京子「BUMP OF CHICKEN」
結衣「いやなんだよお前が言い出したんだろ」
京子「いやー冬といえば天体観測だろ」
結衣「そうなのか……ってかそんなのに興味あったか?」
京子「あたりまえだ前田」
結衣「なんだその完成度の低い……」
~夜~
結衣「……」
結衣(寒い……)ズズ
結衣「もうちょっと着てくればよかったかな?」
結衣(……まぁいいか行こう)
結衣(京子……)
タッタッタッタ
京子「おそーーい」
結衣「悪い悪い」
京子「その油断が命取りになるんだよ!」
結衣「なんでだよ」
京子「ヒックシュ」
京子「ううー」ズビッ
京子「結衣が遅れるから……」
結衣「これ着ろよ」ポス
京子「え」
京子「でも結衣寒くない?」
結衣「ん大丈夫」
結衣「ってかちょっと着すぎて暑かったんだよな」
京子「……」
京子「えへへ結衣の匂い~」クンクン
結衣「嗅ぐな馬鹿」ビシッ
結衣(京子……)
結衣(いっつも心配かけて)
結衣(私なんかどうなってもいい……)
結衣(京子が……大事なんだ)
テクテク
結衣「結構暗いな」
京子「そだねー」
結衣「……」
京子「……」
結衣「あかり達誘わなくてよかったのか?」
京子「後日誘うよ」
結衣「後日!?」
京子「きょ今日は下見なのー」
結衣「下見?」
京子「あの、ほら天体観測なんてしたことないからさ」
京子「こう……あかりたちの前でグダグダになったらかっこ悪いじゃん!」
結衣「そんなこと気にするキャラかお前は」
京子「―――!」カァァァ
結衣「顔赤いぞやっぱり暑くなったか?」
京子「べ別にーー」ダッ
結衣「おい急に走るなよ」
結衣(下見か――)
結衣(隠さなくてもいいのにな)
結衣(本当は二人で――)
結衣「コラこけたら危ないだろ」ハァハァ
京子「つ、ついてこれまい」ゼーゼー
結衣「思いっきり疲れてるじゃねーか」
京子「あっここ登る」
結衣「ここ登るのか」
京子「ふっふふ怖気づいたかな?」
結衣「いや、ってかこっちに道あんじゃん」
京子「え?ウソ?」
京子「ホントだ……前来た時気づかなかった」ガクーン
結衣「え来たことあるのか?下見の下見か?」
京子「!」
京子「ちゃうわーい」アセアセ
結衣(あかり達にかっこつける為の下見なのにその下見って……)
結衣(……ありがとう京子)
結衣(私も京子のためにできることをしたいよ)
結衣(でも何をすればいいんだ……)
結衣(ごめん……京子)
結衣「あれ……?」
結衣「この道街灯できたんだ前来た時は……」
京子「……こういうのっていいよね」
結衣「え?」
京子「そのえっと、こうやって結衣っとどっかに行ったり」
結衣「……ああそうだな」
京子「いっつも私たちって一緒だよね昔から」
結衣「今更なんだよ幼馴染だから当たり前だろ」
京子「うん幼馴染だもんね……!」
京子「これからも一緒にいてくれるよね?」
結衣「お前がどっかに行かないかぎりな」
ユッリユラユルユリ♪
結衣「あ、メール……あかりからだ」
結衣(メール……)カパッ
あかり『結衣ちゃんあかりもいるからね?―――』
結衣(あかり……)
結衣「そうだよな」
京子「ん?あかりからなんだって?」
結衣「あー今日のことちなつちゃんに言っちゃったて」
京子「えーー内緒にしとこうって思ったのに」ガーン
ユッリユラユルユリ♪
京子「今度は私にちなつちゃんからメールが」
京子「……」
結衣「なんだって?」
京子「結衣先輩に変なことしたら許しませんって……怒りマークたくさん入ってる!?」ガガーン
結衣「ははは……」
ピロリン♪
結衣(ちなつちゃんからもメールが)
ちなつ『結衣先輩何かあったらすぐ連絡ください!駆けつけますから!』
結衣(はは心配かけてばかりだな私は)
結衣「もうすぐか……」
テクテク
結衣「結構登るな」
京子「うん」
京子「……」
結衣「……」
京子「……あのさ私が見た夢の話していい?」
結衣「なんだ急に別にいいけど」
京子「へへ……夢だよ夢の話だよ!」
結衣「わかったって」
京子「えっとさ私と結衣が一緒にいてさ」
京子「遊んでるんだよねー」
京子「でさ遊んでるといっつも結衣どっか行っちゃうんだよね」
京子「で私もう我慢ならん!って思って言うんだ」
結衣「ほう」
京子「私結衣のことが大好き」
京子「って」
結衣「……」
