1 : 以下、名... - 2010/12/01(水) 23:48:11.19 7iVLximI0 1/39


――――――――――――――――――

AM9:00

「ん…んんーっ」

「ふわぁ…おはよう…」

「うぅ…まぶしい…」


シャーッ


「…わぁ~」

「お日様は今日も快晴ですなぁ」

「うーん」









「…ぐぅ」



元スレ
唯「今日は天気がいいなぁ」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1291214891/

2 : 以下、名... - 2010/12/01(水) 23:52:00.37 7iVLximI0 2/39

――――――――――――――――――

AM9:30


「じゃあ憂、行ってきます」

「いってらっしゃい。お姉ちゃん」

「ちゃんと夕方には帰ってきてね」

「はいは~い」







「ふんふんふんころが~し♪」

「ふふんがふんっ!」フンスッ!

「肥やしにはまって」

「さぁ大変♪」





5 : 以下、名... - 2010/12/01(水) 23:58:39.12 7iVLximI0 3/39

「あっ!」

「おーいりっちゃーん!」


・・・・・・・・・・・・・・

「おっ、唯じゃないか。こんな朝早くに何してんだ?」

「天気がいいからお散歩してたんだ~」

「そういうりっちゃんこそ何してたの?」

「私?私は筋トレの途中だよ」

「?りっちゃんボディービルダーにでもなるの?」

「お前はチェ・ホンマンみたいになった私の身体を見たいのか?」

「何言ってるのりっちゃん!?そんな汚物見たい訳無いでしょ!」

「張っ倒すぞお前」


8 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:08:52.17 4onlFRTr0 4/39

「聡が走りこみしてたから私も付き合ってた途中だったんだよ」

「ドラムだって体力がないと駄目だからな。これも練習の一種だよ」

「そっかぁ、りっちゃんは努力家なんだね~」

「そ、そんなに誉めるなよ…照れるだろ?」

「えっ?そこまで褒めてないよ?」

「おい」

「それにしても今日はいい天気だよね~」

「だな~。こんなに晴れてると草むらで寝転がって青春でも満喫したいよな」

「ははっ、そうだね」

「あっお前今私の事痛い奴だって思っただろ!?」

「そ、そんなこと思って無きにしも非ずだよ!」

「思ってんじゃねぇかこの野郎」ポカッ

「あうんっ」


9 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:13:17.56 4onlFRTr0 5/39

「おーい姉ちゃーん。早くしないと置いて行くよー」




「いけね、アイツ放置してた」

「うん。早く行ってあげなよ」

「おう、じゃあな唯。また学校でな~」

「りっちゃんばいば~い」








「ふんふ~ん」

「しあわせは~歩いてこない♪」


10 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:24:07.12 4onlFRTr0 6/39

「だーから世の中金なのさ~♪」

「一日一億、三日で脱税!」

「三億包んで二個テッポドーンッ!!」チュドーン!

