1 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 22:59:45.15 EoIkodfvO 1/51

「いいじゃん別に」

「自分の部屋があるだろ」

「だってお兄ちゃんの部屋の匂い好きなんだもん」

「…」

「いや部屋というよりお兄ちゃんの匂いが好きなの」

「…」

「というかお兄ちゃんが好き」

「…」


誰か続き書いて



元スレ
兄「何でいつも俺の部屋にいるの?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1254923985/

7 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:13:07.90 UZw2he8b0 2/51

「なんでいつも、俺の部屋に居るの?」

「……チッ」 がちゃ、ばたむ

「……はぁ、片付けるの俺なのか……なんでわざわざ、お菓子まで持ってくるんだ……しかも、ベッド汚すし」

 がちゃ、ばたむ

「……」

「おい、掃除したばっかなんだが?」

「……チッ」

「チーカマ取って来ただけかよ。つか、ベッドの上で食うな。漫画ならもってっていいから、自分の部屋で……あーもう」

「うぜぇ……黙れよスネカジリ」

「お前ほどじゃねぇよ。いいからでてけ」

「……あ、オ○ニーすんの?」

「いや、そういうわけじゃなくてね」

「気にしないから、ほっといて。口くせーから、しゃべんな」

「……」


 続きってこんな感じでいいのか


8 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:26:53.12 UZw2he8b0 3/51

「……おい」

「……」

「晩飯なんにする?」

「……肉」

「アバウトすぎるだろ」

「チッ」

「仕方ないな……なんか作るか」

「……」

「あんまり汚すなよ」

「……」 がちゃ、ばたむ

「……なんで着いてくるわけ?」

「喉乾いたんだよ。しゃべんな」

「……」


 ほすほす


10 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:33:25.95 UZw2he8b0 4/51

「……野菜煮込むけど、苦手なのあったっけ?」

「……チッ」

「なんでいちいち、舌打ちもらすわけ? 何か答えるくらいできるだろ?」

「……にんじん、嫌い」

「美味しく煮込むから、ちゃんと食えよ」

「……うぜぇ」

「どうでもいいけどさ。なんでキッチンで麦茶飲んでるのさ?」

「……」

「無視するな」

「しゃべんな。キメェんだよ、クズが」

「何もしないなら、手伝ってくれないかな……鍋見てるだけでもいいかr」

「チッ」

「……」


 ほすほす


11 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:37:13.90 UZw2he8b0 5/51

「皿運んでくれ。それくらいできるだろ」

「……」 がっちゃがっちゃ

「もう少しこう、丁寧にだな……」

「チッ」

「んもー」

 ・ ・ ・

「いただきまーす」

「……」

「いただきまーす」

「……チッ、いただきます」

「うん、これは……ちょっと濃くしすぎたかな」

「……」

「どうよ?」

「……」 はふはふ


 ほすほす


14 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:42:40.32 UZw2he8b0 6/51

「ごちそうさまー」

「……さま」

「こんな時だけ、さっさと逃げるな。手伝……おのれ……まあいいか。作ったの俺だし」

 ・ ・ ・

「また、人の部屋に入り浸ってるし」

「……」

「食ったすぐ後に横になるなよ。消化に悪い。それと腹這いもよくないぞ」

「チッ」

「……じゃ、先に風呂入ってくる。部屋汚すなよ」

「ッ?」

「どうした?」

「なんでもねぇよ、カス」

「あそう、じゃいい子にしててくれ」

「……」


 ほすほす


15 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:46:47.48 UZw2he8b0 7/51

「うーい、上がったぞー……やっぱり居るのね」

「……」

「あれ、おーい、風呂空いたって……」

「すぅ、すぅ……」

「これは……悪戯フラグ」

「……」

「なんて、実の妹相手に、アホらしい……おい、寝るなら自分の部屋でだなぁ」

「すぅ、すぅ……」

「起きないと、乳吸うぞー」

「……」

「駄目か。ええと、タオルケット、確かここにしまったよな……お、あったあった」 ばさっ

「すぅ、すぅ……」

「……リビングで寝るか……はぁ」


 ほすほす


17 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:51:21.69 UZw2he8b0 8/51

「……チッ、あっちぃ」

「……何もしねぇし……暗いし……いくじなし」

 ・ ・ ・

「テレビ、おもしろくねぇ……BSでアニメとかやってないかなぁ……」 がちゃ、ばたむ

「……」

「お、起きたのか。テレビうるさかった?」

「チッ」

「舌打ちじゃわからんってば」

「面白い?」

「いや、あんまり。ちゃんと着替えて、あと風呂もちゃんと入れよ」

「……寝んの?」

「ああ、ベッド空いたしな」

「……チッ」


 ほすほす


19 : 以下、名... - 2009/10/07(水) 23:56:24.59 UZw2he8b0 9/51

「ふー……なんか、疲れた……」

「明日もバイトかー……ん、なんか甘い匂いするな……あいつがお菓子食ってたからかね?」

「……寝てるときは……可愛かったのに……すぅ」

 ・ ・ ・

 かちゃ、ぱたむ

「……」

「すぅ、すぅ……」

「……チッ、寝てやんの……」

「すぅ、すぅ……」

「にぃ、ずれて」

「ん、んん……」

「……チッ、せめぇ」


 ほすほす


24 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 00:02:44.89 aNSIEwpG0 10/51

