1 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 01:42:15.34 8q8k4xGOO 1/81

「やぁ…純。どうしたんだ?」

「いや、梓に渡すものがあって来たんですけど…」

「梓ならまだ来てないよ」

「澪先輩だけですか?」

「うん、律たちは掃除で遅れるって」

「へぇ~…」

「……」

(あっ、私…澪先輩と二人っきりだ)



3 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 01:49:00.01 8q8k4xGOO 2/81

「……」

「……」

(やば…めっちゃ緊張してきた)

「えっとぉ…」

「よかったら私が渡しておこうか?」

「へ?」

「梓に渡すものがあるんだろ?私があとで代わり渡しておくよ」

「あいやっ…その…っ」

(ま、待て待て私!これは絶好のチャンスよ!!)

(澪先輩と二人っきりになれるんだもん…この機会を逃すわけにはいかない!)

「純…?」


5 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 01:57:05.00 8q8k4xGOO 3/81

「あの~…いいですよ!私が直接渡しますんで」

「でも…」

「そ、それでですね…梓が来るまでここで少し待っててもいいですか?」

「うん?別にいいけど」

(よっし!!)

「じゃあ…お邪魔しまーす」

「適当なとこに座っていいよ」

「あ、はい」

(じゃあベンチ…澪先輩の隣に)


6 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:03:51.10 8q8k4xGOO 4/81

「失礼します」

「ん…どうぞ」

(やったー!澪先輩の隣に座れたー!!)

「……」

「……」

(ダメだ…心臓がはち切れそう)

「……」

「……」

(澪先輩…ベースの弦張り替えてる…)

「……」

(かっ…こいいな~!!)


8 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:09:12.63 8q8k4xGOO 5/81

「……」

「……」

「……」

「……」

「あの…」

「な、なんですか!?」

「ヒマじゃない?」

「いえいえ!そんな!!全然!!!」

「むしろ最高です!!」

「そ、そう…?」

(最高?)

「はいっ!」

「それならいいけど…」


10 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:18:48.53 8q8k4xGOO 6/81

「あっ、澪先輩のベースかっこいいですね」

「これ?」

「はい、澪先輩にぴったりです!」

「な、なんか照れるな…」

「エリザベス…」ボソッ

「え?なんですか?」

「あ、いや!」

「なんでもない、なんでもないよ」


11 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:24:36.47 8q8k4xGOO 7/81

「?」

「あはは…それより、純もベースなんだよね?」

「はい。私…澪先輩みたいなベーシストに憧れてるんです」

「えっ」

「だって…か、かっこいいし、ベースもうまいし、歌も…」

「っ…」

「澪先輩は…わ、私の憧れです!!」

(言っちゃった私!なんか言っちゃったー!!)


12 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:30:06.92 8q8k4xGOO 8/81

「……」

「み、澪先輩…?」

(憧れ…私が…)

(しかもベーシストとして…)

(そ、そんなこと言われたの生まれて初めてだ~~!!)

「…///」プシュー

「澪先輩!?大丈夫ですか!」

「あ…うん。平気平気…」

(この子…私をベーシストとして見てくれるんだ)

(うれしいな)


13 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:37:18.49 8q8k4xGOO 9/81

「純…」

「はい、なんですか?」

「よかったら一緒にベースの練習する?」

「あ…すいません。今日ジャズ研の練習なくてベース持ってきてないんですよ…」

(なにやってんの私!!)

「そっか…」

「で、でも!今度教えてもらえませんか!?」

「お願いします!」

「!」

「も、もちろんいいよ!」

(後輩に教えるなんて…初めてだな)


15 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:44:13.79 8q8k4xGOO 10/81

「……」

「……」

「……」

「それにしても…律たちが遅い。なにしてるんだろう?」

「大掃除ですかね?」

「うーん…」

「そうだ、純」

「はい?」

「私たちで先にお茶飲んでよっか?」


16 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:49:21.06 8q8k4xGOO 11/81

「え…いいんですか?」

「ああ、待ってる間なにもしないのもあれだし」

(せっかくの後輩なんだからお茶ぐらい淹れてあげよう)

「じゃあ…ご馳走になっちゃいます」

「分かった、ちょっと待ってて」

「澪先輩が作るんですか?」

「うん」

(いつもムギがやってるところ見てたし…大丈夫だよな)


18 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 02:57:18.84 8q8k4xGOO 12/81

ガチャガチャ

(え~っと確か…紅茶の葉を入れて…)

(それでお湯を入れて…)

(できた!たぶん)

「はい、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

「……」ゴクッ

(…よくわかんないけど、苦い)

「ど、どうかな…?」

「…はい、おいしいです」

「!」

(やった、成功だ!)

