@唯の部屋
唯「あははは、りっちゃんから借りた『SLAM DUNK』ってマンガおもしろいなー。」
ガチャッ
憂「おねえちゃーん、お昼ご飯だよぉ。ってあれ、マンガ読んでるの?」
唯「そうだよー、『SLAM DUNK』ってやつ!りっちゃんから借りたんだー。」
憂「へぇ、そうなんだー。私も昔それ読んだなぁ。今どこまで読んだの?」
唯「うーんとね、ちょうど翔陽に勝ったとこまで!ただ、この続きがないんだよねぇ…うーん、気になるよぅ…」
憂「今日は土曜日だから、借りるとしたら月曜日になるね。」
唯「う~…読みたい読みたい~!」ゴロゴロ
憂「(ゴロゴロするおねえちゃんかわいい///)」
憂「あ、そうだ!それなら最近駅前に出来たマンガ喫茶に行けばいいんじゃない?あそこなら多分続きも置いてあるよ!」
唯「マンガ喫茶…?あぁ、あそこか!そうしてみるね、憂!ありがとー!」
憂「うん、じゃあ先にご飯食べちゃお、おねえちゃん!」
唯「よしきた~!」
………
@駅前
唯「えーっと…あ、ここだここだ~。よし、入ってみよっと。」
店員「いらっしゃいませー。ご利用時間はどうされますかー?」
唯「あ、そういうシステムなんだ…今日で読み終えちゃいたいからなぁ。んー、じゃあこの7時間パックでお願いします!」
店員「あざーっす。席は27番になりまーす。」
………
唯「ドリンクOK、マンガもOK!よーし、読むぞー!」
一時間経過…
唯「海南に負けちゃったよ…もしかしてこれで終わりなの…?」
二時間経過…
唯「綾南に勝った!メガネ君…」
三時間経過…
唯「豊玉の選手は好きになれないよぉ~。」
四時間経過…
唯「山王強すぎる…勝てっこないよこんなの…」
そして五時間経過…
唯「読み終わったー!すごい、すごいよマンガって!時間の流れを忘れるくらい熱中して読んじゃった!」
唯「でもあと二時間余っちゃった…時間余して帰るのももったいないから、何か他のを借りにいこーっと。」
テクテク…
唯「んー、何か読みたいんだけど、どれがおもしろいマンガなのか全然分からないや…」
唯「どうしよう…ってあれ、もしかして…あずにゃん!?」
ビクッ!
梓「にゃっ!ってあれ、唯先輩じゃないですか。どうしたんですかこんなところで?」
唯「いやー、りっちゃんからマンガ借りて続きが気になったから読みに来たんだけど、二時間余っちゃって困ってたんだよぉ。」
ピクッ
梓「ほぅ、マンガを…ちなみに何を読んでたんですか?」
唯「『SLAM DUNK』ってやつだよ!すっごくおもしろかったー。」
梓「スラダンですか…まぁ、王道ですね。私もあれは読んだことがあります。小菅の活躍によって海南の選手層の厚さをさりげなく表現したシーンは印象に強く残ってます。」
唯「コ、コスゲ?そんな選手いたっけ?」
梓「いえ、こっちの話です。ところで次に何を読むかは決めたんですか?」
唯「それが決まらないから困ってたんだよぉ。あずにゃん、何かおもしろいマンガ知らない?」
梓「ふむ…唯先輩はどういったジャンルが好きなんですか?」
唯「んーとね、おもしろいの!あずにゃんは今何を読んでたの?」
梓「私ですか?私は『喧嘩商売』ってやつを読んでました。でもこれは人を選ぶ作品なので、唯先輩にはあまりオススメできません…」
唯「そんなぁ…じゃ、何ならいいのさ?」
梓「残り二時間で読めてかつ完結済みでおもしろいモノ…じゃあこれなんてどうですか?」
唯「んー、何これ?」
梓「『いでじゅう!』です。柔道のマンガですが、ほとんどラブコメみたいな感じです。あまり有名ではないですが、読みやすくておもしろいですよ。」
唯「んー、聞いたことないなぁ…でもあずにゃんがオススメするならきっとおもしろいんだよね!ありがとうあずにゃん、読んでみるよ!」
梓「はい、是非!じゃあ私も続きを読んできますのでこれで!」
店員「(あのツインテールの子、14時間パックで入ってるのにノンストップでずっとマンガ読み続けてる…すげぇ…)」
………
@平沢家
唯「ただいまー!」
憂「おねえちゃんお帰り、遅かったねー。」
唯「いやー、マンガ喫茶であずにゃんに会ってさ、そこで教えてもらった『いでじゅう!』ってマンガがおもしろくってつい…」
憂「もう、あんまり遅くなりすぎないよう気をつけてね。でも、『いでじゅう!』は確かにおもしろいよね!モリタイシって作者のマンガは私も好きなんだぁ。」
唯「あれ、憂も知ってるのこれ?あんまり有名じゃないってあずにゃんが言ってたんだけどなぁ…」
憂「た、たまたま昔読んだんだよ!あ、それじゃあ部屋で勉強してくるから、そこにあるご飯温めて食べてね!」
唯「りょうかいです!」
トテトテ…ガチャ、バタン!ガチャッ!
