1 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:39:29.91 IOkT/o7V0 1/64

~大学~ 15:05pm

「はぁ~やっと今日も終わった。」フゥー

「今日も長かったな~」

「そうだな~」

「今日、合コンあるんだけど行かね?」

「俺はそういうチャラい遊びはしないことにしてんの。」

「チャラい~? だから彼女できねーんだよwww」

「うるさい。」

「まぁ何かいい人でも見つけたら言えよ。」

「何で?」

「相談に乗ってやる。」ニヤッ

「お前がニヤけてなければ相談してた。」

「男が誰かと恋愛してんの見たことないもんなぁ~ そりゃニヤけるよ。」

「うるさい。」




2 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:40:46.10 IOkT/o7V0 2/64

「あ、そうだ。お前こないだのジュースの分の金返せよ。」

「うっ!」ギクッ

「そ、そんなことあったかなぁ~?」

「返せ。」

「ちょ、これないと今日の合コンの電車賃が~」オーマイゴッ

「じゃ、合コン行くな。」

「男様~そこを何とか・・・」アーメン

「じゃ、明日返せ。じゃないと利子つけるからな。」

「ありがとう!なんやかんやで優しいな、お前。」

「変なこと言うな。キモチワルイ。」

「さーせん。」

「ところでお前はこれからどうすんのさ?」

「とりあえず駅前ブラブラして帰る。」

「バイトは?」

「今日は休みだ。」

「そっか~ じゃ俺行かないとだから。」シュビッ

「おう! せいぜいいい女落とせよ。」ノシ

「おう!」スタコラッ

「・・・さてと、駅前に行きますか。」



3 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:42:48.84 IOkT/o7V0 3/64

~駅前~ 15:30pm

「駅前に来たとはいえ、することないなぁ~」

「しょーがないから晩御飯の買い物して帰るか。」

「確か今日、チラシを持ってきてたハズだから・・・かばんの中に・・・」ゴソゴソ

「あった。」ペラペラ テクテク ドンッ

「おっ! すみません。余所見してました。」ペコリ

「・・・あ」ペコリ ソワソワ

「これ拾いますね。」ガサッ

「???」

「あ・・・」ペコリ 

「パ、パン屋?」

「パン屋の人なのか。」

「はい、どうぞ。」

「・・・」ペコリ タッタッタ

「・・・」

「えらく無愛想な人だったな・・・」

「あそこのパン屋行ってみるか。」

「何か、妙に気になるしな。あの人の事。」

「さて、先ずは買い物だ!」




4 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:44:06.87 IOkT/o7V0 4/64



~スーパー~ 16:10pm

「1番安いところに来たのはいいけど。」

「晩御飯何にするか決めてねぇ。」ドヤッ

「明日の朝ごはんも決めないと・・・」

「お母さんすげえな。いつもこんな事考えてたのか。」

「・・・」ポッポッポッポ

「・・・・」ポッポッポッポ

「!」チーン

「よし!しょうが焼きにしよう。」

「いるのは豚肉と、しょうが、醤油は家にあるから・・・」

「後はりんごジュースだな。」テクテク

「1番安い豚肉を!」ガサッ

「そして、しょうがとりんごジュース」ゴトッ

「後朝ごはん用にポケモンパンかな。」

「あれの真ん中にピカチュウの絵があるどら焼きみたいなやつがうまいんだよな~」

「・・・」

「朝、あのパン屋にしてみようかな・・・」

「朝1番の早起きはパン屋って言うし、開いてるだろ。」

「俺はパンを買いに行くだけなんだ。」

「やましい事は1つもないとは・・・思う。」

「うん。」




5 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:45:45.42 IOkT/o7V0 5/64

~次の日~

~男の家~ 08:50am

「やばい。課題が終わらなかった。」

「いや、今はそれよりパン屋だ。」

「いってきマース。」バタン ガチャッ

「確かこの道を左に行って。」テクテク

「まっすぐ行って。」テクテクテク

「右に曲がれば・・・」テクテクテク

「あった。パン屋だ。」

「よし。いざ出陣!!」ウイーン

店員「いらっしゃいませ~」

「へぇ~きれいな所だなぁ」ペコリ

「さて、何にしようか。」

「てか、昨日の人いないジャン。」

「まあいいや。この特製サンドイッチにしよう。」

「ってないじゃん! 売り切れ?」




6 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:48:07.17 IOkT/o7V0 6/64

たのむ。誰か見ていてください。

「すみませーん。これもう売り切れたんですか?」

店員「いえ、それは裏にいる女ちゃんが作ってくれるんですよ。日替わり弁当みたいなものです。」

「今ってそれ頼めますか?」

店員「はい。」

「じゃそれ下さい。」

店員「かしこまりました。」

店員「ちょっと待って下さいね。今呼んで来ます。」テクテク

「?はい。」

(普通に呼べばいいのに。)

店員「お待たせしました。」

(昨日の人だ。)ペコリ ニコッ

「あ、昨日はどうも。」ペコリ



7 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:51:14.40 IOkT/o7V0 7/64

店員「お知り合いですか? じゃこのホワイトボードをどうぞ。」サッ

「え?」

店員「女ちゃん、耳が聞こえないんですよ。」

「あ、そうなんですか?」

(マジか~ だから昨日愛想悪かったんだ、てか聞こえてなかったんだ。)

『こんにちは。昨日はありがとう。女といいます。』カキカキ

『こんにちは。男です。』カキカキ

(綺麗な字だなぁ~)