(やっぱまずいかも…)


22 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:09:53.71 8q8k4xGOO 13/81

「ふぅ…」ゴクッ

「……」

(あれっ…あんまりおいしくないような…)

「……」

(いやでも純はおいしいって言ってくれたし…いいんだよなこれで)

「軽音部って、いつもこんな感じでお茶飲んでるんですか?」

「うん?まぁ…そうかな」

「へぇ~…練習とかは?」

「えっ?えっと~…」

「れ、練習もするよもちろん!」

「けど私や梓が注意したりしても、みんながなかなか聞かなくてな。困ったもんだ」

「大変なんですね」

(そういえば最近注意してないや、私)


23 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:19:20.65 8q8k4xGOO 14/81

「澪先輩って、やっぱり真面目なんですね」

「ん?」

「音楽に対してとか、部活に対してとか…そういうとこも憧れます」

「う、うん…ありがとう」

(ごめんなさい、最近ケーキばっか食べてます)

「澪先輩は、どうしてベースを始めたんですか?」

「え…」

「あ、ごめんなさい。私…澪先輩のこともっと知りたくて」

「け、けど!答えたくなかったらいいですよ、別に」


27 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:32:11.27 8q8k4xGOO 15/81

「うーん…ベースを始めた理由か…」

(目立ちたくなかったから、なんて言ったらカッコ悪いかな)

(せっかく私のことをベーシストとして憧れてくれてるんだし…ちょっとぐらいカッコつけてもいいよね)

「実は…好きだった人がベースやってたんだ」

「え!?」

「それでその人に近づきたくて、ベース始めたんだけど…」

「その人、別に好きな人がいてね…私は手を引いたの」

「けどあの頃の情熱は忘れたくないから、今でもベース弾いてるんだ」

「……」

「……」

(まずい…捏造しすぎたかも)

「ロ…ロマンチックですね~!!」

「そ、そうかな?あはは」

(よかった、信じてくれた)


31 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:40:40.48 8q8k4xGOO 16/81

(いいな~、やっぱり理想通りの先輩だ)

(あぁ…なんか嘘ついたことへの罪悪感が急に…)

「大丈夫ですか澪先輩、顔色悪いですよ?」

「だ、大丈夫だよ純」

(ごめんね嘘ついて)

「ならいいんですけど…」

「…そ、それにしても遅いなー。なにやってるんだ?」

「ちょっと電話してもいい?」

「あ、はい。どうぞ」


32 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:47:29.90 8q8k4xGOO 17/81

Prrrr、Prrrr


「あっ、もしもし律?なにやってるんだよ遅いぞ」

『は?そりゃこっちの台詞だ』

『お前が来るの遅いから唯たちと一緒に先に帰ったんだぞ』

「え…部活は?」

『今日は休みって言ったろ』

「……』


33 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 03:54:28.14 8q8k4xGOO 18/81

『あれあれ~?澪ちゃん忘れてたんですか~?』

『まったくぅ、うっかり屋でちゅねー』

「う、うるさい!!」

ピッ

「どうしたんですか…?」

「…うん、今日はみんな体調が悪いから休むって」

「そうだったんですか、梓大丈夫かな…」

「あはは、まぁ明日には治ってると思うよ」

「え?なんで分かるんですか?」

「あ、いやっ…その」

「なんか…そんな感じだったから」

「ふーん」


34 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:01:28.62 8q8k4xGOO 19/81

「それじゃあ私たちもそろそろ帰ろっか!」

「そう…ですね」

「……」

(待て待て、このまま帰っていいの?)

(せっかく澪先輩と二人になれるんだから…動かないと!)

「あ、あの!」

「なに?」

「これからその…お時間ありますか?」


37 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:08:59.68 8q8k4xGOO 20/81

「え…っと」

「時間なら一応あるけど…」

「その~…よかったら一緒にどこか行きたいなぁって」

「えぇ!?」

「いやっ、近場でいいんで!できたら…」

「……」

「……」

(ダメ…なのかな)

「……」

(こ、後輩から遊びに誘われた…!)


