇宙旅行させてやるよ」
被害者「どういう意味だ?」
犯人「シュートッ!」
ドゴォッ!
被害者「ぐはぁっ!」ギュゥゥゥンッ
犯人(上空に蹴り上げてから……俺も飛ぶ!)ギュゥゥゥンッ
被害者「ここは……宇宙……?」
犯人「ああ……俺も初めて来たぜ」
犯人「そして、あれは……太陽だ」
被害者「!」
犯人「太陽にお前を叩き込んでやるよォ!」
ズガァンッ!
被害者「うわあああああああああ……!!!」
ボシュッ!
被害者「こ、これが太陽……!」
被害者「熱い……あづぅぅぅい……! ダメだ……さすがに燃え尽きる……!」
ゴォォォォォォ……!
被害者(だが……最後の、力、で……)
ボシュゥゥゥゥゥ…
………
……
…
刑事「被害者は太陽に叩き込まれたようだが、肝心の犯人がさっぱり分からん!」
刑事「探偵さん、君の天才的頭脳で犯人を割り出せないかね?」
探偵「流石の私にも……」
刑事「そうか……。となると、この事件は迷宮入りか。無念だ……」
犯人(フッ、当然だ)
犯人(奴はダイイングメッセージを残すことなく太陽で燃え尽きたのだからな!)
探偵「――ん?」
探偵「刑事さん、あれを見て下さい!」
刑事「あれは……星?」
探偵「違います! 被害者は燃え尽きる寸前、最後の力を振り絞ってエネルギー弾を発射し――」
探偵「何らかのメッセージを残したのです!」
刑事「いわれてみると、たしかにエネルギー弾が星座のように文字を描いている!」
探偵「あの文字は……どうやら誰かの名前を示しているようです!」
犯人「な、なんだと……!?」
探偵「あの文字を解読すると……」
探偵「犯人はあなただ!」ビシッ!
犯人「ぐっ!?」
刑事「まさか、星座を模したダイイングメッセージとは……」
探偵「ええ、ダイイングメッセージとしては史上最大規模のものといえるでしょう」
探偵「被害者は最後の最後まで諦めず、犯人を告発してくれたのです……!」
刑事「まさに“虎は死して皮を留め、人は死して名を残す”というやつだな!」
探偵「お手柄でしたよ! おかげで事件が迷宮入りにならずに済みました!」
被害者「はい、ありがとうございます!」
刑事「殺人未遂の容疑で……逮捕する!」ガチャッ
犯人「く、くそぉぉぉぉぉぉ……!」
END