1 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 20:59:15.11 Hm8jbwhD0 1/426

・このSSは「静・ジョースターの奇妙な日常」の続き・第十八話です。
この話が『最終回』となります。

・『ジョジョの奇妙な冒険』第四部に登場した、透明な赤ちゃんが成長した姿を書いたオリジナルSSです。

・話が全てつながっております。長いですが最初から読んでいただけると嬉しいです。


一話
静・ジョースターの奇妙な日常
https://ayamevip.com/archives/50359976.html

二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
https://ayamevip.com/archives/50388491.html

三話
静「ジャンケン教師がやって来た」
https://ayamevip.com/archives/50455923.html

四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
https://ayamevip.com/archives/50455979.html

五話
静「泥棒をしよう」
https://ayamevip.com/archives/50469446.html

六話
静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」
https://ayamevip.com/archives/50469515.html

七話
静「お見舞いへ行こう」
https://ayamevip.com/archives/50478595.html

八話
静「日本料理を食べに行こう」
https://ayamevip.com/archives/50482658.html

九話
静「幽霊屋敷に住もう」
https://ayamevip.com/archives/50495972.html

十話
静「双葉双馬は静かに暮らしたい」
https://ayamevip.com/archives/50496017.html

十一話
静「吉岡純はお金が好き」
https://ayamevip.com/archives/50504998.html

十二話
静「杜王町の人々」
https://ayamevip.com/archives/50505043.html

十三話
静「静・ジョースターはキャンプをする」
https://ayamevip.com/archives/50514954.html

十四話
静「町の背後霊」
https://ayamevip.com/archives/50514982.html

十五話
静「ぼくは未来人」
https://ayamevip.com/archives/50515060.html

十六話
静「彼の名はウォーケン」
https://ayamevip.com/archives/50519453.html

十七話
静「メイの世界」
https://ayamevip.com/archives/50549222.html

元スレ
ワイルド・ハニーは砕かない
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1609502354/

2 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:02:52.57 Hm8jbwhD0 2/426

アハハ……ハハ……

「待って……待ってよ、メイ。走るの、速いわ」

メイ「ふふ、ごめんなさい。それにしても、凄いわね。ジョースター邸のすぐ近くに、こんな大きな森があるなんて……」

バァァアア……

3 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:04:22.18 Hm8jbwhD0 3/426

「ええ。おじいちゃんがね、家は都会のゴミゴミした所じゃあなくって、こういう田舎で広い所がいいって言ってねェ――……あたしは都会の方が好きだったりするけど。まあおじいちゃんが好きな所だったら、どこでもいいのだけどね」

メイ「綺麗な所だわ……素晴らしい所よ、静」

サァァアア……

4 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:07:07.44 Hm8jbwhD0 4/426

メイ「遊びましょう、静。妖精さんを探したり、虹色に輝く蝶を追いかけるの」

「素敵ね、メイ……それは、とっても素敵だわ……」

サァ……ア……

「あたし、貴女のようなお友達がいて、良かった……本当に、マジにそう思う……」

メイ「さあ、何をして遊ぶ?かくれんぼか……鬼ごっこ?」

…………

5 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:08:32.13 Hm8jbwhD0 5/426

…………





『一日目』





…………

6 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:09:48.30 Hm8jbwhD0 6/426

…………

杜王町――……

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「……らーら、らー……らららら、らら……」

7 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:12:06.12 Hm8jbwhD0 7/426

暗闇の中、有栖川メイは、外れた調子で子守唄を口ずさむ。
町の人々は……杜王町の全ては、眠ったままだ。

人も、町も、犬も猫も、虫さえも、深い深い眠りへと落ちている。
しいん、という音が聞こえるほど、静かな世界で。

メイの子守唄だけが、響き渡る。

8 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:12:59.23 Hm8jbwhD0 8/426

空条承太郎や、東方仗助、
そして、静・ジョースター達が、死んだように眠る中心で。

有栖川メイは、チェスタの亡骸を抱いたまま、子守唄のメロディを口ずさむ。

それは、かつて自分を犬のように捨てた母が、まだ自分を愛していてくれた頃、与えてくれた『優しさ』なのかもしれない。
母の顔など覚えているはずも無いが……何故か、暖かい声が奏でるこのメロディを、メイはずうっと、覚えていた。

9 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:13:28.27 Hm8jbwhD0 9/426

「……神は、七日間で『世界』を創った……」

「ならば私は、七日間で世界を創り変えよう」

「皆が手を取り合える世界へ……『素晴らしきこの世界』へと創り変える」

「それまでは……眠りなさい、世界よ。すぐに……全てが変わるから」

10 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:14:23.06 Hm8jbwhD0 10/426

ペラリ、という音がした。
紙が、風で動く音であった。

よく見ると、周囲には大量の紙が落ちている。
……その紙は……まるで、静を守るかのように、静の身体を覆っていた。

「…………」

11 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:15:14.48 Hm8jbwhD0 11/426

「……双葉双馬。貴方は……自分の命より、『友達』の命が大切だったの?」

「……自分を守るより、他人を守るほうが大切だったの?」

12 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:16:07.09 Hm8jbwhD0 12/426

「…………私にも、わかるかしら。世界が少し、変わったなら……私にもその気持ちがわかるのかしら」

「……」

13 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:16:33.88 Hm8jbwhD0 13/426

黒い膜の向こうに、太陽が見える。
西に傾きかけたそれは、もうすぐ一日目が終わる事を示していた。

「……『素晴らしきこの世界』まで、あと……六日」

…………

14 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/01 21:17:39.01 Hm8jbwhD0 14/426

…………

『素晴らしきこの世界(ワンダフル・ワールド)』

人々は長い眠りの中、自分の人生を最初から『追体験』する。
それは自分の人生を、もう一度やり直すという事に等しい。

(現実のようにリアルな夢が、人の『記憶』となりそれが『過去』となる)

しかしその『夢』の中には、『有栖川メイ』が唯一無二の『友達』として存在する。
七日後、目を覚ました時……全世界の人間は『有栖川メイ』の『友達』となるのだ。

(記憶が作り変えられているので、それは『事実』であり誰にも疑えない)

有栖川メイの『完成』された能力。

人は『運命を切り開く』と考えられているが、
彼女は運命を必然のものとした。

…………

18 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 20:59:44.95 72bgz/My0 15/426

…………

「ハァ……」

メイ「どうしたの?静……なんだかスゴク辛そうだわ。調子でも悪い?」

「違うわ……そろそろあたし達、ガッコーっていうのに、行かないといけない……年なんでしょ?」

メイ「ええ、そうね」

19 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:01:15.45 72bgz/My0 16/426

「あたし、友達なんていないし……こんな顔立ちだから、みーんなにムシされちゃうからさ。それに、だれもあたしみたいな、すごい力を持ってない」

メイ「……」

「だから……ガッコーなんて、行きたくないの。ずっと、おじいちゃんの側にいたい……」

メイ「案外、行ってみたら楽しいかもしれないわよ。静」

「ウソぉ~~……?」

20 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:02:41.30 72bgz/My0 17/426

メイ「それに……『友達』なら、私がいる。……でしょう?静?何か問題でも……あるの?」

「……ううん。無い」

メイ「フフッ、二人で学校に行くの、楽しみね?」

「ええ。あたし……さ」

メイ「?」

21 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:04:43.54 72bgz/My0 18/426

「……アンタっていう、『友達』がいて……良かった」

メイ「……私もよ。静」ニコッ

…………

22 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:06:02.46 72bgz/My0 19/426

…………





『二日目』





…………

23 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:09:02.65 72bgz/My0 20/426

…………

ザザザーッ……

「……こんにちは。ニュースの時間です……」

「ええ~~ッ……突如、M県S市上空を覆った、黒いドームのような『もの』……」

「……に、関する情報ですが……」

「……只今、現場と中継が繋がっています……現場の薫さァ~~ん?」

ザザッ……

24 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:11:40.15 72bgz/My0 21/426

『ええ、こちら現場の薫です……名字が薫です。カオル……ええと、ご覧ください、見えますでしょうか……?あのドームが……』

「ええ……ハッキリと映っていますね……」

『はいィ。アレが突如現れたのは、お昼の14時ごろだという事で……ええ、あのようにシッカリと……覆っております……』

ザザザッ……

25 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:12:49.47 72bgz/My0 22/426

「アレは一体、何なのでしょうか?」

『専門家は異常気象の……濃い霧が溜まったものだという見解ですが……』

「霧……にしては、シッカリと覆っているようですが……」

『そうなんですッ!』

……ザザザーッ……

26 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:13:50.61 72bgz/My0 23/426

『ええ、しかもですね、どうやらあの『膜』は、徐々に広がっているようでして……』

「広がって……という事は、M県全域が覆われるのも、時間の問題という事でしょうか?」

『そうですね……ですが、全く何も、なァ~~~~ンにもッ!心配はいりませんッ!』

「?……薫さん?ええと……スタジオの声、届いていますでしょうかァ~~……?」

27 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:15:27.83 72bgz/My0 24/426

『実は私は、S市杜王町の出身なのですが……ええ、ですから今回の現場に呼ばれたんですけど……どうやらあの『膜』の内側に入ると、『夢』を見るようなのです……幸せな『夢』を……』

「……薫さん?あー……少し、マイクの調子がおかしいようなんですが……オホン!……オイ、聞こえてんのか?」

『幸せな『夢』ですッ!私は『メイちゃん』からそう言われましたッ!あれこそが『天国』なのだとッ!天国へ到達するための『階段』なのだとッ!そう言われたんで……大丈夫です。エヘヘヘヘヘヘ……』

「お、オイ、カメラ止めろッ。放送中止だ……」

28 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:16:26.34 72bgz/My0 25/426

『私達はこの偽りの記憶を捨てて、新の『幸福』へと向かえるでしょう……この間実家に帰った時、そう言われたんでね……今はちょっと、メイちゃんとの記憶はアヤフヤですが、あのドームの中ならシッカリした記憶になると……』

「カメラを!止めろ!!と、言っとるんだァ――ッ!!放送中止ィィ――ッ!!!」

バタバタバタ!!

『視聴者の皆さん!私は一足先に、『天国』へと向かいます……『メイちゃん』を中心とした、皆が手を取り合える新しい世界へと……そこで、またお会いしましょう!!ウヘロヘロヘクケケケケケケケケケケケケ!!!』

ザザザザザ――ッ……

ピ――ッ……

29 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:17:54.64 72bgz/My0 26/426

ブツン!

ポルナレフ「……」

カラーバーが表示されるテレビのスイッチを、車椅子に乗った男……『ジャン・ピエール・ポルナレフ』が、リモコンを使って乱暴に消す。
亀の中の部屋に、沈黙が訪れた。

30 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:19:15.13 72bgz/My0 27/426

ポルナレフ「……これが昨日、日本で放送されたニュース番組だ。……今現在、M県全域はすでに『覆われている』」

ムーロロ「……専門家によると、あと四、五日でこの地球全てがあのドームに覆われるそうです」

ミスタ「……マジかよォ~~……」

「……」

31 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:20:01.87 72bgz/My0 28/426

亀の部屋にいるのは、四人の男だ。

一人は組織のナンバー2、ポルナレフ。
一人は組織のナンバー3、ミスタ。

そして、表向きはフーゴとシーラEの上司という役職に就き、その実……情報分析チームの長として、組織の『幹部』に名を連ねる、カンノーロ・ムーロロ。

最後に……もう一人。
金色の巻毛を長めに伸ばした、少年のように輝く瞳を持つ男が、そこに居た。

32 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:21:05.37 72bgz/My0 29/426

ムーロロ「『ご命令通り』……フーゴとシーラEの二人は、演技で話を伸ばして屋敷の中に入れず、外から『観察』させました。……屋敷が崩れ、中からあの黒い『スタンド』が飛び出すのを見ています」

ポルナレフ「……やはり、か」

ムーロロ「しかし……その後通信が途絶えました。二人の安否は不明……」

ミスタ「……」

ムーロロ「……二人に吸血鬼の始末を命じていれば、今頃、無事でいたのではないかと思うと……!!」

ポルナレフ「いや。フーッ……承太郎で無理だったのなら、他にスタンド使いが一人や二人いようが同じだ。それに……二人なら無事だろう。恐らくだが、な……」

ムーロロ「……」

ミスタ「他には?ムーロロ。というかだな……おれはここ最近仕事が忙しくてニュースもロクに見てねェー。世界は今どうなってやがる」

33 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:22:27.07 72bgz/My0 30/426

ムーロロ「……簡単に説明しますと……日本があのようになった事で、日本国外への逃亡者数……失礼、『旅行者数』が先月比でおよそ100倍に増えています。また日本に本社を置く企業の株価が大暴落……これにより、パッショーネも少なからず被害を受けています」

ミスタ「……他には?」

ムーロロ「日本のみならず、アジア全域で大混乱ですね。もちろん世界中混乱しておりますが……中には、先程の映像にあった情報を好意的に捉え、新しい宗教としてあのドームを崇める団体もいくつか出現しております。SNSや動画サイトには多数、ドームに突入した映像等が貼られていますが、どれもドームの内側に入った瞬間、映像が乱れて停止しています」

ミスタ「……」

34 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:23:59.03 72bgz/My0 31/426

ムーロロ「……撮影者の安否は不明。しかし、映像が途切れる瞬間に、『横たわっている』人の姿が確認されています。この事から、何らかの能力でドームの内側にいる人間は『眠らされている』と……考えられていますね。…日本の首相はオキナワという、日本の端まで移動し今後の方針について――……」

ミスタ「あ~~もういい。わかった!とにかく今日本は終わってるって事だな。で!今日寝て、起きて、メシ食って、また寝たら、今度はこの国が終わりって訳か!」

ポルナレフ「……」

35 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:24:58.50 72bgz/My0 32/426

ミスタ「……何なんだ、一体よォ~~……さっきテレビじゃあ『夢』だのなんだの言ってたな?っていうか、アレぁー『スタンド』だっつうのか?……」

「…………」

ミスタ「……おい、そろそろ何か言ったらどうなんだよ?疲れて寝てるっつ~~訳じゃあねえだろう?……『ジョルノ』!!」



「…………」

36 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:25:41.70 72bgz/My0 33/426

ジョルノ「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ミスタ「……ジョルノ、話聞いてたんだろ?……何が起こってやがる?」

ジョルノ「……ぼくの話には……ミスタ」

ミスタ「…………」

37 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:27:19.59 72bgz/My0 34/426

ジョルノ「……少なからず、『推測』が混じっています。だから、これから言う事が『絶対』という事ではありません。……いいですね?」

ミスタ「ああ、構わねえ……全く訳がわかってねェー今のおれよりマシだ」

ジョルノ「……あれは、情報にあった『彼女』――『有栖川メイ』の『スタンド』でしょう。そして……このままだと、世界は『破滅』……いえ、『支配』される」

ミスタ「……」

ムーロロ「……」タラリ

38 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:28:24.49 72bgz/My0 35/426

