~深夜~
~娯楽部~
京子「はーい、みんな!夜の娯楽部、はじめるよ~!」
一同「わーーー」
ちなつ「毎回思うんですけど、夜の娯楽部って、何かえっちな響きですね///」
京子「おや~?そんな事を思うちなつちゃんは欲求不満なのかな~?」
京子「その欲求、何時でも私にぶつけてもいいんだよ!」ダキッ
ちなつ「ちょ、京子先輩やめてくださいっ!」シュッ
京子「あわわ、頭が取れちゃった」ヨタヨタ
ちなつ「結衣先輩~、また京子先輩がぁ~」ダキッ
結衣「まったく、京子、ちなつちゃんが嫌がってるだろ」
京子「あたまあたま…」ヨタヨタ
京子「お、あった」ガシッ
京子「うーん、上手くくっつかないよ」クネクネ
あかり「京子ちゃん、あかり、ソーイングセット持ってるよぉ」
京子「お、ありがと~あかり~、着けて着けて~」ポイッ
あかり「ちょっと待っててね、京子ちゃん」チクチク
京子「あかりは天使のように優しいなあ~」
あかり「そ、そんなあ、普通だよぉ///」チクチク
あかり「はい、京子ちゃん完成!」
京子「あかり、ご苦労様!御褒美に飴ちゃんをあげよう!」
あかり「わーい、飴ちゃんだ~!」
結衣「…それ、配給の飴だろ?」
結衣「いいのか?京子?」
京子「私は別に構わないよ~」
ちなつ「京子先輩、太っ腹…」
あかり「~♪」ペロペロ
京子「あかり、美味しい?」
あかり「うん!京子ちゃんありがとうね!」パァ
ちなつ「うお!あかりちゃん眩しい…!焼かれそう!」
京子「あははは、ちなつちゃんは邪悪だなあ」
ちなつ「だだだだ、誰が邪悪ですか!」
綾乃「とーしのーーー!」
綾乃「きょーーーこーーーー!!」ドーン
千歳「お邪魔しますなぁ」
京子「お、綾乃~、どった?また私に会いに来てくれたの?」
綾乃「な、な、な、なに言ってんのよ、歳納京子!そんなはずないでしょ///」シュッシュッ
京子「うわっ、首縫ったばかりなんだから爪で何度も突いてこないで~」
京子「そんなに突かれると、身体はともかく、服が破れちゃうよ~」
綾乃「と、歳納京子の露出度が上がった///」
千歳「ええわぁ…」
綾乃「って、それは兎も角!また書類出しわすれてたでしょ!」
京子「あ~、そういえば忘れてたね~」ダルーン
京子「まあ、別にいいんじゃない?急ぐ必要もないと思うし」ダルーン
綾乃「夜の生徒会副会長であるこの私の目が黒いうちはそういう訳にはいかないのよ!」
京子「もー、判ったよ、綾乃、今書くから待ってて~」
京子「というか、今日はくつろいで行ってくれるんでしょ?」カキカキ
綾乃「あ、貴女と違って忙しいのよ私は!」
京子「またまた~、もう何カ月も授業ないんだし、忙しいわけないじゃん」カキカキ
綾乃「…そ、それは…」
京子「前から言ってるけど、娯楽部を家と思ってくつろいでくれていいよ~?」カキカキ
綾乃「わ、私の家は生徒会だし…そ、そういう訳には…///」
京子「も~、綾乃っていつも硬いよね!」
京子「けど、私達も暇を持て余してるからさ」
京子「出きれば、綾乃達も一緒に遊んでくれたら、嬉しいかなって」ニコ
綾乃「と、としのうきょうこ…///」
千歳「ええんと違う?綾乃ちゃん、どうせ生徒会に戻っても仕事なんかないんよ?」
綾乃「ち、千歳…千歳が言うなら、仕方ないわね!くつろいで行ってあげるわ歳納京子///」
京子「はい、書類完成!」
結衣「なあ、綾乃」ゴローン
綾乃「何、船見さん」セイザ
結衣「何かニュースとかある?」ゴローン
綾乃「うーん、大した物はないわね」セイザ
ちなつ「そういえば、最後まで抵抗してた自衛隊基地ってどうなったんでしょうね?」ゴロゴロ
千歳「あれもこないだ壊滅したって西垣先生が言うたはったわ」コローン
京子「もー、綾乃だけ、どうして正座なの?足崩していいんだよ~?」ツンツン
綾乃「ちょ、歳納京子、爪で太腿突かないで///痛痒いじゃない///」
京子「綾乃が足崩すまで続ける~」ツンツンツツン
綾乃「し、仕方ないわね…!///」コロリ
京子「それでいいんだよ~、一緒にごろごろしよっ」ゴローン
千歳「ええわあ…」
あかり「あ、京子ちゃん、そろそろ食事の時間だよ」
京子「お、もうそんな時間?いやっほーい☆」
ちなつ「……京子先輩、よくあんな食事で喜べますよね…」
京子「えー、美味しいじゃん、人口血液」
結衣「うーん、私は、あれ、ダメだな、不味すぎる」
ちなつ「私もです!結衣先輩!」ピタッ
あかり「あかりもちょっと苦手だよ~」
京子「じゃあ、私がちょっと給食室に行ってみんなの分を取ってきてあげるよ~」
結衣「いいの?…というか、他の飲み物混ぜたりしないでね」ジトー
京子(ばれた!?)
