紬「え?」
律「はっ!」
律(いったい私はなにを言ってるんだ? ムギがかわいい? いや、それはある意味世界の真理と言っても過言でもないけど)
紬「りっちゃん。はあはあしてるけど大丈夫?」
律「ああ、全然。いやあ相変わらずムギはかわいいなあ!」
紬「え?」
律「あ゛?」
元スレ
律「」むぎ可愛いいよむぎ・・・ハァハァ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289229114/
紬「り、りっちゃん……?」
律「い、いや違う! ムギのイれるお茶は美味しいなあって言ったんだよ! う、うははは……」
紬「そうなの? ごめんなさい。もっとべつのなにかに聞こえたから」
律「気のせい風のせい北極星」
紬「りっちゃん汗やたらかいてるけど……」
律「いやあ今日は暑いなあ!」
律(冷や汗が止まらない!)
律(落ち着け私! ムギがかわいいのは今に始まったことじゃない!)
紬「はい、りっちゃん。今日のお菓子はラスクなんだけど、どの味がいい?」
律「えっと……プレーン味で」
紬「はい、どうぞ」
ぴとっ
律「む、むぎゅううううううううっっ!」
紬「りっちゃん!?」
律(ムギの指の先っちょが私の手に……って、なにをパニクってんだ!?)
紬「今日のりっちゃんなにかおかしい気がするんだけど」
律「そ、そんなことはない! 私はいたって正常だって」
紬「そう? なんだか悪い薬でも飲んだみたい……」
律「とんでもありません。私、田井中律は琴吹紬様に誓って絶対に麻薬とタバコはやりません」
紬「そ、そう?」
律「ああ、だからムギ」
紬「なあに?」
律「結婚してくれ」
紬「……え?」
律「え゛?」
律(ぐわあああああああああああ私はなにをほざいてんだああああああ)
紬「やっぱり今日のりっちゃんはおかしいと思うの」
律「うん。さすがに私もこれはおかしいかもしれない」
紬「ちょっといい?」
律「ん?」
ぴとっ
律「!!!!????」
律(私とムギのおでこが触れ合っているだと!?)
紬「……うーん、少し熱があるかも」
律「あ、あばばばばば……」
紬「りっちゃんの顔色が赤を通り越して土気色になってる……!」
律「だ、大丈夫だ! 私はいたって正常だ!」
紬「でも……」
律「大丈夫! 大丈夫だから信じて!」
ガチャ
澪「お待たせ」
唯「掃除疲れたよ~。今日のお菓子はなに、ムギちゃん?」
紬「今日のお菓子はラスクだよ」
唯「むーぎちゃん♪」ダキッ
紬「きゃっ」
律「!!」
澪「珍しくムギに抱き着いてるな、唯」
唯「だって今日あずにゃんお休みなんだもん」
紬「うふふ。唯ちゃんあったかい」
唯「ムギちゃんはもっとあったかいよ」
律「ユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネ
ユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネユイシネ
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澪「律?」
律「……はっ! また私としたことが!」
澪「?」
律(本当に今日の私はどうしてしまったんだ? ちょっとこれはやばいかも)
澪「なんか様子が変だけど大丈夫か?」
律「うるせー。私は大丈夫だ」
澪「む……人が心配してるのにその言い方はないだろ」
紬「澪ちゃんの言う通りよ。今日のりっちゃんは絶対変だもの」
律「いや、私は変じゃない! 恋してるだけだ!」
澪「は?」
紬「え?」
唯「りっちゃんが恋愛!?」
律「え? あ、ああ……」
紬「りっちゃんに好きな人ができたの!?」
澪「そ、そんな……」
律(さっきから私はなにを口走ってんだ!?)
唯「誰? 私の知ってる人!?」
紬「私、りっちゃんの好きな人知りたい!」
律「ああ! もう! 澪、ちょっと来い!」
ぐいっ
澪「え? 私?」
律(さて、勢いにまかせて音楽室を飛び出してしまったわけだが)
澪「律、急になに?」
律(今私が怒っている異常を話せるのは澪しかいない気がする……ていうか妙に澪の顔が赤いな)
澪「律?」
律「ん? ああ……いや、そのさ。ちょっと今言った恋のことで悩みがあるんだ」
澪「……」ポッ
律「顔めちゃくちゃ赤いけど大丈夫か?」
澪「……大丈夫」
律「どうもさっきから私は変なんだ」
澪「うん」
律「胸がやたらキュンキュンするし、変なことばかり口走るし」
澪「その原因が恋のせいだと?」
律「いや、恋じゃないと思う……思いたい」
澪「珍しく煮え切らない感じだな。はっきり言えよ」
律「うん」
律「ムギを見てるとハアハアしちゃう」
澪「」
律「それだけならまだマシだと思う」
澪「あらヤダ私の友達が変態だわ」
律「いいから最後まで聞いてくれ」
澪「うるさい! 私は音楽室に帰らせてもらうぞ」
律「お前しか相談できる相手がいないんだ!」
澪「……わかった。一応最後まで聞くよ」
律「ありがと」
澪「それで? 律はムギにハアハアしてどうなるんだ?」
律「いや、もしかしたらこれは恋なんじゃないのかなって……」
澪「ねえよ」
律「うん、普通そうだよな。ありえないよな」
澪「だいたいそれって……れ、レズビアンってことだろ?」
律「……まあ、そうなるのかな」
澪「女子高の中じゃあレズビアンも珍しくないって聞くけど……まさか律が?」
律「そんなしゃべるナマゴミを見るような目で私を見るな」
澪「悪いけど私には理解できない」
律「まあ、お前みたいに恋に恋してるやつにはわからないだろうけどさ」
澪「なんだと?」
律「あ、いや、ごめん。ガンつけないで」
澪「ていうか律は結局、私になにを相談したいんだ?」
律「わからん」
澪「音楽室に帰らせてもらいます」
律「待て。待て待て。今、私が音楽室に帰ったらもしかしたら悲劇的なことが起きる」
澪「悲劇?」
律「……かもしれない」
澪「やっぱり戻る」
律「待て。聞け。私はさっきからやばいんだ!」
澪「なにが? どんなふうに?」
律「私、さっきからムギ見る度に無意識にハアハアしてるんだぞ」
澪「……」
律「ついでに言うならかわいい、とか呟いちゃったりさ」
澪「キモチワルイ」
律「わかってるって。自覚はしてるけど、でも芽生えた思いは抑えれない……みたいな?」
澪「……」
律「なあ、澪」
澪「なに?」
律「助けて。さすがにこのままだと危険な気がするんだ」
澪「と、言われてもなあ」
律「私がレズビアンになってもいいのかよ!?」
澪「それは……」
律「イヤがるムギを無理やり押し倒してあんなことやこんなことをしちゃうかもしれないんだぞ!」
澪「……」プシュー
律「あ、悪い。ちょっと過激な発言だったな」
澪「……ばか」
律「うーん、今の澪の『ばか』もなかなかかわいかったけど、やっぱりムギみたいにときめけないな」
澪「どうでもいいわ」
律「ていうか、マジでどうしよう?」
澪「いったん音楽室に戻ってみたら?」
律「え?」
澪「案外、そういうのって勘違いだったりするだろ?」
律「……澪が恋愛を勘違いとか言うとなんか泣けてくるな」
澪「うるさい」
律「というかさすがに勘違いでハアハアはしないと思うんだけど」
澪「いいから戻ろう。お腹すいた」
律「……実はお前、めんどくさくなっただけだろ?」
澪「まあ、少なからずそんなことを思わなかったこともなかった」
律「まあ、解決策も見つからないし、とりあえず音楽室に戻るか」
澪「うん。そうしよう」
唯「あ、りっちゃん澪ちゃんおかえりー」
律「や、やあ」
律(ただ音楽室にいるだけなのにムギと同じ空間にいると思うと……やばい、昇天しそう)
紬「りっちゃん、さっきの話なんだけど……」
律「んん? な、なんだったっけ?」
紬「恋愛の話」
律「あーあ。……その前にムギのお茶飲みたいなあ」
紬「じゃあみんなでお菓子食べながら、りっちゃんの恋愛話しましょ」
唯「恋ばなだね!」
紬「~~♪」
律(落ち着け。いや、今のところ私は落ち着いている)
唯「にしてもりっちゃんが恋愛かあ」
澪「……」チラッ
律「澪、こっち見んな」
律(大丈夫だ。私はきわめて落ち着いている)ハアハア……ムギ、かわいいよお
紬「え?」
律「あ゛?」
唯「りっちゃん、今なんて言ったの?」
律「え、ええと……」
澪「……」
律「む、ムギ、喉かわいたなあハアハアって言ったんだよ?」ムギ、かわいいよお……ハアハア
紬「……」
唯「……」
澪「……」
紬「ねえ、りっちゃん」
律「な、なんでしょうか?」
紬「私にはりっちゃんが私のことをかわいいって言ってるようにしか聞こえないんだけど」
律「ハアハア……かわいいよおムギいぃ」そ、そんなことねえから!