「なんて唄歌ってんですか…」

「あっ!あずにゃん!」





――――――――――――――――――――


AM10:00

「あずにゃんと二人きりって久しぶりだね~」

「そうですね。ココ最近はずっと部活メンバー全員で行動でしたからね」

「今日はどうしたの?あずにゃんもお散歩?」

「いえ、私はちょっと用事があって…」

「そっかぁ、どんな用事なの?」

「別に大した事では…あっ、着きましたよ」


11 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:31:34.02 4onlFRTr0 7/39

「?」

「ほら、あそこです」




・・・・・・・・・・・・・・・・


「ナー」

「あっ猫ちゃんだ!」

「はい、あずにゃん3号です」

「2号は?」

「今は純の家にいますよ。それよりも…」

「あっ」

「分かりました?この子、捨て猫なんです」

「その横には…」

「……これって」

「…はい、子供です。もう、動いていませんけど…」



12 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:38:36.56 4onlFRTr0 8/39

「でも、親猫の法はずっと子猫を包んでるみたいだよ?」

「そうですね、きっとお乳をあげてるんだと思います」

「…気付いてないのか、認めたくないのか、どっちかなのか分かりませんけど…」

「このままじゃ絶対ダメだよね」

「はい、…だから私がお墓を作ってあげようと思ってたんです」

「そっかぁ…」

「でもどうやってこの子を親猫から引き離すの?」

「はい、私もどうしようか悩んでたんです」

「無理やり引き離すのも可哀相で…」

「うーん…」

「先輩、何かいい案はありませんか?」

「う~ん…」






「あっ、じゃあこれはどうかな?」


15 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:45:02.21 4onlFRTr0 9/39

「ほーら怖くないよ~」

「フシャーッ!!」

「うっ…大丈夫大丈夫。何もしないよ~」

「……」ゴソゴソ

「キシャーッ!!!」

「きゃっ!」

「『おかあさ~ん。私おっぱいのみたいよ~』」

「……」

「『その猫は偽者だよ~泥棒猫だよ~』」

「『私が本物のお母さんの子だよ~』」









「……」ナデナデ



16 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:50:22.78 4onlFRTr0 10/39

「あずにゃん、上手くいった?」

「はい、唯先輩のおかげで」

「そっか、良かったね」

「はい、でも…」












「…ナー」ナデナデ

「…あの子、ずっとあのぬいぐるみを子供として育てようとするんでしょうか?」

「ううん、きっとあの猫は分かってくれる筈だよ」

「えっ?どうしてですか?」

「ほら、よく見てよあずにゃん」

「…?」


17 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 00:56:47.44 4onlFRTr0 11/39

「……」ナデ、ナデ…


「普通、匂いも何も無いぬいぐるみを子供だなんて思うはずがないよ」

「えっ?でもあの猫は…」

「うん、だから分かってるんじゃないのかな?」

「自分の子供は死んでる、でもそれを認めたくない」

「でも、このままじゃ絶対にいけない。って…」

「……」

「あの子は、きっと誰かに後押ししてもらいたかったんだと思う」

「その勇気がないから、ずっと死んでる子猫を抱えてたんだよ」

「…そう、でしょうか?」

「うん、私はそう思うな」

「あの猫の悲しい目を見てると、なんとなくそんな気がした」

「……」

「…その子のお墓、作ってあげようよ。あずにゃん」

「…はい、そうですね」


19 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:06:43.73 4onlFRTr0 12/39


――――――――――――

AM11:30



「ふぅ、こんなもんでいいかな?」

「そうですね。結構時間かけて作っちゃいましたから」

「この子も、きっと満足してると思います」

「うん、そうだね」

「……」

「…あずにゃん?」

「あっ、大丈夫ですよ」

「ただ、この子もあの親猫も幸せになれればいいなぁって、思っていました…」

「大丈夫だよ。場所は違うけど、あの親子はきっと私達に感謝してると思うよ」

「私達を一歩前に進ませてくれてありがとう。ってね…」

「…はいっ。そうですよね」




21 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:14:41.13 4onlFRTr0 13/39


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「じゃあ私はここで失礼しますね。」

「うん、元気出してねあずにゃん!」

「はい。…あの、唯先輩」

「なーに?」

「えと…その、ありがとうございました」

「?」

「正直私は、あの子猫を土に還すかどうか迷ってましたから…」

「あの親子にとっては、ずっとあのままの方が幸せなんじゃないかなって…思ってましたから」

「…うん、あずにゃんがそう考えるのも分からなくないよ」

「でも、やっぱりこれで良かったんですよね」

「あのままじゃ、もうあの親猫は子供を産もうとしなかったかもしれませんし…」

「あははっ、…うん、これで良かったんだよ。あずにゃん♪」




22 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:19:19.99 4onlFRTr0 14/39

「…後押しされたのは、あの猫達じゃなくて私なのかもしれませんね」

「ん?何か言った?」

「いえ、では唯先輩、失礼しますね」

「うんっ!また学校で会おうね~」ギュー

「もうっ!抱きつかないで下さいよっ!」

「あははっ♪じゃあねーあずにゃーん!」

「はいっ、さようなら!」












「ふんふん~♪」

「はっ!!」

「お腹すいた…」


24 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:27:36.29 4onlFRTr0 15/39