ポルナレフ「……わたしと同じ考えのようだな、ジョルノ。……やはり、アレは――……?」

ジョルノ「ええ。彼女の『レクイエム』と言えるでしょう。さらに先へと進化した――『イエスタデイ・ワンス・モア・レクイエム』ッ!!」

ミスタ「そッ……それがよォ――!なんだって聞いてんだよッ!見た所、みんなスヤスヤ寝てるだけじゃあ~~ねえかッ!!」

ジョルノ「……」

ポルナレフ「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョルノ「……ミスタ。貴方には…………」

39 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:29:37.96 72bgz/My0 36/426

ジョルノ「……貴方には、『友達』がいますか?」

ミスタ「……は?」

ムーロロ「……」

ポルナレフ「……」

シーン……

40 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:31:17.81 72bgz/My0 37/426

ミスタ「おっ、とっ……『友達』だァ?こーいう仕事だしよォ~~……最近は働き詰めだからな。ンな大したアレはねえよ……会うのは組織の奴らくらいだし……昨日も一人でピザ焼いて食ったな……」ポリポリ

No.2『悲シイ事言うなヨナォ~~ミスタッ!』

No.6『ソウだゼーッ!オレ達がイルっテーッ!!』

ミスタ「う、うっせえぞッピストルズッ!!」

ジョルノ「……そうですか。では……」

41 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:32:30.52 72bgz/My0 38/426

ジョルノ「ミスタ。貴方に『10人』の友達がいたとしましょう。……どうですか?」

ミスタ「おい、馬鹿にすんなよッジョルノ!いくらおれでも組織に入る前には友達の10人くれェ――……あ、アレ?そういや……色んな女の子と遊んだり、野郎からカネもらったりしたが……名前は知らなかったかな?」

No.5『ミスタ……うェェエエ~~ン!』

ミスタ「泣くんじゃあねーッ!!泣きてえのはおれだッ!!」

ジョルノ「……ともかく、『10人』です。貴方には友達が『10人』います。……どう、思いますか?」

ミスタ「……どう、って……そりゃあ~~その人数でメシ食ったりフットサルしたりすんのは楽しいんじゃあねえのか?時には女のコとかひっかけたりしてよォ~~うけけけけけ」

ジョルノ「……そうですか。では……」

42 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:34:05.54 72bgz/My0 39/426

ジョルノ「『50人』友達がいたら、どうですか?『50人』……ぼくの生まれ故郷、日本の学校なら、一クラスそのくらいの人数でしょうか」

ミスタ「『50』?そりゃあチと騒がしそうだな……その人数でメシ食ったりとかは難しいしよ……けど楽しいんじゃあねえか?ウン……楽しいよ。きっと楽しい」

ジョルノ「では……『100人』友達がいたらどうですか?日本では『友達100人出来るかな』という歌があります。その童話が現実になったら……どうですか?」

ミスタ「ひゃ、『100』?そんくらいになると全員で遊ぶのは無理だしよ~~……ああけど、遊ぶ相手にゃあ困らねえのはいいな。町歩いてたらだいたい友達に会えるって事だろ?」

ジョルノ「ええ、そうですね……」

43 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:35:43.58 72bgz/My0 40/426

ジョルノ「では、この町……『ナポリ』に住む人全員が……友達だったら、どうでしょう?誰もが貴方の顔を知っており、親しげに話しかけてくる……そんな世界は」

ミスタ「は、はあ?それってよォ~~……つまり、フラッと入ったアイスクリーム屋のジイサンがニッコリ笑顔投げかけてきたり、そこらをうろつく浮浪者がガッチリ肩組んできたりって……事か?」

ジョルノ「ええ、そうです」

ミスタ「……まあ、少し気味悪いかもだが……そんだけ親しいヤツがいたら、人生楽しいだろ。どこ行っても寂しくなんかねーもんなー……」

44 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:37:09.19 72bgz/My0 41/426

ジョルノ「……ちなみに、ナポリに住む人の数は『95万人』だと言われています」

ミスタ「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

45 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:39:20.47 72bgz/My0 42/426

ジョルノ「では、貴方に『6000万人』の友達がいたら?……『6000万』とはイタリアの人口です。電話帳を見れば、初恋のあの子からイタリア大統領の名前まで書いています」

ミスタ「……」

ジョルノ「では、貴方に『二億人』の友達がいたら?……『二億』とはおよそ、イタリアと日本の人口を合わせた数です。貴方がニッコリ手を振ると、東の辺境にある島国の人間が全員手を振り返します」

ミスタ「……」ゴクリ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

46 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:41:31.51 72bgz/My0 43/426

ジョルノ「……貴方に『5億人』の友達がいたら?……『二億』にアメリカの人口、『三億』を足した数が『五億』です。電話をすればハリウッドスターが駆けつけ、泣きべそをかいたらアメリカ大統領があやしにくる……そんな世界です」

ミスタ「……」

ジョルノ「……貴方に、『70億人』の友達がいたら?……もし、貴方が世界中の人間と友達だったら?」

ミスタ「……んな、の……」

47 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:43:02.86 72bgz/My0 44/426

ミスタ「……ありえる訳がねえ。世界が思い通りで……そんなの、まるで……!」

ジョルノ「『神』……そうです。『世界中全ての人に存在を認識される』というのは……『神』と同じなんです。キリストの名を知らない人間なんていない」

ミスタ「……」

ポルナレフ「……」

ムーロロ「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ミスタ「つまり……中で行われているのは、そういう事か?……『植え付けている』……『友達である』という事を」

ジョルノ「ええ。そして、あの膜が地球を覆うというのなら……」

48 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:45:01.49 72bgz/My0 45/426

ジョルノ「非常にマズい事となる。例えば……『彼女』の悪口を言った者がいれば、どこかの国が『核』を落としたとしても、おかしくはない……そんな事に」

ミスタ「う!……」タラリ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ポルナレフ「……ジョルノ。君ならもうわかっているだろうと思うが……スタンドの『先』へ行ったものと、対等に戦えるのは……同じく『先』へ行ったものだけだ」

ジョルノ「…………」

49 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:46:11.70 72bgz/My0 46/426

ポルナレフ「……君から預かっていたものを、返す時が来たな」ニコリ

ジョルノ「……ポルナレフさん」

ポルナレフ「……」スッ

ジョルノ「……」

ポルナレフ「……受け取ってくれ」

50 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/02 21:48:44.82 72bgz/My0 47/426

ポルナレフ「君が受け継ぎ、先へと進めた……『矢』だ」

ジョルノ「……」スッ

ガシッ!!

…………

54 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:00:04.75 o7eo/Wkb0 48/426

…………

アメリカ
フロリダ州――

ドサッ!

「……」

???「……」

55 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:01:58.72 o7eo/Wkb0 49/426

一人の男が、手に持った分厚いファイルを、テーブルの上に放り投げる。
開かれた頁には、黒いドーム状の膜の写真が、いくつも貼り付けられており、小難しい説明等がこまごまと書かれている。

「……今、世界で起こっている大事件について、ご存知ですか?ミス――……?」

???「知ってる……世界が終わるかもしんないんでしょ?あたしには関係ないけどォ――……こんなセマっ苦しい監獄の中で世界の終末迎えるなんて、思ってもみなかったって感じィ――」

56 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:03:40.05 o7eo/Wkb0 50/426

「……あながち、関係のない話でもないかもしれませんよ」

???「……どういう事?っていうかさ、アンタ誰?自己紹介もなしにこんなファイル突き付けられてもさ~~困るっつーか……うおっ、これすっげ。今こんなのなってんの?日本が?飛んでるゥークールだわ……CGとかじゃあねえの?」

「……『スタンド』です。そのドームは、一人の少女の『スタンド』だという調べがついています」

???「……『スタンド』」

57 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:05:07.10 o7eo/Wkb0 51/426

「そして、その少女は……『DIO』と『プッチ』の意思を継ぎ、あろうことか……『天国』へ向かおうとしているのです」

???「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

???「許される事じゃあないのは確かね。世界中の人々を踏みにじり、自分の都合の良い世界を創るなんて……ちっぽけな一人の人間が、行って良い事じゃあない」

「そう。そして……ここからが大切な事なのですが……」

58 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:07:06.93 o7eo/Wkb0 52/426

「空条承太郎博士が、先日この『ドーム』の中で、消息不明となりました」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

???「…………何……ですって?」

59 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:10:03.86 o7eo/Wkb0 53/426

「貴女にとっては、世界の危機よりも大切な事なのではないですか?あァー……FE40536……『空条徐倫』様?」

徐倫「…………」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

徐倫「何なんだ?テメェー……あたしに何の用だ」

「失礼。話が前後しましたが……」

60 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:14:21.51 o7eo/Wkb0 54/426

「この世界の危機と、空条承太郎博士の命を救えるのはッ!かつてプッチ神父の企みを阻止した、貴女しかいないと考えています。……そして、私はスピードワゴン財団の調査員(エージェント)です。貴女の力をお貸しして頂くよう、お願いに参りました」

徐倫「……考えるまでもねェー。答えは『YES』よ。父さんはかつて、命をかけてあたしを救おうとしてくれた。……今度は、あたしの番だ」

「……ありがとうございます」ペコリ

徐倫「礼なんておかしいわよ。家族を助けるのは当然のこと……」

「……ええ。それでも、礼を言わせて下さい」

徐倫「……フン」

61 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:16:31.86 o7eo/Wkb0 55/426

「すでに手続きは済んでおります。貴女は『仮釈放』という形で、これより『ある場所』まで飛んでもらいます」

「そして……『ある人物』と協力し!作戦を遂行していただきます」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

「目的は『標的(ターゲット)の完全沈黙』と『空条承太郎博士の救出』!および……『世界の救出』ッ!!」

「命をかけて……作戦に挑んで下さい」

徐倫「……」

ガシャーン!

62 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:17:35.41 o7eo/Wkb0 56/426

徐倫「……」

ミューミュー「……こっちだ、FE40536。付いてこい」

徐倫「……」

スタスタ……

63 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:19:42.70 o7eo/Wkb0 57/426

ミューミュー「ハッ!こんな形でお別れとなるとはね。セーセーしたわ……せいぜい残り少ない人生、外で楽しく過ごしな」

徐倫「……また戻ってくるわ」

ミューミュー「あン?」

徐倫「元は無実の罪だけど、脱獄とかの罪は償ってない。全てが終わったら、罪を償いにまた戻るわ」

ミューミュー「……フン!ほら、さっさとゲートへ向かえ。仮釈放の最終手続きをする」

徐倫「……」

スタスタ……

64 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:23:35.57 o7eo/Wkb0 58/426

エルメェス「ヘイッ徐倫!徐倫じゃあないか!何やってんの?ミューミューなんかと一緒に」

徐倫「エルメェス!」

ミューミュー「……」スタスタ……

エルメェス「おい待てよ!何なんだ?今度はどこへ行く気だ?」

65 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:25:29.47 o7eo/Wkb0 59/426

ミューミュー「仮釈放よ。コイツは檻の外を出る。馬鹿みたいな事に……世界を救いにな」

エルメェス「……何だって?」

徐倫「覚悟は出来ている……エルメェス、アナスイに伝えて」

エルメェス「……」

66 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:27:38.59 o7eo/Wkb0 60/426

徐倫「……もしあたしが無事に戻って来れたら……『結婚式』を挙げましょう、って」

エルメェス「……」

徐倫「これは暗闇なんかじゃあない。希望よ……希望の光があるから、あたしは前へ進める」

エルメェス「……お前何言ってんだ?徐倫?おい?」

徐倫「……」

ザッ

67 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:31:51.87 o7eo/Wkb0 61/426

ザッ!

徐倫「……」

看守「バスに乗れ、FE40536!これより橋を渡り、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所管理ジェイル外へ護送する!いいかァ――『仮釈放』とはいえ、外へ出るまで妙なマネはしない事だッ!我々には貴様を射殺する権利がある!」

徐倫「……」スタスタ

68 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:33:38.23 o7eo/Wkb0 62/426

ドサッ
徐倫「……フーッ……」

「……一先ずは、仮釈放おめでとう。と、言っておきましょうか。ミス・徐倫」

徐倫「……アンタ何?なんでバスに乗ってんの?」

「私は案内役として、貴女を無事『目的地』まで送り届ける義務があります。ありえない話ですが――……逃げ出さないよう『監視』するのも、仕事の一つです」

徐倫「……」

「堅苦しいでしょうが、ご容赦下さい。……バスに乗るのは少し多めにカネを包んだら黙認されました」

徐倫「フ――ン、それなら今渡しても問題無いわよね……ハイこれ」ガサッ

「?……なんですか?メモ?」

69 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:37:33.53 o7eo/Wkb0 63/426

徐倫「そこに書かれている住所に、一人の『少年』が住んでいる。……『目的地』へ行く前に、彼に会わせて欲しい」

「!……この住所は、確か――……」

徐倫「ええ。スピードワゴン財団なら当然知ってるわよね……彼は今、財団からの支援を受けて、一人で暮らしているんだから」

「……何故、彼に?……彼を連れて行く事は、出来ませんが」

徐倫「わかってる。連れていく訳じゃあない」

70 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:40:13.41 o7eo/Wkb0 64/426

徐倫「彼の持っている物が……必要になるかもしれない」

「?……」

ブロロロロロロロロ……

…………

71 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:42:03.17 o7eo/Wkb0 65/426

…………

メイ「学校は楽しいわね、静!」

「ええ……楽しいわ」

バァ――ッ……

「本当……貴女がいて良かった。メイ……貴女がいなかったら、あたし、一人で――……」

メイ「そんな事はないわ。静……貴女が優しい人だって事、私、よく知っているもの……きっと、他の人たちは、静の良さがまだわかってないだけよ」ニコッ

「そ、そんな事ないっての。ったくさァ~~メイったらいつも真顔で恥ずかしい事言って……」

メイ「フフ、ごめんなさい」

72 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:44:05.09 o7eo/Wkb0 66/426

メイ「ねえ、静。見た?この学校、とっても広いお庭があるの。今度そこを二人で歩いてみましょう?」

「ええ……ウン。そうね……メイ」

メイ「楽しみね。フフフ……お弁当持って、ピクニックなんかしたりして!」

「……楽しそうだわ。ウン……」

……カサッ……

73 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:46:56.74 o7eo/Wkb0 67/426

「……」

メイ「?……どうかした?静?」

「え?う、ううん。なんでも……」

メイ「……変な静。私、先へ行くわよ?」

「……うん。わかった……」

テクテクテク……

「…………」

74 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:48:33.81 o7eo/Wkb0 68/426

(……あたしには、『友達』がいる。メイっていう……素晴らしい、友達が)

(もっともっと小さな頃からの幼馴染で、いつも一緒にいて……仲がいい)

(彼女がいなかったら……あたし、学校でも一人っきりで、悲しい毎日を送ってた……)

(……けど、何で?あたし……)

75 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:50:05.23 o7eo/Wkb0 69/426

(何か……大切な事、忘れてるような……)

カサッ……

「……?」

76 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:52:04.60 o7eo/Wkb0 70/426

静の足元に、紙が落ちていた。
しわくちゃで、破れそうな、みすぼらしい紙が。

その紙には、ただ一言……

77 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:53:17.57 o7eo/Wkb0 71/426

『あたま』

……という文字が、書かれていた。

78 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/03 21:53:59.75 o7eo/Wkb0 72/426

「…………?」

ザァァアアアア……

…………

80 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:00:29.47 2MdjCUzL0 73/426

…………

ゴォォオオオオオ

「我々が近づけるのはここまでです……あとはよろしくお願いします」

「わかりました……行きますよ」

「ねえ待って。ここさ……上空何メートル?外との気圧の差は?」

81 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:01:29.34 2MdjCUzL0 74/426

「かなり低く飛んでもらっています。4000から……5000といった所でしょうか」

「そう……ところでパラシュートは?」

「……」

「スカイダイビングのパラシュートってさ~~『メインパラシュート』の他に『リサーブパラシュート』ってあんのよ。それに安全装置までついてて、開かなくっても自動的にパラシュートが作動するってワケ。やっぱさ、そのくらいしないと――……」

ガシイッ!

