幼女律「オラア!泥爆弾くらえー!」
シュッ、ベチャ
幼女澪「ふぎゃっ!」
子供「めいちゅー!さすがりっちゃん!」
幼女澪「ふ、ふぇええぇぇ……」グスッ
子供「あーあ、泣いちゃった」
幼女律「澪すぐ泣くだもん。嫌になっちゃうよ」
幼女澪「わぁーん!りっちゃんが泥ぶつけたぁ!」ビービー
元スレ
唯「やっぱり私がいないとダメだね~」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1265464460/
子供「りっちゃん、今度は泥に石入れて澪に当てようよ」
幼女律「いいなそれwwww」
幼女澪「や、やめてよぅ……」グスッグスッ
ギュッギュ
幼女律「できたぁwwwりっちゃん特性爆弾wwww」
子供「澪、ちゃんとよけてねーwwwww」
幼女澪「やめて……。危ないよ……」ビクビク
幼女律「よーし、いくぞぉ!」
「コラアー!」
ゴツン!
幼女律「あいたーっ!」
「よってたかってイジワルしちゃダメでしょ!」
幼女律「なんだよー、おばさん」
ゴツン!!!!
幼女律「さっきよりいてぇーっ!」
「私はまだ高校生ですー。ほら、制服見ればわかるでしょ?」ヒラヒラ
幼女律「知るかバーカ!高校生だろうが、私にとってはおばさんだよーだ!」
ゴツン!!
幼女律「3発目っ!」
「バカって言う人がバカなんですー。だからりっちゃ…キミがバカなんですー!」
幼女律「なんだこいつ!大人のくせに幼稚園児と言い争いして恥ずかし!バーカバーカ!ぺっぺ!」
「このぉ!」グアッ
幼女律「わー!逃げろー!二度とくんなバーカ!」タタタ
「また……!全く、とんだ悪餓鬼だ……!」
幼女律「おぼえてろー!あははははは」タタタ
子供「おぼえてろー!」タタタ
――――――――――――
――――――――
――――
「大丈夫?み……えーと、お嬢ちゃん」
幼女澪「ぐすっ……」
「汚れ拭いてあげるから、ちょっとじっとしててねー」フキフキ
「んー、完全には綺麗にならないね。お家帰ったらちゃんと洗うんだよ?」
幼女澪「ん……」コクッ
幼女澪「ぐす……お姉ちゃん、誰ー?」
「えっ!?えー……せ、正義の味方だよっ!」
幼女澪「正義の味方ー?」
「そ、そうそう!格好いいでしょ!」
幼女澪「うん、格好いい!」
「ふふ、いい子いい子」ナデナデ
幼女澪「えへへ///」
幼女澪「澪は、秋山澪って言うの。5歳。よろしくお願いします」ペコリ
「お、えらいねー。ちゃんと挨拶できるんだねー」
幼女澪「えへへ。お姉ちゃんのお名前は?」
「お姉ちゃんのお名前は……せ、正義の味方だよ!」
幼女澪「変な名前」
「ホントだねー。あはは……」
幼女澪「お姉ちゃん可愛い」
「えっ……///」
「ほ、ホントに?」
幼女澪「うん、澪もお姉ちゃんみたいになりたい」
「あはは、もう~!澪ちゃんたらお世辞うまいんだからー///このこのー」ツンツン
幼女澪「あうー」
「照れるな~。澪ちゃんのほっぺプニプニ~。なんちゃって」プニプニ
幼女澪「はうー」
「まあ、澪ちゃんの方が可愛くなるんだけどね。ハア」
幼女澪「?」
「ところで、いつもあの子達にいじめられてるの?」
幼女澪「うん……。澪、泣き虫だから……」
「り……おデコの子は助けてくれないの?」
幼女澪「りっちゃんが一番イジワルしてくるの……」ポロッ
「うーん、じゃあ違う友達と遊んだらいいじゃない!わざわざイジワルする子と一緒にいることないよ」
幼女澪「澪、他に友達いないもん……」グスス
「あちゃー……」
「よーし、じゃあお姉ちゃんが澪ちゃんの新しいお友達になってあげよー」
幼女澪「本当ぉ!?」パアア
「本当。だからもう泣いちゃダメだよ?」
幼女澪「う……。が、頑張る……」
「うふふ、エライエライ」ナデナデ
「あ、そうそう澪ちゃん」
幼女澪「何ー?」
「音楽、好き?」
――――――――――――
「…ちゃん!澪ちゃん!」
澪「はっ…あ、ああ。何?」
紬「どうしたの?ボーっとして」
澪「ん、ちょっと昔のこと思い出してた」
紬「昔のこと?どうして急に?」
澪「わかんない……。なんでだろ……」
ガチャ
律「みんなー!新入部員を連れてきたぞー!」
澪「本当か!?」
紬「歓迎いたしますわ~」
――――――――――――
幼女澪「音楽って?」
「うーんとね、お唄歌ったり、楽器演奏したり」
幼女澪「嫌い……」
「どうして?」
幼女澪「みんなの前に立ってお唄歌うのは嫌……」
「そっかぁ。澪ちゃんは恥ずかしがり屋さんだもんね~」
幼女澪「うん……」
幼女澪「でもでも、一人で歌うのは好き」
「一人で?」
幼女澪「うん、いつもお部屋とかお風呂で歌うの。リコーダーも吹けるよっ」
「そっか。やっぱり澪ちゃんは音楽が好きなんだね」ワシャワシャ
幼女澪「あうー」
「ふふ、ねえ澪ちゃん、私の他にお友達欲しくない?」
幼女澪「友達?」
幼女澪「澪、友達欲しい!イジワルしない友達が欲しい……」
「よし!それじゃあ明日もこの公園に来て!絶対だよ」
幼女澪「う、うん」
「それと、明日ここに来た女の子にこれを渡してあげて」スッ
幼女澪「なぁにこれ?」
「その子に渡せばわかるよっ!じゃあまた今度ね!」タッタッタ
幼女澪「あ!ありがとうごじゃましゅ、お姉ちゃん!」
「ほいほーい!頑張ってねぇ!」タッタッタ
――――――――――――
律「ムギ!お茶の準備だ!」
紬「はい~」
律「ささっ、座って座って!」
唯「あ、あのぅ……はい……」
澪「あ、あれ?」
澪(唯…………?)
唯「……」
律「お、澪も気付いたかー!この子は前に職員室でプリントをばら撒いたトロ……ドジっこちゃんだぜ!」
唯「久しぶりだね、澪ちゃん」ニコッ
律「あれ?二人はもう知り合いか~?」
澪「いや、私も職員室で会っただけだけど……」
澪(この違和感はなんだ……?あの時も感じた、何か……。そしてなぜ私はこの子の名前を知ってるんだ……?)
律「ってぇことは、部員の名前を予習してきたんだな!さすが平沢さん!」
唯「い、いやぁ……それほどでも///」
澪(何か昨日今日会ったばかりじゃないって言うか……。ずっと私達の側にいたような変な感覚……)
律「ま、そんなことよりケーキでも食べて食べて!」
唯「あ、あの!」ガタッ
律「ん?どしたー?」
唯「じ、実は軽音部に入部するのやめさせてくださいって言いに来ました!」
――――――――――――
次の日、公園
キーコキーコ
幼女澪「あのお姉ちゃん、今日ここに来れば新しいお友達ができるっていってたけど……」
幼女澪「初めて会う人とお喋りなんて……できないよ……」ウルッ
幼女澪「ぐすっぐすっ……」
幼女澪「ふえええぇぇえぇ……」ポロポロ
幼女唯「ほっほ……」ヨロヨロ、トテトテ
幼女澪「ぐす……。ん?」
幼女唯「お、おお……」ヨロヨロ、トテトテ
ツル
幼女唯「ふぎゃ!」
ドテーン、バシャアアアア
幼女澪「!?」
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女唯「あー、捕まえたザリガニがー」
幼女唯「よっこらしょっと」ムクッ
幼女唯「とぉ!」ムンズ
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女唯「一匹目~」ポイ
幼女唯「えい!」ムンズ
幼女唯「二匹目~。えへへ」ポイ
幼女澪(ザ、ザリガニがいっぱい……)ガクガクブルブル
幼女澪(あの子がお姉ちゃんの言ってたお友達なのかな……)
幼女澪(自分から話しかけないと……)
幼女澪(頑張れ澪頑張れ澪……)ポロポロ
幼女澪「ふわぁぁあん……。無理だよぉ……」ポロポロ
幼女唯「なんで泣いてるのー?」
幼女澪「わあっ!?」
幼女唯「ザリガニ欲しいの?」
幼女澪「ち、ちが……」