「暑い……せまい……誰だ?」

「……すぅ、すぅ」

「……なにこれ」

「すぅ、すぅ……」

「うーむ、俺と血が繋がってるとは思えないな。お、ほっぺたやらかいなー」

「ん、やぁ……」

「なんだと?」

「やだ……にぃ……」

「……起きるか。アホらしい」

「ん、んん……」

「起きそうにないな、こっちは……顔洗ってこよう」

「すぅ、すぅ……」

「朝飯作って……バイトかぁ……」 かちゃ、ぱたむ


 ほすほす


31 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 00:10:08.06 aNSIEwpG0 11/51

「……ん、あれ……あー……ッ!?」 身だしなみを確認中

「……チッ、クソが……」 下着確認

「すぅ……はぁ……起きようかな」

 ・ ・ ・

「洗剤やべぇ……コインランドリー行くかな……つか、下着何着あるんだよ」

「……チッ」

「お、おはよう。洗濯物は、ちゃんと狙えよ」

「っ……死ね!」

「ん、ああ、悪かったよ。朝から元気だなぁ……じゃ、朝飯は用意してあるから、ちゃんと食っとくように。食器は洗ってくれると助かるけど、水につけとくだけでも別に」

「チッ」

「はいはい、さっさと出てくよ。行って来ます」

「……らっしゃい」

「やべ、単車のカギ忘れた」

「っ、早く行け!」


 ほすほす


33 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 00:20:11.11 aNSIEwpG0 12/51

「……遊び? 行かない、と」 ぽちぽち

「暇だけど……今日はやめとく……調子悪い」 ぽちぽち

「はぁ……だる……やる事ない……」

 ぴちゃん、ぴちゃん

「……洗い物、するか。褒めてくれるかな」

 ・ ・ ・

「……疲れた。やめときゃよかった……クソ」

「にぃンとこ行くか……」 がちゃ、ばたむ

「すぅ……はぁ……探し物、探し物……チッ、ねぇの」

「引き出しの一番下……裏は、あった……」

「眼鏡? これも、眼鏡……キメェ、フェチかよ……」

「こんなの、いいの?」


 ほすほす


41 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:07:15.16 aNSIEwpG0 13/51

「ただいまー」

「……」

「昼飯は何食った?」

「……」

「ああ、カップ麺か何か……あれ、キッチン片付いてるな。インスタントの残骸も見当たらない……」

「っ……!」

「昼飯食ってないのか? ちゃんと三食食わないとだめだぞ」

「……チッ」

「なんだよもー、こっちは心配して言ってるのに……じゃあ、晩飯多めに作っとくか。あ、いつも通りでいいな」

「……そこじゃねぇよ、カス」

「? 俺、この後、出かけなきゃなんないから、晩飯一人になっちゃうけど……まぁ、平気だよな」

「……あ?」


 ほすほす


43 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:14:41.15 aNSIEwpG0 14/51

「だから、バイトの付き合いでさ……世話になってる人から誘われちゃって、断れないんだ。準備だけしてくから……」

「……なんで?」

「明日、日曜だからって……まぁ酒に付き合わなきゃならんから、さすがに連れてけないだろ?」

「……いかねぇし」

「だよな。まぁ、夕飯は奮発して、チンジャオロースー作っておくから。お腹減ったら、食っといてくれ。食器は……」

「チッ!」 がちゃ、ばたむ

「……一人は、やっぱ寂しいかな……ごめんな」

 まずぅ~しさにぃ~まけたぁ~♪

「もしもし、あ、今家です……すぐ出ますから……。いや、女の子はいらないっす。いや、二人きりもマズイでしょ? わかりました。えーと……」

 ぷつっ

「はぁ……んじゃ、晩飯の準備するかな……」


 ほすほす


46 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:20:22.05 aNSIEwpG0 15/51

「……」 ぐぅぅ

「お、機嫌はなおった?」

「チッ……さっさと行けよ」

「ラップかけとかなくていいかな?」

「すぐ食べる」

「そうか。じゃ、着替えていってくるよ」

「……誰と?」

「だから、バイト先の先輩だよ」

「……一人?」

「さぁ、二人きりはまずいと思うんだけど、よくわからねぇや」

「……女?」

「女っつーか、男らしい人だな。かっこいいとか言われてるよ」

「……女?」

「何で二回訊くんだ?」


 ほすほす


47 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:25:42.32 aNSIEwpG0 16/51

