1 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:23:05.01 kXnbXFlm0 1/27

少女(山に囲まれた私の村は、年中彼岸花が咲き乱れている)

少女(この村の彼岸花には、不思議な力が備わっていて)

少女(人々は、その力を利用して生活している)

少女(ここは、そんな彼岸花の村の話)


元スレ
少女「涙の夜行に彼岸花」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1603110184/

2 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:27:55.13 kXnbXFlm0 2/27

「遅すぎ、もう皆終わってるんだけど」

「ほんっと役立たずだよな」

「早く戻ろうぜー」

少女「……」

少女(私は今、山菜を収穫している)

少女(私は村で唯一、彼岸花の力を引き出す事が出来ない)

少女(私には才能が無い。だから、周りの子供達からはいじめられている)

少女(ほかの子が出来る事も、私は何をするにも時間がかかる)

少女(私には何も出来ないんだ)

「もっと効率的に動けないかなあ」

「鈍間だなー」

少年「おい! 止めろバカ共!」ダッ

「少年、だってこいつがさあ」

少年「要は、早く済ませれば良いんだろ」ヒュオッ

少女(少年が彼岸花の花弁を握りしめると、辺りを突風が吹き抜けていく)

少女(風の刃で刈り取った山菜が、小さなつむじ風によって運ばれる)

少女(あっという間だ。私がのろのろやっていた事が、少年にとってはたったの数秒)

「お、おお……なんて精密な力の制御……」」

「すげぇ、やっぱ少年は格が違うよね」

「次の「花頭」はやっぱあいつで確定だよなあ」

少女「……ごめんね。いつも助けて貰って」

少年「気にすんなよ。他人はいつだって好き勝手言うもんだから」

少女(少年は私を気にかけてくれている。いつも助けてくれる)

少女(なのに、私は何もしてあげられる事が無い)

少女(ああ、私は駄目だなあ)

3 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:37:36.52 kXnbXFlm0 3/27

少女(この村では、年に一度「月花参り」という度胸試しの行事が行われている)

少女(まっすぐ森の一本道を抜けた所にある小さな池に)

少女(花弁が良質な薬になる白い彼岸花が生えているらしい)

少女(秋の月が出ている夜にしか咲かないから、暗い森に入らないといけない)

少女(勇気を出して、白い彼岸花を持ち帰った子供は「花頭」として称えられる)

少女(けれど、挑戦する子供はほとんどいない)

少女(何故なら、花の力は夜になると出せなくなってしまうから)

4 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:38:54.88 kXnbXFlm0 4/27

少女(この村の人間は、大人も子供も夜を恐れる)

少女(夜は周りが見えないし、花の力を使う事も出来ない)

少女(だからこそ、危険な月花参りを成し遂げた人間は、皆に尊敬される)

少女(私も月花参りをしたら、皆に認めて貰えるかな)

少女「……」

少女(無理に決まってる。私は力も無いし勇気も無い)

少女(いつだって心が苦しい。どうして私は生きているんだろう)

5 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:45:06.90 kXnbXFlm0 5/27

少年「よし、完成」スッ

「お、少年。それは?」

少年「彼岸花に、油に似た性質を付与しました。長時間持つように」

少年「これなら火を点ければ、夜でも手軽に利用出来ますよ」

「! こいつは良い! 燃料としても灯りとしても使えるな」

少年「ただ、これはかなり体力使うんで……数作るのはまだしんどいです」

「いや、大したもんだ! 大人顔負けだなこれは」

「良い発想だな。さすがは花頭候補だ!」

少年「……あざっす」

少女(少年はすごいなあ。何をしても人より出来る)

少女(少年に対する尊敬の裏に、どろりとした嫉妬が隠れている)

少女(そんな自分の心が、私は嫌いだ)

6 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:49:00.35 kXnbXFlm0 6/27

少女「少年は凄いよね、皆から認められてる」

少年「別に……たまたまそう言うのに向いてたってだけさ」

少女「でも、何も出来ないよりはいいよ。私なんて何も出来ない」

少女「どうして私は生きてるのかな。人の足を引っ張るだけなのに」

少年「そんな事無いさ。きっと何か出来る事がある」

少年「そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから」

少女(少年はいつも私を慰めてくれる)