82 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:02:39.32 2MdjCUzL0 75/426

「時間がありません。……『行きますよ』」

「おっ、オイ!ちょっと待――……」

ゴバッ!!

…………

83 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:03:49.68 2MdjCUzL0 76/426

…………





『三日目』





…………

84 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:05:54.89 2MdjCUzL0 77/426

…………

『うえ~~ん……ええ……ん……』

『どうか……のかの?……しず……?』

『こわしちゃった……あたし、あたし……』

『静……ずか……落ち着……かや……』

『大切な……切だったのに……』

『……わしたものはの……もう戻……』

『……』

…………

85 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:07:27.34 2MdjCUzL0 78/426

…………

メイ「――……静?」

「はッ!!」

バァァア――ッ……

「……ハァ、ハァ……?……??」

メイ「どうかした?……ぼうっとしてたみたいだけど」

「……わかんない。ハァ……疲れてるのかも、あたし」

メイ「……」

86 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:09:05.81 2MdjCUzL0 79/426

「けど、なんだろう……何か……『何か』……忘れてるような、そんな気がしたの」

メイ「……所詮は『夢』……完全に再現する事は出来ないのかしら……」ボソッ

「え?」キョトン

メイ「ううん、何でもないわ。静」ニコッ

87 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:10:11.83 2MdjCUzL0 80/426

「……そーいうのさァ~~、何でもなかった試しが無いわよね。メイ、もしかしてアンタ……なんか隠し事してる?」

メイ「してない……本当よ、静。神に誓ってもいいわ」

「……ふ~~ん、そう……まあ別に、いいけど」

メイ「……フフフ……」

88 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:11:41.13 2MdjCUzL0 81/426

メイ(あと『四日』……この夢の中ではもう何年も過ごしたけれど、現実の時間であと『四日』経てば、私はこの世界中の人々と『友達』になり、この世界に生きる『神』となる……)

メイ(『神』とは『私』よ、静……私は私に誓ってる。ええ、ええ。『隠し事』なんて無いわよ……どうせすぐに、『隠した事』なんてどうでも良くなる……)

メイ(夢が現実と繋がる時、貴女は私と一緒に生きるのよ……静)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「……メイ?今度はアンタがぼーっとする番って訳?」

メイ「あら、ごめんなさい静。少し……考え事をね」

89 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:13:15.78 2MdjCUzL0 82/426

メイ「そんな事より見て、静!クローバーがいーっぱい!」

ザアァッ……

「……すごいわね。学校にこんな所があるなんて」

メイ「ええ……さ、静。四つ葉のクローバーを探しましょう?押し花にして、貴女にプレゼントしてあげる!」

「え?……あたしィ?」

90 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:14:51.84 2MdjCUzL0 83/426

メイ「私はね、今、とってもとっても、と~~っても幸せなの。この指の……」

スッ

メイ「……外側の世界、全てくらい幸せ。……だからね、私の幸せは、貴女におすそ分けしてあげたいの」

「そ、そう言うならいいけどさァ~~……じゃあ代わりに、あたしが四つ葉を見つけたら、メイ……貴女にあげるわよ」

メイ「フフ……ありがとう、静」

クシャッ

91 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:16:14.37 2MdjCUzL0 84/426

「…………え?」

メイ「?……どうかした?静?」

「い、いや……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「ほら、早く!一緒に探しましょう?四つ葉の……クローバーを」

「……え、ええ……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

92 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:17:16.59 2MdjCUzL0 85/426

メイ「――!!」ピクッ!

「?……メイ?」

メイ「……何?」

「え?」

メイ「……何か――……」

…………

93 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:18:04.86 2MdjCUzL0 86/426

…………

メイ「『近付いてくる』」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

94 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:19:16.20 2MdjCUzL0 87/426

メイ「……どういう事、かしら?我が『ワンダフル・ワールド』の中では皆、素晴らしきこの世界へと旅立つはずなのに」

ゴォォオオオオオ……!!

メイ「来る……来てるわ。……チェスタ、私に力を貸して……!」

オオオオオオオオ!!

95 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:20:17.13 2MdjCUzL0 88/426

メイ「『空』よッ!!『落ちてきている』ゥ――ッ!!」



ゴオオオオオオオオオオ!!!

96 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:21:59.61 2MdjCUzL0 89/426

徐倫「うおおおおおお!!!」

ジョルノ「おおおおおおおおお」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「なにィ~~~~ッ~~」

97 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/04 21:23:23.45 2MdjCUzL0 90/426

ジョルノ「無駄ァ!!」

徐倫「オラッ!!!」

メイ「URRRRYYYYYYY!!!!」

ドゴォォオオオ!!

…………

99 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:02:47.68 HMBQEr2y0 91/426

…………
その数時間前――……

ザッ!!

ジョルノ「空条……徐倫さん、ですね」

徐倫「……」キョロキョロ

バァ――ッ……

徐倫「……ええ、アンタは?」

ジョルノ「イタリアでギャングのボスをしています……ジョルノ・ジョバァーナです。貴女の……遠い親戚にあたります」

徐倫「……初めて聞くわ、そんな親戚」

100 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:05:45.16 HMBQEr2y0 92/426

ジョルノ「英語は少し苦手ですので、わかりにくい所があったらすみません」

徐倫「……あたしを牢屋から出したのは、アンタなの?」

ジョルノ「いえ。それはSPW財団の力です。ぼくはその点に関して一切知りません。……しかし、空条承太郎博士の娘さんなら……これからの『作戦』に不足はないでしょう」

徐倫「飛行機で行くのか?その……日本まで?」

ジョルノ「……」

徐倫「だってここ……『空港』でしょ?日本の航空機関は機能してんのかよ」

101 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:07:09.92 HMBQEr2y0 93/426

ジョルノ「していません。というより、全世界で混乱が起こって主要な機関はほとんど麻痺しています。……これから、我々が所有する飛行機に乗って日本上空まで向かいます……あの膜の上まで」

徐倫「……『上』」

ジョルノ「護送車の中で読みましたか?ぼくがまとめた、あの能力についての考察レポート」

徐倫「読んだ……だから『上』というのはわかる。入ったら終わりだからね……だけど、そこからどうするっていうの?」

ジョルノ「……これは、我々の組織の中でも極秘情報なのですが……」

102 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:08:17.21 HMBQEr2y0 94/426

ジョルノ「ぼくは、あの『黒いドーム』のスタンド使いと同じように……一歩『先』へと行ったスタンドを持っています」

徐倫「!!」

ジョルノ「初めてこのスタンドを手に入れた時、ぼく自身、自分の能力については何もわかりませんでした。しかし……この十数年間、ぼくは密かに自分の能力について研究し、知り得る事が出来ました」

103 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:09:39.32 HMBQEr2y0 95/426

ジョルノ「ぼくは、敵の『攻撃』の動作やその意思を、全て『ゼロ』にする事が出来る。……終わりがないのが『終わり』……それが『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』」

徐倫「……『ゼロ』?」

ジョルノ「つまり、敵の夢に囚える能力は、ぼくには通用しないという事ですよ。おそらく、ぼくの側にいる人にもその効果は発揮するでしょう」

徐倫「!!――……つまり……」

ジョルノ「ぼく達は『戦える』……これは重要なアドバンテージです」

104 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:11:15.92 HMBQEr2y0 96/426

ジョルノ「それに、貴女は――(『何故』なのか?という事はわからないが)――ぼくと同じように、『ジョースターの血統』を、感じる事が出来ますね?」

徐倫「!!……え、ええ。ここに来る時、護送車の中で……アンタの存在を感じてた」

ジョルノ「それがある限り、あのドームの中で何が起ころうと離れ離れになる事はないでしょうし、空条承太郎博士を探す事も容易でしょう。……そろそろ行きましょうか。ミス・空条」

徐倫「……徐倫でいい。あたしもアンタの事、ジョルノって呼ぶから」

105 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:13:37.14 HMBQEr2y0 97/426

ジョルノ「……それともう一つ。貴女は……『静・ジョースター』という女性について、知っていますか?」

徐倫「……『静』?」

106 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:15:15.25 HMBQEr2y0 98/426

徐倫「ええと……何年前だっけ?父さんに連れられてひいおじいちゃんの所行った時に……孫だっけ、ひいおじいちゃんの」

ジョルノ「……正確には娘ですね。養子ですが」

徐倫「ああそうだっけ。……その後から父さんとうまくいかなくなってきたから会ってないけど、覚えてるわ。でけーサングラスが印象的だった。……それが?」

ジョルノ「いえ……彼女も杜王町にいるようですので」

徐倫「……助けないといけない親戚が増えたって訳ね」

ジョルノ「……」カサッ

107 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:16:52.71 HMBQEr2y0 99/426

ジョルノ(……彼女の健康診断時の情報と、フーゴ達が調べ上げた、『有栖川メイ』の情報……彼女が通っていた病院から盗んだ情報)

ペラリ

ジョルノ(それによると彼女たちは……)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョルノ「……これは、彼女の戦い……なのかも、しれませんね」

徐倫「?」

…………

108 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:18:34.87 HMBQEr2y0 100/426

…………

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

徐倫「どうだッ!この吸血鬼野郎ッ!!」

ジョルノ「ぼくから離れないで徐倫!あまり前に出るんじゃあない」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……」ムクリ

109 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:19:22.20 HMBQEr2y0 101/426

メイ「……おかしいわね。何故……私の『世界』で、自由にいるのかしら?」

ジョルノ「……」

メイ「ん?」

ブラーン

110 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:20:39.36 HMBQEr2y0 102/426

メイの首が、折れて変な方向へ曲がっている。

メイ「……あら、あら、あらら。大変……前が見えないわ。うえぇぇえ~~ン。どこにいるのォ?二人ともォ……?」

徐倫「……」

ジョルノ「……」

メイ「……ンン~~」ボキキッ

111 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:21:38.74 HMBQEr2y0 103/426

手でちょいと直すだけで、首は元通りになった……ッ!

メイ「……自己紹介が必要かしら?私の名前は有栖川メイ……これからこの地球に唯一人の存在となる者……それで?貴方達は?」

ジョルノ「……」

徐倫「吸血鬼に語るような名前なんか無ェーわ、このタコ」

メイ「……そう」ニッコォ

ヒュッ!

112 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:25:16.11 HMBQEr2y0 104/426

ドボオ!!

徐倫「!!」

ジョルノ「!?なッ……」

瞬間!!
メイの右腕が、徐倫の腹を貫いたッ!!

113 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:26:19.37 HMBQEr2y0 105/426

ジョルノ「何ィ~~ッ~~!!馬鹿なッ!!徐倫!!(見えなかったッ!!これが……『吸血鬼』の速さかッ!!)」

メイ「私を馬鹿にしているのかしらァァ~~ッ!!親切丁寧にこの私がッ……貴女と『友達』になりたいから自己紹介から始めたのに!!その優しさを後ろ足で蹴って土をかぶせるっていうのねッ!!私と友達になりたくないっていうのねッ!!な……泣きそうだわ……ううう……うええ……!!」ボロボロ

114 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:27:30.93 HMBQEr2y0 106/426

徐倫「……そうよ。まったく……やれやれだわ」

115 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:28:47.79 HMBQEr2y0 107/426

ジョルノ「!!」

メイ「!!」

ガシッ!!

メイ「こ!!(コイツ!!胴が空洞に……身体が『糸』になっているッ!!)」

徐倫「捕まえた。そして食らいな……父さんの分まで!!」

116 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/05 21:29:20.88 HMBQEr2y0 108/426

徐倫「オラアッ!!!!」

バギャア

メイ「RY!!」ガブウッ!

119 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:03:32.01 VAiTs1In0 109/426

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……!!」グラアッ……

徐倫「たたみかけろジョルノ!!こいつはあたしが捕らえるッ!!」

ブワアアアア

メイ「……これは……」

『手錠』ッ!!

ガシィィ――ン

120 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:06:25.30 VAiTs1In0 110/426

徐倫「屈服させるッ!!」

ジョルノ「『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』」

GER『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄』

ボッボッ

ボッ!!

121 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:07:32.54 VAiTs1In0 111/426

メイ「フン」

ヒラリ

徐倫「甘い」グイン

メイ「!!」

122 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:10:23.63 VAiTs1In0 112/426

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの突き(ラッシュ)を紙一重で避けるメイは、
手錠により徐倫の元へ戻されるッ!!

グルゥオオオ

メイ(……戦い『慣れすぎている』……少し危ないわね。何よりこの『手錠』――……)

徐倫「オラッ――」ヒュ……

徐倫の蹴りが、メイの頭を捉えようとしていたッ!!

123 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:11:46.25 VAiTs1In0 113/426

メイ「離してくれないかしら」プッ



ギ パ

124 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:13:40.44 VAiTs1In0 114/426

徐倫「!!」

ジョルノ「な……あの『目』はッ!?」

メイの瞳孔が破れ、ただならぬ圧力(プレッシャー)をあたえるッ!!

125 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:15:52.87 VAiTs1In0 115/426

ジョルノ「避けろ徐倫――ッ!!」

ドッゴオオ

徐倫「うおおおおおお!!」バッ

シュゴォ――ッ!!

126 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:17:04.66 VAiTs1In0 116/426

ビビイッ

徐倫「い、今のはッ!!」

ガラガラガラ……

127 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:18:22.70 VAiTs1In0 117/426

二人の背後にあった家が切断され、崩れ落ちるッ!!

ジョルノ(今のは体液……目から超高圧で体液を噴射した!?)

ジョルノ「――はッ!!」

128 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:20:12.82 VAiTs1In0 118/426

メイが拳を振り上げるッ!!

メイ「『友達』である私を屈服だなんて……悪い子ね」

徐倫「くッ――」バッ

ドガァ!!

129 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:21:38.88 VAiTs1In0 119/426

ジョルノ「な……徐倫――ッ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……ン……?」

グニ……

130 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:22:45.73 VAiTs1In0 120/426

徐倫「……なかなかいいパンチね。ナイスパワー。……『その力があたしは欲しかった』……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ(この感触……)

徐倫「自分で入れようとしても入らないのよね、『これ』……だから、力任せに『押し込む』には、あんたのようなのが最適……」

……ゴロ……

131 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:24:20.00 VAiTs1In0 121/426

ゴロゴロゴロゴロ……

徐倫「『糸の手錠』で屈服させられないのなら……あんたを打ち破るためならば。あたしはとことん変わってやる」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「面白いわね……貴女、『スタンド』を2つ持っているの?それとも――……」

徐倫「これはあたしが受け取り!!エンポリオに託した……親友の『スタンド』だッ!!」



『ウェザー・リポート』ッ!!

