1 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:18:42 Yai.ggnc 1/46

ピンポーン…

「ん…お客さん」スッ

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン…

(何回も…うるさい…)ガチャ

2 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:21:13 Yai.ggnc 2/46

「こ…こんばんは!はじめまして女と言います!」フルフル

「あ…はい…こんばんは」

「と…とりあえず中に入れてください!」フルフル

「…はい?」

「いや…ほら…寒空で立ち話もなんですし…チェーン外してください!」ガチャガチャ…

3 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:22:59 Yai.ggnc 3/46

「すいません…知りもしない人を家に上げるわけにはいきません」パタン カチッ

「開けて…開けてぇ~」ガチャガチャ

「開けて…ください…」カチャカチャ…

4 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:24:05 Yai.ggnc 4/46

シーン…

「…静かになったけど、もう居ないかな?」カチャ

女は倒れていた

「大丈夫ですか…?」

チェーンを外し、声をかける

5 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:25:38 Yai.ggnc 5/46

「…」ガバッ!サササッ!

「お邪魔します!」ニコッ

「…」

6 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:26:49 Yai.ggnc 6/46

~部屋~

「温まります…」

「迷惑なので、それ飲み終えたら出ていってくださいね」

「やっぱり突然こんな風に~はダメですよね…」

「通報されてもおかしくないですからね?」

「うぅぅ…ごめんなさい…決して悪いことしようとしてじゃないんです…」

7 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:28:01 Yai.ggnc 7/46

「じゃあ一体なんの用があったんです?」

「しばらくの間…一緒にいてほしくて…」

「警察…今からでも遅くないですよ?」

「ま…待って…」

8 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:29:19 Yai.ggnc 8/46

「私…未来が見えて…これからあなたに良くないことが起こるから…それを知らせたくて…」

「ツボとか買わされる感じですか?」

「違いますっ!!」

「その不幸の起こる日が過ぎ去るまで一緒にいたいんです!」

9 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:31:04 Yai.ggnc 9/46

「それでお金しぼり取られる…と?」

「取りません!!信じてください!ただそばにいさせてもらえればいいんです!」

「まぁ…俺に害がないならいいですけど…」

「大丈夫です!私の事はおかまいなくです!」

「ならまぁ…お好きなように…」

「やった!それじゃ準備しますね」タタタッ…

10 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:34:07 Yai.ggnc 10/46

「んしょんしょ…」ドサッ!