『本当は昨日お礼言いたかったんですけど、書くものが無くて・・・』ペコリ

『いえいえ、気にしないで下さい。』

『ところで、俺としゃべってていいんですか?』

『はい。忙しい時間帯は過ぎたので。大丈夫ですよ。』ニコッ

『そうなんですか。』

『あ、そうだ。特製サンドイッチでしたよね?』

『少々お待ちください。』スッ

『は~い。』



8 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:53:00.02 IOkT/o7V0 8/64

店員「昨日会ったんですか?」

「そうなんすよ。」

「また、明日も来ていいですか?」

店員「はい! ここだけの話この時間は女ちゃんと話すには絶好の時間帯ですよ。」ニヤリ

「ギクッ! あ、ありがとうございます。」

店員「いえいえ? あ、450円になります。」

「あ、はいはい。」

店員「ありがとうございます。」チャリーン

・・・

「あ・・・」スッ

『お待たせしました。』カキカキ

『ありがとうございます。』ペコリ

『また、明日も来ますね!じゃっ』ウイーン

店員『ありがとうございました~』ペコリ

「あっ・・・」ペコリ

店員『明日も来るって。よかったね~』カキカキ

『う・うん。』/////

店員『あの人が昨日言ってた人でしょう?』

「・・・」コクリ

店員『いいひとじゃん。狙ってみなよ。』

『で・・でも、あたし障害者だから・・・恋愛できない・・・』

店員『そんなことないよ! 女ちゃんかわいいじゃん。』

店員『それにいつもニコニコしてるじゃん。そこもかわいいよ。』

『・・ニコニコしてるのはちがう・・・』

店員『じゃ何なの?』

「・・・」

『とにかく、恋愛はできない・・・』

店員『困ってることあったら言ってね?』

『ありがとう。面倒ばっかりかけさせてごめんね。』

店員(男!がんばるんだぞ。)



9 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:55:04.72 IOkT/o7V0 9/64

~男の家~ 09:35am

「ただいま~」

「おかえりー」

「さ、パン食うか。」

「・・・」モグモグ

「うまい!これはうまい!」キラキラ

「明日他のパンも食ってみよう。」

「しかし久々に人が作ってくれたもんくったなぁ」シミジミ

「女ちゃんか・・・」

「かわいいよな・・・」

「さ、大学行こっ。」




11 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:57:07.40 IOkT/o7V0 10/64

~大学~ 16:05pm

「今日は比較的短かったな。」

「そうだな~」

「ところで合コンどうだったの?」

「ふっふっふ。大収穫祭りだったぜ。」

「相変わらずだな。」

(女にはモテんだよな。こいつ)

「まぁなぁ」

「てか、金返せよ。」

「おう。悪かったな。」チャリーン

「おう。いいよちゃんと返してくれるなら。」

「お前、なんかあったか?」

「ん?なんで?」

「何かヘンだぞ。」

「・・・」



12 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 19:58:31.05 IOkT/o7V0 11/64

「また、話せるときに話すよ。」

「今日バイトだから。」

「お、おう。」

「じゃな。」タッタッタ

「女でもできたかな?」

「バイトに行く前にちょっと覗いていくか。」

「どれどれ?」チラッ

「女ちゃんすっげーニコニコしてんな。」

「かわいいな・・・」

「俺、ストーカーみたいじゃん。」

「バイト行こっ。んで明日メアド聞いてみるか。」テクテクテク



13 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:00:39.06 IOkT/o7V0 12/64

~次の日~ 08:50pm

「きっかり昨日と同じ時間になってしまったな。」

「大丈夫。朝起きて、パンが食いたくなっただけだ。」

「いってきマース。」バタン ガチャッ

「今日は何パンにしようかな?」テクテク

「ようし。いざ出撃!」ウイーン

店員「あ、男さん。いらっしゃいませ~」ペコリ

「こんにちは~」ペコリ

店員「さ、座ってください。」

「どうもすみません。」

店員「女ちゃん呼んできますね~」

「ありがとうございます。」

「!?」パッ



14 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:03:06.41 IOkT/o7V0 13/64

(急に明るくなったな。)

『こんにちは。』ニコッ

『こんにちは。』

(やばい、何を話せば・・・)

(昨日、話す事箇条書きにしておけばよかった・・・)

『何か、あの、おすすめのパンありますか?』

『えと・・・チョココルネです。私しか作れないので・・・オススメです。』

『じゃそれも買って行きますね。昨日めっちゃおいしかったです。』

『ごちそうさまでした。』

『ほんとですか?』

『うれしいなぁ~』////



15 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:07:59.28 IOkT/o7V0 14/64

「・・・」

「・・・」////

「・・・」////

『あ、あのメアド聞いてもいいですか?』

『ど、どうぞどうぞ!俺も聞きたかったんですよ。』

『あ、ありがとうございます。』

『これが俺のです。』サシアゲッ

『ありがとう。』

『確認メール送りますね?』

『はい!』

「・・・」ポチポチ

『送信しました。 ていうか今仕事中なのに』フフッ

『そういえばそうですね』ニコニコ

『あ、来ました。ありがとうございます。』

『あ、あの朝は4時から仕事だけど、夕方の5時ごろには終わるので、それからなら返信できます。』

『わかりました。』

『あ、あと土曜日と日曜日は休みなので・・・そ、その』モジモジ

『わ、分かりました。』///




17 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:11:01.34 IOkT/o7V0 15/64

『でも、表には定休日無しって書いてますよね?』

『あ、もう一人職人さんがいらっしゃるので・・・』

『そうなんですか。じゃ、女さんの時に来るようにしますね笑』

『あ、ありがとう。』////

『じゃ、俺そろそろ大学あるんで、またメールしますね。』

『はい。バイバイ』ニコッ ノシ

店員「725円になりまーす。」

「あ、はーい。」

店員「いい感じですね。」ニコニコ

「い、いえ。そんな。」///

店員「土日にデートに誘ってあげて下さい。」ニヤリ

「!?で、デート?」

「わ、わかりました。」///

店員「ありがとうございましたー」ペコリ

「ぁ、ありがとっ。」ペコリ

「ん?話せるの?」

店員「ありがとうとさようならは言えるのよ。めったに言わないけどね。」

「そうなんですか。」

「ありがとうございます。」ノシ

「・・・」ニコニコ ノシ




19 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:13:51.22 IOkT/o7V0 16/64

~大学・講義中~ 14:20pm

「・・・」ボーッ

(デートって言ったってどこ行きゃいいんだろ?)