「……女と会うのに、そのカッコ?」

「ん、駄目なの?」

「チッ……しらね」

「うーん、駄目なのかなぁ」

「ソースくせぇし」

「そりゃ、飯作った後だからだろ。いいんだよ。オイスターソース臭くても。王将だし」

「……貧乏くせ」

「あの人もアルバイトだからなぁ……先輩に誘われてバイト始めたんだよ」

「チッ、きいてねぇよクズが」

「あれ、なんで怒るんだ」

「……早く行けよ」

「お、こんな時間か。はぁ、じゃ行ってくる。大人しく留守番してるんだぞ」

「……チッ」


 ほすほす


49 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:31:50.57 aNSIEwpG0 17/51

「……お腹減った……」 ぐぅぅ

「……食うか……」

「……美味くない……クソ」

「誰だよ、先輩って……」

 ・ ・ ・

 じゃー、きゅっきゅっ、からん

「……ふぅ、残りは冷蔵庫いれとこ」

「暇だ……にぃンとこ行こ」

 がちゃ、ばたむ

「……ソース臭い。ファブれよ、カス」

「にぃの匂い……どこ……」

「……ん、にぃ……ばか」


 ほすほす


52 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:40:00.81 aNSIEwpG0 18/51

 がっ、がちゃがちゃ……ばたむ

「……先輩、人の肩で寝ないでください」

先輩「ん、あー……やー、酔っちゃって、ごめんねー」

「もうちょい静かにお願いしますよ。妹が寝てるかもしれないんで」

先輩「おほ、実家ですか? お父様、ふしだらな娘ですが、どーか」

「取り敢えず実家じゃないんで、アパートの玄関で三つ指つくのはやめてください」

先輩「んえ? なんで、君んちいんだっけ? お持ち帰り? やだぁ、見かけによらず、狼少年なんだからぁ」

「細々と突っ込みたいですが、水を用意しますから、黙っててください」

先輩「突っ込みたいだなんて、イヤン、情熱的」

「……頼む、寝ててくれ、妹……」

「……チッ、なんだよ、それ」

「……取り敢えず、申し訳ない」

「死ね、クソが」

「お怒りはご尤もだが……手心とかほしいなぁ」


 ほすほす


54 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:46:53.74 aNSIEwpG0 19/51

先輩「ん~、なんだ、可愛い生き物が発見されたし」

「日本語をしゃべってください。それは妹です」

「……チッ」

「ちょっと相手しててくれ。水と、あと……風呂までは要らないか。すこし落ち着いたら、家まで送っていこう……ぶつぶつ」

先輩「うはぁ、ほっぺたがぷにぷにして、きもちぃぞ~」

「っ、離れろ、気持ちわりぃ! くせっ、なにこれ、ちょっと、にぃ!」

「ああもうっ、鼻フックはマニアックすぎるからやめたげて! とにかく、引き剥がすから、ええと……」

先輩「ん~、これ抱き枕にしていい?」

「殺す、こいつっ……」

「暴力は駄目だってば、抑えて抑えて……くぬっ、何この怪力……」

先輩「んふ、むにゃむにゃ……」

「……」

「……寝た?」

「チッ……」


 ほすほす


56 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:54:20.45 aNSIEwpG0 20/51

「はぁ……酷い目にあった……一人で食うわ飲むわで、忙しい人だよ、まったく」

「……うっぜぇ」

「酒癖はよくないな、たしかに。でもまぁ、いい人だから」

「……酒癖悪いと、男の部屋転がり込んでも、いいんだ?」

「いやまぁ、一度、ここに連れてこないと……ほら、終電終わってるから、単車で送ってかなきゃいけないだろ」

「そうじゃねぇよ、馬鹿」

「……そんな風には、見られてないよ。それに、俺のほうも、妹が居る隣で、そんな不謹慎な事はできない」

「……チッ」

「まぁ、無防備ではあるかもね。普段が、男らしいだけに」

「……アホ臭、寝る」

「ああ、ごめんな」

「……」


 ほすほす


58 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 01:58:51.05 aNSIEwpG0 21/51

「……にぃ? 寝てんの?」

「ん、んん……」

「チッ、飲酒運転するつもりかよ。アホか」

 がさがさ

「? ……酒乱か?」

 じゃあー……ぱたむ

先輩「うう~、すっきりした……ん? 妹ちゃんかな、噂の?」

「……下痢ピーか」

先輩「いや、リバースかな」

「きったねー」

先輩「ごめんよ、人ん家でさ……あー、出したらお腹減った……なんかない?」

「……チッ」

先輩「お、舌打ちは、よくないよ若者」

「うっせぇ、ババア」


 ほすほす


59 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:05:11.62 aNSIEwpG0 22/51