幼女唯「え?何ー?」
幼女澪「欲しく……ない……」ゴニョゴニョ
幼女唯「?」
幼女唯「とにかく一匹あげる。ほい」ポイ
ザリガニ「ワシャワシャ」
幼女澪「」
幼女澪「きゃああああああああ!!!!!」
幼女唯「うおっ」
――――――――――――
律「へ?」ポカーン
唯「私ギターなんて弾けないし、軽音部ってもっと簡単なことやると思ってて……」
澪「そんなの大丈夫だよ!私も少しはギター弾けるし、教えられることは教」
律「そっかぁ。できないならしゃーないな」
澪「え……?」
紬「そうね。無理に引きとめるのも悪いし」
澪「ちょ、ちょっと待てよ……」
唯「本当にごめんなさい……それじゃあ」
澪(な、なんでそんなに簡単に帰しちゃうんだよ)
律「じゃあ気を付けて帰ってね~」
唯「うん、ありがとう」
澪(私やムギの時はあんなに引きとめたくせに、なんで)
紬「良かったら、またお菓子を食べにきてね」
唯「わかったぁ。ありがとね~」
澪(ダメだ。待て。違う。帰しちゃダメだ。何かわかんないけど絶対このまま帰しちゃダメだ)
澪「ちょっと待って!」
律「お?どうしたー?澪」
澪「よ、良かったら私達の演奏だけでも聴いて行かないか?」
唯「……」
唯「うん、私も聴きたいな。澪ちゃん達の演奏」
――――――――――――
――――――――――――
――――――――
――――
幼女澪「秋山澪です。5歳です。よろしくお願いします」ペコリ
幼女唯「唯だよー。いつつ!」
幼女澪「わぁー、同い年だ!」
幼女唯「同い年って何~?」
幼女澪「歳が同じってこと」
幼女唯「ふ~ん。あ、蛙だ」
幼女澪「……」
幼女澪「唯ちゃんがお姉ちゃんが言ってたお友達?」
幼女唯「お姉ちゃんて何~?唯は憂のお姉ちゃんだよ~?」
幼女澪「うーん……、あ、そうだ!これお姉ちゃんから渡されたの」スッ
幼女唯「わぁ!カスタネットだぁ!」
幼女澪「カスタネット好きなの?」
幼女唯「うん!唯カスタネット得意だよっ。貸して貸して」
幼女澪「いいよ。はい」スッ
幼女唯「よーし、やるぞぉ」
幼女唯「うんたん♪うんたん♪」パンパン
幼女澪「?」
幼女澪「うんたん♪うんたん♪」パンパン
幼女澪「????」
幼女唯「ふ~、一仕事したなぁ」キリッ
幼女澪「今のなぁに?」
幼女唯「知らないの!?澪ちゃん遅れてるぅ~」
幼女澪「うう……ごめん……」
幼女唯「カスタネット叩く時は、うんたんって言わなきゃダメなんだよ~」
幼女澪「え~、そんなの聞いたことないよ」
幼女唯「嘘だ~!だって幼稚園の先生が言ってたもん」
幼女澪「そっかぁ……こっちの幼稚園では言われなかったなぁ……」
幼女唯「澪ちゃんもやってみて!うんたん!」
幼女澪「やだよぉ……恥ずかしいもん……」
幼女唯「早く早く!」キラキラ
幼女澪「うう……。じゃあうんたんしたらお友達になってくれる……?」
幼女唯「なるなる!だから早く!」
幼女澪「わかったよぅ……。う、うんたん……うんたん……♪」
幼女唯「あはは、澪ちゃんおもしろーい!」
幼女澪(恥ずかしいよぉ……)ポロポロ
幼女唯「じゃあ私達友達だね~。うんたん仲間だね~」
幼女澪「うんたん仲間……」
幼女唯「うんたん仲間になったら、一日一回うんたんしなきゃダメなんだよ~。和ちゃんもやってるよっ!」
幼女澪「頑張る……」
幼女唯「えへへ」
シュッ、ベチャ
幼女唯「ふぎゃーーー!」ドテーン
幼女律「あ、変な奴に当たった」
子供「今日は外れだねー」
――――――――――――
律「どうしたんだよ澪ー。そんなに必死になって」
澪「逆に何でお前はそんなにあっさり引き下がるんだよ!軽音部が廃部するかどうかの瀬戸際なんだろ!」
律「そりゃあ、そうなんだけどさー。平沢さんギターできないって言うし、ムギの時に無理に引きとめたら可哀想って言ったの澪だろ?」
澪「ぐ……、そうだけど……」
紬「それに、他にギターができる子が入部するかもしれないじゃない?ねぇ、りっちゃん?」
律「そそ。慌てない慌てない。一休み一休み」
澪(ダメなんだよ……。自分でもなんだかわからないけど、ギターは唯じゃないきゃダメなんだよ!)
唯「あのぅ……」
澪「あ、ごめん……」
唯「えーっと……。演奏してくれるんじゃ……」
澪「そうだな。いいだろ?律、ムギ」
律「まあ、別にいいけど」
紬「私も、二人がそう言うなら」
澪「平沢さん、私達まだまだ下手っぴなんだ。でも平沢さんのために心を込めて演奏するから……」
唯「うん、見てるよ。澪ちゃん」
――――――――――――
幼女澪「唯ちゃん!」
幼女唯「お、お、おお……」ヨロヨロ
幼女律「誰だあいつ。まあいいや。おりゃ!泥爆弾!」
シュッ、ベチャ
幼女唯「にぎゃっ!」ステーン
幼女澪「やめて……やめてよ……」ポロポロ
幼女律「あはは!あいつよえー!」
子供「りっちゃん、今日こそ泥に石入れて当てようよ」
幼女律「特性爆弾か。よーし!今日のターゲットは澪の隣の変な奴だー」
幼女澪「ダメー!」
幼女律「む、なんだよー。何か文句あんのかよー」
幼女澪「唯ちゃんにイジワルしないで……」
子供「じゃあ澪に当てちゃうぞー」
幼女澪「うう……」
ゴツン!
幼女律「あいてーっ!」
ガシ
「へっへー、りっちゃんつーかまーえたっ!」
幼女澪「昨日のお姉ちゃん!」
幼女律「うわー!出たなー!」
幼女唯「誰ー?」
子供「りっちゃんバイバーイ!」タタタ
幼女律「こらー!私を置いて逃げるなー!」
「ありゃありゃー、お友達に裏切られちゃったね~」ニヤニヤ
幼女律「むぐぐ……」
幼女律「わかったよぉ。謝るから離してよ」
「本当?逃げない?」
幼女律「逃げない逃げない」
「仕方ないなぁ。ほら」パッ
幼女澪「お姉ちゃん!」
「また会ったねー澪ちゃん。その子を助けてくれてありがとうね」
幼女澪「うん……。でも唯ちゃん泥だらけ……」
「ホントだねー。泥だらけだー」
幼女唯「泥だらけだぁ」
「お、唯ちゃんは泣かないんだねー。偉いぞっ」
幼女律「澪が泣き虫すぎなんだよー」
「何か言ったぁ?りっちゃん」
幼女律「なんでもないでーす」
幼女唯「ねえねえ、唯偉い?」
「偉い偉い。ほら、顔拭いてあげるからこっちにおいで」
ゴシゴシ
幼女唯「むー、プハッ。綺麗になった」
「良かったね唯ちゃん。……ってか、昔はこんなだったのかぁ」
幼女唯「?」
幼女澪「なんだか唯ちゃんとお姉ちゃん、本当の姉妹みたい」
「え?そ、そうかな?」
幼女澪「うん、だって似てるもん」
「た、他人の空似って奴だよ!うん!」
幼女澪「?」
幼女律「ところで、何で私のあだ名知ってんだよー」
「え?」
幼女唯「唯の名前も知ってた!」
幼女律「お前何者だぁ?もしかして誘拐犯か!?」
「……」
「ふふふ……」
幼女唯・律・澪「!?」
「ふっふっふ……」
幼女唯・律・澪「……!」ガクガクブルブル
「実は私は超能力者なのです!」
幼女律「うっそだー!バカじゃねーの!そんなの幼稚園児でも信じねーよ!」
幼女澪「お姉ちゃんすごい!」
幼女律「えっ」
幼女唯「ちょーのーりょくって何~?」
「お姉ちゃんはすごいってことだよっ!」ふんす
幼女唯「ふーん。あ、トンボだ」
「……」
「そんなことより、りっちゃん。まずは二人にごめんなさいしないとダメでしょ?」
幼女律「へいへい、ごめんなー澪。と、変な奴」
幼女澪「……」プイス
幼女唯「変な奴じゃないもん!唯だもん!」プンプン!
幼女律「はいはい。ごめん唯」
幼女唯「許した!」
幼女律「単純な奴だなぁ……」
「澪ちゃんもりっちゃんのこと許してあげて?」
幼女澪「……」
幼女澪「ん……」コクッ
――――――――――――
澪「準備はいい?」
律「いつでもOKだぜ!」
紬「私も!」
澪(もしかして平沢さん、昔公園で会った、あの子なのかな?)