「うぅ…そういえばお昼ご飯がまだだったなぁ」

「お金お金…はっ!財布忘れた!!」

「あうぅ~うぅ~…」シオシオ…












「あれ?唯ちゃん、こんな所で何してるの?」

「あうぅ~」グキュルルー

「私…死ぬのかなぁ…たくあんが浮かんで見えるよ…」

「??…よく分からないけど、お腹すいてるの?」

「あぁっ!その声はムギちゃん!」

「ねぇ唯ちゃん、折角だからちょっとそこで休んでいかない?」

「えっ?」


26 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:35:39.41 4onlFRTr0 16/39

「ハムッ!ハフッハフッ!ハムウッッ!!!」ムシャムシャ

「私こんなにいっぱい食べれないから困ってたの~」

「んぐっ…んぐっ……んぐっ!?」

「ぐえっふぇ!ぐえっふぉ!ぶほぉっ!」ベチャアッ!

「あ、あらあら!そんなにがっつかなくてもハンバーガーは逃げないよ!?」

「ほら、ジュース飲んで?」

「んぐんぐ…ぷはぁ」

「ありがとうムギちゃ~ん。私色んな意味で死ぬかと思ったよ~」

「うふふ、大袈裟なんだから…」

「でも何でこんなにいっぱいハンバーガー持ってたの?」

「え、えっとね…その…これはね…」

「?」

「私が…その…ミスしちゃった分なの…」

「お、おぉう…」


27 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:45:11.36 4onlFRTr0 17/39

「ほら、ああいう流れ作業が主流のお店は一つ間違えたら全部がストップしちゃうでしょ?」

「うん、だから働いてる人たちはいつも真剣な顔してるよね」

「そうなの」

「でも私、お客様にちょっとクレームを出されただけで集中力が切れちゃって…」

「そしてその…それが原因でオーダーミスをしちゃったの」

「そっかぁ…災難だったね」

「うん、でも私一人が損するならいいけど、今日はお店全体に大きな損害があったから…」

「怒られちゃった?」

「うん…店長さん、怖かったなぁ」

「そっか…」

「私、このバイトもうやっていける気がしないの…」

「えっ!?どうして!?」

「他のバイトの子は、ミスは誰にでもあるって励ましてくれたけど…」

「私、今度ミスしたらどうなるか想像したら…怖くて」

「……」


29 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 01:55:04.74 4onlFRTr0 18/39

「ムギちゃんは、バイトは楽しい?」

「えっ?」

「一回でもバイト楽しいな~って、思ったことない?」

「それは…もちろん、あるよ」

「じゃあ、私は続ければいいと思うけどなぁ」

「唯ちゃん?」

「だって学校や部活と違って仕事でしょ?」

「仕事が楽しいって思えるのって、とても幸せな事なんだってお母さん言ってたもん」

「…それは」

「本当に嫌だったらもっと違うバイト探せばいいし、もうバイトしたくないなら辞めて学校に専念すればいいからねっ」

「ほら、若い内にはなんでも経験してみなさいって言われなかった?」

「…うん、言われた気がするわ」



30 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:05:05.40 4onlFRTr0 19/39

「だったら、私は楽しい事をしようって思うよ」

「だって一度しかない高校生活だもん。楽しく過ごしたいもん」

「みんなと一緒に演奏して~、お菓子食べて~、一緒に遊んで~」

「あっ!また合宿とかも行きたいなぁ!」










「……」

「でもね?ムギちゃん」

「楽しい事とやり遂げたい事が一緒だったら、それはきっと凄い事なんだと思う」

「だって楽しい事してると一緒に自分も大人になれるんだよ?」

「それって一石二鳥じゃないのかな?」

「私の場合はギターだけど、ムギちゃんの場合はバイトで大人への一歩を進めるかもしれない」

「少しでも楽しいって思うのだったら、きっと今日の失敗はムギちゃんが乗り越えなきゃいけない壁なんだよ」


32 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:13:00.15 4onlFRTr0 20/39

