384 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 19:59:09.41 OG6aEGa5O 1/56

家の中に入ると蝉の声が遠ざかったように感じる

「あ、律さん!いらっしゃい!」

制服にエプロンという出で立ちで憂が出迎えてくれた

「お姉ちゃん部屋にいますよ」

「りょうかーい」

まるで我が家であるかのように上がりこんでしまうのは、我ながら悪い癖だ



元スレ
澪「梓寝ちゃった…」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1286168610/

385 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:03:25.71 OG6aEGa5O 2/56

階段を昇る私に向けて憂の声

「晩ご飯できたら呼びますねー」

「よろしくぅ!」

心から期待しつつ憂の姉の部屋をノックする

「唯ー、きたぞー」

「どーぞー」

ドアを開けると冷たい空気が流れ出てくる

「寒っ!冷房かけすぎだろ!」


386 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:09:56.20 OG6aEGa5O 3/56

「えへへー」

「ちゃんと勉強してたか?」

「えへへー」

意味もなく笑う

試験期間中の土曜日に私の相手をしてくれるのは唯ぐらいのもの

優等生3人は今ごろ机に向かっているんだろう

「お笑いのDVD持ってきたぞー」

「やったー!今日は朝まで笑いに包まれて眠るのです!」

そんなオカシナ宣言はいらない


387 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:15:10.23 OG6aEGa5O 4/56

「新しい曲練習したんだよ!ちょっと聴いて!」

「オッケー」

ギー太を抱きしめるようにしながらピッキングを始める

「どうかな?」

「もう少しアクセント付けて弾むような感じにしたほうが良くないか?」
「そっかー」

こういうときドラマーは居心地が悪かったりする


388 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:22:12.81 OG6aEGa5O 5/56

集中している唯に何を言っても無駄だから、適当なマンガを読んで時間を潰す

一時間ほど経ったころ、階下から憂の声がした

「晩ご飯だよー」

「よし!行こう律っちゃん!」

「切り替えはやっ!」

ダッシュで階段を駆け下りていく音がする

苦笑しながら唯に続くと、テーブルの上には良くできた妹の良くできた手料理が並んでいた



390 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:28:36.81 OG6aEGa5O 6/56

「暑いから冷しゃぶにしてみました」

「ういー、私の妹になって」

「ダメだよ律っちゃん!憂がいなくなったら誰が私を起こすのさ?」

「私に関係なく自分で起きようね、お姉ちゃん…」

いつも通りの会話を聞きながら舌鼓を打つ

さらにデザートのアイス付き!

これだから平沢家は止められない!

「律っちゃん、悪い顔になってるよ?」

リビングに3人の笑い声か響く


392 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:33:46.40 OG6aEGa5O 7/56

「律っちゃん、先にお風呂入っていいよー」

「いや、悪いよ」

「部長だから大丈夫!」

「律さんお先にどうぞ」
2人に促され、一番風呂に入る

自分の家では有り得ない待遇だ

気分よく汗を洗い落とし、リビングに戻る

交代で唯が浴室に向かう

憂としばし談笑

ホントに妹にしたくなってくる


393 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:38:08.45 OG6aEGa5O 8/56

顔を上気させた唯が戻ってくる

「ういー、おまたせー」

「じゃあ私も入ってきますね」

「ごゆっくり」

「律っちゃん、また前髪伸びた?」

「ん?あぁ、少しね」

「律っちゃん髪綺麗だから羨ましいよ」

「唯は癖っ毛だもんなー」

「ねぇねぇ、触ってもいい?触ってもいい?」


395 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:45:23.07 OG6aEGa5O 9/56

そんな笑顔で言われたら断れないじゃないか

「あんまりクシャクシャにするなよ?」

「大丈夫だよ」

私の隣に座り髪を撫でる

ちょっとドキドキしてしまう

悟られないためにテレビに目を移すと、草野仁と目が合った

どうやら全員ボッシュートだったらしい


397 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 20:50:36.11 OG6aEGa5O 10/56

憂が出てくるまでの間、唯は飽きもせずに私の髪を触り続けていた

「私は部屋に戻って少し勉強しますね」

私にはまるで縁の無いセリフだ

「律さんおやすみなさい」

「ん。おやすみー」

「お姉ちゃんおやすみ」

「おやすみういー」

憂がいなくなると唯が沈黙

なんだこの空気は


398 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:00:49.23 OG6aEGa5O 11/56

「えっと…DVD観よっか」

なぜか焦る私

しかしなおも沈黙

「唯?どした?」

「えっと…」

こんな控えめな唯は珍しい

からかってやろうと思ったら、それより先に唯が口を開いた

「律っちゃんに聞きたいことがあるんだぁ…」

「へ?相談事か?」

「そんな大層なものじゃないよ」


399 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:06:17.67 OG6aEGa5O 12/56

「そっか。よし、聞かせてもらおうじゃないか」

「えっと…憂に聞かれたくないから…私の部屋にいこ?」

(ん?さては好きな相手でもできたか?)