「その荷物は…」

「お泊りセットです!」

「…泊まるんですか?」

「一緒に~ですから♪」

「…俺の不幸って夜の間に起こるの?というかいつ起こるの?」

11 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:35:30 Yai.ggnc 11/46

「秘密です!」

「…まぁ…部屋は余ってるし…いいか…」

「ふんふ~ん♪」ガサゴソ

「すごい荷物ですね…そのぬいぐるみは…」

「これがないと眠れないんです!」

「はぁ…」

12 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:36:40 Yai.ggnc 12/46

「ふんふ~ん…」グキュルル~

「…」

「…」グキュルル~

「…」チラッ

「…(こっち見んな)」

「…」ジ~

13 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:38:59 Yai.ggnc 13/46

「ご飯作ればいいんですか?」

「…」コクコク

「余り物しかないですからね」

「ありがとうございます♪」

14 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:40:59 Yai.ggnc 14/46

「美味しいです!」モグモグ

「それはどうも」

「男さんて料理上手なんですね!」

「なんで俺の名前を?」

「だから…未来が見えるんですって」

15 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:42:10 Yai.ggnc 15/46

「ふ~ん…不思議なこともあるんだね」

「あんまり驚かないんですね」

「詐欺師とかなら俺の名前くらい知ってて来るでしょ?」

「詐欺師じゃないです~!!」

「はいはい」

16 : 以下、名... - 2015/11/13(金) 20:44:15 Yai.ggnc 16/46

「…あの…さっきはおかまいなくって言ったんですけど…もし男さんがよければ…私…彼女みたいな立場に…してほしいなて…」

「ん~…お金は出さないよ?」

「大丈夫です!彼女として~でいいんですか?」

「お好きなように」

「男さん!大好きです!」

「言われて悪い気はしないね…騙されないように注意しないと…」

「~♪」モグモグ

17 : 以下、名... - 2015/11/14(土) 23:08:11 SUWOT3s6 17/46

私はもうすぐ死ぬ…

通り魔に刺されて…

運命って不思議で…変えようとあがいてみても、結論までは変えられない…

未来を見通す力…見通せるだけで、なんにもできない…

普通の女の子として過ごしてきた…それが私が見てきた、私の未来だったから…

18 : 以下、名... - 2015/11/14(土) 23:10:16 SUWOT3s6 18/46

私の死期がこんなに早いなんて…それだけが悲しかった。

被害者は2名。私と男さん。
私が襲われるのを男さんが目撃して、助けに入ってくれて…そのまま…

すごく勇敢で…優しい人だなって…ずっと思ってた

お礼が言いたい…死ぬ間際の一瞬だけしか会えないなんていや…死ぬ前に男さんに会ってみたい…

19 : 以下、名... - 2015/11/14(土) 23:25:37 SUWOT3s6 19/46

「女さん?」

「…は!はい!」

「どうかしました?」

「少し考えごとしてました」アセアセ

「そうですか、お風呂用意するのでよければ入ってくださいね」

「あ…ありがとうございます」

20 : 以下、名... - 2015/11/14(土) 23:27:06 SUWOT3s6 20/46

「用意できましたよ。着替えとかはありますよね?」

「はい……の…覗かないでくださいねっ!!?」

「不安なら、近くのお風呂屋さん行ってもらってかまいませんよ?」

「…ごめんなさい…いただきます…」シュン…トボトボ

22 : 以下、名... - 2015/11/15(日) 09:43:36 UtAa2SDk 21/46

チャプン…

「覗かないで~なんて言わなくても、男さんは覗いたりしないんだけどね…」

「温かい…」

「会えて…よかったな…」

「…って!!なんで落ち込んでるの!?私!!」

「元気出して!明日から男さんといっぱいデートして思い出作るんだから!」

「デート…デート…男さん…」ドキドキ…プクプクプクプク…

「でもなんでだろう…この先どうなるのか見えない…今までは運命と違う行動しても、結末までの未来は見えたはずなのに…」

23 : 以下、名... - 2015/11/15(日) 09:55:45 UtAa2SDk 22/46

「お風呂上がりました!」

「それじゃあ俺入ってくるね…通帳とか…盗まないでね?」

「盗みません!」プンプン

「言ってみただけです。この部屋、使ってください。布団も敷いておいたので、よければ先に休んでくださいね」ニコ

「…色々ありがとうございます…」

24 : 以下、名... - 2015/11/15(日) 10:13:18 UtAa2SDk 23/46

「さっぱりしました………」

男のベットで寝ている女

「…」

「…」クルッ…スタスタ…モソモソ

布団に入る男

「!!」バッ…スタスタ…モソモソ

布団に一緒になって入り込む女

「なにがしたいんですか…」

「カップル…ですもん…!」ドキドキドキドキ

「…好きにしてください」

25 : 以下、名... - 2015/11/15(日) 10:27:44 UtAa2SDk 24/46

「あの…今日は突然訪ねて…こんな強引なことして…本当にごめんなさい…」

「…」

「失礼なのは承知してて…それでもこうしていたいんです…」

「…」

「数日後には居なくなりますから…私のわがまま…聞いてください…お願いします…」

「大丈夫ですよ。色々突然すぎて驚きましたけど、嫌ではないですし、好きなようにしてください」

「…だ…抱きしめてください」

「…えっ?」

「抱きしめて…ください…」

「…」ギュッ

27 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:50:21 clUZvhD2 25/46

「ふぇ…朝…?」

「…あのまま寝ちゃってたんだ…」

シーン

「…男さん…」キョロキョロ

シーン

「お仕事行っちゃったのかな…」

(デート…したかったのに)

