1 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 21:56:03.12 fofJ14HE0 1/27

少女「あ、こんなところにダンボールが」

少女「誰かが捨てちゃったのかな……ってあれ?ダンボールに何か書いてある」

少女「何々、誰かもらってください、だって」

「みゃー……」

少女「猫さんか、可哀想だけどお母さんがダメって言うだろうし……」

「みゃおーん」

少女「ごめんね、ウチでは飼えないよ、じゃあね」



元スレ
少女「死期が見える猫を拾った」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1353502563/

3 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 21:58:11.10 fofJ14HE0 2/27

少女「はあ……結局家に帰ってきちゃったけど、猫さん大丈夫かな」

少女「誰か拾ってくれるといいけど……」

母親「少女~ご飯よ~」

少女「はーい」

母親「今日はカレーね」

少女「うん、えっとねお母さん一つ聞いてもいいかな?」

母親「なあに?」

少女「うんとね、ウチで猫さん飼いたいんだけど……」

母親「ウチはダメよ、大体ペット一匹を育てるのにいくらかかると思ってんの」

少女「だよね……」


4 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:00:15.56 fofJ14HE0 3/27

母親「あら急に雨が、お母さん洗濯物入れてくるからね」

少女「雨……?どれくらい降ってるのかな」

少女「うわ、沢山降ってるよ、猫さん大丈夫かな」

母親「ふー、いきなり降ってくるもんだからびっくりしたわ」

少女「ごめんお母さん!帰ってきてからご飯食べるね!」ダッ

母親「あ、ちょっと待ちなさいどこ行くの!」

母親「ってもういないし、全く少女は優しく育ったわね」


5 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:02:25.01 fofJ14HE0 4/27

少女「猫さーん、大丈夫?」

「みー……」

少女「こんなに濡れちゃって……」

少女「……仕方ないよね、お母さんに内緒で自分の部屋で飼おう」

少女「ほら、猫さん私の家に行こう」

「みゃー!」


6 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:05:58.08 fofJ14HE0 5/27

母親「少女、どこ行ってたの?」

少女「え、えーと学校のうさぎさんが濡れてないか見てきたの」

母親「そう、ほら少女ご飯全部食べちゃいなさい」

少女「はーい、その前に濡れちゃったから着替えてくるね」

少女「(ふぅ、服の中に隠してたけどバレなくてよかった)」


7 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:06:40.05 fofJ14HE0 6/27

少女「うんしょっと、猫さんちょっとここで待っててね」

「みゃー?」

少女「ご飯食べてくるから、猫さんの分もできたら持ってくるね」

「みゃー!」


9 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:09:02.23 fofJ14HE0 7/27

母親「着替えは終わった?片付けたいから早く食べなさい」

少女「うん」

少女「お母さん食べたよ」

母親「はい、牛乳置いておくから、部屋で飲みなさい」

少女「こんなに!?」

母親「牛乳は体にいいのよ」

少女「わかった……」


11 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:11:40.09 fofJ14HE0 8/27

少女「猫さん、お母さんが牛乳飲みなさいって」

少女「けど私は牛乳嫌いだから全部飲んでもいいよ」

「みゃおーん!」

少女「おーよしよし、今日は一緒のベッドで寝ようか」

「みゃー」

少女「くまさんとぱんださんのぬいぐるみと、一緒に寝ようね~」


12 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:13:26.54 fofJ14HE0 9/27

少女「……そんなの……入らないよぉ……」

「少女ちゃん!……起きて少女ちゃん!」

少女「……うーん、え?今誰かの声が」

「僕だよ少女ちゃん」

少女「猫さんが!喋った!?」

「昨日は助けてくれてありがとう」

少女「うん、どういたしまして、って何で喋ってるの?」

「僕は特別な猫なんだ、少女ちゃんとだけ話せるようになったんだよ」


18 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:20:28.13 fofJ14HE0 10/27

少女「そうなんだ、凄いねー」

少女「あ、学校行かなきゃ、じゃ猫さんこの部屋から出ちゃダメだよ」

「わかったよ、あ、待って少女ちゃん!」

少女「どうしたの?」

「今日……いつもと違う道で学校に行ったほうがいいよ」

少女「そんな時間ないよ!遅刻しちゃう!」

「いいから!理由は話せないんだけど、いつもの道で行っちゃダメなんだよ!僕を信じて!」

少女「うーん、わかった猫さんの言うこと信じるよ、じゃ行ってくるね」ダダダッ

「いってらっしゃい!」


19 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:21:43.30 fofJ14HE0 11/27