38 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:17:48.53 8q8k4xGOO 21/81

(どうしよう…こんなの初めてだ)

(梓にだって誘われたことないんだぞ、私)

「……」

(な、なんか嬉しいなぁ…こんな後輩がいるって)

(こういう上下関係…いいかも)

「あの…」

「うん……まぁ私も暇だし」

「いいよ、どこか行こっか?」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

(やったー!!)

(ふふ、なんかいいなぁ…この感じ)


40 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:28:52.74 8q8k4xGOO 22/81

「じゃあ…どこ行く?」

「私に任せてください!おいしいドーナツ屋があるんですよ!」

「そこにしましょう!」

「分かった、そうしよう」

「今準備するからちょっと待ってて」

「はい!」

(これは澪先輩との……デートになるのかな!?)

(こんな法外な幸せがあるなんて…)

(生きててよかった!!)


41 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:38:18.55 8q8k4xGOO 23/81

「お待たせ、行こう」

「~~っ」

「どうしたんだ?」

「い、いえ。なんでもありません…」

(嬉しすぎて言葉がでない…)

「ドーナツか、楽しみだな」

「澪先輩は…甘いもの好きなんですか?」

「うん、そこそこ」

「よかった」

(好きだよって言うと子どもっぽいと思われそうだし、ちょっとぐらい見栄を張ろう…かな)

(後輩の前では大人っぽく…)


42 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 04:50:09.73 8q8k4xGOO 24/81

「着きました!ここです」

「へ~…」

「注文しましょう。チョコのやつとかおいしいですよ」

「それじゃあ…純に任せるよ」

「は、はい!あっ、飲み物はどうします?」

「ん…じゃあ」

「……」

「ブラックコーヒーで」

「ブラックコーヒーですね、分かりました」

(飲めるかな…ブラックコーヒー)


43 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 05:01:05.99 8q8k4xGOO 25/81

「私、そこの席にいるから」
「はーい」

「ふぅ…」

「……」

(そういえば…こうやって誰かと二人で遊ぶのって久しぶりかも)

(前までは律とよく遊んでたけど…高校入ってからは軽音部で行動することが多くなってたし)

「……」

(本当に久しぶりだなぁ…)

「お待たせしましたー」


46 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 05:07:22.94 8q8k4xGOO 26/81

「どうぞ、私が選んだものですが」

「ありがとう」

「ドーナツの良いにおいがする…」

「あ、それと飲み物も」

「あっ…うん」

(ブラックコーヒー…本物だ)

「……」

(今さら飲めないとも言えないしなぁ…)

「食べましょっか」

「そ、そうだね」


47 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 05:15:24.96 8q8k4xGOO 27/81

パクッ

「!」

「おいしい…」

「気に入ってもらえてよかったです」

「うん…本当においしいよ!」

「えへへ」

「この生クリームのやつも…」パクッ

「おいしい!」

「あはは」

「あ、これも…」パクッ

「おいしい!!」

「すごいなこの店!」

(澪先輩…甘いもの大好きなんだ)



48 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 05:24:18.34 8q8k4xGOO 28/81

「んっ…」

(なんか喉がかわいてきた…)

「……」

(ブラックじゃなくて素直にカフェオレとか頼めばよかった~…)ウルウル

「う~ん♪おいしっ」

「……」

(いや…後輩の前なんだ。毅然としていないと)

「……」ズズッ

(にっっっっが!!? )


49 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 05:31:17.68 8q8k4xGOO 29/81

「く…~~っ」

(なんだよこれぇ…誰が飲めるんだよ~…)

「ど、どうしたんですか澪先輩?」

「なんかすごい苦しそうな…」

「な、なんでも…ないっ!」

「は、はぁ…?」

(うぅ…なんか口の中が苦いよぉ)

(ド、ドーナツで口直ししなきゃ)パクパク

(いっぱい食べてる…)

(本当に気に入ってくれたみたい、よかった)




67 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 14:41:26.66 8q8k4xGOO 30/81

「……」

「……」

(なんか…静かになっちゃった)

(私から話題振らないとダメだよな…先輩なんだし)

「あの…」
「純」

「え?」

「あ…」

「な、なに?」

「いや…澪先輩からどうぞ」

「いやいや、純からでいいよ」

「私の話はそんな大したことじゃないですから」

「私も…」

「……」

「……」

(どうしよう…)


