1 : 以下、名... - 2015/08/31 22:28:24.20 fnzWAnX3O 1/25注意!
このSSはモバマスのしぶりんSSに見せかけた巧妙なシブリンSSです!
また作者はまだ2作目なので力不足です!
以上のことを踏まえてご覧下さい!
元スレ
モバP「シブリンに登りたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441027704/
凛「え...」
凛(ええと、只今プロデューサーは何やら電話で打ち合わせ中。その中に出てきた爆弾発言。愛海の影響を受けたのかどうか知らないけど、これは早苗さんいたら捕まってたね。)
凛(まァ、私はいつ登ってくれても構わないんだけど...)
凛(プロデューサーがその気なら...)
凛(ここはひとつ、攻めてみようか)
P「はい...はい...では失礼します」
凛(プロデューサーの電話が終わった)
P「すまん凛、そこに置いてある資料とってくれるか?」
凛「はいはい」
凛(これはチャンスだ)
凛(資料を取るついでに胸のボタンを2つばかり外す)
凛(まだ夏だもんね、仕方ないね)
凛(そして資料を渡して...)
P「そうそう、これこれ。ありがとな、り「ねぇ、プロデューサー」
凛(机に手を乗せて、谷間がチラッと見えるようにして...)
P「どうした、凛...?」
凛「私の未踏峰、プロデューサーに踏破して欲しいな...」
凛(決まったッッッッ!!!)
P「......」
凛「......」
凛(あれ?)
凛(反応がない...)
P「...どうした?急にんなこと言って...?」
凛(やらかしたアアア!!!)
凛(私はヘナヘナと床に座り込んだ)
P「理由なら聞くぞ?」
凛(だって...だって...」
P「ん?」
凛「聞いたんだもん。しぶりんに登りたいって、プロデューサーが言ってたの」ホッペプクー
P(かわいい写真撮りたい)
P(しかし笑いが込み上げてくる)
P「HAHHAHHAHHAHHA!!!」
凛(プロデューサーがアメコミじみた笑い声出してる...)
P「ふふっ、俺は愛海かよ...ふふっ...」
凛(ちょっと気持ち悪い...)
P「...とまァひとしきり笑った所で、肝心の種明かしをしようか」
凛(そう言うとプロデューサーは私物用の棚から何やら取り出して、応接用の大きなソファに腰を下ろし、テーブルの上にそれを広げた)
凛(私も隣に腰を下ろす)
凛「これって...インドの地図だよね」
P「そう、結構正確な地図なんだぞ。ちょっとごちゃごちゃしてるけどな」
凛(今更気づいたけど、今事務所って私達二人きりなんだよね...)
凛(間違いなく美味しい状況なんだろうけど...)
凛(なんでインドの地図なんて二人で見てるんだろう...)
P「で、ここを見てくれるか?」
凛(プロデューサーが指差したのは、ヒマラヤ山脈の一角)
凛(そして、ガンジス川はそこで途切れている)
P「そう、そこだ。そこに書いてある名前、読めるか?」
凛(嘘...)
凛「Shivling...」
P「そう、シブリン。標高6543m、ガンジス川の始まりである氷河がある山だ。シヴリンと発音する人もたまにいるな」
P「ほい、これが写真だ」
凛(プロデューサーが渡してくれたスマホの画面には、先をツンと尖らせた白い山が写っていた)
凛「きれい...」
P「だろ? まァヒマラヤ山脈には、エベレストとかマナスルとか、あと少し知名度は落ちるけど、アンナプルナとかカンチェンジュンガがあるから、結構影に隠れがちだがな」
P「...標高も6000m級だし、他の有名な山に比べれば低いのは確かだ」
凛(...これ、遠回しに私の胸のことからかってるんじゃ...?)
P「でも、怪峰とか、インドのマッターホルンとか呼ばれるくらい綺麗な山の形をしてるから、登山家とかの間じゃそれなりに有名なんだ」
P「ちなみにヒンドゥー教の聖山でもあるんだぞ」
凛「うわ、周りの山の名前全然読めないや」
P「うむ、俺も周りの山の名前は全く覚えられん。ていうかよくシブリンって読めたな」
凛「話の流れから考えて分かるでしょ、普通」
P「まあ、そりゃあそうだよな...」
凛「そういえばプロデューサーの趣味って登山だったね」
P「ああ。大学時代にその道でかなりお世話になった人がいてね。その人から久しぶりに連絡があったんだ」
凛「で、今度一緒に登りませんか、って誘われた、と」
P「まぁ、そう言うことだ。前々から一度登ってみたいと思っててな。もし有休取れたら行ってきたいと思ってる」
凛「行くとしたらどの位休み取るの?」
P「まあ、あんまり長い間凛たちに迷惑かけたくないから、アルパインスタイルで登ることにはなるだろうな。ただ色んな旅行会社が出してるトレッキングプランでも10日は余裕で超えてるから、恐らく半月以上は休むだろう。お金も30万とか50万とか、馬鹿にならないくらい飛ぶだろうしなぁ」
凛「そんなに休み取れるの...? ていうかお金は?」
P「お金は心配ない。普段殆ど使わないし、凛たちのお陰で結構かせいでるからな。体は強い方だから、スタドリにあんまり金使ってないし」
凛「それはどうも」
凛(ふうん...)
