その日はみんな営業に出ていた。
春香は午後かららしく、音無さんと春香に留守番を頼んで俺達は営業に出た。
竜宮小町はどうやら地方営業に出ているようでまだ帰ってこない。
午前俺が面倒を見るのは真と響。
営業と言うよりはダンスレッスンの付き添いみたいなもの。
俺は真と響のダンス対決を観ていてふと、思い出した。
事務所に財布を忘れたのだった。
財布は常に使うし、カードとか入っているので忘れた困る。
だから、俺は謝っていったん事務所に帰ることにした。
謝った理由は時間的に午前中は付き添うことが出来ないからだ。
午後はやよいと真美の営業に付き添うからである。
元スレ
P「事務所に忘れ物を取りに戻ったら春香が転ぶ練習をしていた話」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1364723872/
事務所まで戻ってきて中に入ろうとしてドアを開けようとしたときドンガラガッシャーンという音がした。
俺はまた春香が転んだのか。そう思って入ろうとしたとき
ガシャーンガシャーンガシャシャーン
この連続な音。明らかなに普通とは違う。これは春香が危険にさらされてるかもしれない。
そう思って俺はドアノブを素早く回そうとした。
ガチャリと音がしそうだった時……
春香「こんなんじゃまだまだだめだぁ……」
何がダメなのか気になる。これは少しこっそり覗いてみようと……
そう思って俺はドアノブを再び回して少しだけ開けた
ドンガラガッシャーン
丁度春香が何かやっているときの音に被って春香には聞こえなかったようだ。
こっそり覗くと事務所には春香だけがいた。
それはたまに音無さんが文具を切らしたときに留守番をアイドルや俺に押しつけたりするのでわかる。
ただ問題は
ドンガラガッシャーン
春香「いった~い!」
何もないところで転んでいた。
別に春香が何もないところで転ぶのはいつものことだ。
問題は明らかに転びすぎている。
言うならば15秒で8回もドンガラやズテーンと転んでいる。
ただ、春香だと思えばそれも気にすることはないだろう。
春香「こんな転び方じゃ……自然じゃない!」
そうつぶやき春香はまた転んだ。いや、これは転んだと言うよりむしろ自分から転びに行ったと言ってだろう。
確かに転びに行った。それは立ち上がった後によくわかった。
パパッと埃や汚れを落としている用だが、そんなのは全く見れない。
確かに距離があるから見れないかもしれない。
それでも春香が気にするほど汚れは付いていなかったのだ。
そして再び故意に転んだ。何度も転ぶ光景を見ているうちに気づいた事がある。
男が誰もが憧れるスカートの中身が見れないのだ。
どう頑張っても鉄壁スカートが邪魔をするのだ。
確かにここから覗いているからかでもあるが、それでも何度も絶対行ける位置で転んだ時があった。
それでも拝めなかった。
春香「…………あ、もうすぐ小鳥さんが帰ってくるかな」
俺はふと時間を確認した
財布を取りに出始めてからすでに1時間が経過していた。
コレはまずいと思い、一旦ドアから離れてわざわざ周りに音をまき散らしながら戻った
P「はぁはぁ……って春香だけか」
春香「あれ? プロデューサーさんどうしたんですか?」
P「いやな……お! あったあった! 財布を忘れてな。戻ってきたんだよハハハ」
春香「もうプロデューサーさんもおっちょこちょいですね」
P「春香ほどじゃないさ」
春香「それどういうことですかー!」
普段の転ぶ練習はここにあったのか
そう思いながら俺は春香のスカートをめくった。
春香「ひゃあっ! もっもう貴音さんに言いつけますからね」
終わり
P「事務所に戻ったらやよいがポッキーダンスをしていた話」
俺は午前の仕事が終わるとわくわくが止まらない。
それはランチタイムであり、俺にとってはアイドルが活躍する。アイドルと交流する。寝る。食べるの俺の四大何かに至る。
しかも今日のランチタイムはなんと手作り弁当である。
だから俺はそれを誰にも食べさせるわけにはいかないのでなけなしの2,000円出して俺は千早と雪歩を営業先近くの定食屋に降ろして俺は昼飯を食べに帰った。
この時間の事務所は誰もいない。
律子は音無さんと昼飯を食べに行ってるし、伊織はわざわざ家に帰っているし、亜美はファーストフードであずささんは散歩している。
竜宮はいないのだが、響とか春香はどこにいるかというとまだ、事務所に来ていないのだ。
つまり、その時間だけ俺が事務所の支配者になる。
そんな昼飯を楽しみに戻ってきた俺だが、テレビの音が聞こえた。
俺は最初律子か音無さんがテレビの消し忘れをしたのではないかと思った。
しかし、2人いてそんな消し忘れとかするはずがない。
じゃあ仮説としては第三者が事務所にいるわけである。
それか、今日は事務所で食べているのかもしれない。
俺はあることをきっかけで堂々と開けることが出来なくなってしまったからこっそり開けることにした。
ドアを開けるときの音は意外と大きい。が、それもテレビの音でうまくかき消された気がする。
開けた瞬間誰かが通り過ぎた。
それはやよいだった。
やよい「もうどうでもいいじゃん」
俺は今とてつもないことを聞いた
どうでもいい? それはアイドル生活がもうどうでも良いのか
そして更にやよいは何かを振り回しながら事務所内を動き回っているらしい
らしいというのは俺の見える範囲には限界があるからだ。
まあそれはそうともやよいは相変わらず踊っていた。
そして、俺は少し思い出した。
これは昔ガッキーが踊っていたダンスだったことを思い出した。
やよい「ぱっぱっぱーら」
右足だけのけんけんにうでぐるぐるまわしながら移動している。
こんな光景は事務所の誰も観たことがない。
千早と伊織は即死するかもしれないこの姿は
もうちょっとドアを開けてみる。やっぱり、テレビにはガッキーが映っていた。
ということは振り回している何かがポッキーであることがわかった。
テレビを観ながらガッキーのまねをするやよいは何故か微笑ましかった。
やよい「えっと……こうかな」
とはいっても所詮はCMなのですぐに終わるそれをわざわざ巻き戻して練習している。
教えてやれば良い。つべとかで何度もすぐに見せてやれる
しかし、やよいが1人でポッキーダンスをしているとなるとこれはみんなには秘密なのだと思う。
やよい「どっでもいいじゃんきりすてこぎゃ~る」
そう言いながら途中でくるりと回転しながらスキップしていく
しかし、ガッキーみたいにあんなに勢いよく動ける場所ではない。
その結果案の定
ガンッ
やよい「あうっ」
デスクの角に腰をぶつけた
しかも、結構勢いあったので痛いだろう。
その間にガッキーは出番を終えていた。
俺が大丈夫かと駆け寄ろうとしたが、それはやよいのさっきのを観ることになる。
何を秘密でポッキーダンスをしているかわからないがなんかショックになってやよいがやめたら困るので耐えた。
しかし、やよいはやっぱり昼時の1人の時間を大事にしたいのかビデオを巻き戻し始めた
そして腰をさすりながらビデオをひたすら繰り返してみている。
要するに観察だった。
やよい「ぎりぎりぎりばるたんたん」
俺は少しショックを受けた。いや、受けてしまった。
それはやよいが必死になって振り付けを覚えたキラメキラリよりも真剣だったからだ。
だが、真剣に取り組むことは大事なのでしょうがないと流した。
やよい「……あ、そろそろ時間かな」
やよいはそうつぶやきながら最後にもう一度ガッキーを観てビデオを止めた。
時間か。そうわかると俺はドアを離れてまたわざわざ帰ってきましたアピールをしながら事務所内に入った。
P「ただいまーおっやよいだけか?」
やよい「うっうー! おかえりなさーい!」
P「ただいま。昼飯はもう食べたのか?」
やよい「いえ、でも今日は午後お休みなのでこれから食べて来ます」
P「そのまま直帰?」
やよい「すみません。今日は長介達と遊ぶ約束をしているので」
P「そうかそうか。良いよお疲れ様」
おそらくポッキーダンスは弟たちに見せるのだろう。
そう思いながらやよいにハイタッチするそぶりを見せてπタッチを交わした。
やよい「ひゃうっ! ……貴音さんに言いつけちゃいますよ?」
終わり
P「事務所に朝早く来たら伊織がシャルルをサンドバッグにしていた話」
寒いと布団から出るのが億劫になる。そう思うのが普通の社会人だろう。
俺もその1人であるが、今日は珍しく早く起きてしまったので早くから事務所で光熱費を節約しようと思っていた。
そんなわけでまだ誰もいないであろう事務所も相変わらず寒いので俺が早く言って暖房器具を付けないといけない。
暖まるまでが辛いが暖まると快適で事務所から帰るのが辛い。
それも良いかなと思いながら事務所前のドアまで来た。
鍵を探しているとドスッドスッという鈍い音が一定なリズムで聞こえる。
朝早くから何が起きている。もしかして空き巣か?