唯「でもマンガっておもしろいなぁー。明日もマンガ喫茶に行ってみよっかなぁ。あずにゃん明日もいるって言ってたし。」
唯「どうせならりっちゃんも誘ってみよっかな!りっちゃんならヒマそうだし!」
そして翌日…
律「おーっす!よかったよー、ちょうどヒマしてたところだからさ!」
唯「りっちゃん、おーす!早く行こー!」
@マンガ喫茶
律「ほえー、ここがそのマンガ喫茶かぁ。スゴイ数のマンガだなぁ…」
唯「でしょー!えーっと、あずにゃんは…たぶん昨日はこのへんに…あ、いた!」
梓「あ、唯先輩に律先輩、こんにちは。」
律「いよーっす、梓!何か梓がオススメのマンガを教えてくれるって聞いてさー。」
梓「オススメって…そんなに詳しいわけじゃないですよ。」
唯「いやいや、あずにゃんの知識たるやすさまじいものですよ。」
律「それで梓は今何を読んでたんだ?」
梓「私ですか?私は『嘘喰い』を読んでました。」
律「うわぁ、また何か濃い感じのマンガだな…おもしろいのか、それ?」
梓「ギャンブル漫画は食傷され気味ですが、これはかなりヤバイです!確実にはまります!」
律「へぇー、そんなおもしろいのか…じゃあ私も読んでみるかなぁ。」
梓「はい、ぜひ!唯先輩は今日は何読むか決めてるんですか?」
唯「それがまだなんだよぉ…あずにゃん、何かオススメない?」
梓「またですか…んー、それじゃあ『天使な小生意気』なんてどうですか?これもラブコメで、とってもおもしろいマンガですよ!」
唯「んー、なんか絵が独特だね…他にはなんかないの?」
梓「(こ、この小娘…西森先生の作品を拒んだだと…く、抑えろ!抑えろ私!)」
梓「それじゃあこれならどうですか!『となりの怪物くん』です!絵もかわいいし、話もけっこういけますよ!」
唯「えー、少女漫画は澪ちゃんにでも薦めておいてよぉ。私はもっとこうなんていうか、ギュイーンってくるやつが読みたいんですよ。」
梓「(なん…だと…く、静まれ、怒り…)」
梓「じゃ、じゃあこれならどうです!『ダイの大冒険』です!けっこう古いですが、今読んでも絶対におもしろいはずです!」
唯「えぇ~、なんかこのワニみたいなのがかわいくなくてイヤだなぁ…」
梓「(ぐはぁぁぁぁぁぁ!クロコダイーン!!)」
梓「ハァハァ…ハッ!も、もしかしてこういうが意外と好きなんですか?『NARUTO』です!私は中忍試験で切りましたが…これとかといいんじゃないですか?」
唯「忍者かぁ!これならおもしろそうだね!読んでみるよ!じゃあねー。」トテトテ
梓「くそっ…『天使な小生意気』よりも『NARUTO』をとるなんて…西森先生、すみません!すみません!…ウウッ」
店員「(あの子ガチ泣きしてるよ…うわぁ……うわぁ。)
そしてさらに翌日の放課後…
@部室
澪「りつー!昨日何で電話出なかったんだよ!ヒマだったから一緒にゲームでもやろうかと思っていたのに…」
律「ふん、ゲームか…私はハングマンを提案するぞ!」