68 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 14:51:50.59 8q8k4xGOO 31/81

(う~ん…私が聞き手になった方がいいかな)

(控えめな態度で…先輩を立てなきゃ)

(困ったなぁ…いつもなら律とかが話題を振ってくれるんだけど)

(私じゃどうしていいか分かんないよ…)

「……」

「……」

「……」

「……」

(空気が重い…)


69 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:00:33.34 8q8k4xGOO 32/81

「……」

「あ…純」

「は、はい?」

「なに飲んでるの?」

「ミルクティです」

「ミルクティ…いいなミルクティ」

「?」

「あ、ううん。なんでもない」

「…よかったら飲みますか?」

「いいの?」

「どうぞどうぞ」

(コーヒー不味そうに飲んでたし)


71 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:06:52.20 8q8k4xGOO 33/81

「ありがとう…いただきます」

「……」ゴクッ

(はぁ~…おいしいなぁ。苦くなくて)

「……」

(あれ…これってもしかして…)

「ごちそうさま。助かったよ」

「あ、はい…」

「……」

(これ…間接キスになるんじゃ!?)


72 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:17:54.03 8q8k4xGOO 34/81

(うわ…うわわわわ!!)

(澪先輩と…か、間接キス――)

(お、落ち着け私!間接キスなら梓とだって何度もしたことあるし…)

(ダメだ、梓はともかく澪先輩はヤバいって!!)

「どうしたの?」

「なんでもありません!!」

「そ、そう?」

(はぁ…はぁ…)

(とりあえずこれ…私も飲まないと不自然かな)

(不自然だよね)

(よし飲もう、飲んじゃおう)


73 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:25:34.11 8q8k4xGOO 35/81

「いただきます!」」

「!」ビクッ

「……」ゴクゴク

「……はぁ」

(幸せだ…私はたぶん世界一の幸せ者だ)

(ど、どうしたんだろう急に…)

「あの…澪先輩」

「え?」

「このカップ持ち帰ってもいいんでしょうか?」

「いや、私に聞かれても…」


75 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:33:46.73 8q8k4xGOO 36/81

「じゃあ…遅くなるといけないからこの辺で」

「そうですね」

(もっと一緒にいたかったんだけどなぁ…)

「帰りは気をつけてな」

「はい!」

「それじゃ…」

「澪先輩!」

「ん?」


76 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:39:14.57 8q8k4xGOO 37/81

「ベース、よかったら明日にでも教えてもらえないですか…?」

「明日?」

「あ、忙しいなら別にいいんですけど…」

「……」

「…な、なんちゃって」

「いいよ」

「!」

「明日も部活はないし…放課後になったらやろう」

「ありがとうございます!」

「ふふ…じゃあまたな」

(やっぱり澪先輩…かっこいい!)


77 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 15:54:52.78 8q8k4xGOO 38/81

――秋山家

「聞いてくれよ律、今日純と一緒に遊んだんだ!」

『純?あぁ…佐々木さんだっけ?』

「鈴木だ!私の後輩の名前を間違えるなんて許さないぞ!!」

『な、なんだよそれ…』

「ふふん、純は私をベーシストとして慕ってくれる唯一の後輩なんだよ」

『あの子たしかジャズ研だろ 』

「い、いいんだよそんなことは」

「とにかく純は私の大切な後輩なんだ」

『はいはい(澪のやつ…なんか舞い上がってるな)』

『じゃあ眠いしもう電話切るぞ』

『あ、うん。分かった』

ピッ


79 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 16:07:00.16 8q8k4xGOO 39/81

「はぁ…」

(私の後輩、か…)

(唯には梓がいて正直うらやましかったけど…私にも純っていう後輩ができたんだ)

(うれしいなぁ…)

「よし、この感動をさっそく詩にしよう!」

「そしたら明日純に見せようかな」

「どんな反応するんだろう…喜んでくれるといいな」

「えーっと…」

「キミに会ったその日から、私のハートはドーナツ…」

「う~ん…ちょっと違うな」


98 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 20:26:21.79 8q8k4xGOO 40/81

――翌日


「~♪」

「…なんか機嫌いいね」

「どうしたの?」

「分かる?実は~…」

「そうだ、その前にこれ返しておく。はい梓」

「あ、うん」

「それなに?」

「ちょっと…歌詞書いてみたの。それで純に読んでもらって感想聞こうかなって」


99 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 20:34:29.29 8q8k4xGOO 41/81