そう思ってドアを一定なリズムを読みそっと開けた。
ドスッ
ガチャリ
音はうまく被り気づかれずにそっと開ける。もちろん少しだけ
中で鈍い音を作っていたのは伊織だった。
どこからそんな音がするのかと思っていたら原理はネネちゃんと同じだった。
普段から大事にしている伊織のシャルルが腹パンされていた。
伊織「……ったくざっけんじゃないわよ!!」
ドスッ
重いであろう伊織の正拳が綺麗にシャルルの鳩尾辺りに決まる。
しかもアイドルであるまじき発言もしている。
シャルルが可哀相なのだが、伊織の正拳は止まることがない。
伊織「大体、インタビューがなんで私じゃなくてあずさなのよ!! 絶対容姿で判断してたわあの変態め!!」
ドスッ
腹パンが止まらない
伊織の愚痴も止まらない
俺はどうすれば良いかわからない
それでも伊織の正拳はシャルルの鳩尾辺りに刺さる。
俺はもしや聖夜の正拳突きに参加してるのでは? そう思ったけど伊織だからそれはないと判断した。
伊織「そしてあの生徒会長!! 私ばっかにコキ使いやがってあーもう!」
ドスッ
恨みが学校にまで広まっていた。流石にアイドルのお仕事の恨みならまだしも学校の恨みまでも持ち込まないで欲しい。
ドスンッ
今の恨みが俺まで来た気がした。そんなようなさっきとは違った大きな音だった。
しかし、伊織は暖房器具を付けていない。よく寒いのにこんな正拳突きなんて出来るものだ。
伊織「……あ、もうこんな時間。そろそろ小鳥が来るかもね」
伊織は最後に一発シャルルに腹パンして正拳突きを終えた。
俺はまたばれないように一旦ドアから離れて一番乗りかと勘違いしている振りをしながら入った。
P「おー一番じゃなかった……おはよう。早いんだな」
伊織「おはよう。珍しいわね」
P「俺だって早く来るときだってあるさ。それよりも暖房くらい付けとけよ」
伊織「あら? なんであんたは驚かないの?」
P「律子が合鍵を渡したかもしれないだろ」
伊織「流石ね。竜宮結成したときに渡されたの。にひひっ♪」
P「そうなのか。俺もみんなに渡した方が良いのかなぁ」
そう言いながら頭では竜宮結成時からシャルルサンドバッグは誕生していたのか
そんなことを思いながら俺は伊織のおでこをデコピンした。
伊織「ったぁ! アンタ貴音に言いつけるからね!」
終わり
P「事務所で寝て居るように休んでいたら響が方言を叫び散らしていた話」
食後に休憩はつきものだと思う。
理由は眠くなるからであり、昼食後に事務所内の最適温度ではほぼみんな寝てしまうんじゃないかと
そんなわけで俺も寝てしまいたいほど睡魔に襲われていたのだが、それをこらえて雑誌を顔に乗っけて休んでいた。
そしたらいつの間にか事務所には誰もいなくなっていた。
この時間に音無さんが出かけるのは珍しい。それともアイドルを送りに行ったのかもしれない。
まあ、別にそれだったら俺も寝てもいいんじゃないかなと思うとガチャリと事務所のドアが開いた。
「はいさいー!」
響だった。
いや、別に響でも誰でも良いのだが、休憩を妨げるのは止めて欲しい。
あ、でも社長だけは事務所に来ないでほしいけどね。
それはともかく響は俺の存在には気付いているのか少し怪しかった。
響「あれ? 誰もいないのか?」
どう考えても俺がいるのに見ていないふりをしているのかもしれない。
100%俺のデスクはわかる位置にあり、俺もわかる位置で休憩をしている。
それなのに誰もいないとは如何な事か。
そんな思いが通じたのか響は気付いたようで
響「あ、プロデューサーがいたのか。でも寝てるのかな?」
やっと気づいた響は今度は考えている。
俺が寝ているのかそうではないのか。
しかし、それはあっさり寝ているという決断に下った。
俺のポーズであっさり寝ていると思い込んだのだろう。
さて、ここまでなら響が入ってきたことくらい気にしないのだが、何故か知らんが響は
響「はぁ~……なまやちゅいやっさーー!(今は1人だー!)」
大きな方言で叫んだ。
嫌がらせか。そう思ったけど、逆に考えると普段から方言に制限を掛けている響にはこういった鬱憤晴らしがあることを知れた。
ただ、寝てる時にやられるのは困る。
響は更にヒートアップする。
響「全く、普段から標準語使っちゃうと実ヤーんかいけーっのみぐさぁ~時んかいじゅんにフツ使えなくなっちゃってからじゃーふぇーよね(全く、普段から標準語使っちゃうと実家に帰った時に本当に方言使えなくなっちゃって困るよね)」
呪文を唱えている響。
眠るどころか何言っているのか考える俺。
どっちにせよ、うるさくて睡眠妨害である。
それでもお構いなしに響はべらべら1人で方言を使いまくる。
まあ、確かに標準語じゃないと都会では厳しい。
ただ、なんとか放送協会のニュースならどこでも標準語じゃないのか
そう思うのだが、響がニュースを見ているのか怪しいのでしょうがない。
響「ぁ、んかいいんかいいんかい電話しよっと(あ、にいにいに電話しよっと)」
どこかに電話をし始める響
そろそろ身体が痛くなってきた俺
まあ、響が楽しそうに電話をしているのでしょうがない。
問題はその電話がもの凄く長引いた事だ。音無さんは早退ということか
結局、終わったのは響がレッスンに入る時間前であり、俺は帰りに湿布を買うことに決めた時でもあった。
俺もそろそろ起きるかと、そう思ってわざとらしく腕を伸ばして雑誌を落とした。
P「ん、んん~」
響「あ、プロデューサーおはよう」
P「……あー響か。おはよう」
響「随分寝てたね」
P「睡魔に勝てなくてな」
響「そうなの? 毎日一緒じゃないの?」
P「それでもさ」
響「そっか。じゃあレッスン付き合ってよ」
P「良いぞ」
やっぱり標準語で時々方言交じりの言葉を交わす響が良い。
そう思いながら俺は響の髪留めを取った。
響「うぎゃー! ひっ酷いぞプロデューサー! 貴音に言いつけてやるからな!!」
終わる
方言変換サイト
http://monjiro.net/
P「営業が早く終わって事務所に戻ったら真美がホワイトボードに落書きしていた話」
今回の話は短いと思う。
まず、俺は営業が早く終わったのだ。
営業と言ってもテレビ局の関係者に挨拶と売り込みだけでそこで961プロに負けないくらい売り込んできたと思っている。
何しろあっちは金が笑えるくらい動くがこちらは全く動かないので地味に売り込むしかない。
それでもやっとやそっとアイドルランクの地位も高くなってきたため本日はすんなり終わったのだ。
そんなわけで事務所のドアの前まで戻ってくると外にまでも聴こえるくらいご機嫌な鼻歌が聞こえてきた。
相変わらず俺はこっそりドアを開けると今回は真美が1人だった。
音無さんはいなかった。
そう言えば最近アイドルが一人でいる時が多いようだけど音無さんは留守番を任せても良いのだろうか。
真美「ふんふんふ~ん♪」
真美は何をしているか気になるが、これ以上開けると多分バレるので、真美からヒントを貰うまで待つことにした。
真美くらいの年ごろならおそらく、何かが完成かなんかしたりするとポロッと口に出すと思ったからである。
そう言うわけで、俺は息をひそめ真美が口にするまで待つことにした。
真美「んっふっふっふ~♪」
キュッキュとかいう独特な音が聞こえるので最初、俺は床でも綺麗にしているのかと考えた。
しかし、あの悪戯姉妹がそんな掃除をするようには思えない。