132 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:25:45.03 VAiTs1In0 122/426

ドヒュウウウウ!!

メイ「『風』……!!」ヨロリ

徐倫「そよ風はもう止んだのよ……あんたを捉える『突風』となるッ!!」

ゴオオオオ!!

ジョルノ「良い風だ……徐倫」

133 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:27:08.50 VAiTs1In0 123/426

ウェザー・リポート『オラオラオラオラオラオラオラオラ!!』

GER『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!』

ド ド ド ド

メイ「WOOOOOOMMMMMM」

ドッドッドッ

ジョルノ「二人がかりで悪いがな……終わらせてもらう」

徐倫「こんな事、年下の女の子じゃあなく意中の男性に言うべきだけど……逃さないわよ。絶対に!!」

ゴオオオオオオオ

134 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:28:20.02 VAiTs1In0 124/426

メイ「ええ、ええ!そうね……私もよ」

ピッキィーン

徐倫「!!」

135 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:29:55.10 VAiTs1In0 125/426

ジョルノ「!?」ザッ

メイ「『雲』のスタンド……『ウェザー・リポート』と言ったかしら?良いスタンドだけれども……貴女、『吸血鬼』は初めて?」

徐倫「こ……これはッ!?」

バシ!
バシバシバシ!

136 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:31:25.46 VAiTs1In0 126/426

メイ「私が貴女の初めての人のようね。……神・『DIO』については……信頼できる友・チェスタから聞いていた。……試すのは初めてだけどね。お互い初めて同士!……なんだかとっても、素敵ね?」

パキィーン!!

137 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:32:59.44 VAiTs1In0 127/426

徐倫「う……おおおああああ!!こ、『凍る』ッ!?」

メイ「気化冷凍法」

バァ――ン

ジョルノ「くッ……!!」バッ

メイ「そう怒らないで……落ち着きましょう?ねえ……」

138 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:34:03.82 VAiTs1In0 128/426

メイ「『ジョルノ』……『ジョルノ・ジョバァーナ』?」ニコリ

ジョルノ「!?……なんで、おまえ……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョルノ「ぼくの、『名前』……を……」

グラリ

139 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:35:25.84 VAiTs1In0 129/426

徐倫「う……!」クラッ

ジョルノ「……!?」ヨロッ

メイ「入らせてもらったわ。もう貴方たちは『夢の中』」

ジョルノ「……バカな……ぼくの『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』は……全ての『攻撃』を……!!」

メイ「『攻撃』?……確かに私、貴方たちにちょっぴり、乱暴しちゃったかもね。はしたないことだわ……神に懺悔して反省する」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

140 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:36:38.45 VAiTs1In0 130/426

メイ「でもね、私……貴方たちと、『友達』になりたいの」

ニッコリ

ジョルノ「!!」

141 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:37:40.59 VAiTs1In0 131/426

メイ「おやすみなさい、徐倫にジョルノ。……目が覚めたら、お互いケンカした事を謝って……一緒にお茶でもしましょう?」

ジョルノ「……攻撃ではない、ということ……か……」ズル……

142 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:38:37.72 VAiTs1In0 132/426

ジョルノ(甘かった……読みが……!!)

ドサッ

143 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/06 21:39:32.08 VAiTs1In0 133/426

メイ「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

徐倫「……」スゥ……スゥ……

ジョルノ「……」スゥ……スゥ……

メイ「……『素晴らしきこの世界』まで、あと……四日。……とりあえず……手当してあげないとね」

…………

147 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:00:39.93 N+roWYgH0 134/426

…………

『……本日のニュース、です。……ええ、日本から広がった例の『膜』は、世界の半分を包もうと……』

『…………く、うう……』

『世界は……世界はもう、終わりなのでしょうか!?わたくしは非常に、口惜しいッ!!……ああ……』

148 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:02:54.66 N+roWYgH0 135/426

『神様……!!』

…………

149 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:04:12.68 N+roWYgH0 136/426

…………





『四日目』





…………

150 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:07:01.66 N+roWYgH0 137/426

…………

キャスター『半分!半分ですよ!!もう世界の半分を包み込もうとしているッ!』

コメンテーター『落ち着きたまえよ、キミぃ……』

キャスター『これが落ち着いていられますかッ!!我が国では核での攻撃も検討されているんですよ!?このままでは世界大戦に勃発する!!』

コメンテーター『しかしだね、あの膜はミサイルも効かないのだよ?大統領もわかっているだろう。その事は』

151 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:08:48.53 N+roWYgH0 138/426

コメンテーター『それにだね、これは喜ばしい事じゃあないか』

キャスター『?……何を言ってるんだ?アンタ?』

コメンテーター『私達もやっと、メイと本当の友達になれるんだ。だからそう怖がることなく――……』

キャスター『しょ……正気かテメェーッ!いや正気じゃあねえ!テメェは例のアレか!新興宗教の信者か!!』

152 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:10:42.05 N+roWYgH0 139/426

キャスター『あんなワケのわからんモンが神の裁きやら導きやらの訳ねェーだろ――が――ッ!』

コメンテーター『宗教?違うちがう……私はね、友達なんだよ。メイの――……』

キャスター『オメェーみたいなオッサンが日本の訳のわからん膜の中身と友達なのか!?そんな訳あるか!!オイ、しっかりしろ!!』

コメンテーター『……友達、では、ない?』

キャスター『当たり前だろうが!ニュースはなあ、しっかりとした情報を――……』

コメンテーター『……う、うう……』

153 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:13:20.03 N+roWYgH0 140/426

コメンテーター『……なぜだ?なぜ私は……メイと友達に……?』

『……番組の途中ですが、ここで一旦CMです』

キャスター『おいちょっとまて……CM?今!そんなモン流してる場合か!!』

『しかし、彼の容態が――……』

『バカヤロー!!俺たちジャーナリストはこんな時だからこそ世界に正しい報――……』

…………

154 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:15:40.39 N+roWYgH0 141/426

…………

バ ァ ァ ア ア ア ア

「…………」

155 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:17:33.25 N+roWYgH0 142/426

「……ない……ない……ない。ない……ないや」

静・ジョースターは、原っぱにいた。
そこで、彼女は一生懸命、探し続ける……。

156 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:18:42.33 N+roWYgH0 143/426

「……何を探しているんだい?」

「……」

ザッ

「……」

157 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:20:34.92 N+roWYgH0 144/426

そこに現れたのは――……一組の男女だった。
一人は金色の巻毛の男で、もう一人は団子にした髪を、三編みでまとめた女……。

「……」

「……ちっさ……高校生じゃあないの?今……」ボソ

「なんでもありなんでしょう。ここでは……」

「……」

「…………」

158 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:23:13.08 N+roWYgH0 145/426

「……ねえ、何探してんの?ここで……さ」

「……よ……」

「……」

「……四つ葉の、クローバー……探してるの。友達に……メイにあげるために」

「……『メイ』」

「…………手伝おうか?ぼくらも」

スッ

159 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:24:39.41 N+roWYgH0 146/426

「!!」

「何年ぶりかな、こんなことすんの……ていうか、したことあったかな……」

「……」ジーッ

「……どうしたんだい?」

「!」

「ぼくらが……どうかした?」

「いえ!あの……」

160 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:26:34.73 N+roWYgH0 147/426

「……踏まないんだ、って……思って」

「……?」

「?……!……ああ、そうだね」

「?……??」

「……あ、これ……四つ葉なんじゃあないか?」

「!……あ……」

161 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:27:38.27 N+roWYgH0 148/426

プツッ

「ほら……」スッ

「あ……ありがとう。これで、これを……メイに、友達にプレゼント出来る」

「……」

「……これは……ぼくらが……」

「?……」

162 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:28:49.57 N+roWYgH0 149/426

「ぼくらが、言うことではないのかもしれない。君にとっては、部外者のぼくらが……」

「……」

「だけど――……」

「……静、アンタのそのクローバーは……『メイに渡すものなの?』」

「……え……」

163 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:30:07.44 N+roWYgH0 150/426

「静、きみの『友』は――……」



バシュウ

164 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:31:58.90 N+roWYgH0 151/426

「……え?」

キョロキョロ

165 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:33:18.25 N+roWYgH0 152/426

突如、男女の姿は消えた。
そして――……

166 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:34:47.41 N+roWYgH0 153/426

メイ「……ハア、ハア!ハア……ハァ……」

ザッ

「……メイ?」

メイ「ハァ、ハァ……ハァ……」

「メイ、ちょっと……大丈夫?」

メイ「ええ、ええ……大丈夫……大丈夫よ……静」

167 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:36:10.93 N+roWYgH0 154/426

メイ(まさか……私の『ワンダフル・ワールド』の中で自由に動くとは!……『矢』の力かしら。ジョルノに、徐倫……あなどれないわね)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ(しかし……これでもうおわり。私のワンダフル・ワールドは無敵なの。誰にも……邪魔されない。全ての生き物は眠り、夢を見て……世界中みんなが、『友達』に……ふふ……)

168 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:38:02.48 N+roWYgH0 155/426

メイ「ふふ……ウフフフフ……フハハ……」ユラリ

「ちょ、待……メイ、あの――……『四つ葉』――……」

メイ「なあに?」クルリ

「……い、いえ……なんでもないわ。なんでも……」

メイ「?……おかしな静。ふふっ」

「……」

169 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:40:29.18 N+roWYgH0 156/426

(メイ……見たこと無いわ。今まで、そんな『顔』……)

(あたし……あたしは、ただ……メイに、『四つ葉』が……綺麗な顔に、四つ葉がきっと、合うと思って……)

(なのに……あたし、何で?……『恐怖』?……メイに……?)

170 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:45:08.73 N+roWYgH0 157/426

ガサッ

「……え?」

171 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:46:23.66 N+roWYgH0 158/426

静が右手で握っていた『クローバー』は……
いつの間にか……『紙』に変わっていた。

172 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:48:18.83 N+roWYgH0 159/426

「こ、『これ』は……(何年前?もうずっと、ずっと、ずう~~っと昔に、同じようなのを見た。……なのに、何でだろう……)」

(つい昨日か、一昨日のように新鮮で……懐かしくて……)

「……『暖かい』」

173 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:49:40.52 N+roWYgH0 160/426

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「……」ガサリ

174 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:50:37.67 N+roWYgH0 161/426

『つかえ』

「……(覚えてる……確か、前に書いてあったのは……)」

「……『あたま』……」

「……」

(『あたま』……『つかえ』?)

175 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:51:38.55 N+roWYgH0 162/426

「どういう――……」

ド ヒ ュ ゥ ウ ウ

「う……」

176 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:52:17.04 N+roWYgH0 163/426

…………





『いつまで寝てるんだ?お前は』





…………

177 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:53:14.80 N+roWYgH0 164/426

風で目を閉じた静の瞼の裏に
知らない男の姿が、映る。

学生服で、眼鏡をかけた――……。

178 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/07 21:54:37.81 N+roWYgH0 165/426

「……誰?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……

…………

180 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:00:38.73 /2fOk0s80 166/426

…………

ブクブクブクブク……

「……ガボ……ゴボ!……ガボボ!!……く……」

ボコボコボコ

「……助け……けえ……ボコ……」

ボココ

181 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:03:04.65 /2fOk0s80 167/426

――『水の中から見る太陽って――……』
……『ユラユラしてて、案外面白いのね』

静・ジョースターは、水底に沈みながら、ノン気にそんな事を考えた。

182 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:05:08.39 /2fOk0s80 168/426

どうして、あたしは溺れてるんだろう?
どうして、あたしは悲しいんだろう?
どうして、あたしは……なんだか心がカラッポになっちゃった、って、考えてるんだろお?

「…………ゴボ……」

ゴボゴボゴボ……

…………

183 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:06:16.68 /2fOk0s80 169/426

…………





『五日目』





…………

184 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:08:28.02 /2fOk0s80 170/426

…………

ジョセフ『『静』、じゃ。この娘の名前は、『静・ジョースター』』

承太郎『…………』

185 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:10:38.65 /2fOk0s80 171/426

ジョセフ『どうじゃ?承太郎。ピッタリの名前だと思わんか?ン?』

承太郎『まだアメリカの地を踏んでねえのに、気の早いジジイだぜ……』

ジョセフ『知ってるモン、わし。日本では『善は急げ』って言葉があるんだもんのーッ。かわいらしい名前だと思わんか?昔見た日本のアニメキャラも同じ名前だったかのーっ。まあそれは関係ない話じゃが』

赤子『きゃっ♡きゃっ♡』

ジョセフ『お、ほれ見ろ承太郎!喜んどるぞこの娘!うーん、かわいいのーっ』

承太郎『……』

186 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:12:10.97 /2fOk0s80 172/426

承太郎『……『おしとやか』にでも育ってほしいのか?この娘に』

ジョセフ『ん?』

赤子『あばーっ?』

承太郎『いや……日本の名前ってのは漢字に意味があってな……静って名前は、『おしとやか』だとか『穏やか』だとか……そんな意味合いがあるってだけの話だぜ』

赤子『……ういー……』

ジョセフ『うーむ、難しい事を言うのう。『意味』か……確かに、おしとやかな大人のレディーに育つと良いかもしれんのう……』

187 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:14:35.43 /2fOk0s80 173/426

ジョセフ『しかし、そうじゃあのう……『穏やか』という意味があるのなら、わしはこの娘に……『穏やかな人生』を送ってもらいたいもんじゃ』

承太郎『……』

ジョセフ『わしらが命をかけて作った、安全な世界で……何者にも害されず、穏やかにのう』

赤子『ぶーっ……』

承太郎『……そうか』

ジョセフ『しかしの、承太郎。……わしはこうも思うのじゃ』

188 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:16:02.69 /2fOk0s80 174/426

ジョセフ『名前とは重要じゃ。この世で唯一無二を表す記号。皆それをつけられて産まれてくる。……だがのう、『名前の意味を決めるのは、その子自身なんじゃ』』

承太郎『……』

189 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:16:59.24 /2fOk0s80 175/426

ジョセフ『『静』という名前を聞いて、おしとやかな大人のレディーや、穏やかな人生を送っている娘を思い浮かべるかもしれん。……だが、この娘が大きくなった時……『静』という名前に、活発元気でハツラツな娘や、危険を承知で誰かのために動ける娘という意味が、イメージとしてついているかもしれん』

承太郎『……』

ジョセフ『わしはな、この娘……『静・ジョースター』の『名前』が……どう『成長』していくか、今からとても楽しみなんじゃ。『静・ジョースター』と聞いて、皆が何を思い浮かべるようになるかを、な……』

赤子『……アハハ♡』

ジョセフ『……』ニコリ

190 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:18:51.48 /2fOk0s80 176/426

『だから、わしは名付けるんじゃよ。この娘の名前は――……』



『……静・ジョースター』



…………

191 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:20:54.12 /2fOk0s80 177/426

…………



「!!――……ガボ……」



朦朧とした意識の中で見た、今の光景は――……ただの『夢』なのかもしれない。
赤子であった自分が名付けられた時など、誰も覚えていないだろう。

しかし――……

192 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:21:50.45 /2fOk0s80 178/426

(なぜあたしは……泣いてるんだろう?)