「危ないところだった……あの子今日が死期だったんだ……」

「あのままいつもの道で学校に行くと、飲酒運転の車にはねられて死んじゃうところだったよ」

「少女ちゃんは僕がいる限り死なせたくないからね……」

「あんないい子を死なせてたまるもんか」


20 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:24:24.89 fofJ14HE0 12/27

少女「ただいまー」

母親「おかえりなさい少女、今日通学路で事故があったんだってね、少女は大丈夫だった?」

少女「うん、大丈夫だよ、今日はいつもと違う道で――」

少女「(あれ?猫さんが言ってたのって、このためだったのかな)」

母親「どうしたの?」

少女「ううんなんでもない、今日も牛乳飲むね」

母親「牛乳パックごともって行きなさい」

少女「う、うんありがとう」


21 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:27:29.59 fofJ14HE0 13/27

少女「猫さん!今日いつもの通学路で事故があったみたい」

「へえそうなんだ」

少女「猫さんが助けてくれたの?」

「そんな事は無いよ、たまにはいつもの道の方がいいかもって思ってね」

「でもまあ、結果的にはよかったみたいだね」

少女「うん!あ、ほら猫さんのために牛乳持ってきたよ」

「ありがとう、ではいただきます」


22 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:30:16.71 fofJ14HE0 14/27

少女「猫さん、今日は学校がお休みだから一緒に出かけようよ」

「いいよ、でもお母さんに見つからないように外にでないと」

少女「大丈夫、今日はお母さんお友達と遊びに行ってるから」

「そっか、じゃあ僕らも遊びに行こうか」

少女「とりあえず外に出てから行き先を決めよっか」

少女「ほら、猫さんは私が抱っこしてあげるね」


23 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:32:22.94 fofJ14HE0 15/27

少女「どこに行く?」

「少女ちゃんの好きなとこでいいよ」

少女「そんなのダメだよ、猫さんと二人で楽しみたいんだから」

「そっか、じゃあ公園でも行こうか」

少女「そうだね、猫さんがいたところの近くにある公園に行こうか」


25 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:34:30.81 fofJ14HE0 16/27

少女「猫さんついたよ、何して遊ぶ?」

「さっきは僕が決めたから、次は少女ちゃんが決めてよ!」

少女「う~ん、ちょっとまってねバッグからおもちゃ出すから」

少女「これこれ、ほら猫さんとってきて」ポーイ

「ガウガウッ……って僕犬じゃないからボール投げても拾わないよ!」

少女「そっか……そうだよね、私バカだ……」

「は、はは、なーんてね、ほーら取ってきたよ」

少女「ありがとう!けど無理しなくてもいいよ、次の遊び考えるから」


27 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:37:39.59 fofJ14HE0 17/27

少女「これはどう?スコップ!これで泥んこ遊びするの」

「いいね、僕は人間みたいに手を使えないから、少女ちゃんがしてるのを見るよ」

少女「えー、じゃあやめよっか」

「見てるだけで楽しいから!ね?泥んこ遊びしようよ」

少女「そう?じゃあしようか!」

「そうしようそうしよう」


31 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:41:14.14 fofJ14HE0 18/27

少女「猫さん、抜け出してみて」

「うーん、うーん、無理だよ僕には」

「(僕の身体を埋める遊びって、どんな遊びなんだ、人間の中では普通なのかな)」

少女「あはは、猫さんおもしろい!」

「(少女ちゃんが喜んでるからいっか)」

「(ん!!この公園に通り魔が来る!そして少女ちゃんが殺される!)」

「少女ちゃん、帰ろうか」

少女「なんで?まだ5時になってないよ?」

「えーと、僕風邪ひいたみたいだから」

少女「そうなの?じゃあ仕方ないね」ウンショ

「ごめんね、また遊びに行こう」

少女「うん!」


32 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:44:19.71 fofJ14HE0 19/27

