7 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 20:51:35.25 5rmZvZl8O 1/34

「そうか……私に妹としての概念がない、と言うことは、つまり、そういうことだな兄よ」

「いや、どういうことだよ」

「詰まるところ、兄は私を妹として見れないわけだ」

「いや、俺は何も言ってないが」

「しかし、兄も大胆だな。お前をもう妹として見れない――なんて、そんなに私を恋人にしたいのか」

「話聞けよ」


はいどうぞ


元スレ
妹「妹と言う概念が無くなってしまった・・・だと・・・?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1318851514/

10 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 20:57:44.92 5rmZvZl8O 2/34

「仕方ない。不本意だが、兄の恋人になってやってもいい」

「ナニイッテンダコイツ……おい待て、どこへ行く」

「つきましては、ご両親へ挨拶に」

「おい」

「はい」

「冗談はよせ」

「冗談だと思っているのだろうか」


11 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:02:10.69 5rmZvZl8O 3/34

「いや、冗談だろ」

「なんだと。私は兄のことをこんなにも好いているのに」

「嘘つけ。俺が近くに寄ると嫌そうな顔をして逃げるくせに」

「兄よ、私は嘘をついていない」

「ほう」

「ほら、私の目を見てみろ」

「……お前、何か企んでるだろ」


12 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:07:24.12 5rmZvZl8O 4/34

「吐け。何を企んでいる」

「兄よ、貴方は何を申しておるのか」

「反抗期真っ盛りのてめえが、俺のことが好きだのなんだの、そんなおかしいこと言うはずねえだろ」

「ひどい」

「さあ、いったい何を悪巧みしてやがる」

「私を貴方のお嫁さんにしてください」
「こいつ……」


17 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:14:13.18 5rmZvZl8O 5/34

「兄はなぜ私を信じてくれないのだろうか」

「お前の俺に対する普段の態度が悪いからだ。顔見た瞬間に舌打ちしたりとか。部屋で音楽聞いてたら壁殴って威嚇したりだとか」

「悪かった。反省してます」

「軽いわ」

「反抗期でごめんねてへぺろ」

「お前もう部屋から出てけよ」

「ひどい」

「お前の方がひどいわ」


18 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:18:30.70 5rmZvZl8O 6/34

「しかし兄よ、良く考えて欲しい」

「なんだよ」

「可愛い可愛い妹が、こうして頭を下げているのだ。少しは……許してくれても良いのではないだろうか」

「うーん」

「よし、じゃあ脱ごう」

「脱ぐな」

「なんだと」

「……スカートを捲るな。下着が見える」

「見せております」

「お前もう部屋から出てけ」


19 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:24:15.70 5rmZvZl8O 7/34

「待って欲しい、兄よ」

「だから、今度はなんだよ。俺は疲れてんだよ。用があるなら手早くすませてくれ」

「兄の一番好きな料理を教えてくれ」

「……はあ?」

「今すぐ食べたい、とか、一度食べてみたい、とか、そんなものがあれば」

「……お前、熱でもあるんじゃないのか? なんかいつもと態度が違う」

「お答えくださいお兄様。さあ、さあさあさあ!」

「ちょ、なんだよお前……オムライスだよ。オムライス」

「それはなんと可愛い」

「黙れ」


21 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:30:17.78 5rmZvZl8O 8/34

「……よし」

「何だそのメモ帳。って何慌てて隠してんの」

「なんでもない。気にしないで欲しい。兄の花嫁になるために必要なものなのだ」

「いや、まだ言ってんのかそれ」

「愛してるぜ」

「あー、はいはい。なんか普段と違うから妹っぽいなお前」

「兄よ、第二の質問だ」

「……今度はなんだよ」

「兄の一日のオ○ニー回数は何回だ」

「この淫乱」

「貶さないで。濡れる」


22 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:35:52.10 5rmZvZl8O 9/34

「んっ……冗談はさておき」

「……変な声出すなよ」

「兄よ、貴方はその豚さん貯金箱に沢山のお金を貯めているな」

「何で知ってんだよ」

「昨日、豚さんが私に教えてくれたんだ。彼は良い豚だ」

「お前、貯金箱の位置がずれてると思ったら……」

「ごめんね。許してね」

「目を合わせて謝れ」

「それはどうでもいいが、兄よ、貴方は貯まったお金で何を買うつもりなんだ」

「何度もいいだろ。お前にゃ関係ない」

「ひどい」


23 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:41:10.97 5rmZvZl8O 10/34