ブクブクブク……

(満たされない……満たされない。メイが……『友達』がいるのに)

ボコボコボコ……

193 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:22:46.97 /2fOk0s80 179/426

(そう。あたしは……一人ぼっち。溺れても、だあれも助けてくれない……)

ボコボコボコ……

(あたしは――……『一人』だ……)

194 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:24:17.19 /2fOk0s80 180/426

――ガッ!

ザパアッ!!

195 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:25:28.22 /2fOk0s80 181/426

「!!――……ゲホ!ゴホ!ゲェーホ!……おえ……!」ハァハァ

メイ「静……静!ねえ、大丈夫?……な、なんで溺れて……!」ハァハァ

「……め、メイ……?」

メイ「ええ、ええ!私よ……静!」

196 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:26:35.73 /2fOk0s80 182/426

「……たすけて……くれたの?」

メイ「当たり前じゃあないの!『友達』……なんだから!」

チャプチャプ……

「……『友達』……」

メイ「……な……(何故……?)」

197 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:27:50.69 /2fOk0s80 183/426

メイ(ここは『ワンダフル・ワールド』……私の幸せの世界なのにッ!何故静が……こんなひどい目にッ!?)

「……ごめん、ね。……メイ」

メイ「?」

「あたし、さ……アンタみたいな、最高の『友達』がいるのに……なんでだろう?……『悲しい』の」

メイ「……」

198 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:29:35.58 /2fOk0s80 184/426

「心にドーナツみたいな穴が、ポッカリ空いたみたいで、さ……」

メイ「!!……」

「……幸せよ。アンタといると。だけど……あたし、なんだか……弱くなった感じがする。……『元気』じゃあなく、『おしとやか』に、さ」

メイ「静……静……!」

199 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:31:13.20 /2fOk0s80 185/426

メイ「……いいじゃあないの。『おしとやか』で……貴女はもう、戦わなくて良いんだから……」

「……」

メイ「私が……私が、守るわ。静……わかったの。私は……貴女なしではいられない」

「……」

200 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:32:22.89 /2fOk0s80 186/426

メイ「なんでだろう……そう思うの。世界中のみんなも好きだけど、それでも貴女は……私と同じにおいがする」

「……」

メイ「……大切なの。貴女が」

「…………ごめん。メイ……あたし、アンタのこと……疑ってた。本当に……ごめん」

201 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:34:11.78 /2fOk0s80 187/426

「今の言葉……本心だって、わかるわ。こんなあたしにも、ね……」

メイ「……」

「きっと、この海は……あたしなのよ」

メイ「……『あたし』?」

202 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:35:36.73 /2fOk0s80 188/426

「『あたし』なの。あたしの……『心』……あたしの弱さが生んだ、『心の闇』なの……」

グシャ……

メイ「?……!!……し、静……その、ポケットに入っている……チラリと覗く、その……『紙』は?」

「え?……」

203 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:36:39.67 /2fOk0s80 189/426

「……これ……なんだろう。わからない。拾ったんだけど、なぜか……捨てられなくて」

メイ「……これは……この『紙』はッ!!」



…………

204 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:37:40.09 /2fOk0s80 190/426

…………



メイ「……『双葉双馬』……」

ビ ュ ゥ ウ ウ ウ ゥ ウ

カサカサ……パラパラ……

205 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:39:23.54 /2fOk0s80 191/426

杜王町の、闇の中。
有栖川メイは、数多の紙と対峙した。

地面をふきすさぶ、ボロボロの紙切れに……。

206 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:40:49.90 /2fOk0s80 192/426

メイ「『執念』とでも言うの?……貴方の『執念』が……私の天国を壊そうとしているの?……ちっぽけな!!」

ゥ ゥ ゥ……

メイ「……いえ、『ちっぽけ』ではないわ。貴方の能力は恐ろしい。文字通り、人を超えた私の世界に、死んだ貴方が……いえ、死んだからこそ、貴方が介入するなんて……」

ペラペラ……ペラ……

207 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:42:27.14 /2fOk0s80 193/426

メイ「……けれど、もう……おしまいよ。貴方は」

ペラ……ペラ……

メイ「スタンドパワーなんて、ノミの足先の毛ほどにしか感じない。たとえ貴方が何か出来たとしても……彼女に送れるのは、たったの『一文字』程度のはずよ」

……ペラペラ……

208 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:44:26.08 /2fOk0s80 194/426

メイ「……貴方は、偉大だったわ。私は……正直、貴方が怖い」

……ペラ……

メイ「……けれど……わかったわ。私にも。……自分より誰かを優先する、その心。……すなわち、『愛』」

……バサバサ……

メイ「私は、愛する。……世界中全ての人を。そして……静・ジョースターを」

……

メイ「私は……彼女を、そしてこの世界を……失うわけにはいかないの」

209 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:45:27.46 /2fOk0s80 195/426

バササッ

メイ「…………」

メイの足元に、風に吹かれ、数枚の紙が飛んだ。
ミミズののったくったような文字が、書かれている……。

210 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:46:38.97 /2fOk0s80 196/426

『ほ』
『んし』
『ん』
『か』
『?』

メイ「…………『本心か?』ですって?……見ていなさい。双葉双馬……もうすぐ夜は終わり、朝が来る。……六回目の朝よ」

211 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:48:03.11 /2fOk0s80 197/426

メイ「その太陽が沈み、月が出て、その月が沈み……また太陽が出た時。……見せてあげるわ。双葉双馬。私の……思い描いた幸せな世界を」

……

メイ「もう、私も、静も、世界中の誰も!……傷つかない世界を……本当の天国にいる、貴方に」

……

212 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/08 21:49:21.96 /2fOk0s80 198/426

メイ「『素晴らしきこの世界』は、近い……!!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

…………

214 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:01:51.08 jBOGtbqc0 199/426

…………

その日――……
世界は『闇』に包まれ、完全に『沈黙』した――……。

…………

215 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:04:46.69 jBOGtbqc0 200/426

…………





『六日目』





………

216 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:06:24.41 jBOGtbqc0 201/426

…………

「メイ」

「メイちゃん」

「有栖川くん」

「メイさん」

「メイちん」

「有栖川さん」

「メイ」

「アリスっちぃ」

「メイくん」

「メイちゃん」

「メイ」

217 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:08:00.41 jBOGtbqc0 202/426

「「「有栖川……メイ!」」」

218 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:09:53.88 jBOGtbqc0 203/426

……沈黙した世界の中。
人々は……『夢の中』で、口々にその名を呼ぶ。

219 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:12:04.51 jBOGtbqc0 204/426

メイ「……ありがとう。わたしは、あなたの……『あなた達』の、『友達』よ」

ニコ

220 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:15:08.67 jBOGtbqc0 205/426

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「これが『世界』……『素晴らしきこの世界』」

ゴ ォ ォ オ オ ァ ァ ア ア

221 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:16:33.27 jBOGtbqc0 206/426

「メイ」

メイ「あなたは、『タケシ』……子供の頃、虫取りをしたわね。……夏の暑い日、あなたが熱中症で倒れた時はびっくりしちゃったわ」

「メイちゃん」

メイ「あなたは……『ナンシー』……父親と仲が悪くて、よくわたしの家に泊まりに来たわね。今は仲良くしてるみたいだけど……いつでも頼っていいのよ?」

「アリスガワ」

メイ「『リン』……妹の事大切にしてる?あなたの可愛がりっぷりといったら、わたしがうらやむくらいだわ……フフ……」

222 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:20:42.41 jBOGtbqc0 207/426

「メイ」

「メイちゃん」

「メイさん」

「メイ」

メイ「たった……たった70億、よ。70億人の人生に、わたしが立った。それだけ……それだけの事よ。愛してるわ。みんな……」ハァ、ハァ……

223 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:22:03.54 jBOGtbqc0 208/426

「……メイ、くん……」

メイ「……」

しわがれた声が聞こえた。
そこにいたのは、枯れ木のような老人であった。

メイ「…………」

224 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:23:27.36 jBOGtbqc0 209/426

「…………」

うめき声が聞こえた。
銃弾を受けた兵士が、腹から血を流していた。

「~~~~」

つぶやき声が聞こえた。
少女は薬を大量に飲んで、口から泡をふいていた。

「――――」

泣き声が聞こえた。
赤ん坊が、汚らしい部屋の中で、最後の声をふり絞っていた。

225 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:24:22.51 jBOGtbqc0 210/426

メイ「……わたしは……もう、奪わない。諦めない……切り捨てない」

今にも折れそうな手を
力なく落ちた手を
世界に絶望した手を
小さな小さな手を

有栖川メイは……
優しく、そして、強く握った。

226 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:26:16.73 jBOGtbqc0 211/426

メイ「『カルロス』……あなたと出会えて、良かったわ。あなたが長い間歩んできた道は……素晴らしかった」

メイ「『キース』……辛かったわね。祖国のために、戦ってくれて……ありがとう」

メイ「『ソユン』……あなたのその行動を、止められなかった自分を恨むわ。もっと早く会いたかった……」

227 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:28:57.03 jBOGtbqc0 212/426

メイ「そして……名前のない、終わりゆく未来。……あなたのことは、忘れない」

バ ァ ァ ア ア ア

228 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:31:09.04 jBOGtbqc0 213/426

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「――『神』とはッ!!」

ギラ

メイ「『ここ』にいるのよッ!今、この『地上』に立つのよ!!」

バァ――

229 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:32:21.38 jBOGtbqc0 214/426

メイ「人々が懸命に手を合わせて!必死に祈る先――『天』にッ!!『神』はいるの!?それは……本当に人を救ってくれるというのッ!?『神』とは――……」

バ ン

メイ「それほどまでに偉いのかッ!!天上でふんぞり返り、苦しむ少女一人助けてくれないッ!!信じるものをたった一人でも、本当の意味で救えたのか!お前は――ッ!!」

ゴ オ ッ

230 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:33:25.87 jBOGtbqc0 215/426

メイ「……わたしは『ここ』に立つ。人の死を……苦しみを!悲しみを消すことは出来ない。……それでも!!」

……男の姿があった。
彼は……口元に軽く笑みを浮かべ、背を向けて、有栖川メイから去っていった。

メイ(……これで、良いのよね?……『チェスタ』)

バッ

231 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:35:03.85 jBOGtbqc0 216/426

メイ「わたしが人々の記憶にいることで……人々がわたしを愛し、わたしが人々を愛することでッ!!……わたしは、みんなの『マイナス』をやわらげる事ができる!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……もう、わたしや……チェスタのような、この世界から必要とされていない人間なんて……生み出させない」

232 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:36:29.18 jBOGtbqc0 217/426

メイ「それが、『天国』……『素晴らしきこの世界』ッ!!」

ド ン

メイ「だから……静」

233 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:37:54.05 jBOGtbqc0 218/426

メイ「あなたを、愛させて?」

ドヒュゥ――ゥゥ……

…………

234 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:39:15.01 jBOGtbqc0 219/426

…………

メイ「…………」

有栖川メイは、森にいた。
アメリカだろうか?静の生まれ故郷の、近くの森に似ていた。

235 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:41:04.74 jBOGtbqc0 220/426

メイ(……わたしの事を知らない、地球の裏側のみんなとは……すぐに仲良くなれるわ)

メイ(それこそ一日あれば、新しい人生を追体験出来る)

メイ(だけど、わたしに近い人ほど、じっくり新しい世界となじまなくてはならない……時間をかけて『友達』となる必要がある)

236 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:42:04.46 jBOGtbqc0 221/426

メイ(そして……静。あなたは……わたしを知りすぎている)

メイ(……潜在意識でわたしの世界を拒否している……と、いうところかしらね。……難しい話だわ)

ヒ ュ ウ ウ ウ

メイ(だけど……『七日』ッ!太古の傲慢な神が出来て、新しい神であるわたしが出来ない道理はないッ!!わたしは――作るのよ、世界をッ!)

237 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:42:51.29 jBOGtbqc0 222/426

メイ(そのためには、静――……)

シン……

メイ「……?……静?」キョロキョロ

サァァア……

238 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:43:44.86 jBOGtbqc0 223/426

メイ(……静が、いない?……まさか!また――……)ドキリ

……ァァア……

メイ「!!……ン……」

…………サァァァ……

メイ「…………静?」

239 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:44:44.69 jBOGtbqc0 224/426

メイ「そこの……木の陰……」

「……」

メイ「見えないけれど……静よね?静……そこに、いるの?」

「……」

240 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:46:02.99 jBOGtbqc0 225/426

メイ「……静?」

「…………クッ、ククク……」

メイ「……?ねえ、静……」

「……クク……ふふ……」

241 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:48:00.19 jBOGtbqc0 226/426

スゥーッ

「アーッハッハッハッハ!驚いた?メイ!」

メイ「……ふふ……ハハ!ああ、驚いたわ、静!透明になってるなんて!」

「アーッハッハッハッハッハ!メイ!」

メイ「フフ、ハハハハハハハハ!静!」

メイ「「アハハハハハハハハ!」」

242 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:49:44.86 jBOGtbqc0 227/426

……二人は14歳の姿となって、夢の中にいた。
一年後、静・ジョースターは、杜王町へと旅立つ。
『六日目』にして、『最後の一年』……。

有栖川メイのスタンドは、・ジョースターの『人生』を……。
ほとんど全て、変えていた……。

243 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:50:45.00 jBOGtbqc0 228/426

メイ「静、あまりわたしを驚かせないで……心配したわ。本当に。あなたが消えていなくなっちゃったんじゃあないかと……」

「大丈夫よ、メイ。いなくなったりしないわよ……あたし」

メイ「そう」ニコッ

「それにしても、メイ!驚いたのは、あたしもよ!」

メイ「え?」

244 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:51:24.53 jBOGtbqc0 229/426

「『アクトン・ベイビー』で透明になったあたしを見つけるなんて……かくれんぼ、うまくなったんじゃあないのォ?」

メイ「……ふふ!あなたがどこに消えたって、見つけてみせるわ!だって、わたしたち……」

「……『友達』?」

メイ「そう、『友達』」ニコッ

245 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:52:21.71 jBOGtbqc0 230/426

「……そうね!あたし達、『友達』だものね!」

メイ「そうよ!フフフ……かけ替えのない、『友達』ッ!!」

246 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:55:57.30 jBOGtbqc0 231/426

「『メイ』……アンタっていう、かけ替えのない『友達』……」

メイ「『静』……あなたは、かけ替えのない『友達』……!!」

247 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:57:28.86 jBOGtbqc0 232/426

「……フッフッフ」

メイ「……フフフ!」

メイ「「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」」

248 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:58:58.83 jBOGtbqc0 233/426

「……ハァー……」

249 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 21:59:39.28 jBOGtbqc0 234/426

「……『友達』……かあ……」

ボソリ

メイ「!!……静……もしかして、あなた……また……」

250 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:00:22.08 jBOGtbqc0 235/426

「大丈夫……大丈夫よ、メイ」

メイ「静……」

そっと、メイは静を抱き寄せた。
胸に手をあてて、かるく、擦る。

251 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:01:20.09 jBOGtbqc0 236/426

メイ「まだ、あなたの心には……『穴』が空いてるの?正体不明の『穴』が……」

「……」

メイ「わたしでは、埋められない?」

「……ううん。たぶん……『気のせい』なのよ。穴が空いてる『かも』って……それだけ」

252 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:02:27.62 jBOGtbqc0 237/426

「なにか、ね……大切なものを失ったような……」

メイ「……」

「おかしいわよね?あたし、何も失ってないのに。……失ったのは、『一つだけ』なのに」

メイ「……」

253 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:03:04.94 jBOGtbqc0 238/426

メイ「…………『一つ』?」

ォ ォ ォ ォ ……

254 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:04:23.70 jBOGtbqc0 239/426

「知ってるでしょう?メイ」

メイ「え、あ……そ、それは……」

「……」

メイ「……も、もちろ――…………」

「……」ジッ

メイ「……う、ううッ!……なッ……な――……」タラリ

255 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:05:34.63 jBOGtbqc0 240/426

メイ「…………『何』?その……『一つ』って……」ボソリ

「……」

メイ「……」ゴクリ

256 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:06:35.25 jBOGtbqc0 241/426

「――……森の奥に――……」

257 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:07:34.47 jBOGtbqc0 242/426

――……『崖』があった。

そこまで高くない崖だが……落ちたら大怪我では済まないだろう。
その切り立った崖を覗き込むと、少し下に……『花』が咲いていた。
名もない、小さな、綺麗な花だ。……(なんという名前だろう?)……。

静・ジョースターと有栖川メイは、二人でその花を見た。

258 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:09:24.18 jBOGtbqc0 243/426

「……子供のころの話よ」

メイ「……」

「綺麗よね、あの花。……とても、綺麗で……おじいちゃんに、あげたかったのよ。……あの花を」

14歳の静・ジョースターにとっては、多少の危機はあるだろうが、難なく花を採ることは出来るだろう。
しかし、幼い頃であれば……その危険は計り知れない。

259 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:10:37.15 jBOGtbqc0 244/426

メイ(何?……し……『知らない』……)

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ(わたしが共に歩んだ人生に、その『記憶』はない……こ、これは……?)