少女「猫さん大丈夫?家についたけど」

「ああ、大丈夫だよ、身体中泥だらけだけどね」

少女「お風呂はいる?風邪ひいてるみたいだから、ぱぱっと入っちゃう?」

「お風呂かぁ……」

少女「あ、ダメだよ猫さん、好き嫌いは」

「わかったよ少女ちゃん」

少女「じゃ用意してくるね」タタタッ

「(よかったーあのまま公園にいたら少女ちゃんが……)」


35 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:47:50.62 fofJ14HE0 20/27

少女「用意できたよ、さ、はいろっか」

「うん」

少女「猫さんは先に入ってて」ヌギヌギ

「やっぱりお風呂嫌だな……」

少女「だーめ、もう、抱っこしてあげるから、ほら入ろ?」

「う、うん」


37 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:49:19.26 fofJ14HE0 21/27

少女「は~いいお湯だったね~」

「僕はもう二度と入りたくないよ」

少女「そろそろお母さん帰ってきそうだから上行こっか」

「そうだね」


40 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:53:44.48 fofJ14HE0 22/27

少女「今日も一日楽しかったー」

「そろそろ寝ないと明日起きられないよ」

少女「でも明日もお休みだよ?お母さんもお父さんとお出かけするみたいだし」

「でも規則正しい生活をしないと」

少女「猫さんってお母さんみたーい」

「お母さんも僕も少女ちゃんが好きって事なんだよ」

少女「そっかなあ、ほら猫さんこっちおいで」

「うん」

少女「今日はどのぬいぐるみとおねんねする?」

「猿とかえるがいいな!」

少女「うんわかった、ほらみんなで寝ようね~」

「おやすみ~」


42 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:57:03.41 fofJ14HE0 23/27

「ハッ今何時だろう」

「少女ちゃんは起きてるみたいだし」

「もう12時かー少女ちゃんに偉そうなこと言っておいて、結局僕の方がいっぱい寝てるよ」

「それにしても少女ちゃんはどこいったんだろう」


43 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 22:59:20.72 fofJ14HE0 24/27

「え……少女ちゃんの死期が5分後……」

「今少女ちゃんはリビングでテレビを見てる、このままだとこの家に入ってきた強盗に殺されてしまう」

「伝えなきゃ!!」

「くっ僕じゃ部屋の扉を開けられないっ……!」

「窓……も閉まってる!」

「どうしよう、もう3分しかない!」


45 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 23:02:26.71 fofJ14HE0 25/27

「……仕方ないか…………」

「神様お願いです、僕の命の代わりに少女ちゃんを助けてあげてください!」

神様「ほう、私は構わないが」

「ありがとうございます!!」

神様「しかし、そうした場合お前に関する記憶を、彼女から消させてもらう」

「くっ、それ……でも……いい、それでもいいから少女ちゃんを!!」

神様「わかった、お前の命を生贄に、運命を変えてみせよう」


46 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 23:06:03.14 fofJ14HE0 26/27

母親「少女!!」

少女「どうしたの?そんなに慌てて」

父親「お隣さんの家に強盗が入ったみたいだ、お出かけ先でニュースになっていたから急いで帰ってきたんだが」

母親「大丈夫?怪我はない?」

少女「うん大丈夫だよ」

父親「そうか、少女、ちょっと上に上がってなさい」

少女「わかった~」

母親「牛乳もっていくかい?」

少女「何言ってるの、私牛乳嫌いだよ」

母親「え、ああそうかい」

少女「んじゃ上にいるね」タタタッ

母親「少女は上に行ったわ」

父親「そうかニュースを付けるぞ」

テレビ「本日強盗殺人が――」


47 : 以下、名... - 2012/11/21(水) 23:10:46.62 fofJ14HE0 27/27

少女「ごうとうって、怖い人だよね」

少女「よかったこの家に来なくて」

少女「それでも他のおうちに入るのも嫌だな……」

少女「ぐすん……何か涙が出てきた……」

少女「今日はもう寝ようかな」

少女「今日のぬいぐるみはっと」

少女「あれ?猫さんのぬいぐるみなんて私持ってたっけ……」

少女「ま、いっか、今日は猫さんと一緒に寝よっと」

少女「おやすみ猫さん」




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