(俺に会った時みたいになるかもだから、歩き回んのは無しだろ?)

(字幕付の映画ならいけるか?)

(外国映画の吹き替えなしの字幕のみのやつなら空いてるだろうし・・・)

(俺と条件がイーブンになるからそれでいっか。)

(とりあえず今晩メールだな~)

「おーい、男~」ボソボソ

「ん?」

「さっきから呼んでたんだけど?」ボソボソ

「お、すまん。」

「大丈夫か?」

「おう。」

「気にスンナ。」

「そ、そうか?」

「何かあったら言えよ?」

「おう。」

(割と重症かもしれんな。)




20 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:15:31.20 IOkT/o7V0 17/64

~男の家~ 17:00pm

「もうすぐバイトだからなぁ~」

「メール送るか迷うけど・・・」

「早めに確認しときたいからな~」

「送信だな。」ポチッ

「ていうかもしデートできても、どうやって話そうか?」

「腕つるかもなww」

「あれ?なんか俺楽しんでない?」

「今までに無い感じだな・・・」

「まぁいいや。てかバイト行かないと。」

「携帯携帯・・・ん?」

「あ~携帯をボード代わりにすればいいんだ。」

「よし。問題解決。」

「んならまぁバイト行くか。」

「いってきマース」バタン ガチャッ



21 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:17:01.79 IOkT/o7V0 18/64

~パン屋~ 17:05pm

店員「もう5時か~」

店員「そろそろ店閉めよ~」

店員『女ちゃーん、店閉めるよ』

『OK~』グッ

店員「このシャッター重いな~」ガラガラ

ブーブーブー

店員「携帯?女ちゃんのか。」

「!!!」ニヤッ ルンルン

店員『男さんからだな~?』ニヤニヤ

『そ、そうだよ。』///

店員『デートすんの?』

『う、うん。多分。映画だって。』

店員『へぇ~』

(字幕付きの外国映画か~)

(ちゃんと考えてくれたんだ。)////

店員『顔赤いよ?』

『あ、あついの。』ギクッ

『じゃまた月曜日ね~』ノシ

店員『うん。がんばるのよ~チューくらいしてきなさい。』

『そ、そんなチューなんて・・・』////




22 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:18:55.66 IOkT/o7V0 19/64

~女の家~

(ただいま~)

(どうしよ~デートだって~)アセアセ

(とにかく着る服を決めないと・・・)ガサゴソ

(私の耳がちゃんと聞こえたらな~)

(もっと女の子らしいことできたのに・・・)

(でも1人暮らしって大変。)

(何か届いても、不在票が無かったら、きたかどうかもわかんないし・・・)

(何でこんなふうになっちゃったのかなぁ~)

(と、とにかくあまり期待しないで行こう。どうせ・・・)



23 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:20:58.17 IOkT/o7V0 20/64

~日曜日・駅前・待ち合わせ場所~ 09:50am

「一応10分前に来てみたけど・・・」

「まだみたいだな。」

「何かソワソワしてんな。俺。」

タッタッタ

「はぁ・・・はぁ・・・」アセアセ ペコリ

「お。」ペコリ

『会話って携帯の画面でいいですか?』

『あ、大丈夫ですよ~。私遅刻ですか?』

『いえいえ。きっかり時間通りですよ~』

『敬語やめません?』

『そ、そうですか?』

『そうですよ。だって・・その・・お出かけするんだから・・・』///

『そうですね~ じゃ今から敬語禁止ってことでお願いします。』

『いきなり敬語じゃん。』フフフ

『あっ そっか』ニコニコ




26 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:23:11.14 IOkT/o7V0 21/64

『じゃ、いこっか。』

『あ、手繋いでいい?』

『?』

『このあいだ俺にぶつかったときみたいになったらあれだからさ・・・』

(やさしいんだなぁ)コクリ

『じゃ、改めていこっか。』ニギッ テクテク

(歩きながら話すのは危ないからな~)

(話す話題が多くない俺にはいいかもね~)テクテク

(なんか、いい感じ~)




27 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:24:23.90 IOkT/o7V0 22/64

~映画館~ 10:15pm

『ここだよ~』トウチャック

『あとどれくらいで始まるの?』

『んーもう入れるみたいだね~』

『じゃ、チケット買わないとね。』

『おっと、ご心配なく。もうあるよ~』

『えーすごい。いつの間に買ったの?』ニコニコ

『ん、ちょっと伝があってその人にもらったの。』

『そうなんだぁ~』ニコニコ

(本当はこないだ友がくれたんだけどな。)

『じゃなんかお菓子買って行くか~』

『お、お菓子はあるよ・・・その、パンがある。』

『昨日のだけど・・・』

『マジで~? 女ちゃんが焼いたやつ?』

『う、うん。そうだよ。』

『ありがとう。めっちゃ食べたい。』

『ほんと?』キラキラ

『本当!』

『じゃいるのはドリンクだけだね~』

『何がいい?』

『カルピスかな?』

『分かった~』スッ

『よし、じゃ中に入ろうか。』

ビー



29 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:26:41.64 IOkT/o7V0 23/64

~映画館・映画終了後~ 12:15pm

『どうだった?』

『面白かったよ~!!』ニコニコ

(よかった~)

