P「なんというか、飲んだ感じが本当に苦手で…」
P「だからごめんなさい、ちひろさんのオススメでもこればっかりは…」
ちひろ「あ、あはは、いいんですよそんなに気を遣わなくても!」
―――――
ちひろ(うーむ、まずいわね。このままだと私の稼ぎが減ってしまう)
ちひろ(そして何よりこのスタドリエナドリの在庫の行き場がなくなってしまう)
ちひろ(ふうむ…そうだ!飲みやすいように改良してしまえばいい!)
元スレ
モバP「俺、栄養ドリンク系はダメなんですよ」ちひろ「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359214596/
―――――
その後私は、大量のスタドリ・エナドリを原料に、不眠不休で新たなドリンクの開発を進めた。
困難を極める作業であったが、皮肉にも活力の源であるスタドリ・エナドリは手元に無数にあった。
そして―――。
ちひろ「プロデューサーさんプロデューサーさんっ♪」
P「あ、ちひろさん、お疲れ様です」
ちひろ「あら、お疲れみたいですね?顔に覇気がありませんよ」
P「ああ、最近めっぽう忙しくって…その分だけみんなが輝いてくれるから、嬉しくもあるんですけどね」
ちひろ「さすがです、プロデューサーさん!」
ちひろ「今日は頑張ってるプロデューサーさんのために、プレゼントを用意してあります!」
ちひろ「じゃーん!!」
つ【Myスタミナドリンク】【Myエナジードリンク】
P「こ、これは?」
ちひろ「ふふふふ、名付けて『Myスタミナドリンク』と『Myエナジードリンク』!!」ヅバーン!!
ちひろ「栄養ドリンクが苦手なプロデューサーさんのために、私、千川ちひろが誠意を込めて開発しました」
P「ちひろさんが手ずから!?」
ちひろ「カフェインはゼロ、しかし元気の源であるビタミンやアルギニンはそのまま!」
P「ふむふむ」
ちひろ「爽やかな風味、そして突き抜けるような炭酸のノド越しも健在なんですよ!」
P「あっ…」
ちひろ「しかも新たな栄養素が…」
P「あの、ちひろさん」
ちひろ「はい?」
P「えぇっとですね、言いにくいんですが…」
P「俺、栄養ドリンクに限らず、そもそも炭酸飲めないんですよ」
ちひろ「」
P「なんというか、喉が焼けつくような感じがすごく苦手で…」
P「せっかく作ってくれたのに、ホントに申し訳ないです」
ちひろ「あ、あはは、いいんですよ気にしなくて…」
―――――
ちひろ(うう、せっかく作ったのに…)
ちひろ(これの開発、いったいいくらかかったと思ってるのよう…)
ちひろ(なんかむしゃくしゃするし、あとでネットで全国津々浦々のプロデューサーに在庫売りつけてやろう…)
ちひろ(…ん?)
ちひろ(あれはプロデューサーさんと凛ちゃん)
P「お疲れ、凛。なんか飲むか?」
凛「いいの?んーと、じゃあサイダーをお願いしようかな」
P「おう」チャリン ピッ ガランゴトン
P「はい、サイダー」
凛「ん、ありがと」カチッ プシューッ
凛「んっくんっく…ふう、おいしい」
P(よくあんなゴクゴク飲めるな…)
凛「んっく…ん?どうしたのプロデューサー、そんなにジロジロ見て」
P「え?ああいや、なんでもない」
凛「もしかしてサイダー飲みたいの?」
P「いや、別にそういうわけじゃ…」
凛「それならほら、一口あげるよ」スッ
P「え゛!?い、いやほんとに大丈夫!」
凛「?…あ、もしかして飲みかけとか嫌だった?」
凛「ごめんね、デリカシーなくて…」
P「うっ…」
P「じゃ、じゃあせっかくだし、一口もらおうかな!」
凛「!」
凛「うん、じゃあほら」スッ
凛「べ、別に口つけちゃってもいいからね?」
P「おう…」スッ
P(…な、南無三!)グイッ ゴクゴクッ
P(……………………………!!!)
P「…………おいしかったよ、ありがと」
凛「? な、ならいいけど」
凛「あ、そろそろレッスンの時間だ。それじゃプロデューサー、また後でね」
P「おお、またな」
P「…………」
P「…………」
P「ゴホッゴホッ!ゲホッ!」ゼーゼー
P「うう、やっぱ炭酸は苦手だ」
P「凛の手前でむせるのは我慢できたけど…」
ちひろ「…プロデューサーさん?」ヌウッ
P「わっ!?ちひろさん!?」
ちひろ「プロデューサーさん?この前は確か、炭酸は苦手と聞いた気がするんですが…」ゴゴゴゴゴ
P「い、いや、今のは凛に悪いなーと思っただけで…」
ちひろ「ふうん?凛ちゃんの純情は踏みにじれなくても、私の努力は踏みにじれるってことですかー。ふーーーーーん」ゴゴゴゴゴ
P「え?いや、その…」
ちひろ「……分かりました。じゃあこうすればいいんですね」
つ【Myスタドリ】ヒュバッ
ちひろ「ふんっ」カシッ プシュッ
ちひろ「んぐっんぐっ」
P「ち、ちひろさん…?」
ちひろ「ぶはぁっ!」
ちひろ「さぁプロデューサーさん!残りをあげますから飲んでください!」ズイッ
P「はぁ!?」
ちひろ「飲みかけ勧められたら飲むんでしょ?だったら飲んでくださいよ!」ズズイッ
P「い、いや、そういうわけじゃなくってですね!」
ちひろ「なんですか?女の子の飲みかけじゃなきゃ嫌なんですか?私のじゃ嫌なんですか!?」ズズズイッ
P「そういうわけじゃないんですってば!」
ちひろ「御託はイイですから!ハリー!ハリーハリー!ハリーハリーハリー!」ズイィィィィッ
P「ア…アイエエエエエエエエエ!?」
ちひろ「………」
P「…? ち、ちひろさん?」
ちひろ「…ふう」バターン
P「ちひろさーん!?」
―――――
ちひろ「う…うう」
P「あ、気が付きましたか?」
ちひろ「あれ、なんで私ソファに横に…?」
P「いきなり倒れたんですよ。最近寝不足だったんじゃないですか?それかスタドリの飲みすぎとか」
ちひろ「そ、そうかもしれません…」クラクラ
P「やっぱ健康の基本はしっかり食べて寝ることですよ。栄養ドリンクだけじゃダメです」
ちひろ「はいぃ…」
P「しょうがないですね。今度、おいしいレストランに連れて行きますよ。たまにはいいもの食べなきゃ」
ちひろ「え…?いいんですか、私なんかと?」
P「いつもお世話になってるお礼です。お嫌なら仕方ないですけど」
ちひろ「い、いえ全然!よろしくお願いします…!」
凛「…………………………………………なるほど、ああすればプロデューサーは食事に誘ってくれるんだね」
おしまい
29 : 以下、名... - 2013/01/27(日) 01:00:55.62 mrI3fq/J0 15/15読んでくださった方ありがとうでした。
しぶりん育ててきます。あとちひろさんはきっと綺麗な心の持ち主。