澪(あの日以来、会ってなかったからずっと忘れてたけど……)
澪(だとすれば私の名前を知ってたのも頷けるし……)
澪(でもそんな昔のこと、普通覚えてるか?私でさえ、あの子の名前までは思い出せないのに……)
律「澪?」
澪「あ、ごめん。私もいつでもいいぞ」
律「じゃあ行くぞー!1、2」
~♪
~♪
――――――――――――
――――――――
――――
澪「ふう……」
唯「わぁー!」パチパチパチ
律「へへへ、どうだった?」
唯「なんて言うか、すっごく言葉にしにくいんだけど……あんまりうまくないですね!」
律「バッサリだー!」
唯「でもでも、みんなが音楽が大好きなことはわかったよっ!」
律「だ、だろぉー!?私達の演奏は真心勝負なのさ!」
唯「私何にもできなくて、きっと下手っぴだけど……、私もみんなといっしょに演奏がしたい!」
澪「私も平沢さんと一緒に演奏したい。いいよな?律」
律「んー、まあ澪が言うならいいか。ちゃんとギター教えてやってくれよ」
澪「わかってる。良かったな、平沢さん!」
唯「ありがとう澪ちゃん。また助けられちゃったね。えへへ」
――――――――――――
「じゃあ仲直りの印でアレやろうよ!」
幼女澪「アレってー?」
「うんたん」
幼女唯「やるー!唯もうんたんやるー!」
幼女澪「えー……は、恥ずかしいよぉ……」
幼女律「うんたんてなんだー?」
幼女唯「りっちゃんうんたん知らないの~?遅れてるぅ~」
幼女律「なんだとぉー!」
幼女唯「ひぃっ!お姉ちゃんたしゅけて!」
「こらりっちゃん、もうケンカしない約束でしょ」
幼女律「ぐぐ……」
幼女唯「あっかんべーだ」
幼女律「こいつムカツク……!」
幼女澪(りっちゃんが弄ばれてる……。唯ちゃんてすごい)
幼女律「それで、うんたんてなんなんだよー」
幼女唯「りっちゃん知らないの~?」
幼女律「お前、さっきから私のこと馬鹿にしてるだろ!」
幼女唯「おねーちゃーん!りっちゃんがイジめてくる!」サササ
「こら、りっちゃん!ダメでしょ!」
幼女律「ぐ……」
幼女唯「べー」
幼女澪「話が進まない……」
「じゃあ唯ちゃん、りっちゃんにうんたんやってみせて?」
幼女唯「らじゃー!よーし、やるぞぉ」
幼女律「ゴクリ……」
幼女唯「うんたんうんたん♪」パンパン
幼女律「……」
幼女唯「うんたんうんたん♪」パンパン
幼女律「……」
幼女唯「これがうんたんだよっ」キリッ
幼女律「なんだよそれー。格好悪いし馬鹿みてー」
幼女唯「先生がカスタネット叩くときは、うんたんしろって言った」
幼女律「そんなこと言われないよ。唯の先生も馬鹿じゃん」
幼女唯「馬鹿じゃないもん。言ってたもん」
幼女律「言わねーよー。なぁ澪?」
幼女澪「え?う、うん……。言われてない……」
幼女唯「先生言ってたんだもん……。唯ちゃんのうんたん上手だねって言ってたもん……」グスッ
「ふふ、大丈夫だよー唯ちゃん。お姉ちゃんから見ても、唯ちゃんのうんたんは上手だよ」
幼女唯「ホントぉ?」
「ホントだよっ。ね、お姉ちゃんにもカスタネット貸して?」
幼女唯「ん、ほい」
「うんたん♪うんたん♪」パパンパパン
幼女唯「おぉー!」
「どう?」
幼女唯「格好いい!お姉ちゃん唯より上手かも!」
「えへへ、照れるなぁ///」
幼女唯「うんたんうんたん♪」
「うんたん♪ほら、澪ちゃんも」
幼女澪「う、うん。うんたん……うんたん……」
幼女律「私は絶対やらないからな!そんなダサいこと!」
幼女唯「うんたんうんたん♪」
幼女澪「うんたんうんたん」
「あーあ、うんたんした人には後でアイス買ってあげようと思ってたんだけどなー」チラッ
幼女律「!?」
「今のところアイス食べられるのは、唯ちゃんと澪ちゃんだけかー」
幼女唯「やたー!あいしゅ!」
幼女澪「嬉しい……」
幼女律「……」
「二人は何アイスがいい~?」
幼女唯「ちょこ!」
幼女澪「澪は……イチゴ!」
幼女律「スイカバー!」
「あれー?りっちゃんはうんたんしてないのにアイス食べられるのかな~?」
幼女唯「かな~?」
幼女律「むぐぐ……。やればいいんだろ!やれば!」
幼女律「うんたん!うんたん!」
幼女律「ほら、やったぞ!スイカバー買え!」
「どうする唯ちゃん?」
幼女唯「ん~、おっけー!」
「オッケーだって。良かったねりっちゃん」
幼女律「私はスイカバーのためにやっただけなんだからな!」
幼女唯「これでうんたん仲間が5人になった」
幼女律「5人て?ここに4人しかいないじゃん」
幼女唯「あと一人は和ちゃん」
幼女律「あー和ちゃんかぁ。なるほどなぁ。誰だよ和ちゃん」
「ふふ、みんな音楽が好きなんだね」
幼女唯「好き!カスタネットが一番好き!」
「そっかぁ、唯ちゃんはカスタネットが好きかぁ」
幼女澪「一人で唄ったりするぶんには好き……」
「そっか、今はまだそれでいいよ。ちょっとでも音楽を好きな気持ちがあれば」
幼女律「私きらーい。リコーダーもピアニカも難しくて、あ゛ーってなる」
「りっちゃんは細かい動き苦手だもんねー」
幼女律「よく知ってるな」
「超能力者ですから!」ふんす
幼女律「また嘘付きやがった」
「じゃありっちゃんは……んー。太鼓とかやってみたら?」
幼女律「太鼓?」
「うん!ドコドコ叩くだけだからりっちゃんにはぴったりかもね!」
幼女律「太鼓……太鼓かぁ……」
幼女澪「もう暗くなってきたよ。そろそろ帰らないとママに叱られる」
幼女律「そだな。あ!まだアイス買ってもらってない!」
幼女唯「お姉ちゃんアイスは~?」
「ま、また今度ね!」
幼女律「やっぱり嘘つき野郎だ!私達を騙したな!」
「あはは~何のことやら~」
幼女律「大人ってずるい……」
「私まだ子供だもーん。高校生だもーん」
「ほらほら、帰った帰った。アイス食べるのとママに叱られるの、どっちがいい?」
幼女律「うう……怒られるの嫌……」
幼女澪「今日は帰ろうっか、りっちゃん」
幼女律「そだな」
幼女唯「じゃあお姉ちゃん、今度会った時は絶対アイス買ってね?絶対だよ?」
「わ、わかったわかった。さ、早く帰って」
幼女澪「お姉ちゃん、唯ちゃん、さようなら」ペコリ
幼女律「じゃーなー。嘘つき野郎と変な奴」
「バイバイ」ヒラヒラ
幼女唯「変じゃないもん!唯だもん!」
幼女律「じゃーな、ゆ・い!」
幼女唯「べーだ!」
幼女律「ふん、さっ行こうぜ澪」タタタ
幼女澪「あ、待ってよぅりっちゃん!」タッタッタ
幼女唯「唯も帰る」
「うん、気をつけてね」
幼女唯「お姉ちゃんもね」
「ありがと。それと……、憂によろしくね」
幼女唯「?お姉ちゃんは憂とお友達~?」
「ん~、秘密」
幼女唯「?」
「ほら、暗くなるからもう帰って。今度アイス買ってあげるから」
幼女唯「はーい。じゃあねアイスのお姉ちゃん!」
「バイバイ、唯ちゃん」
――――――――――――
律「なーんか不思議な人だよなぁ、平沢さん」
澪「不思議って?」
律「いや、わかんないんだけどさ……。何か赤の他人に思えないって言うか」
澪「うん。私もそう思ってた」
律「もしかしたらどこかで会ってたのかもな。だとしたら平沢さんが軽音部に来たのは運命!?」
律「だったら面白いよねー」
澪「ふっ、確かに面白いかもな」
澪「あっ……」
律「どしたー?」
澪「この公園……」
律「ここの公園?いつも通学路で通るとこじゃん」
澪「そうなんだけど……。何かいきなり……」
律「なんだよ。要領を得ねーな」
澪「なあ、幼稚園児くらいの時、この公園で他の幼稚園の子と高校生くらいの女の子と遊んだ覚えはないか?」
律「はあ?さすがに覚えてるわけねーだろ」
澪「だよな……」
律「もしかして、一緒に遊んだ他の幼稚園の子が平沢さんだって言いたいわけ?」
澪「確実とは言えないけど……、多分」
律「そんな馬鹿な」
澪「その時に音楽がどうこうって話をしたような……」
律「それが平沢さんの入部に繋がってるってか?」
澪「うぅーん。それと何か約束をしたような……」
律「おいおい、少女マンガ的な展開は『君に届け』だけにしてくれ」
澪「茶化すなよ……」
律「悪い悪い。まあ、確かにそうだったらホントに運命かもな」
澪「うん」
律「ま、何にせよこれで部員は揃ったんだ。平沢さんと一緒に頑張って行こうぜ!な!」
澪「そだな!よーし、やるぞぉ!」
――――――――――――
――――――――――――
文化祭当日 音楽室
ガチャ
澪「はぁ~……」
バタン
澪(なんだよみんな……係り係りって、ライブの方が大切だろ。私達は軽音部だろ)
澪(みんなで合わせて練習したいのにさ……)
澪(しかも私が唄うとか……。マジ無理……)
澪「はぁ~……」
ガチャ
澪「ん?」
「やっほ、澪ちゃん」
バタン
澪「唯!……唯……?」
「へ?うん、そうだよ?どうしたの?」
澪「いや……、唯だよな?」
「どこからどう見ても私じゃん。ほら」クルクル
澪「ん~…?」ジー
「あ、あはは……」アセアセ
澪「……?」ジー
澪「唯、少し太った?」
「太ってないよ!私は太らない体質なんだよ!」