『俺も面白かったよ!』

『だよね~ありがとう。連れてきてくれて。』

『いえいえ。ところで昼どうする?』

『んー男はお腹へった?』グゥー

『女お腹へってんじゃん。笑』

『え、やっぱ聞こえた?鳴った気がしたんだよね~・・・』///

『じゃ、どっか人の多くないとこ行こっか。』

『うん。』



33 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:30:44.14 IOkT/o7V0 24/64

~とあるカフェ~ 12:30pm

『どっか正面に座れるとこの方がいい?』

『どっちでもいいよ~』

『じゃ隣に座るよ~』

「・・・」コクリ ///

(うわ~いいにおいがします。)

『何食べる?』

『何にしよう・・・』

『何しろあんまりカフェに来ないもので・・・どれがどれなのかあまりよくわからんのです。』

『じゃ私が選んであげる~』フフフ

『ありがとう~』

(かわいいとこもあるんだ~)ニヤニヤ

『この、ハムエッグってやつでいい?』

『うん。』

『あ、じゃ頼むね~』

『ごめんね・・・』

『いやいや気にするなって』アセアセ

「すみませーん。」

店員「はい。」

「これ2つ下さい。」

店員「かしこまりました。」



36 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:32:54.09 IOkT/o7V0 25/64

~帰り道~ 15:05pm
『結局あそこでおしゃべりになっちゃったね~』

『そうだね~』

『明日は早いの?』

『うん。』

『そっか~じゃ今日はこの辺でって感じだね~』

『うん。今日はありがとう。』

『こちらこそ。』

『あ、あと・・・その・・またさそって・・・』////

『いいの?わかった。じゃまた遊ぼう!』

「さよなら」ニコニコ ノシ

「・・・」ニコッ ノシ

「やった。また遊ぼうだって!」

「やっぱ好きなのかな・・・女ちゃんのこと・・・」テクテク

「晩飯の買い物して帰るか。」



39 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:37:05.67 IOkT/o7V0 26/64

~女の家~ 15:45pm

(ただいま~)ガチャッ

(さてと、風呂入って寝よ~明日も早いね~)

(にしても今日たのしかったなぁ~)ヌギヌギ

(また、行きたいな~)ヌギヌギ

(そうだ。シャンプー詰め替えないと。)

(たしかこの棚にあったはず)ヨイショッ

ボキッ

(あー棚の扉が・・・)orz

(どうしよう~業者呼ぶのもなぁ・・・耳が・・・)

(明日店員ちゃんにきいてみよっ。)







40 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:38:18.78 IOkT/o7V0 27/64

~男の家~

「ただいまー」

「おかえりー」

「いい加減セルフおかえりも空しいな・・・」

「でも、今日は楽しかったからいいや。」

「女ちゃんって親と住んでるのかな?」

「おっと、明日提出の課題を片付けてから考える事にしよう。」

「昼間遊んでた分やばいからな。」

「楽しかったなぁ~」





42 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:40:38.46 IOkT/o7V0 28/64

~次の日~ 08:50am

「また、ほぼ徹夜なってしまった・・・」

「でも、寝れただけましか。」

「友って合コンばっかりしてていつ課題やってんだろ?」

「まぁいっか、今度聞こう。」

「今はパン屋にGOだ。」

「いってきマース。」ガチャッ



44 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:42:44.86 IOkT/o7V0 29/64

~パン屋~ 08:50am

『一段落したね~』

店員『そうだね~』

『ねぇねぇ、昨日棚のトビラが壊れちゃったんだけど直せる?』

店員『無理に決まってるでしょ。私がパンも焼けないくらい不器用なこと知ってるでしょ?』

『そういえばそうだったね・・・』

『どうしよ・・・』

店員『男さんに聞いてみれば?』

『でも私の部屋だよ~?』

店員『男さんなら大丈夫だと思うよ?』

『恥ずかしいよぉ』///

店員『聞いてみなって。ほら、噂をすれば・・・』

ウイーン




45 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:44:55.84 IOkT/o7V0 30/64

店員「いらっしゃいませ~」

「こんにちは。」

店員「はい。ホワイトボード。それと注文先に聞いときますね。」

「じゃ特製サンドイッチと、チョココルネで。」

店員「かしこまりました。」

『こんにちは~』

『こんにちは~』

『昨日はありがとう!!』ニコニコ

『こちらこそ。』

『あ、あの・・大工とかできる?』

『大工?家は建てれないよ?俺。』

『あ、じゃなくて日曜大工みたいな感じ。』

『あーできるよ~ 昔よくやったから。』

『ほんと?』

『あ、あの直して欲しいものがあるんだけど・・・』モジモジ

『?なに?』

『私の家の風呂場の棚が壊れちゃって・・・』///



46 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:46:37.43 IOkT/o7V0 31/64

『あ、直しに行くよ。』

「・・・」モジモジ

『あ、大丈夫だよ。もしあれなら店員さんにも来てもらえば?』

『そうじゃなくて・・・お部屋見られるのが今から恥ずかしくて・・・』///

『ははは~』

『じゃ、今度の休みにでも・・・』

『わかった~』

『ごめんね。』

『なんで謝るの?』

『困ったときはまた言って!』

『ありがとっ』ニコッ

『じゃ俺大学行くね。』

『はーい。』

『またね~』ノシ



47 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:48:30.41 IOkT/o7V0 32/64

店員「725円になりま~す。」

「ありがとう。」

店員「仲良くなったみたいですね~」ニヤニヤ

「ええまあ。」テレッ

店員「いい感じじゃない。」

「からかわないでくださいよ?じゃありがとうございます。」ウイーン

店員「ありがとうございました~」

「ありがと。」ペコリ




48 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:49:54.51 IOkT/o7V0 33/64

ねむい・・・

~次の週末~ 10:00am

「俺さ、よく考えたら女ちゃんの家知らないじゃん。」

「メールしよっ」ポチポチ

「送シーン!」ポチッ

ピロリーン

「返信はやいな。」

「パン屋の前集合ね。OK。」

「じゃいってきまーす。」バタン ガチャッ



49 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:51:50.81 IOkT/o7V0 34/64

