放課後、軽音部部室
律「あー、暇だなー」 ぐたー
澪「暇なんて事あるか。練習するぞ」
律「練習は後で良いよ。もっと違う事しようぜ」
澪「私達は軽音部なんだぞ。練習をしなくてどうするんだ」
律「知るかー。ムギお茶だー、お茶もってこーい」
澪「お前は、どこの亭主関白だ」 ぐりぐり
元スレ
律「・・・なんだよ澪、こっち来るなよ。こっちは私達の陣地だぞー」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1298773813/
紬「お待たせしましたー♪」
律「あー、お茶がうまい」 ずずー
澪「それ飲んだら、練習するからな」
律「今しようと思ってたんだよ。あーあ、やる気無くなった」
澪「お前は小学生か」
唯「でも、あずにゃんが来てないよ。それまでは、ゆっくりまったりしてようよ」
澪「唯、お前もか」
紬「コントーラーのコード無いなんて、すごいわよねー♪」
律「それはシーザーも驚くだろうな」
澪「で、唯は練習しないのか」
唯「いや。しない訳じゃないけどさ。その辺は程々というか、ペース配分というか」
澪「・・・ムギは」
紬「勿論練習は大切よ。でも澪ちゃん、全員が揃わないとバンドの演奏にはならないでしょ」
律「ムギは分かってんなー」
紬「りっちゃん、練習は大切なのよ」
律「わ、分かってるよ。そんな事くらい」
澪「唯は律派。ムギは中立で良いんだな」
律「2対1。勝負は決まったんじゃないか」
澪「それはどうかな」
カチャッ
梓「済みません、遅れました」
澪「来たな。梓、練習するぞ」
梓「はい、今準備します」
澪「という訳で、2対2だ」
梓「はい?」
唯「あずにゃん、こっちこっち。飴ちゃんあるよ」
梓「何もかも意味が分かりません」
唯「飴ちゃん、いらないの?」
梓「それは頂きます」 もごもご
5分後
梓「・・・そういう事ですか」
澪「それで、どう思う」
梓「練習はするべきでしょうね。今は、部活動中ですし」
澪「だ、そうだ」
唯「あずにゃん。思い直して、一緒にお茶飲もうよ」
梓「練習したら、飲みましょうね」
唯「そかそか。りっちゃん、やっぱり練習する?」
律「するかー。練習なんて、一生ーやらねー」
紬「りっちゃん。それだと一生ドラムに触れないわよ」
律「むぐっ」
澪「語るに落ちたな。ほら、練習するぞ」
律「・・・私はお茶を飲みたいんだよ。お茶を」
澪「ったく。それなら一生、そこでお茶を飲んでろ」
律「言われなくても飲んでやるさ。ムギー、ジョッキで持ってこーい」
紬「はいー、ただ今ー♪」
梓(本当に持ってこないだろうな)
澪「それで唯は」
唯「いやー。私が練習しちゃうと、りっちゃん一人になっちゃうから」 ぽそっ
澪「・・・なんだ、それ」
唯「いや。意味はないんだけどね。たはは」
梓「唯先輩♪」
紬「お待たせしましたー」 どかっ
律「うおっ。マジでジョッキッ」
澪「全部飲めよ。梓、練習始めるぞ」
梓「は、はい。唯先輩も、早く来て下さいよ」
唯「あずにゃんも、早くお茶飲みに来てね」
律「・・・うー、全然減らねー」 ぐったり
紬「お代わり、ありますよー♪」
梓(鬼だ、この人は笑顔の鬼だ)
30分後
澪「・・・落ちるよっ♪」 ぼぼーん
梓「取りあえずは出来ましたね」
澪「取りあえずはな。・・・ちょっと休むか」
梓「はい」
澪「本当は、取りあえずじゃ駄目なんだけどな」
梓「澪先輩」
澪「……取りあえず、お茶飲むか」
梓「はい♪」
律「・・・なんだよ澪、こっち来るなよ。こっちは私達の陣地だぞー」
澪「小学生か、お前は」 すっ
律「入るなよー」 じたばた
澪「5秒までならいいんですー」 さっ
梓(どっちが子供?)