少女(少年みたいに、自信があるかっこいい人になりたい)

少年「ほら、行こうぜ」

少女「……うん」

少女(でも、人にそう言ってあげられるのも、何か持ってる人だけなんだよ)

7 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:50:59.28 kXnbXFlm0 7/27

「さて、いよいよ明日は月花参りだが」

少年「……はい、覚悟は出来てます」

「うむ。一時間もあれば着くはずだから気をつけてな」

「期待しているよ」

少年「……どうも」

少女(良いな。私も誰かに期待されてみたい)

少女(明日はいよいよ月花参りか。少年は凄いなあ)

少女(……でも何だか、元気が無いな)

少女(少年でも、不安になったりするのかな)

8 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:52:15.23 kXnbXFlm0 8/27

少年「……」ブオッ

「うおお、凄いな!」

「いつにも増して気合入ってるね、そりゃそうか」

少女(凄い、全員分の木の実を一人で集め終わった)

少女(けれど、いつもより口数が少ないな)

少女(やっぱり緊張しているのかな?)

少年「……フー、ふぅ……」

少女「少年……あれ、どうしたの!?」

少年「平気だ。ちょっと熱っぽいだけ……」

少女「だ、大丈夫? 今日は安静にしてないと」

少年「駄目だ。村の皆が楽しみにしてる……期待を裏切る訳にはいかない」

少女「で、でも」

少年「すぐに戻ってくるよ、大丈夫」

少女(少年はそう言うと、しゃきっと立ち上がって皆の所に戻っていく)

少女(少年は強いなあ。私だったら寝ていたいのに)

少女(でも、心配だな)

少女(……心配するだけなんて、誰にだって出来るんだけど)

9 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 21:53:34.73 kXnbXFlm0 9/27

少女(そうしているうちに、夕暮れはやってきた)

10 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 22:00:22.23 kXnbXFlm0 10/27

「ではいよいよ、月花参りを開始とする」

少年「はい」

「武運を祈る。さぁ、開始だ」

「頑張ってー!」

少女「少年……!」

少年「行ってきます」

少女(そう言うと、少年は薄暗くなってきている森を進んでいった)

少女(大丈夫かな、彼岸花の力も無いのに)

少女「……」

少女(何を心配しているんだろう。私が何か出来る訳でも無いのに……)

11 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 22:02:00.67 kXnbXFlm0 11/27

少女(……遅い。あれからもう二時間は経った)

少女(もうそろそろ帰ってきても良いはず……)

少女(やっぱり、途中で倒れた? それともケガをした?)

「……遅いな」

「何かあったのかな、探しに行くか?」

「駄目だ。大人の介入は掟で禁止されている」

少女(少年……!)

12 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 22:03:00.58 kXnbXFlm0 12/27

少女(私が助けに……)チラ

ヒュオオォォォ……

少女「……!」ブル

少女(駄目だ、怖い)

少女(月明りしかない真っ暗な森に入るなんて……)

「おい、お前助けにいけよ」

「いや、お前がいけよ……」

「でも少年なら大丈夫なんじゃない? きっと上手く切り抜けてくるだろ」

「まあ、それもそうだけどさ……」

少女(確かに、少年なら大丈夫かもしれない)

少女(私なんかが居なくたって……)

少女(でも……)

少女(もし何かあったのなら、どんなに怖いんだろうか)

少女(誰も居ない夜の森で、独りぼっちで……きっと心細くて堪らない)

少女(……)

13 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/19 22:04:17.80 kXnbXFlm0 13/27

少女「……わ、私が助けに行く!」

「……え、いや少女が行ったって」

少女「行ってくる!」

「ちょっ」

「おい、戻れって!」

少女(ほんのちょっとの勇気を胸に、私は彼岸花を手に取った)

14 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/20 21:06:34.52 zSOeHXr00 14/27

