1 : 名無しさ... - 20/10/04 22:42:38 fT9 1/24


田中琴葉「プロデューサー。私、病気みたいです」

P「えっ……」

琴葉「……」

2 : 名無しさ... - 20/10/04 22:46:30 fT9 2/24


P「……何の病気だ?」

琴葉「それは……ちょっと……」

P「……言いづらい、のか?」

琴葉「はい。今も体に異変が出てますし、完治するかもわかりません」

P「えっ、それは大丈夫なのか?」

3 : 名無しさ... - 20/10/04 22:49:29 fT9 3/24


琴葉「あ、すぐに生死に関わるものではないです」

P「そうか。少し安心だな」

琴葉「ただ、放っておくと、アイドル活動に支障が出ますし、実は少し出始めています」

P「そうなのか……それで、どうしたいんだ?」

琴葉「そうですね……心苦しいですけど……休養が必要かもしれません」

4 : 名無しさ... - 20/10/04 22:52:37 fT9 4/24


P「そうか……何はともあれ体調が第一だからな」

琴葉「……」

P「幸い、しばらく大きなライブもないし、少しの間なら他の仕事も代役が立てられるし」

琴葉「……ご迷惑をおかけします」

P「あまり気負うなよ。こっちのことは何とかするから、な」

5 : 名無しさ... - 20/10/04 22:55:16 fT9 5/24


琴葉「……ありがとうございます」

P「それで、手術したり入院したりするのか?」

琴葉「おそらく大丈夫ですが、既に治療法はいくつか試しました」

P「えっ、そうなのか?」

琴葉「はい。でも、どれも上手くいかなくて……困ってるんです」

6 : 名無しさ... - 20/10/04 22:57:52 fT9 6/24


P「……琴葉がそんな状態になるまで、気づかなくてごめんな」

琴葉「いえ、私も隠してましたし。一生懸命やった結果なので、悔いはないです」

P「……そうか」

琴葉「すみません。復帰はいつになるかわかりませんが、よろしくお願いします」

7 : 名無しさ... - 20/10/04 23:02:36 fT9 7/24


P「わかった……毎日連絡するからな」

琴葉「あ、いえ、そんな。プロデューサーの手を煩わせることはできません」

P「気を遣わなくても大丈夫だよ」

琴葉「いえ、本当に大丈夫です。それに……余計に辛くなりそうなので……お気持ちだけありがたくいただいておきます」

P「……そうか」

8 : 名無しさ... - 20/10/04 23:05:31 fT9 8/24


琴葉「時期が来たら、私から連絡します。それまで、待ってください」

P「……ああ」

琴葉「それと、みんなには病気と言わないで……その、学業とか、先生のお手伝いとかって言ってもらえると助かります」

P「……わかった。琴葉がそう言うなら、そうするよ」

琴葉「ありがとうございます。それでは、失礼します」

9 : 名無しさ... - 20/10/04 23:11:36 fT9 9/24


……

P(琴葉が休養して、結構経った)

P(俺は約束通り、連絡は取っていない)

P(他の子をプロデュースしながら、琴葉からの連絡を待っている)

10 : 名無しさ... - 20/10/04 23:13:16 fT9 10/24


P(さて、帰るか)

♪~

P(!)

P(琴葉からの電話だ)

ピッ

11 : 名無しさ... - 20/10/04 23:17:18 fT9 11/24


P「琴葉。待ってたよ」

琴葉『ヒクッヒクッ』

P「琴葉? 泣いてるのか?」

琴葉『ヒクップロデューサー、私……辛いです』

P「どうした? 何があった?」

12 : 名無しさ... - 20/10/04 23:19:45 fT9 12/24


琴葉『ごめんなさいヒクッ、ごめんなさい』

P「琴葉、大丈夫か?」

琴葉『ごめんなさい……会いたい』

P「わかった、すぐ行くから! ちょっと待ってろ!」

……

13 : 名無しさ... - 20/10/04 23:22:18 fT9 13/24


P「お邪魔します、琴葉、大じょ」

琴葉「プロデューサー!」ダキッ

P「お、おう」

琴葉「私、私……どうにかなってしまいそうで……」

P「落ち着いて……大丈夫だから、な?」

……

14 : 名無しさ... - 20/10/04 23:24:48 fT9 14/24


P「落ち着いたか?」

琴葉「はい、ありがとうございます」

P「……なぁ、病気について教えてくれないか?」

琴葉「え?」

15 : 名無しさ... - 20/10/04 23:27:51 fT9 15/24


P「琴葉が休養してる間に考えてたんだけど、少しでも琴葉の力になりたいんだ」

琴葉「……」

P「まぁ、知ったところで、俺にどうにかできるわけじゃないけど。何かで役に立てないかな、と思って」

琴葉「……わかりました、言います。私が患っているのは……」

16 : 名無しさ... - 20/10/04 23:29:13 fT9 16/24


琴葉「恋の病です」

P「そうか……」





P「……え?」

18 : 名無しさ... - 20/10/04 23:31:34 fT9 17/24


琴葉「『恋の病診断所』というサイトがありまして」

P「うん?」

琴葉「興味本意でチェックしていったら、14項目中、12項目がyesで、『あなたは重度の恋の病だ』って」

P「うん?」

琴葉「治療法も6つ中、4つ試してダメだったので、プロデューサーに相談したんです」

P「うん?」

19 : 名無しさ... - 20/10/04 23:34:19 fT9 18/24


琴葉「5つ目は『距離を置く』なんですが、この通り逆効果でした」

P「うん?」

琴葉「なので、今から最後の治療法を試しても良いですか?」

P「ちょっと待ってくれ、全然理解が追いついてない」

20 : 名無しさ... - 20/10/04 23:37:11 fT9 19/24


P「体に異変があるとか言ってたよな?」

琴葉「プロデューサーと話していると、心臓の鼓動が激しくなって呼吸が荒くなります。ばれないように必死です」

P「アイドル活動に支障が出るとも……」

琴葉「仕事中もプロデューサーのことを考えてしまいます。それに、アイドルが恋人を作る時は引退するときですよね」

P「そう……かな?」

21 : 名無しさ... - 20/10/04 23:41:38 fT9 20/24


琴葉「それで6つ目の治療法なんですが、『告白する』なので、今から告白します」

P「待て、早まるな。どういう返事をしても悲しむ人が出てくるから告白はやめよう、な?」

琴葉「……私に優しくしてくれるのは、アイドルだからですか?」

P「それは……そういう面もある。だから、告白はやめよう」

琴葉「……あなたのものになれるなら、優しくされなくてもいい」

P「ちょ、ちょっと、思考が危ないぞ」

22 : 名無しさ... - 20/10/04 23:44:44 fT9 21/24


琴葉「というか、もう告白してるようなものですよね」

P「それは……」

琴葉「それで返事なんですが……」

P「その……」

琴葉「いりません」

P「え?」

23 : 名無しさ... - 20/10/04 23:46:33 fT9 22/24


琴葉「ありがとうございます。明日から復帰します」

P「えっと、琴葉?」

琴葉「はい」

P「俺が言うのもなんだけど……大丈夫なのか?」

琴葉「ええ。だって」

24 : 名無しさ... - 20/10/04 23:50:31 fT9 23/24


琴葉「今も抱きしめてくれているのが、プロデューサーの答えですよね?」

P「……ああ」

25 : 名無しさ... - 20/10/04 23:58:12 fT9 24/24


琴葉「だから、もう平気です。立場上、今はそういう関係にはなれないって、わかってますから」

P「……琴葉はかしこいな」

琴葉「ふふっ……でも、今はもう少しだけ、このまま……」


おわり

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