紬「それで、どこからどこまでが陣地なの?」
律「ベンチからこっちが私達。ベンチから向こうが澪達の陣地だ」
澪「望むところだ。律、お前も入ってくるなよ」
律「頼まれても入りませんよーだ」
澪「大体これ、お前のバッグだろ」 ひょいっ
律「うぉっ」 どすっ
澪「これは唯の」 ひょい
律「おぅっ」 どすっ
澪「全く」
梓(もしかして、わざと返してあげたのかな。でも律先輩達の方が、どう考えても狭いし。良く分かんないな)
律、澪「ふんっ」 ぷいっ
澪「まあ、良い。梓、私達はベンチに座るぞ。ムギ、お茶頼む」
紬「はいどうぞー♪梓ちゃんも、はい♪」
澪「ありがとう」
梓「頂きます」
律「ムギーッ」
紬「ごめんなさい。私は中立だから」
唯「ムギちゃんはいつも優しいね」
紬「野菜室だったら困るけどね」
唯、紬「「あはは♪」
律「フリーザー室並にお寒いな、おい」
唯「あずにゃん、あずにゃーん」
梓「なんですか、急に」
唯「ずっと離れ離れだったから、寂しいんだよ」
梓「目と鼻の先にいるじゃないですか」
唯「でも私とあずにゃんの間には、越すに越せない壁があるんだよ」
梓「大げさですよ。大体、越えたところで別に」 すっ
澪「梓。5秒越えるなよっ」
梓「は、はい」 さっ
唯「それで、5秒越えたらどうなるの?」
律「それは、その。なあ、澪」
澪「ああ、律。そうだよな」
律、澪「うんうん」
梓(仲良いんじゃないの、二人とも。で、結局どうなるの?)
澪「さてと、もう少し練習するか」
梓「はい」
唯「あずにゃん。バナナパイ、まだあるよ」
梓「私はもう、十分食べましたから」
澪「あれ。まだ残ってた?」
梓「え?」
澪「な、なんでもない。練習、練習。バナナパイの練習だっ」
梓(食べたかったのかな、もしかして)
ボローン、ボローン♪
唯「どうしようか、これ。残すのはもったいないし」
紬「3人で分けて食べる?」
律「・・・いや。私はもう良いよ。食べ過ぎても太るしな」
唯「りっちゃんが食べないなら、私もいいや」
紬「だったら、しまっておくわね。澪ちゃん達が、後で食べるかも知れないし♪」
律「ん?それはあいつらの勝手だろ」
唯「りっちゃん、もしかして澪ちゃんのために?」
律「はは。そんな訳あるかよ。私は、お茶をもっと飲みたいだけなんだよ」
紬「だったら、お代わり持ってくるわね♪」
律「えー」
律「あー、何か暇だな」
唯「やっぱり、楽器がないとね。澪ちゃん達に頼んで、持って来てもらう?」
律「いやー、駄目だ。お互い陣地を決めたのなら、そこに入るなんて事は許されない」
唯「もう。りっちゃん、変な意地張らないでおこうよ」
律「良いんだよ。別にギターやドラムに触らないからって、死ぬ訳でもあるまいし」 ドンタタ、ドンタタ
唯「今、机叩かなかった?」
律「え?今刻んでた?完全に無意識だったわ」
紬「その台詞、2年前に聞いたわー♪」
澪「ふっ、せっ、はっ」 ぐいぐいっ
梓「・・・澪先輩、ドラムを持ち上げてどうしたんですか?」
澪「ピックが、ドラムの下に入った」
梓「運ぼうとしてません?」
澪「・・・そんな訳無いだろ。ついでに掃除するから、ギー太を運んでくれ」
梓「あ、はい」 すたっ
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
唯「あずにゃん、どしたの」
梓「こんにちはです」
唯「それ、ギー太だよね。届けてくれたんだ」
梓「いや。澪先輩が掃除をするというので、ここまで持って来ました
唯「澪ちゃんが?」
律「あんにゃろう」
紬「やっぱり澪ちゃんは優しいわねー♪」