先輩「ば、……そういう君は、初潮くらいは迎えたのかなァ?」

「あ? 蜘蛛の巣張ってる奴に言われたくねーし」

先輩「……可愛い顔して、言うじゃないの……まあいいけどさ。カレは?」

「……寝てる。誰かさんに飲まされたお陰で」

先輩「付き合いのいい奴だよ。あたしのお気に入り」

「……チッ」

先輩「で、なんか無い? 吐いちゃうと、酔いが回っちゃってさー、そんで養分も足りなくなるワケよ。子猫ちゃんには饐えた話題かなぁ?」

「……水でも飲んでろ」

先輩「んぁ、つれないなぁ、兄くんとは大違いだねぇ……お、冷蔵庫はっけーん」

「おいコラ」

先輩「ん、ちーんじゃーおろーすー!」

「それは、あたしんだ!」 どかっ

先輩「あたっ」


 ほすほす


65 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:13:27.22 aNSIEwpG0 23/51

「……ん、やべ、寝てた……」

先輩「いったぁ……ちょいと、おイタが過ぎんじゃないの?」

「っせぇ、人ン家にズカズカあがり込んで、好き勝手に冷蔵庫漁ってんじゃねぇよ、この阿婆擦れ」

先輩「おっとぉ? これは、少しばかり、目上の人間に対する口の利き方を、矯正して差し上げる必要がありそうですなぁ?」

「グダグダ言う間に冷蔵庫閉めろや。温度上がって、電気代かかんだろうが、クズが」

「……寝てようかな。いや、駄目だな……おい、二人とも。ちょっと落ち着こうか」

先輩「お、騒ぎの原因」

「チッ……」

「いつの間に原因になったんですか。取り敢えず、冷蔵庫閉めてください。温度が上がって電気代かかっちゃうんで」

先輩「おっと、はいはい……さぁて、これから、あたしと兄くんとのコンビネーション説教タイムが」

「始まりません。先輩、それだけ呂律が回れば、もう平気ですね」

先輩「……う、酔った振りしたほうがいいかな?」

「……うぜぇ」

「送りますよ。さ、上着ちゃんと着て」


 ほすほす


68 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:20:08.38 aNSIEwpG0 24/51

「……おい」

先輩「んん?」

「にぃ、兄貴に手を出したら……本気で殴るからな」

先輩「その呼び方、可愛いね。あたしも『にぃ』って呼んでいい?」

「っ、てめぇ」

先輩「血が繋がってるって、お得ね。いつも傍にいても、何も言われないし……」

「……」

先輩「でも、それ以上は、無理だけど?」

「ッ……」

「先輩、何してんすか?」

先輩「はいはーい、今行く、今行く~……『にぃ』って可愛い呼び方ね。でも、あたしには必要ないわ。年下だし、血が繋がってるわけでもないもの」

「……どっか、行け。お前なんか、どっか行け!」

先輩「バイバイ、またね、妹ちゃん」

「……チッ!」


 ほすほす


75 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:30:30.17 aNSIEwpG0 25/51

「先輩、妹と何か話してたんですか?」

先輩「……妹ちゃん、高校生だっけ?」

「まぁ……事情があって、家族が離れ離れなんで、通う場所が近いから、二人で暮らしてるんですよ。二人で部屋借りたほうが、効率的ですし」

先輩「ふーん、ちょっと口悪いけど、可愛い妹さんね」

「友達とかとは、普通みたいですけど……先輩にまであんな風に喋るなんて思ってなかったですよ」

先輩「女の子なんて、ああいう感じじゃない? けっこう、口悪くなったりするんだよ、日常だと」

「そうなんですかねぇ。てっきり、あんまり好かれてないのかと……ほら、俺ちょっとオタクっぽいって言うか、あんまり今っぽくないから」

先輩「清潔にしてりゃ、少なくとも嫌われはしないでしょ。その点で言えば、君は合格」

「そうですか……でも、清潔かぁ……あいつはそんなの、あんまり考えてないかも……だって、たまに俺のベッドで寝てたりしますし」

先輩「……へぇ」

「たまに、ですけどね。ほかにも……」

先輩「? なに?」

「いや、なんでもないです」

先輩「……ふぅん」


 ほすほす


81 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:38:32.34 aNSIEwpG0 26/51