「私の…壁」

「そう!だからこのくらいで挫けちゃダメ!」

「千里の道も一歩からなんだよ!ムギちゃん!」

「諦めたらそこで試合終了なんだよ!ムギちゃん!」

「明日過去になった今日の今が奇跡なんだよ!ムギちゃん!」








「プッ…クスクス」

「あれ?」

「あははっ!あはははっ…うん、そうだね」

「私に課せられた試練なら、乗り越えなきゃいけないわよね」

「う?うぅん…うんっ!そうだよ!ムギちゃん」

「あははっ…ありがとう、唯ちゃん」

「私、もうちょっとバイト、頑張ってみるよ」


33 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:19:40.59 4onlFRTr0 21/39

「うん!頑張ってねムギちゃん!」

「ありがとう、唯ちゃん」ニコッ

「今度、とってもおいしいショートムース持ってくるから、楽しみにしててね?」

「ほんと!?わーいムギちゃん大好き~!」ギュー

「あらあらまぁまぁ」

「今度お店に皆で食べに行くからね!私ムギちゃんが働いてる所見てみたい!」

「うんっ、歓迎するわね」

「うんっ!じゃあムギちゃん!また明日ねーっ!」

「ばいば~い唯ちゃん!」





34 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:22:54.83 4onlFRTr0 22/39

「……」


ピッ


「もしもしお父様?はい、私です」

「…えぇ、はい。その事なんですけど…」

「私、やっぱり大学はココで受けたいと思ってます」

「…いえ、そういう訳ではありません」

「ただ…」









         ココ
「私、まだまだ日本で学ぶべき事がたくさんありますから…」






36 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:34:54.54 4onlFRTr0 23/39


―――――――――――――――――

PM:4:30


「ふんふ~ん♪」

「あっ、もうこんな時間だ…」

「今日はずっと外で過ごしちゃったなぁ~」

「今日は帰ってアイスたーべよっと」

「るるるーるるりら~♪」

「…ん?」










「……」

「あれは…澪ちゃんかな?」


37 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:42:51.01 4onlFRTr0 24/39

「…はぁ」

「みーおーちゃん!」ピトッ

「ひゃあ!?ゆ、唯!?どうしてここにいるんだよ!?」

「えっ?ずっと散歩してたからそろそろ帰ろうって思って…」

「思って?」

「澪ちゃん見かけたからかじかんだ手をほっぺにあててあげようと思いました!」

「そんな事するなよっ!」

「えへへ…つい出来心で…」

「もうっ…せっかく歌詞が浮かんできたと思ったのに…」

「歌詞?澪ちゃん何してたの?」

「見ての通り、今度の学際の作曲だよ。明日から本格的に練習に入りたいから今日のうちに完成させないと…」

「な、なるほど…ちなみに今どのくらい出来てるの?」

「あっ…えっと…その…」

「まだ…全然…全く…」

「あ、そ、そうなんだ…あははー…」



38 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 02:54:25.91 4onlFRTr0 25/39

「あれ?でもこのノート、色んな詩がいっぱい書いてあるけど?」

「わぁ!バカッ!勝手に見るな!」

「…あれ、ペンで塗りつぶされてて読めない…」

「……」

「澪ちゃん?」

「それは…全部失敗作だ」

「えっ?失敗作?」

「あぁ」

「何の中身もない…ただ妄想を綴っただけの下らない歌詞だよ」

「で、でもこれの歌詞とかすっごくいいと思うよ?」

「ほら、『私のハートに火をつけて、そして気を付けて』なんてすっごく上手いと思う!」

「…あぁ、それもダメだ」

「ど、どうして…」

「そんな薄っぺらい架空の恋愛感情じゃあ、人は全然のめり込む事はできないよ」


40 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:09:30.11 4onlFRTr0 26/39