澪「そうなのか?いや、そんなことより何か……」
「……何?」
澪「唯なんだけど唯っぽくないって言うか……」
「変な澪ちゃん!どこからどう見ても私だよっ」
澪「うん……。ところで唯、声治ったんだな!これでボーカルできるじゃないか!」
「ギクッ」
澪「ギクッてなんだよ」
「ボエ~」
澪「ええ!?なんで!?」
「さっぎは、一瞬だげなお゛っだの゛」
澪「そ、そうなのか……。じゃあやっぱり私が唄うしかないのか……」
「ごめ゛んね、澪ぢゃん」
澪「あんなに大勢の前で……無理だ……!」ポロポロ
「大丈夫だよ、澪ちゃん」ギュ
澪「ゆ、唯……?ちょっと……」
「澪ちゃんの手、あったかい……」
澪「おい……」
「あ、あはは……。ごめんごめん。つい……」
澪「ん……」
「大丈夫だよ澪ちゃん。今まで澪ちゃんが頑張ってきた事、私が一番知ってるから」
澪「唯……」
「応援してるから!」
澪「キミ、唯じゃないだろ……?」
「えっ」
「な、何言ってんのさ!こんな時に緊張感ないな~!」
澪「声、戻ってるぞ」
「あ、しまった!」アセアセ
澪「ぷっ……」
「うう……」
澪「変な事言うけど、昔キミに助けてもらったことがあるような気がするんだ」
「……」
澪「キミは公園でいじめられてた私を助けてくれた人じゃないか?幼稚園児くらいの時に」
「……」
澪「そうなんだろ?私達が音楽に携わるきっかけをくれたのもキミなんだろ?」
「澪ちゃん」
澪「うん」
「頑張ってね!」
澪「え?いや、ちょ……あれ!?……いなくなった……?」
澪「どうなってるんだ……?」
澪「……」
澪「よし!今はとにかくライブだ!練習しよう!」
澪「~~~~~♪」
澪(アレはやっぱり唯だったのかな)
澪(まあいいや。あの子と話したら、なんだかすごく落ち着けた)
澪(ありがとう、唯っぽい人)
澪「~~~~~♪」
ガチャ
澪「うおっ!」
律「またせたなー澪!」
紬「一人にしてごめんなさい」
唯「私も練習するよー!」
澪「みんな……。遅いぞっ」
唯「えへへ、ごめんごめん」
澪「……ありがと、唯」
唯「へ?何が?」
澪「なんでもなーい。さっ、練習しようか!」
唯「?何か澪ちゃん吹っ切れてるね~!よーし、私もやるぞぉ!」
――――――――――――
「……」キョロキョロ
「お?」
「……」キョロキョロ
「あれは……」
「……」キョロキョロ
「こんばんは」
「?こんばんはぁ」
「梓ちゃん、だよね?」
幼女梓「うん、そうだよ」
「ロリつり目黒髪ツインテ……!ゴクリ」
幼女梓「?」
「こんなところでどうしたの?もう暗くなってきたよ?」
幼女梓「パパとママを待ってるの」
「パパとママ?」
幼女梓「帰ってくるの遅いの」
「ふーん、お仕事?」
幼女梓「うん、どこかに演奏しに行ってる」
「はー、なるほどね」
幼女梓「お姉ちゃんは何してるの?」
「ん~、お散歩!」
幼女梓「そっかぁ……」
「元気ないね。パパとママがいなくて寂しい?」
幼女梓「んっ……」コクッ
「じゃあさ、お姉ちゃんと遊ぼうっか?」
幼女梓「やだ!」
「!?」
――――――――――――
音楽室
ガチャ
梓「あのぉ~」
唯「はい?」
梓「入部希望、なんですけど」
唯「はい?今なんて?」
梓「入部希望」
唯「はぁ~!」
律「確保ーーーーっ!」
梓「きゃあああああああ」
――――――――――――
「ど、どうして!?」
幼女梓「ママが知らない人と遊んじゃダメって言ってた」
「そんな~。お姉ちゃん怪しい者じゃないよっ!ほら、この目を見て!正直者の目だよ!」
幼女梓「んー……」ジー
「……」
幼女梓「むー……」ジー
「……」
幼女梓「お家来る~?」
「行く行く~!」
――――――――――――
――――――――
――――
「ここがあずにゃんの家か~」
幼女梓「あずにゃん?」
「梓ちゃんだからあずにゃん。嫌?」
幼女梓「んーん。やじゃない」
「えへへ」ナデナデ
幼女梓「……///」
「あずにゃんはどこかの某りっちゃんと違って素直で可愛いね~!」ダキッ
幼女梓「うっ……く、苦しい……」
幼女梓「ごほっ……」
「あ、ごめんごめん。大丈夫?」パッ
幼女梓「大丈夫……。コーヒー飲む?」
「おー、あずにゃんしっかりしてるなぁ!でもNO THANK YOU!お姉ちゃん、そんな苦いの飲めないよ!」
幼女梓「大人なのに……。パパとママはいつも飲んでる。梓が入れてあげるの」
「あずにゃんはいい子なんだね~」ナデナデ
幼女梓「……///」
幼女梓「いっぱいナデナデして」
「ん?いいよ~。なでなで~」ナデナデ
幼女梓「ふふ」
「ナデナデされるの好きなの?」
幼女梓「んっ。でも最近ナデナデしてもらってない……」
「そっかぁ。パパもママも帰りが遅いからね」
幼女梓「うん……」
「じゃあ今日はお姉ちゃんがいっぱいナデナデしてあげよー」
幼女梓「お姉ちゃん、優しいんだね」
「ふっふーん。でしょ?」
幼女梓「スンスン。それにいい匂い」
「えー、何かそれ嫌だなぁ」
幼女梓「優しい匂い」
「ふふ、そっか。あずにゃんもいい匂いだよ」
幼女梓「梓もいい匂い?」
「うん」ナデナデ
幼女梓「へへへ……///」
――――――――――――
梓(先輩達はお菓子食べてばっかりで練習する気配ないし、ギター弾いたら先生に怒られるし一体どうすれば……)
梓(ここは一発、ガツンと言ってやらないと……!)
梓「こんなんじゃダメですー!」
澪「うおっ!キレた!」
梓「みなさんやる気が感じられないです!」
律「い、いや~、新歓終わった後だし」
梓「そんなの関係ありません!」
梓「音楽室を私物化するのもよくないと思います!ティーセットも撤去すべきです!」
紬「はぅっ;;」
律「まあとにかく落ち着いて……」
梓「これが落ち着いていられますか!」
ダキッ
梓「!?」
唯「いい子いい子」ナデナデ
梓「……?」
梓「あ、あれ……?」
唯「ん?梓ちゃん?」
梓(なんだろう、この懐かしい感じ。それにこの人の匂い……)
澪「唯のナデナデは効果覿面だな」
唯「えへへ、でしょ~?」
梓「……」ジー
唯「?」
梓「……」ジー
唯「えーっと……?」
律「おーい、お前らー。そんなに見つめ合って、人の道を踏み外すなよー」
梓「はっ……」
梓「そ、そんなんじゃないです!ただ……」
唯「どうしたの?」
梓「……変なこと聞きますけど、唯先輩って一度私に会ったことがありませんか?」
唯「えっ?うーん……。わかんない……」
梓「そうですか……」
梓(なんでだろう。私、絶対この人のこと知ってる。唯先輩の匂いと抱き心地……)
梓(それに、昔すごく優しくしてもらったような……?)
――――――――――――
「パパとママがいないと寂しいね」
幼女梓「うん……でも今日は寂しくないよ」
「お姉ちゃんがいるから?」
幼女梓「ぴんぽーん」
「わーい、当たりだぁ」
幼女梓「お姉ちゃん、変」
「えーひどいよあずにゃん」
幼女梓「でも優しい」
「えへへ」
「あずにゃんの家はいっぱい楽器があるんだね~」
幼女梓「うん」
「あずにゃんも音楽が好きなの?」
幼女梓「嫌い……」
「どうして?」
幼女梓「梓からパパとママを奪ったから」
「……そっか」
幼女梓「楽器のお手入れも大変」
「忙しくて、あまり構ってもらえなくなっちゃったんだね」
幼女梓「……」シュン…
「あずにゃん……」
幼女梓「お姉ちゃんが帰ったら、また梓は一人ぼっち……」ポロポロ
ダキッ
「あずにゃんは一人ぼっちじゃないよ」
幼女梓「ぐす……」ポロポロ
「あずにゃんを待ってる人が何人もいるし、お姉ちゃんだっているよ」
幼女梓「うん……」ポロポロ
「ねえあずにゃん、○○公園て知ってる?」
幼女梓「ん……、知ってる。ぐすっ」
「明日そこに行ってみて。そこにあずにゃんを待ってる子達がいるから」
幼女梓「お姉ちゃんもくる?」
「……行けたら行く」
幼女梓「……。わかった。行ってみる」
「よし、えらいえらい」ナデナデ
幼女梓「ふふ」スリスリ
――――――――――――
さわ子「そうそう、私梓ちゃんにプレゼント持ってきたの!」ジャジャーン
梓「あの……それなんですか?」
さわ子「何って猫耳だけど?」
梓「それはわかるんですけど……」
唯「着けてみてよ~梓ちゃん」
梓「ええ……」
唯「おねが~いっ」ゴロニャーン
梓「うう……」スポ
唯・律・紬「おお~!」
唯「すごく似合ってるよ!」
さわ子「私の目に狂いはなかったわ」
梓「……」
唯・律・紬・さわ子「軽音部へようこそ!」
梓「ここで!?」
律「にゃあって言ってみて、にゃあって」
梓「に、にゃあ……」
唯・律・紬・さわ子「はぁああ~」
梓(キモい!)
唯「あだ名はあずにゃんで決定だね!」
梓「えっ……?」
梓「あずにゃんて……」
唯「嫌だった?」
梓「いえ、そういうことじゃなく……」
梓(そのあだ名は、昔一日だけ私の面倒を見てくれた、高校生くらいの女の子が付けたあだ名のはず……)
梓(その人の顔は思い出せないけど、唯先輩と似ていたような気がする)
梓(……!?そしたら唯先輩はずっと高校生のままだってこと!?)
