1 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:02:07.216 e3WGDom40 1/32

「スマホに映像が送られてきたと思ったら……なんだこれは」

DQN『このお城がなんだか分かるゥ~?』

「まさか……」

DQN『魔王城で~す!』

『今まで隠しててすまない……我々二人はずっと魔王軍と戦い続けてきたのだ』

「なんだってぇ!?」

DQN『せめて最後の戦いぐらい見てもらいたくて、リアルタイム映像を送ってま~す!』

「なんてこった……!」

元スレ
DQN「イェ~イ見てるゥ~? 今からお前の彼女と一緒にこのお城に入りま~すw」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1606467727/

6 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:05:26.753 e3WGDom40 2/32

「なんで!? なんで二人が魔王軍と……!」

『私の家系は実は勇者の一族でな……』

『生まれながらにして、魔王と戦うことを運命づけられてきたのだ』

「だからってなにも君が……!」

『血には逆らえぬ。宿命とはそういうものだ』

「……!」

DQN『お前が止めたい気持ちも分かる。だが、俺たちは止まるわけにはいかねえんだ!』

DQN『さあ、魔王城に入るぞ!』

8 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:08:08.083 e3WGDom40 3/32

DQN『魔王城は薄暗いでぇ~す! あちこちに不気味な装飾がありまぁ~す!』

『まったく悪趣味な……』

魔物A『おい……侵入者だぜぇ!』

魔物B『八つ裂きにしてやる!』

「魔物がたくさんいるけど大丈夫か……?」

『問題ない。はあああああっ!』

ザシュッ! ズバッ! ザンッ!

「つ、強い!」

18 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:11:27.579 e3WGDom40 4/32

デーモン『ガアアッ!』ズバッ!

『でやっ!』ズバッ!

デーモン『グゥゥ……』ズシン…

『傷を負ってしまったか……』

DQN『問題ない、すぐ治す! 癒やしの光よ……』パァァァ…

「DQNヒーラーかよ!」

DQN『これでも聖職者の家系なんでな』

「なんでグレたんだよ」

DQN『お前の彼女をキズモノにはさせねえぜ!』

「上手いこといいやがって」

21 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:14:04.561 e3WGDom40 5/32

『だあっ!』ザンッ!

『であっ!』ザシュッ!

DQN『癒やしの光よ……』パァァァ…

『む、明らかに今までとは違う扉がある』

DQN『すげえ魔力を感じるぜ……』

「気をつけろ! 強敵がいるはずだ!」

23 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:17:11.807 e3WGDom40 6/32

≪土の四天王・ゴーレム≫

ゴーレム『来たか、勇者ども』

ゴーレム『捻り潰してくれるわァ!』

『ふん、そうはいくか!』チャキッ

『でやぁぁぁっ!』

ザンッ!

DQN『腕を斬り落としたぜ! これで勝負ありだ!』

「いや……」

ゴーレム『グフフフ……』ズボッ

『腕が生えてきただと!?』

26 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:20:08.356 e3WGDom40 7/32

ゴーレム『アースパンチ!』

ドゴォッ!

『ぐっ!』

『でやぁぁぁぁぁっ!』

ザシュッ! ズバッ! ザンッ!

『ダメだ、いくら斬っても再生されてしまう!』

DQN『こんなのどう倒せばいいんだ!?』

(おいおい、胸にこれ見よがしに点滅してるコアがあるじゃないか!)

29 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:23:33.864 e3WGDom40 8/32

「胸だ! 胸のコアを狙うんだ!」

『そうか、胸か!』

『たああああっ!』

ザシュッ!

ゴーレム『グオオッ! グゴオオオオオ……!』サラサラサラ…

DQN『ゴーレムが土に還っていく……』

『ありがとう、助かった!』

「いやぁ、どういたしまして」

32 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:26:50.223 e3WGDom40 9/32

≪水の四天王・ウォータードラゴン≫

ドラゴン『よくぞここまでたどり着いた……』

ドラゴン『褒美に我が水のブレスを喰らうがよい!』

ブシュゥゥゥゥゥゥッ!!!

『うわあああああっ……!』

DQN『すぐ回復するぜ!』パァァァ…

(水で濡れた彼女もすげえ色っぽい……って俺はなに考えてんだ!)

33 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:29:16.677 e3WGDom40 10/32

『水のドラゴンなら話は早い!』

『火属性攻撃で、蒸発させてやる!』

『火炎斬!』ズバボワァッ!

ドラゴン『ぬ……』

『火炎斬!』ズバボワァッ!

ドラゴン『勇者とは、この程度かァ!』ブシュゥゥゥゥゥッ!

『なんだと!? あまり効き目がない!?』

「そりゃ、水に火ってあまり効き目ないでしょ……」

37 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:32:20.572 e3WGDom40 11/32

「水に効くのはやっぱり雷だ! 雷で攻撃するんだ!」

『おおっ、なるほど!』

『雷鳴斬!』ズババリィッ!

ドラゴン『ぐおおっ!?』

『トドメだ! 雷鳴斬!』ズババリィッ!