女の直感

「オッケー!じゃ、いこっか」

リモコンでテレビを消して立ち上がる

「飲み物持ってくから先に上がってて」

「はいよ」

恋愛相談を受けるのなんて久々だから、ワクワクしながら唯の部屋に向かう



400 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:11:26.82 OG6aEGa5O 13/56

唯の部屋に入り定位置に座る

唯はコーラのペットボトルとグラスを持って上がってきた

2つのグラスがコーラで満たされる

「で?」

コーラを飲み終えた私から切り出した

「聞きたいことって何?」

「あ、うん…うんとねぇ…」

相変わらず言いよどむ

「大丈夫だって!女は度胸!」

恋愛相談だと思いこんでいる私は、右手の拳でドン!と胸を叩いてみせる

「そうだよね!」


403 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:16:32.56 OG6aEGa5O 14/56

唯がグラスのコーラを一気に飲み干す

ふぅ、と息を吐き出し、自分に勢いを付ける

「あのさ!律っちゃんはさ!」

「はい!」

勢いに押され、思わず丁寧な返事を返してしまった

「律っちゃんはさ…その…えっと…一人で…」

「一人で?どした?」

「うん…一人でしたりするのかな?って…」

「何を?」

聞き返した私は間違ってないはずだ



404 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:22:44.53 OG6aEGa5O 15/56

「だからさ…その…」

ちょっとイライラしてくる

「唯!ハッキリしなさい!」

「あ、ごめん!だから…一人でエッチなことするのかなっ!?」

早口でまくしたてた唯

そのあとで当然のように訪れる沈黙

「ん?えっと…」

唯の言葉を頭の中で反芻する

やっと意味がわかった

「え!?ええ!?」

この反応も間違ってないはず



406 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:28:03.02 OG6aEGa5O 16/56

唯は顔を真っ赤にしながら私を凝視している

(えっと…えっと…えっと…)

さっき唯に言った言葉をすべて忘れてしまったみたいに、私を何も言えずにいた

なぜか私の方が涙目になってくる

「し、し、したことないです!」

吐き出した声が裏返る

そしてなぜか敬語

「なんで!?」

唯が怒ったように言った

「そんなこと言われても…」


407 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:34:14.22 OG6aEGa5O 17/56

「律っちゃんお姉さんぽいから詳しいと思ったのに!」

「え、いや、ごめん…」

なんで謝ってるんだ私は

それに気付いたのか、唯が深呼吸して気持ちを落ち着かせる

「律っちゃんはあんまりそういうのに興味が無いの?」

「そういうわけじゃないけど…」

一応高校3年生だ

そのテの話は嫌でも耳に入ってくる

「したいなぁとか思う?」

「一人で?」


408 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:40:02.65 OG6aEGa5O 18/56

「一人ででも…男の人とでも…」

いわゆる猥談というやつだ

だけど私はそれが苦手だった

なんつーか照れくさい

それにしても、一番興味なさそうな唯から話を振られるとは…

「唯は…どうなの?一人でするの?」

「まだしたことないよ…」

まだ、ということはその内してみたいってことか

でなきゃこんなこと聞かないだろうし


409 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:44:09.54 OG6aEGa5O 19/56

「気持ちいいのかなぁ?」

ヤバい

唯にスイッチが入ってしまったようだ

「ど、どうなんだろうね?」

何とか逃げ道を探さなくては

「律っちゃん」

「は、はい」

「また髪触ってもいい?」

「またって…いつ?」

「いま」

ヤバい

この空気は絶対にヤバい



410 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 21:50:01.84 OG6aEGa5O 20/56

「さ、さっきあんなに触ったじゃん」

「律っちゃんの髪の毛柔らかくて気持ちいい」

「あ、ありがと」

「隣に座ってもいい?」

「うん…」

唯が隣に腰を下ろす

大きな瞳が潤んでいる

私が男だったら

(いただきます)

と唱えるべきなんだろうけど、どう考えても女だ


412 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:03:04.56 OG6aEGa5O 21/56

唯が私の髪の毛を撫でる

自分の顔が赤くなるのがわかる

唯の顔が見れない

「律っちゃん可愛い」

「あ、ありがと」

「ギュッてしもいーい?」

「え…うん…」

唯に抱きしめられる

鼻先が右耳に当たる

首筋に鳥肌


413 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:10:33.58 OG6aEGa5O 22/56

