1 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:02:20.76 aPC1ya8vP 1/34

   校内階段

「あー、階段かったるいな」

「このくらいで面倒がってどうする。きりきり登れ」

「でも階段でよかったわよね。怖い方の怪談だったら、大変だもの」

「え」 びくっ

「そういえばこの学校って、七不思議とかあるのかな」

「たまに、林で見かけるわよね」

「何が擬態してるんだよ」





元スレ
紬「結局オカルトって、そんな物なのかしら」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1296036140/

4 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:04:38.19 aPC1ya8vP 2/34

   軽音部部室

「あー、やっと着いた」 どたっ

「よく考えると、この部室って元は音楽室だよね」

「となると、独りでに鳴るピアノ?」

「オルガンはあるけどな」

「鳴らない、鳴らない。大体どんな事にも、理由があるんだ」

「例えば?」

「怖いと思うから怖いんだよ。お化けなんて、目を閉じてれば勝手に通り過ぎてく物だ」

(可愛いから、突っ込まないでおこう)




6 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:06:38.95 aPC1ya8vP 3/34

「済みません、遅れました」

「ひぃっ」 びくっ

「ええっ?」 びくっ

「二人とも落ち着け。梓は、七不思議って知ってるか?」

「一般的な話は知ってますけどね。つまりはオカルトでしょう」

「醒めてるな、おい」

「私はそういう、不確実な話は信じてないんです」

「梓ちゃんは、お化けとか怖くないの?」

「本当にいるなら怖いですけど。でも、いませんから」

「誰が決めたんだ、それは」 ぎろっ

(何故、真顔)




