主催者『ようこそ、諸君。諸君は私のゲームに選ばれた。光栄に思いたまえ』
主催者『これより……デスゲームを開始する!』
男「デスゲームだって!?」
DQN「なんだよそれ、ふざけんなァ!」
オタク「ひいい……!」
女「いきなり拉致されて……どうしてこんなことに……」
ギャル「ウッソー、マジでー?」
主催者『さっそくゲームの内容を説明しよう』
元スレ
主催者「デスゲームの見せしめに一人殺そうとしてもそいつが死なねえ」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1601975180/
DQN「やってらんねえぜ! 俺は出て行く!」
オタク「ボ、ボクも……」
DQN「ってドアが開かねえ!」ガチャガチャ
主催者『やれやれ、どうやらまだ自分の立場が分かってないようだ』
主催者『君たちの命は私が握っているというのに』
主催者『見せしめとして……一人死んでもらおう!』
ヒュッ! グサッ!
男「え……俺?」ドサッ
DQN「な……! 矢が心臓に突き刺さった……!」
オタク「ひいい……!」
女「そんな……」
ギャル「ヤバーイ!」
主催者『このゲームから逃げようとする者はこうなるのだ』
DQN「ク、クソが! こいつは逃げようとしてねえのに! やるなら俺をやれよ!」
主催者『罰は理不尽な方が効果があるだろう? ハーッハッハッハッハ!』
男「いてて……」ムクッ
主催者『……え?』
男「矢を抜かないと」ズボッ
主催者『貴様……!? なぜ……? なぜ生きている!?』
男「なんでっていわれても……」
主催者『どうやら急所を外していたようだ。ならば、これはどうだ!』
ギュルルルッ ズバッ!
男「ぐはっ……!」
女「きゃあああああっ! 刃が飛んできて体を切り裂いた!」
ギャル「すごい切れ味ー!」
オタク「これは死んだでしょ……即死でしょ……」
DQN「てめえ、なんてことしやがる!」
主催者『死ななきゃ見せしめにならんからねえ』
主催者『さてと、気を取り直してゲームに移ろうか』
男「ビックリした……」ムクッ
主催者『な……!?』
女「体をばっさり斬られたのに生きてる!」
主催者『なんなんだこいつはァ……!』
主催者『だったらァ!』
ズドンッ!
男「う゛っ!」ドサッ…
DQN「銃弾……!?」
ギャル「額に大命中ー!」
主催者『確実に脳みそを撃ち抜いた……終わりだ』
男「……」
女「動かない……さすがに死んだっぽいわね」
男「うう……」ムクッ
女「生きてた!」
DQN「マジかよ!」
オタク「どうなってんの!?」
主催者『……!』
主催者『おのれえええええええええ!!!』
主催者『ファイヤー!!!』
ゴォワァァァッ!
男「あちっ! あぢいいいいいいっ!」
メラメラメラ…
主催者『灼熱の業火で苦しむがいい!』
男「ふぅぅ~……熱かった」プスプスプス…
ギャル「あんな炎浴びて生きてるー!」
主催者『炎がダメなら凍らせてくれるわ!』
ビュオォォォォ……!
男「……」カチーン
DQN「一瞬で凍りついた!」
男「寒いなぁ、もう」パキィィンッ
オタク「普通に復活したぁ!」
主催者『ならば感電させてやるゥ!』
バリバリバリッ!
男「あぎゃあああああああっ!」ドサッ…
主催者『電流・電圧ともにフルパワーでやった……終わりだ』
男「痺れたなぁ、もう」ムクッ
女「立ち上がったわ!」
主催者『だったらグロイからあまりやりたくなかったが……体を丸ごと潰してやる!』
ズシンッ!
女「上から柱みたいなのが降ってきて、彼を潰しちゃったわ!」
オタク「この部屋にはいくつトラップがあるんだよぉ」
男「……」ムクムク
DQN「あの状態からでも復活できるのかよ!」
ギャル「海外のアニメでありがちー!」
主催者『ならば毒だァ!』
主催者『血中にほんのわずかでも入ったらゾウだろうがクジラだろうが即死する猛毒を注入してやる!』
グサッ!
