86 : 名無しさ... - 21/02/16 02:38:50 9Rq 1/10

事務所

ちひろ「調子悪いんですか? それとも頭ですか?」

「おい☆ 二番目喧嘩売ってんのか☆」

ちひろ「すみません、つい本音が」

「てめぇ☆」

ちひろ「ま、冗談はさておき。どうしたんです? これ見よがしに悩んでますアピールして」

「アピール言うな☆ ……まぁアピールしてたけどさ」

ちひろ「ほら見た事か」

ちひろ「で?」

87 : 名無しさ... - 21/02/16 02:39:38 9Rq 2/10

「来月のテレビさ」

ちひろ「来月? 来月って言うと……。あぁ、765さんとこの」

「そ。765さんとこのロコちゃんの番組」

ちひろ「ゲストと一緒にアートを作るんでしたっけ」

「うん☆ 『ロコナイズ・アートクリエイティブ』って言うロコちゃんの番組☆」

「その番組のさー……宿題がね……」

ちひろ「宿題って……。なんか自由なテーマで絵を描いてきてくれってだけでしょうに」

「そのなんかが難しい☆」

ちひろ「心さん、絵上手いじゃないですか。服のデザインとかできるんですし」

「んー。はぁともデザイン画みたいなのは描けるんだけど……こんな感じにサラサラ~っと♪」

ちひろ「あ、これ結構好きです」

「マジ? んじゃ今度はこれ作ろっかな~♪」

88 : 名無しさ... - 21/02/16 02:40:04 9Rq 3/10

「じゃなくて!!!」

ちひろ「チッ……。話をそらせなかったか」

「おい☆」

ちひろ「これじゃダメなんですか?」

「ダメって事はないと思うけど、でも多分、求めらているものとは違う気がして」

ちひろ「具体的な指示とかはきてないんですか?」

「うん。なーんにも。心の赴くままに『ロコナイズ』してきてくださいだって」

「そのロコナイズがイマイチわかんねぇ……」

ちひろ「あはは……、まぁ確かに」

「ちひろさんや」

ちひろ「わかりませんよ」

「まだ何も言ってないだろ☆」

ちひろ「言わずともわかりますー。どうせロコナイズって何って聞くつもりなんでしょう?」

89 : 名無しさ... - 21/02/16 02:40:28 9Rq 4/10

「やだ……ちひろちゃんってばはぁとと以心伝心♪ はぁとの心の中まで見透かされちゃう~☆」

ちひろ「そんなバカ言ってる時間あるんですか」

「すみません」

「いやでも、マジな話にロコナイズって何よ」

ちひろ「そればっかりはロコちゃんか765さんに聞かなきゃわかりませんよ」

「聞けたら苦労しないだろ☆」

ちひろ「プロデューサーさんには?」

「ロコちゃんが今まで作ったアートの写真をくれました。難しい顔しながら」

ちひろ「どれどれ……」

ちひろ「……」

「まさにその顔してたぞ」

90 : 名無しさ... - 21/02/16 02:40:55 9Rq 5/10

ちひろ「現代美術……? って言えばいいのかなんと言えばいいのか」

ちひろ「なんていうか……」

ちひろ、心「「なんかすごい」」

「やっぱそれ以外に言葉出てこないよな☆」

ちひろ「心さんとまったく一緒ってのはなんかイラッとしますが、そうですね」

「イラッとするってなんだイラッとするって☆」

「でもこれ見せられたらはぁとの絵はなんか違うってならない?」

ちひろ「そうですね。心さんのは具体的って言うか、現実的? それに対してロコちゃんのは抽象的で革新的と言うか」

「はぁとの絵は服のデザインの延長にあるから具体的になっちゃう感じなんだよねー」

「これとかすでにパターンも作れたりするし」

ちひろ「さすが服作りだけは優秀ですね、心さん」

「だろ☆」

「……ん? だけって言った?」

ちひろ「気のせいです」

91 : 名無しさ... - 21/02/16 02:42:38 9Rq 6/10

響子「お疲れ様でーす♪」