28 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:51:47 clUZvhD2 26/46

ジャ~…ガチャ…
「!?」ビクッ

「…おはよう女さん」ファァ…

「あ!おはようございますっ」

「…どうかした?」

「いえっ…何でもないです(トイレだったんですね、全然気が付かなかった…)」アセアセ

「朝ごはん作るね」

「は…はい!」ニコッ

29 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:53:12 clUZvhD2 27/46

朝食

「…」モグモグ
「…」モグモグ

「…あの…」
「ん?」

「今日ってお仕事ですよね?」
「今日は休みとったよ」

「えっ!?」
「家に知らない人だけ残して出かけられないでしょ?」

30 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:54:17 clUZvhD2 28/46

「…私そんなに信用ないですか…?」
「冗談だってば、せっかくだし、どこか出かけようか」

「私もお願いしようと思ってたんです!いいんですか?」
「デートだね」

「///」…モグモグ

31 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:55:37 clUZvhD2 29/46

水族館

「わぁ~男さん男さん!とっても綺麗ですよ~」キャッキャ

「そうだね~」

ショッピング

「…どうですか?似合いますか?」モジモジ

「ちょっと大人っぽすぎるかな…こっちの方が女さんらしいかも」スッ

「子供服じゃないですか~!!」ムキーッ

32 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:57:05 clUZvhD2 30/46

帰りの電車

「楽しかったです!」

「それはなにより」

「男さんは楽しかったですか?」

「楽しかったよ」

「…男さんてあんまり感情を表に出さないんですね」

「そんなことないよ」

「そんなことあります!」

「…私はとっても楽しかったです」

「あの…もっと近くに寄ってもいいですか?」

「いいですよ」

ピトッ

「…これからもずっと…こうしていたい…です」

「…そうだね」

33 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 21:59:47 clUZvhD2 31/46



「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」

「とっても美味しかったです!」

「それはよかった」

「でも…食後のデザートが食べたいです!」

「ないです」

「食後の運動を兼ねて、コンビニに買いに行ってきます!男さんはなにか欲しいものありますか?」

「それじゃあ同じのをもう1つお願いできますか?」

「分かりました!買ってきますね!」スタスタ…パタン

「…」

34 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 22:01:18 clUZvhD2 32/46

夜道…暗がりの向こうからパーカーを深くかぶった人が歩いてくる。

すれ違う瞬間…私は襲われ…お腹を刺される…

声も出せないまま塀にもたれる私、通り魔がナイフを構えなおし、私に突進してくる…

私は死を覚悟して目をつむる…

2度目…新たな痛みはなくて…目をあけるとそこには男さんが居た。

35 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 22:02:25 clUZvhD2 33/46

男さんは私を守って、背中を…

私は力が抜けてそのまま崩れ落ちて…

男さんは通り魔へと向き直って…

通り魔は邪魔が入ったからか、そのまま逃げていった…

それを見届けた男さんは、そのまま地面に倒れて…

私も目の前が少しづつ暗くなって…未来が終わる。

「今日…なんだよね…」

36 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 22:13:20 clUZvhD2 34/46

「これで…男さんは家に居るから…助かるよね…」スタスタ

「何もしてなければ…男さんは仕事帰りで、この道を…」

「私は運命にちゃんと従うんだから、男さんの命くらいは見逃してくれるよね?運命取り繕うために男さんを瞬間移動!とかしないでよ?…ねぇ…神様…」スタスタ…

37 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:00:30 clUZvhD2 35/46

(…あの人…)スタスタ…

前からパーカーの男

(男さん…ごめんなさい…デザート…買って帰れない…)スタスタ

通り魔がナイフを取り出す

(…死にたくない…男さん…助けて…)