唯「ありがと、あずにゃん。澪ちゃんにもよろしく言っておいて」
梓「はいです♪」 とたとた
梓「ギー太、片付けておきました。それと唯先輩が、ありがとうって言ってました」
澪「私は掃除をしてるだけだ」 はぁはぁ
梓「ドラム、私も運びましょうか」
澪「いや。これは重くて動かせない」 はぁはぁ
梓(本気で運ぶ気だったのか)
澪「・・・・そのスティックも、片付けてくれ」
梓「スティックを、ですか」
澪「ああ」
梓「この辺ですか?」
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
律「ん?梓、どうした」
梓「こんにちはです。あの、これを」
律「スティック?」
梓「澪先輩が、片付けろと言ったので」
唯「私達が暇そうにしてるから、澪ちゃんが気を遣ってくれたんだよ」
律「んな訳無い無い」
紬「だったらスティックは、私が預かろうか?」
律「いやいや。それはそれ、これはこれだから」
紬「あらあら♪」
律「・・・梓、澪に伝えてくれ」
梓「はいです♪」
梓「スティック、片付けておきました」
澪「ん、そうか」
梓「それで、律先輩から伝言です」
澪「・・・なんだって」
梓「後ろ、お化け。お化けいるぞっ」
澪「いる訳無いだろ」 さっ
梓(だったら、何故振り向く)
澪「・・・ポーケットから、出すよ♪」 ボボーン。
梓「ふー。ギターとベースだけでは、やっぱり薄いですね」
澪「だから、5人じゃないと駄目なんだ」 ぽそっ
梓「え、何か言いました?」
澪「何でもない。・・・ちょっと寒くないか」 ぶるっ
梓「陽が当たりませんからね、この時間は」 ぶるっ
澪「上着は・・・。椅子に掛けてきたか」
梓「取りに行って来ましょうか」
澪「いや。・・・梓、ほらこっち来て」
梓「あ、はい」
澪「済まないな、私がふがいないばっかりに」 きゅっ
梓「いえ。そんな事は」 きゅっ
澪「全く。駄目な先輩だ、私は」
梓「そんな事無いですよ。私は澪先輩を、いつも尊敬してますから」
澪「ありがとう、梓♪」
梓(どう致しまして♪) くんかくんか
唯「・・・澪ちゃん達、寒そうだね」
紬「向こう、陽が当たらないから」 ちらっ
律「知るかー。たるんでるから寒いんだ。・・・うぅっ」 ぶるっ
唯「りっちゃん。そんなお約束なんて」
律「ち、違うよ。お茶飲み過ぎたから。・・・ちょっと、トイレ行ってくる」 すたすた、ぱたん
唯「い、今の内に」 とたとたっ
紬「あらあら♪」
唯「あずにゃん、あずにゃん。これ、二人の上着」
梓「あ、ありがとうございます」
澪「唯、5秒過ぎてるぞ」
唯「さっきも聞いたけど、5秒過ぎるとどうなるの?」
澪「いや、別に何もならないけど。私と律がそう決めたんだから、5秒ルールは絶対なんだ」
唯「結局澪ちゃんもりっちゃんも、お互いを信頼してるんだね♪」
梓「私もそう思います」
澪「そ、そういう事じゃない。とにかく唯は早く戻れ。律が帰ってきたら、またうるさいぞ」
唯「二人とも、早く仲直りすればいいのに。そうしないと私はあずにゃんと、ずっと離れ離れだよ」
梓「さっきから、しょっちゅう会ってますけどね」
唯「そかそか」
澪「全く♪」 くすっ
律「うぃーす、今帰ったぞー」 どたっ
唯「お帰りなさーい」
紬「お菓子にする?私にする?それとも、お茶にする?」
律「色々突っ込みたいが、もう何もいらん」
紬「唯ちゃん。今のはお茶を持ってこいってボケと解釈して良いの?」
唯「おー、ムギちゃん分かってきたね」
律「分かってないのはお前だろ。・・・あ」 ちらっ
唯(見つかった?)