となると、俺の頭の中ではホワイトボードに落書きが残っていた。
ただ、確証はない。それは俺自身が見てないからであってひょっとしたら風船を擦っているのかもしれない。
そんな思考をしていたら
真美「出来たー!」
という真美の声が聞こえた。
真美「いやー亜美がいないから落書きも一苦労だったよ→」
独りごとを呟く真美。虚しい。
何かしていた答えは落書きで真美は何かを書いていたようだった。
それにしても普段はゲームとかする真美にはアナログな落書きとは少し珍しく思えた。
しかし、真美にはその出来でまだ物足りないようで更に改良を加えようとしていた。
理由は本人にしかわからない。
真美「これでこうすればめちゃめちゃ(E)気がするYO!」
こっからじゃ何が何んだかわからないが真美なりには良くなったようだ。
その落書きが律子の逆鱗に触れないことを祈るとして、ふと、俺は真美は今日予定があるのかがきになりスケジュールのホワイトボードを見た。
何もない。代わりに真美の落書きであろうキャラクターが複数描かれていた。
そのキャラはアイドル達に似ているが少し違う。
デフォルメみたいなキャラクターで「あらー」とか「かっか」とかいうどういう口調だとつっこみたくなるキャラである。
それも律儀な事に俺までなんか描かれていて俺に至っては頭が「P」という字で人じゃなくなっていて寂しかった。
真美「……うあうわ~。そろそろ兄ちゃん達が帰ってくるころだ」
時間を確認してみると確かに普通ならそろそろ俺が帰ってくる時間だ。
流石にこれを見て入るのはあれなので相変わらず俺は一旦離れてまたわざわざ戻ってきた。
P「ふぃ~ただいまー」
真美「兄ちゃんおかえりー」
P「あれ? 真美だけなのか?」
真美「そだよ→ピヨちゃんはお通じが悪いからってトイレに籠ってるよー」
P「なんだ便秘か。大変だな」
真美「そうだよー兄ちゃんも気を付けないとピヨちゃんみたいになっちゃうよ→」
P「ハハハ。オフィスレディの辛いところだなこれは」
ちらっと見るとホワイトボードには真美自信作の落書きが描かれてあった。
その説明でもしてもらおうかなと思いながら俺は真美のちょっと成長しているπをダブルクリックでもした。
真美「ひゃうっ! もっもう兄ちゃん! この事はお姫ちんにいいつけんかんね!」
終わり
P「2人だったとき雪歩がコーヒーについての勉強と練習をしていた話」
俺も音無さんほどではないが事務所で仕事する時がある。
そんな時にもし雪歩がいたらお茶を注いで来てくれただろう。
いや、淹れてきたくれたのかもしれない。
もちろん俺だけではなく音無さんや律子にも淹れてくれるだろう。
もちろんそのお茶の美味しさは2番目に美味しく俺の貴重な養分になてくれている。
そんな雪歩のお茶だけど今日は一味違っていた。
雪歩「どうぞぉ……」
雪歩が持ってきたのは湯のみではなくマグカップだった。
俺は湯呑が洗ってなかったのかと思って、謝って後で洗っておくかと思っていた。
でもその思考を読み取り雪歩が首を振った。
ということはどうやら今回のお茶はこのマグカップのようである。
ただ、中身は見なくてもわかった。
あの独特の香りはコーヒーしかないからである。
雪歩「その……コーヒーもたまには良いかなって」
そう控えめに言う雪歩。俺は雪歩が淹れてくれたのならほぼ飲んでみせる。
俺はありがたく貰ってマグカップに口を付ける。
ブラックコーヒーで苦い。だが、それがいい。
そう俺がしみじみ味わっていると雪歩は給湯室に戻っていた。
何か忘れ物かと俺は思ったけど、音無さんや律子にシュガースティックやミルクを渡すのはわかるが、俺にそれを渡すかと考えた。
まあ、甘いのでも行けるけど
しかし、その忘れ物という予想は外れた。
帰ってこないからだ。では何をしているのか。
給湯室は俺のデスクからじゃ見えないが雪歩はドアを開けてないので音だけ聴くことにした。
音だけなのは仮に給湯室に行ったら雪歩に追い返されたり雪歩の作業を中止にさせてしまう恐れがあるからだ。
雪歩「こう……だよね」
と、謎の雪歩の言葉だけにコーヒーの香りが匂ってくるだけであり、本当に何をしているかがわからない。
その匂いの元はこのマグカップからのでもあるが、それよりも給湯室の方が強い。
これはもしやと俺は思った。
雪歩「……これくらい焼けばいいのかな?」
ちなみに雪歩がコーヒーくらい出来るとかの話ではない。更に上達しようとしていることを頭に入れておくべきだと思った。
このマグカップのコーヒーがインスタントなら話は別だが。
それでも匂いからして練習もしてると思った。
雪歩「出来た! プロデューサー、おかわりいりますかぁー!?」
P「じゃあ、貰おうかな」
雪歩「わかりました。もうちょっと待っててくださいね」
P「あ、あとそろそろ律子達も帰ってくるから律子たちにも頼むよ」
雪歩「多分ベストな出来だと思いますよ」
P「そうか」
今度から昼を外食で済ましたらコーヒー飲みに事務所に来るか。
そう思いながら残りのコーヒーを俺は飲み干した。
雪歩「あ、コーヒーのことは四条さんには秘密ですぅ!」
終わる
P「事務所のトイレに籠っていたら亜美がトラップの細工をしていた話」
トイレには不思議な力があると思う。
人を落ち着かせるにはトイレが一番だと俺は思う。
普段なら用さえ済ませばすぐに出て行くし、臭いが臭いだけあってトイレを嫌う人が多いのかもしれない。
もちろん最近はやりの便所飯には最高の場所であろう。残念ながら俺はぼっちではなかったが。
ただ、俺は昨日一緒になって食べ過ぎたせいで今日は腹の調子がもの凄く悪かった。
だから今日トイレに駆け込むイベントが起きた。
あいにく誰もいなかったので事務所が無人なのだが、誰かがするに来るだろう。
それにこの事務所に泥棒に入ると伊織に来世まで終了させられてしまう恐れがあるのではないか。
そもそも午前中からピンポイントで狙う泥棒なんかいる可能性がもの凄く低いだろう。
そんなわけで俺は腹の危機を救うべくすぐに駆け込み用を足しついでにリラックスもしていた。
営業は今日はない。そんなわけで俺の担当しているアイドル達は好きにさせた。
オフでも良いしレッスン場には行けないけど事務所の近くで自由に体を動かせても良いなど。
それか他のアイドルの視察でも……まあ、と言った訳でオフなのだ。
アイドルはみんな喜んでいたが、律子プロデューサーの竜宮はレッスンの様で、その姿に不満を漏らす千早がいたが不満だけでオフを取っているだけ少しは休みたかったのだろう。
そんなわけで俺はトイレでスッキリし更にリラックスも出ようかなとした時、外でガシャーンと春香が転んだような音がした。
俺は何事かと思いトイレを流し手洗いを済ませた。
だけど俺はトイレから出るにはいかなかった。それは相手がだれかわからないからだ。
しかし、音が激しいのでこれはと思いすぐに出た。
幸いトイレは事務所とちょっと離れている。というより、通路を挟んでの事務所である。そのため俺はいつものようにこっそりドアを開けて中を覗いてみた。
亜美がいた。
しかもどこから持ってきたのかバケツを頭に乗っけて水浸しのテンプレな光景だった。
亜美「いてて……うあうあ~兄ちゃん達に怒られる~!!!」
どうやら水入りバケツを仕掛けようとして椅子から落ちたらしい。
その結果、水浸しになった。幸い、俺や音無さん、律子の机に被害はないようで被害があるのは音無さんの同人誌くらいだった。