梓「あのう、唯先輩ってぬらりひょんの孫娘か何かじゃないですよね?」
唯「へ?」
梓「実は座敷わらしとか?」
唯「えーっと……。え?」
――――――――――――
幼女梓「あのお姉ちゃん、この公園に梓を待ってる子がいるって言ってた」
子供「ね~ね~、今日は澪に泥爆弾ぶつけないの~?」
幼女澪「ひっ……!」
幼女律「それ、もうなし!また変な奴がきそうだし」
幼女澪「ほっ……」
子供「なんだ~つまんないの~」
幼女梓「あの子達かも」
幼女梓「こんにちは」
幼女律「あぁん?誰だー?」
幼女梓「中野梓。4歳」
幼女澪「あ、あ……私秋山澪!5歳です!」ペコリ
幼女梓「うん」
幼女律「なんだ~?年下か~?生意気だな~」
幼女梓「?」
子供「ねえりっちゃん。この子になら泥爆弾ぶつけてもいいんじゃない?」
幼女律「おぉ!それは名案だな!」
幼女澪「!?」
幼女梓「?」
幼女澪「小さい子苛めちゃダメだよぅ……」
幼女律「ふん……、喰らえ三下ァ!」
シュッ
幼女梓「おっと」ササ
幼女律「なぬ!?やるな!だが、まだまだ~!」
シュッシュッシュ
サササ
幼女律「クソ!なんだあいつ!全然あたらねー」
シュッ、ベチャ
幼女律「ぎゃふん!」
幼女梓「当たった」
幼女澪「梓ちゃんすごーい!」
幼女律「悔し~!あまりりっちゃんを怒らせない方がいいぜ……!おりゃ~!」
シュシュシュシュシュシュ
ササササササ
幼女律「当たらねー!」
幼女澪「梓ちゃん……動きがまるでg」
べチャ!
幼女澪「ふぎゃっ!」ドテーン
幼女梓「あ、ごめん。間違えた」
幼女澪「うぅ……」
>>295
――――――――――――
――――――――
――――
幼女律「中々やるなお前!特別に私の子分にしてやる!」
幼女澪「負けてたくせに……」
幼女律「何か言ったか?」
幼女澪「何も……」
幼女梓「子分でいい」
幼女律「お、わかってるじゃん、お前。年下のくせに見所があるな」
幼女梓「みんなは梓を待ってたの?」
幼女澪「?どういうこと?」
幼女梓「昨日梓の家に来たお姉ちゃんが言ってたの。この公園で梓を待ってる子がいるって」
幼女律「げっ、もしかしてあの嘘つき野郎か?」
幼女梓「嘘つきじゃないよ。お姉ちゃんは梓に優しくしてくれたよ」
幼女澪「澪もお姉ちゃんに優しくしてもらった」
――――――――――――
ライブハウス Koto
梓(先輩達は練習をサボってお菓子を食べてばかり……)
梓(新歓ライブの時はあんなに輝いてみえたのに……)
梓(みなさん、音楽が大好きな人達だと思ってたのに……)
梓(……)
梓(軽音部じゃなくて、よそのバンドに参加しよう)
梓(他にもきっと素敵なバンドが……!)
ライブ中
梓(どうしてだろう……どのバンドもうちの軽音部よりうまいのに……)
梓(何か自分がやりたい音楽と違う気がする……)
――――――――――――
――――――――
――――
ライブ終了後
梓(わからないよ……このまま軽音部を続けるべきなのか……)
梓(……)
「あ~ずにゃん」
梓「……?唯先輩?」
――――――――――――
幼女律「お前ら騙されてんだよ。優しいのは最初だけ、油断してると後から高い壷売られるんだぞ~!」
幼女梓「どうでもいい」
幼女律「そ、そぅ……」
幼女澪(りっちゃんは梓ちゃんみたいなタイプが苦手なのか……)
幼女澪「ところで、お姉ちゃんにここに来いって言われたの?」
幼女梓「うん」
幼女梓「ここで何するの?」
幼女律「いや、しらねーよ。あの変態、梓をここに呼んでどうするつもりだったんだ?」
幼女澪「さあ?」
幼女律・澪・梓「……」
幼女澪「りっちゃん、それそれアレやらないと」
幼女律「アレって?」
幼女澪「うんたん」
幼女律「は?」
幼女澪「唯ちゃんとうんたん仲間になったから、毎日やらないといけないよ」
幼女梓「うんたんって何ー?」
幼女澪「私達のお友達がやってたの。カスタネット叩く時は、うんたんて言うんだって」
幼女梓「ふーん、変なの」
幼女律「ほらー梓もこう言ってるし。あんなの恥ずかしくて、もうできねーよ」
幼女澪「でもうんたんやらないとお姉ちゃんにアイス買ってもらえないかも」
幼女律「むむ……」
幼女澪「カスタネットも持ってきたし」
幼女律「準備いいなおい」
幼女律「じゃあまずは澪からな」
幼女澪「う、うん……。うんたんうんたん♪」パンパン
幼女梓「……」
幼女澪「へへ、一人でできた///次はりっちゃんだよ」
幼女律「お、おお。うんたんうんたん!」パンパン
幼女梓「……」
幼女律「あー!アホらしい!次は梓だぞ!」
幼女梓「私もやるの?」
幼女律「当たり前だろ。お前は子分なんだから」
幼女梓「やりたくない……」
幼女澪「恥ずかしいのは最初だけだよ!」
幼女梓「恥ずかしくないけど……好きじゃない」
幼女律「カスタネット嫌いなのか?」
幼女梓「楽器は全部嫌い。音楽も嫌い」
幼女律「ふーん、何か知らんけど、わけがありそうだな」
「ふっふっふ、どうやら私の出番のようだね」
幼女律「ん?うわー!出たー!」
――――――――――――
梓「唯先輩……?じゃないですね?」
「うーん、あずにゃんは勘がいいからごまかせないか」
梓「もしかして……!」
梓「あの時……私が一人ぼっちだった時に優しくしてくれたあの……」
「えへへ、あずにゃんにとっては、久しぶりになるのかな」
梓「……!」
梓「やっぱりそうなんですね。一体どういうことなんですか?」
「それはまだ言えない。でもきっとその内わかるから」
梓「そうですか。というか、本当はもっと驚くべきなんでしょうけど……」
「驚くべきだけど?」
梓「驚くことよりも……アナタに会えたことの方が嬉しいんです」
「あずにゃ~ん!」ダキッ
梓「うわ!ちょっとこんなところで……!」
「あずにゃんは相変わらず素直で可愛いね~!」ナデナデ
梓「もう……」
梓(この匂い、この柔らかさ、撫でられた感触。やっぱりあの時のお姉ちゃんだ)
「ところで、こんなところで何してたの?」
梓「……。軽音部を辞めて他のバンドを組もうかなって思って……」
「ふぅ~ん。それはまた、どうして?」
梓「わからなくなったんです……みなさん、新歓ライブの時はあんなに輝いて見えたのに、なんだか今は……」ポロポロ
「……」
「あずにゃんはどうして音楽を続けてるの?」
梓「え?それは……」
梓(……どうしてだろう。なんで私は音楽を、ギターを続けてるんだろう。昔はあんなに嫌いだったはずなのに……)
――――――――――――
幼女梓・澪「お姉ちゃん!」
「ふふ、こんにちは。澪ちゃんのうんたん見てたよ。りっちゃのもね」
幼女澪「えへへ///」
幼女律「そんなことよりスイカバーよこせ!」
「はいはい、本当に可愛げないな~りっちゃんは。ちゃんと買って来たよ」
幼女澪「わぁ!ありがとうお姉ちゃん!」
幼女律「嘘つき野郎じゃなかったんだな!」
「だから約束は守るって言ったでしょ?」
子供「私には~?」
「ん~?キミは音楽好き?」
子供「好きだよ。歌とかリコーダーとか!」
「よーし!じゃあ特別にキミにもアイスをプレゼントだー!」
子供「やたー!」
幼女梓「……」
幼女律「ペロペロ。梓の分はねーの?」
「もちろんあるよっ!」
幼女澪「良かったねぇ、梓ちゃん」
幼女梓「ん」コクッ
「じゃあ、あずにゃんにもしつも~ん。あずにゃんは音楽が好きですか?」
幼女梓「……」
幼女梓「……嫌い」
幼女律「バカでー!そういう時は嘘でも好きって言えb」
ポカ
幼女律「あいたっ!何すんだよー!」
「りっちゃんは黙ってなさい」
幼女律「なんだよー……」
「じゃあ質問を変えるね。あずにゃんはさっきの澪ちゃん達のうんたんを見てどう思った?」
幼女梓「……楽しそうだった」
「パパやママの演奏を聴いたことはある?」
幼女梓「ん」コクッ
「どうだった?」
幼女梓「楽しそうだった」
「それじゃあ、あずにゃんもやろうよ!」
幼女梓「え?」
「理由なんてちっぽけでいいの。楽しいから、好きだから、とかね」
幼女梓「……」
「それにみんなは楽しんでるのに、あずにゃんだけ楽しくないのは悔しくない?」
幼女梓「うん、悔しい」
「カスタネット、やってみる?」
幼女梓「うん」
幼女澪「梓ちゃん、カスタネットはこうやるんだよ~。うんたんうんたん♪」パンパン
子供「私も~うんたんうんたん♪」パンパン
幼女律「わ、私はもうやらないからな!」
「またアイス買ってあげようと思ったんだけどな~」
幼女律「うんたんうんたん!うんたんうんたん!」パンパン
幼女梓「うんたん……」
幼女梓「うん……たん」パン
幼女梓「うん、たん」パン
幼女梓「///」
「どう?」
幼女梓「楽しい」
「みんなでやるともっと楽しいよね?」
幼女梓「うん」コクッ
「ふふ、それじゃああずにゃんにもご褒美。バニラアイスだよ~」
――――――――――――
梓「そっか……私は……」
梓「楽しいからです。演奏が楽しいからずっと続けてこれた」
「そっか」
梓「新歓ライブの時、先輩達が輝いて見えたのは、みんな音楽が大好きで楽しんでるからだ……」
「軽音部のみんなは、演奏を心から楽しんでる。きっと、他のどのバンドよりもね」
梓「はい……」
梓(他のバンドになくて、軽音部にあるもの……か)
「そうそう、あずにゃんにもう一回聞きたいことがあったんだ」
梓「なんです?」
「音楽は好きですか?」
梓「……ふふ」
梓「大好きです。ギタリストですから」
「そう、良かったぁ」
梓「当たり前じゃないですか。伊達に小4からギターを続けてきたわけじゃないんですからねっ」
「ふふ、じゃあもう安心だね」
梓「え?どういう……あ、あれ!?……いなくなった……?」
次の日 音楽室前
梓(やっぱり私にはここしかない。私も先輩達と楽しく演奏したい)
梓(またお姉ちゃんに助けられた。きっとアレは……唯先輩だ)
梓(やっぱり唯先輩は妖怪の類なのかな……。……まあとにかく、ありがとうございます、唯先輩)
ガチャ
唯「あずにゃん!」
律「梓!お前一週間も部活に来ないでなにs」
梓「みなさん!練習しましょう練習!思いっきり楽しみましょうね!」
律「へ?お、おう。と言うか、今練習してたしな」
――――――――――――
斎藤「紬お嬢様、次は新しい家庭教師が来て、国語のお勉強です」
幼女紬「……」
斎藤「それが終わったら、ピアノのレッスン。夕食の後、バイオリンのレッスンになります」
幼女紬「……」
斎藤「大丈夫ですね?」
幼女紬「……はい」
斎藤「では先生が来るまでゆっくりなさってください。失礼します」
ガチャ、バタン
幼女紬「……」
幼女紬「グスッ……」
ガチャ、バタン
「やっほー」
幼女紬「ズズッ……。家庭教師の先生ですか?」
「そうだよー。よろしくねっ」
幼女紬「よろしくお願いします。琴吹紬と申します」ペコリ
「うーん、なーんか幼稚園児っぽくないなー」
幼女紬「はぁ……。でも挨拶するときはこうしろって言われたので」
「はぁ~、なるほどね」
幼女紬「先生のお名前は?」
「匿名希望で!」
幼女紬「匿名希望さん……。いいお名前ですね」
「で、でしょ~?あっはっは」
幼女紬「ではお勉強を始めましょう。すでに予定時間から2分オーバーしています」
「お、おぉ……」
(しっかり者ってレベルじゃねーぞ!)