先輩「ふぅ、やっと着いた……けっこうゆっくり運転だったね」

「自分も、酔っ払いなんで、人を乗せてるからには、安全に運転しないと。それに、この時間は、裏道通れば、ほとんど車通り無いし」

先輩「あらあら、帰りも酔っ払い運転しちゃうの? 危ないんじゃない?」

「はは、行き以上に危なくなる事は無いと思いますよ」

先輩「どうせなら、もっと危ないトコに来てくれればいいのに」

「……先輩、まだ酔ってますね。部屋までは、送らなくて平気ですか?」

先輩「平気じゃないって言ったら?」

「訊いてきた時点で、頭がちゃんと働いてる、と判断します」

先輩「……つまんないなぁ。もっと積極的になっても、損はしないよ」

「……酒の勢いに任せてってのは、どうも……じゃ、俺は帰ります」

先輩「妹ちゃんが、待ってるから?」

「? 妹は関係ないと思いますが、まぁ……帰らないと、ちょっとは心配されると思うんで。おやすみなさい、先輩」

先輩「おやすみ……お馬鹿ねぇ。こっちもいっぱいいっぱいだっての」


 ほすほす


85 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 02:44:53.70 aNSIEwpG0 27/51

 がっ、がちゃがちゃ……ばたむ

「……ふぅ、忙しい一日だった」

「……妹、寝てるかな……迷惑かけたし、一言謝っとくべきだったなぁ」

「風呂入って、洗い物して……それから、寝よう」

「おい」

「んぁ? まだ起きてたのか?」

「……」

「なに?」

「酒と化粧臭い」

「あ、ああ、ごめん。風呂入ってくる……いや、寝ろよ」

「……」 こぽこぽ

「いや、コーヒーはいいから、ってお前のかよ」

「風呂入ってこい。くせぇんだよ」

「……はい」


 ほすほす


96 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:01:52.37 aNSIEwpG0 28/51

「あー、いい湯だった。シャワーだけど」

「……チッ」

「なんだ、いきなり舌打ちか」

「……上を着ろ。変態」

「ん、そうか。勝手に添い寝してくる奴に、変態呼ばわりか」

「チッ」

「その癖、やめたほうがいいぞ。将来、絶対後悔するからさ」

「……あたしの勝手だし」

「親父にはそうそう会えないんだから、あれこれ言う奴がいないと駄目だろ」

「……あの女は?」

「ちょっとは会話をしようぜ」

「……」

「ちゃんと送ってきたよ。部屋に誘われたような気もしたけど……そんな時間でもなかったから断ってきた」

「……ふん」


 ほすほす


99 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:07:46.35 aNSIEwpG0 29/51

「で、どうかな?」

「は? ……っ!?」 がたたっ

「あれ、驚かせたか? もう酒臭くないかと……いやまぁ、明日出かける用事とか無いんだけどさ」

「……いきなり近づくな」

「ごめん、そんな驚くとは思わなくて」

「チッ……」 すんすん

「……やっぱりあの女のニオイがする、とか怖いこといわないでくれよ」

「……」 すんすん

「あの、流石にちょっと恥ずかしくなってきたんですが」

「……あ、うん」

「あれ……お前、もう寝たほうがいいんじゃない? 顔色悪いぞ」

「うるさい……ばか」

「ええと、調子狂うんだけど」

「……」


 ほすほす


100 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:12:00.65 aNSIEwpG0 30/51

「まあいいや……今日は疲れた。今日っていっても、もう日曜になっちゃってるけど」

「……ん、あたしも」

「というわけで、俺は寝るよ。おやすみ」

「……おやすみ」

「……」

「……」 がちゃ、ぱたむ

「普通に、俺の部屋に来るのね」

「チッ……」

「何コイツ、みたいな顔で睨むなよ。まるで俺の部屋じゃないみたいじゃないか」

「さっさと寝ろよ」

「何プレイだ、これは」

「……」 くいっ

「顎でベッド行きを促すな。何様だ、お前は」

「……チッ」


 ほすほす


102 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:16:53.89 aNSIEwpG0 31/51

「……はぁ、やっぱり、自分の寝床が落ち着くなぁ」

「詰めろ」

「なんで我が物顔なんだよ、いちいち」 ずりずり

「向こう向け」

「……はぁ」 もそもそ……ぎっ

「よ、と……布団」

「あいよ。おとこくせぇ寝床へようこそ」

「……おやすみ」

「はいはい、おやすみ……何処で突っ込めばいいんだ」

「……」

「聞く耳無しかよ……まあいいや、ホント疲れた……ふぁあ……」

「……おやすみ、にぃ」

「すぅ、すぅ……」


 ほすほす


104 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:21:55.66 aNSIEwpG0 32/51

「……にぃ」

「すぅ、すぅ……」

「大学、卒業したら……にぃ、どうすんの?」

「すぅ、すぅ……」

「あたしたち……また、離れ離れかな?」

「ん、んん……」

「……」

「すぅ、すぅ……」

「にぃ、独り立ちしたら……もう……」

「すぅ、すぅ……」

「にぃ……いやだ、行かないで……」

「すぅ、すぅ……すぅ……」

「……」

「……」


 ほすほす


111 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:30:26.34 aNSIEwpG0 33/51