260 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:11:37.13 jBOGtbqc0 245/426

手を伸ばし、静は花を手にした。
黄色い花弁が、凛として美しい花だった。

「……『花』を採ろうとして、落ちかけたの。……『冒険ごっこ』をしている時」

メイ「……『冒険』……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ(『冒険』なんて『していない』……『危険』はわたしが守ったのに!何故、その『記憶』が――……?)

261 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:12:41.21 jBOGtbqc0 246/426

「その時、落としちゃって……壊したの。……『サングラス』」

メイ「……『サン――』……」ハッ

「…………」

262 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:13:57.63 jBOGtbqc0 247/426

ウェェエン……

エエン……

…………

263 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:15:04.10 jBOGtbqc0 248/426

…………

『うえ~~ん!ええーん……!』

『どうかしたのかの?……静や……?』

『こわしちゃった……あたし、あたし……こわしちゃったの。大切な……サングラスを……!』

『静……静や。……落ち着くんじゃ。……静や』

『大切な!……大切だったのに!……』

『……壊したものはのう……もう戻らないのじゃ』

『……』

264 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:16:40.97 jBOGtbqc0 249/426

『だから、これから先、同じことがあったらのう……もう、壊さないように。しっかり守るんじゃぞ、静や……』

『……うえええええん……』

…………

265 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:17:47.86 jBOGtbqc0 250/426

「……その時、おじいちゃんは泣き止まないあたしを見かねて……新しいサングラスをくれた。おじいちゃんのお母さんが愛用していた、サングラスを……」

メイ(こ――『これ』は……この『記憶』はッ!)

「単純だった子供のころのあたしは、その時すぐに泣き止んだ。……ジョースター家のものをもらって、嬉しかった……ん、だと思う」

266 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:18:33.10 jBOGtbqc0 251/426

「だけど……だけどね。あたしは……壊したサングラスが欲しかった。……とても、とても後悔しているわ」

メイ「……」

「冒険したことも、おじいちゃんに花を贈ろうとしたことも……後悔していない。あたしは、自分の行動に後悔はしない」

メイ(これは……『ルーツ』……!)

267 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:19:07.88 jBOGtbqc0 252/426

「あたしの後悔は、大切なものを守れなかった事。だから――……あたしは二度と。大切なものは失わないって……決めたの」

・ ・ ・ ┣¨ ┣¨ ┣¨

メイ「……し……静、その『記憶』はッ!」

268 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:20:25.06 jBOGtbqc0 253/426

メイ(『静・ジョースター』を作る根本にして『信念』ッ!!それは、精神の奥そこに刻まれた『魂の記憶』ッ!!わ、わたしは……)

「……ねえ、メイ……」

ス ッ ……

269 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:21:28.67 jBOGtbqc0 254/426

「……なんであたし……『子供のころのサングラスをまだつけてるのかしら?』」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ(わたしは、静を『冒険』という危ないものから遠ざけたのにッ!!彼女の魂は!それを叫んでいる!!わたしの『素晴らしきこの世界』が――……『素晴らしくない』!!と!!……言っている……静は!!声高らかにッ!!)

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

270 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:22:30.85 jBOGtbqc0 255/426

「メイ……あたし……なんだか、『あたしじゃあないみたいだわ』……」

メイ「静……ハァ、ハァ!わ……わたしを……」

271 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:22:58.11 jBOGtbqc0 256/426

メイ「信じて……わたしを――……ハッ!!」

「?……え?」

272 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:23:36.37 jBOGtbqc0 257/426

……静・ジョースターの握っていた『花』が……
いつの間にか、『紙』に変わっていた……。

くしゃくしゃの『紙』に……!!

273 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:24:29.61 jBOGtbqc0 258/426

メイ「わ……わたしは……わたしは!!……わたしを……!!」

ハァーハァー

メイ(負けない……負ける訳がないッ!わたしは、『神』なのよ!世界はすでにわたしのもので、あとは彼女……静だけッ!!彼女を危険から遠ざけて、しっかり守って愛したのに!!……それを、こんな……ちっぽけなウスら汚い『紙』がッ!!わたしと静の甘美なる、神聖な時を……完全な世界を!!……壊せるわけがないッ!!)

ハァー!ハァー!

274 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:25:21.28 jBOGtbqc0 259/426

メイ(あと一歩……もう『一歩』なのよッ!『信じて』って……『あなたの勘違いよ』って!!……『そんなボロい紙がなんだっていうの?』って鼻で笑うだけで!わたしは……静と『友達』になれるッ!真の『友達』にッ!!い……今さら……)

ギリッ!

275 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:26:16.48 jBOGtbqc0 260/426

メイ(しぼりカスみたいなスタンドパワーが、今さらになって何だっていうの!?わたしが過ごした静との追体験はッ!70億人の追体験はッ!!貴方と静の一年にも満たない世界よりも、遥かに広大で!!強大でッ!!壮大なのよ……負けるはずが――負けるはずが――……)

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

「……この『紙』は――……」



ペラ――……

276 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:27:02.52 jBOGtbqc0 261/426

メイ「その『紙』を見るんじゃあないッ!!静ァァア――ッ!!」

バァ――ン

277 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:27:49.29 jBOGtbqc0 262/426

「…………」

278 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:28:22.59 jBOGtbqc0 263/426

有栖川メイが叫んだ時には……すでに静は、くしゃくしゃの『紙』を開いていた。
そこに書かれていたのは、ただ『一文字』……。

279 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:29:27.77 jBOGtbqc0 264/426

『に』



「…………あ」

ゴォォォオオォオォオ……

280 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/09 22:30:16.33 jBOGtbqc0 265/426

風が頬をなぜる。
静・ジョースターは……

……涙を流した。



…………

283 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:00:09.40 664efG6d0 266/426

…………

「うええ……うう……ええ……」

静・ジョースターは……泣いていた。
暖炉の前だ……『思い出』の……。

(『思い出』?何故そう思ったのだろう?静・ジョースターは訝しむ)

284 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:00:52.19 664efG6d0 267/426

ジョセフ「おお、よしよし……泣くのはおよし、静や……静」

静・ジョースターは、ロッキングチェアに座るジョセフ・ジョースターの膝にすがりついて泣いていた。
もうすぐ九十にもなろうというジョセフは、やさしく、彼女の頭を撫でる。

285 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:02:02.26 664efG6d0 268/426

ジョセフ「静や、静……何故泣いておるんじゃ?」

「わからない……わからないの。ただ……あたし、何か……」

286 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:02:41.39 664efG6d0 269/426

「何か、大切なものを……『忘れた』気がして……」

ジョセフ「忘れた、のう……」

……パチパチ……

287 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:03:16.97 664efG6d0 270/426

ジョセフ「それでも静、お前には『友達』がおるじゃあないか。『メイ』という……」

「『友達』……」

ジョセフ「忘れたとしても、『友達』がおれば、安心なんじゃあないかのう」

「……うん。……だけど、ううん」

ジョセフ「?」

288 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:03:59.67 664efG6d0 271/426

「あたしが忘れたものは……もっと、大切なものだと思うの」

ジョセフ「……ふむ。『メイ』よりもかの?」

「うん。……なぜだか、わからないけど……」

ジョセフ「……大切な『友達』よりも?」

「……うん。大切な……『友達』よりも」

ジョセフ「……そうか……」

289 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:04:42.97 664efG6d0 272/426

ジョセフ「わしにはの、『友達』がおらんからの」

「…………」

静・ジョースターは顔を上げた。
今までしっかりと目を見れていなかった事に気付く。
ジョセフ・ジョースターの目は、少年のように輝いていた。

『さっきまでおじいちゃんの目は、こんなに輝いていたかな』

頭の中にかかっているモヤが、だんだんと晴れていく感覚がする。

290 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:05:30.15 664efG6d0 273/426

ジョセフ「不動産業に手をつけてからは、会う人み~~んな商売敵と金狙いのヤツばっかりのようなもんでの~~ッ。あの頃は辛かったもんじゃ!ガッハッハッハッハー」

「うそだあ。だって、おじいちゃんは……」

ジョセフ「うむ?」

「いるじゃん。『友達』ィ~~。ほら!よく聞かせてもらった!冒険、していた頃の……」

ジョセフ「ああ……」

291 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:06:01.95 664efG6d0 274/426

ジョセフ「あいつはのォ……良き友であった。付き合った時間は短いが、共に修行に励み、共に戦い、共に怒り、共に笑い……そして、わしは、涙を流した」

「…………」

ジョセフ「今でも大切な『友』じゃよ。しかし……そうじゃのう。あいつは……『親友』じゃからのう」

「……」

292 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:06:35.01 664efG6d0 275/426

「……『しんゆう』……」ズキリ

ジョセフ「口に出して確認したことはないが、全てが終わった今……心からそう思う。どこかに遊びに行ったことも、盃をかわして飲みあったことも、女性の趣味について語ったこともないヤツじゃ」

「……」

293 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:07:04.64 664efG6d0 276/426

ジョセフ「それでも、言葉にしなくとも……伝わるものはある」

「……」

294 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:07:31.74 664efG6d0 277/426

ジョセフ「わしにはの、夢があるんじゃよ。天国に行ったらのー、思いっきりあいつの顔ぶん殴ってやるんじゃ!『カッコつけて去りやがって、バカヤロー!お陰でこっちに来るまでウン十年もかかっちまったわい!』っての……ガハハ!ちょっぴり不謹慎かの〜〜ッ」

「……」

ジョセフ「……静には、おるのかの?そんな人が……」

「……あたし……あたしは……」

……パチパチ……

295 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:08:00.36 664efG6d0 278/426

「あたしは、メイが『友達』で……」

ジョセフ「…………」

「なんでかって言うと、メイは『友達』だって、何度も言ってくれて……優しいし、守ってくれるし、本当に良い『友達』……」

ジョセフ「…………」

「…………『だけど』……」

296 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:08:32.61 664efG6d0 279/426

「あたしの頭の中に……まるでイカスミパスタのソースが、水の入ったコップの中に飛んだみたいな……ボンヤリした色で……」

ジョセフ「……『姿』が見えるの。そいつは……口が悪くていつもあたしをバカにして、まったくもって優しくなくて、エラソーで……」

ジョセフ「……」

「……だけど……」

ポロッ……

297 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:09:04.11 664efG6d0 280/426

「……いざって時には、守ってくれて……じ、実は……結構やさしくて……さ、さみしがりやで……」

ポロポロ……ポロ……

「あたし……あたし、なんも出来ない、子供なのに……あたしの力を、信頼してくれる……」

ポロポロ……

「すごく、腹立つヤツなのに……い、いっしょにいると、心が……落ちついた。二人で、足りないところを支え合ってるみたいで……あたし……あたしは……!」

298 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:09:50.21 664efG6d0 281/426

「なんで……忘れてたんだろう」

ポロポロ……

ジョセフ「…………大切な人、なんじゃのう」

「……うん……うん。大切よ。アイツは、そう思ってないかもしれないけど……グレートに、さ」

ジョセフ「……静よ。決まったのかのう?心は……」

「……うん。……大丈夫……大丈夫。決まってるの。あたし……あたし……」

299 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:10:37.55 664efG6d0 282/426

「戦うから……戦って、言いに行かないと。一言……たった『一言』だけ……」

ポロポロ……

ジョセフ「……そうか。……なら――……」

300 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:11:14.94 664efG6d0 283/426

ジョセフ「――いつまでもメソメソ泣いてんじゃあねーぜっ!おれの娘がよ――ッ!!」

バ ン

「――!?」

301 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:11:44.54 664efG6d0 284/426

……そこには、年老いたジョセフ・ジョースターの姿は無かった。
筋骨隆々で、若々しく、生命のエネルギーに溢れる……。

全盛期、18歳のジョセフ・ジョースターがそこにいた。

302 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:12:20.34 664efG6d0 285/426

「……え?」

ザッ

303 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:12:56.93 664efG6d0 286/426

……『魂の全盛期』は『エネルギー』となる。
そう。これは『夢』……。

『ワンダフル・ワールド』という『夢の世界』……。

304 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:13:26.65 664efG6d0 287/426

静から漏れ出した『全盛期のエネルギー』は……。
この世界に漂う『全盛期の魂』を呼び集めた。

305 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:14:02.38 664efG6d0 288/426

『空条承太郎』!

『東方仗助』!

『ジョルノ・ジョバァーナ』!

『空条徐倫』!