唯「……私にもそういうふうにしか聞こえないよ」
律「み、澪?」
澪「唯とムギと同じだ」
律「あ、あははははハハハハアハア」
律「すいません、今日は帰らせてもらいます」
紬「う、うん。トラックにひかれたりしないようにね」
律「はい、気をつけます」
澪「明日もきちんと学校来いよ」
唯「バイバイりっちゃん」
律「はい、ありがとうございます」
律(死にたい……)
律「……」トボトボ
律(ああ、今まで同性愛とかキモいとか思ってたけどいざ自分がなると恐ろしいな)
「あれ? そこにいるのは律先輩じゃないですか?」
律「……梓じゃん」
梓「今日は部活はどうしたんですか?」
律「いや、梓こそなにしてんだよ? お前部活来てないじゃん」
梓「私、今日学校を風邪で休んだんです。今も病院の帰りです」
律「そうなんだ」
梓「それにしてもどうしたんですか?
うっかり勢いでセッ○スしたら、妊娠してしまった不倫妻みたいな顔してますよ」
律「マジかよ」
梓「はい、すごく深刻そうです」
律「……梓」
梓「なんです?」
律「少ししゃべらない? 相談に乗ってほしい」
梓「あまり私も体調がよくないからアレですが、少しだけなら」
律「サンキュ」
律「……というワケなんだ」
梓「本気で言ってるんですか?」
律「本気と書いてマジって読むくらい本気」
梓「……」
律「黙るなよ。私も話してて悲しいキモチになったっていうのに」
梓「こんな話をされたあとでどんな顔をすればいいのか私にはわかりませんよ」
律「笑えばいいと思うよ」
梓「ははははは」
律「笑うな」
梓「……」
律「黙るな」
梓「ははははは」
律「……」
梓「まあ、この際ムギ先輩に正直に話すのはどうですか?」
律「なんだ、私はムギに向かってハアハアしながらあんなことやこんなことを話すのか?」
梓「そういうことになるんですかね」
律「そんなことしたら私とムギがこの三年間で築きあげた友情が、一瞬で崩壊するだろ」
梓「ムギ先輩ほどの包容力の持ち主なら大丈夫じゃないですか?」
律「……たしかに言われてみると……」
梓「ムギ先輩ならきっと律先輩のすべてを受け入れてくれますよ」
律「そうだな……そうだな! よし、私、ムギに私のキモチを告白する!」
梓「頑張ってください」
律「おう!」
律「というわけでムギかわいいよお!」ハアハア
紬「次の日になって音楽準備室に入ったら、いきなりそんなことを言われてびっくり」
律「悪い、でもムギも悪いんだ」
紬「どうして?」
律「ムギがかわいすぎるからだよお!」ハアハア
紬「そ、そう?」
律「とにかく私とあんなことやこんなことしたくない?」
紬「あんなことやこんなこと?」
律「えっちだよ、えっち」
紬「え、え、えっち!?」
律「セッ○ス、SEX」
紬「……!」ポッ
律(やばい。顔が赤いムギも最高にかわいい!)ハアハア
紬「そ、それはちょっと……」
律「やっぱりダメか」
紬「う、うん」
律「じゃ、じゃあまずはキスから」
紬「いや、あのキスもできれば……」
律「じゃあなにならいいんだよ!?」
紬「今まで通りの関係じゃダメなの?」
律「我慢できない!」
紬「りっちゃん。ここのところのりっちゃんは少し変よ」
律「変じゃない。言っておくけど私は本気だぞ」
紬「うん、本気だってわかるからりっちゃんのこと、変だって言ってるの」
律「……じゃあひとつ聞いていい?」
紬「なに?」
律「ムギは私がキスしようとしたらどうする?」
紬「それは……」
律「それは!?」
紬「……かも」
律「え?」
紬「……いや、かも」
律「いやなの?」
紬「正直、ね」
律「ゴキブリとサシで対決するのと、私とキスするのとどっちがいや?」
紬「……りっちゃんとキスするほう」
律「すみませんでした!」
紬「そんな……土下座しなくても」
律「いやいや! そこまでムギが私のこと嫌いとは思わなかった! ていうか素でビックリだよ!」
紬「あのね。私、りっちゃんのことは大好きだよ? でも、キスしたりとか、えっちしたりとかは無理かな」
律「よく考えたら当たり前のことだな」
紬「うん、私はとにかく無理だから。なんなら澪ちゃんに頼んだら?」
律「いやだ! 私はムギとじゃなきゃヤダー」
紬「りっちゃん……」
律「ごめん。今日のところは帰るわ」
紬「こっちこそごめんね」
律「……というわけで私の恋はあっさり玉砕したわけだ」
澪「……」
唯「……」
梓「恋っていうか、それって単なる肉欲じゃないですか?」
律「ナニごともカラダから入らなきゃダメなんだよ」
梓「だとしても直接的すぎでしょう」
澪「しかし……おかしいな」
律「なにが?」
澪「私は正直うまくいくと思ったんだ」
梓「うまくイク……だと?」
律「ひ、卑猥だぞ! 澪!」
澪「ち、ちがう! 私はムギなら律の要求を呑んでくれると思ってたんだよ」
律「なんでさ?」
澪「いや、ムギもてっきりレズビアンなのかと……」
唯「ムギちゃんってレズビアンなの!?」
澪「いや、確証があるわけじゃないけどな」
澪「一年の頃、ムギがさわ子先生と唯のやりとりを見て顔を赤らめてたからさ」
梓「それはそれは、実に百合百合しいことで」
律「ていうか澪。それはマジか?」
澪「間違いない。確かに私は見た」
唯「じゃあムギちゃんはレズビアンなの?」
律「ちょっと待てよ」
澪「なんだよ」
律「なら、なんでムギは私の要求を拒んだんだ?」
梓「常識的に考えてくださいよ。そしたらすぐわかるでしょう?」
律「?」
梓「本気でわからないんですか?」
律「ちょっとわからない……」
梓「いきなり好きな人にセッ○スさせろって言わてセッ○スする人なんていないでしょ?」
律「いないのか?」
唯「私にはわかんないや」
梓「さかりのついた雌豚じゃあるまいし」
律「そうか。まずは手を繋ぐところからだったか」
澪「なんか論点ズレてない?」
梓「まあ、もしかしたら……」
律「なんだよ?」
梓「あくまで見るのが好きなだけというパターンもありますが」
唯「どういうこと?」
律「ようはアレだ。プロレスをやるのは好きじゃないけど、見るのは好き、みたいな」
唯「ムギちゃんはレズビアンで女の子どうしが絡むのを見るのは好きだけど、自分が絡むのは好きじゃない、みたいな?」
梓「そんな感じです」
律「それはなかなか手ごわいな」
店員「あのお客様、ところでご注文は?」
唯「あ、私クリームソーダーで」
澪「じゃあ私はレモンスカッシュ」
梓「ブラックで」
律「ムギ茶」
店員「はい、かしこまりました」
律「……で、なんの話してたっけ?」
澪「ムギについてだろ」
律「そうでした」
梓「もうこの際、強引な手に出るのもありかもしれません」
律「と言うと?」
梓「無理やりムギ先輩を襲う」
澪「……」ポッ
律「……」
唯「頭いいね! あずにゃん!」
澪「いやいやいやいや、ダメだろ!」