「教えてくれたって、いいじゃない」

「やだよ」

「貴方のことが、もっと知りたいのよ」

「何か企んでそうだし」

「……」

「ほら、もういいだろ。俺は課題しなきゃなんねえからアッチイケ」

「ねー教えてよおにーちゃん! ひどいよ教えてくれたっていいでしょおにーちゃん! ねーねーねーってばっ!」

「うわああああ抱きつくなお前! 離れろ! やっぱなんか今日お前おかしい! ……耳噛むな!」

「はむはむ」

「おいこら離れろ!」

「がぶがぶ」

「わかったって! 教えるから耳噛むのやめろ!」

「がぶ」


24 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:49:47.96 5rmZvZl8O 11/34

「ギターだよ」

「なんと」

「ほら、教えたから自分の部屋に帰れ。今日のお前はなんか怖い。かまってられん」

「でも、豚さんはもうお腹がいっぱいだと言っている」

「はあ?」

「もうお金、食べたくないって」

「いや、何が言いたいのか全くわからんが」

「その豚に貯えられた財力を持ってしても、駄目なのか……! やつは、やつは購入できないのか……!」

「俺もうお前についていけない」


25 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 21:56:11.05 5rmZvZl8O 12/34

「これは由々しき事態だ。やはり、高校生の財力ではやつは購入できないのか」

「あー、そうっすね、はい。……だからそのメモなんだよ」

「ささっ。お兄様、人には見られたくないものがあるのです」

「お前はいつも、俺の部屋を勝手に物色するだろうが。漫画貸せ、とか言って」

「……」

「ほら、いい加減、部屋に戻れ。シッシッ」

「……やっぱ、今さらだよね」

「何がだよ」

「何でもないぞ、お兄様」

「そうかよ。ほら、ドア閉めるぞ」


28 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:06:15.93 5rmZvZl8O 13/34


□ □ □

「ってことがあったんだけど」

「まあ、あの子もいろいろ多感な時期だし」

「でも突然コロッと態度変わるんだもんな。あいつにも何度も言ったけど、絶対何か企んでやがる」

「そう?」

「だって俺の貯金箱の中、見てたみたいだし。金貸せ、とか言ってくるんじゃね」

「でもあの子、結構お金持ってるみたいよ。あんまり友だちと遊びにいかないし」

「つうかあの性格からして、友だちいねえだろ、ぜったい。何もしてないのに人のこと蹴ったり殴ったり、最悪だわ。おまけに側通っただけで睨んでくるし」

「まあ、それも今のうちだって。お兄ちゃんだから我慢しなさいな」

「こっちだいぶ我慢してるんだけどな。だいたい母さんもあいつを甘やかすから……」

「そろそろ、反抗期も終わりかねえ」


 □ □ □




31 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:17:34.99 5rmZvZl8O 14/34

「いつもの妹だ」

「……チッ」

「水飲みに台所に行ったら、バリアーがはられてた」

「ちょ、そっちバリアーはってるから! バリアーはってるから入れないし!」

「バリアー解除」

「駄目だって、バリアーはってるって! 駄目! このクソ兄貴、入ってくんな!」

「態度変わりすぎだろコイツ」

「……いいから、とっとと帰れよ。私は今忙しいんだからな」

「つうか、お前一人の台所じゃねえだろ。そこどけ」

「どかないし」

「こいつ……はぁ」


33 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:28:50.90 5rmZvZl8O 15/34

「ちくしょう、ほんと苛々するわ……昨日は妹が妹っぽくなるという驚きの事態があったが、やっぱり妹は妹だった――って言ってること意味わかんねえ」

「あはは」

「オカンは台所を占拠されてることを気にせず、テレビを見て笑っている」

「あ。あんた、そこに夕御飯置いてあるから」

「コンビニ弁当……」

「妹ちゃんが台所使ってるし、料理できなくって」

「はあ……なんかもう」

「そうそう、あんた明日どうするの?」

「明日?」

「あー、まあいっか。お母さん、仕事で遅くまで帰ってこないし、適当にお金でも渡しとくから。妹ちゃんと好きなの食べなさい」

「なんかよくわからないけど、了解……っておい母さんこれ」

「あ、犬の特集、8時からやるのね」

「諭吉……一食分なのに多くないか?」


34 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:38:19.86 5rmZvZl8O 16/34

一日後。

「起きた。今日は土曜日である。学校はお休みだ。したがって、二度寝しようと思う」

「おい」

「反抗期真っ盛りの妹の声が耳朶を打つ。私は少々いらっとした」

「おいってば!」

「うるさい……」

「起きろ!」

「あぐっ!」

「あっ、み、鳩尾……」

「ゲホッ、ゴホッ! ウグッ」

「べ、別にわざとじゃないし、だいたい、兄がさっさと起きないから」

「……お前、ふざけんなよ」

「……顔洗ってきなよ、汚いし。くさいし」

「……」


35 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:43:05.93 5rmZvZl8O 17/34