紬(まあ、二人とも上着着てるから)
律「おい、唯」
唯「ひゃ、ひゃいっ」 びくっ
律「このマフラー。梓のじゃないか」
唯「いや。それは・・・、あずにゃんのかもね」
律「ここは私達の陣地だからな。向こうへ持って行け」
唯「隊長、了解しました」 すたすたっ
紬「うふふ♪」
律「なに笑ってるんだよ」
紬「まあまあ。お茶のお代わりどうぞ♪」 こぽこぽ
律「ジョッキに注ぐのかよ、なみなみと」 ぐったり
唯「あずにゃん、あずにゃん。また会ったね」
梓「唯先輩。もう普通に来てますね」
唯「たはは。これ、あずにゃんのマフラー」
梓「いや。これは、律・・・」
澪「梓のマフラーだろ、それは」
梓「・・・ああ、はい。そうでした。私のでした」
唯「で、これは私のマフラー。澪ちゃんはこれ付けててよ」
澪「ありがとう。それと、5秒過ぎてるぞ」
唯「たはは。あずにゃん、寒いだろうけど頑張ってね」 きゅっ
梓「はぁ」
澪「ゆ、い」
唯「たはは。ごめん、ごめん。じゃ、澪ちゃんも頑張ってね」 とたとたっ
澪「唯の奴は、もう♪」
梓(残り香かー♪) くんかくんか
澪「素直じゃない奴」 ぐるぐる
梓「はぁ」 ぐるぐる
澪「暖かいな」
梓「はいです♪」
澪「優しいな」
梓「はいです♪」
澪「律の馬鹿」 ぽそっ
梓(全く、困ったもんだ♪) くんかくんか
唯「やっぱりギターは良いねー♪」 じゃじゃーん
律「ドラム最高ー♪スティックだけどさ」 トンタタ、トンタタ
紬「あらあら♪」
唯「いゃっ、・・・ほぁっ?」 びーん
紬「あら?」
唯「うわっ、弦が切れちゃった」
律「興奮して、激しく弾きすぎだ。早く交換しろよ」
唯「いやー。それこの私、意外と弦の交換が苦手でして」
律「何一つ、意外性は無いけどな」
10分後
律「弦、全部外れたじゃん」
唯「正直、外すのは簡単なんだよね。ただ、元通りにするのが大変なんだよ」
紬「りっちゃんはどう?」
律「何一つ、全く分からん。ムギはどうだ」
紬「私もギターは専門外だから」
唯「だったら、どうしようか」 ずずー
律「完全に投げやがったな、おい」
澪「・・・ちょっと休憩。手、洗ってくる」
梓「あ、はい」
澪「すぐ戻るからな」 すたすた
梓「はぁ」
澪「すぐ戻るんだからな」 ぱたん
梓「・・・行っちゃった」
唯「あずにゃん、あずにゃんっ。は、早く来てっ」
梓「はいはい♪」 とたとた
梓「弦の交換くらい、自分で出来るようになって下さいよ」
唯「時間を掛ければ、何とか出来るんだけどね。ギー太は手の掛かる子だよ、全く」
律「お前が言うな、お前が。・・・ムギ、あれは」
紬「はいはい♪梓ちゃん、さっきのバナナパイ。包んでおいたから、澪ちゃんと一緒に食べてね」
梓「ありがとうございます」
律「全、く澪の奴は素直じゃないんだからよ。早く謝って、こっちに戻ってくれば良いんだよ」
紬「澪ちゃんも、そう思ってるんじゃなくて?」
律「むぐっ。そ、その。それはそれ、これはこれ。私にも私の都合というか、なんというか」
唯「りっちゃんも素直じゃないね」
梓「澪先輩もそう言ってました」
律「あんにゃろー。もー、許さねー」 じたばた
紬「あらあら♪」
梓「・・・全部張り替えましたから、チューニングをお願いします」
唯「それは任せて」 キュコ、キュコ、キュコ
紬「唯ちゃんは、いつもどうやって音を合わせてるの?」
唯「あんまり考えた事無いな。気付いたら、音の方が合ってくれるんだよ」
律「結構イラッとする台詞だな、おい」
梓「律先輩、変なストレスがたまってるんじゃないんですか」
律「だったら梓は、今の台詞を聞いてどうだった?」
梓「私は、少しイラッとしただけですから」
唯「しどいよ、二人とも」
律、紬「あはは♪」
カチャッ
澪「・・・待たせたな」
梓「い、いえ」 はぁはぁ
澪「どうしてニッパー持ってるんだ」
梓「そ、その。メトロノームの代わりに」 カチッカチッ
澪「随分斬新なアイディアだな。でも、今は止めておこうか」
梓「は、はい。そうですね。私もそう思ってました」
澪「そっちは」
梓「バナナパイです。・・・先輩が、澪先輩に是非と」
澪「そうか。・・・良いな、仲間っていうのは」 もぐもぐ
梓「はいです♪」 もぐもぐ