ドラゴン『ぐはぁっ……!』ズズン…

DQN『よっしゃ、四天王二人目も倒せたぜ!』

「ふぅ……よかったよかった」

40 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:35:48.366 e3WGDom40 12/32

≪風の四天王・トルネード≫

『なんだこいつは……』

DQN『竜巻じゃねえか!』

トルネード『クゥ~ックックック!』ビュゴォォォォォッ

トルネード『オレは竜巻が魔物化した存在……切り裂いてくれるわ!』

ギュオオオオオオッ!!!

『ぐあああっ!』

DQN『ぐおおおっ!』

「なんていう切れ味だ!」

41 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:41:26.638 e3WGDom40 13/32

『だああああっ!』

バチンッ!

『ぐああっ!?』

トルネード『クゥ~ックック! 剣など効くか!』

『ダメだ! まとも斬りかかってもハネ飛ばされてしまう!』

DQN『こんなの勝てっこねえよ!』

「……渦だ」

DQN『え?』

「台風でいうところの“目”……渦の中心に飛び込むんだ!」

42 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:43:19.790 e3WGDom40 14/32

『よし……』ダッ

トルネード『トドメだ! まとめて切り刻んでやる!』ギュオオオオッ!

『ハアッ!』バッ

『竜巻の中心へ――』

トルネード『し、しまった中に飛び込まれた!』

『内部から貴様を散らせてやる! 乱れ斬り! でやぁぁぁぁぁっ!』ズババババッ!

トルネード『ぐわああああっ……!』

DQN『よっしゃあ!』

「……なんとかなったか」

43 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:45:25.413 e3WGDom40 15/32

≪火の四天王・ダークフレイム≫

フレイム『……』

『これが……最後の四天王?』

DQN『ただの黒い炎じゃねえか』

「そいつの火力は凄まじいぞ! 甘く見るな!」

フレイム『……』ゴォワァァァァッ!

『あづっ!』

DQN『なんだこりゃあっ!?』

45 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:49:11.012 e3WGDom40 16/32

『だが、炎なら水で攻撃すればいい! 水流斬!』ザバズバァッ!

フレイム『……』ゴォワァァァァッ!

『なんという高熱! 水などとても通用しない!』

DQN『水がダメならどうやって倒せばいいんだよ!?』

「火が燃えるには酸素が必要だ」

「その部屋を密室にして、酸素を遮断してみるんだ!」

『分かった! やってみる!』

『たあっ! どりゃあっ!』ズバッ! ザンッ!

ズズゥン…

47 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:52:26.958 e3WGDom40 17/32

『出入り口を塞ぎ、完全に空気を遮断したが……』

フレイム『……』

フレイム『……』ジジ…

フレイム『……』ボボ…ボボボ…

フレイム『……』ジュゥゥゥ…

『やった! 酸素がなくなったことで燃え尽きたようだ!』

「作戦大成功!」

48 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:54:29.377 e3WGDom40 18/32

「ところで……酸素がなくなったのに平気なの?」

『私は呼吸しなくても一時間は生きていける』

「さすが勇者……」

DQN『……』ピクピク

「だけどDQNはヤバイ! すぐ外に連れ出してくれ!」

『しっかりしろ、DQN!』

DQN『うう……バイクの3ケツはいいけど、酸欠はゴメンだぜ……』

51 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 18:57:12.225 e3WGDom40 19/32

『ついに最深部に到着したな』

DQN『ああ、ここに魔王がいる!』

「……」

『今こそ魔王を倒し、宿命を断つ時だ!』

DQN『おう!』

「……」

『魔王覚悟ォ!!!』バァンッ!

53 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:00:11.213 e3WGDom40 20/32

「よく来たな」

「あれ、なんで……?」

DQN「どうしてお前がここに……!?」

「まだ分からんのか。勘が鈍い奴らだ……」

「俺が魔王だからだよ!」

「なんだってぇ!?」

DQN「信じらんねえ……!」

55 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:05:08.931 e3WGDom40 21/32

「お前らが勇者とその相棒ってことを俺に隠してたように、俺も自分が魔王ってことを隠してたってことだ」

DQN「ウソだ……!」

DQN「だってお前、スマホを通じて四天王を倒すのに協力してくれたじゃねえか!」

「あんなもん、俺がお前らを倒す楽しみがなくなるからに決まってるだろうが」

「さあ、行くぞ! 我が魔力を味わうがよい!」

ズガガガガァァァァンッ!!!

「ぐあっ!」

DQN「くうっ!?」

56 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:08:25.571 e3WGDom40 22/32

「フハハハーッ! 俺を倒さなきゃ世界は闇に包まれるぞ!」

「魔王はいくらでも魔族を生み出せるんだからな! 四天王だって蘇らせてやる!」

「お前は大切な人だったが……魔王ということなら容赦はできない!」

「覚悟ッ!」

ズバッ!