ちひろ「お疲れ様です」

「お疲れ☆」

響子「あ、ちひろさんにはぁとさん。お疲れ様です♪」

「あ、散らかしててごめんね☆」

響子「いえいえ♪ なんなら私、片付けましょうか?」

ちひろ「大丈夫ですよ、響子ちゃん。心さんは大人なのでちゃんと後片付けもできます」

「なんかバカにされてない? 気のせい?」

ちひろ「気のせいです」

響子「あはは……」

92 : 名無しさ... - 21/02/16 02:43:04 9Rq 7/10

響子「でもこんなにたくさん紙が……絵……ですか?」

「うーん。絵と言うかデザインと言うかなんというか……」

ちひろ「あ、そうだ。響子ちゃんも何か描いてみませんか?」

響子「え? 私がですか?」

ちひろ「はい♪ 沙紀ちゃん達が響子ちゃんの描く絵には魅力があるって言ってましたから」

響子「えへへ……♪ そうかな……」

「お、ならはぁとを助けると思って何か描いて☆」

響子「何かってなんでもいいんですか?」

93 : 名無しさ... - 21/02/16 02:43:32 9Rq 8/10

「ひとつだけ注文をつけるなら……」

響子「つけるなら?」

「『ロコナイズ』……!」

響子「ろ、ろこないず……?」

「ロコナイズじゃ……ロコナイズするのじゃ……!」

響子「は、はいっ!」

ちひろ「通じませんってそれ。絶対に」

「はぁともよくわかんないからハートで押し切ろうかと」

ちひろ「はぁとだけにですか?」

「何事も気合と根性だろ☆」

響子「ロコナイズ……ロコナイズ……」

「あ、難しかったら大丈夫だぞ☆」

響子「大丈夫です! ロコナイズ、ですよね! いけます!」

「えっ!? いけんの!?」

響子「? はい! 大丈夫です!」

94 : 名無しさ... - 21/02/16 02:44:07 9Rq 9/10

ちひろ「響子ちゃんはロコナイズって何かわかるんですか?」

響子「えっと……。ちゃんとわかるわけじゃないんですけど、こう……なんとなく?」

「なんとなくでもわかるのか☆ すげぇな☆」

響子「そうですか? はぁとさんの『スウィーティー』と同じ感じだと思ったんですけど」

「!」

ちひろ「あー」

「それだ! 響子ちゃん! ありがとう!」

響子「えっ!? ど、どういたしまして?」

「そうか……! ロコナイズはスウィーティー……! わかる……わかるぞ……!」

響子「ち、ちひろさん。はぁとさんがなんか……」

ちひろ「大丈夫です。ほっといてあげましょう」

「ふはははは! わかる! わかるぞ!!」

ちひろ「それより何か描けましたか?」

響子「はい♪」

ちひろ「……これは……馬……キリン……カバ……?」

響子「アルパカです♪」



95 : 名無しさ... - 21/02/16 02:45:32 9Rq 10/10



ロコ「『ロコナイズ・アートクリエイティブ』! 今日のスペシャルゲストは佐藤心さんことしゅがーはぁとさんです!」

「はぁい♪ アナタのハートをしゅがしゅがスウィート☆ 佐藤心ことしゅがーはぁとだぞ☆ はぁとって呼んでね♪」

ロコ「今日はよろしくお願いしますね! ハート!」

ロコ「このプログラムではゲストにホームワークとしてスペシャルな『ロコナイズ』アートをクリエイティブしてもらってます!」

ロコ「ハートがクリエイトしたアートは……これです!」

「事務所のみんなで描いた落書きをパッチワーク風にしてみました☆」

ロコ「これはベリーナイスなモザイクアートです! ハートが事務所のみんなとエンジョイしているのが伝わってきます!」

ロコ「特にこの右下の……」

「あ、それは響子ちゃんが描いた――」

ロコ「アルパカがベリーキュートですね!」

「わかんの!?」



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