京子「ゆゆ夢の話だからな!」
結衣「うん」
結衣「で私はなんて言うんだ?」
京子「それがそれ言ったらまた結衣いなくなるんだよ」
結衣「よくいなくなるな私」
京子「私が結衣ー結衣ーって探してると目の前に知らない女の人がいるんだ」
京子「長い黒髪の女性」
京子「最初誰だろーって思ったけどすぐ結衣って気づいた」
京子「成長した結衣が会いに来てくれたんだ」
京子「それで私に言ったんだ」
結衣「なんて?」
京子「『またせてごめん』って」
結衣「……」
京子「……」
結衣「その続きは?」
京子「いやーここで目が覚めてさー」
結衣「なんだよ……」
京子「また同じ夢みれないかなーって思ってるんだけど」
結衣「そんな器用なことできんのかよ」
京子「……」
結衣「……」
京子「夢の……」
京子「夢の続き見たいな」
結衣「だからさ」
京子「……」
京子「結衣!」
結衣「?」
京子「わ、私は!」
京子「結衣のことが……」
京子「結衣のことがだ、大好き!……なんだ」
結衣「!」
京子「結衣は幼馴染だと思ってるかもしれないけど私はずっと結衣のが……」
結衣「京子……」
京子「結衣のことが好きなんだよー!」
京子「あばばば言ってしまった……」
京子「自分で言っててアレだがすごい恥ずかしい!!」
京子「わーーーー」ダッダダ
結衣「お、おい走るなって!」
結衣「京子……」
結衣(私がいなくなるって……)
結衣(いっつもいなくなるのはお前だろ)
結衣(人の話も……人の気持ちも)
結衣(聞かずに……)
ダッダッダ
結衣「おい京子!」
結衣「京子?」
結衣「どこだよ出で来いよ」
結衣「京子?……京子……」
京子「ばぁ!」
結衣「!?」
京子「ふっふっふビックリした?」
結衣「馬鹿!ってこどこ登ってんだよ危ないから下りろって」
京子「へへへー」
結衣「あのさ……さっきの話だけど」
京子「結衣上見て」
結衣「え?」
結衣「あ……星が」
京子「なーここが一番いいんだよ」
結衣「綺麗だな」
京子「……」
結衣「……」
京子「……別にいいんだ答えてくれなくたって」
京子「自分の気持ちが伝えれてよかったよ」ニコッ
結衣(京子……)
――――結衣『京子……』――――
結衣「私はまだお前に気持ちを伝えてないぞ」
――――結衣『あのな……』――――
結衣「勝手に走って勝手にどこかに行って私の話を聞いてくれない」
――――結衣『私は……』――――
結衣「私のほうが足速いのになんで私が置いてかれるんだよ」
――――結衣『!』――――
結衣「私の気持ち……ここで言ってもお前には伝わらない……意味もないけど」
――――結衣『京子!危ない!』
結衣「私は……私も京子のことが……大好きだ!」
――――結衣『京子!京子ーーー』――――
結衣「だから……だから」
結衣「また話をさせてくれよ京子……ぅう……京子ぉ……」グスグス
結衣「あの日からもう一年もたったよ」
結衣「私の顔ひどいだろ髪も伸びきったままだ」
結衣「ずっと塞ぎ込んでたんだ……」
結衣「お前を守れなかったこと……私の気持ちを伝えれなかったこと」
結衣「自分が許せなかった」
結衣「……でもなあかりやちなつちゃんが元気づけてくれて」
結衣「辛いのは私だけじゃないもんな……みんなお前がいなくなって辛いのに」
結衣「綾乃や千歳だって……」
結衣「あの日から学校がクラスがごらく部が」
結衣「私の隣が……すごく寂しい」
結衣「でもみんな辛いのに頑張ってる」
結衣「私だけこのままじゃ駄目だって思って……」
結衣「だから今日ここに来たんだ」
結衣「みんなには反対されたけどな」
結衣「あの日の……私の気持ち京子に伝えたいから」
結衣「ごめん京子ここに来て何が変わるわけじゃないのに」
結衣「みんなに心配かけて……」
結衣「……」
結衣「京子私の気持ちは伝えたぞだから」
結衣「だから……」
京子『結衣――ありがとう――』
結衣「!?」
結衣「京子?京子!」
結衣「京子……うぅぅきょうこぉ……」グスグス
~~~~~~
あかり「―――ちゃん!―――ちゃん!」
ちなつ「―――先輩!―――先輩!」
あかり「京子ちゃん!」
ちなつ「京子先輩!」
京子「ん……あ…かり?……ちなつ……ちゃん?」
~~~
あかり「先生も大丈夫って言ってくれてよかったね!」