律「・・・このまままだと、埒が開かん。ここは一つ、勝負をするか」
唯「PK合戦みたいな事やるの?」
紬「シュート合戦は?」
唯「ああ。前田日明とアンドレみたいな」
紬「うわー。膝への前蹴りは危険よねーー♪」
律「HTTからUWFに改名するのかよ、おい」
律「とにかく勝負だ。・・・澪ーっ」
澪「聞こえてる。それで、何をする気だ」
律「ここはフェアに行こうぜ。・・・ムギ、なんか決めてくれ」
紬「そうねー。例えば、お互いの良い所を沢山挙げた方が勝ちとか」
律「いや。そういうほのぼのしたのじゃなくて」
澪「一つも挙がらなかったら、言われる方も辛いしな」 どよーん
唯「そかな。私はみんなの事なら、幾つでも挙げられるよ」
梓「例えば?」
唯「・・・あずにゃんは笑顔が素敵で、笑うと可愛くて。いつもきらきらしてて」
梓「も、もう良いですよ」
律「やらなくて正解だったな」 ぶるっ
澪「ああ」 ぶるっ
紬「うふふ♪」
カチャ
和「ムギ、いる?」
紬「はーい。何かご用?」
和「合唱部の子が、ちょっと相談に乗って欲しいんだって。悪いけど付き合ってくれる?」
紬「分かったわ。・・・少し出かけるから、みんな仲良くね」
和「何かあったの?」
澪「ああ。女のプライドを賭けた戦いがな」
和「ふーん。私はリングスルールの方が、スポーツライクで良いと思うけど」
律「うん。団体名の話じゃないから」
律「改めて、何をするかだな。・・・ムギが行っちゃったし、唯が決めてくれ」
唯「そだね。・・・だったら、しりとりは?」
澪「・・・簡単でルールもみんな分かってるし、悪く無いかもな。梓は」
梓「私はそれで構いません」
律「よし、決定だ。唯、私、澪、梓の順で回るからな」
唯、澪、梓「おーっ」
律「じゃ、唯からだ」
唯「えーと。・・・いぶりがっこ」
律「・・・小物入れ」
澪「・・・レコード」
梓「・・・ドボルザーク」
唯「・・・クレージーソルト」
律「・・・屯田兵」
澪「・・・イントロ」
梓「・・・ロック」
律「結構性格が出るな、これは」
唯「そかな」
律「特に、お前に対して言ってるんだよ」 ぽふっ
唯「たはは。えーと。く、だったよね。・・・くず餅」
律「・・・チャオー」
澪「・・・オペラ」
梓「ら?」
律「・・・悩む部分じゃないだろ」
唯「あずにゃん真面目だから。もしかして、音楽用語とか考えてるのかも」
律「さっと流せ。さっと。考えるな、梓。悩んだら負けだ」
唯「りっちゃん、応援してるの?」
律「ま、まさか。梓は敵だぞ。どうして、そんな。だはは」
唯「りっちゃん♪」
梓「ら、ら、ら」
律「もう、ラララで良いだろ。音階のラでも」
唯「あずにゃん、頑張って」
律「お前こそ、応援してるじゃんよ」
唯「てへへ♪」
律「全く」 くすっ
梓「ら、ら」
澪「梓、無理するな。何でも良いんだぞ」
梓「ら、ら、ら。・・・あっ」
律「思い付いたみたいだな」
唯「ふぅ。一時はどうなるかと思ったよ」
律「で、何なんだろ」
梓「・・・ら、らくがんっ」
しーん
梓「あ・・・」
澪「い、いや。今のはその。あれだ」
律「もう、どれなんだよ。大体、らくがんってなんだよ。さわちゃんでも言わないぞ、そんなの」
唯「・・・」
律「しゃーない。ここは切り替えて、もう一度初めから・・・。唯?」
唯「・・・ん、ん、ん。・・・んまいっ」
律「えーっ?」
唯「りっちゃん。い、だよ。いっ」
律「こ、この野郎っ。・・・い、い、い」
唯「りっちゃんっ。ここは絶対つなげないとっ」
律「わ、分かってる。い、い、い。・・・いぇーいっ」
唯「えーっ?」
澪「・・・い、、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
律「澪が。あの澪が、自分から飛び跳ねやがった」 うるうる
唯「あずにゃん、お願い。澪ちゃんの頑張りに応えてあげてっ」
澪「いぇーいっ、いぇーい、いぇーいっ」 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん
梓「・・・い、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
唯「あはっ。いぇーいっ」
律「いぇーいっ」