38 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:01:42 clUZvhD2 36/46

目を固く閉じる女

グサッ

(あれ…痛くない…)

「大丈夫?女さん…」

「!?」
「なんで…」

「あはは…痛いね…これ…」

女は力が抜けて崩れ落ちる

39 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:03:34 clUZvhD2 37/46

「俺のことは心配ないよ、女さんが無事でよかった…さてと…」クルッ…

「…逃げるなよ?」

通り魔「…チッ」クルッ…

「○○会社勤務の○○××だろ?」

通り魔「…」ピタッ

40 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:05:20 clUZvhD2 38/46

「仕事でだいぶストレスためてるみたいだけど、その発散方法がこんなことか?」

通り魔「…」

「その仕事でのストレスもあんたがちゃんとしてないからだろ?」

通り魔「うるせぇぇぇぇ!黙れぇぇぇ!」クルッタタタタッ

41 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:06:33 clUZvhD2 39/46

(怒りにまかせた突進…ギリギリでかわして、足をかけ転ばせる)

ガシッ…ズシャア…

(体制を立て直す前に、ナイフを持つ手を踏みつけナイフを奪う…)

グイッ…

(腕を取り、上に乗り見動きを封じ、ナイフを突きつける…)

42 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:07:34 clUZvhD2 40/46

「暴れたら刺す…俺も人生どうでもよくなってんだ…人を殺すことだって、やろうと思えばいくらでもしてやる…」

「ただな…自分の人生がどうでもいいからってな…他の人間を不幸にする行いはダメだ」

「まだあんたならやり直せる。警察行くぞ」

通り魔「…」

43 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:12:44 clUZvhD2 41/46

男はそう言って通り魔の上から降り、ナイフを捨て、警察に通報した。

通り魔は警察が来るまで、同じ体制のまま動くことはなかった。

通り魔は素直に警察の指示に応じ、連行されていった。

男はそのまま病院へ。女も付き添い。
警察への説明も終え、二人だけの時間。

44 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:44:01 clUZvhD2 42/46

「いや~、お医者さんいわく、このケガじゃ死なないって!よかったね女さん!」

「よくないですよ!すっごく心配したんですから…そもそも…なんであの場所に男さんが…」

45 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:45:30 clUZvhD2 43/46

「ん…あのね、読心術…」

「…読心術?なにを言ってるんですか?」

「女さんて本当に未来が見えるんだね、びっくりしたよ」

「…?」

「女さんに未来を見通せる力があるように、俺の場合は人の心が見えるの」

「!!」

46 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:46:39 clUZvhD2 44/46

「女さんの心も会った時から見てて、悪い人じゃないな~て分かったし、むしろ好意を抱かれてて嬉しかった」

「…」

「女さんが見てる未来も当然のように見えてさ、俺死ぬのかよってね」

「…」

47 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:47:35 clUZvhD2 45/46

「でも女さん、あの場所に一人で行くんだもん…心配したのはこっちだよ?」

「…ごめんなさい」

「女さん、通り魔に刺されそうになった時、死にたくない~助けて~て、最初から言ってもらえてれば、もっと力になったのに…」

「…ごめんなさい」モジモジ

「とりあえず女さんが無事でよかった」

48 : 以下、名... - 2015/11/22(日) 23:48:47 clUZvhD2 46/46

「あとね、運命は変えることはできないって思ってるみたいだけど…」

「本気になれば、なんだってできると思うんだ」

「…」

「今まで変えられなかったのは、女さんができないって諦めてたからで」

「きっと今回は女さんが本気になったから変えられたんだよ?」

「頑張ったね女さん♪」ヨシヨシ

「…」

「それでね…俺もわりとすぐに諦めちゃう人間でさ…」

「でも本気にならなきゃなって思ったことがあって…」

「…?」

「女さんが…よければなんだけど…」

「これからも彼女として…付き合っていただけますか?」

「…はいっ!」ニコッ

おわり!

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