亜美「えっと雑巾どこだっけ?」
慌てて給湯室に雑巾を取りに行く。
自分よりこの場を何とかしたいと思っている様であり、雑巾を取って来てすぐに床を拭き始めた。
とりあえず、その様子を俺が眺めて5分くらい。
やっと拭き終わると再びバケツトラップを仕掛けた。
今度は椅子じゃなくて土台が安定している机から仕掛けられる範囲でトラップを仕掛けた。
仕掛けるのは良いが、問題は仕掛けた場所が律子の座るところピンポイントの様であり、真美まで流れ弾を喰らう可能性がもの凄く高いのだ。
亜美「うあうあ~結局床拭いてたら時間が来ちゃったYO!」
どうやらバケツトラップだけで何かの時間が来たようで確認すると他のみんなが集まってくることろだった。
俺も戻るかと思い、わざわざトイレまで戻って再び入った。
P「いや~すっきりした~って亜美だけか」
亜美「おっおおおお、兄ちゃんか」
P「どうしたんだ?」
亜美「べべべつに何でもないよ」
P「まあ、いいや。どうして服濡れてるんだ?」
亜美「あっ! こっこれはあれだよ! 汗だよ汗」
P「そかそか。じゃあすぐに着替えてこい」
亜美「わかった」
ロッカーに着替えに行く亜美を見て俺は三国無双の小喬に似てるな。しかし、竜宮のレッスンは如何したのだろう。
なんて思いながら俺は机の上の大事な書類などを避難させ始めた。
終わり
P「勢いよく事務所のドアを開けたら貴音が俺の机で角オナをしていた話」(前半)
この話はまず、時系列的には一番古い話になる。
理由としてはこの時の俺はまだ堂々と事務所のドアを開けていた。
では、なぜこの話をするかというと、現在進行形で俺は嫁の貴音に春香のスカート捲りや真美やよいのπタッチとかがばれたからである。
貴音「全く、わたくしという正妻がいるのに……」
P「ごめんなさい」
貴音「わたくしは悲しいです」
P「つい……出来心でした」
そんな貴音を黙らせるには一番なのである。
そして同時に一番最低な方法である。
P「…………そう言えば思い出したよ。貴音もここで……」
貴音「おやめなさい!!」
P「ごめん。だから許してくれ」
貴音「くっ……しかし……もう3回目です」
P「仏の顔も三度までで……」
貴音「……わかりました。代わりに今日はここで待ってます」
そう言ってちょっと涙目の貴音は俺の膝の上に座った。
可愛い(ちょっと)涙目の貴音に免じてこの話を喋るのを辞めておこう。
それに今は事務所内で他のアイドルの子たちもいるのにその話は本当に可哀想だ。
そんなわけで俺は思い出の中で貴音とのことでも語ることにしよう。
当時、俺は貴音をプロデュースしていた。もちろん貴音だけでなく律子の竜宮メンバーを除く全員をプロデュースしていた。
当然、事務所外にライバルはいるし、仲間だからと言ってトップは1人しかなれないので当然事務所内でもライバルはいる。
同じ事務所内ならアイドルは恐らくライバルと認識はあまりしないだろう。
それに十人十色でみんな差別化できている。もちろん外のライバルでも立派に差別化は容易である。
ただ、貴音だけそうはいかなかった。
アマテラスというアイドルをご存じだろうか。一言で言うと神である。長い銀髪に名前から古典的なキャラ。更にダンスにボーカルも出来る。
そのため、キャラが被る貴音のライバルになった。古風の貴音に対し向こうはほぼ古典アイドルである。
差別化は出来るのだが、ボーカルだけの貴音に対しダンスも出来るアマテラスの前では勝率は低かった。
俺も色々な路線で売り込んだが、いくら面妖美人の貴音でも神には敵わなかった。
全然違うだろと思ってる人がいるだろう。でも、神の力はその全然を覆したのだ。
そんなわけで貴音だけがいつまでたっても上に上がれずにハッキリ言って事務所のお荷物だった。
もちろん貴音だけがアマテラスの餌食になったわけではなく、貴音のような古風路線売りのアイドルが全滅した。
それでもめげずに上を目指しているが、壁がでかい。年下に2ランクくらい差を付けられる。営業がスーパーくらいしかない等と精神ダメージが貴音と俺を蝕んでいた。
そのためアマテラスの後釜ポジションに少しだけ古風路線アイドルが残っているが、貴音はそれすら残れなかった。
P「すまん……今日もCDの宣伝だ……春香の」
貴音「はい……」
最近じゃ春香達のリリースするCDのカップリングに無理矢理入れている始末であった。
最初の頃は事務所のみんなも傷を舐めていてくれたが、どんどん悪化する傷に舐めてはいけないことが分かり舐めなくなったため、浮くようになってしまった。
あの響ですら中々話そうとしない。というか、貴音のダメージにより、仲良しこよしのアイドル達に喝が入ったのか少しずつ事務所内でもライバル関係を持つようになった。例を挙げると真と響。
ある日、アイドルの売り込み営業が早く終わったので早く事務所に戻ることが出来た。
正直俺の力じゃ貴音以外はなんとかなっても貴音だけは無理な気がする。
そんなことを想いながら事務所への帰路に着く。
事務所に戻り、ドアの前まで来ると
「んっ、はぁっ、あっ」
卑猥な声が聞こえてきた。
俺はさては誰かが音無さんのエロビデオでも見てるんだなと思い、勢いよくドアを開けて犯人を確報することを決めた。
実行開始。ドアを開けて普段あ(み)まみと遊ぶようなテンションで侵入した。
P「な~にやってん…………だ……」
「あ゛っ!??!??!?」
ハイテンションからローテンションに下降する。
俺は犯人を見つけたことに後悔した。
貴音が服を乱し、胸をさらけ出しかつ揉みながらスカートを捲り上げて、股間を机の角に擦り付けていた。そしてびくびくした。
どうやら俺が突然入って来た事で感度がMAXで絶頂したらしい。
そのままぺたんと崩れ、泣き始めた。
同人誌やエロ本ならこのままスタートだが、俺はその勇気とかないしそんな異常な行動はしたくなかった。
結局俺はどうすればいいかわからかったので、服だけ気直せと言った。
それで5分後
涙うっすら顔真っ赤の貴音はただ俯いていて話が進行しなかった。というかしたくなかった。
机には貴音の液体がまだちょっと乾かずに残っていた。
ここで俺に問題が起こる。俺が興奮し始めたことである。
事務所にはまだ俺達しかいない。
どうするか。
貴音「痴れ者」
P「いて!」
貴音「そんなに今のわたくしがお嫌いなのですか?」
P「なわけないだろ。ほらちゅーの時間だぞ」
貴音「んっ……」
P「はい。だから、大人しくしててくれ」
貴音「わかりました」
貴音の過去の嫉妬が入ったのでこの続きはまたにするかな。
そう思いながら、俺は貴音を盾に他のアイドル達からのここでいちゃつくな視線攻撃から耐えた。
前半終わり
P「あずささんがジャンプを読んでいた話」
律子プロデューサーの竜宮小町だってオフの時はある。
もちろん、俺がプロデュースをしているアイドルとオフが被る時があるし、そうでない時もある。
アイドル活動に熱心な場合はオフでも事務所に来るときだってある。
例を挙げるなら歌唱レッスン大好きな千早。
そんなわけで竜宮はオフで、俺は午前中は事務所でスケジュールを組んでいた。
アイドル達は各自レッスン場に直接向かわせ昼に回収する予定だ。
事務所のドアが開いた。音無さんではなかった。
「おはようございまーす。今日は迷わず来れましたー」
あずささんが来た。