梓「なんでですか?」
澪「いや、ダメなもんはダメだろ。主に道徳的な部分で」
梓「でも私が読んでる本だとだいたいレイプされた後は、恋愛関係に発展したりしてますよ」
澪「どんな本だよ」
梓「エッチになる薬が出てきたりとか」
唯「エッチになる薬なんてあるの?」
梓「私は未だにお目にかかったことはありませんが、あるんじゃないですか」
律「エッチになる薬か……」
澪「なに真剣に考えてんだよ」
律「……そうだ。いいこと思いついた」
唯「なになに?」
律「みんなで頼めばいいんじゃね?」
澪「なにを?」
律「だから、みんなが言うんだよ『りっちゃんとエッチしてあげて』って」
梓「なるほど。軽音部のみんなの力を団結して律先輩とムギ先輩をエッチさせるんですね」
律「私ひとりでは無理でもみんなで頼めばセッ○スさせてくれるんじゃないか?」
唯「りっちゃん頭イイ!」
澪「いや馬鹿そのものだろ」
律「とりあえず私とみんなで真剣に頼んでみよう!」
律(というパーペキな作戦を立てた翌日の放課後)
紬「りっちゃん、今日はみんなはどうしたの?」
律「んー、知らなーい」
律(とりあえず最初は、昨日と同じようにムギに私の愛を訴えることにした。ただし、ハアハアしないように注意しなければな)
紬「今日のダージリンティーはいつものとはまた違うものなの」
律「へえー、そうなんだー」
律(ていうか昨日あんな告白をした私に普通に接してくれるなんて……)ズズズ……
律(しかし、ムギの煎れた紅茶はうまいなあ……)ズズズ……
律(ムギの煎れた紅茶……ムギが煎れた……)ズズズ……ハアハア……
律「ズズズ……」ムギかわいいよお! ハアハア……!
紬「!?」
律「はっ……! また私としたことが!?」
紬「り、りっちゃん?」
律「ち、違うんだ! 私はただ……」
紬「りっちゃん……りっちゃんは一回病院に行ったほうがいいかも」
律「ばか。恋の病が医者なんかに治せるわけないだろ!」
紬「今の台詞、ちょっとだけかっこいいと思っちゃった……」
律「なあ、ムギ」
紬「なあに?」
律「率直に言う。ムギはレズビアンなのか?」
紬「…………」
律「安心してくれ、ムギ。私はムギがレズビアンでも、否定するつもりはない」
紬「私は……」
律「……」ゴクリ
紬「私は 梓「あ、すみません」 なの」
律「!?!?」
唯「ちょっとあずにゃん!」
澪「部屋に入るタイミングが悪すぎだろ!」
紬「み、みんな? なんで扉の前で張り付いてたの?」
澪「そ、それは……」
律「みんなは私のためにその身を犠牲にしにきたんだ」
紬「よく意味がわからないんだけど」
律「私とムギが結ばれるために、努力してくれるって言ってんだよ」
唯「あずにゃん! 澪ちゃん!」
澪「くっ……やるしかないのか……!」
梓「ヤッテヤルです!」
ドサッ
紬「なっ……! みんなが私に向かって土下座した」
律「私からも頼む! 私とセッ○スしてくれ!」
紬「そ、そんなこと言われても私どうしたらいいか……」
律「私にまかせろ!」
紬「そういう問題じゃない気が……」
梓「いいんですか、ムギ先輩?」
紬「?」
梓「このままでは律先輩は誰かれ構わず襲いかかる性の化身と化しますよ?」
紬「そんなこと言われても……」
律「ムギ、私はドラマーだ。だからテクニックに関しては自信がない」
紬「え? なんの話?」
律「だけどその分体力がある」
紬「あ、うん、そうなの?」
律「うん。それに手だけじゃなく足の方もなかなか器用に使える」
唯「なんの話してるの?」
澪「聞きたくないし見たくもない」
梓「律先輩ヤリますね。見事なアピールですね」
紬「りっちゃん。ひとつ言わせてもらっていい?」
律「んん? ドラムスティックプレイもやれるぜ」
紬「そうじゃなくてね」
律「え? その上をイクのか? いやー、さすがにそれは私じゃあちょっと……」
紬「そういうことじゃないの!」
律「へ?」
紬「りっちゃんは私とどういう関係になりたいのかって言ってるの!」
律「……へ?」
澪「む、ムギ……?」
紬「さっきからりっちゃんは、私といかがわしいことをしたいっていう風にしか聞こえないんだけど」
梓「ていうか実際そういう風にしか言ってませんけどね」
律「な、なんかムギ怒ってる?」
紬「…………今日は帰るね」
唯「む、ムギちゃん?」
バタン
律「……あれれ?」
梓「……ムギ先輩帰っちゃいましたね」
律「なんでムギ怒ったんだ?」
梓「そりゃあ一方的にヤらせろと言われたら腹立つでしょうに」
律「私なりの求愛行動だったんだけどなあ……」
唯「りっちゃん……ムギちゃん怒っちゃったね」
梓「あーあ……」
律「……もしかしてヤバい?」
澪「ていうか律って本当にムギのこと好きなのか?」
律「当たり前だろ。そうじゃなきゃ、あんなこと言えるかよ」
梓「好きなのにあんなこと言えるって逆にすごいですね」
律「やっぱりまずかったのか?」
梓「正直ね。ムギ先輩が怒るってよっぽどですよ」
律「そこまで……」
梓「もう去勢してお詫びするしかないですよ」
唯「あずにゃん、きょせいってなに?」
梓「昔の出世の手段ですよ。唯先輩は知らなくていいです」
唯「そうなの?」
梓「そうなんです」
律「……確かに冷静に考えたら私って最低だな……」
梓「今さら気づくとか遅すぎでしょ」
律「ヤバい。自分の発言を思い出して死にたくなってきた」
梓「実際、ムギ先輩は律先輩に殺意を抱いてるでしょうね」
律「ていうかさ。ムギがあんなにエロいからダメなんだって」
澪「なに言ってんだ?」
律「澪は鈍いからわからないだろうけど、ムギのエロさはハンパじゃないって」
唯「そうなの?」
律「ああ。息遣いや喋り方に振る舞い、容姿。どれをとってもエロい」
梓「律先輩、本当はただ単にムギ先輩に欲情してるだけなんじゃないですか?」
律「しぬならムギの胸の中か膝枕の上でしにたい」
唯「りっちゃんが遠い目してるよ」
梓「今のお馬鹿な発言がなければ、なかなかカッコイイ表情に見えないこともないですね」
澪「とりあえず今日は帰ろう」
唯「そだね。ムギちゃんのお茶もお菓子もないし」
梓「軽音部としてどうかと思いますが今日は仕方ないですね」
律「むぎゅう……」
澪「じゃあまた明日な」
唯「バイバーイ、澪ちゃん、りっちゃん」
梓「さようなら」
律「ういー」
梓「……」カチカチ
唯「あずにゃんなにしてるの?」
梓「いえ、ムギ先輩に電話しようと思って」
唯「どうして?」
梓「気の毒だなと思ったのと、律先輩と仲直りしてほしいなと思ったから……」
唯「あずにゃん優しいね」
梓「もしもし」プルルル
紬『はい』
梓「もしもし。梓です。今、時間空いてますか?」
紬『空いてるけど……どうしたの?』
梓「少しムギ先輩とお話がしたいんです」
紬『……わかった。どこで落ち合う?』
梓「先週行った喫茶店でどうですか? あそこなら比較的静かですし」