澪「え、律…何言って…」
律「私は一向に構わないっ!!」
澪「り、りつぅ~…」
紬「そ、それよりおかし食べよう!今日はマドレーヌ持ってきたの~。」
唯「わ、私が食べたかったマドレーヌを持ってくるとは…やはりこの子…天才か…」
紬「え、え、天才…?あ、ありがとう…」
ガチャッ
梓「遅れてしまってすみません!あれ、みなさんどうしたんですか…」
澪「あ、梓!なんか二人がちょっと変なんだよ…」
ピクッ
梓「ふん、邪気眼を持たぬ者には分かるまい…」
澪「あ、あず…さ?」
紬「なにかしら、あの三人から変なオーラを感じるわ…」
澪「だー!今日の部活はもう終わりだ!こんなんじゃ練習なんてできない!」
@帰り道
澪「な、なぁ律…今日はいったいどうしたんだ?」
律「……」
澪「あ、そうだ!うちに来てマンガでも読まないか?おもしろいのがあるんだ!『となりの怪物くん』ってやつとか、『君に届け』とか!」
律「わりー澪、今日はパスするわ。」
澪「…グスッ」
………
和「それにしても帰りが一緒になるなんて偶然ね。」
唯「そうだねー。和ちゃんは生徒会の帰り?」
梓「(せっかく唯先輩と二人でマンガの話をしながら帰ろうと思ってたのに…)」
和「いや、今日は本屋に寄ってきたの。ほら、これ。」
ピクッ
梓「ほう…何を買ったんですか?
和「今日は『テニスの王子様』と『リボーン』、あとは『ヘタリア』ってやつかな。あんまり有名じゃないから知らないかな?」
梓「(いろんな意味で有名ですよ…こ…こいつ、腐女子か!)」
唯「へー、それっておもしろいの?」
梓「(いかん、これでは唯先輩がそっちの道に走ってしまう!)」
梓「唯先輩、早く帰りましょう!さ、早く!」ガシッ
唯「え、え、え?あ、じゃーねー和ちゃん!」
和「…チッ」
………
@平沢家前
梓「ハアハア…なんかすみません、いきなり…」
唯「いや、まぁ別にいいよー。それよりせっかくだからあがっていきなよ!お茶くらいなら出すよ?」
梓「あ、じゃあお言葉に甘えて…」
ガチャッ
唯「ただいまー!ういー、あれ、ういー?」
梓「いないみたいですね…」
唯「買い物かなぁ…まあいいや、あがってあがって~。」
梓「はぁ、お邪魔します。」
………
唯「でもさぁ、あずにゃんもホントにマンガ詳しいよね。」
梓「いやー、そんな…そういえば憂はマンガとか読むんですか?」
唯「いや、あんまし読んだりするの見たことないなぁ。でも、やけに詳しいんだよねぇ。」
梓「部屋にけっこう置いてあるんじゃないですか?ちょっと見てみましょうよ!」
唯「お、あずにゃんもワルだねぇ。じゃあ見てみよっか!」
トテトテ
梓「ここか…(なんだろう、何か黒いオーラが)」
唯「じゃあ開けるよ!」
ガチャガチャ、ガチャガチャ
唯「あれ、カギがかかってる!いつからこんな…」
梓「ここまでくると余計怪しいですね…唯先輩、ちょっと離れてください。このカギなら、このピンで…」
ガチャガチャ、ガチャン!