「私にも見せてっ」

「だ、ダメ!恥ずかしいから…」

「え~?純ちゃんには見せたのに?」

「それは…」

「私も読みたいな~」

「なんか愛とか恋とかいろいろ書いてあったよ」

「ちょっ、純!?言わないでよ!」

「だって感想欲しいって言ったじゃん」

「そうだけどぉ…」

「…ていうか、ちゃんと読んでくれたの?」

「うん、まぁまぁ」

「まぁまぁってなに…」


101 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 20:40:49.53 8q8k4xGOO 42/81

「それより聞いてよ二人とも!」

「……はぁ」

「なになに?」

「実は昨日澪先輩と…デートしました!」

「うそ!?」

「澪さんと?」

「そうだよー、すっごく仲良くなったんだから」

「純が?本当に?」

「本当だって!」

「あやしい……」


102 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 20:49:20.28 8q8k4xGOO 43/81

――3年2組


「ふぁあ~……」

「みーおーちゃんっ!眠たそうだね」

「うん、ちょっとな」

「それなに?」

「これ?新しく書いた詞」

「これを遅くまで書いてたから寝れなくてさ」

「新しいやつ!?見せて見せて~!」

「いいけど…」

「あの、すいません澪先輩」


103 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 20:56:45.60 8q8k4xGOO 44/81

「あっ、あずにゃんだ~!」ギュッ

「ふにゃっ!?」

「珍しいな梓、三年の教室に来るなんて」

「いや…その……」

「私に会いに来てくれたんだよねーっ!」スリスリ

「ち、違いますっ!!」

「……」

(なるほど…唯はこうやって後輩と接しているのか)

(なんてコミュニケーション能力が高いんだ)

(ちょっと参考にしてみようかな…)


104 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:03:59.61 8q8k4xGOO 45/81

「もー、強がっちゃって」

「強がってませんっ」

「けど私はあずにゃんのこと好きだよ?」

「なっ…///」

「かわいい~!」ギュッ

「やめてください!変な誤解されちゃうじゃないですか!!」

「変な誤解って~?」

「だから…それは…」

「あれ?この紙なに?」

「そ、それは!?(歌詞の書いてある紙!!)」

「見ちゃだめーっ!!」

「……」

(すごい…どこから見ても仲良しだ)


106 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:15:34.75 8q8k4xGOO 46/81

(唯はいいな…抱きついたり、ベタベタできて)

(私にはとてもじゃないけど…)

「……」

(でも、ああされるのは嬉しいのかな)

「ふふ~、こうやってあずにゃんといるだけで私は嬉しいよ~」

「私は嬉しくありませんっ///」

(顔が赤い…やっぱり嬉しいんだ)

「……」

(私も…純にやってみようかな)

「……」

(できるかな……)

「あの、澪先輩…聞きたいことが…」

「あずにゃんむちゅ~~っ」

「にゃああああっ!?」


107 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:20:55.02 8q8k4xGOO 47/81

――放課後


「~♪」

(これから澪先輩と練習…楽しみ~!)







「……」コソコソ

(純、なんか楽しそうにしてるけど…まさか本当に澪先輩と?)

(気になる…あとをつけよう)

「あずにゃんなにしてるの?」


108 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:29:40.77 8q8k4xGOO 48/81

「!?」ビクッ

「ゆ、唯先輩なんで!!」

「えへへ、通りかかったらあずにゃんのこと見つけたから」

「あっ、純ちゃんがいる」

「!」

「おーい純ちゃ…」

「ダメです唯先輩!」ガバッ

「もががっ…」

「ど、どうしたの?」

「……実は」

かくかくしかじか

「面白そうだね!私も一緒に追跡する!!」

「……はぁ」


110 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:41:32.26 8q8k4xGOO 49/81

――軽音部 部室


「よし、いつでも純が来ていいように準備ができたぞ!」

「今のうちにシミュレーションでもしておくか」

「まず純が入ってきたら…」

「純にゃ~んっ!!」

「って言って抱き締めて」

「…いや、それはやり過ぎかな」

「ていうか…恥ずかしい……///」

「うわぁあああ!やっぱり私には唯みたいにできないよー!!」

―ガチャッ

「!?」


111 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:48:02.83 8q8k4xGOO 50/81

「し、失礼しま…」

「じゅっ、じゅにゃっ!!」

「はい!?」

(マズイ…かんだ)

(な、なに?じゅにゃ?)