「律っちゃん」

耳元で唯の声

「こっち向いて」

「は、は、恥ずかしいからやだ!」

「やっぱり可愛いー」

そう言うと私の首筋に顔をうずめた

唇が鎖骨の辺りに触れる

その部分から発した熱が全身に広がっていく

(どうしよ、どうしよ、どうしよ)

頭の中でその4文字を繰り返してみても、解決策は見つからない

第一、脚に力が入らない




414 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:15:16.03 OG6aEGa5O 23/56

唯が顔を上げる

柔らかい唇が私の右頬に触れる

そしてまた元の体勢に戻る

それを何度か繰り返したころ

「律っちゃん」

「…何?」

「チューしよ?」

「さっきからしてる!つーかされてる!」

「違うよー」

唇を耳元に近付ける

「ホントのチューだよー」


415 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:19:19.65 OG6aEGa5O 24/56

「え、え、え…」

「したことある?」

「あ、あるわけないだろ」

「えへへー、私も」

握りしめていた右手を唯の右手が包み込む

「律っちゃん」

「な、何だよ…」

「お顔見せて?」

「は、恥ずかしいって言っただろ…」



416 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:23:19.36 OG6aEGa5O 25/56

「お願い」

「…見るだけだぞ」

「えー」

「じゃあやだ!」

「むー。わかった、見るだけ」

「ホントに見るだけだからな」

「うん」

ゆっくりと顔を唯に向ける

目が合う

だけどすぐに伏せてしまった

もちろん私が


418 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:28:23.76 OG6aEGa5O 26/56

「………!」

その一瞬だった

唇に柔らかなものが触れたのがわかった

「えへへー、約束破っちゃった」

「バ、バカぁ!見るだけって言っただろ!

涙目で抗議する

だけど…

「…………!」

もう一度奪われた

今度は長い時間

振りほどこうとしたけど…

なぜか力が入らなかった


420 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:35:47.17 OG6aEGa5O 27/56

唯が唇を離す

「律っちゃんは唇も柔らかいや」

嬉しそうに言う

「………」

「怒ったぁ?」

「…ちょっと」

「ごめんね」

「…うん」

「もう一回してもいーい?」

「………………うん」

展開があまりにも目まぐるしくて、思考能力が失われている

と、自分に言い聞かせた

だって…

嫌ではなくなっていたから

二度目よりもさらに長く唯に唇を預けている間、そんなことを考えていた


421 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:43:30.19 OG6aEGa5O 28/56

「今度は律っちゃんからして?」

「え…それはやっぱり恥ずかしい…」

「律っちゃん照れ屋さんだねぇ」

そういう問題ではないと思う

唯に抱きしめられながら無言でツッコミを入れた
「律っちゃん大好きだぁ」

「…ありがと」

唯の身体からソープの甘い香り

気持ちまで甘くなってしまう

「私も…大好き…」

「ありがと!えへへー」

キス

今度は一瞬

そしてまた抱きしめられる


423 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:50:12.72 OG6aEGa5O 29/56

「…律っちゃん」

「ん?」

声まで甘くなってしまった

「胸触ってもいーい?」

いまの自分の声が照れくさかった

だから無言で頷いた

唯の右手が触れる

シャツの上からでも手の温もりがわかった

「胸も柔らかい」

「当たり前だろ…」

くすぐったいような感覚の中に心地よさが混ざる

次第に目を開けている力さえ失われていった




426 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 22:56:12.93 OG6aEGa5O 30/56

「えっと…気持ちいい?」

何も反応しない私に不安を覚えたのか、唯が無粋なことを聞く

また無言で頷いた

「えっとえっと…声とかは?」

我慢してるに決まってるだろ!

と言ってやりたかったけど、そんなこと自分で言うのもどうかと思ったから何も言わずにいた

「ひょっとして我慢してる?」

相変わらずのKYぶりを発揮する唯

「…バカ唯」

小声で叱ってやった


427 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:01:01.93 OG6aEGa5O 31/56

「でも我慢したら身体に悪いよ!」

お前は説教強盗か

「だから自分に嘘ついちゃダメだよ!」

お前は熱血教師か

心の中でいちいちツッコミを入れた

漏れそうになる声を我慢するために




428 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:07:25.19 OG6aEGa5O 32/56

「手、入れるね?」

「…うん」

シャツの裾から入り込んできた唯の手が私の乳房を包む

「わぁ」

「ち、小さくて悪かったな」

だけど唯の驚きは別の理由からだった

「律っちゃんの胸だぁ」

本気で喜ぶ

「触らせ甲斐もあるというものだ」

なんて思う余裕はなかった

唯の手が動くたびに、手のひらが乳首を転がす




429 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:12:24.10 OG6aEGa5O 33/56