いや来るのは良いのだが、今日は竜宮はオフなのである。
それか、直接何か用事があるのか。
だがあずささんにそんな直接な用事なんて俺はないし、律子か社長か音無さんくらいしか用事を与える人がいない。
しかし、あずささんの方向音痴に用事を頼むくらいなら直接向かった方が時間かからないし、相手にも迷惑をかけない。
ただ現役アイドルを拝めない欠点があるし、音無さんならまだしも社長だともうガッカリも良いところだろう。
そんなことは俺には関係ないとして、ではあずささんは何しに来たのか。俺はそこが気になった。
あずさ「プロデューサーさん、律子さんはまだ来てないのでしょうか?」
P「そうですね、でも今日の竜宮はオフなんじゃないですか?」
あずさ「あ、そうでした」
答え。オフでも来てしまった。
それだけアイドル活動に熱心なのは嬉しい。が、それは俺ではなく律子に訴えて欲しいものだ。
下手にプロデュースしていないアイドルの1日限定のプロデュースは色々めんどくさい。
それに俺も忙しいし却下。
ということで、あずささんはこの後どうするのかがなんとなく気になった。
あずさ「えっと、じゃあ午前中は事務所でのんびりさせてもらいますね」
P「構いませんよ。あずささんならいつでもオッケーですし」
あずさ「あらあら、貴音ちゃんに言いつけちゃいますよ」
そう言って美希の睡眠ソファーに腰を掛けてバッグから何かを取り出した。
俺は最初またゼクシィかファッション誌でも読むのかと思ったがそれよりも遙かに分厚い。
サイズは同じなのだが分厚い。じゃあ何か。
あずささんはペラッとめくった。
…………ジャンプだった。
あずさ「あら? 今週はトリコが休載なんだ」
俺の中であずささんのイメージが少し歪んだ。
ジャンプを読むのは亜美はわかる。真美もわかる。真もわからなくはないけど、本人的には違う。
音無さんもわかる。響、春香もわからなくはない。
あくまで俺の主観だが、あずささんはとてもジャンプを読むイメージが出来なかった。
俺の頭の中のあずささんはゼクシィかファッション誌を読んで運命の人とかオシャレな服を探しているイメージだった。
あずさ「…………」
ジャンプを黙々と読みふけるあずささん。
しかもご丁寧に50円切手を傍に置いてある辺り、懸賞にでも出そうとしているみたいだ。
確かに、読むだけなら立ち読みが最強である。しかし、あずささんが立ち読みとは少しおかしい。
だから買った分だけ楽しみたいのではないのか。俺はそう思った。
俺は休憩手柄にわざわざあずささんの後ろでコーヒーを飲みながら後ろからちらっと何を読んでいるのか見せてもらった。
あずさ「……ふふふっ」
クスクス笑いながらペラッと捲るのはゆっくりでじっくり読んでいるようである。
まあ、事務所だしオフだしゆっくり読んでも構わないのだが、俺のイメージがまた歪んだ。
読んでいるのは巻末辺りのギャグ漫画だった。ジャガーではない。
いや、最初にそれを読んでいるのだけかもしれない。
次に今の看板漫画を読破していた。
俺も怪しまれないと思い、あずささんの読んでいるジャンプの角だけ凝視して帰りに何を読んでてたか確認するストーカーまがいの事をしようと思った。
あずさ「……もうこんな時間?」
気付くと昼の時間だった。
あずささんはジャンプと50円切手しまい、お先に失礼しますと言って帰って行った。
俺はどこかから戻ってきた音無さんに昼飯を買いに行くと言ってコンビニに向かって立ち読みした。
そして俺は気付いてしまったかもしれない。
いや、もしかしたらコミックス派だったり話が分からない等の理由があるかもしれない。
しかし、俺はその可能性がないと思った。
それは恐らくだが、あずささんがニセコイを読んでいない事を……
終わり
P「社長と飲んだ時の話」
珍しく社長が久々に一杯やらないか。と誘ってきてくれたのでついて行った。
場所はすぐ下のたるき亭ではなくそこらの居酒屋であり、社長行きつけの場所の様である。
俺は野郎2人で飲みに行くのはあんまり好きじゃなかったが、嫁(TAKANE)を呼んで来ると社長がちょっかい出してきそうなのでしぶしぶ2人で飲むことを選んだ。
音無さんや律子はどうかと社長に聞いたが、社長は俺とどうしても飲みたかったようだ。
ちょっと鳥肌が立ったがそっち系じゃわかって安心した。
そんなわけで俺はみんなを見送って社長が待っている居酒屋に向かった。
高木「やあ、先にやらしてもらっているよ」
どうやら先に一杯やっているようですでに顔が少し赤かった。
社長は二杯めとなる生中をぐいぐい飲んでいた。
俺は酔っ払って帰るのは迷惑をかけるのでアルコール初心者向けのウーロンハイを頼んだ。
俺が頼んでいる間にも社長は焼酎お湯割りを頼んだ。
それで社長からアイドルの売り込み度は如何かと聞かれたり、仲良くやってるかとか当たり前な事を聴かれた。
なぜ今更そんな事を聴くのか疑問に思ったが、最近見てなかったし知りたかったのだろう。
そんな感じで話が進んでいったのだが、社長がこの話題を切り出した。
高木「さて君、今日は君からの視線じゃなくてファンからの視線として語ろうじゃないか」
俺の視線、つまりプロデューサーからじゃなくファンからのイメージを語れと言うことである。
ぶっちゃけ俺が語ってもいいのだが、ここは敢えて言いだしっぺの社長から聞きたい。
まあ、野郎なだけ内容も似たような気がするが。
そんなわけで社長が事務所アイドルについて語ることになった。
キモいと思うが俺は耐えることにした。
高木「じゃあ、まずは春香ちゃんからしゃべっちゃいますか!」
酔っ払ていた。
高木「春香ちゃんはcvsbんdfjdhsgfv…………」
呂律が全く回ってなかったようなので俺が通訳をすると春香が転ぶ時が楽しみらしい。
エロジジイめと思ったが楽しみにしている俺もいたのでこれは黙っておいた。
しかし、ファン目線からだとやっぱり下心持ちまくりなのは仕方がないがやっぱり切ない。
かという俺がそんなことを言える立場じゃないのだがな。
その後も社長はどんどんアイドルを自称ファン目線、俺目線ではただのエロトークで熱く語った。
本当にここがたるき亭じゃなくて良かったと思う。
わかりやすく言うならばハルヒSSのKKコンビの様に俺が相槌打ってひたすら社長が語っていた。
高木「で……次は876の愛ちゃんなんだが……」
俺はどこまでファン目線で語っているのかわからない社長がヤバいんじゃないのかと思い始めた。
つーか事務所アイドルと言っていた話はどこ行った。
そのまま語らせているとどうやらやっぱり社長はアッチ系も好みの様でジュピターの事も語り出した。
酒の強さを改めて思い知った。
高木「……それで次がえと……そうそう貴音ちゃんなんだが……」
俺は社長をぶん殴った。
高木「へぶらぁっ!!」
P「すみません、虫が飛んでいたもので」
高木「…………」
どうやら社長は堕ちてしまったらしい。
アイドルのエロさを語るのは良い。俺も結構社長と同じ考えだったし。
ただし、可愛い貴音をそういう目で見て欲しくないし聞きたくなかった。
社長のネタにされてたら俺は思わず電車内で叫んでやろうかと思ってしまうほどだ。
さて、落ちた社長をどうするか俺は考え軽くつまみを食って店を出た。
P「ご馳走様」
明日は嫁と食べに行こう。
そう思いながら俺はお土産を買いに近くのケーキ屋を探し歩き出した。
終わり
P「千早を迎えに行ったら千早が逆立ちしていた話」