あかり「あかりも京子ちゃん手伝うよぉ」
京子「あかりはええ子や…」ナデ
京子「おーい、持ってきたぞ~」
あかり「両手塞がってるから、扉開けて~」
結衣「はい、ごくろうさま」ガラッ
綾乃「と、歳納京子、あ、ありがとうね…」
ちなつ「ふぅ…仕方ない、食事にしますか…」
綾乃「というか、貴女達、贅沢言い過ぎよ?飲めるだけマシなんだから」チュー
ちなつ「え、じゃあ綾乃先輩も人工血液美味しいって思えるクチですか?」チュー
綾乃「……」チュー
結衣「あ、やっぱり綾乃もダメなんだ」チュー
あかり「普通の食事がしたいよねぇ」チュー
京子「うめー☆」チュー
京子「さて、食事も済んだことだし…」
綾乃「済んだことだし?」
京子「もう寝る?」
結衣「おいこら」
ちなつ「あれやりましょうよ、五体捻じ切りゲーム」
京子「お、いいね、久しぶりにやる?」
あかり「えー、あれ、掃除が面倒だからやだなぁ…」
結衣「確かに、面白いんだけど掃除がなあ…」
ちなつ「なら、頭捻じ切りゲームに留めておきます?」
京子「いや、それ、私さっきやったじゃん」
綾乃「普段何やってるのよ貴女達…」
結衣「まあ、今晩はまったり過ごしてもいいんじゃない?」
京子「えー、昨晩もその前もその前もその前も、ずーっとまったりだったじゃーん」
京子「刺激が欲しいのですよ!刺激が!」
京子「せっかく綾乃達も居るんだし!」
綾乃「と、歳納京子///」
あかり「じゃ、鬼ごっことかどうかな、京子ちゃん」
京子「ナイス!あかり!久しぶりにそれで行こう!」
あかり「えへへへへ///褒められちゃった///」
京子「よーし、じゃあ鬼はあかりね、みんな逃げろー!」
一同「わーーー!」ダッ
あかり「ちょ、京子ちゃん酷いよ!待って皆待ってー!」
あかり「はぁ…はぁ…ひ、1人も捕まえられないよお…」グス
あかり「みんな、蝙蝠になって逃げるのずるいよぉ…」シクシク
結衣「うーん、あかり、捕食生物としては致命的に動きが鈍いからな…」フワフワ
京子「ちなつちゃんみたいに腹黒かったら上手く立ち回れるのにね!」フワフワ
ちなつ「ちょ、私腹黒くないですって!」フワフワ
京子「今日も月がきれいだねえ…」
結衣「ああ、不思議な物で、毎日見てても飽きないよな、あれは」
ちなつ「結衣先輩の事も毎日見てて飽きませんっ」ダキッ
結衣「は、ははは、ありがと、ちなつちゃん」
ピーピーピー
綾乃「あら、そろそろ時間だわ」
綾乃「歳納京子、私達はそろそろ生徒会室に戻るわ」
京子「お、もうそんな時間かあ」
京子「綾乃、楽しかったよ~!また来てよ!」
綾乃「こ、来ないわよ!用がない限り!///」
千歳「ええわあ…」
綾乃「歳納京子達も、時間には十分注意しなさいよ!」
京子「わかってる~、ありがとね!」
結衣「どうする?私達もそろそろ娯楽部に戻る?」
京子「うーん、もう少し鬼ごっこ続けようよ」
京子「あかりが可哀想だしさ!」
京子「あかり~、ほら、ここ、ここ~」
あかり「うわーん、京子ちゃん、待って~!」ダッ
京子「うわあ、捕まっちゃった~!」
あかり「やった!やったよ、みんなー!」
結衣「うん、良かったな、あかり」
ちなつ「良かったね、あかりちゃん!」
あかり「あ、月がもうあんな所に…」
京子「うん、綾乃達も、もう帰ったよ」
あかり「そっか、じゃあ、今晩も、もうお開きだね…」
結衣「また、明日の晩があるよ」
ちなつ「ですね、そろそろ戻りましょう」
京子「…月も好きだけどさ…」
京子「私は、太陽も好きだったんだよね…」
結衣「…京子、それは」
京子「太陽、もう1回見てみたいなあ」