「み、澪ちゃん…」

「他のページも見てみろよ。全部同じような内容ばっかりだよ」

「愛してるだの、恋しているだの、誰で思いつく様な文字だらけ…」

「結局最後も会いたい、愛してるなんてフレーズばっかり。もう嫌になっちゃうよ」

「こんなにも自分が稚拙で面白味の無い人間だったなんて…」








「……」

「ははっ、そりゃそうだよな」

「恋愛もしたことない高校生が、恋とか愛とか言っても説得力ある訳ないか」

「でもそれしか思いつかないんだよ…」

「何故だか分からないけど…気がついたら恋や愛って字をノートに書いてたよ」

「何なんだろうな…これ」

「本当に…何なんだろう…」


41 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:17:46.92 4onlFRTr0 27/39

「あぁ、もしかして私、愛を知りたいんじゃないのだろうか?」

「恋愛がしたいから、その意思表示として歌詞がいつもこんな事になるんだよ」

「この時期に思春期…いや、発情期か。」

「はは…私は盛って気がハイになってる犬かよ…」








「澪ちゃん」

「何だ?唯」

「ちょっと目を瞑ってみて?」

「目を?何で?」

「いいからいいから」

「?ほら、瞑ったぞ?…おい、唯?」

「…でりぁあああああああああああああああああああ!!」バシンッ!!

「はいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!???」ズドンッ!!


43 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:24:29.73 4onlFRTr0 28/39

ザッバーンッ!!!



「ブクブクブクブク…」ガボガボ

「とうっ」ザブーンッ!!





「っぷはっ!おい唯!お前何するんだよ!」

「あははっ!澪ちゃん髪がびしょびしょだ~!」

「そういう唯だってびしょ濡れじゃないか!」

「ああもうっ!制服までびしょびしょじゃないかぁ!どうしてくれるんだよぉ…」

「あははっ!澪ちゃんの制服が濡れてブラジャーが透け透けだぁ~」

「へっ?…きゃあ!?み、見るなよ!?絶対見るなぁ!」





45 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:33:47.42 4onlFRTr0 29/39

「くすくす…澪ちゃん、少しは頭冷えた?」

「頭!?頭だって濡れ濡れでっ…!えっ?」

「うん、さっきよりちょっと顔が緩んでるね」

「ゆ、唯…まさか、お前…」

「うん。澪ちゃん、さっきまでちょっと怖い顔してたから」

「だ、だからってこんな…」

「ねぇねぇ澪ちゃん、さっき河に落ちた時、どんな気持ちだった?」

「そ、そんなの覚えてないよ…必死だったんだから」

「そっかぁ、必死だったんだね」

「じゃあ澪ちゃん、その必死だった時の事を思い出して歌詞を書いてみたらどうかな?」


46 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:43:58.60 4onlFRTr0 30/39

「…えっ?」

「ほら、さっき澪ちゃんの顔、私達が見たことの無い顔だったからね」

「きっと今までに体験したことのない出来事だったと思うんだ」

「あ、当たり前だろ…あんなの、初めてだよ…」

「きっとね、澪ちゃんが愛とか恋とか書いちゃうのは、いろんな事を経験してないからだと思う」

「…私が?」

「うん」

「人間って、自分が体験した事がないものにはどうしても想像で補っちゃうよね?」

「だから現実味がなくて、中身のない薄っぺらなものができてしまうんだと思うの」

「……」

「だからね澪ちゃん?そんな自分が嫌なら、もっと色んな事に挑戦してみたらいいと思うよ」

「澪ちゃんって何でも完璧にこなすから、きっと何でも出来ちゃう筈だよ!」

「そ、そんなこと…」

「ううん。例え完璧にできなくても、それに挑戦してみたって事に意味があるんだよ」

「そうする事できっと、澪ちゃんはとても良い歌詞が書けると思うな~」


47 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:49:48.69 4onlFRTr0 31/39