P「有休についてはたまりにたまってるし、幸いうちの社長もそこら辺に理解があるから、そこも大丈夫だろう」
P「社長も突然旅行行くからなあ...」
凛(ここまで完璧に答えられると、何も言えない...)
凛(こっちは心配して言ってるのに...)
凛「ところでプロデューサー?」
P「ん?」
凛「さっき言ってたアルパ...なんちゃらスタイルって何?」
P「ああ、アルパインスタイルってのは、簡単に言うと必要最低限の荷物と人員でちゃっちゃと登るスタイルのことだ」
P「アルプスの山を登るような装備で8000m級の山に登るから、こういう名前になったんだってさ」
P「詳しく説明すると長くなるから割愛させて頂く」
凛(その登り方...)
凛(余計に心配になる...)
凛「で、行くとしたらいつ頃になりそうなの?」
P「あそこら辺の山は、これからだと10月が狙い目らしいんだ。幸い仕事も忙しい時期じゃないし、行くとしたらそこら辺だな。」
P「向こうに行ってる間はちひろさんがいろいろやってくれるだろうし、凛たちの仕事にはそんなに影響ないはずだ」
凛「...うん」
凛(...いつの間にか、外は真っ暗になっていた)
凛(話はだんだんプロデューサーの思い出話に移っていった。意外と話は面白かった)
凛(結構ハードなことしてたんだね、プロデューサー)
凛(結局帰りの時間まで、私たち以外は誰も来なかった)
凛(プロデューサーはいつの間にかちひろさんと社長に電話して、休みの約束を取り付けていた)
凛(社長からは『ぜひ行ってこい』と、ちひろさんからは『やっと有休取るのに、それじゃ体が休まりませんよ!』とかいわれたみたい)
凛(暇だった私は、プロデューサーから渡されたBE-○ALをずっと読んでいた)
凛(なんだか無性にダッチオーブンが欲しくなってきた)
P「りーん、送ってくぞ」
凛「ん、ありがと」
凛(私が助手席に座ると、プロデューサーは静かに車を発進させた)
凛(3つ目の交差点まで、2人とも無言のままだった)
凛(...といっても、こんなことはよくあるんだけどね)
凛(先に口を開いたのは、私だった)
凛「ねぇ、プロデューサー」
P「ん?」
凛「さっき調べたんだけど、あの位の標高の山になると、遺体って腐らずにミイラみたいになるらしいね。」
P「ああ、何度か見たことがあるな」
凛「うそ...」
P「本当さ。しかも遺体は回収すること自体が危険なもんで、ほとんどの場合放置されっぱなしなんだ。気温と湿度が低いからああなるらしいが、なかなかあれはきついぞ」
P「ただ、エベレストとかじゃ遺体は大体正しいルート上にあるから、目印になってるやつもあるらしい。グリーンブーツと呼ばれてるのが結構有名なやつだな。かなり保存状態がいいのもあるらしいんだ」
凛「...ねぇ、プロデューサー」
P「ん?」
凛「...その写真見た時ね、泣きそうになっちゃったんだ」
凛「もし、プロデューサーがこんな姿になったらって」
P「...」
凛「ねぇ、プロデューサー。もし行くなら、必ず帰って来てよ」
凛「帰ってこなかったら、私、プロデューサーを取りに行くから」
凛「それで冷凍庫に入れて、うちに置いとくの」
凛「あ、一緒に雪の下ってのもいいかもね」
P「...」
P(...目が本気だ...)
P「...大丈夫だって。必ず無理はしないから。それにまだやりたいこともたくさんあるしな」
凛「...ならいいけどさ。土産話、たのしみにしてるから。」
P(そういうと、凛は腕にゆっくりと抱きついてきた)
P「...当たってるぞ」
凛「...当ててるんだよ」
P(そう、腕には...)
P(少し標高は低いけど、)
P(とても綺麗な形をしていると分かる、)
P(凛のお山が、当たっていた)
fin
40 : ◆XPUZjMVsC6 - 2015/09/01 22:40:06.24 YiI+ov1HO 25/25...はい、これにて終了です。
僕は登山が趣味なんですが、こんな名前の山があることを知ったのはモバPになってからです。
前々から書きたいと思っていたネタなんで、書けて良かったです。
月末に新田さんも来たことですし、また近いうちに新田さんで一つ書きたいなと。
いやァ、新田さん特訓後の表情、たまりませんねェ。
あ、ちなみにオススメの山は甲斐駒ケ岳です。
景色、綺麗ですよ。
ただ、無計画な登山、ダメ、ゼッタイ、です。
では、ありがとうございました。