~パン屋の前~ 10:00am

(男に家の場所教えてなかった・・・)

(もう私のバカっ。)

ブーブー

(男だっ。パン屋の前で待ってるっと)ポチポチ

(はぁ・・・私ドジだなぁ・・・)

~5分後~


『ごめん。待った?』ハァハァ

『待ってないよ。ごめんね?私がどこに集合とか決めとけばよかった。』

『それこそお互い様だな。』

『う・・うん。じゃ行こう。』ニギッ

「・・・」////



50 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:54:02.41 IOkT/o7V0 35/64

~女の家~ 10:18am

『ここが私の家だよっ』ニコッ

『お・・お邪魔しマース』

(どうしよう・・・空気じゃない息を吸い込んだみたい・・・)ドキドキ

(あ~緊張する~)

『風呂場どこ~?』

『あっ こっちだよ~』

『綺麗な家だなぁ~』

『そ、そう?』

(片付けといてよかった。)ホッ

『これか~』

『そう。 直せそう?』

『うん。』

『多分10分くらいでいける。』

『ほんと?じゃその間にお茶いれるね~』

『おっ。ありがと』

「さて、やりますか。」

「結構壊れてると思ってたけど全然だな~」カンカン

「おっさん大工セット持ってこなくてもよかったな。」トンテンカン



51 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:55:16.73 IOkT/o7V0 36/64

~キッチン~

(男の子家に入れちゃった・・・)///

(まぁ今更だけど。)

(男お昼もここで食べてくれるかな?)

(一応下ごしらえしておこう。)

『終わったよ~』

『早いね~ありがとう。』

『元あった場所に戻しといたからね~』

『またまたありがと。』ニコッ

『男さぁお昼どうするの』

『わからん。』

『じゃうちで食べない?』

『いいのか?』

『いいのいいの。今日のお礼!』ニコ

『じゃ・・・お言葉に甘えます。』

『うん。』

『といってもお昼まで時間あるから、映画でもみよっか?』

『うん。いいよ~』

『じゃどれがいいか選んで~』ヨイショッ

『うおっ めっちゃいっぱいあるじゃん。』

『だってテレビには字幕無いから・・・』

『そうだよな~』

『じゃこれ見よう!』

『わかった~』




52 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:56:29.76 IOkT/o7V0 37/64

~映画上映中~
・・・
・・・・・

・・・・・・

(あっ・・・この映画エッチなシーンあるんだ・・・)////

(男は・・・どう・・おもうかな?)//// チラッ

「・・・」ジーッ

(映画に集中してるみたいでよかった・・・)

(私もいつかこんなこと・・・シちゃうのかな・・・)////

・・・・・・・
・・・・・・・

『おもしろかったなぁ~』

『そうだね~』

『じゃお昼作るね~』

「・・・」トントントン



53 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 20:57:42.47 IOkT/o7V0 38/64

(女は1人で怖くないのかな?)

(鍵も1つしかついてなかったし・・・チェーンはあったけど。)

「・・・」トントントン

・・・

・・・・・・

『おいしかった~ごちそうさま~』

『いえいえ。』

『じゃ、俺そろそろ帰るね。』

『え?』

『やらなきゃいけない課題があるんだ・・・』

『そうなんだ・・・今日はありがとね。』ニコッ

『いえいえ。』

『バイバイ。』ノシ

「さよならっ!」ノシ

バタン ガチャッ



55 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:02:22.15 IOkT/o7V0 39/64

「なんとか・・・」

「あんなシーンみたら我慢できなくなるじゃんか。」

「あれ以上いたら、やばかった・・・」

「レンタルビデオ屋行くか・・・」テクテク

(もう・・・あんなシーンが映画にあるのがいけないんだから・・・)

「・・・」クチュッ

(私・・こんなになっちゃって・・・)

「ん・・・んっ!」クチュクチュ

(なんなのこの気持ち・・・)

「・・・っ・・・ん・・・」トロトロ

(切ないよぉ)

「・・んっ・・ん!」

「ん・・あっ・・・ん・・」

(私声出ちゃってるのかな・・・)

(隣に聞こえないよね?)

「あっ!・・・ん・・」クパァ

(あ~もうキちゃう・・・)

「んっ!!・・・んっ!!・・あっ!」ビクビク

(ん~~~)

「はぁはぁ・・・」トロトロ

・・・
・・・・・・



54 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:00:27.14 IOkT/o7V0 40/64

(私なにやってんだろ?)

(男が私に何もしなかったのはやっぱ・・・)

(私・・やっぱ恋愛できないよぉ・・・)

(だって男にきっと迷惑だもん・・・)

(私、障害者だし・・話せないし・・・)シクシク

(男は違う世界にすんでるんだもんね。)

(音が聞こえてた頃だってもう思い出せないよぉ・・・)

(誰か・・・音がほしいよぉ)

(助けて・・・)
・・・

・・・・・



56 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:03:46.41 IOkT/o7V0 41/64

エロはいらなかったかなぁ・・・

~男の家~

「ふぅ・・・」

「さて・・・課題は無いからバイト行くか。」

「明日は日曜日だからな・・・」

「死ぬ気で働いてやる。」

「いってきまーす。」ガチャッ

~月曜日~

~男の家~ 08:50am

「さて、今日も朝飯買って大学行くか。」

「いってきます。」ガチャッ

テクテクテク

「今日も同じメニューにするか。」

店員「あっ。いらっしゃいませ~」

「こんにちは。」

店員「今日、女ちゃんいないよ?」

「えっ?なんでですか?」

店員「えっ?聞いてないの?」



57 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:05:04.77 IOkT/o7V0 42/64