紬『わかった。30分ぐらいで行けると思う』
梓「わざわざすみません。それじゃあまた後で」
ぴっ
唯「あずにゃん、ムギちゃんと喫茶店行くの?」
梓「そうです。もちろん唯先輩も着いてきてくれますよね?」
唯「もちのろん! ……って、ムギちゃんとなにを話すの?」
梓「決まってるでしょ?」
唯「?」
梓「恋バナですよ、恋バナ」
梓「さてさて。さっそく喫茶店に着いたばかりなのにアレですが。質問があるんで、聞いてもいいですか?」
紬「うん、なんでもどうぞ」
梓「ズバリ、ムギ先輩は律先輩のことをどう思ってるんですか?」
紬「私がりっちゃんについてどう思ってるか?」
梓「はい。律先輩の感情は一方通行なのかどうか、気になったものですから」
紬「そうね……」
紬「もちろん、りっちゃんのことは好きだよ。でも……」
梓「やっぱ、今日の律先輩には幻滅してしまいました?」
紬「まあ、少しだけね。でも、それぐらいじゃ、りっちゃんのことは嫌いにならないよ」
梓「私ならあんなこと言われたら絶交しようと思いますけど、さすがはムギ先輩。私とは根本的に懐の広さが違いますね」
唯「ムギちゃんは天使だね」
紬「りっちゃんは優しいし、頼りになるし、カッコイイしとても魅力的だと思うの」
梓「付き合おうとは思わないんですか?」
紬「……私ね、りっちゃんのことは好きなの。でもそれ以上に…………」
梓「それ以上に?」
紬「りっちゃんは澪ちゃんと絡んでいるときのほうが魅力的だと思うの」
梓「……」
唯「……」
紬「あれ? 私、変なこと言った?」
梓「べつに。人の感性は十人十色なんで」
唯「私はムギちゃんと仲良くしてるりっちゃんも魅力的だと思うけどなあ」
紬「そう?」
唯「うん」
紬「ちなみに唯ちゃんは和ちゃんと絡んでるときが一番好き」
梓「聞いてないです」
紬「ごめんなさい。……私、ついつい女の子どうしが絡んでるとあんなことやそんなことの妄想ばかりしちゃうから」
梓「……実は律先輩とムギ先輩もタチの悪さではそんなに変わらないのかも」
唯「ムギちゃんは男の子は好きじゃないの?」
紬「男の子……男の子かあ……」
唯「ムギちゃんなら簡単に彼氏とか作れそうじゃん」
紬「正直に話すとね。私、あまり男の子と話したりしたことがないの?」
唯「なんだか意外」
紬「そうかな? 私って彼氏がいそうに見える?」
梓「まあ、いてもおかしくはないでしょう」
唯「うん! ムギちゃんすごくかわいいし!」
紬「……」ポッ
唯「ムギちゃん? 顔赤くなってるよ?」
紬「ありがと……」
梓「こらこら、唯先輩。ムギ先輩があなたに惚れたらどうするんですか?」
唯「えへへ、照れちゃうなあ」
紬「まあ、将来的には男の人と結婚するつもりなんだけどね」
梓「……そうなんですか」
唯「ムギちゃんの結婚する人ならきっとカッコイイんだろうなあ」
梓「しかし、どうして百合百合しい光景を眺めるのが好きなムギ先輩が男の人と結婚したがるんですか?」
紬「聞きたい?」
梓「ぜひ」
唯「あ、私も気になる」
紬「それはね……」
唯「それは……?」
紬「私ね、自分の子供を産むのが夢なの」
梓「ぐはっ……!」ブフォオ!
唯「うわ! あずにゃん紅茶吐き出さないでよ」
梓「ゲホゲホッ……すみません。思わずむせてしまいました」
紬「変なこと言ったかな、私?」
梓「いえ、素晴らしい夢だと思います」
紬「梓ちゃんもそう思う?」
梓「は、はい」
紬「百合は確かに素晴らしいと思うの。でも、どんなに頑張っても子供は産めないでしょ?」
唯「言われてみると赤ちゃん産めないね」
梓「だから男の人って結婚したいんですか?」
紬「……よくわからないけど、理由はそんな感じ」
梓「そうですか……」
梓(まさかレズビアンだと思っていたのムギ先輩からそんな台詞が出てくるなんて……)
紬「梓ちゃん、どうかした?」
梓「な、なにもないですよ」
紬「そう?」
梓「はい!」
梓「……ってなわけです」
律『マジかよ』
梓「はい。ムギ先輩は将来的には男の人と結婚したいそうですよ」
律『ありえねえだろ。私の知ってるムギは男なんて全員滅びればいいとか、そんな考えを持ってたはずなのに』
梓「その発想のほうがありえませんよ」
律『私に男性器があればいくらでもムギを……』
梓「考え方が最低ですよ」
律『なあ梓。梓はどうしたらいいと思う?』
梓「……さあ?」
律「あー、やっぱり諦めるべきなのかな……」
梓「……」
律「いや、自分でも変だってわかってんだ」
梓「変って……なにが変だって言うんですか?」
律「私自身もレズビアンだってこと」
梓「律先輩もレズなんですか?」
律「だってムギも女なんだぜ? そのムギを好きな私はやっぱりレズビアンそのものだろ」
梓「変じゃないですよ」
律「え?」
梓「律先輩は変じゃないですよ。だって私も……」
律「ま、まさか……」
梓「私 も レ ズ ビ ア ン で す か ら !」
律「!!」
梓「レズビアンなんてそこら中にいるんですよ」
律「そ、そうだったのか……! まさか梓までレズだったとは……」
梓「私から提案があります」
律「提案ってなに?」
梓「もう一度告白しましょう!」
律「え!?」
梓「無駄に考えても仕方ありませんよ。律先輩の思いをぶつけるしかありません」
律『やるしかないのか……』
梓「性欲ではなく愛をぶつけるんですよ……律先輩の!」
律「わかった。もう一度挑戦してみる」
梓「私も応援してます。律先輩の恋が実ることを」
律『おう!』
律「ムギ、結婚してくれ!」
紬「……」
律「安心してくれ。私は前も言ったように体力あるからいくらでも仕事して、ムギを養ってやれる」
紬「お金はけっこうあるんだけど……」
律「そういやムギん家って金持ちじゃん」
紬「うん」
律「じゃあ私、働かなくていいみたいな!?」
紬「……」
紬「とりあえずりっちゃん。お茶でも飲んで落ち着きましょ」コト
律「そうだな……うん、やっぱりムギのお茶はうまい!」ズズズ……
紬「どう? 少しは落ち着いた?」
律「まあな。ムギのお茶を飲んで落ち着かないわけが……」
律(ムギが煎れたお茶……ムギのお茶……ムギの手で煎れられたお茶……)
紬「りっちゃん……? どうしたの?」
律(ムギが私の顔を覗きこんで……顔が近い……!)ハアハア、ムギかわいいよお!
ガシッ
紬「りっちゃん!?」
律「ムギ、私……我慢できない……」
紬「!」
律「ムギ。私も初めてだからうまくできないかもしれないけど……」
紬「だ、ダメだよ……りっちゃん……! ここは学校、しかも部室……」
律「じゃあ部室じゃなきゃいいのか?」
紬「そういう意味じゃなくて」
律「ごめん、ムギ。優しくするから許して」
紬「い、いや……!」
律「ハアハア……ムギ、かわいいよお!」
「お待ちなすって!」
ガチャ!