「……疲れて眠たかった筈なんだけどな……まあ、聞かないほうがよかったんだろうなぁ……」

「夢、コレは夢ってことで……お前も、それでいいよな?」

「すぅ、すぅ……」

 ・ ・ ・

「……おい」

「ん、んん……?」

「朝だ。起きろ、クソ虫」

「……朝っぱらから、マンモスつめてぇ」

「マンモス? 何世代だてめぇ」

「青いうさぎを知らないのか……いや、今はあんまりいい話題じゃなかったな……ふぁ、眠い」

「……寝てろ」

「いやまぁ、別に二日酔いとかじゃないんだけど……なんか、寝不足で」

「飯、作ってくる」

「……なんだと?」


 ほすほす


113 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:36:18.98 aNSIEwpG0 34/51

「……チッ、寝てろつったんだけど?」

「い、いや、新手の目覚ましかと思って……」

「ンだよ、うぜぇ」

「なんか、いつにも増して、不機嫌な感じだな。ホントに寝てたほうがいいの?」

「……好きにすれば」

「ああ……ええと、目玉焼きならフタをちゃんと……あと、火が強い」

「チッ……」

「味噌汁はダシが、そこの戸棚に……あと、味噌入れてから煮詰めるのもNGだぞ」

「……おい」

「はい?」

「……指切った」

「……取り敢えず水道でちゃんと洗ってな。絆創膏は……と」


 ほすほす


114 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:42:37.75 aNSIEwpG0 35/51

「ふぅ、こんなモンかな……あれ、なんで俺、寝間着で朝食作ってんだ?」

「……チッ」

「まぁ、休日だしいいか」

「……こっちでいい」

「そっちはちっこいだろ。お前が作ったんだから、俺が食うよ」

「言ってる事がおかしい」

「妹の手料理。兄としちゃ、割と夢だったんだな、これ」

「……チッ」

「じゃ、いただきまーす」

「……ます」

「……ん、どうした?」

「別に」

「そんなに、すぐに巧くはならないよ。俺も最初のうちはひどかったろ。お前がやらないから、こうなったんだよ。たまにはこれでもいいけど」

「……チッ」


 ほすほす


119 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:47:59.59 aNSIEwpG0 36/51

 ふたりはぁ~かぁれすすきぃ~♪

「ん、メールか。食事中だってのに……」

「……」

「……」 こと

「なに?」

「いや、一緒にご飯食ってるとこかって、先輩が。今、頭痛で目が醒めたってさ」

「……チッ」

「酔ってたんだよ、許してやってくれ」

「……許さね」

「お前に、ごめんねって」

「嘘くせぇ」

「……なんでそんな嫌いなんだ」

「別に……」

「はぁ、女同士はわかんないなぁ……」


 ほすほす


121 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 03:53:20.94 aNSIEwpG0 37/51

 ふたりはぁ~ピッ

「うは、またお誘い来てるよ……」

「断れ」

「でも、先輩の誘いだし」

「……断れ」

「……そうだな。あの人も二日酔いだろうし、無理させちゃ悪いし」

「……」

「ええと、妹が心配するのでやめときましょう、と」 ぽちぽち

「ふっ……」

「あれ、なんで笑うんだよ?」

「……別に。食器片す」

「お、今日はやけに頑張るな。食後のお茶でも淹れるか」

「……ん」


 ほすほす


126 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:01:24.47 aNSIEwpG0 38/51

「今日、天気いいなぁ……」

「……」

「お前、友達と遊びに行ったりしないわけ?」

「……携帯の電池切れてた」

「充電しとけよ」

「……今日は、予定無し」

「天気いいのに、若い娘が、勿体無い」

「……チッ」

「どっか、出かけるか?」

「……はぁ?」

「ゲーセン行こうぜ。KOFやろうぜ」

「……うぜぇ」

「KOFは冗談だけど、どっかでかけよう。どうせ暇だし」

「うぜぇ……着替えてくる」


 ほすほす


129 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:07:34.98 aNSIEwpG0 39/51

「……歩いていけるトコがいいよな。単車で2ケツするの、嫌だし」

「あの女、乗せてたじゃん」

「非常時だったからなぁ……一人で乗るもんなのさ」

「ケチくせぇ」

「でっかいの買えるくらいになったらな。大学生に無茶言っちゃイカンよ」

「……」

「先のことなんて、わかんないけどな」

「……何処行くの?」

「まだ決めてない……」

「……」

「……いや、今日の行き先な」

「……チッ」


 ほすほす


130 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:12:20.88 aNSIEwpG0 40/51