(軽音部独特の挨拶??)

「じゅ、じゅにゃ…」

「あ…うん」

「えと…」

「……」

「……」

「れ、練習始めよっか!」

「そ、そうですね!」


114 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 21:59:52.23 8q8k4xGOO 51/81

「あずにゃん見えるー?」コソコソ

「はい、ドアの隙間からなんとか」コソコソ

「おぉ~!本当に二人っきりだー」

「静かにしてくださいっ。気づかれちゃいます」




(あー澪先輩と練習だー)

(緊張してきた~っ)

(純にゃん…純にゃん…)

「じゅ、純にゃ……」

「え?」

「あ、いや……純、もう始めて大丈夫?」

(うぅ…言えなかった…)

「はい、OKですよ」

「それじゃあ始めよっか」


117 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:11:47.49 8q8k4xGOO 52/81

~♪

「……」

(澪先輩…うまいなぁ。さすが憧れの先輩)

「……」

(純にゃん、結構できる…)

(この子が軽音部に入ってくれれば私が引退しても安泰だろうな…)

~♪

「そこ、もうちょっとゆっくりしたテンポでおさえて」

「は、はい!」

「……」

「……」

~♪

(楽しい…)

―――――
―――
――


119 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:19:45.64 8q8k4xGOO 53/81

「ふぅ…今日はここまでにしておこうか」

「はぁー、疲れました」

「うまいね、ベース」

「そ、そうですか?えへへ」

「……」

(こういうとき唯なら…)

「……」ナデナデ

「!!」

「よく頑張ったな、純」


121 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:27:15.09 8q8k4xGOO 54/81

「はぇ…あ……えっ!?」

(澪先輩にあたまナデナデされた!?)

「ど、どうしたの?」

(なんか間違えちゃった…?)

「い、いえ…なんでも……///」






「なんか初初しいね~」

「おもしろいですね、他人のああいう光景見るの」


123 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:35:16.51 8q8k4xGOO 55/81

「う…うぅ……///」

(嬉しい…嬉しすぎて死ぬ……)

(嬉死しちゃう……)

(あ…喜んでるみたい)

(良かった)

「……」

(純にゃんの髪…モコモコしててかわいい)

(…かわいいなぁ)ナデナデ

「っ…///」

(抱きつくのは…まだ早いかな)


126 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:44:04.35 8q8k4xGOO 56/81

「あ…澪、先輩……」

「ん?」

「ありがとう…っございます」

「あ、うん」

「……」

(私…純にゃんの頭ナデナデしちゃったのか…)

「……」

(な、なんて大胆なことしちゃったんだー!?)

(冷静になってみたらすごい恥ずかしい~!!)

「うぅ…///」






「キス!キスしちゃえ!」

「それはまだ早いですよ」


128 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 22:54:57.26 8q8k4xGOO 57/81

「……」

「……」

(なんだか…変な空気になっちゃった)

(どうしよう…恥ずかしくてあたま真っ白だ…)

「……」

「……あ」

「うん?」

「澪先輩の手…大きいですね」


129 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:02:03.21 8q8k4xGOO 58/81

「えっ」

「たくましくてかっこいいですね!」

「!?」ガーン

「えへへ……って、澪先輩?」

「……」

「あの…」

(ひょっとして…な、なんか変なこと言っちゃった?)

「……かわいくないよね」

「へ?」

「私の手…大きくて女の子っぽくないでしょ」ウルウル


131 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:13:26.45 8q8k4xGOO 59/81

「え…っと~」

「たくましいって……」

(やばっ…やっぱマズイこと言っちゃった!?)