律紬「え?」
律「お、お前は……!」
「…………」
紬「あ、梓ちゃん……!」
梓「呼ばれてませんが飛び出てにゃにゃにゃにゃーん!」
澪「一応、私も……」
唯「私もいるよ!」
律「……お前ら空気読めよ」
紬「……」
梓「私も両者合意の上ならナニしようと構わなかったのですが……」
律「どういう意味だよ?」
紬「……」
梓「そのままの意味です。そんな強引に相手の初めてを奪おうなんて……」
律「うっ……」
紬「あ、梓ちゃん違うの! りっちゃんは悪くないの!」
梓「当たり前でしょう」
澪「……え?」
唯「ほえ?」
梓「処女を強引に奪おうとしているのは他でもない!」
梓「ムギ先輩、あなたなんですから!」
澪「いやいや、どう見ても律がムギに襲いかかってるようにしか見えないぞ」
唯「りっちゃんはケダモノだよ」
梓「確かに。律先輩がムギ先輩を襲おうとしているというのは間違いありません」
律「ムギがかわいすぎるから仕方ないだろ」
梓「私もムギ先輩がかわいいという事実は否定しません。しかし、問題はそこじゃないんですよ」
澪「なにが言いたいんだ?」
梓「そもそもおかしいと思いませんか? ある日、突然友達に欲情したりする女子高生なんてどこにいるんですか?」
律「ここにいるぞ。ムギ……かわいいよお! ハアハア……」
梓「律先輩、少し黙ってください」
律「まどろっこしいなあ。さっさと結論を言えよ」
梓「まあまあ慌てないで。私は昨日と今日、律先輩がムギ先輩に欲情する瞬間を目撃しています」
律「……ハズカシイ」
唯「まさにケダモノって感じだったよね」
梓「しかしですね。律先輩は最初からムギ先輩相手に欲情しているわけではなかった」
澪「そういえば昨日も……」
梓「そう。あることをした後に律先輩は突然ハアハアしだしたんですよ」
律「あること?」
紬「…………」
澪「あることってなんだ?」
梓「おや、澪先輩は気づきませんでしたか?」
唯「……あ、もしかして?」
梓「どうやら気づいたようですね、唯先輩」
唯「うん。私なんとなくわかっちゃったよ」
律「おいおい。私を置いてきぼりにすんなよ」
梓「まあこれ以上は引き伸ばす必要もないでしょうし、答えをいいましょう」
紬「…………」
梓「ズバリ、お茶です」
律「……は?」
澪「ああ! そういうことか!」
律「どういうことだよ?」
梓「律先輩が急にムギ先輩に欲情しだした理由は? 簡単です。薬を盛ればいいんですよ。例えば――媚薬とか」
律「びやく?」
唯「なにそれ?」
紬「…………」
梓「お茶に薬を盛ることなんて造作もないことでしょう? ムギ先輩がお茶を煎れるなんて私たちにとっては当たり前のことですし」
律「証拠は? ムギが私に薬を盛ったっていう証拠は?」
梓「私が目撃した……では律先輩は納得してくれないでしょうから。ムギ先輩、スカートの中をチェックさせてもらっていいですか?」
紬「……もう、いいわ」
律「ムギ?」
紬「そうなの。そうなのよ。私、りっちゃんに媚薬を盛ったお茶を飲ませていたのよ」
梓「どうしてそんなことを?」
紬「ほら、私ってレズビアンでしょ? それで女の子どうしの絡みを見るのが好きなんだけど……」
梓「私は傍観者としてより、実際に絡んだり絡まれたりしたほうが好きなんですけどね。
紬「そこら辺、私と梓ちゃんは趣味が合わないみたいね」
梓「そうみたいですね。残念です」
紬「まあ、それは今は置いとくとして。とにかく私は女の子どうしの絡みを見るのが好きだった。でもね、あるときからただの絡みでは我慢できなくなったの」
澪「……聞きたくないから帰っていい?」
唯「ダメだよ。最後までムギちゃんの話を聞いてあげようよ」
紬「梓ちゃんが唯ちゃんに抱き着かれているのを見ても、心が満たされないよ。それなのにりっちゃんが澪ちゃんに殴られるのを見ると、なぜか満ち足りた気分になったの」
梓「なるほど。高校生活を通して性癖が徐々に変わってったわけですね」
紬「ええ。私はあるとき気づいたのよ。ただの百合じゃ満足できない自分に。そして、百合の中にもある種の暴力的な要素がないとダメなんだって」
澪「もうただの変態だ」
唯「目を逸らしちゃダメだよ、澪ちゃん」
紬「私は悩み苦しんだ。葛藤の末にようやく私は私自身のこだわりを見出だしたのよ」
梓「それはいったいなんですか?」
紬「いわゆる『イヤよイヤよも好きの内』的な百合よ」
澪「私にはついていけないぞ」
梓「なるほど。『悔しい……でも感じちゃん』っつやつですね」
紬「そこにちょっとした暴力的要素が入ってるともう最高ね」
梓「実に興味深い。私より一枚も二枚も上手のようですね」
紬「そして、私は琴吹家の財力で媚薬を完成させたわ。いやがる娘を私自ら犯し、よがらせる」
梓「素晴らしい……!」
紬「でも良心の呵責には勝てなかったの」
梓「まさか、だからムギ先輩は……」
紬「そう。私が犯すのではなく、私が犯されることでイヤよイヤを成立させようとしたのよ」
梓「百合のためなら自らの肉体すら犠牲にするとは……恐ろしい娘!」
紬「まあ、結果的には失敗しちゃったけど」
律「……う、嘘だ」
紬「嘘じゃないの、りっちゃん。今話したことは全て真実よ」
律「う、う、嘘だああああああああああああああああああ!!!!」
澪「律!?」
唯「り、りっちゃん落ち着きなよ!」
律「黙れ黙れ黙れ! 私は認めないぞ! 私の愛は本物なんだ! 私はムギを愛してるんだあああああああ!」
梓「私の話を聞いてなかったのでしょうか、このおデコさんは」
律「うおおおおお! 今から私はムギを犯す! でもこれは私の愛がそうさせるんだ! 媚薬なんて関係ない!」
紬「り、りっちゃん……!」
律「むぎゅうううううううううううううううううううう!」
ビリリリっ!
澪「うわあお! ムギの制服が律に破られた!」
律「スッポンポンにしてくれるわ!」
紬「ぃやっ! スカートまでやぶか……ちょっ……!」
唯「ムギちゃんのパンツまでりっちゃんが飲み込んじゃったよ!」
澪「私の知らない律がいる……!」
梓「なかなかすごい光景ですね。ケータイに納めときましょう」REC●ピー
律「ムギの……ムギの裸あああああ」
紬「きゃああああああ」
律「ムギの裸あああああああ…………あっ……」
律は凍りついてしまった
理由は簡単だった 紬の裸身のあまりの美しさのせいだった
なんと眩しい裸身だろうか!
白磁を思わす白い肌のキメの細かさといい、それを穿つ鎖骨のなまめかしい陰影といい!
形の良い双丘は、触れればさぞ素晴らしい弾力を提供してくれることだろう
そしてその美しい胸の頂きには桃色の輝きを放つ突起!
むっちりとした気品溢れる肉体は常人には直視することすら困難なほどのいやらしさ
ほんのわずか出たお腹の中心のへそが生み出す陰は紬の呼吸とともに姿を変えていく
臀部のラインはどんな芸術家にも描くことができない美しいラインを描いていた
一人の少女の胸、腰、尻が生み出す宇宙(コスモ)に律は感動の溜息を漏らした
律「す、すごい……!」
だが紬の色香が醸しだすエロスは常人に耐えられるレベルのものではなかった
律「……っ!!!!!」
究極にして至高のエロスは律の脳髄を貫き音楽準備室全体にまで衝撃を与えた!