唯「あ、開いた!あずにゃんすごーい!」
梓「昔これもマンガで読んだんです!さあ、入ってみましょう!」
ギイー
唯「あれ、意外とふつーの部屋だね…」
梓「(いや、何かが…)」
キョロキョロ
梓「ちょっとこの押入れの中見ますね!」
ガラッ
唯「こ、これって…」
梓「すごい数のマンガですね…」
梓「『HUNTER×HUNTER』に『多重人格探偵サイコ』、『ベルセルク』に『Y氏の隣人』まで…他にもたくさん…」
唯「なんか…いろいろとすごいマンガが多いみたいだね。」
ガチャ、タダイマ―
梓「や、やばい!憂が帰ってきた!」
唯「あずにゃん、この押入れの下の方に隠れて!私がなんとかごまかすから!」
梓「は、はい…」
憂「おねえちゃーん?二階にいるの?」ギシ、ギシ…
唯「あ、うーん!ごめんね、憂の部屋を掃除してたんだ!」
梓「(なんだろう、憂の気配からすごい威圧感が…)」
ピクッ
憂「あれ、おかしいな…カギがかかってたはずだけど。」トテ、トテ…
唯「い、いやー、カギはかかってなかったよ。」
梓「(く、来る…)」
ガチャッ
憂「…そっか。掃除してくれてたんだ、ありがとうおねえちゃん!」
唯「そんなお礼なんていいよー。それより憂、そろそろ晩御飯にしようよー。」
憂「そうだねー、下に行こっか!」トテトテ
唯「(ほっ…無事ごまかせたぁ。)」
梓「(た、助かった…)」
憂「あ、ところでおねえちゃん!」ピタッ
ビクッ
唯「え、ななな、なにー?」
憂「なんで…押入れに生きた人間がいるのかなぁ…?」ニタァ
唯「えっ…」
梓「(ひ、ひいぃぃぃぃぃ!!!)
憂「ねえ、なんでかなぁ…?」
………
クチュ…
クチュ、クチュ…
憂「それで気になって部屋をあさっていたと?」
ビクンビクン
梓「あ、あっあ…はあぁ…」
クチュ、クチュ…
憂「それにおねえちゃんも加担したんだよね?」
ビクッ!ビクッ!
唯「は、はひ…」
憂「そっかぁ…それならたっぷりお仕置きしないとねぇ…」
唯梓「ひ、ひいぃぃぃぃぃ///」
おわり
………
唯「はぁ、はぁ///」
梓「はぁ、はぁ///」
唯「憂のおしおき…すごかったね、あずにゃん///」
梓「…はい///」
唯「ところであずにゃん、憂の持ってたマンガはどんな内容なの?」
梓「そうですねぇ、どれも何というか衝撃的な描写が多いマンガですね。」
梓「特に、『多重人格探偵サイコ』の脳に花を植える描写は…知りうる中でもトップクラスにグロいです。」
唯「うぇ~、そんなマンガの何がいいんだろ…」
ピクッ
憂「おねえちゃん、何か言った?」
唯「ぴいっ!何でもないです!」
梓「それはそうと…唯先輩、和さんには気をつけてくださいね。」
唯「えー、どうして?」
梓「なんというか…いえ、とりあえず気をつけてください。」
唯「うーん、分かったよあずにゃん。」
その少し前…
和「あーあ、唯たちにも布教したかったんだけどなぁ…ん、あれって…」
澪「律のやつ…何か私悪いことしたのかなぁ。」
澪「あー、考えてもしょうがない!『君に届け』でも読んで気分転換しよう!」
澪「(それに風早君ってすっごくかっこいいから憧れるんだよな!)」
和「………」ニヤッ
和「澪!何してるの?」
澪「あ、和…いやぁ、ちょっといろいろあってね。」
和「ふーん、何か訳ありって感じなのね。もしよかったら家に来て少し話でもしない?相談くらいにだったらのるわよ。」
澪「へ、い、いいのか?何かいきなりだし…」
和「何いってるの、友達でしょ?」
澪「の、のどかぁ…」
@和の家
和「さ、とりあえず座って。」
澪「あ、ありがとう(何かやけに薄い本が多いな…)」
和「それで澪、何があったの?」
澪「うーん、私もよく分からないが、なんだか律の様子が変なんだ…」
和「変って…いったいどんなふうに?」
澪「なんかそっけないというか、冷たいというか…何言ってるかもよく分からないし…」
澪「もしかして、私が何か怒らせたのかなぁって…」グスングスン
和「ほぅ…」
澪「なぁ、和はどう思う?」
和「こういうことは考えられないかしら…澪は悪いことした覚えはないのよね?」
澪「ない、ないよ!それで…いったい?」
和「女の子には興味がなくなって、男同士に興味がわくようになったってことよ。」