8 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:08:39.04 aPC1ya8vP 4/34

「ピアノ以外だと、なんだっけ」

「銅像が動くとか」

「理科室の人形が動くパターンもありますね」

「澪じゃないけど、何となく怖いって部分が多いな」

「結局オカルトって、そんな物なのかしら」

「当たり前だろ。さっきも言ったように、あると思うからあるように思えるんだ。確かな物は、自分自身だけなんだよ」

「我思う、故に我ありだよね」

「一応突っ込むけど、デカルトな」




9 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:10:43.39 aPC1ya8vP 5/34

「七不思議ではないですけど、身近なのはこっくりさんですよね」

「確かに定番ね、それは」

「やるとか言うなよ」

「やんないけどさ。というか、今の唯がこっくりさんだしな」

「寝てるって意味か」

「・・・ね、寝てないよ」 じゅるっ

「でも唯先輩はキツネよりも、タヌキってイメージですけど」

「もう、あずにゃんの意地悪。私、ポンポンしちゃう」

「ゆ、唯がタヌキになった?それとも、タヌキが唯?」

「うん、どっちも違うから」





10 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:12:44.92 aPC1ya8vP 6/34

「・・・」 こっくり、こっくり

「だったら唯は、どうして寝てるんだ?」

「何事にも理由がある。例えば、早起きしてギターの練習をしてたとか」

「・・・謎は解けた」

「違うと思うけど、取りあえず名探偵の推理を聞いてみるか」

「犯人はこのアップルパイに、睡眠薬を仕込んでたのよ」

「僭越ながら突っ込みますけど、それムギ先輩が持って来たんですよね」

「はっ。という事は、犯人は私っ?」

「ヤス以上に唐突な真犯人だな」




11 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:14:45.83 aPC1ya8vP 7/34

「唯先輩、調子悪いんですか?」

「・・・ん?昨日は憂と、遅くまで一緒に起きててね。ちょっと眠いんだ」

「ゲームでもしてました?」

「まあね。後は一緒にお風呂に入ったり、夜空を見たり。お茶飲んだりしてたよ」

「まったりした、良い時間の過ごし方ね♪」

「そかな」

「平穏な日々こそが、一番の幸せなのよ」

「今ムギが、良い事言ったぞ」

「へー。マヤ歴だと、2012年に世界滅亡だってさ」

「人の話を聞け」 ぐりぐり




12 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:17:00.86 aPC1ya8vP 8/34

「世界が滅亡するような出来事なんて、突然起きますか?」

「彗星が来るのかもな」

「でも、落ちてくる訳じゃ無いだろ。せいぜい、彗星の尻尾。ガスが地球をかすめるくらいだ」

「だったら、息止める練習しないとね」

「私、全員分の浮き輪を買うわ♪」

「ムギちゃん頭良いー♪」

「JAXAも真っ青だな、お前らは」




13 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:19:19.38 aPC1ya8vP 9/34

「このままじゃ、埒が開かん。ちょっと聞いて回るか」

「何を聞くんだよ」

「七不思議だよ、七不思議。7つ出揃ってないだろ」

「でも7つ揃う事は無いと思いますよ。中学校でも4つか5つでしたし」

「はっ。もしかして、それ自体が七不思議の一つ?」

「ありうる。ありうるわよ、唯ちゃんっ」

「あー。なんだか、鳥肌が立ってきた」 ぶるぶるっ

(怖い割には、先輩達楽しそうだな)




14 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:21:20.97 aPC1ya8vP 10/34

   職員室

さわ子「七不思議?多分、あなた達が知ってる事と同じだと思うわよ」

「さわ子先生は、ここのOGですよね。当時は、何か噂とかありませんでした?」

さわ子「獅子舞のお化けが出るって噂は、一時あったわね」

「それって、もしかして」

さわ子「そうよ。尖ってた頃の、私の事よ」 ふっ

(格好いいんだか、格好悪いんだか。でも、大人の匂いがするんだよね♪) くんかくんか




15 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:23:39.14 aPC1ya8vP 11/34

「職員室は、・・・出そうにないか」

さわ子「宿直もするけれど、出た事無いし聞いた事も無いわね。そういうのは大抵、何かの見間違いか思い込みよ」

「そうですよね。お化けが歩き回るなんて、人間が寝静まった後ですよ」

さわ子「・・・その辺は知らないけれど、お化けも幽霊もこの学校にはいないわよ」

「さわちゃんの年齢自体が、オカルトだったりしてな。だははー」

さわ子「神隠しに遭わせるぞ、このデコッパチ」




16 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:25:40.71 aPC1ya8vP 12/34

   廊下

「あー、ひどい目に遭った」

「自業自得だ。さわ子先生以外で知ってそうなのは、和か」

「生徒会長だし、むしろさわ子先生より色々情報を持ってるかも知れないわね」

「和ちゃんが、妖怪博士って事?」

「侮れないな、和も」

(唯先輩の発想の方が、侮れないけどな)




17 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:27:43.66 aPC1ya8vP 13/34

   生徒会室

「頼もー」

「あら、みんな揃ってどうしたの。それと律、講堂の使用許可申請をまだもらってないわよ」

「お前なー」

「鬼じゃ、鬼が出たぞっ。あー、くわばらくわばら」

「それは雷でしょ。今日はお化けでも探してるの?」

「さすが和ちゃん。良く分かったね」

「唯のやる事は何でも分かるわよ♪」

「てへへー♪」

(すごいな、真鍋先輩は。それに、凛とした匂いがするし♪) くんかくんか




18 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:29:44.16 aPC1ya8vP 14/34

「・・・七不思議か。音楽室や歴史室の肖像画の目が動くとか?」

「あー、なんかあるな」

「それと、プールで足を引っ張られる話」

「定番ね、それも」

「・・・後は、部員が一人多かったって話とか」

「えっ」 びくっ

「わー、なんだか怖そうー♪」

(何故、笑顔)




19 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:31:44.93 aPC1ya8vP 15/34

「学園物のオカルト話で良くあるパターンだと思うけれど。クラスメートが一人少ないとか」

「そう言われてみると、なんかあるな」

「それは、どんな理由なんですか」

「・・・謎は解けた」

「全員突っ込みたいだろうが、一応名探偵の意見を聞いてみるか」

「簡単よ、明智君。それは、自分自身をカウントしていないんだわっ」

「ぼけたオチだけど、それなりには斬新だな」

「明智君が助手なのも含めてですけどね」




21 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:33:57.03 aPC1ya8vP 16/34