ちなつ「…京子先輩、縁起でもないこと言わないでくださいよ」
京子「ふふ、冗談冗談!」
あかり「……」
結衣「もう、京子は冗談ばっかり…ほら、娯楽部に戻るぞ?」
ちなつ「結衣先輩、一緒に戻りましょ!」ダキッ
京子「あー、私はもう少しだけ月を眺めて行くよ」
京子「皆は、先に帰ってて」
結衣「……判った、京子、早めに戻って来るんだぞ」
結衣「腕時計、置いておくからな、アラームが鳴ったら…」
京子「判ってますって!」
あかり「……」
京子「うーん、いい夜だなあ」
あかり「……京子ちゃん」
京子「あれ、あかり、結衣達と一緒に行かなかったの?」
あかり「……うん」
あかり「あかりもね、前から、思ってた」
京子「ん?」
あかり「太陽、もう一回、見たいなって…」
京子「そっかー、あかりは太陽が似合う子だったからね…」
あかり「京子ちゃん…太陽、見るつもり?」
京子「……うん、あかりは騙せないか…」
あかり「じゃあ、私も…一緒しても、いい?」
京子「あかり……いいの?」
あかり「あかりは、いいよ、1人じゃ恐いけど…京子ちゃんが一緒なら」
京子「そっか……あかり、おいで」
あかり「うん……」
京子「あかりをこうやって抱っこしてあげるのも、久しぶりだねえ」
あかり「そうだね///」
京子「うん、あかり、夜の匂いがする…」
あかり「きょ、京子ちゃん、嗅がないでよ///」
ピー、ピー、ピー、ピー
京子「アラームだ、そろそろだね」
京子「あ、向こうが明るくなってきた…」
あかり「……京子ちゃん」プルプル
京子「大丈夫だよ、あかり、私が一緒にいるから…」
あかり「……」コクコク
京子「ほら、夜明けだ…」
京子「あかり、やっぱり、あかりは」ザラッ
京子「太陽の下で見たほうが、可愛いよ…」ザラザラッ
あかり「京子ちゃん…」ザラッ
あかり「京子ちゃんも…太陽の下の方が、ずっと綺麗…」ザラザラッ
京子「あかり…」ザラザラザラ
あかり「京子ちゃん…」ザラザラザラ
チュッ
ザラザラザラザラザラザラ
ザラザラザラザラ
ザラザラザラ
ザラザラ
ザラ
ザラ ザラ ザラ ザラ ザラ
~深夜~
~娯楽部~
ザラ ザラ ザラ ザラ
京子「うおおお、熱かった!」ガバッ
結衣「おかえり」
京子「あ、結衣、ただいま~、棺桶の前で待っててくれたの?」
結衣「まあ、お前のやりそうな事は見当つくからな」
ちなつ「…太陽を浴びて塵になっても」
ちなつ「どうせ夜になったら娯楽部に置いてある棺桶で復活するんですよ?」
ちなつ「わざわざ痛い思いする意味がわかりません」
京子「えー、今は確かに太陽浴びると塵になるけどさ~」
京子「何度も試せばそのうち太陽の下を歩けるようになるかもしれないじゃん!」
結衣「お前みたいなアグレッシブな吸血鬼見たことないよ、今回はあかりまで巻き込んで」
あかり「うーん、京子ちゃん、むにゃむにゃ」
京子「あかりはまだ棺桶の中でねぼすけか…」
京子「おーい!あかり~!」ユサユサ
あかり「ふ、ふえ!?地震!?」ビクッ
あかり「きょ、京子ちゃん!?どうしたの!?」
京子「どうしたもこうしたもないよ」
京子「夜の娯楽部、はじまるよ!」
歳納京子、記
2012年に蔓延した吸血鬼禍のお陰で半年後には9割以上の人類が吸血鬼化した
極僅かに生き残った人間達は地下や海に隠れ住んでる
大多数の吸血鬼は血液を得ることが出来ず、人工血液と配給制の純血液の飴で飢えを凌いでいる
私は、人工血液が好きだけど、娯楽部の仲間や生徒会の子達は受け付けられないみたいだ
何時か、人類全てが吸血鬼になってしまった時、あかり達がどうなってしまうのか
それが不安だ
完