同じ女なのに……なんだこのエロスは!
律はあまりのエロスにショックを受けた
そのショックは彼女の生命活動を根本的に終了させるほどだった
律「彼女は最高よ……!」
律は、鼻血を流しながら死を迎えた
律(死)「……」
紬「そんな嘘よ! りっちゃん……死んじゃいやだよ!」
澪「うううぅ……こんなことって!」
唯「うわああああんりっちゃあああああん」
梓「律先輩……」
医者「我々も全力を尽くしましたが……申し訳ありませんでした」
律(死)「……」
紬「私のわがままのせいでりっちゃんが……」
澪「ムギぃ! なんとかならないのか!? ムギの家の力で!」
紬「む、無理よ! 死んだ人を生き返らせるなんて!」
唯「りっちゃん……私より先に死ぬなんて……ばかぁ!」
梓「…………」
梓(……まさかムギ先輩の持つエロさでこんなことになるなんて……律先輩……)
紬「りっちゃああん……うう……うわあああんっ!」
梓(…………いや、待てよ)
梓「皆さん!」
唯「…………なに、あずにゃん」グスッ
梓「律先輩を生き返らせることができるかもしれません!」
澪「!!」
紬「本当に!?」
梓「ええ。成功するかどうかは……ムギ先輩、あなたにかかっています」
紬「わ、私!?」
梓「今回、律先輩の死因はムギ先輩のエロさによるショック死。それで間違いありません」
唯「う、うん。私もムギちゃんの裸見たら11回ぐらいイっちゃったもん」
澪「わ、私も……。とにかく衝撃的だった」
梓「私なんてあまりの衝撃にツインテールが根こそぎもってかれましたよ。……っと、それはどうでもいいですね。とにかく律先輩はムギ先輩のエロス衝撃にやられたわけです」
唯「あずにゃん、もしかして……」
梓「はい……だったらもう一度同じショックを与えれば……」
唯「そっか! マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスにするのと同じだね!」
紬「つまり、りっちゃんを生き返らせることができる!」
梓「ムギ先輩。律先輩のためにも頑張ってください!」
澪「ムギだけが頼りだ!」
唯「ムギちゃん!」
紬「みんな……わかった! 私、頑張ってみる!」
紬は制服を脱いだ
緊張しているのか身体が強張っている しかし律を生き返らせるためだ
――私がやるしかない
紬「りっちゃん……」
紬の乳房があらわになる 白い乳房の突端が冷気に触れて高く立ち上る
その目で見た者にしかわからない圧倒的な迫力と質感
ふくよかな胸に律への思いとみんなの思いを抱き、紬は一歩踏み出した
寝台の上で眠る律を蘇らせるために紬は更に一歩足を踏み出す
唯「ぁああ……!」
澪「んんぁっ……!」
梓「ぁあああんっ……」
紬「み、みんな!?」
唯「ぁぁぁ……んふっ……ぁあああぁあ……お股から汁がいっぱい出てきちゃううっ……!」
唯が太ももと太ももをすり合わせて股間を手で抑えるものの、指の隙間から愛液が垂れ落ちる
高揚した表情は紬のいやらしさに当てられ、なまめかしいことこの上ない
唯「んはぁぁあああああああ……!」
唯が喉をのけ反らせてほとんど悲鳴の喘ぎ声をあげる
いきなり絶頂を迎えたのだ 他の二人も同様に昇天する
紬「早くしないと……!」
早くしないとみんなまで死んでしまう
紬「りっちゃん。今助けるからね」
紬は自らの乳房を律の白い顔に押し当てた
律の白い顔は二つの大きな山に埋まった
紬「りっちゃん……!」
紬はその大きな乳房で律の顔を包みこむだけでなけく腰を巧みに使い、彼女の顔を犯していく
時折、胸の先端を陣取る桃色の突起を、律の口に押し当てくわえさせる
澪「む、むぎゅうう……」
唯「むぎゅっ……!」
梓「むぎゅ、むぎゅ……むぎゅうう…………!」
唯も梓も澪もこのままでは紬エロスにやられてあの世イキだ!
紬「りっちゃん……どうして起きてくれないの!?」
胸のエロスでは律を取り戻すことはできない! こうなったら他のエロスでなんとかするしかない!
紬はスカートを脱いだ 白い肢体が外気に晒され、部屋いっぱいに紬のフェロモンが蔓延する
白いパンティーの眩しさに澪も唯も梓もすでに何度目になるか不明の絶頂を迎えた
唯「むぎゅうううううううううううううううう」
澪「むぎゅううむぎゅううむぎゅううむぎゅううむぎゅうう」
梓「むぎゅうう……むぎゅ……むぎゅうううううううう!」
三人の処女たちの愛液が床を汚していく
紬の白い指がパンティーにかかる
紬「……」
――りっちゃんのためよ やるしかない!
紬は一気にパンツをずりおろす
唯澪梓「むぎゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」
紬の股間があらわになる!
太陽の光すら反射する白すぎる肌 むっちりとした肌は思わず顔を埋めたくなる!
なにより
紬の股間の薄い茂みの奥にはサーモンピンクの膣肉が……!
紬は自ら、黄金色の茂みの更に奥にある花弁を広げる
なんと蠱惑的なヴァギナであろうか!
裸になっていることで興奮しているのか僅かに濡れてぬめったそこは、同性であっても惹かれる怪しい魅力をもっていた
紬は律の顔にまたがり徐々に腰を落とした
紬「りっちゃん、帰ってきて……またりっちゃんとお話したいの」
紬は腰をゆっくりと落としていく
律の血の気の失せた唇と紬の女性器が近づいていく……!
ちゅっ
紬「あっ……」
紬のみずみずしい唇から甘い吐息が漏れる
眠り姫を起こす紬の小陰唇によるキス
大胆に腰をグラインドさせディープキスをする
紬「りっちゃん……!」
澪「むぎゅぎゅ?」
唯「むっぎゅー!」
梓「むぎゅむぎゅう!」
三人がついに快感に抗えず口からは泡を、股間からは愛液を吹き出して失神する
全員白目を向いていた
しかし、その顔はなにかをやり遂げた人間特有の達成感に満ち溢れていた
紬「みんなごめんなさい……」
しかし、律は未だに生き返らない!
律「」
紬「りっちゃん、お願いだから起きて……!」
律「」
紬「……私、わた、し……本当はりっちゃんのこと好きだったの……。ずっとずっと前から……」
律「」
紬「今回りっちゃんに媚薬を飲ませたのも、りっちゃんのことが大好きだから……」
律「」
紬「りっちゃん……ねえ! りっちゃん! なにか言ってよ! ねえ!」
律「」
紬は気づいたら号泣していた
エロスでは死人は蘇らないのだという現実に紬は泣き叫んだ
律「 」
紬「りっちゃん……りっちゃあん……」
律「 」
紬「うううっ……」
律「 」
紬「……え?」
紬はどこからか自分を呼ぶ声が聞こえた気がして周りを見渡す
白い室内には転がる澪たちと律を載せた寝台しかない
紬「りっちゃん?」
律「」
律はなんの反応も示さない
では声の主は誰?
紬「……?」
律「」
紬「りっちゃん……?」
律「」
紬「りっちゃん!」
律「」むぎ可愛いいよむぎ・・・ハァハァ
紬「!!」
律の声が確かに聞こえた
だか律の口は動いていない
――いったいどういうこと?