レッスン終わりのアイドル達の回収も俺がやる必要がある。
その間に俺は営業先に挨拶や作曲家に挨拶に打ち合わせをする。
時間的に簡単に思えて結構しんどい。
その間に他のアイドルが営業だったりするからである。
その話はもう何度かしたと思うが、反復記憶術的な事で語るといいかもしれない。
それで、俺は今日は営業を終えた美希と真美を事務所に降ろしてレッスン終わりのアイドル達を迎えに行った。
相変わらず歌唱レッスン大好き千早が近かったのでそこから向かった。
レッスン場に着くと千早の歌声が聴こえてこなかった。
可笑しい。普段なら回収ギリギリまで歌っている千早の声が聞こえない。
喉でも傷めたのか。それならレッスン場の入り口で待っているだろう。
ということは何かが起こったのかもしれない。
俺はすぐに駆け込んでいくのは不倫と思われるのでひっそり向かった。
千早「…………」
千早はいた。何故か逆立ちしていた。
もの凄く貸してくれているところに迷惑ではないのかと思ったが千早しかいなかったのでそれはないと心の中で訂正する。
では何故逆立ちをしているのかが俺には全く見当がつかない。
ただ、静かに逆立ちをしていた。
その逆立ちは綺麗な逆立ちでまるで洗い終わったまな板を立てかけて乾かしてあるような状態だった。
もちろん汗は洗った水の様に流れ落ちたり服に染みて下着をうっすら透けさせようとしている。
千早「っ……」
疲れたのか、一旦休もうとしたのだが、それもこらえ続行する。
ヤバそうなのは顔を見ただけでわかる。顔が真っ赤であるから結構前から逆立ちをし続けていたのだろう。
しかし、これは身体に悪いのではないかと思い俺は止めに入ろうとした。
だが、問題が起こる。シャツがめくれ始めているのだ。このままでは確実に下着が見えてしまう。千早の事だ。
仮に千早のを見てしまったら俺は速攻で首を斬られてしまう。そうなるとどうやって嫁を養って行けばいいのかわからなくなる。
だから俺は立場上駆け寄った方がいいのだが、社会的にはアウトなのである。
千早「……っ」
腕が震え始める。
これは不味いと流石に思った俺は大きな声を上げて千早を呼ぶことにした。
というわけで実は今回もこっそり見ていたのでわざわざ戻って今来たかという感じで呼ぶことにした。
P「おーい千早ー!!」
千早「っ!」
ばたり
と、音を立てて千早は倒れていた。シャツはめくれたので俺はすぐに身をひるがえした。
千早「すみません、久々に逆立ちしてたらつい……切り目を失ってしまって……」
P「そ、そうか。少し休んでから行くか?」
千早「いえ、大丈夫です。それに車の中で休ませてもらいますので」
そう言いながらまだ顔が真っ赤の千早が立ち上がる。
そして聞いてきた。
千早「ところでプロデューサー……その……見ましたか?」
顔が真っ赤なので照れ隠しでもしているのかが全く分からないが俺はさわやかスマイルで自信満々に答えた。
P「見るもんないだろ」
と、ここで俺の電源が切れたように意識を失ったらしい。
そして、次に意識が戻ると嫁が泣きながら俺の名を呼びその後ろで千早が申し訳なさそうに目をあちこちに動かしていた。
すまん、2人とも……
終わり
P「久々に美希にプロデューサーさんと呼ばれた話」
765プロの最初の脱落者は四条貴音である。
なんでも出来る神のライバルに敗北とその後釜に慣れなかったのは俺の責任である。余談だがあの神はMCも出来るようだ。
で、その貴音と結婚したのはその理由も少なからずある。
というかほとんどがもう勢いであった。
普通騒がれるが落ちこぼれだったので寧ろ誰と言われる始末であり
貴音のアイドルショックより俺のプロデュース力のなさの方がショックが大きかったあまりアイドル人生とおさらばする貴音に慰められていたらしい。
そんな話は良いとして、午後の予定は美希に付き添って撮影に行く。
だから、昼もパパッと済ませて出発の用意は出来て美希の到着を待つ。
美希「こんにちは……あふぅ」
到着したのは美希で相変わらず眠たそうにしている。
そういや珍しく美希も響と同じように貴音と仲良かったのは覚えている。まるで依然ユニットを組んでいたかのように……
まあ、ユニットなんて組んだところであの神の5人組には勝てなかっただろうし正解だったのかもしれない。
俺は準備は完了なので
P「美希、行くから準備早くしてくれー」
とせかした。
美希はスローペースなのでこう釘打っておかないとソファーに吸い込まれてしまう。
だから、ソファーに先回りして美希の逃げ道を塞いだ。
さすがに美希も来て早々寝ることはしないので……
美希「わかったの……プロデューサーさん」
そう言って支度しに行った。
……俺は少し違和感があることに覚えた。
別に美希が素直じゃなかったって訳でもない。
ただ、どこかにもやもやが残ったまま俺は美希を連れて撮影に向かった。
撮影はあっさり終わった。プロポーションが完璧な美希は撮影とか得意なようで終始カメラマンがご機嫌なまま終わった。
美希「プロデューサーさん、終わったよ」
P「……お、そうか」
話し込んでいるところに美希は来た。
そんなわけで俺は話を切り上げて俺は美希を連れて事務所に戻ることにした。
一通り美希との営業が終わったが、一向に違和感が取れなかった。
結局、それがわからないまま事務所に戻ってきた。
美希「ただいまなの」
P「ただいまー」
小鳥「おかえりなさい、どうでしたか?」
美希「プロデューサーさんのおかげで早く終わったの」
そこで違和感が気付いた。
美希がハニーと呼んでいなかった。そして抱き着かなくなった。
その違和感にどうして気付かなかったのか。もの凄く聞いてみたい。
しかし、音無さんが入る前で聞きたくない。
そんな葛藤をしている間に美希はソファーで寝てしまった。
小鳥「どうしたんですかプロデューサーさん、難しい顔しちゃって?」
P「いえ……何でもないです」
小鳥「そうですか」
そんなわけで久々に音無さんと会話した俺はそのまま理由がわからないモヤモヤした気持ちを残したまま仕事を終わらせて帰った。
帰る前に美希にまたねプロデューサーさんとまた言われたのがショックだった。
そのことを嫁に話すと一歩引いたのでしょうとラーメンをすすりながら教えてくれた。
終わり
P「夜遅くに事務所に戻ってきたら音無さんが必死に出会い系サイトをはしごしていた話」
アイドルは遅くても6時には帰らせる。
ただ、生放送があったわけで電車で帰らせるのは寝過ごしたりするといけないのでわざわざ送った。
特に春香の場合は寝過ごすと大変だし、夜遅いと不審者に遭遇してしまうと危険なので俺が直々に送り届けた。
このガソリン代は経費で社長に出させるとすると、ちょっと寄り道したくなるわけで
案の定春香もその気だったらしく、意気投合した俺と春香は帰りのルートをわざと遠回りする道のりにした。
なんでもその道のりだと星が綺麗らしく、俺は見えるのかと思ったが見えたので今度嫁と来ようと思った。
そんなわけで春香を送り届けて事務所に戻ってくるとすでに時刻はあと一時間くらいで日付が変わる時間だった。
流石に事務所には誰もいないと思っていたがまだ明かりがついている。
もしや社長がまだ残っているのかと思ったがあり得ないので却下した。
じゃあ誰か。それは律子か音無さんだと思うのだが、律子はもう帰っているだろう。