「もうすっかり秋って感じだけど、日が照ってるとまだまだポカポカしてるな」

「……」

「そんで、くっ付いて歩くと、けっこう暑い」

「……」

「今更だけど、なんで腕組むのさ?」

「チッ」

「舌打ちのタイミングじゃないよね」

「末端冷え性なんだよ」

「お前、布団の中で、手ェすごく熱かったぞ」

「……」

「だんまりかよ。せめてこっち向けよ」

「……うっせぇ」

「はぁ、何処行くかなぁ……座れるとこじゃないと、ちょっとこのまま歩くのは疲れそうだ」


 ほすほす


133 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:19:19.13 aNSIEwpG0 41/51

「無難に、駅前のショッピングモールにでも行くか。けっこう近いし……」

「服を買おう」

「小遣いの範囲で、買える服があるのか?」

「……財布ならもう一つある」

「はは、こいつは傑作だ。いつも以上にベタベタしてるのは、そういうわけか」

「……ふっ」

「……ほどほどにしてくれよ。そんなに稼いでるわけじゃないんだから……っと」

 まぁずぅしさにぃ~♪

「……もしもし、先輩ですか? ……そりゃ、暇でしょうけど……いや、今は妹と買い物に──」

「切れ」

「え、あ、いや……ちょっと音の調子が──」

「デート中だ、切れ」

「……すいません。ちょっと立て込んでまして……また、お電話します。では」

「……チッ」


 ほすほす


135 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:26:27.50 aNSIEwpG0 42/51

「先輩も大概、おちょくるのが好きだな……」

「デリカシー」

「え、何の話?」

「……チッ、女と出かけてる最中に、別の女の話をする。アホか」

「いや、先輩はただの……それにお前、妹だし」

「今は……デート中」 ぎゅむ

「……妹とデートってのもなぁ……いたいいたい、あんまり腕を引っ張るな」

「……」

「何処に行く気だよ」

「何処か入る。疲れた」

「疲れたって足取りか! ったく……」

「……グズグズすんな」

「はいはい、んもー」


 ほすほす


143 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:36:44.75 aNSIEwpG0 43/51

「……あんみつなんて、好きだったっけ?」

「……パパが好きだった」

「だっけ。俺はあんまり覚えてないな。別居したりくっ付いたりで、忙しかったし……とにかくお前が寂しくないかって、心配だったし」

「……チッ」

「親父ンとこにいたなら、もう少し礼儀正しい女の子になってたと思うんだけどなぁ」

「……パパとあんみつ食べた事くらいしか、覚えてない。他は、無茶苦茶」

「そういや、二人暮らし始めた頃、お互い何も知らなかったよな。親の事も含めて、ばらばらでさぁ」

「……にぃ、兄貴の事は覚えてた」

「ホントに子供頃は、いっつもいっしょだったしな。その頃は、もっと頻繁に『にぃ』って呼んだっけ」

「……」

「なつかしいよな。実を言うと、もううろ覚えだけど……大事な事だってことは、覚えてるよ」

「……家族だから?」

「ああ。一番のんびり、家族を実感してたかも」

「……そう」


 ほすほす


147 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:45:16.31 aNSIEwpG0 44/51

「ふぅ……割といい店だったな」

「……」

「もう、腕はいいのか?」

「……腹ごなしだよ」

「昼飯まで奢らせる気かよ……まぁ、安いトコならいいけど」

「……行くか」

「そんな、戦場に赴くみたいに、服屋を目指さなくても、いいと思うぞ。まずは、古着とか、リーズナブルなものをだな」

「……来いよ兄貴、怖いのか?」

「おめぇなんか、こわかねぇ……しかし、出費は恐ろしいんだ。解れ」

「ふっ……ふふ」

「別に笑えることじゃないだろ」

「……た、楽しいだけ……ふふ……」

「まあ、いいけどな。金が減らない分には」


 ほすほす


153 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:51:23.07 aNSIEwpG0 45/51

「おーい、あんまり遠くに行くなよ」

「……遅い」

「そんなに急いで見て回らんでも、服は逃げないだろうに……」

「これ」

「? それが?」

「どう?」

「どう、とは?」

「……チッ」

「舌打ち顔には、似合わないな。もっとほら、こう……笑ってみるとか」 うにゅ

「……」

「いや、抵抗するとか振り払うとか、しようよ。やり損じゃん」

「……うん」

「個人的には、もうちょっと落ち着いた色のほうが好きだけど……俺、ちょっと地味なの好きだからなぁ……すまん、わかんねぇや」

「……わかった」


 ほすほす


158 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 04:58:59.64 aNSIEwpG0 46/51