チュゥゥゥゥ…
男「うぐぅ……」ドサッ
主催者『これでようやくゲームを……』
男「よいしょ」ムクッ
主催者『始められん!』
主催者『もうダメだ……オシマイだぁ……』
DQN「……」
DQN「諦めるなよ!」
オタク「そうだよ、諦めちゃダメだ!」
女「この見せしめが終わらないと、ゲームが始まらないじゃない!」
ギャル「あたしも早く帰りたいしー」
主催者『みんな……! ありがとう……!』
主催者『よぉし、だったらとっておきの手段だ!』
主催者『極めて小規模かつ高密度の爆発を起こす爆弾で、こいつをふっ飛ばす!』
主催者『みんな離れていろーっ!』
コロコロ…
男「……ん」
ドゴォォォォォン!!!
主催者『や、やった……! 木端微塵に粉砕した! バラバラになってしまえばさすがに……』
主催者『――ん?』
グニュグニュ… グニュグニュ…
主催者『ま、まさか……!?』
主催者『ダメだ……肉片になっても死んでない!』
主催者『肉片同士集まって、再生しようとしてるぅ……!』
DQN「なんて奴だ……!」
オタク「まさに不死身じゃないかぁ……」
ギャル「この見せしめいつ終わるのー?」
女「ねえ、だったら私たちも彼を倒すのに協力しない?」
女「主催者さんだけじゃダメでも、皆の力を合わせればやれるかもしれない!」
ギャル「あ、それいいー!」
DQN「そうだ! みんなの力を合わせるんだ!」
オタク「こういうシチュ大好きだよ、ボク!」
主催者『分かった……やむをえん!』
主催者『見せしめを代わりにやってもらうなど、主催者として恥ずべきことだが……』
主催者『本来デスゲームに使うはずだった剣を……君たちに支給しよう!』
DQN「全員、剣を握ったか!?」
オタク「うん!」
女「うん!」
ギャル「バッチシ~!」
DQN「よぉし、それじゃ呼吸を合わせて――こいつの肉片に斬りつけるんだ!」
男「!」
男「や、やめ……よせ……」グニュ…
DQN「オラァッ!」
オタク「ていっ!」
女「えーいっ!」
ギャル「キャーッ!」
ザシュッ!!!!
男「ぐああああああああ……っ!!!」
男「ち、ちくしょう……こんなこと、が……」
ボシュゥゥゥゥゥ…
DQN「消滅した……」
DQN「ある種の達成感はあるけど……俺たち、人一人殺しちまったんだよな……」
オタク「う、うん……」
女「どうしよう……」
ギャル「罪悪感パないんだけど~」
シーン…
パチパチパチパチパチ…
主催者「いや、君たちはよくやってくれた。奴を殺したことなど気にする必要はない」
DQN「てめえは……デスゲームの主催者!?」
DQN「いきなり出てきやがって、なんのつもりだァ!?」
主催者「全て説明しよう。私の正体は――地球防衛軍の将校だ」
DQN「へ……?」
オタク「なにそれ……」
主催者「地球を守るため、日々エイリアンと戦う秘密裏の組織だ」
女「そんな組織の人がなんで……」
主催者「実は……さっき君たちが殺した男は、人に化けたエイリアンだったんだ」
ギャル「え~!?」
主催者「力こそないが、その不死身性でさまざまな惑星を乗っ取ってきたというエイリアンでね」
主催者「もしあの一体を倒せなければ大勢の仲間を呼ばれ、取り返しのつかないことになっていた」
主催者「しかし、あの一体さえ倒してしまえば、もう侵略に来ることはない。そういう性質だからな」
DQN「だけど、なんだってデスゲームを……!?」
主催者「我々があのエイリアンを倒す方法を解析した結果――」
主催者「『見ず知らずの男二人女二人が、エイリアンの正体や攻略法を知らぬまま、一致団結して殺意を持って四人同時に攻撃する』」
主催者「――という極めて面倒な手順を踏まなきゃ倒せないことが分かった」
主催者「だから……こういう方法を取るしかなかったというわけさ」
おわり