――――――――――――
昼休み 音楽室
律「三つ編みー!」
澪「ちょ……やめろって!」
バシッ
澪「もう!なんなんだよ!」
律「……」
律「そうそう、オススメのすっごい怖いホラー映画持って来たんだ~」
澪「う……、もう教室に戻るぞ!」
律「ふーん、戻れば?」
律「悪かったよ、和との楽しいランチタイムを邪魔してさ」
澪「はぁ……?そんなこと言ってないだろ!」
唯「へ?何?どうしたんだろ……?」
紬「お、お茶にしない?お茶にしよう?ね?」
梓(澪先輩と律先輩がケンカしてる……。なんとかしなきゃ、なんとか……。そうだ猫耳!)
スポッ
梓「みなさん!仲良く練習しましょ……ぅ……」
シーン
梓(は、外した……)ウルッ
律「まあ、練習するか……」
澪「うん、やろっか」
梓「は、はい!」
~♪
澪「ん?ちょっとストップ」
律「……」
澪「律、ドラム走らないのはいいけど、パワー足りなくないか?」
律「……」
澪「律……?おい、律!」
律「ごめん、何か調子でないや。また放課後ね~」
唯「え……?りっちゃん!」
澪「いいよ!唯!」
ガチャ、バタン
澪「……」
澪「馬鹿律……」
紬(りっちゃん……)
――――――――――――
幼女紬「先生、まずは何から?」
「えぇーと……。じゃあ先生の後に続けて音読!」
幼女紬「はい、わかりました」
「おほん!では……、こっきょうの長いトンネルを抜けると雪国であった」
幼女紬「……」
「どうしたの?」
幼女紬「いえ……」
幼女紬「先生。冒頭はこっきょうではなく、くにざかい、だと思います」
「え?そうなの?」
幼女紬「多分……」
「そ、そうそう!ド忘れしてた!」
幼女紬「そうですか……」
「くにざかいの長いトンネルを抜けると雪国であった!はい!」
幼女紬「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
――――――――――――
――――――――
――――
「ふぃ~、今日はもうこの辺でいいんでない!?」
幼女紬「先生。まだ15分しか経っていません」
「堅いことは言いっこなしだよムギちゃん!」
幼女紬「ムギちゃん?」
「つむぎ、だからムギちゃん。嫌?」
幼女紬「いえ、嫌じゃないです」
「んも~!その他人行儀な喋り方やめてよー!」
幼女紬「と、言うと?」
「それだよ!それ!」
幼女紬「?」
幼女紬「でも、こういう風に喋るようにと習ったので……」
「習うって?幼稚園とかでお友達と話すように話せばいいんだよ!」
幼女紬「……。幼稚園は行ってません」
「え?なんで?」
幼女紬「お勉強や習い事は全部ここでできますから」
「じゃあずっとここにいるわけ!?お友達もいないの!?」
幼女紬「ええ……まあ」
「はぁ~、これが噂の箱入り娘ってやつか」
幼女紬「それより早くお勉強を……」
「勉強なんて終わり終わり!そんなことよりムギちゃんはやらなきゃいけないことがあるよ!」
幼女紬「でも先生は国語の家庭教師じゃ……」
「いいのいいの。よし、お茶にしよう!お茶!」
幼女紬「わかりました。ではメイドを」
「ムギちゃんが入れたお茶を飲みたいな~」
幼女紬「え……でも私お茶入れたことないし、習ってません……」
「先生が教えてあげるっ!今からお茶汲み先生だよ!」
幼女紬「お茶汲み先生ですか……」
「やっぱりお茶の前にその喋り方を治そう!うん!」
幼女紬「でもどうすれば……?私、こういう話し方以外慣れてません……」
「友達と話すときはね、そんな他人行儀じゃダメなの。自然に言葉が出てくるようじゃないと!」
幼女紬「さっきもいいましたけど、私幼稚園行ってないから友達いないです……」
「なに言ってるのさームギちゃん!」
幼女紬「え?」
「ここにいるじゃーん!」
――――――――――――
次の日 音楽室
梓「律先輩、来ませんね。昨日の放課後も今日も……」
唯「どうしたんだろ~?」
さわ子「それはやっぱり澪ちゃんが冷たいからじゃない?」
澪「うぇ!?」
梓「もしこのまま戻ってこなかったら……学園祭のライブ、どうなるんでしょう……」
澪「練習しよう!」
梓「でも……律先輩、呼びに行かなくていいんですか?」
澪「ん……」
さわ子「もしくは代わりを探す、とかね」
澪「え……?」
さわ子「まあ、万一のことを考えてってことだけど」
唯「でも……」
紬「りっちゃんの代わりはいません!」
――――――――――――
幼女紬「先生が友達?」
「そう。私がムギちゃんのお友達第一号だよっ」
幼女紬「……」
「嬉しくない?」
幼女紬「んーん、嬉しい。私、ずっとずーっと友達が欲しいと思ってたんでs……思ってたの!」
「言えたね、ムギちゃん」
幼女紬「ふふ、でも執事に聞かれたら怒られちゃいそう」
「いーのいーの、ムギちゃんくらいの歳の子は習い事なんかより、友達と思いっきり遊ぶほうが大事なんだから!」
幼女紬「そんなこと言ってくれたの、先生が初めて」
「そして友達になってくれた人のために、命に替えてでもその友達を守らないとね」
幼女紬「命に替えてでも?」
「そのくらいの気持ちを持つってこと。きっとムギちゃんにも、そのくらい大切に思える友達がたくさんできるからね」
幼女紬「先生のこと?」
「私もだけど、他にもっとい~っぱいだよ!」
幼女紬「ふふ、楽しみ。私友達100人作るのが夢なの~♪」
「できるよ、ムギちゃんなら。ムギちゃんいい子だもん。私が保証するっ」
幼女紬「えへへ///」
「ふふ、じゃあお茶汲みの練習しよっか!」
幼女紬「うん!」
「ムギちゃん、お友達ができたら毎日お茶を入れてあげてね」
幼女紬「へ?うん!頑張るっ!」
「よし、それじゃあまずはティーカップを用意して……」ツルッ
ガシャーン!