澪「お、男同士?男に興味がわいたんじゃなくて、男同士に興味がわくってどういうことだよぉ?」アセアセ
和「つまり、女子高に通うことで女の子同士の世界にうんざりしたのよ。」
和「その反動から、男同士の世界に…ってことよ。」ドヤ
澪「そ、そんなことって…」
和「信じられない気持ちは分かるわ。でもこれしかありえないじゃない…」
澪「わ、私はいったいどうしたらいいんだ和!?教えてくれよぉ…」ウルウル
和「澪は律がそういった趣向に走ったからって友達をやめたりはしないわよね?」
澪「す、するわけないだろ!それでも私はり、律のこ…いや、律とは親友だ!」
和「だとしたら…私たちにできることは律を理解してあげることじゃないかな?」
澪「…そうだ、そうだよな。私はもっと律のことを知りたい!」
和「その手助け…私もしていいかな?」キラッ
澪「の、のどかぁ!」ダキッ
和「(ふふ、落ちた…)」
………
澪「これを、読めばいいのか…?」
和「そうね、まずは初心者の入門書的な『リボーン』からいきましょう。」
澪「なんだかなにから何まですまないな、ほんとに…」
和「気にしないで、澪。私はもうハサミと天井でもイケる域に達したから、そういった本はなくても大丈夫なの。」
澪「ハサミと、天井…?それっていったい…」
和「ふふ、気にしないで!さ、澪はそれを読んで律のことを理解してあげなさい!」
澪「あぁ、ありがとう!それじゃあ!」
和「(計画通り)」ニヤァ
それから数日後…
@部室
唯「あーずにゃん!前に勧められた『貧乏神が!』もすっごくおもしろかったよ!」
梓「喜んでもらえてよかったです!あれはSQのなかでもかなり良い作品だと思います!」
唯「うふふ、ほめてつかわそう!」ダキッ
梓「にゃっ!やめてください!」アセアセ
紬「あらあらうふふ(一時はどうなるかと思ったけど楽園は健在ね)」
律「私も最近はギャンブル漫画以外にもはまっちゃっててさー。最近は『バジリスク』ってやつにハマっちゃったよ。」
梓「あれも名作ですよね。特にラストは…」
律「あー!まだ途中なんだから言うなよ!」
ガチャッ
澪「ごめん、遅くなった!」
律「あーら澪ちゅわん、ずいぶんと長いトイレだったのね。」ニヤニヤ
澪「いや、違うから。」
律「(あれ…なんかいつもならここで怒鳴ってくるはずなのに…)」
紬「(こ、これは…律澪コンビに何が…)
律「そ、そんなこと言って相変わらずおっきいムネだなぁ!」ムギュ
紬「キマシタワー」
律「(こ、これなら…)」
澪「…(軽蔑の目)」バッ←律の手を振りほどく
律「え…え?」
紬「なん…だと…」
梓「これって…まさか…」
ガチャッ
和「澪、いる?」
澪「あ、のどか~!どうしたんだ?」
和「どうしたも何も、今日はこのあと即売会に行く約束でしょ!」
澪「あ、そうだった!すまない、今日の部活は休むから!」ソソクサ
和「それじゃあ、さようなら」チラッ
梓「!!」
和「フフン」
梓「ギギギ…(あんのクソヲタ腐眼鏡めぇ…)」
………
唯「ね、ねえねえあずにゃん…これっていったいどういう…」
紬「私もまったく事態が把握できない…」
律「」ポカーン
梓「み、澪先輩は…腐女子になっちまったんです!」
紬「ふ、腐女子?」
梓「腐女子ってのは…いわゆる男同士の絡みが大好きな人たちのことです。言ってしまえばゲイ好きみたいなものです。」
紬「け、汚らわしい」ゾゾゾゾ
律「な、なんでそんな…」
梓「許せねえですよね…本来、少年漫画ってのは少年のために生まれたはずなのに…」
梓「それを勝手に気持ち悪い世界に変えてしまいやがるんですよ、腐女子ってやつは…」
唯「(あずにゃん、なんでアニェーゼみたいな口調に…)」
律「そ、それならどうしたらいいんだ…」
唯「ショック療法として、憂のマンガを強制的に読ませるってのはどうかな?」
梓「多分あのマンガを読んだらショックすぎて死ぬかと…」
梓「それに、澪の横にいるクソヲタ腐眼鏡の前ではそれさえも効くかどうか…」
唯「で、でもあんなにグロいマンガなんだよ?それなら…」
梓「唯先輩、腐女子の前には男、いや、『概念』さえあればどうにでもされてしまうのです…」
梓「それはさながらアウレオルス…」
唯「(あずにゃん、禁書目録にはまってんのかな…)
紬「中和させましょう!!」クワッ!!