「家の鏡って、こんなに汚かったっけ……あ、クマが」

「なにぼさっとしてんの」

「……」

「おい、無視すんなよ」

「……うるさいなあ」

「なっ、うるさいって」

「ほら、あっち行け。顔洗うから」

「……」

「……なんだよ」

「顔洗ったらさ、ちょっとリビングまで来てよ」

「何で?」

「いいから、早くして」

「……」


37 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 22:52:23.48 5rmZvZl8O 18/34

「顔をタオルでゴシゴシっと……つうか、さっきから階上でゴソゴソと物音がするんだが。妹か? 何やってんだあいつ――気になるので少し見に行ってみる」

「ちょ、兄、階段にバリアーはってるから! バリアーはってるから入ってこれない!」

「またバリアーか」

「リビングに行って、待ってろって!」

「つうかお前、俺の部屋で何やってたんだよ」

「はあ? 頭おかしいんじゃないの? 何で私が兄の部屋に入らないとダメなんだよ」

「あー、まあ、悪い、気のせいだわ」

「チッ……ボケたんじゃないのクソ兄貴」

「はいはい、で、まあリビングで待っときゃあ良いんだな」

「だから待っててって」

「……」


41 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:04:28.52 5rmZvZl8O 19/34

「妹が一階に降りてきましたとさ。で、何があるんだ、いったい」

「……別に」

「はあ?」

「……」

「何もないなら呼ぶなよ」

「……ある」

「はあ……」

「今日の昼御飯、どうする?」


48 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:19:06.19 I9yvr3YS0 20/34

「昼? ……ああ、俺、昼まで寝てたのか」

「だから昼御飯っ」

「ああ、それなら諭吉さんが。適当にどっか外に食べに行こうぜ」

「万札……?」

「……」

「……」

「なあ、駅前にオムライスのうまい店があるんだけど、行かね? 最近オムライス食ってねえし、せっかくの外食だから――」

「……っ!」

「おいっ! てめぇ何を……金、返せ!」

「外食は、なしっ!」

「なんだよお前……自分勝手に」

「……」

「お前さ……いい加減にしろよ」



49 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:22:51.94 I9yvr3YS0 21/34

「え……」

「お前はいつもいつも、わがままも程々にしておけ。俺はもう我慢の限界だ」

「べ、別に私はそんな、つもりじゃ」

「じゃあどんなつもりなんだよ」

「いつもは、だけど今日はっ」

「今日は、何だよ。朝起きたら人の腹蹴って、それも今日に限った事じゃねえし」

「……」

「お前さ、ホント、いい加減にしろ」

「……」

「それとお前、俺の金、盗んだろ」


52 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:30:34.04 I9yvr3YS0 22/34

「な」

「昨日の夜中、俺の部屋来てたろ、お前」

「……気が付いてたんだ」

「まだ確認してねえけど、なんとなくな。万札見せた時の反応怪しかったし。なんで金持ってんの、みたいな目をしてたろ」

「……そう」

「お前さ、わかってんの。自分が何をしたのか。これ、ホント洒落になんねえんだけど」

「……ごめん、わたし」

「謝ればいいと思ってんのかよ! つうか、謝って簡単に許すと思うか!?」

「ひっ」

「おい、金、どこにやった」


53 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:33:29.88 I9yvr3YS0 23/34

「お金、は」

「早く答えろ!」

「つ、使った」

「はあ!?」

「その」

「お前、人が貯めてた金を……」

「で、でも、わたしは……」

「……お前もう、どっかいっちまえよ。妹だからって思ってたけど、もう無理だわ」


55 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:38:57.88 I9yvr3YS0 24/34

「……」

「……」

「……わかった」

「……」

「兄、」

「……」

「……やっぱなんでもないや」


57 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:43:07.10 I9yvr3YS0 25/34

「あいつ、玄関の鍵閉めていかなかったな……つうか、鍵持っていってないのか」

「……」

「まあ、どうでもいいか。あんな奴の事なんて。それよりも」

「……あいつ、俺の部屋で何やってたんだ? まさか貯金箱の金をスッたわけじゃないし。昨日だしな」

「なんも変わんねえけど。つうか、やっぱ貯金箱がない……もう少しでギターが買える金額まで貯まったのに……チッ」

「クッソ!」

「……?」

「あ、なんか壁を蹴ったら物音が。クローゼットの中か?」

「……なんだこれ」

「これって」



「ギター?」


59 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:47:53.47 I9yvr3YS0 26/34

「なんで、ギターが……!」

「……母さんか?」

(でもなんとなく、違う気がする)