澪「いぇーいっ」
唯、律、澪、梓「いぇーいっ♪」 ぴょーん
カチャッ
紬「ごめんなさーい。結構時間が掛かっちゃって」 はぁはぁはぁ
唯、律、澪、梓「いぇーっいっ♪」
紬「い?いぇーい?」
律「お、おう。ムギか」
紬「一体、何があったの?」
律「いや。大した事は何も」
紬「良く分からないけれど。これ、お土産」
律「お菓子か?・・・げっ」
唯「どしたの・・・。わっ」
澪「何やってるんだ・・・。えっ」
梓「一体、何が・・・。ひゃっ」
紬「ちょっと珍しいわよね、らくがんなんて」
律「まあ、女子高生が食べる物じゃないよな」
唯「あずにゃんは好きみたいだけどね」
澪「そうだ。梓は、らくがん大好きだ」
梓「もう。勘弁して下さいよ」
唯「たはは」
律「大体、澪がオペラなんて言うから悪いんだよ」
澪「お前の屯田兵よりはましだ」
梓「あはっ」
紬「・・・私、お茶淹れるわね♪」 とたとた
カチャッ
さわ子「あー、疲れた。ムギちゃん、私はホットレモネードお願い」
ムギ「はーい♪」 とたとた
さわ子「全く。突然らくがんが食べたいなんて言い出すから」
澪「え?」
さわ子「さっき職員室にムギちゃんが駆け込んできて、「らくがん下さいっ」て。たまたま、父兄からの差し入れがあったから良かったんだけど」
律「という事は」
唯「あれは偶然じゃなくて」
梓「ムギ先輩♪」
ムギ「お待たせしましたー。・・・みんな、どうかした?」
律「ムギ」
紬「はい?」
律「泣いても良いですか、その胸で」
澪「真顔で言うな。・・・ムギ、ありがとう」
唯「ムギちゃーん♪」 きゅっ
紬「あらあら。みんなどうしたの?」
梓「ムギ先輩、済みませんでしたっ」
紬「・・・私こそごめんなさいね。梓ちゃんを辛い目に遭わせてしまって」
梓「いえ。私、思いました。軽音部で、本当に良かったって♪」
紬「梓ちゃん♪」 きゅっ
梓(本当、良いよなー♪良い匂いだよなー♪) くんかくんか
さわ子「全く。どこの青春ドラマなのよ」 くすっ
律「ノリが悪いな、もう。・・・よーし、だったら陣地分けしようぜ」
唯「私達は、こっからこっち」
律「さわちゃんは、その席から手が届く範囲な」
さわ子「な、何の話よー」
澪「済みません、さわ子先生。そこ、私達の陣地なので」
梓「5秒までは、入って来てもOKですから」
さわ子「えーっ?」
紬「お茶のお代わりは、いつでもどうぞー。今ならジョッキでのサービス期間中でーす♪」
さわ子「私は顧問なのよ。仲間外れにしないでよー」
律「冗談だって、冗談」
澪「済みません、さわ子先生」
さわ子「もう、大人をからかわないでよね。それと、何かお菓子ある?」
唯「はい、さわちゃん」
さわ子「ありがとう・・・。って、らくがんじゃない。ホットレモネードにらくがんって、何の嫌がらせよー」
梓「ち、違うんです。それはその」
さわ子「だったら何なのよ、このらくがん」
唯「・・・んまいっ」 ぱくっ
梓「いぇーいっ」
律、澪、紬「いぇーいっ」
さわ子「えー?一体何なのー」
唯「いいから、さわちゃんも一緒に」
さわ子「・・・い、いぇーい?」
唯、律、澪、紬、梓「いぇーいっ♪」
さわ子「いぇーいっ♪・・・って、どういう事?」
律「それだけ私達が仲良しって事だよ。な、澪」
澪「ああ、律」
紬「うふふ♪」
さわ子「やっぱりあなた達は、青春してるわね」
唯「さわちゃんも、まだまだ青春真っ盛りだよ」
律「いやー。それは無い無い。私達の陣地以上に、高い年齢の壁があるからな」
さわ子「りっちゃん、あなたねー」 ぐりぐり
律「ひぃーっ」
唯、澪、紬、梓「あはは♪」
終わり
73 : 以下、名... - 2011/02/27(日) 13:26:32.11 OW5cl/mnP 57/57ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
補足と致しまして。
ムギは律(と唯)寄りに見えますが、どちらの行動にも加わらない事においての中立。
また「くんかくんか」に関して、唯・澪・ムギは直接。律は、マフラーから間接的に堪能しています。
テーマとしては、やはり「律澪」。
彼女達はケンカしても、結局こうなるのではと、願望を込めて書いてみた次第です