「何を?」

店員「風邪らしいよ。」

店員(でも妙ね・・・女ちゃんなら今日来てもいないよみたいなメールしてたっておかしくないのに・・・)

店員「まぁとにかくまた明日来てみなよ。」

「そうっすね。ありがとうございます。」

「じゃ今日はチョココルネだけ下さい。」

店員「はーい。165円になります。」

「ありがとうございます。」ウイーン

店員「ありがとうございました。」ペコリ

店員『これでよかったの?』

『うん・・・』

店員『何があったのさ・・・レイプとかされてないよね?』

『それはないよ!むしろ・・・』

店員『はぁ~明日も来るってさ。』

店員『どうするの?』

『わかんない・・・』

『わかんないよぉ』




59 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:06:42.41 IOkT/o7V0 43/64

~大学~ 10:00am

「お前大丈夫か?」

「なんか今日やつれてんぞ。」

「おう・・・」

「ちょっと屋上こい。」

「はぁ?」

・・・

「ここなら誰にも聞かれないだろ?」

「・・・わかった。話すよ。」

「おう。」

「俺さ・・・好きな人ができたんだよ。」

「それで?」

「デートにも行ったし、その人の家にも行った。」

「順風満帆に進んでんじゃん。」

「でも、今日その子に嘘つかれた・・・」

「? もうちょい詳しく話せ。後家に行ったとき襲ってないだろーな?」

「そんなことしねーよ。」



60 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:07:56.45 IOkT/o7V0 44/64

「俺の好きな人・・・女って言うんだけど、耳が聞こえないの。」

「・・・!?マジかよ。」

「引いたか?」

「んなわけないだろ。」

「女ちゃんはパン屋で働いてるんだけど、今日いつもいる日だから行ったら風邪でいないって言われて。」

「なんで嘘ってわかんのさ?」

「女ちゃんが前に話してくれたんだ。チョココルネは私しか作れないって。それが今日売ってた。」

「なるほど・・・」

「んで、お前が思うに原因は?」

「それが分かんないんだよ。」イライラ

「そうか・・・」

「家に行ったときはどうだった?」

「一緒に飯食って、映画見て帰ったよ。」



61 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:09:09.78 IOkT/o7V0 45/64

「・・・」

「アドバイスになるかは分からんが、1回彼女の世界のこと考えてみたら?」

「?」

「耳が聞こえない、音の無い世界。」

「そこにヒントがあるかもしらん。」

「・・・」

「そもそもお前の話聞く限りでは、お前は悪い事してね~」

「強いて言うなら映画の後いい雰囲気になってたんならあるいは・・・ってとこだけだ。」

「まぁ会ってみるのが1番だな。」

「嫌われてないかな?」

「嫌われるような事してないだろ?」

「俺はそう思うぜ?お前が脚色してない限りな。」

「そっか・・・」

「ありがとな。」

「まぁ無理やり言わせた俺も俺だけどよ。」

「相手の世界に住んであげな。」

「きっと誰にも理解されないままだぜ?彼女が何を思って生きてるのか。」

「今日、家に行ってみるよ。」



62 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:10:39.18 IOkT/o7V0 46/64

~男の家~16:45pm

「音の無い世界か~・・・」

「いっちょまえに女ちゃんのこと考えてたつもりだったけど・・・」

「根本では全然だったなぁ・・・」

「さっき耳栓つけて、上からヘッドホンをつけてみたけど、」

「音が聞こえないのってやばい。」

「俺ならおかしくなってる。」

「それでも女ちゃんは、毎日パン焼いて、俺にために昼飯まで作ってくれて。」

「自分が何言われてるか分からない世界だもんな。」

「・・・・行こう。」スッ

「行ってきます!」バタン ガチャッ



63 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:11:52.41 IOkT/o7V0 47/64

~女の家~ 17:00pm

(ただいま・・・)ガチャッ

(はぁ・・・明日は嘘つけないなぁ・・・)

(でも、ただでさえみんなに迷惑かかってるのに。)

(我侭ばっか言ってられないよね・・・)

(明日、どうしよ?)

(何か気の聞いたセリフないかな?)

ピーンポーン

「でねぇ・・・」

「もう一回だ。」

ピーンポーン

「・・・!?」

「こういうところが駄目なんだよ。俺。」

「相手の世界に立ってないじゃんか。」

「メール送ろう。」ピッ

ブーブーブー

(携帯・・・)チラッ

(男から・・・だ。)

(えっ!? 家の前にいるの?)

バタバタ ガチャッ



64 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:13:08.08 IOkT/o7V0 48/64

「・・・」ペコリ

「・・・」ペコリ

『ちょっと話したいから、入っていいかな?』

『う、うん・・・』

バタン

『お邪魔します。』

『お茶淹れるね?』

『いや、いいよ。コンビニで買ってきたから。』

『そ、そう。』

『女ちゃん!』

「?」

『ごめん』ドゲザッ

『今日休んでなかったのは知ってる。』

『!?・・・じゃ何で・・・』ウルウル

『それは俺が悪かった。』

『女ちゃんの世界のこと考えてなかった。』

『私の世界?』

『俺、女ちゃんのこと考えてるつもりで、根本では違った。』

『?』

『時々、例えばカフェとかで。』

『女ちゃんが話せないの知ってたのに、それに気づかなかった。』

『挙句、女ちゃんに注文させようとした。』

『女ちゃんに謝らせちゃって・・・そういう些細な積み重ねが原因なんだろ?』

『だからごめん。』ペコリ




65 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:14:22.03 IOkT/o7V0 49/64