「これは、どう?」

「いや、どうって……俺の好みに合わせても意味無いと思うんだけどな。可愛いけどさ」

「わかった。これでいい」

「話半分しか聞いてないだろ」

「……うぜぇ、いいつってんだろーがよ」

「その野郎口調、なんとかしなさいよ。台無しじゃんよ」

「……そんな簡単に人間がかわるもんじゃねぇし」

「努力の形跡がまったく無いのも、どうかと思うけど……まあいいや、とにかくそれくらいでいいんだな。なんとか……たかっ」

「……兄の甲斐性」

「うるせぇ。ったく、そして私は潰される」

「ふっ……」

「だぁ、もう、商品片手に腕を組むな。邪魔になんだろうよ」

「……」

「はぁ……」


 ほすほす


162 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 05:05:22.62 aNSIEwpG0 47/51

「散財だな……まぁ、いいけどさ。人の役にたつ金なら、プライスレス」

「……しばらくは着ないけど」

「使えよ。せっかく買ったんだから」

「ちょっと地味だし」

「言わんこっちゃない……そう思うんだったら、俺を基準にするなって話だよ」

「これは、次のとき着ればいい」

「次って……そういう相手いるのか? 俺みたいなやる気無い感じのは駄目だぞ」

「……チッ」

「なんだよ」

「……つぎも、にぃでいい」

「はい?」

「次は、これを着る。嬉しい?」

「……嬉しい、のかなぁ。よく解らんけど」

「チッ」


 ほすほす


164 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 05:13:26.95 aNSIEwpG0 48/51

「……にぃ、その時、ちゃんと可愛いって言えよ」

「自分の妹がほんとに可愛くないと思ってる兄貴は、多分いないと思うぞ」

「ちげぇよ、馬鹿だな」

「……ちゃんと着てる姿は見てないし、そのときになって見ないとわかんないな」

「そん時は、嘘でも言え」

「だから、自分の妹をだな」

「妹じゃなくても」

「妹じゃなかったら、何なんだよ」

「あたしだよ。妹じゃなかったら、あたししか残らない。それでも多分、あたしは」

「待った。そこまでにしよう。話が変な方向にいってるぞ」

「……」

「飯にしよう。腹でも膨れれば、落ち着くだろうさ」

「……わかった」


 ほすほす


167 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 05:20:46.39 aNSIEwpG0 49/51

「ごちそうさまー」

「……さま」

「……ジョイフルって九州にしかないもんだと思ってたけど、最近は」

「にぃ」

「……ん?」

「次は、ちゃんとあるのかな」

「次……さぁな」

「あたしが言い出して、にぃが断ったら……もうしない」

「……」

「この服、着られるかな……その前に、居なくなったりしないかな……」

「ずっと先だろ、いずれまた、離れなきゃならない。子供のままじゃいられないし、兄弟がずっと一緒ってのも妙な話だ」

「イヤだって言っても?」

「昔から、我侭すぎるぞ」

「……」


 ほすほす


170 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 05:30:18.25 aNSIEwpG0 50/51

「それになぁ、ずっと一緒って嫌だろ。俺は一人でもいいけど、お前はどっか嫁に行くかもしれないだろ。そんなとき、こんなのが一緒に居たら、邪魔にしかならねぇ」

「嫁に行かないって言ったら?」

「それが、コロッと何処の馬とも知れない坊ちゃんあたりに、ぶつかっちまったりするんだな。それで、人知れずホロッときちゃうわけだ」

「にぃ……そうなってほしいわけ?」

「そうだな。ずっと一人で居るより、支えてくれる奴が一人は居たほうがいい筈だろ」

「なんで?」

「ぶきっちょだからな、一人じゃ可愛そうだ」

「……にぃのとこがいい」

「馬鹿野郎。いつまでも面倒見切れるかよ」

「一人で出来るようになるから」

「……お前」

「まだ、あたしガキだから、何にも出来ないけど、にぃにちゃんと認めてもらえるようになるから……傍に、居させてよ」

「おまえな、ホントそういうの……惚れた相手に言ってやれよ」

「……言ってるもん」


 ほすほす


176 : 以下、名... - 2009/10/08(木) 05:37:27.15 aNSIEwpG0 51/51

 がちゃ、ばたむ

「……明日も、講義か……今日みたいなのは、ホント勘弁だよ……」

「詰めろ」

「何、普通に居るんだよ」

「詰・め・ろ」

「わかったよ、んもー」 ずりずり

「よ、と……」 ぎっぎ

「……なんだよ、家に帰ってから、一言も口きかねぇくせに……」

「……もう言わね。口で言っても知らん」

「なんだそれは」

「諦めるまで、傍にいる。ずっと……」

「……ずっと、俺のベッド、狭いままか」

「諦めろ」

「……まあ、いいけどな。諦めるまで……チッ、しょうがないな」


 おしまい


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