唯「ちゅ、中和?」
紬「腐に対抗するには…百合しかないわ!」
律「ゆ、百合って…いったい?」
梓「いわゆる、女と女の絡み、レズみたいなもんです。それはさながら白井黒」
紬「なかのぉ!!」クワッ!!
梓「にゃっ!?」ビクッ
紬「百合と言えやぁ…!」
梓「は、はひ…」ウルウル
唯「なるほど、つまり中和することで澪ちゃんをノーマルに戻すと…」
紬「そういうことよ。」
梓「あとは澪先輩をどうやってあのクソ眼鏡から離すかですね…」
紬「それも任せてちょうだい。斉藤」パチンッ
シャシャシャッ
律「い、今のは…?」
紬「気にしないで。うちの者を少し動かすだけだから。」
………
和「澪、そっちは買えた?」
澪「あぁ、完璧だ!さぁ、次はどこへ行こうか?」ワクワク
シャシャシャシャッ「ンムー、ノド…」
和「ふふ、焦りすぎよ澪。次はあっちよ…って、澪?」
和「い、いない…」
和「まぁいいか。次のを買いにいってからで。」
………
澪「…んんん。」
澪「こ、ここは…?」
?「いらっしゃい、百合の館へ。」
澪「お、お前はいったい…私に何をするつもりだ…」
?「あらあらうふふ、そんなに構えないで。人間本来のあるべき姿に戻すだけだから。」
澪「な、ななな何を…」
?「ここには『ささめきこと』、『青い花』から、『侵略!イカ娘』や『ひだまりスケッチ』まで、百合や可愛い女の子が揃ったマンガを用意したわ。」
?「今からこれを…24時間ずっと見せ続ける!」
澪「ひ、ひいっ!!やめてくれ!」
?「そんなに恐がらないで…来るのよ澪ちゃん、こちら側へ。」
澪「イヤだぁぁぁぁぁ!」
3時間後
澪「うぅぅ、獄寺君、山本君…」グスグス
?「汚らわしい男のことなんて忘れなさい!」
?「ほら、こんなにサエさんとヒロさんは美しい…」ウットリ…
澪「くっ!誰がそんなまやかしに屈するか!」ツーン
6時間後
澪「はぁ、はぁ…」
?「辛そうねぇ、澪ちゃん。ほら、こっちには桃源郷が広がってるわよ…」
澪「く…くそみそテクニックでも…いいから…」
?「ななな、何言ってるの!」ビシーン
澪「うぅぅ、和ぁ…」
その頃
和「デュフフ、豊作豊作♪」
12時間後
?「ほら澪ちゃん、イカちゃんってとーっても可愛いのよ。抱きしめたくならなイカ?」
澪「イカ…娘?」
?「そう、イカ娘!早苗との絡みはサイコーよ!」
澪「ギギギ…タケル…悟郎…マーティン…クラーク…」
?「この子…数少ない男から…油断も隙もないわ!!」
18時間後
?「そろそろ堕ちてきたようね…」
澪「ゲソ…ゲソ…」
?「…少しイカちゃん成分強かったかしら?他のも混ぜて見せるべきね。」
澪「オトコ…キタナイ…ユリ…」
その頃
和「ちょ、これはヤバイって過激すぎ!ブヒー!」
そして24時間後…
紬「気分はどう、澪ちゃん…?」
澪「正直…生まれ変わった気分だ。でも…悪くはない、かな。」テレテレ
紬「さ、帰ってりっちゃんのとこに行ってあげなさい!」
澪「ああ!ありがとう、ムギ!」ダダッ
紬「うふふ、これでまた楽園に戻るわ!」
澪は走った。律のもとへと…
澪「律…律!」
ドンッ
澪「いたっ!…すいません、大丈夫ですか?」
憂「いえ、こちらこそ…って澪さん?」
澪「あぁ、憂ちゃんだったのか!はい、落としてたぞ!これは…『学園黙示録』?」
ピクッ
憂「澪さん…見てしまいましたね…」
澪「いや、これは、その…」
憂「言い訳はいいんです、さぁ、こちらへ…」ゴゴゴゴ
澪「うううう、もうマンガなんてこりごりだぁぁぁぁぁ!」
おわり