「うぐっ……!」ヨロッ…

「……!」

「すまぬっ!!!」ダッ

(これでいい……)

DQN「!」

57 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:10:26.300 e3WGDom40 23/32

DQN「やめろ!」ガシッ

「DQN、なぜ止める!?」

「そうだ……戦いの邪魔をするな……」

DQN「俺は見たぜ……お前が一瞬微笑むのを」

「う……」

DQN「お前、もしかして……倒されたがってるんじゃないのか?」

「……!」

58 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:13:59.229 e3WGDom40 24/32

DQN「いやもっというと、お前そのものは魔王じゃない」

DQN「上手くいえねえが、お前の中に魔王がいるんじゃ……?」

「DQNのくせに鋭いじゃないか……。そう、その通りだよ」

「この俺の中には魔王が巣食っているんだ」

「どういうことだ?」

「お前が勇者の血を引くように、どうやら俺も人でありながら、遠い遠い祖先が魔王らしくてな……」

「大昔に死んだ魔王が何十もの世代を経て、血を通じて力を蓄え、ついに俺の中で蘇りやがったんだ」

「魔王は少しずつ少しずつ俺を侵食していき……魔族を復活させ、こんな城を生み出し……」

「今だって自由意志があるように見えるが、実際にはかなり行動を制限されてる」

「気づいた時には自殺すらできないありさまになってしまった」

「俺を倒せるのは勇者だけ……だから、俺はずっと勇者を待ってたんだ」

「まさか……お前たちが来るとは思わなかったけど」

59 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:17:09.902 e3WGDom40 25/32

「もし魔王が俺の中で完全に覚醒したら、もはやお前にも勝ち目はない!」

「だから俺がまだ人であるうちに、殺すしかないんだ!」

「お前がいったように人は血には逆らえない。宿命を断つにはこれしかないんだ!」

「……!」

(私の彼氏は魔王だった……とはいえ乗っ取られてるも同然の状態……)

(殺したくはない……! しかし、やらねば……!)グッ

(それでいい!)

DQN「やめろぉ!!!」

61 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:20:27.225 e3WGDom40 26/32

DQN「やめてくれぇ……」

DQN「俺は見てるゥ! 今までずっとお前らがデートしたり、愛し合ってた姿を!」

DQN「そんなお前らが殺し合うなんて……俺には耐えられねえよ……」グスッ

「DQN……」

「DQN……」

「そうだな、私にはお前を殺すなど考えられぬ」

「もしお前が魔王となってしまい、世界が滅ぶとしても、殺すことなどできぬ……」

「私はとてつもない過ちを犯すところだった……」

63 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:23:45.526 e3WGDom40 27/32

「しかし……!」

「これでいいんだ」

「お前が完全に魔王になってしまったら、そうしたら必ず私が倒す」

「無理だったとしても、私に後悔はない……」

「私は勇者失格だ。だが、これこそが一人の女としての私の決断だ……」

「ううっ……俺だって……俺だって……」

「本当は死にたくなかったよ……。少しでも長くお前と生きたい……」

64 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:26:28.332 e3WGDom40 28/32

『グオオオオオオオオオオッ!?』

「!?」

『ク、クルシイ……! ナンダコノ波動ハァ……!』モクモクモク…

モワモワモワモワモワ…

魔王『ハァ、ハァ、ハァ……』

「なんだこいつは!?」

「邪悪を具現化したような……」

DQN「そうか……勇者と魔王という宿命を超えた二人の愛が! 愛の波動がッ!」

DQN「魔王を体内から追い出しやがったんだ!」

65 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:29:05.058 e3WGDom40 29/32

魔王『グ……くそっ! こんなことになるとは――』

「よくも人の体を乗っ取ってくれたな! このヤドカリ野郎!」

「覚悟しろ!」チャキッ

魔王『ほざけ! たとえ実体がなくとも貴様ら如きィ!』グワッ

ドゴォォォォォォンッ!!!

シュゥゥゥゥゥ…

魔王『フハハハハ! 終わりだ! まとめて消し飛びおったわ!』

66 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:32:42.911 e3WGDom40 30/32

「ありがとう、DQN!」

「魔王の攻撃が当たった瞬間、回復してくれたとはな!」

DQN「へっ、タイミングバッチリだぜ!」

魔王『なにい!?』

「さあ、お前もこの剣を持て」

「うん」ガシッ

魔王『よせ……やめろ!』

「お前は勇者と魔王……二つの力によって滅ぶのだ!」

「家賃は……お前の命で払ってもらう!」



ザンッ!!!



魔王『ウギャァァァァ……!』

魔王(実体のない状態で……倒されたら……復活でき、な……い……)ボシュゥゥゥゥゥ…

68 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:36:02.531 e3WGDom40 31/32

「……やったな!」

「ああ!」

「……」ウルッ

「どうしたの?」

「お前を殺すことにならなくて……本当によかった……」

「よかったよぉ……生きてるよぉ……!」ギュッ

「コラコラ、勇者に涙は似合わないぞ」

「もう……勇者じゃないもん……」

ギュッ…

69 : 以下、5... - 2020/11/27(金) 19:38:40.742 e3WGDom40 32/32

DQN「……」

DQN「おっとこれ以上見てるわけにはいかねえな!」

DQN「俺は一人でお城の外に出るぜ」ザッ…








― 完 ―

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