バチバチ……

ザッ ザッ

少女(少年が作った彼岸花に火を灯し、私は真っ暗な森を歩く)

少女(夜の森はとても寒い。震えているのはきっと寒さのせいだ)

少女(一寸先は闇だ。ほんの少し先はもう何も見えない)

少女(怖い。確かにこれを一人で達成した子供は称えられるだろうな)

少女(燈火の音と私の足音だけが森に響く)

少女(むしろ、その音以外がしてはいけないんだ)

少女(すぐ側から獣が飛び出してくるかもしれない)

少女(足元に毒蛇が居るかもしれない)

少女(もしくは、もっと異質な何かが居るかもしれない)

少女「……大丈夫。大丈夫」

少女(不安は際限無く膨らんでいく)

少女(気を抜けば呑まれてしまいそう)

少女(か細い燈火だけを頼りに、私は夜の森を進んでいく)

17 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 19:55:22.48 D5+1u6Xp0 15/27

少女「はあ、はあ……」

少女(結構歩いたのに……まだかかるの?)

少女(少年の姿が見えない。もしかして、見落とした?)

少女(そもそも、この道で本当に合っているの?)

少女(私はちゃんと進めているのかな、迷子になっていたらどうしよう)

少女(怖い、怖い)

少女「うっ……グスッ……」ボロボロ

少女(駄目だ、私が泣いてどうするんだ)

少女(少年を助けにいくんだ)

少女(少年に会ったら、大丈夫だよって笑ってあげるんだ)

少女(私なんかよりも、少年の方がよっぽど不安で苦しいはずなのに)

少女(なのに、どうして涙が止まらないんだろう)

少女(弱虫だなあ、本当に私は弱虫だ)

少女(胸を張れるような人間になりたい)

少女(ちゃんとした人間になりたい)

少女「グスッ……待ってて、少年……!」

少女(それでも、私は燃える彼岸花を手に進んでいく)

18 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 19:59:28.21 D5+1u6Xp0 16/27

ザッ……ザッ……

少女(いつまで経っても景色が変わらない)

少女(本当に進めているのだろうか)

少女(今はどの辺りに居るんだろう)

少女(考えたって仕方無いのに、余計な事ばかり考えてしまう)

少女(この燈火も、いつかは消えてしまう)

少女(焦りばかりが募っていく、心臓の辺りがずっと気持ち悪い)

少女(いつも通りに息が出来ない、自分を見失ってしまいそう)

がさっ!

少女「わああああ‼」ザッ

少女(す、すぐそこで音がした!)

少女(何が居るの⁉ 獣⁉ 何かが落ちてきた⁉)

少女「わああああー……助けて……もう嫌……」グスッ

少女(目と耳を塞いで、惨めにうずくまる事しか出来ない)

少女(燈火も手放してしまった)

少女(怖い。どうして私はこんな所に居るんだろう)

少女(助けて。誰か助けて)

少女(もう怖いのは嫌だ。涙で顔はぐちゃぐちゃだ)

少女(とっくに心は限界なんだ)

19 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 20:51:58.76 D5+1u6Xp0 17/27

少女(……あれからしばらく経った)

少女(どれくらい塞ぎ込んでいたんだろう)

少女(少し落ち着いた私は、顔を上げた)

バチバチバチ……

少女(そこには、少年が残してくれた火が、まだ燃え続けていた)

少女(その光は優しくて、暖かくて)

少年『そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから』

少女「……」ギュッ

少女「待ってて、少年……!」

少女(私はもう一度彼岸花を手に取り、歩き出した)

20 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 20:55:08.54 D5+1u6Xp0 18/27

少女(遅れてしまった分を取り戻すためにも、私は進み続けた)

少女(身体は今も震えているけれど、そんな事よりも大切なものがある)

少女(そうだ、私が少年を助けに行くんだ)

少女(鈍間で弱くて、何にも出来ない私だけど)

少女(それでも……!)

21 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 20:59:55.81 D5+1u6Xp0 19/27

少女(あれ……煙の臭いがする?)