ちなつ「京子先輩のご両親ももうすぐ来られますよ」
京子「あかり、ちなつちゃん私……?」
あかり「京子ちゃんひょっとして……」
ちなつ「何も覚えてませんか?」
京子「……うん」
京子「……ゆ結衣は……?」
ちなつ「そ、それが携帯に連絡したんですがつながらなくて……」
ちなつ「家のほうに電話したら家族の人も結衣先輩と連絡がとれてなくて……」
京子「結衣……」
あかり「……結衣ちゃん昨日京子ちゃんと行った場所に行くって……」
京子「!」
あかり「結衣ちゃん京子ちゃんが怪我した時からずっと自分を責めてたの」
あかり「もちろん誰も結衣ちゃんが悪いなんて言ってないよ?」
あかり「でも……それから元気なくしちゃって」
あかり「学校も行かなくて自分ちと京子ちゃんの病室をずっと行き来してたの」
ちなつ「それでも!最近はようやく前ほどじゃないですけど元気になってきたんです……」
ちなつ「それで昨日あの場所に行くって……」
ちなつ「私たちは止めたんですけど、しないといけないことがあるって」
ちなつ「せっかく前向きになった結衣先輩を結局止められなくて……」
京子「結衣……」
京子「結衣……っ結衣!」ズッ
あかり「京子ちゃん!?」
ちなつ「先輩今動けるわけないじゃないですか!?」ガシッ
京子「結衣が結衣が待ってるんだっ……」
あかり「結衣ちゃんはあかりたちが探すから!」
ちなつ「そうですよ結衣先輩は大丈夫ですから落ち着いてください!」
京子「結衣……!」
ガラッ
結衣「きょ京子……?」
京子「結衣……!」
結衣「京子?京子――京子!」
京子「結衣―――っ結衣!」
ギュッ
結衣「馬鹿!心配したんだ……心配したんだぞ!」ポロポロ
京子「結衣ごめん――ごめん」ポロポロ
あかり「結衣ちゃん」
ちなつ「結衣先輩」
結衣「あかり、ちなつちゃんありがとう――」グスッ
結衣「昨日あれからずっとボーっとしててね……気づいたら携帯の電池も切れてて」
結衣「それでさっき家に帰ったら親から連絡があって……京子が京子が……」
ちなつ「先輩……」
結衣「2人ともごめんそれとありがとう」
あかり「結衣ちゃん……」
結衣「京子……」
ちなつ「あ!たいへーん杉浦先輩や池田先輩にまだ連絡してなかったー」
あかり「えっ?あ」
ちなつ「あかりちゃんは櫻子ちゃんと向日葵ちゃんに連絡しないとー」
あかり「え?えもう連絡し――」ガシッ
ちなつ「早くいくのー!」ズルズル
ガラッピシャ
結衣「ちなつちゃんあかり……」
京子「結衣髪伸びたね」
結衣「うん」
京子「痩せたね」
結衣「うん」
結衣「……」
京子「……」
結衣「京子ごめん!」
京子「えなんで結衣が謝るんだよー」
結衣「京子を京子を守れ――」
京子「あのさ!私夢みてたんだー」
結衣「え?」
京子「ずっと同じ夢」
京子「結衣とずっと遊んでてさ」
京子「でも結衣がいっつもいなくなるんだ」
京子「だから私は言うんだよ」
京子結衣「「私結衣のことが大好き」」
京子「……」
京子「あれ?なんでわかったー?」
結衣「お前が器用だからな」フフフ
京子「?」
結衣「京子……私はどこにもいかないぞ!」
結衣「いなくなるのは……お前じゃないか…」グス
結衣「私はずっとずっと京子を待ってたんだ」
京子「結衣」
京子「結衣ごめんね」ギュッ
結衣「……今度は私が謝らないとな」
京子「ちょっと待って」ビシッ
京子「私が落ちて怪我したのは結衣のせいじゃないから!そのことで謝らないで」
結衣「京子……」
結衣「じゃあもう一つの事だ」
京子「え?」
結衣「お前は覚えてないかもしれないけど――あの日の返事まだしてないから」
京子「ううん覚えてる……ずっと夢でも待ってたから」
結衣「じゃあ夢の続きだな」クスッ
結衣「京子『またせてごめん』私は―――――」
オッワリーン
100 : 以下、名... - 2012/11/03(土) 01:05:39.20 kIc9GkX00 43/43シリアス系書いたことないのでいろいろ不自然かも
基本結衣が一人の場面は現在で京子との会話の時などが過去って感じどす
最初考えたときは京子ちゃん死亡で結衣ちゃん頑張ってくルートと京子ちゃん死亡結衣ちゃんも後追いルート
京子ちゃん存命結衣ちゃん世にも奇妙な物語ルートがあったけどこれが一番よかったです
支援ありがとでした