「背も大きいし…ホント女の子からかけ離れてるよな…」

「ぜ、全然そんなことないですって!!むしろそういうところに憧れるんですよ!!」

「私は嬉しくない~っ!!」

(ど、どうしよう…)

(まさか体が大きいことがコンプレックスだったなんて…)

「……」

「み、澪先輩はかわいいです!」


132 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:22:46.79 8q8k4xGOO 60/81

「…ほぇ?」

「ホントにかわいいです!もうすっごいキュート!!」

「で、でもぉ…」

「ほら、私が軽音部に見学しに行ったときあるじゃないですか?」

「あの時のメイド服の澪先輩かなり可愛かったです!」

「…本当に?」

「はい!超かわいい女の子でした!!」

「そ、そうかな……エヘヘ」






「なんか純ちゃんが澪ちゃんをなだめたみたい」

「短期間で澪先輩の扱いに慣れるなんて…やるね純」


133 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:30:10.78 8q8k4xGOO 61/81

「同じ女から見ても十分可愛いですよ?澪先輩」

「も、もうよしてくれ…恥ずかしくなる」

「えー、でも可愛いのは可愛いんですもん」

「うぅ…///」

「えへへ」

「じゅ…純も可愛いよ」

「えっ」

「そのぅ…純も可愛いと思う」

「いや…いやいやいや」

「私なんて…あんまり可愛いくないですよ」


135 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:40:13.16 8q8k4xGOO 62/81

「友達でも、梓や憂のほうが可愛いし」

「澪先輩や軽音部の人たちも…」

「そんなこと…」

「あはは、みんなと比べたら私は最下位ですよ」

「こうやって澪先輩と一緒にいるのも本当は釣り合ってない…」

「そ、そんなことはない!!」

「澪先輩…」

「自分の価値をそんな低くしなくてもいいじゃないか」

「私は純のことが可愛いと思うし大好きだ!!」

「………えっ」


137 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:44:57.47 8q8k4xGOO 63/81

「………あっ」

「……」

「……」

「……」

(今…なんて言われた……?)

(好きって…言っちゃった……)

「……」

「……」

「……」

「…///」プシュー

「み、澪先輩!?」





「な、なんかすごいことに!!」

「おぉ…!」


138 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:49:55.46 8q8k4xGOO 64/81

「あ…あぅ…」

(勢いとはいえ…なんてことを……)

「大丈夫ですか澪先輩!?」

「う、うん…」

「えっと……」

「……」

(ど、どうリアクションすればいいんだろう…)

「……」

「……」

「……」

「……その」


142 : 以下、名... - 2010/10/02(土) 23:55:38.87 8q8k4xGOO 65/81

「は、はい!」

「好きにも…いろいろあるからな……」

「……」

「……」

「…で、ですよね~!」

「あはは…」





「もう!押しが弱いよ澪ちゃん!!」

「ちょっと先輩押さない…ふにゃっ!?」

ガタンッ


143 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:02:15.63 ri3/e+kfO 66/81

「!?」ビクッ

「な、なに!?」






「マズイ…逃げますよ唯先輩!」

「えぇ~、もうちょっと見たい~」

「これ以上は無理ですっ」


144 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:08:57.92 ri3/e+kfO 67/81

「だ、誰かいるの…?」

「……」キョロキョロ

「一応…誰もいないみたいです」

「そ、そうか…」

「でもじゃあ、あの音はなんだったんだ……」

「まさか…幽霊とか?」

「ひぃいっ!?」

「あはは、冗談ですよ冗談」

「オバケナンカイナイ、オバケナンカイナイ…」ガクガクブルブル

「あ…」

(オバケ苦手なんだ)


146 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:17:47.71 ri3/e+kfO 68/81

「う~…」ブルブル

「……」

(澪先輩って…想像してたのと全然違う)

(本当は怖がりで、繊細な人…)

「……」

(けど、そっちの方がいいかも!)

(よく分からずに憧れてた時よりも、親近感がわくし)

「澪先輩!」

「…へ?」

「もう遅いし、帰りましょうか」


147 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:24:57.16 ri3/e+kfO 69/81

「あ…うん…」

「手」

「な、なに…?」

「手をつないで帰りませんか?」

「え…」

「そうすれば怖くないですし」

「……」

「ほら」

――ぎゅっ

「あっ…」

「えへへ、帰りましょう」

「…う、うんっ!」

(澪先輩の手、大きい)

(でも…すっごく可愛い)


149 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:30:01.82 ri3/e+kfO 70/81

「ふぅ…なんとか逃げ出せましたね」

「二人ともどうなったんだろ~」

「さぁ…」

「…えへへ」

「どうしたんですか?」

「なんだか懐かしいね」

「え?