「ぎゃあああああ!!!」
幼女紬「せ、先生ーーーっ!」
――――――――――――
唯「ムギちゃん……」
紬「待ってよう。りっちゃんが来るの、待っていようよ…」
紬「りっちゃん、きっと来るから……」
澪「ん……」
紬(今なら先生が言っていた言葉の意味がわかる気がする。自分を犠牲にしてでも友達を守る。今の私ならりっちゃのために死ぬことだってできると思う)
紬(りっちゃんだけじゃない。唯ちゃんや澪ちゃん、梓ちゃんのためだって)
紬(これが……本当の友達、か)
次の日 2-2前
澪「……」キョロキョロ
紬「あ、澪ちゃん」
唯「ホントだぁ!」
澪「あ、お、おはよう……」
唯「あのね、今日りっちゃんねぇ」
澪「いや、別に律の様子を見に来たんじゃなくて、その……」
紬「ふふ、学校休んでるの」
澪「え?」
――――――――――――
――――――――
――――
唯「澪ちゃん、授業サボってりっちゃんの家に行っちゃったね」
紬「だって友達だもの。授業なんかよりずっと大切な事よ」
唯「そだね。そう言えば昨日のムギちゃんカッコ良かったなぁ。りっちゃんのために!みたいな気迫が伝わってきたもん」
紬「だって、私もりっちゃんの友達だもの。もちろん唯ちゃんもね」
唯「へへ。嬉しいな」
紬「唯ちゃん、あの時はありがとう。唯ちゃんがいなかったら、友達がこんなに大切なものなんだって、わからなかったと思うの」
唯「あの時って?私何かしたっけ?」
紬「ふふ、秘密」
唯「?」
紬「放課後になったら私達もりっちゃんの家に行こうね!」
唯「もちろん!友達だもんね!」
――――――――――――
――――――――――――
学園祭前日 唯の家
唯「へっきし!うぁー…ズルル」
唯(はあ……風邪、明日までに治るのかな。みんなと一緒に学園祭ライブ出られるのかな……)
唯「けほっけほっ……」
ガチャ
唯「お?」
バタン
唯「あ、おいーっす」
「おいーっす、じゃないよっ!」
――――――――――――
4月 帰路
唯「和ちゅわぁ~ん」ダキッ
和「はいはい。で、何の部活に入るか決めたの?」
唯「……まだ……」
和「まだ決めてないの!?一体いつまで悩んでるつもりよ」
唯「うぅ~ん……、和ちゃんと一緒に生徒会に入ろうっかな(チラッ」
和「唯に書類整理とか事務処理ができるの?」
唯「できまへん」
和「……はぁ」
唯「じゃあ、お茶汲み係でもやろうかな!」
和「そんな係はないし、多分この先、作られることもないわね」
唯「えぇ!?ケチんぼだなぁ桜高の生徒会はぁ!」
和「……あのね唯、ふざけてないでちゃんと自分で考えて決めなさい。もしかしたらその部活の人たちと、一生の付き合いになるかもしれないんだからね」
唯「え~?冗談がうまいなぁ和ちゃんは。いくらなんでもオーバーだよ~」
和「……」
唯「……ごめん。ちゃんと考える」
和「そう。じゃあ私こっちだから」
唯「うん!バイバイ!また明日ね~!」
和「また明日」
唯「う~ん、部活部活……」ブツブツ
和「……」
和「クスッ……頑張りなさい、唯」
唯「部活部活……。私でもできること……私が好きなこと……」
唯「……」
唯「うわぁーん!何していいかわかんないよー!」
ドンッ
唯・ 「あいたーっ!」
唯「あ……ごめんなさい。ちょっと考え事してて」
「私こそごめんなさい。大丈夫?」
唯「えへへ、ありがとう。私は大丈夫だよっ」
「そう、良かった」
唯「……ん?」
「……」
唯「んーと、ん?」
「あ、あはは……」
唯「えーと、ほらアレ。なんて言ったっけ……?うーんと」
唯「あ!ドッペルゴースト!」
「おしい!」
唯「……!?えー……。ドッペルゲンガー!」
―――――――――――
――――――――
――――
唯「じゃあキミは、ドッペルゲンガーちゃん?」
「うん。それでいいやぁ」
唯「私は平沢唯だよっ!でも不思議なこともあるもんだね。見れば見るほど……似てる」ジー
「せ、世界では自分に似てる人が3人いるって言うしねっ!」アセアセ
唯「んー、よく見たら私より少し太ってるかな?」
「!?私は太らない体質なのっ!」
唯「へー、そんなところまで私に似てるんだね」
「そうそう、唯ちゃんに渡したいモノがあるの」
唯「へ?なんだろ」
「ふっふっふ、じゃーん!」ババン
唯「え?何?」
「アイスだよっ!約束してたでしょ?」
唯「アイス?約束?何のこと?」
「覚えてないのも無理はないね。まあとにかく受け取って。チョコアイス」
唯「う、うん。ありがと」
「唯ちゃん今暇?ちょっとだけ一緒に歩かない?」
唯「うん、いいけど」
「連れて行きたいところがあるんだっ」
唯「連れて行きたいところって?」
「ふっふっふ。唯ちゃんは今、悩んでいるね?」
唯「!?……なんでわかるの……?」
「私は超能力者だからね。もしかしたら唯ちゃんの悩み解決の手助けになるかもしれないよっ」
唯(超能力……?はて、どこかで……)
公園
唯「ここは……」
「何か覚えてない?」
唯「うっすらと……。小さい時にここに来たことがあるような気がする」
「ほい、唯ちゃん。これ」ポイ
唯「え?カスタネット……?」
「みんなでやったよね。うんたん」
唯「うんたん……」
唯「!?あの時のお姉ちゃん!」
「ぴんぽーん」
唯「ええ!?でもどうして……。昔のままの姿……だよね?」
「これには深~いわけがあるんの。実は私、この時代の人間じゃないんだ~」
唯「…………へ???」
「あの時、澪ちゃんがイジメられてるのを黙って見てられなくて……」
唯「澪ちゃん?澪ちゃん……?」
「ごめん!今はこれ以上話せない!」
唯「????」
唯「……?頭がこんがらがってきた」
「そうなるのも無理はないよ。普通こんなこと言われて信じる方がおかしいもん」
唯「えーと……とりあえず、どうして私をここに連れてきたの?」
「どうしても唯ちゃんに入って欲しい部活があるんだ」
唯「部活?ちょうど今それで悩んでたところなんだ~!」
「ふふ、知ってるよっ。ねえ唯ちゃん」
唯「なに~?」
「今でも音楽は好き?」
――――――――――――
「まったくもうっ、みんなに迷惑かけて……」
唯「仕方ないじゃ~ん。りっちゃんに風邪移されちゃったんだもん」
「もし明日までに治らなくてライブに出られないようなら、私が代わりに出るからねっ!」
唯「それは絶対嫌!」
「……」
唯「……」
唯「約束したもん。ライブまでに絶対治すって。みんなと一緒にライブに出るって」
「そっか。じゃあ早く治さないとね」
唯「もちろんだよっ!」
「そうそう、アイス買ってきたんだ~。一緒に食べよ」
唯「お、ありがと~」
「アイスを食べればきっと熱も下がるよ!」
唯「うん!」
――――――――――――
――――――――
――――
唯(いっぱい寝る!今はできるだけいっぱい寝て、絶対間に合わせる!)
(頑張れ、唯ちゃん)
――――――――――――
唯「音楽?ん~、別に」
(……)ズルル
「は、はっきり言うね……」
唯「だって興味ないもん」
「……音楽を通じて出会えた人もいたでしょ?」
唯「?」
「もう一度、その人たちと……」
唯「もう一度?……ところでこのカスタネットは?」
「忘れちゃったの?唯ちゃん、カスタネットうまいねって言ったらすごく喜んでたんだよ」
唯「……」
「大切なうんたん仲間がいたでしょ?」
唯「うんたん……?……うんたんうんたん……」
「うんたんうんたん」
唯「うんたんうんたん」パンパン
唯「澪ちゃんとりっちゃん……。それとお姉ちゃん」
「えへへ、よく思い出してくれたね」
唯「澪ちゃんとりっちゃん、今は?」
「唯ちゃんと同じ桜高だよ。軽音部で唯ちゃんを待ってる」
唯「軽音部?軽い音楽ってことは口笛とかカスタネットができればいいのかな?」
「え!?うーん、そうだよ!」
唯「そっか!よーし!」
後日 音楽室
ガチャ
律「みんなー!新入部員を連れてきたぞー!」
澪「本当か!?」
紬「歓迎いたしますわ~」
唯(お姉ちゃんの嘘つき~……!口笛とカスタネットができれば大丈夫って言ってたくせに……)
律「ムギ!お茶の準備だ!」
紬「はい~」
律「ささっ、座って座って!」
唯「あ、あのぅ……はい……」
澪「あ、あれ?」
唯(この子が澪ちゃん。黒髪ロングが特徴的で泣き虫で……)
律「お、澪も気付いたかー!この子は前に職員室でプリントをばら撒いたトロ……ドジっこちゃんだぜ!」
唯「久しぶりだね、澪ちゃん」ニコッ
律「あれ?二人はもう知り合いか~?」
澪「いや、私も職員室で会っただけだけど……」
律「ってぇことは、部員の名前を予習してきたんだな!さすが平沢さん!」
唯「い、いやぁ……それほどでも///」
唯(私達は会ってるんだよ、りっちゃん。……そんなことより)
律「ま、そんなことよりケーキでも食べて食べて!」
唯(やっぱりギターなんてできるわけないよ……。私はカスタネット専門なんです……みんなに迷惑かけたくないし)
唯「あ、あの!」ガタッ
律「ん?どしたー?」
唯「じ、実は軽音部に入部するのやめさせてくださいって言いに来ました!」
律「へ?」ポカーン
唯「私ギターなんて弾けないし、軽音部ってもっと簡単なことやると思ってて……」
澪「そんなの大丈夫だよ!私も少しはギター弾けるし、教えられることは教」
律「そっかぁ。できないならしゃーないな」
澪「え……?」
紬「そうね。無理に引きとめるのも悪いし」
澪「ちょ、ちょっと待てよ……」
唯「本当にごめんなさい……それじゃあ」
唯(ごめん……。澪ちゃん、お姉ちゃん)
律「じゃあ気を付けて帰ってね~」
唯「うん、ありがとう」
紬「良かったら、またお菓子を食べにきてね」
唯「わかったぁ。ありがとね~」
澪「ちょっと待って!」
律「お?どうしたー?澪」
澪「よ、良かったら私達の演奏だけでも聴いて行かないか?」
唯「……」
唯(澪ちゃんとりっちゃんの演奏……か。あの時のうんたん以来だ)
唯「うん、私も聴きたいな。澪ちゃん達の演奏」
律「どうしたんだよ澪ー。そんなに必死になって」
澪「逆に何でお前はそんなにあっさり引き下がるんだよ!軽音部が廃部するかどうかの瀬戸際なんだろ!」
唯(澪ちゃん、やっぱり今でも……)
律「そりゃあ、そうなんだけどさー。平沢さんギターできないって言うし、ムギの時に無理に引きとめたら可哀想って言ったの澪だろ?」
唯(カスタネットしかできまへん)
澪「ぐ……、そうだけど……」
紬「それに、他にギターができる子が入部するかもしれないじゃない?ねぇ、りっちゃん?」
律「そそ。慌てない慌てない。一休み一休み」
唯(私のせいで揉めてるみたい……)
唯「あのぅ……」
澪「あ、ごめん……」
唯「えーっと……。演奏してくれるんじゃ……」
澪「そうだな。いいだろ?律、ムギ」
律「まあ、別にいいけど」
紬「私も、二人がそう言うなら」
澪「平沢さん、私達まだまだ下手っぴなんだ。でも平沢さんのために心を込めて演奏するから……」
唯「うん、見てるよ。澪ちゃん」
澪「準備はいい?」
律「いつでもOKだぜ!」
紬「私も!」
澪「……」
律「澪?」
澪「あ、ごめん。私もいつでもいいぞ」
唯(頑張れ!みんな!)