「……………ん……………ん」

喘ぎ声というものは我慢しようとして出来るものではないと、身を持って知った

「………ん………んん」

声が漏れる感覚がどんどん短くなっていく

それでも必死に耐える

しかし唯からのトドメの言葉

「我慢しなくていいよ?」

それを聞いた瞬間、堤防が破れたように波が広がった

私の身体中に


430 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:17:06.65 OG6aEGa5O 34/56

「ん…ぁん」

「可愛い声」

「バカ…んん…」

シャツ越しに唯の手を握る

その行為を唯は勘違いしたようだ

「もうやめる?」

「…どっちでもいい」

「じゃあやめない」

再び手を動かす

止められてはいたらガッカリしたのかな?

自問したって答えはでるはずもない


431 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:23:36.59 OG6aEGa5O 35/56

「律っちゃん」

「…何?…ん」

「ベッドいこ?」

「え?でも、だって…ぁん…恥ずかしいか…ら…」

唯が立ち上がる

シャツの中に手を入れられている私も、一緒に立ち上がらざるを得なかった

右手を掴まれ、ほとんど無理やりベッドに誘導される

「ちょっと待って唯!えっとやっぱりその何というか」

焦りまくる私

「律っちゃん」

「へ?」

「電気は消した方がいいよね?」

突っ走る唯


432 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:27:13.10 OG6aEGa5O 36/56

「え?えっと、そりゃまぁ消し貰えたほうがありがたいけど…」

「わかった!」

ドアの横にあるスイッチをオフにする

暗闇

セミの声

遠くを走る電車の音

他には何も無い



434 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:32:02.99 OG6aEGa5O 37/56

唯が戻ってきて私を抱きしめる

少し長めのキス

それから私は唯に操られているかのように、ベッドに仰向けになった

唯の右手が私の頭の下に差し込まれる

左手はシャツの中でゆっくりと動いている

「脱がせてもいいかな?」

「…たぶん」

可笑しなやりとり



435 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:37:37.45 OG6aEGa5O 38/56

シャツを脱がされると蒸し暑い空気が肌を包んだ

両手は反射的に胸を隠している

暗いから大丈夫とかそういう問題ではない

その両手を唯がほどく

「暗くて見えないよー」

見られたくないから電気を消すよう言ったんだ

「じゃあ、えっと…舐めます!」




438 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:42:53.39 OG6aEGa5O 39/56

「えっと…唯」

「どしたの?」

「…宣言しないでくれる?」

「りょーかい」

そう言うと私の胸に舌を這わせた

「ぁん!」

あまりにやらしい声だったの自分で驚いてしまった

そしてそんな声が出てしまうくらい…気持ちよかった

思わず唯の頭を抱きしめる




440 : 以下、名... - 2010/10/05(火) 23:50:05.18 OG6aEGa5O 40/56

声はどんどん大きくなっていってるはずなのに…

私の耳に届くそれはどんどん小さくなっていく

意識が朦朧としてきた

でも胸から広がっていく波はハッキリと感じとれた

「…気持ちいいのかなぁ?」

ついさっき、唯から発せられた疑問

いまなら答えてやれる

だけどそんな余裕はすでに無く、私は唯の頭を抱きしめ続けた


441 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:00:21.57 QmBMqUlnO 41/56

「腕痺れちゃった」

「あ、うん」

頭の下から右手を抜き取りながら唯が言った

「律っちゃんエッチだねー」

無責任なことを言い放つ

「バカ!」

「えへへー」

首筋に口付け肩へ、そして右腕から指先へと

長い時間をかけて丁寧に舌を這わせた

その間も左手で胸を弄んでいる



442 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:04:26.03 QmBMqUlnO 42/56

その左手が下がり、パジャマ代わりのハーフパンツの中へと入ってきた

「ちょちょちょ!唯!」

「へ?」

「な、何してんの?」

「下も触ろうと思って」

「い、いきなりは止めろよな!」

「へ?だって宣言するなって律っちゃんが?」

「………」




447 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:08:28.07 QmBMqUlnO 43/56

「えっと…宣言はしなくてもいいけどさ…」

「ふんふん」

「一応何するかだけ教えてくれると助かる…かな」

「りょーかい」

「いや、ホントにわか…ぁ…」

再び乳首に吸いつく

そして左手ては…

私に初めての快楽を与えるために、下着越しにそれを探していた


448 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:13:25.00 QmBMqUlnO 44/56