306 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:15:34.97 664efG6d0 289/426

……『ジョジョ』が、そこにいた。

307 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:16:04.92 664efG6d0 290/426

ジョセフ「このJOJOの娘なら、ムツカシーッこと考えんじゃあねーッ!悪ィーヤツはブン殴ってからでいいのよブン殴ってからで!ウシシ!」

「え?おじい……え?え??」

308 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:16:50.68 664efG6d0 291/426

承太郎「……やれやれだぜ。夢の中とはいえ……若いじじいを見ることになるとはな……うっとーしいのは苦手だぜ」

仗助「……あれじじいかよ……グレートっスねぇ〜〜」

「じょ、承太郎さん……兄さん……!」

309 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:17:29.81 664efG6d0 292/426

承太郎「……静。……泣き虫で、守ってやる立場だと思っていたが……成長したな」

「!……」

承太郎「お前がジョースター家で、本当に良かった……」

「……あ、ありがとう。……あ、ございます」

310 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:18:24.46 664efG6d0 293/426

仗助「やかましい妹がいきなり出来た時は『正気か!?承太郎さんはよ〜〜ッ!?』って思ったが……今じゃあ静。お前のいねぇー生活は、考えらんねえから……よ」

「……」

仗助「戦って!勝って!あの生活をよ……取り戻してくれ。な?静」

「……うん。任せて」

311 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:18:59.84 664efG6d0 294/426

ジョルノ「……なんだがぼくらは部外者みたいで、居心地が悪いですが……」

徐倫「ぼく『ら』って何だ、『ら』って。バリバリ身内だ、あたしは」

「……あなた達は……幼い時、いや、さっき……あれ?いつだっけ?出会ったような……」

ジョルノ「すみません。静・ジョースター。ぼくらはこの、ちっぽけな世界を守ろうとして……敗れてしまいました」

「……」

312 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:19:50.53 664efG6d0 295/426

ジョルノ「全盛期の姿をした魂の欠片は喋れても、本当の魂は未だ、敵スタンドの支配下にあります」

「?……??」

ジョルノ「託します。貴女に、全てを。……だからといってヘンに肩に力入れたりしないで下さいね?ただ、いつも通り……」

「……」

ジョルノ「……貴女は貴女の『世界』を愛して下さい。……いいですね?」

「……うん。よく、わからないけど……」

313 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:20:34.54 664efG6d0 296/426

徐倫「あー……さっきはバリバリ身内って言ったけどさ、よく考えたらキチーンと顔合わせたことは無かったか〜〜ッ……」

「……ええと……?」

徐倫「ま!深く気にしないで。アンタはアンタの思う通りにすりゃあいいのよ。女は強く……ね!」

「……」

徐倫「女『だって』メソメソ泣いていいし、女『らしく』敵をブン殴りゃあいいのよ。結局はモノサシなんて自分で決めな」

「……」

徐倫「『自分らしく』前に進むのよ。一番大事なんだから。それがさァー」

「……『自分らしく』……」

314 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:21:31.11 664efG6d0 297/426

「……ありがとう」

もう、頭にかかっていた『モヤ』は無い。
静は理解していた。

ジョースターの血統を……『ジョジョ』の名を。
心で……『魂』で理解していた。

「皆……みんな……ありがとう。あたし……」

315 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:22:12.24 664efG6d0 298/426

「行ってきます」ニコッ

笑って、静は駆け出した。
もう、振り返らないと決めた。

316 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:22:46.99 664efG6d0 299/426

ちょっと前まで、自分が欲しくて欲しくてたまらなかった、『ジョースターの血統』……。
なんで、あんなに欲しかったんだろう。

317 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:23:23.18 664efG6d0 300/426

血液や、肌の色や、身長や、顔の形や……。
なんで、あんなにもまぶしかったんだろう。

318 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:24:13.04 664efG6d0 301/426

自分の全てが、おじいちゃんと違うかった。
自分の全てが、承太郎さんと違うかった。
自分の全てが、兄さんと違うかった。

とてもうらやましかった。

319 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:24:43.67 664efG6d0 302/426

だけど……。

今はただ……そんなことより。
『有栖川メイ』と、話したいな。

320 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:25:25.69 664efG6d0 303/426

静・ジョースターは、そう考えて、笑った。

「……そっか。あたしって……『静・ジョースター』なんだ……」

ザッ

321 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:26:12.67 664efG6d0 304/426

「うぇ……うええええええん……ええん……うわああああああん……ああん……!」

「!!……」

322 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:26:53.76 664efG6d0 305/426

赤ん坊がダダをこねるような泣き声だった。
いつの間にか、静の目の前に、有栖川メイが立っている……。

「…………」

メイ「うええん…………ひっく、ひっく……!」

「……『メイ』……」

メイ「……やめてよ、静……!」

「……」

323 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:27:56.48 664efG6d0 306/426

メイ「『友達』でいいじゃあないの。あなたも……私もッ!『友達』なんて、いなかったんだから……!!」

「……」

メイ「こうして、私とあなたは子供の頃、『友達』だったッ!一緒に遊んで、かくれんぼや鬼ごっこをしてッ!」

「……」

メイ「一緒に笑って、泣いて、怒って、暮らしてッ!!」

「……」

324 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:29:00.43 664efG6d0 307/426

メイ「ふたりとも、『友達』だったッ!!それで……それでいいじゃあないの……」

「……」

メイ「うう……お願い、静……!」

「……」

325 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:29:31.98 664efG6d0 308/426

メイ「私を一人ぼっちにしないで……あああ……うう……」

ヒック……ヒック……

「……メイ、あたし……」

326 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:30:00.82 664efG6d0 309/426

「知れて良かった、って思うの」

メイ「……」

ヒック……ヒック

327 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:30:42.51 664efG6d0 310/426

「寂しかったのよね。アンタは……あたしと同じよ」

メイ「……」

「だから、『友達』になろうとした。みんなと……みんなと『幸せ』になりたかったのよね」

メイ「……」

328 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:31:19.48 664efG6d0 311/426

「あたしが透明になって見えなくなって、世界中の誰もがあたしを見失っても……」

メイ「……」

「アンタはあたしを見つけてくれる。……そのくらい、アンタは『優しい』人」

メイ「……ええ。ええッ!そうよ!私は――……!!」

「だけどね、メイ」

メイ「!!……」

329 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:31:58.07 664efG6d0 312/426

「自分の『幸せ』をつかむために……他人を踏みにじっちゃあいけないのよ」

メイ「!――……」

チラリ

330 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:32:31.26 664efG6d0 313/426

二人は、一面のクローバー畑にいた。
静は地面の上に立ち、

メイは……三つ葉のクローバーを踏んでいた。

331 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:33:13.86 664efG6d0 314/426

メイ「……静……」

「……」

メイ「……静……静ッ!わたしは、わたしは――……!!」

332 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:34:06.32 664efG6d0 315/426

「日常を守るの」

メイ「ッ!……」

「……アンタが作ろうとした眩しい世界と比べたら、ちっぽけで、きたなくて、こわくて、危ない……そんな、世界なんだけど」

メイ「……」

「それが、あたしにとっての『日常』なの。とってもひどい世界だけど……」

333 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:34:45.03 664efG6d0 316/426

「四つ葉のクローバーが、綺麗だからさ」

メイ「……」

「だから……あたし、行かなきゃ」

メイ「……うう……ああ……やめて……やめてよ、静……!!」

334 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:35:30.61 664efG6d0 317/426

「……会いに行くわ。あなたに」

メイ「……」

グス……ヒック……

「……」クルリ

335 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:35:58.67 664efG6d0 318/426

泣きじゃくるメイに背をむける。
静は、自分の手のひらを見つめた。

「……『アクトン・――』……」

「……」

336 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:36:24.78 664efG6d0 319/426

自分のスタンド、『アクトン・ベイビー』の名を呼ぼうとして……。
首を振る。

337 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:36:59.68 664efG6d0 320/426

『違う』

『そうじゃあない』

『あたしは――』

『今のあたしの力は――……』

338 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:38:02.59 664efG6d0 321/426

「……『ワイルド・ハニー』」

339 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:38:55.95 664efG6d0 322/426

カ ッ



…………

340 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:39:34.91 664efG6d0 323/426

…………

『あたま』

『つかえ』

341 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:40:09.46 664efG6d0 324/426

使おうとして、考えた。
結果、何も出なかった。

342 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:40:47.98 664efG6d0 325/426

最後の1ピースが足りなかったのだ。

『に』

……脳の中で、パズルがピタリとはまる。

343 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:41:18.67 664efG6d0 326/426

『あたま』

『つかえ』

『に』……

344 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:41:56.03 664efG6d0 327/426

『あたま』

『に』

『つかえ』……!!!

345 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:42:42.80 664efG6d0 328/426

ゴウッ

346 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:43:18.34 664efG6d0 329/426

世界が、溶けていく。
全てが白い光となり、静・ジョースターは落ちていった。

347 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:43:59.37 664efG6d0 330/426

消えていく。

消えていく。

世界が、どんどん、消えていく……。

348 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:44:30.15 664efG6d0 331/426

「……さようなら、おじいちゃん……さようなら、メイ……さようなら……みんな」

ゴ オ オ 

  オ オ オ 

      オ オ オ

(消えていく……あたしの世界が、消えていく……)

349 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:45:16.53 664efG6d0 332/426

『……静……おい、静……!』

「……!!」

350 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:45:55.22 664efG6d0 333/426

『……っ、たく……起きるのが遅いんだよ、お前は、さ……』

「……あ、ああ……!!」

『……お前が決めたんなら……それで良い。……曲げるなよ。僕は……僕は、さ。……満足、してるんだ』

ゴ  オ

  オ オ

     オ  オ

351 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:46:36.95 664efG6d0 334/426

『静。僕は……お前に会えて、良かった。本当に……本当に!そう思ってる。心からそう思ってるんだ』

「ま――待って!!」

『……』

「……あ……」

352 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:47:11.06 664efG6d0 335/426

「……――……」

ゴ     オ

             オ     オ

                              オ

『……同じことを、言おうと思っていた。……』

353 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:48:00.32 664efG6d0 336/426

『君の未来に、幸せがあらんことを。願っている。静。……心から、本当に!……願っているよ』

「……」

『……さよならだ。……『親友』』



  オ  オ  オ 

       オ   オ  オ オ

354 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:49:00.27 664efG6d0 337/426

静は……『双葉双馬』が、
よく似た背格好の男と一緒に……

……草原にいる二頭の馬の所へ。

向かっている光景を見た。

355 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:49:49.55 664efG6d0 338/426

『……ありがとう』

356 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:51:07.12 664efG6d0 339/426

「……さようなら。双馬。……あたしの大切な……『親友』」



  オ

    オ

      オ

        オ

          オ……

357 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:51:50.29 664efG6d0 340/426

……「……『ありがとう』」

358 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:53:09.94 664efG6d0 341/426

バァアアァァア――……



……

…………

359 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:54:05.95 664efG6d0 342/426

…………

「……やはり……ふたりでひとり、だったのかも……しれないな」

「――……幸……わせ、に…………」

…………

360 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:55:17.06 664efG6d0 343/426

…………

杜王町の空に、光が差す。
七回目の、朝日だ。

有栖川メイは……黒いドーム越しに、その光を見た。

361 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:56:09.66 664efG6d0 344/426

メイ「……変わるわ。世界が」

・ ・ ・

メイ「静、それに……世界中の人間が」

・ ・ ・

メイ「……『友達』になるの。唯一無二の」

・ ・ ・

メイ「あは、あはははははははははは」

・ ・ ・

メイ「あは、あは、あは……」

362 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:56:53.22 664efG6d0 345/426

メイ「……なんでかしらね、静」

・ ・ ・

メイ「どうしてこんなにも……むなしいのかしら」

・ ・ ・

メイ「ここが……私の『天国』なのに」

363 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:57:26.15 664efG6d0 346/426

ズリッ

364 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:58:10.66 664efG6d0 347/426

ズリッ

「……長い……長い道のりだったわ」

メイ「……」

ズリッ

365 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 21:58:58.14 664efG6d0 348/426

「皆に支えてもらわなければ……」

ズリッ

「あたしは……ここに立つことは出来なかった……」

メイ「……」

ズリッ

366 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:00:03.09 664efG6d0 349/426

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

「あたしは……ここで、アンタと向かい合う事が出来なかった」

メイ「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

367 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:00:54.00 664efG6d0 350/426

メイ「……」クルリ

368 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:01:43.99 664efG6d0 351/426

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

「…………」ズリッ!!

メイ「なッ!!」

369 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:02:18.66 664efG6d0 352/426

「『ワイルド・ハニー』……自分の『記憶』を『透明』に……『クリア』にしたッ!!!」

ド ン

メイ「なッ……な、な……!!」タラリ

「アンタに書き加えられた『記憶』は……『もう無い』ッ!!!」

バ ン

メイ「な――な――……!!」

370 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:02:58.43 664efG6d0 353/426

メイ「なんですってええええええええええええエエエエエッッ!!?」

371 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:03:32.94 664efG6d0 354/426

ド ラ

   ド ラ

     ド ラ ド ラ

        ド ラ ド ラ ド ラ

372 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:04:20.69 664efG6d0 355/426

「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!!!」

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!!!』

373 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:05:22.21 664efG6d0 356/426

「ドォぉぉおおおおオオラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
  ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァァアアアあああッ!!!!」

メイ「イイイイイイイイイイイイあああああああああああああああ!!!!!!!」

ドォ――z__ン!!!

374 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:06:12.42 664efG6d0 357/426

バ キ ィ ン

375 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:06:53.92 664efG6d0 358/426

……『ワンダフル・ワールド』が……

杜王町を覆う『ドーム』が――……

376 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:07:19.80 664efG6d0 359/426

――破壊されたッ!!!