『・・ち・・ちがうよ。』

『私が・・悪かったの。』

『耳が聞こえないのに、男を振り回して・・・』

『家に呼んで修理までさせて・・・』ウルウル

『私が人好きになっちゃったら・・・その人が不幸になっちゃう。』

『そんなことないよ!』

『あるの!! 昔・・・あったの。』

『好きな男の子に告白したら・・・耳聞こえないのはありえない。迷惑だって言われて・・・』ウルウル

「・・・」

『耳が聞こえないのは私のせいじゃないのに!!』ポロポロ

『誰かにやられたのか?』

『両親・・・両親の喧嘩のとばっちり。』

『親も私を迷惑だって言って・・・高校卒業したら追い出せれちゃった・・・』

『私とかかわったらその人は迷惑なんだよぉ~!!』ポロポロ

「うっ・・・・うっ・・・」ポロポロ

『俺は、そうは思わないよ?』

『うそだっ!みんな迷惑と思うに決まってる!』ポロポロ

『私だって音が欲しいよ。』

『悪口を言われてたってわからないし!』

『それを言われないためにただニコニコするだけはいやなの!』

『もういやだよ・・・私は1人ボッチなんだよ・・・音が無いから。』ポロポロ



66 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:15:34.88 IOkT/o7V0 50/64

『俺が女の世界に行くから!』

『俺が女ちゃんの音になるからっ!』

『たのむっ!信じてくれ!』

『・・・』

『どうしてこんな面倒くさい女にかまってくれるの?』

『好きだからだ!!!』

『そ、そんなの。今の話読んだでしょ?』

『それならなおさらだ! 女ちゃんを守る!』

「・・・うっ・・うっ・・・」ポロポロ

「うわあぁぁぁん・・・」ポロポロ ギュッ

「女ちゃん・・・」ギュッ

『手話だって覚えるからさ。』

『一緒に住もう。』

『1人ボッチは駄目だよ。』

『しゃべってもいいよ?』ピトッ



67 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:16:48.21 IOkT/o7V0 51/64

「唇に手が・・・」

『唇に手を当てると言ってること分かるの・・・』ウルウル

『昔私みたいな人が行く学校で習った。

『でも、好きな人にしかしない・・・』

「なんで?」

『じゃないと唇に触れるなんてできないもん。』

「そっか・・・」

「好きだよ!女ちゃん!」

「ありがとっ」ポロポロ

・・・

・・・・・



69 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:18:01.47 IOkT/o7V0 52/64

「・・・」スースー

「寝ちゃったか。」

「泣きつかれたのかな?」

「俺も一緒に寝ちゃお。」

Zzzzz


~女の家~ 03:00am

「ん・・・」ムクッ

(!? 男・・・)

(そうか・・疲れて寝むちゃったのか・・・)

(男の言葉・・・聞こえないのに、聞こえてきたな・・・)

(魔法使いみたい。)

(大好き!)

「ありがとっ・・・」チュッ ギュッ

(仕事いかないと・・・)

(書置きだけでも・・・)

(じゃーね。行ってきます。)コソコソ パタン カチャッ

・・・

・・・・



70 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:19:29.59 IOkT/o7V0 53/64

「あれっ?女ちゃん!!」ムクッ

「書置きだ・・・」

『仕事に行きます。部屋のもの好きに使ってください。
 5時ごろには戻ります。』

「綺麗な字だなぁ・・・」

「こうやって昨日の女ちゃんの字と比べると・・・」

「優しさが伝わってくるな・・・」

「怒りを、声にできないんだもんな。」

「今までどんな思いをしてきたんだろう。」

「涙と文字で、どれ程の事を伝えられたんだろ?」

「俺が全部分かって、気づくんだ!」

「大切な人だから!」

・・・

・・・・・・




72 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 21:22:51.57 IOkT/o7V0 54/64

(男いるかなぁ?)ガチャッ

「・・・」テクテク

「ん・・・」ピトッ

「おかえり!」

『ただいま!』

『居てくれたんだ。』

「当たり前だろ?一緒に住むって言ったじゃん!」

『本当に住んでくれるの?』

「うん。俺ももう就職だから。お金も出せる。」

『うん。・・・』ウルウル

「そしたら、もうちょっとだけ広いところに引っ越そう。」

『それまではどうするの?』

「ここで寝泊りしてもいい?」

『うん!』ニコッ

「やった!」

『聞いてほしい言葉があるの。』

『下手だけど、精一杯気持ちを籠めるから。』

「・・・」スーハー

「だ・・だ・・・いす・・・き!」ギュッ

「い、今大好きって・・・」

『うん・・・店員ちゃんに教えてもらった。』

『上手に言えてた?』

「うん!」

『やった!じゃもう1回!』

「だ・・いすき!」ギュッ チュッ

            おしまい

みなさんお付き合いありがとうございました。
下手糞だったと思いますが、耳が聞こえない人を見つけたら、親切にしてあげてください。
それが言いたくて書きました。 ありがとうございました。


90 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:37:15.97 IOkT/o7V0 55/64

After Story

~大学~

「よう。男。」

「おっす。 改めてこないだはありがとうな。」

「どうしたんだよ?急に。」

「もう就職と思うとなんかな・・・」

「お前にもそういう心あったんだな。」

「ほっとけ。じゃ今から引越しだから。」

「おう!メールしろよ。」

「また会おうぜ!」

「おう!じゃーな!!」

~女の家~

(荷物は大体こんなもんかな?)