少女「……」

少女「ひっ! あ、あの光は……」

バチ……バチ……

少女「……燈火だ!」

少年「……はぁ……はぁ……」

少女(木にもたれ掛かっているのは……少年……!)

少年「少……女……?」

少女「う、ううっ……少年‼」ギュッ

少女「うわああああ……!」ボロボロ

少女(優しく笑ってあげたかったのに、顔を見た瞬間泣いてしまった)

少女(安心させてあげたいのに)

少女(本当に私は弱いなぁ)

22 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/21 21:04:47.05 D5+1u6Xp0 20/27

少年「……悪い……手間かけさせたよな……」ゼェ

少女「そんな事無いよ、えっと」

少女(これからどうすればいい?)

少女(私の力じゃ少年を運べない、肩を貸して戻る……?)

少女(あれ、森の奥に見えるのは……)

少年「もう、すぐそこに……白い彼岸花の……池があるみたいだ……」

少女「……分かった。待ってて」

少年「……ごめんな……」

少女(少年の燈火はもう消える寸前。私のはまだ持つ)

少女(きっと、真っ暗闇で待つのは心細いよね)

少女(私は持ってきた彼岸花を少年の側に刺して)

少女(闇の中に潜っていった)

25 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/22 20:14:53.12 U4CBPA8W0 21/27

少女「……怖くない、怖くない」

少女(そこには、本物の暗闇が広がっていた)

少女(灯りが無い、それだけでこんなにも息苦しい世界に変わるなんて)

少女(これに比べれば、今までの道なんて羽虫のようなものだ)

少女(少年の彼岸花を手放して初めて、その光のありがたみを思い知る)

少女(もう終わりは見えている)

少女(あの開けた場所だ。月明かりが差し込んでいる)

少女(そこに行くだけ。そこに行くだけ……)

少女(なのに、こんなにも不安で苦しい)

少女(少年の光があって私はここまで来れたんだ)

少女(だから、ここからは自分一人の力で進むんだ……!)

少女(冷や汗が止まらない。足だって歩き疲れてもう限界だ)

少女(だけど、後ほんのちょっと)

少女(吹けば飛ぶような勇気を手に、私は進む)

26 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/22 20:21:19.83 U4CBPA8W0 22/27

少女「あ……」

少女(着いた。これが……)

少女(小さな池が、月明かりに照らされている)

少女(丸い池に沿って、白い彼岸花が輪を描くように咲いている)

少女(これが……!)

少女「……いただきます。ごめんなさい」

少女(二輪だけ摘み取り、私は池を背に歩き出す)

少女(綺麗な景色だけど、ゆっくり眺めてられない)

少女(待っててね、少年)

27 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/22 20:25:33.16 U4CBPA8W0 23/27

少女「持ってきたよ、少年!」

少年「……!」カリ

少年「……うっ……クソ苦い……おぇ」ムシャ

少女「ど、どう……?」

少年「……」フー

少年「……少し楽になってきた、もうしばらく休めば治ると思う」

少女「良かった……」フラ

少年「ありがとう。助かったよ」ニコ

少女「……うん……どういたしまして……」トサ

少年「!」

少年(寝てしまった。来るまでの疲労と、ずっと気を張り詰めてたからか)

少年「……本当にありがとうな。ゆっくりお休み」

少女「……」スー

28 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/22 20:30:11.44 U4CBPA8W0 24/27

少年「……スー……ハー……」

少年「……うん」

少年(熱は下がった。まだしんどさはあるけれど)

少年(少女を抱えて村まで、いけるか……いや)

少年(あの怖がりな少女が、勇気を出してここまで来てくれたんだ)

少年「ここでやんなきゃ、男じゃないよな」

29 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/23 19:15:21.44 uOZPIrCz0 25/27