「色んな事を経験…か」

「あれ?何かついさっきも同じ事言ったような…まいっか」

「澪ちゃん、今自分がやってみたいなぁって事、ある?」

「それは…いっぱい」

「そうなんだ!よかったね!」

「それ全部に挑戦したら…もっと良い歌詞ができるかな?」

「うん!澪ちゃんなら絶対できる!」

「だから澪ちゃん、自分の殻なんかに閉じこまないで、もっと自分から積極的に進んでみてよ」

「そしたらきっと、知らなかった世界がいっぱい見えるようになるよ?」



49 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 03:59:07.66 4onlFRTr0 32/39

「…くすっ、おいおい、自分の殻だなんて…」

「それじゃあ私がニートみたいじゃないか」

「はわっ!?そ、そんなつもりで言った訳じゃあ…」

「うん、分かってる」

「ありがとう唯。おかげで少し元気が出たよ」

「そ、そっか。よかった~」

「何事も経験…か」

「な、何?また私何かおかしい事言ったかな?」

「いや、言ってないよ」

「ただ…」

「ただ?」

「色んな事を詰め込んで、一つの物語になる歌なんてのも面白そうだなって」

「そう思ってた所だよ」ニコッ

「澪ちゃん…」


50 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:05:02.30 4onlFRTr0 33/39



―――――――――――――――――

PM6:30


「ぶえっくしっ!」

「ほら、早くしないと風邪引くぞ?」

「う、うん…なんで澪ちゃん替えの服もってたの~」

「当たり前だろ。制服から着替えてたんだから…」

「あれ?そういえば何で?制服なんて着てたの?」

「あっ、それはその…アレだよ」

「アレ?」

「ほら…河川敷に夕日をバックに制服姿で青春する女子高生の風景を醸し出そうと…」

「…うわぁ」

「なっ!何だよ!悪いか!?」

「いや、悪くはないけど…ねぇ?」

「うぅ…言うんじゃなかった」


51 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:09:52.20 4onlFRTr0 34/39

「うぅ…私寒いからもう帰るね」

「あぁ、分かった」

「作詞、頑張ってね澪ちゃん」

「ありがとう。唯のおかげで色んな歌詞が浮かびそうだよ」

「あははっ、どういたしまして!」

「じゃあ、また学校で会おうね!ばいば~い!」

「うん、また明日な」













「フンフン……」

「目を開くと…そこは…白い世界…フンフン…」


52 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:16:36.21 4onlFRTr0 35/39


――――――――――――――――――

PM07:00


「うーいーただいま~」

「お帰りお姉ちゃ…どうしたの!?何で服濡れてるの!?」

「あはは…ちょっとはしゃぎすぎちゃって…」

「もう、お風呂沸いてるからすぐに入ってね。風邪引いちゃうよ」

「ありがと~」

「今日はお姉ちゃんの大好きなエビフライだよ。早く上がってきてね」

「ホント!?わーいっ!」ダッダッダッダ

「あっお姉ちゃん!」

「…んもう、いつまで経っても子供なんだから…」

「でも、そこが可愛いんだけどね」

「うーいー!」

「はいはーい!なーにーおねーちゃーん!」


54 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:19:52.74 4onlFRTr0 36/39

――――――――――――――――――

PM10:00

「はぁ~今日は疲れたなぁ~」

「ちょっと散歩するつもりが一日中歩き続けてたよ…」

「……」

「でも、楽しかったなぁ」

「ふわぁ~あ」



パチッ




「おやすみなさーい」

「zzz........」


55 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:23:17.08 4onlFRTr0 37/39


――――――――――――――――――

pipipipipipipi.....



「ぐー…カー…スゴー…」

「ん…んんっ…」

「…っは!?」


ガバッ


「今、何時!?」

「ああっ!大変!遅刻しちゃう!」

「支度しなきゃ支度!」

「…あっ」


56 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:26:37.22 4onlFRTr0 38/39

シャーッ


「…今日も天気がいいなぁ」



「おねーちゃーん!早くしないと遅刻しちゃうよー!」



「はーい!今行くよー!」

「あっ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「…うんっ」


「それでは、行って来ます!」



ガチャ…バタンッ


57 : 以下、名... - 2010/12/02(木) 04:27:17.37 4onlFRTr0 39/39

1291214891-057


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