「ピアノ、銅像、人形。肖像画、プール。それと部員。・・・これで、6つまでは出てきたわね」

「最後の1つは何だろう」

「・・・というか、最後の1つが見つかったら何が起きるんだ?」 ぶるぶるっ

「百物語じゃないんだからよ。さわちゃんと和が知らないなら、この辺で打ち止めか」

「それは知らないけど、そろそろ終業時間よ。帰る準備でもしたら?」

「・・・今日、学校に泊まり込むのは?」

「えっ」 びくっ

「駄目です。唯は早く帰って、憂を安心させなさい」

「はーい♪」




23 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:35:58.20 aPC1ya8vP 17/34

   軽音部部室

「泊まり込むのは、良いアイディアだったけどな」

「私は絶対泊まらないぞ」

「でも暗い中一人で帰るのも、ちょっと怖いよね」 ぼそっ

「えっ」 びくっ

「引くも地獄進むも地獄ね♪」

(何故、良い笑顔)




24 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:38:20.25 aPC1ya8vP 18/34

「早く、早く帰るぞ」

「慌てるなよ。まだ終業時間になってないだろ」

「でも澪ちゃんが怖いなら、やっぱり早く帰った方が良いよ」

「唯ー♪」

「一人でなっ」 びしっ

「ひぃっ」 びくっ




26 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:40:21.21 aPC1ya8vP 19/34

「冗談よ、冗談。今日はりっちゃんが一人で泊まり込むらしいから、私達は帰りましょ」

「律先輩、お先に失礼します」

「りっちゃん、また明日ねー」

「え、ええーっ」 びくっ

「冗談よ、冗談」

「お、お前らなー。・・・澪、今日泊まりに行って良いか」

「あ、ああ。むしろ来い」

「うふふ♪」 きらきらっ




27 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:42:25.99 aPC1ya8vP 20/34

   夕方、商店街

「それで、和が言ってた申請書は?」

「ああ、忘れてた。全部書いたから、後は提出するだけなんだけどさ」

「ちゃんと書けてるのか?」

「大丈夫だよ、ほら」 ぱさっ




28 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:44:23.29 aPC1ya8vP 21/34

1296036140-028


29 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:46:23.82 aPC1ya8vP 22/34

「・・・最後、何?」

「何が」

「書いて、消した跡があるわね」

「そういう冗談は良いんだってば」

「いえ。やっぱり書いてありますよ」

「軽音部って、6人だった?」

「おいおい、本当に止めろよ。・・・あれ」




30 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:48:25.22 aPC1ya8vP 23/34

「・・・ちょっと待てよ。まずは澪だろ」

「それに、ムギ」

「ええ。そして、唯ちゃん」

「で、あずにゃん」

「最後に、律先輩」

「5人、だよね」




31 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:50:27.62 aPC1ya8vP 24/34

「でもこれは、6人目が書いてあったんですよね」

「書いて、消してある。つまり6人いたのに、一人消えたって事?」

「誰だっけ、それ」

「お、落ち着いて下さい。澪先輩、そんな人はいませんよ」

「だったら、誰?」

しーん



32 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:52:31.02 aPC1ya8vP 25/34

「・・・私って、本当に私?」

「怖いから、マジで止めろ」

「それとも、まさに幽霊部員?」

「で、でも。見た事無いよ」

「唯ちゃん落ち着いて。幽霊だから、姿は見えないのよ」

「いや。まずはムギが落ち着けよ」

「あ、唯先輩の後ろに」

「ひぇーっ」 





33 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:54:31.95 aPC1ya8vP 26/34

   平沢家、リビング

「もう。後ろにいるのが憂なら憂って言ってくれれば良いのに」

「だって唯先輩も澪先輩も、その前に走って逃げたじゃないですか」

「まあまあ♪・・これ、「トンちゃん」って書いてない?」

「そう言われてみると、確かにね」

「・・・思い出した。「トンちゃん」って書いた後で、ふざけるなって消したんだ」

「全く、悪い奴がいるな」

「書いたのはお前だろ」 ぐりぐりっ

「ひぇーっ」

「でも良かったですよ、理由が分かって」

「ちょっと惜しかったわね」 しょんぼり

(何故、残念そう)