紬「りっちゃん、どこにいるの?」
律「」むぎ可愛いいよむぎ・・・ハァハァ
紬「!?」
ようやく声がどこから聞こえるのか理解した
背後からだ
紬は振り返った
裸の田井中律が立っていた
律『むぎ可愛いいよむぎ・・・ハァハァ 』
確かに目の前にいるのは間違いない、田井中律だ
裸の律
しかし、紬はここでとんでもない事実に気づく
律の足が透けていた
紬「まさか……」
――私のエロさが幽霊になったりっちゃんを引き寄せてしまった!?
律『私のTNTNが大きくなっちゃったよぉ…ムギちゃーんハァハァムギty…ハァハァ、愛してるよぉぉぉおおお!!!』
幽霊の律がのっそりと紬に近づいていく 不気味なことこの上ない
紬「り、りっちゃん、ど、どうしちゃったの?」
変わり果てた律を前に紬は狼狽する
もっとも恐怖からなのか紬は無意識に後ずさっていた
律『はははは、可愛いなあ、可愛いなあ! もっと触らせろもっと抱きつかせろ! パンツ見ちゃうぞ、このこのこの!』
パンツどころかその美しい裸身を晒す紬の背後に回った律は、いきなり紬の胸をもみしだいた
紬の美乳が律の手の中で形を次々に変えられ、その度に紬は悲鳴をあげた
なんとなまめかしい光景だろうか!
紬「ん……ぁあっ! りっちゃん……やめてっ……!」
律『さあ次は乳首だ……ハアハア……』
すでに自己主張し始めていた紬の胸の突起に律の魔の手ならぬ魔の舌が近づいていく
外気に晒されたせいなのか、はたまた律に胸を揉まれたことによる羞恥心のせいなのか
とにかく固くなってしまった乳首に律の舌が後少しで触れようとした瞬間――
唯「ちょっと……待ったあ!」
いつの間にか立ち上がっていた唯が律を制止しようとして、しかし固まってしまった
紬が犯されている つまり、紬の痴態に唯の脳は一瞬にしてショートした
唯「むぎゅううう ggg …… むg 」
唯は再び床に倒れた
紬「ゆ、唯ちゃん……!」
律『ドゥフフフ……ムギ……今度こそお前の乳首は私のものだ……!』
紬「や、やめ……」
梓「ヤメヤガレです!」
紬「あ、梓ちゃん……」
梓もまた立ち上がっていた
しかし、唯と違い紬の裸を見たところで失神することはなかった
律『馬鹿な……ムギの裸を見てなお立っていられるとは……!』
梓「ふっ……実はさっきのはイッたふりだったんですよ」
律『どういうことだ?』
律が怪訝そうな顔をした
梓「私、実はムギ先輩の裸は見慣れてるんですよ」
紬「ど、どういうこと?」
梓「なぜなら私はムギ先輩の部屋に隠しカメラを設置してましたから」
紬「そ、そんな……嘘よ!」
梓「本当ですよ。ほら」
律『む、ムギの着替え写真……!』
次の瞬間だった
律のエロスに取り憑かれた形相が柔らかいものになる
不意に紬の身体を拘束していた律の腕がほどかれる
律『これで私は成仏できる……』
律の満足そうな顔が徐々に消えていく
律『じゃあなムギ……素晴らしいエロスをありがとう』
紬「りっちゃんああああああん!」
裸姿以上に服を脱ぎかけの紬にこそ真のエロスを見出だした律はやがて成仏した
紬「ううう……りっちゃんが……」
梓「ごめんなさい、ムギ先輩。こうするしか私にはできませんでした」
紬「いいの、梓ちゃんはなにも悪くない……悪いのはいやらしい私なの!」
梓「ムギ先輩……」
紬「もう……もうりっちゃんは帰ってこないの?」
梓「残念ながら」
紬「うう……うわああああああんっ!」
澪「あきらめるな……ムギ!」
唯「そうだよムギちゃん! あきらめたらそこでエロスは終了だよ!」
紬「みんな……」
梓「そうです! みんなでもう一度考えましょう、律先輩を生き返らせる方法を!」
唯「うん!」
澪「ああ! 律を蘇らせるんだ!」
梓「なにかアイディアはありますか?」
紬「……」
澪「……」
唯「……」
澪「なにか言えよ」
唯「澪ちゃんこそ頭いいんだからなにか思いつくでしょ?」
梓「言い争いしてどうするんですか」
紬「なにかいい方法は……」
梓「……待てよ」
梓「……思いつきました、律先輩を生き返らせる方法を」
紬「!!」
唯「え、本当に!?」
澪「どんな方法だ!?」
梓「あの時、つまり律先輩が昇天した時のことを思い出してください。なぜ私たちは死ななかったのに律先輩だけ死んだんでしょうか?」
紬「……?」
澪「なんでって……」
唯「わかったよ! 媚薬だよ! りっちゃんだけが媚薬を飲んでムギちゃんの裸を見たからあの世にイッちゃったんだよ!」
澪「そうか! 律だけが媚薬を飲んでいたから発情していてそれで……」
紬「だとすれば……」
梓「はい! 律先輩の死体に媚薬を飲ませてムギ先輩のお着替え姿を見せれば……」
紬「りっちゃんは蘇る!」
澪「でもそれっておかしくないか?」
梓「理論上は可能だと思いますけどね」
紬「う~ん、でも念のため実験するべきかも……」
梓「たしかに」
唯「わかったよ! 私がためしに媚薬を飲んでムギちゃんのお着替え姿を見てみるよ!」
澪「な、なななにを言ってるんだ!? お前まで死ぬぞ!」
紬「そうだよ! 唯ちゃんがそんなことするなら私がするべきよ!」
梓「いえ、唯先輩にやってもらいましょう!」
澪「なに言ってるんだ梓! 唯が死ぬかもしれないんだぞ!」
梓「……わかっています。しかし、ほかに方法がないんです」
紬「だから私が……」
梓「ムギ先輩が媚薬飲んだって意味ないでしょう! ムギ先輩がいなきゃ誰が律先輩を生き返らせるんですか!?」
紬「……!」
唯「私は大丈夫だよ。まかせて」
澪「くっ……こうするしかないのか……!」
唯「ムギちゃん、媚薬持ってるよね?」
紬「ええ、もしもの時のためにいつも持ってるから」
唯「ムギちゃん、私がその媚薬を飲んだら服を脱いで……」
梓「その前にムギ先輩は一旦服を着ましょう」
紬「……わかった」
紬は服を着た
唯「じゃあ、この媚薬飲むね」
紬「ごめんなさい、唯ちゃん」
澪「唯、お前に全てを託す」
梓「……」
唯「じゃあ……飲みます!」
唯が瓶に入った媚薬に口をつけようとした瞬間だった
梓「やっぱり私が飲みます!」
唯「あずにゃん!?」
梓は唯の手から瓶を引ったくるとそれをいっきに飲み干した
紬「あ、梓ちゃん……それ、水で薄めて飲まないとダメなのよ!?」
澪「水で薄めなかったらどうなるんだ!?」
紬「おそらくただの変態と化す!」
唯「そ、そんな……」
梓「……」
梓「……」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「……」
紬「梓ちゃん?」
梓「……」
澪「梓……?」
梓「ヤッテヤルデス!」
次の瞬間、梓のツインテールが大きく跳ねた!
梓がいっきに跳躍する 人間離れした圧倒的な跳躍!
梓はツインテールを激しくゆらしながら澪に襲い掛かる!
梓「ヤラセロデス!」
澪は咄嗟に横転する
が、梓のほうが澪より遥かに速い!
澪はあっさり梓に押し倒された
澪「あ、梓……や、やめろ!」
梓「イヤデス!」
梓は澪のボタンに手をかけると思いっきり制服を破いた!
澪の胸があらわになるとともにブルンと震える
唯「澪ちゃんがこのままじゃあずにゃんの餌食に!」
澪「だずげでええええええ!」
梓「ミオセンパイヲオカシテヤルデス!」
紬「梓ちゃん私を見て!」
梓「ナニヲ……!!」
梓は紬を見た
紬は再び裸になっていた!