「私たちもあんな風に二人で練習したことあるじゃん」


150 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:33:57.41 ri3/e+kfO 71/81

「…そうでしたっけ」

「そうだよ~。それで今みたいに仲良くなったんだし」

ぎゅーっ

「うぅ…///」

「二人っきりだとおとなしいね」

「人前じゃ恥ずかしいに決まってるじゃないですか」

「ところで気になってたんだけど、この紙はなに?」

「あ、ちょっ!!」

「…歌詞?」


152 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:39:16.50 ri3/e+kfO 72/81

「そ、それはまだ未完成です!」

「ほぇ?」

「本当はもっと完璧にして唯先輩に歌ってあげようと思ったんです…」

「えー、十分完璧だよ?」

「ダメです。友達に見せたら反応イマイチだったし…」

「今度完璧に仕上げますから」

「えへへ、楽しみにしてるねあずにゃん!」

「…はい///」

(それにしてもあの時の澪ちゃんたち、昔の私たちみたいだったな~…)

(ホントに懐かしい)


155 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:43:52.93 ri3/e+kfO 73/81

――帰り道


「……」

「……」

「少し寒いですね」

「そうだな」

「……」

「……」

「手…」

「うん?」

「あったかいです」

「私も」


156 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:50:04.81 ri3/e+kfO 74/81

「……」

「……そうだ」

「どうしたんですか?」

「これ、純に渡そうと思って…」

「はい」

「これは…?」

「純のために書いた詞。読んでくれると嬉しいな」

「……」

「ど、どう…?」

「う~ん…よく分かんないです」

「えぇっ!?」

「でも嫌いじゃないですよ、この詞」


157 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 00:59:27.37 ri3/e+kfO 75/81

「ほ、本当!?」

「はい!」

「良かった~、まか書いてくるからな!」

「なら今度はもう少し分かりやすいやつにしてくださいね」

「キミのハートはドーナツ、とか」

「ちょっとついていけないです」

「うっ!?なんかグサッときた…」

「あはは、でもさっき言ったとおり嫌いではないですよ。澪さんの詞」

「よく分かんなくても、想いは伝わってくる感じがするし…」


159 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:05:09.18 ri3/e+kfO 76/81

「うぅ…ありがとう純!」

「そう言ってもらえるだけでも嬉しいよ!!」

「そ、そうですか…」

「よし、今度はもっとすごいのを書こう」

「……」

「澪先輩」

「なに?」

「また…ベース教えてもらってもいいですか?」


160 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:12:47.06 ri3/e+kfO 77/81

「ああ、もちろんいいよ」

「迷惑じゃないですかね?」

「なんで?」

「だって私はジャズ研だし…澪先輩は軽音部とかでいろいろ忙しいし」

「なに言ってるんだよ、そんなの気にしないって」

「…えへへ、じゃあ遠慮なく」

「なんでも頼んでいいぞ。だって私は純の先輩だからな」

「――だったら」

「抱きついてもいいですか…?」

「えっ…」

「あはは、なんちゃって」

(我ながら大胆すぎたかな…)


162 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:18:25.78 ri3/e+kfO 78/81

「……」

「じょ、冗談ですから気にしなくても…」

――ぎゅっ

「あ……」

「むしろ私が抱きつきたかった」

「えっ…え???」

「ふふ、あったかいなぁ…」

「えっと……」

「そう、ですね…」

「ふふっ」

「……クスッ」


164 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:22:10.10 ri3/e+kfO 79/81

「……」

「……」

「そろそろ行こっか」

「はい」

「なぁ純」

「なんですか?」

「純にゃんって…呼んでいい?」

「えー、語呂悪いですよそれ」

「でも呼びたい」

「だけど純にゃんって…」

「呼びたい!」

「うっ…」

(結構ワガママなところもある…)


165 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:28:42.01 ri3/e+kfO 80/81

「…だ、だめ?」

「……」

(でもまぁ…いっか。それも含めて澪先輩なんだし)

「じゃあ…二人っきりのときだけですよ?」

「!」

「ありがとう純にゃん!!」

「やっぱり慣れないなぁ…」

「…ねぇ純にゃん」


168 : 以下、名... - 2010/10/03(日) 01:38:09.01 ri3/e+kfO 81/81

「今度はなんですか?」

「…なんでもないや」

「えー気になるじゃないですか」

「今度…詞にして伝える」

「今じゃダメなんですか?」

「今はダメ…」

「また今度な」

「じゃあ、楽しみにしてますよ」

「ああっ!」



――ぎゅっ



おわり


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