となると音無さんなのだが、何をしているのかが怖い。
俺はこっそりドアから覗くことにした。
小鳥「…………」
パソコンに向かってものすごい速さで文字を打ち込んでいたりマウスを動かしている。
こっちのガチャリにも気づかないほどである。
では、それほど音無さんに食いつくのはなんの記事か。
俺は音無さんの見ているサイトを覗いてみようともうちょっとドアを開けた。
小鳥「…………NNクロちゃん……50代か。でも社長……」
婚活サイトだった。
そう言えば昔は良く音無さんは色気が合ってお付き合いしたいなーなんて考えていた時期もあった。
というか俺なんかじゃ釣り合わないと思っていた。
結構優しくしてくれていたし、たまに社長にからかわれていた気がした。
あの時は俺は小鳥さんと呼んでいた。今は音無さんだがな。
そんなのは昔の話であり、今は俺には嫁がいるわけで嫁を裏切るわけにはいかない。
話が逸れてしまったが、音無さんはぶつぶつつぶやきながら他のサイトにも登録したであろう ID:[OL]でどんどんはしごしていた。
小鳥「NNチャオ☆……若い! でも年収が……」
音無さんらしくない年収のチェック。と思ったがどうやら違ったようで……
小鳥「うん! 若いからカバー出来るわね」
音無さんの中では年収<年齢だった。理由は知らん。
俺はひょっとしたら勢いで食われてしまうのではないかとちょっと危機感を感じた。
だから、一回事務所の外にでて深夜に一人で来てもらうには危ないかもしれないし、迷惑だけど嫁に来てもらうよう頼んだ。
そして再び覗くことにした。
小鳥「…………うへへ」
にやにや気持ち悪い笑みを浮かべているような気がした。
俺は音無さんの背を見ているので顔が拝めないが、声でわかってしまった。
……気持ち悪い、と
さて、俺もいつまでもここにいるわけにはいかないし早く帰りたいので事務所に入ることにした。
俺は嫁の到着を早く願いつつドアを思いっきり開けた。
P「戻りましたーって音無さんだけですか」
小鳥「ピヨッ!? おっおかえりなさいプロデューサーさん」
P「どうしたんですか?」
小鳥「いっいえ、なんでもありませんよ! …………」
P「ど、どうしたんですか?」
小鳥「…………ヤッパリプロデューサーサンガイチバンイイ」
俺はそのぼそっと呟いた事を聞いてしまった。
これは不味いと思ったので、さっさとにげることにした。
P「じゃあ、お疲れ様です」
小鳥「あ、プロデューサーさん……」
P「はい」
小鳥「……また、明日」
にこっり笑った音無さん。目が死んでいて可笑しい。
そのままじりじり迫って来るかと思ったが、まるで起き上がったがそのまま去って行くモンスターの様に椅子に座って悲しく婚活サイトをスクロールしていた。
俺はドアに向かうと嫁が待っていた。しかも嫁は音無さんを蛇に睨まれた蛙ごとく俺が一度も見たことない眼力を発揮していた。
そういうことか。嫁が助けてくれたのか。
やっぱり呼んでおいて正解だった。
P「ありがとな。お礼はもう明日で良いかな?」
嫁「構いません。ですが、今日はわたくしと共に寝てくださっても……」
P「かまわないというか当たり前だろ! でも、それとは別でお礼は出すからな」
嫁「ありがとうございます。ですが、やはり夜遅いのなら次回からわたくしが迎えに参りましょう。小鳥嬢が誘惑してきそうですし」
P「……妬いてるのか?」
嫁「そ……もちろんです! わたくしが正妻なのですよ」
めちゃくちゃ可愛い。
俺は音無さんに見えるように可愛い嫁にキスした。
音無さんはパソコンをぶっ壊した。
余談だが、この後嫁に春香と遠回りしたことがばれて一時間口をきいてもらえなかった。
可愛いけど悲しませることはしないと誓う事にしよう。
終わり
P「律子が牛丼屋で牛丼を食っていた話」
ちょっと小腹がすいた時、俺の場合は100円玉三つ持って並盛を食べに行く。
それが俺の牛丼屋に行くきっかけであり、昼飯には基本行かない。
ただ、今回はちょっと時間的に厳しいので事務所に戻ってのんびりとはいかない。
だから俺は近場にあった。牛丼屋に駆け込んだ。
ここは頻繁というわけではないが大手チェーン店の中では一番言っていると思う。
俺はカウンターに座り、メニューを見ていた。
ふと、周りは何を食っているのかなとちらっと見た。
律子「…………」
律子が牛丼を食っていた。
しかも、俺の事は気付いているのかわからないが社会人のおっさんに紛れて牛丼を食っていた。
丼からしておそらく特盛である。
恐ろしいことに律子は1人で来て特盛牛丼を食っているのだ。
律子「…………」
俺は……あっけにとられたが何か食わなくてはと思いいつも頼んでいるのを大盛りで頼み出された飲み物を飲んだ。
その間も律子は口に駆け込む感じで食べる。
女性らしいさは見られないが、豪快さがある。
しかも、紅ショウガを取り出し更に追加している。それを食べる。
しっかり無料を有効活用しているなぁと感心してしまった。
と、のんびり眺めているうちに俺の注文した牛丼が運ばれてきたので俺も食べ始める。
律子「……ふぅ」
俺が食べ始めると同時に律子は完食したようだった。
早かった気がする。
俺が店に入った時はまだわからないが、俺が律子を見つけた時にはまだ丼の半分以上残っていた気がする。
律子はまだ食い足りないのか紅ショウガを丼に盛ってそれを食べ始めた。
俺はのんびりって程ではないが口に駆け込んでいる。
律子「…………ご馳走様」
律子は飲み物と紅ショウガを完食したら会計をすまして出て行った。
とてもじゃないが早くて終えなかったが、逆にもし俺が律子の飲み物と紅ショウガのペース以上に早かったら
きっと会計時に鉢合わせになったのかもしれない。
それはとても気まずいことになりそうなので良かったと思う。
しかし、律子の牛丼屋でのスムーズさは絶対に良く来ているに違いない。
今度飯誘うときは牛丼屋で安く済みそうだ。
そう思いながら俺は会計を済ませた。
終わり
P「事務所に戻ると真が学校の宿題をやっていたのを覗いてた途中で奇襲を受けた話」
響と千早の営業に行ったのだが、2人が撮影の仕事をしている間に俺は午後の資料を読んでいたかった。
しかし、それを見事忘れてしまい、事務所に戻ることにした。そんだけ俺の身体も疲れているのかもしれない。
2人の午前の仕事は撮影で終わるが足がないので、丁度同じ場所で竜宮も撮影するようなので2人を律子に押し付け先に帰ることにした。
そんなわけで、午前中の今帰ると丁度昼ごろになる。この時間ならまた事務所1人で手作り弁当食べながら資料を読める。
事務所に戻ってきてドアを開けようとした時誰かがいる気配がした。
最近やよいが嬉しそうにポッキーダンスを披露してくれたのでやよいではないと思う。
俺はこっそり覗いた。
真「……う~ん」
真が頭をポリポリ掻きながら何かに何かを書いていた。
それも結構退屈そうである。サインならアイドル全員が喜ぶが、真があんな顔するならサインではない。
次にクロスワードパズルではないかと考える。しかし、真があんな頭を使うのをわざわざ昼時に解くのか不思議である。
じゃあ何か。テレビの音が漏れてくるどうやらテレビは音楽代わりだったようだ。
真「あ~もうやってなれないよ!!」
書くものを投げた。
どうやら真は苦手な教科のものだった。そんなわけで書いていたものを読んでいる。
それでわかった。真がやっていたこととは学校の宿題だった。