「!!」

声にならない声

初めて触れられたそこは、喜びのためだけに存在するように思えた

「唯!ちょっとストップ!お願い!」

助けを求めるような口調で懇願する

「どったの律っちゃん?」

「えっとその…ヤバい…」

「何が?」

「気持ちよすぎる…そこ…」

唯が私の下半身に目をやる


451 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:17:21.45 QmBMqUlnO 45/56

「そんなに?」

「うん…」

「えっと、じゃあ…触らないほうがいいの?」

「たぶんすごい声出ちゃうと思うんだ…」

「困ったねぇ」

真剣に悩む唯

「じゃあずっとキスしててあげる!」

「え…でも…」


454 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:21:37.57 QmBMqUlnO 46/56

「ね?」

「うん…変な声出しても笑わない?」

「笑わないよ」

「じゃあ…強くしないなら…触ってもいい」

「ゆっくり触るね」

唇が重なる

そして…

「……!」

ホントに電流が走った気がした

それも身体中の隅々まで




455 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:25:51.82 QmBMqUlnO 47/56

「あ…はぁ…!」

重ねた唇から声が漏れる

どうにかなってしまいそうな快感

唯の手が下着の中に入り込む

直接その突起に触れる

すると電流の強さはさらに大きくなった


456 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:31:13.94 QmBMqUlnO 48/56

「ゆ…い」

「なーに?」

「イっちゃい…そう」

「律っちゃんイっちゃうの?」

「たぶん…んん!」

いままでイったことなんてなかったんだから、それは想像でしかない

「唯…私おかしくなっちゃうよ…唯」

「大丈夫だよ律っちゃん」

「ん…ダメ…ぇ」

「我慢しなくてもいいよ!」


457 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:36:31.97 QmBMqUlnO 49/56

「唯…イっちゃう…イっちゃうよぉ!」

「頑張れ律っちゃん!」

なぜか励まされる

でもツッコミをいれる余裕なんてとっくに無い

「唯!唯!」

「律っちゃん!」

「あ!あぁ!!!」

自分がどんな声を出したのかも分からなかった

全身を包み込む波に、ただ身体を預けていた




458 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 00:40:19.83 QmBMqUlnO 50/56

ゆっくりと波が引き、意識が鮮明になってくる

目を開ける

暗闇の中、唯が見つめているのがわかった

「大丈夫律っちゃん?」

「あんまり大丈夫じゃないかも…」

「いまどんな感じ?」

「なんかもうどうなってもいい感じ」

「もっとする?」

「たぶん死んじゃう」


460 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:00:22.11 QmBMqUlnO 51/56

「そっか…じゃあやめよっか」

「うん…ごめん」

「えへへー、大丈夫だよ」

「唯」

「どったの?」

「抱きしめてて」

「うん」

「明日起きるまでだよ?」

「うん」

「おやすみ」

「おやすみー」


462 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:04:17.63 QmBMqUlnO 52/56

…セミの大合唱で目をさます

ぼやけた目で左隣を見る

唯の寝顔

ずっと抱きしめててくれた

嬉しくて思わずキスしてしまった

トイレにいくために起き上がり、階段を下る

トーストの香り

「おはようございます」

憂の元気な声




463 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:07:20.25 QmBMqUlnO 53/56

「おはよ」

「もうすぐ朝ご飯できるから、お姉ちゃん起こしてきて下さい」

「オッケー」

トイレに入ると少し不安になる

(憂に聞こえてないよな?)

直接確かめるのは余計に怪しいから、何も言わずに唯の部屋に戻ることにする


464 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:09:47.00 QmBMqUlnO 54/56

「律さん」

階段の一番下で憂に呼び止められたら

「夕べは…その…おっきい声でしたね」

「え!?」

やっぱり聞こえてしまっていた

なんとか取り繕おうとする

「いや、あれは…」

「大丈夫ですよ!」


465 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:12:14.93 QmBMqUlnO 55/56

「え…?何が?」

「フフ…」

意味不明な言葉と微笑み

「大丈夫ですから…」

「こんどは私の部屋にも…きて下さいね!」

「へ!?」



468 : 以下、名... - 2010/10/06(水) 01:21:06.15 QmBMqUlnO 56/56

「もちろんお姉ちゃんがいないときに、ですよ?」

いま私はどんな顔をしているのだろう

憂に曖昧な返事を残して階段を昇る

やっぱり浮気になるのかな?

そう考えて苦笑した

ただ1つ言えることは…

私はもう、この姉妹から逃れられなくなってしまった


唯を起こす

その寝顔を見て

それも悪くないな、と思った


おわり


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