「まさか、妹?」

「そんなはずは……」



「妹の部屋、来てしまったが」

「まあ、今まで入れてもらったこともなかったんだけど、あいつ、部屋だけ見ればこう、年頃の女の子なんだな」

「机の上になんか、書置きがある」

「……つうかこれ、メモ用紙じゃないか? あの時の」


61 : 以下、名... - 2011/10/17(月) 23:55:32.36 I9yvr3YS0 27/34

「鳥もも肉、マッシュルーム……ってなんだこれ」

「卵五パック、近所のスーパーで買えば安いらしい」

「……」

「これ、あと妹の貯金箱だ。割れてるけど」

「あいつ、そういや結構金持ってたって、母さんが言ってたっけ」

「どこかでみたような豚さんも隣に並んでる」

「中身ないけど」

「……」

「……」

「机の横に吊ってある、カレンダーにマル印」

「……」

「あ……」

「そうか、母さんの言ってた”明日”って」

「今日、俺の誕生日だったか」

「妹……」


65 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:01:45.28 X31Dlj1r0 28/34

「今さら私が言えたことではないか」

「ごめんなさいって、きちんと」

「だって、今まで兄には随分と酷いことをしたし」

「今もまだまだ反抗期だって、一言で済ませれば終わりだけど」

「私も少しは成長して、人の気持ちを考えるようになって」

「やっと大切なことに気が付いて」

「今まで何で、あんなことしてたんだろうって」

「だから少しでも助けになれればって思って」

「……お金を黙ってとったのには変わりない」


68 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:07:27.96 X31Dlj1r0 29/34

「家に帰りたくない」

「兄に、言われちゃったし」

「私は兄の妹でも何でもないって」

「私に妹という概念がなくなってしまっただと……?」

「……ただの他人で、おまけに無断でお金をとった泥棒だし」

「それに、それに、私は今まで、あの人を兄として扱ったことがなかった」

「これが因果応報ってやつだね」

「……寒いなあ」


69 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:11:16.60 X31Dlj1r0 30/34

「寒いなあ」

「寒いな」

「そういえば、もうお昼すぎちゃったなあ。オムライス、一生懸命つくって、兄に食べてもらうつもりだったんだけどなあ」

「そうだな、じゃあ、今日は食べに行くのやめて、家でオムライスを食べようぜ」

「……」

「……」

「……」

「ほら、帰るぞ」

「……」


71 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:19:55.07 X31Dlj1r0 31/34

「……」

「……」

「ごめん」

「俺も」

「……え」

「勘違いだった。本当に、ごめん。ひどいこと言って」

「私が、悪いんだ」

「そんなことねえよ。ほら、オムライス、つくってくれるんだろ?」

「兄のお金、とっちゃったし」

「誰かさんが、ギターを買ってくれたんだ」

「……」

「俺、バイトとかして金を貯めてたんだけど、なかなかうまくいかなくってさ。でも、その足りない分を誰かが自分の金から出してくれたんだ」

「……うん」

「誕生日プレゼント、ありがとな」


72 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:26:25.94 X31Dlj1r0 32/34

「……ふん、感謝しろよ」

「ああ、感謝したぞ」

「……」

「……」

「兄、冷蔵庫にケチャップってあった?」

「あん?」

「私は家に帰って兄の為にオムライスをつくるのだろう。しかし、オムライスにはケチャップが必要ではないのか」

「あー」

「貴様の顔に塗りたくってやろう。この儀式を終えれば私たちは晴れて仲良し兄妹だ」

「いや、意味わからんから」

「……兄」

「なんだ兄妹」

「……別に」

「なんだよ」

「チッ……ケチャップでオムライスにハートをトッピングさせてやるから覚悟をしておけ」


75 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:38:31.41 X31Dlj1r0 33/34



 □ □ □


「あれから、妹のテンションがおかしい」

「兄よ、ギターの音量はもう少し下げてくれぬだろうか。濡れる」

「ああ、うん、すまん」

「ところで兄よ、今弾いている曲の名前は……?」

「いや、今有名なロックバンドの……」

「カッコいい! 抱いて!」

「ちょおおおお前抱きつくなおいいいい! 耳! 耳噛むなこら!」

「はむはむもぐもぐ」

「やめ、ろ! 離れろ!」

「離れたぞ」


77 : 以下、名... - 2011/10/18(火) 00:43:00.90 X31Dlj1r0 34/34

「ちくしょうこいつ……この間まで反抗期だったくせに」

「……反抗期が私の、妹としてのアイデンティティだったのだろうか」

「は?」

「大変だ、このままでは……いやすでに、兄は私を妹として見ていないのか!」

「いや、わけわからんて」

「いや、恋人として見られるなら、それはそれでじゅるり」

「こんな、俺にデレデレべったりな妹、妹じゃない」

「なっ……! 私の妹と言う概念が失われてしまっただと……」

「あのなあ」

「忌々しき事態! 忌々しき事態!」

「…………別に反抗期であってもそうでなくても、お前は俺の妹だよ」




「そうか……妹ちゃんも、そろそろ思春期の時期なんだねえ」


-おわり-


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