(この部屋ともお別れか~)

(なんか感慨深いな・・・)

(そろそろ男がくるはずなんだけど・・・)チラッ

「・・・」



91 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:38:59.65 IOkT/o7V0 56/64

ブーブー

(きたっ!!)パタパタ

「お・・かえ・り?」ピトッ

「またうまくなったなぁ・・・」シミジミ

『ほんと~?うれしいなぁ~』

「毎日聞けると思うと幸せだよ。」ナデナデ

『私も毎日男に会えると思うとうれしいよ。』////

「まぁ今までも会ってたけどな。」

『でも、また違う感じでしょ?お部屋とお別れも・・・けっこう寂しいね?』

「泣いてもいいんだぞ?」ニヤニヤ

『大丈夫だもん。』プンプン

「引越ししてもパン屋はするのか?」

『うん。男の収入が安定するまではね~』ニヤニヤ

「ちぇっ。すぐ給料たくさんもらってきてやるから待っとけ。」

『でも・・無理は駄目だよ?』

「分かってるよ。」

「さ、業者さんに入ってもらうよ?」

『うん。』




92 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:40:12.59 IOkT/o7V0 57/64

ドタバタ

ヨイショ

ヨッコイショウイチ

ワッショイ

業者「終わりました~」

「ありがとうございます。」

「先着で新しい家に向かってください。 鍵はこちらです。」

業者「かしこまりました。」

「さぁ俺らはゆっくり行こう!」

『そうだね~部屋の家具の配置図も渡してあるしね。』

「そゆこと。」

『ねぇ、今晩何食べたい?』

「ん~カレーかな?」

『カレーか・・・よし、明日作る!』ドヤッ

「明日かよ。」ハハ

『ってさぁよく考えると、今晩片付けがいそがしいじゃん。』

「そうだった。ダンボールは自分たちで開けるんだった・・・」orz

『そゆこと。だから明日ね。』

「分かった!!」




93 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:43:31.33 IOkT/o7V0 58/64

~新しい家~

『大体片付いたよね?』

「そうだな~」

「今日はおとなしく寝るとすっか。」

『さんせーい。疲れたもんね~』

「初風呂浴びてきなよ。」

「その間になんか簡単なもん作っとくよ。」

『ありがとっ』

「さて、女が好きなホットケーキでも作るか。」

ジューッ

(女明るくなって良かった。)

(一緒に住むのは正解だったな~)

・・・

・・・・・・



94 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:45:27.47 IOkT/o7V0 59/64

~初出社日~

「じゃ、行ってくるから。」

『う・・うん』

「緊張してんの?」

『ちゃんと寂しくなったら言うのよ?』

「子供か俺は。」ww

『心配なの! 明日からは見送れないからね?』

『ちゃんと前の日の晩に一緒に準備しようね?』

「小学生か俺は。」ww

「まぁいいや。やろう。一緒に! じゃ行ってきます。」ノシ

「ぃ・・ってら・っしゃい~」ノシ

(さて・・・殿下出社しますか。)

(店員ちゃんに練習も手伝ってもらわなきゃだし。)

(たのしいなぁ~ 幸せだっ!)ニコニコ ガチャッ バタン

・・・
・・・・・



95 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:46:40.80 IOkT/o7V0 60/64

~1年半後~

「もうすぐ家だ。」

「今思えば女ちゃんにはすごいハードなことしてもらってたな。」

「一緒に持ち物確認とか・・・次の日早いのに・・・」

「今日こそ言おう。」

「ヘソクリもたまったし。」

「大好きな女ちゃんに・・・」

ガタッ

ガチャッ

テクテクテク

トントン

「?」ピトッ

「ただいま。」

『あ~帰る前のメールしてないじゃない。』



96 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:47:53.61 IOkT/o7V0 61/64

(あ、やらかしたぜ・・・)

「ごめん。考え事してた・・・」

『仕事で何かあったの?』

「いや・・・後で話があるんだけどいい?」

『いいけど・・・深刻な問題なの?』

「まぁ緊張はしてる。」

『今聞きます。』

・・・

「あのさ、頼みがあるんだ。」

『?』

「いつも俺のことばっか心配してくれてありがとう。」

「女ちゃんは俺に不満ない?」

『ないよぉ~! 毎日次の日の準備するのとか、楽しいもん。』ニコニコ

「よかった。」

「・・・」



97 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:49:07.43 IOkT/o7V0 62/64

「結婚しよう。」

「!?」////

『本気?』

「本気だ。」

「指輪、一緒に買いに行こう。」

『本当?・・・お金は?』

「それはごめん・・・実はヘソクリしてた。」

『じゃ男が飲みに行ったりしなかったのは・・・』

「まぁそういうことだ・・・」

『うれしい。』////

「だ・いすきっ!」チュッ

「俺もだよ。」ギュッ

「式はどうする?」



98 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:51:04.43 IOkT/o7V0 63/64

『・・・身内はほとんどいないし・・・お母さんたちは、もう連絡無いから。』

「そっか・・・じゃドレス着て一緒に写真撮ろう。」

『ドレスも着ていいの?』

「あたりまえだろ? したいことはしたいって言っていいの。」

『何で?』

「嫁さんだからだ!」

「・・・」キュン

『ありがとう。』

「パン屋も続けてもいいよ?」

「でもしんどいはずだ。だって3時に起きて、俺と飯食って・・・」

「無理させてごめんな。」

「俺、もっとがんばるからさ。」

『男は十分がんばってる! 私が1番知ってる。』

『パン屋、どうしよっか・・・』

「好きにしていいんだよ?」

『うん・・・』



99 : 名も無き... - 2012/04/20(金) 22:53:34.79 IOkT/o7V0 64/64

『ねぇ、明日何食べたい?』

「・・・カレーかな?」

「・・・」フフフ

『変わらないね。』フフフ

「何が?」

『男が。』

「そうか?女ちゃんは日に日に話すのがうまくなってるけど・・・」

『うん、店員ちゃんのおかげだね』

『決めた。パン屋どうするか。』

「どうするの?」
・・・
・・・・・
・・・・・・・

1ヵ月後

「じゃ、行ってくるね。」チュッ

「いってらっ・しゃい!」チュッ ノシ

(おいしいお菓子とか作って待ってるからね。)

(早く帰って来てねっ!)


                    おしまい

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