ザッ ザッ

少年「少女、寝てるだろうけどさ」

少年「俺は皆が思ってるような、すごい奴じゃないんだ」

少年「いつだって期待に応えられるか不安だし」

少年「人より何か出来る分、失敗出来ない重圧がある」

少年「人前で何かをするのも、人に意見を言うのも怖い」

少年「いつもいつも、不安で押しつぶされそうなんだよ」

少年「それでも、平気なフリして振舞っているんだ」

少年「今回も本当は休んでいたかったけど、皆の事を考えると休めなかった」

少年「人からの評価を気にしてる俺が、実は一番臆病なのかもしれないな」

少年「だから、今日少女が来てくれて……嬉しかったよ」

少年「何ていうかさ」

少年「俺の弱さを見てくれている人が居るって、安心する」

少年「少女のおかげで、俺は救われたんだ」

少年「だから、自分に自信を持ってほしい」

少年「少女は少女なんだ」

少年「皆、自分でも気付けないような所で、案外人の助けになってるもんだぜ」

少年「……空が少し明るくなってきた。夜明けが近いな」

少年「よし、後もうちょっとだ」

少女(……ありがとう、少年)ギュッ

30 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/23 19:25:15.76 uOZPIrCz0 26/27

少女(あれから、三日が経った)

少女(今回の月花参りは失敗と言う事になった)

少女(少年は自分で花を取って来なかった事で失格)

少女(私はもう動けずに、少年に抱えられて戻った事によって失格)

少女(今回の花頭は、結局誰もなる事が出来なかった)

少女(周りの人は落胆しているけれど、相変わらず少年は堂々としている)

少女(そのせいか、次の挑戦に期待する声も上がってきた)

少女(やっぱり少年は凄い。失敗なんてものともしない)

少女(でも、少年だって心の中ではきっと苦しんでる)

少女(皆、心のどこかで苦しんでいるんだ)

少女(完璧な人なんて、居ないんだなぁ)

少女(……それと、私に向けられる視線が、前とは少し変わった)

少女(少年が色々と話してくれたらしい)

少女(あの夜以来、色んな事が変わった)

少女(泣き虫で弱虫な私だけど)

少女(生きててもいいのかなって、思えるようになった)

少年「少女、そろそろ皆飯にするってよ」

少女「うん、今行くね」

少女(これからも、悩んだり笑ったりしながら私たちは生きていく)


少女(ここは、彼岸花が咲き誇る村)

31 : ◆XkFHc6ejAk - 2020/10/23 19:33:21.68 uOZPIrCz0 27/27

終わりです。ありがとうございました。

過去作です。

男「夏の通り雨、神社にて」
https://ayamevip.com/archives/44942633.html

少年「鯨の歌が響く夜」
https://ayamevip.com/archives/45154503.html

少年「アメジストの世界、鯨と踊る」
https://ayamevip.com/archives/46799899.html

男「慚愧の雨と山椒魚」
https://ayamevip.com/archives/46046779.html

男「路地裏、三日月の負け犬」
https://ayamevip.com/archives/49544308.html

男「とある休日、昼下がり」
https://ayamevip.com/archives/47239140.html

男「とある平日、春の夜に」
https://ayamevip.com/archives/47336575.html

男「とある街の小さな店」
https://ayamevip.com/archives/47135235.html

「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」
https://ayamevip.com/archives/47239149.html

「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
https://ayamevip.com/archives/48227151.html

「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
https://ayamevip.com/archives/48898365.html

旅人「死者に会える湖」
https://ayamevip.com/archives/47560979.html

少年「魚が揺れるは灰の町」
https://ayamevip.com/archives/47616947.html

少年「色とりどりの傘の町」
https://ayamevip.com/archives/49840208.html

男「浮き彫り」
https://ayamevip.com/archives/47750243.html

男「リビングデッド・ジェントルマン」
https://ayamevip.com/archives/48214419.html

青年「風鈴屋敷の盲目金魚」
https://ayamevip.com/archives/50361840.html

「黒山羊怪奇譚」
https://ayamevip.com/archives/52302518.html

男「虹色の珈琲」
https://ayamevip.com/archives/54945452.html

少年「ミッドナイト・シーラカンス」
https://ayamevip.com/archives/55015541.html

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