律「じゃあ行くぞー!1、2」
~♪
~♪
――――――――――――
――――――――
――――
澪「ふう……」
唯「わぁー!」パチパチパチ
律「へへへ、どうだった?」
唯「なんて言うか、すっごく言葉にしにくいんだけど……あんまりうまくないですね!」
律「バッサリだー!」
唯「でもでも、みんなが音楽が大好きなことはわかったよっ!」
唯(澪ちゃんもりっちゃんも、あの時からずっとずっと音楽が大好きだったんだね)
律「だ、だろぉー!?私達の演奏は真心勝負なのさ!」
唯「私何にもできなくて、きっと下手っぴだけど……、私もみんなといっしょに演奏がしたい!」
澪「私も平沢さんと一緒に演奏したい。いいよな?律」
律「んー、まあ澪が言うならいいか。ちゃんとギター教えてやってくれよ」
澪「わかってる。良かったな、平沢さん!」
唯「ありがとう澪ちゃん。また助けられちゃったね。えへへ」
唯(うんたん仲間再結成だね。澪ちゃん、りっちゃん)
――――――――――――
学園祭当日 音楽室
さわ子「これがその衣装です!」
律・澪・紬・梓「ん?」
唯「失礼しまーす……///」
律「唯!」
澪「来てたんなら真っ先にここに来い!」
梓「みんな心配してたのに……」
―――――――――――
――――――――
――――
唯「ギ、ギー太がぁぁぁぁあああああ!?なぃいいいいいいいい!?」
律「ば、ばかたれー!」
唯「ごめんみんな!やっぱり私、ギー太と一緒にライブに出たい!ギー太も軽音部の一員だもん!」
律「ふふ、わかってるって。行ってこい」
澪「唯とギー太が来るまで私達がなんとかする」
梓「絶対間に合ってくださいね!みんなと一緒じゃなきゃ嫌ですからね!」
紬「唯ちゃんのことを信じて待ってるわ」
唯「ありがとうみんな!行ってくる!」
講堂
アナウンス「これより、軽音楽部・放課後ティータイムによるライブを開始します」
律「1、2、3!」
~♪
澪「ふでペン FU FU~♪ふるえる FU FU~♪」
澪「はじめてキミへの GREETING CARD♪」
~♪
ねえ、私。
律にイジメられて、泣いてばかりだった私。
心配しなくていいよ。
今は人前で演奏することも、唄うこともできるようになったよ。
あの時、お姉ちゃんに会ってなかったら、きっとこんなことできなかったと思う。
お姉ちゃん、どこかで私を見てくれていますか?
去年の学園祭以来会ってないけど、なんだかずっと側にいてくれたような気がします。
お姉ちゃん、ありがとう。
~♪
~♪
ねえ、私。
一人ぼっちで、音楽が大嫌いだった私。
心配しなくていいよ。
きっと音楽が好きになるから。
大好きな先輩達と、楽しい演奏ができるから。
あの時、軽音部を辞めなくて本当に良かった。
お姉ちゃんの言葉があったから、こんなに楽しく演奏できてるんだよ。
ありがとう、お姉ちゃん。
~♪
~♪
ねえ、私。
友達がいなくて、寂しい思いをしていた私。
心配しなくていいよ。
何よりも大切な友達が、たくさんできるから。
先生。
今は毎日、友達のためにお茶を入れています。
きっと今の私は、先生よりお茶の入れ方がうまくなってると思います。
いつでも飲みに来て下さいね。
~♪
~♪
そういえば子供の頃、近所の公園で、変なねーちゃんに会ったな。
確かカスタネットをやったらアイスを奢ってくれて……。
ん?奢ってもらってないんだっけ?
ちきしょー、忘れちまった。
もしどこかで会えたら、奢ってもらお。
って、なんでこんな時にこんなこと思い出してんだ?……変なの。
~♪
~♪
ねえ、私じゃない私。
キミは私達がめぐり合うように、ずっと頑張ってくれてたんだよね?
何をしていいかわからなかった私に、道を示してくれたよね。
キミのおかげで、最高の仲間に出会えたよ。
ねえ、私もキミに何かしてあげたいよ。
何か恩返しがしたい。
私にできること、ないかな?
~♪
体育館
バーン!
憂「お姉ちゃん!」
唯「憂!ここへ来てやっと出番だね!ピース!」
憂「え?お、お姉ちゃん頑張って!」
―――――――――――
――――――――
――――
唯「ここが、今いるこの講堂が、私達の武道館です!」
唯「最後まで思いっきり唄います!ふわふわ時間!」
~♪
ジャジャ、ジャジャ、ジャーン
唯・澪・律・紬・梓「けいおん!サイコー!」
「ふふ」
「やっぱり私がいないとダメだね~」
後日 音楽室
澪「変なこと言うけどさ、みんなは唯にそっくりな人に会ったことがあるか?」
律「なんだよそれ。ホラー映画か?」
澪「いや……うまく言えないんだけど……」
梓「あります」
澪「梓!?」
梓「多分だけど……。アレは唯先輩であって唯先輩じゃないって言うか……」
梓「とにかく私はその人のおかげで、音楽を好きになれたんです」
紬「私も会ったことがあるわ」
澪「ムギも!?」
紬「私はその人に友達の素晴らしさと、お茶の汲み方を教えてもらったの」
律「へ~、ムギのお茶汲み師匠はその唯っぽい奴だったのか。んで、澪は?」
澪「私は……」
律「どうした?」
澪「律にいじめられてるところを助けてもらった」
律「……。へー……」
澪「思い出したらムカついてきた」
律「おいおい!もう時効だろ!?それに今は散々私をいじめてるじゃねーか!」
澪「律が変なことばっかりするからだろ!」
紬「唯ちゃんは?その人と会ったことない?」
唯「ああ、あるよー」
律「唯にはどんなエピソードがあるんだ?」
唯「エピソードって言うか……」
唯「ありすぎて何を言えばいいかわからないな~」
澪「え!?そんなに会ってたのか!?」
唯「うん。だって時々、家にご飯食べに来てたし」
澪「ええ!?その人は今どこに!?」
唯「さぁ?そう言えば学園祭以来ぱったりと来なくなっちゃった」
梓「あの人は一体何者なんですか!?」
唯「えーとね。あれは私の」
澪「やめておかないか?」
唯「え?なんで?」
澪「何かそれを聞くと、一生あの人に会えなくなる気がするんだ」
唯「そう?」
梓「そうですね。きっとあの人は、私達をめぐり合わせる妖精か何かだったんですよ」
唯「いや、あれはね……」
律「ぷっ、なんだよそれ」
紬「なんとなく澪ちゃんの言うことがわかるかも。それよりお茶のおかわりはどう?」
澪・律・梓「いただきます!」
唯「……」
唯(まあ、いっか)
ガシャアアアアン
「ふぃー。ただいまー」
唯「おかえり」
「ごめんね~おばあちゃん。本当はちょっと見てるだけのつもりだったんだけど、澪ちゃんがいじめられてるのを黙って見てられなくて……」
唯「いいよ。でもそのせいで随分苦労したみたいだね」
「私のせいで危うく未来が変わっちゃうところだったからね!さすがに焦ったよ~」
唯「ふふ、お前は私と違って頭がいいから、タイムマシンとか色んなモノを発明するね」
「私の発明品で、私が見えてるものがおばあちゃんにも見えてた?」
唯「うん。見えてたよ。若い頃のみんな、可愛かったなぁ」
「今は会うことすらできないもんね」
唯「……」
「どうだった?数年ぶりの友達は?」
唯「言葉にできないよ。もう一度みんなに会いたい」
「何言ってるのさ!みんなの分まで、おばあちゃんには元気でいてもらわないと!」
唯「そうだね」
「ね、今度はおばあちゃんの大学時代の友達を見に行きたい!」
唯「さすがに疲れたよ。今日はもう休もうよ」
「ちぇ、つまんないのー」
唯「ふふ、時間はたっぷりあるでしょ?私もまだ死ぬつもりないし」
「もう!縁起でもないことを!」
おしまい!