34 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:56:34.81 aPC1ya8vP 27/34

「せっかくみんな来たんだし、今日は泊まっていってよ」

「今日は遠慮なく、そうさせてもらう。はぁ」

「しゃーない。ここは田井中式ハンバーグを作るとするか」

「私、手伝います」

「いいから、いいから。憂ちゃんはゆっくり休んでて」

「でも」

「たまにはお姉さん達を頼りなさいって事さ」

「はい♪」 




35 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 19:58:41.13 aPC1ya8vP 28/34

「あー、良かった。本当に良かったよ」 ぐったり

「はっ、もしかして」

「な、なんだ」 びくっ

「独りでになるオルガンって、もしかしてトンちゃんが弾いてるのかな」

「それはそれで、ある意味怖いな」 くすっ

「月明かりを浴びながら、鍵盤から鍵盤へトンちゃんが飛び回るんだよ」

「そこまで行くと、オカルトよりもファンタジーだな」

「楽しそうで良いよね」

「ふふ♪」




37 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:00:42.01 aPC1ya8vP 29/34

「駄目だな-、私は」

「何が?」

「どうしても、ネガティブな方へ発想しちゃうから。唯みたいに、ポジティブに考えられれば良いのに」

「でも色々な状況を想定するのは大切ですから、澪さんの発想も良いと私は思いますよ」

「ありがとう。・・・私も、憂ちゃんみたいな妹が欲しかったな」

「だってさ、憂♪」

「私は、お姉ちゃんが私のお姉ちゃんで本当に良かったよ」

「憂ー♪」

「お姉ちゃん♪」

(この姉妹こそ、ある意味奇跡のファンタジー。幸せ膨らむしゃぼん玉だっ)

(なんだろ。澪先輩、妙に楽しそうだな)




38 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:02:56.37 aPC1ya8vP 30/34

「ハンバーグ出来たぞー」

「少しだけど、カレーも作りましたー」

「ハ、ハンバーグカレー?そんな贅沢良いのかな。憂、良いのかな?」

「お姉ちゃんはいつも頑張ってるから、そのご褒美だよ」

「憂ー♪」

「この姉妹こそ、ある意味奇跡のファンタジー。幸せ膨らむしゃぼん玉。夢のメリーゴーランドだっ」

「そういう事は口に出すな」 ぽふっ

「うふふ♪」

(良いな、この雰囲気。それに、温かい匂いがするし♪) くんかくんか




39 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:04:55.47 aPC1ya8vP 31/34

   深夜、唯の部屋

「電気消すよー」

「狭いな、しかし」 ぐいぐい

「仕方ないだろ」 ぐいぐい

「私、憂の部屋に行っても良いんですけど」

「駄目駄目♪」 きゅっ

(まあ、良いか♪) くんかくんか




40 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:06:55.82 aPC1ya8vP 32/34

「でも良いよな。こうして、みんなと一緒に眠るのは。すごい安心出来る」

「本当に澪は恐がりだな」

「りっちゃんも、さっき震えてたじゃない」

「そ、それはその。・・・怖い物は怖いじゃんよ」

「うふふ♪澪ちゃんが言ったように、みんなで一緒に寝れば安心よね」

「そう、それ。私もそれが言いたかったんだ」

「あー、一生こうして寝てたいなー♪」

(ボケ?それとも本気?)





42 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:08:55.94 aPC1ya8vP 33/34

「・・・なんだか、眠くなってきたね」 ふぁー

「寝るんだから、当たり前だろ」 くすっ

「・・・私達は、5人だよな」

「勿論♪」

「5人で一つ。一致団結、軽音部です」

「そうだっ。私達に怖い物なんて、何も無いっ」

「うーん、アイスが怖いよー」 むにゃむにゃ

「お前は、寝ててもそれか」 ぽふっ

「あはは♪」



                               終わり






44 : 以下、名... - 2011/01/26(水) 20:10:42.94 aPC1ya8vP 34/34

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
テーマとしては、「やや古いオカルト」
オカルト学園くらいの世界観ですね。


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