377 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:07:59.94 664efG6d0 360/426

カ ッ

メイ「!!!――……」

ジュッ

378 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:08:38.18 664efG6d0 361/426

……朝の日差しが、杜王町を照らす。

有栖川メイは、光に抱かれた。

379 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:09:18.11 664efG6d0 362/426

メイ(……ああ、なぁんて……)

メイ(…………温かい光……)

メイ(……私が、最後に……)

380 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:10:05.21 664efG6d0 363/426

メイ(……見る光……)

サァァアア――ッ……

…………

381 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:10:48.18 664efG6d0 364/426

…………

バァァ――ッ……

「――ハア!……ハァ、ハア!……」

「……」

……アア……

382 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:11:28.80 664efG6d0 365/426

「……ハァ、はぁ……ハァ~~ッ……まだ、頭がガンガンする……」

「……」

「一生分殴った気分よ。ああ……しんどォ……」

「……」

383 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:12:20.52 664efG6d0 366/426

「…………」

「……」

「……けど!杜王町に光が戻って良かったわ。ホント。にしても……光の中では生きられないってェーのに、これからどうするつもりだったの?」

「……」

「ず~~ッと暗い世界にするつもりだったのかよ?ねえ?……」

384 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:13:06.44 664efG6d0 367/426

「……『メイ』」

「…………」

385 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:13:40.24 664efG6d0 368/426

ム ク ッ ・ ・ ・

メイ「…………どうして……わ、私は……太陽に……?……??」

バン

386 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:14:15.75 664efG6d0 369/426

「『ワイルド・ハニー』……気付いてないの?アンタの身体、『透明』にさせてもらったわよ」

ド ン

メイ「!!」

387 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:14:55.63 664efG6d0 370/426

「『透明』ってのは光が当たらないってことだからさ~~ッ。けどあれ、全身透明にしても目はキチーンと見えてんの、どういうことなのかしらね?アイツも言ってたけど、目ってのは光が当たって……あんま深く考えるとアタマいたくなんのよね。この能力」

メイ「……何を……してるのよ……」

「ン?」

388 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:15:27.05 664efG6d0 371/426

メイ「私は……人を何人も殺したッ!世界をムチャクチャにして……世界を、自分のものにしようとしたのよッ!?」

「……」

メイ「それなのに、貴女は何故……!?こ……殺しなさいよ……能力を破られ、全てを失った私に……もう……」

「……」

389 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:15:55.48 664efG6d0 372/426

メイ「……生きる価値も、生きる目的もないわ……!!」

「……ハァ~~ッ……」コキコキ

390 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:16:26.27 664efG6d0 373/426

「人を何人も殺して、世界をムチャクチャにして……あたしの親友も殺しといて、さ」

メイ「……」

「……『ごめんなさい』の一言もなく、自分は勝手に消える気?」

メイ「……」

「バカバカバカ、よ。ほんとバカ。許せる訳、ないじゃあないの」

メイ「…………」

391 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:17:20.78 664efG6d0 374/426

「……だけど、貴女は本当に……『幸せ』になりたくて、そして……」

メイ「……」

「『幸せ』に『したかった』んだって……アンタの世界にいて、知ったわ」

メイ「……」

392 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:17:55.37 664efG6d0 375/426

メイ「……けど、許されないわよね。……私は」

「ええ。……世界はたぶんムチャクチャだし、アタマを下げりゃあいい訳ではない、わよね」

メイ「……」

「だけど、それをあたし個人が、始末つけていいモンじゃあ、ないわ」

メイ「……」

393 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:18:39.17 664efG6d0 376/426

「生きて償いなよ。あたしは、アンタを殺せない。……甘チャンだからさ。あたしは」

メイ「……」

「生きるのが辛くとも、死にたくなっても、アンタは、生き続けるべきよ。そして……アンタは、優しいから」

メイ「……」

「別の方法で、みんなを幸せにしてあげなよ。……みんなを不幸にさせた、分ね」

メイ「……」

394 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:19:27.38 664efG6d0 377/426

メイ「……また、間違うかもしれないわ」

「かもね~~ッ」

メイ「また……別の道へ進むかもしれないわ」

「ええ、そうね。アンタけっこー思い込むと、こう!な所、あるっぽいし」

メイ「……」

395 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:19:56.78 664efG6d0 378/426

「だけどさ、それでもアンタが、進もうとするのなら……」

メイ「……」

「…………」

ス ッ 

396 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:20:31.04 664efG6d0 379/426

「……今日から始まる新しい世界で……最初の『親友』になってあげてもいいわよ」

397 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:21:25.76 664efG6d0 380/426

メイ「…………は?」

「『は?』じゃあねーわよ。……言っとくけど、こっちはかなりマジなんだから……さ」

メイ「…………」

398 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:22:10.01 664efG6d0 381/426

メイ「…………バカ」

「……」

メイ「……バカ、バカ、バカよ。貴女……本当、バカだわ」

「……」

399 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:22:37.36 664efG6d0 382/426

メイ「……人殺しの吸血鬼を!世界を支配しようとした吸血鬼をッ!!」

「……」

メイ「『友達』ではなく、『親友』?アハハ……バ~~カ……」

「……」

400 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:23:19.44 664efG6d0 383/426

メイ「……」

「……」

401 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:23:45.93 664efG6d0 384/426

メイ「……バカ……」

ポロポロ……ポロ……

「…………」

402 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/10 22:24:20.75 664efG6d0 385/426

バ ァ ァ ア ア ア ァ ァ ア ・ ・ ・

…………

……


407 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 20:59:15.95 vqwhzSy50 386/426



……

…………

408 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:00:28.07 vqwhzSy50 387/426

季節は春、新生活シーズン真っ盛り。
桜の木が立ち並ぶ川岸を、物凄い速度で走る車があった。

運転席に座るのは、凄まじく見事なリーゼントをした30代の男、『東方仗助』
助手席に座るのは、学校の制服を身にまとい、何故か奇妙にも似合うサングラスを額の上に掛けた、16歳の少女……

『静・ジョースター』

409 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:01:45.81 vqwhzSy50 388/426

車内――

「……あのさ、前にも同じことあったよね?丁度一年前だったかな……同じこと言いたくないなあ」

仗助「なんだよ静、カワイクねーぞその顔……まだ十分間に合うぜ。最近のスマホのナビ便利だよな~~。車にナビついてなくても良いルート教えてくれる」

ブゥゥゥゥーン!!!

「なんで寝坊してんのよ、またッ!今日から『二年生』よ、あたしッ!クラス替え早く見てェ――のにさあー!!」

410 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:02:22.67 vqwhzSy50 389/426

仗助「静……おれも寝坊したくてしてるワケじゃあねえんだぜ?しかし那由他ちゃんが小学校に入学となるとよォ、おれもなんか買ってやってお祝いしてえし。その『ついで』で億泰と酒飲むのは普通だよな……あ、ここまっすぐのが近いのか」

ブゥゥウーン……

「あたしにはなーんも買ってくれないくせに!靴欲しいって言ったじゃん!見てよこれェー超カワイイの!スニーカーとサンダルのいいとこ取りでさ……お気に入りリストに入れてず~~っと見てんのよ?あたしッ!」

411 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:03:32.75 vqwhzSy50 390/426

仗助「オメーは別に入学でもなんでもねえ進級じゃあねーか。それに昨日肉食ったろ、牛肉。高かったんだぜ?あれ」

「兄さんが億泰んとこ行くから『二人』でサビシクねッ!ガッチガチにコゲた上に中がナマだったわ!せめて焼いてから行け、焼いてからッ!」

仗助「少しは料理の腕磨きやがれ!なーんにでもオニーサマに頼んじゃあねーッ!!」

ギャーギャー!

「……ねえ……」

412 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:04:36.77 vqwhzSy50 391/426

メイ「ケンカはやめましょう?静……仗助。仲良くしないとわたし、つらいわ……」

……後部座席にいた『有栖川メイ』が、口を開いた。

413 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:05:41.20 vqwhzSy50 392/426

「別にケンカしてるワケじゃあないわよ、メイ。こんなんいつものことよ……アンタってホント、心配性よねえ」

メイ「あら、ごめんなさい。そうだったのね……わたしったら、てっきり」

仗助「……ケッ!おい、静……オメーよお~~」ヒソヒソ

「何?」

414 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:06:54.41 vqwhzSy50 393/426

仗助「ホントぉ~~にコイツ、学校連れてく気かよ?正気か?オメーッ」ヒソヒソ

「?……ガクセーはガッコー行くもんでしょ。クラス替えあるから不登校が急に学校来ても目立ちにくいし、良いタイミングだと思うけど?」

仗助「そういう事じゃあねえよ。それに……太陽どうする気だ?当たったらヤベーんじゃあねえのかよ?」

「全部避けるってさ。ね?メイ」

メイ「ええ。影から影へ移動すればなんとかなるわ。練習したもの……ふふ」

「それに、いざってなったらあたしが透明にするから。まあ問題ないんじゃあないの?」

仗助「……そう言うんなら、いいけどよォ~~」

415 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:07:50.36 vqwhzSy50 394/426

仗助(って、おれはなんで吸血鬼の心配なんかしてんだ?調子狂うぜ……ケエ~~ッ!)

「……あ、兄さんそこの桜の木の影でいいわ。止めて止めて」

仗助「ん……いいのか?まだちょっと距離あるぜ?」

416 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:08:47.50 vqwhzSy50 395/426

「影じゃあないとメイが車から降りられないし……ちょっと歩きたい気分だし」

メイ「仗助が送ってくれたから、時間は少し余裕あるわね……ありがとう。仗助」

仗助「仗助『さん』だ、『さん』」

417 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:09:33.22 vqwhzSy50 396/426

キキッ

バタン

「ん~~~~ッ!いい天気ねえ……気持ちがいいわ」ノビ~ッ

メイ「ええ、本当に……」

仗助「……おい、メイ」

メイ「?」

仗助「……いいか……」ヒソッ

418 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:10:30.81 vqwhzSy50 397/426

仗助「おれはテメェを信用してねえからよ~~……おれの監視の目から外れるからって、好き勝手やんじゃあねえぞ、コラ。もし静を危険な目にあわせるような事があったら、絶対許さねえからな。この仗助くんは~~……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「…………」

419 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:11:23.24 vqwhzSy50 398/426

仗助「それと……ホイ」

グイッ

メイ「?……何?これは」

420 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:12:42.98 vqwhzSy50 399/426

仗助「弁当だよ、ベントーッ。静の血を少し飲んでるだけじゃあ足りねえだろ?普段は遠慮してんのかそこまで食わねえみてーだが、これからは作ってやっから」

メイ「…………」

仗助「いらねえのか?……っていうか吸血鬼ってメシ食えんのか?昨日も肉食ってなかったみてーだが、ガリガリがさらにガリガリになってぶっ倒れんぞ、オメー」

メイ「食べる……食べるわ。……あ、ありがとう」

仗助「……フン!……車とか気ィつけろよ、静。メイ」

「はーい」

メイ「……」

421 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:13:35.82 vqwhzSy50 400/426

ブゥゥーン……

「んじゃ、行こっか?メイ」

メイ「……」

「……メイ?」

メイ「いえ、大丈夫……けど、少し……」

ガクガク

422 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:14:16.77 vqwhzSy50 401/426

メイ「足……震えちゃって」

「…………」

メイ「……あなたのお兄さんは良い人ね。わたしを許さないっていう敵意も感じるけれど……同じくらい、優しさも感じる」

「……」

メイ「だけど、ちょっとの敵意で、わたし、怖がって……ダメね。本当」

423 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:15:18.86 vqwhzSy50 402/426

メイ「これから、どれだけの敵意がわたしを襲ってくるのか……考えると、怖いわ」

「……メイ」

メイ「……」

424 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:16:26.20 vqwhzSy50 403/426

「一歩、進みなさい」

メイ「…………」

「アンタが一歩、進むなら……あたしは、二歩目から、歩いてやるわよ」

メイ「……」

「アンタが決めるのよ。これまで無茶苦茶やった分を、前に進んで、帳消しにするため生きるのか。……ここでクルッと後ろ向いて、全てから逃げ出すのか」

メイ「…………」

ザ ッ

425 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:17:12.50 vqwhzSy50 404/426

メイ「……逃げないわ」

「……」

メイ「決めたもの。どれだけ泥にまみれても……わたしは、進む」

「……そう」

426 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:18:11.68 vqwhzSy50 405/426

メイ「……けど、まだ……震えてるから……」

「……」

427 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:18:55.80 vqwhzSy50 406/426

メイ「手……握ってくれる?」

「……しょうがないなあ、もう」

ギュッ

428 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:19:39.63 vqwhzSy50 407/426

サ ァ ァ ア ア ア ァ ァ ア ・ ・ ・

「……風が気持ちいいわね、メイ」

メイ「ええ。……静」

「んー?」

429 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:20:55.93 vqwhzSy50 408/426

メイ「わたし……あなたに会えて、良かったわ」

「……そうね。……なんか、あたし達……」

メイ「?……」

430 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:21:30.39 vqwhzSy50 409/426

「……こうして出会うために、産まれてきたのかもね」

431 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:22:37.66 vqwhzSy50 410/426

メイ「……ふふっ!それは……素敵ね。とっても……とっても、素敵」

「……なんからしくねー事、言っちゃったわね……あはは」

432 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:23:20.93 vqwhzSy50 411/426

サ ァ ァ ア ア ァ ァ ・ ・ ・

433 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:23:59.57 vqwhzSy50 412/426

風が、二人の髪を、なびかせる。
彼女たちの、左の首の付け根には――……

434 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:24:48.25 vqwhzSy50 413/426

『星』の形に見えなくもない、奇妙な『アザ』が、光っていた。

435 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:25:36.82 vqwhzSy50 414/426

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



    ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……



…………

436 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:26:16.56 vqwhzSy50 415/426

…………





・ジョースターの奇妙な日常――『ワイルド・ハニーは砕かない』

――『完』





…………

437 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:26:50.41 vqwhzSy50 416/426

スタンド名―ワイルド・ハニー
本体―静・ジョースター

破壊力― A スピード―A 射程距離―C
持続力―C 精密動作性―C 成長性―完成

『ワンダフル・ワールド』が人々の魂に記憶を書き込む『鉛筆』のようなものだとしたら、
『ワイルド・ハニー』はそれを消す『消しゴム』のようなものである。
物質を透明にする能力は、有栖川メイの矢の力に呼応し、魂に作用するようになった。

しかし、彼女はそちらの能力は、もう二度と使う事はないだろう……。

438 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:30:02.75 vqwhzSy50 417/426

……………………

439 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:31:05.55 vqwhzSy50 418/426

……………………

440 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:31:48.80 vqwhzSy50 419/426

……………………

…………

……


441 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:32:24.57 vqwhzSy50 420/426

「……らーら、らー……らららら、らら……」

442 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:33:04.31 vqwhzSy50 421/426

「ちょっと、変な歌うたわないでくれません?……ネムくなってくるんですよ、それ聞くと」

「そうかしら?素晴らしい歌だと思わない?」

443 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:33:50.58 vqwhzSy50 422/426

「歌の良し悪しじゃあないですから。ハア……なんであたしがあなたなんかと……」

「不平不満を言ったって何もかわらないと思うわよ?それより、頑張ってお仕事しないと」

「うるさいですね。今、財団からの任務を確認してるんですから。黙ってください」

「……らーら、らー……」

「うたわないでッ!」

444 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:34:35.40 vqwhzSy50 423/426

「あら、この歌には意味があるのよ?今回のお仕事内容……読んでみなさいな」

「ええと……『アメリカ、N州の○○○町にある教会で、神父に懺悔した者が』……『その日から眠れなくなった』?」

「だから、よ~~く眠れるように、わたしは歌をうたうの。らららー」

「……神父がスタンド使いなのか、それともスタンド使いに作られた物が、悪さをしているのか……何にせよとりあえず、神父に聞いてみることにしましょう」

「また能力使うの?ヒドい人ね、あなたって。神父様になんの罪もなかったらどうするの?ねえ……」

445 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:35:14.71 vqwhzSy50 424/426

メイ「『虹村那由他』?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

那由他(16歳)「その時は謝ります。もしもあたしに何かあったら、全力であたしを守りなさい。吸血鬼」

メイ「はいはい……ふふっ!」

446 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:35:52.72 vqwhzSy50 425/426

メイ「退屈しないわね。……この『奇妙な日常』は」





⇐To be continued=・・・?

447 : ◆eUwxvhsdPM - 2021/01/11 21:37:04.83 vqwhzSy50 426/426

8年近くもの間、応援と閲覧、ありがとうございました。
長年積もった言いたいことが山というほどありますが、
長くなるとイタいのでこのへんで。

これにて『静』の物語は終わりですが、双馬の話や10年後の話など、もう少し書いていくつもりです。
(10年後の話は本当に書くかはわかりませんが)
しかし、そこまで行くとジョジョの二次創作ではなく完全なオリジナルとなるので、掲示板では書かず、Twitterやpixivでやっていこうと思いますので。
興味のある方は是非に。
それでは。

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