梓が零れ落ちんばかりに目を見開く、否、梓の眼球は零れ落ちて硝子体が溢れる
梓「うばばばばbbbbb………… 〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆 …………!」
梓の身体が痙攣し始める
圧倒的なエロスが梓の脳細胞に叩きこまれる!
身体中の細胞が悲鳴をあげ梓の肉体の中で弾けては消滅していく!
澪「あ、梓……?」
梓「――あ――あ゛ああ ‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰‰―― 」
やがて梓の身体中の汗腺から煙りが立ち上る
梓の手足はすでに腐り落ちている
梓の肉体が蒸発していく
唯「あ、あずにゃん!?」
闇に堕ちていく意識の中で梓は思った
――あれが究極にして無欠のエロス
――決して私では辿り着けない極上のエロスにして人の人生すら狂わす極悪のエロス
――私が軽音部に入ったのはもしかしたらムギ先輩の裸を見るためだったのかもしれない
ジュンジュワワ~
梓は魂ごと消滅した
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「あ、ああ……」
唯「でもこれで媚薬をりっちゃんに飲ませれば解決するね」
澪「よし、ムギ。律に媚薬を飲ませるんだ」
紬「……」
唯「ムギちゃん?」
紬「わからない……」
澪「なにが?」
紬「りっちゃんの死体にどうやって媚薬を飲ませればいいのかわからない!」
唯「……」
澪「……」
紬「……だってりっちゃん死んでるんだよ?」
唯「本当じゃん」
澪「死体が薬なんか飲むわけないもんな」
紬「ごめんなさい、りっちゃん! 私にはなにもできない……!」
唯「……」
澪「うう……」
紬「私のエロ……わがままがりっちゃんを殺してしまった……!」
唯「エロ……エロス……!」
澪「な、なんだよ急に!?」
唯「エロスだよ! りっちゃんに媚薬を飲ませる必要はないんだよ!」
紬「じゃあ誰が飲むの!?」
唯「ムギちゃんだよ!」
紬「どうして私が媚薬を飲むの?」
唯「りっちゃんが死んじゃったのはムギちゃんのエロさ+媚薬によって発情してたからでしょ?」
澪「なるほど。ムギのエロさをムギ自身が媚薬を飲むことで底上げすれば……」
紬「りっちゃんは蘇る!」
唯「ムギちゃん、やってくれる?」
紬「うん、私にできることなら力になる!」
紬は媚薬の入った瓶をいっきに飲み干した!
紬「ぁ……」
最初、紬の口から漏れたのは熱のこもった甘い吐息だった
身体の芯からほてって頭がカッと熱くなる
膝が笑っている 身体に力が入らない 汗が吹き出る
紬の桃色の乳首は痛々しいほど腫れ上がる
紬「ぁああんっ……ぁああ……だめぇ…………!」
サーモンピンクの雌壺から愛液が湧き出て、尿道口から夥しいほどの潮を吹き出す
ぷしゃああああああああ
興奮して花開いたのは膣だけではなかった アヌスもだった
そこからも、また腸液が湧き出る
澪「ふぁあっ…ム、ムギがいやらしすぎて…ち、乳首が…乳首が勃起しちゃう!おちんぽみたいに勃起しちゃうよぉ…」
澪の股間から黄金水が迸り律の顔面に直撃する!
唯「はあああんっ……ああああああんっ……ムギちゃんエロすぎだよおおぉ……!」
唯も股間から潮を吹き出しまくる!
紬「りっちゃん……これでもダメなの……!」
律はまだやってこない
来るのは絶頂だけ
紬が諦めかけ、108回目の絶頂を迎えようとした刹那――
澪「むぎぃ……あきらめるななああっ……ぁああんっ……乳首からおちんぽみるく出ちゃうううっ……!」
唯「むっぎゅううううううううううううううう!」
唯が紬の右乳首に!
澪が紬の左乳首に!
しゃぶりついた!
次の瞬間、紬の乳首を襲った快感は世界すら揺らぐほどの衝撃をもたらした
紬の視界がぐらりと歪む
足元が沈みそうになる しかし、唯と澪が紬の膣に指を突っ込み支えているためなんとか倒れずにすんだ
澪「むっぎゅうううううううううううううううう」
唯「むっぎゅうううううううううううううううう」
二人が啄むかのように乳首に吸い付く
三人の膣から愛液が噴射する
紬は108回目の絶頂を迎えた
紬「んはああああんっ!……ぁああ……ぁああんっ……いゃあああぁ……イクうううう……イクうう……はああああんっ!」
その108回目のイキ顔のなんといやらしいことか!
紬「ハアハアぁああっ……!」
澪「ハアハア……」
唯「ハアハア……あぁんっ……」
紬「もうダメぇ……膣が壊れちゃう……」
唯「ムギちゃんのあそこからいっぱいおつゆが出てるよ……」
澪「そういう唯もな……」
もはや三人には立つ気力すらなかった
と、
その時だった
「う、う……ぅうん……」
紬「え?」
「あ、あれ……私は……」
澪「ああ……」
「どうしたんだよ、みんな……ってなんかめちゃくちゃ臭いんだが……」
唯「ああ……ら、り、る……」
紬「りっちゃあああん」
律「ムギ……唯、澪……」
紬「りっちゃああああああん!」
寝台で横たわっていた律が驚いた顔をしていた
けれども紬は構わず律を抱きしめた
紬「りっちゃん……よかった……」
律「ムギ……」
澪「本当によかった。律が生き返って」
唯「ははは、頑張ったかいがあったよ」
律「迷惑かけちまったみたいだな」
紬「りっちゃん……」
ぎゅっ
律「む、ムギ……そんな正面から抱きしめられると……む、胸が当たる……」
紬「当ててるのよ」
律「ぶはっ! エロすぎる!」
律の身体に再び電撃が走る。
律「くっ……ぁあああああああ……!」
律が絶叫する!
律の股間が燦然と輝く!
澪「こ、これは……!」
紬「ええ!?」
唯「りっちゃんの股間から……」
律「…………これおち○ちんだよな?」
さすがに4人とも驚いた
律の股間には軽く20センチは越える巨大なイチモツが生えていた
紬「ま、まさか私のエロスがりっちゃんにおち○ちんを与えてしまった……?」
有り得ない話だった
しかし、律の股間に生えた脈打つそれはまごうことなき男性器だ
紬「ごめんなさい……私のせいでこんなことに……!」
律「謝るなよ」
紬「で、でも……!」
律「確かに最初は驚いたけどこれがあればムギを犯しほうだいだ」
紬「り、りっちゃん……?」
律「それに、これがあれば二人でひとつになれるし」
紬「……」
律「それに赤ちゃんだって産める」
紬「りっちゃん……」
律「ムギ、私はお前が好きだ!」
律「私の、私とムギの子供を産んでくれ」
澪「ま、まさかプロポーズだと!?」
唯「なんて素敵なプロポーズなんだろう……」
紬「りっちゃん……私もりっちゃんの子供を産みたい」
律「うん、決まりだな!」
不意に律は紬の肩を掴んだ
紬「り、りっちゃん……なにする……んんっ」
紬は疑問を口にするよりも先に律の唇が紬の唇を塞ぐほうがはやかった
律「……ぷはっ……ふっ、初めてのムギの唇は愛液の味がしたよ」
紬「も、もうりっちゃんたら……」
紬が顔を赤くする
二人は裸のまま抱き合って再度キスをした
律「必ず幸せになろうな、ムギ」
紬「うん、大好きだよりっちゃん」
こうして二人は結ばれた
後に二人は20人もの子供は産み幸せな家庭を築くのだがそれはまた別のお話
―― 完 ――