どうやら宿題を持ち込んで誰もいない時にやっていたようだ。
確かに誰かがいると集中力がなくなる。というかここの連中といると絶対にやらないだろう。
かといってアイドル活動と学業は別なものでやらないと高校でも留年はあり得るだろう。
それに真はもうすぐ受験生なのでアイドルも大事だけど人生も大事にしてほしい。
既に1人のアイドル人生をダメにした俺が言うのもあれだがな。
真「いいや、答え見ちゃおーっと」
最終兵器解答。それを取り出し写し作業を始める真。
そう言えば嫁もそんなことやっていたから俺が解答を取り上げたっけな。手取り足取りで教えてあげたけど。
しかし、真には俺のような家庭教師みたいのがいないのでわからないから解答に直行してしまうのではと思った。
が、よくよく思い出せば俺もすぐに解答見てたなと思った。
真「…………」
黙々と書いている。それはどうやら数学かと思ったが、国語か英語あたりなのかもしれない。
いや、もしくは社会か大穴で生物か。とにかく何の宿題かわからないがせめて解説は読んどけよと思う。
しかし真はもうすぐライブがあるからそっちを優先しているのかもしれない。
こう表現しちゃあれだが、あずささんを除くアイドル達はみんなこれからよりも今を大事にしているのかもしれない。
高校野球みたいに3年のチャンスに全てを掛けるような感じ。
真もそうなのかもしれない。
真「へへっ終わり!」
1つの宿題を解答見ながらでも終えたのか次の宿題に取り掛かる。
今度も最初は考えている。何かわからないが考えている。
ふと、腕時計を見ると12時半だったのでそろそろ事務所に入るか。
真「……これはこんなものかな」
真にも得意分野はあるようで、パパッと終わったようだ。
いやもしかしたら宿題の範囲が少なかったかもしれない。
そして次の宿題を取り出す真。俺はどんだけ溜めてたんだと突っ込みたくなるがこっそり覗いているのでそれをこらえた。
しかし、そろそろ俺も資料を読みながら手作り弁当を食べたい。
だから事務所に入るかと一旦ドアから離れようとした時だった。
俺は真に夢中で第三者の気配に気づけなかった。
そして……
「指銃(シガン)!!」
ズブッ! っと、俺の肛門に何かがぶっ刺さった。
しかも結構な勢いで六式の一つが刺さった。そして抜かれた。
P「っぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!」
俺は情けないことに悲鳴を上げてしまった。そのままドアに凭れかかるように事務所に倒れ込んだ。
疲労とか痛みが色々重なり合って意識がなくなる寸前だった。
真が駆け寄ってきてそして俺は犯人を見た。
お前だったのか…………真美……
終わり
P「貴音と事務所でヤった昔話」(後半)※すまんエロいのはない
P「……ごめんな。稼ぎにいって来れなくて」
嫁「良いのです。高木殿が休暇を薦めてくれたのですから」
P「でも有給じゃ……」
嫁「いえ、そこはあなたのアイドル達が説得してくれたようですよ」
P「そうか……悪いことしたかな」
今日は俺の休みである。
昨日真美のカンチョーという名の指銃を喰らい見事に再起不能になってしまった。
お陰で覗きがばれてしまった。そのせいか何故か真美が英雄扱いされている。
ただ、真美も真美で闇討ちをしたので律子に怒られていた。
お相子ということで俺は休むことが出来た。もちろん体調調整で。
実際、俺は見た目がヤバかったらしい。
嫁こと貴音は気付いて行くのを抑えたが俺が無理して行ってしまったのが原因であり、見事な社畜魂を俺は植えつけられていたらしい。
そうなると、俺は自己管理が出来ていない。更に落ち込んでくる。
嫁「やっぱり恋しいですか?」
P「いや……来てくれよ」
嫁「……いまこちらをやらねばなりません」
そう嫁はスッと教科書みたいなのを取り出す。
通信制高校の課題の様で、終わらせてから一緒に寝てくれるらしい。
それならば寝ながら待つと言うことでのんびり嫁を眺めながらふと、昔の事を思い出していた。
初めて嫁と身体を交わした日の事。
あの時はこれからという時にストップを掛けられてしまったのだが、今回は大丈夫だろう。
あらすじ的には角オナしてた貴音を見てしまい涙目で俯いている彼女に興奮したときのこと。
その時は事務所に誰も来ていなかったし、音無さんですら事務所にいなかった。
ぶっちゃけるとあんな衝撃な姿を見せられて興奮しない方がおかしいくらいで、理性を抑える方が大変だった。
しかし、このままだといつまでたっても次に進まないので聞きたくないが聞いてみることにした。
P「……その……なんで……してた?」
貴音「…………」
当然答えるわけないだろう。そもそも俺の質問の仕方にはデリカシーの欠片もない。
逆に堂々と答えられたら俺の中のイメージが崩れる。
貴音「……」
ダメだ。どう思考を他に回しても先ほどのイメージが脳裏をよぎる。
そもそも普通に考えて貴音が事務所で1人でとか斜め上過ぎるわけで……そう考えると俺のは準備が完了だった。
しかも、顔真っ赤で俯いてる涙目な貴音。
ぶっちゃけると興奮する。
気付いたら俺は貴音を抱き寄せていた。
P「……貴音…………お前が悪いんだからな」
貴音「……あっ」
その後の事は語らなくてもわかるだろう。
要するにアイドルである貴音とヤった。そこんとこの思いではなんか知らんが上手く伝えられない。
問題はその時エロ同人誌の様に思いっきり出してしまって出来ちゃうんじゃないかとものすごくひやひやした。
しかも、椅子に座っての初体験とは思えない体験だったので終わったら俺と貴音は繋がったままぐったり抱き合っていた。
P「……なあ貴音」
貴音「……なんでしょう?」
P「もうアイドルやめろよ」
貴音「…………しかし、わたくしは……」
P「俺とこうしちゃった時点でもう無理だ」
貴音「……い、いえ、まだあなた様にしか……それに……わたくしは……国の……」
P「……てか、もうこうやっちゃったわけで今更だけど……アイドルはダメだったけど人生のプロデュースをさせてくれ」
今思うと臭い台詞だったと思う。それでも貴音は返事をしてくれた。
そんなわけで貴音はひっそりとアイドルを引退した。
事務所アイドルはただ、お疲れ様と拍手をしてくれた。
アマテラスという人気アイドルに埋もれたアイドルの1人であって世間もパパラッチも相手にされることがなかった。
で、俺とゴールインした。今は嫁である。
未練はあるかと聞くと、あのまま意固地になってアイドルを続けていたらどうなっていたんでしょうねと答えてくれただけだった。
嫁「お待たせしました」
P「早いな」
嫁「昔のわたくしがそんなにお好きなようなので……」
P「……ごめん」
嫁「いえ、それなら今のわたくしをもっと愛してくれるならそれでいいんです」
P「……流石に今日は無理だ」
嫁「わかっております。なので今日はあなたと共に過ごすのがわたくしの今日の幸せです」
P「今日だけ?」
嫁「ずっとあなたと共に歩むことがわたくしの永遠の幸せですからね」
可愛い奴め。
余りに可愛かったから俺は嫁に接吻した。
後悔はしてない。
終わり
ボツ話
春香「…………」
春香「事務所に来たらプロデューサーさんと貴音さんがらぶらぶえっちしていた話」
終わり
ぶっちゃけ適当なアイドルの話もあってすまんかった
最後まで読んでくれた人ありがとう
貴音が一番可愛いよ